JP2002050508A - 磁性粉末の製造方法 - Google Patents

磁性粉末の製造方法

Info

Publication number
JP2002050508A
JP2002050508A JP2000233611A JP2000233611A JP2002050508A JP 2002050508 A JP2002050508 A JP 2002050508A JP 2000233611 A JP2000233611 A JP 2000233611A JP 2000233611 A JP2000233611 A JP 2000233611A JP 2002050508 A JP2002050508 A JP 2002050508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
magnetic powder
iron
boron
samarium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000233611A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Kitahata
慎一 北畑
Yuji Sasaki
勇治 佐々木
Nobuko Kasashima
信子 笠島
Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
Hideaki Watanabe
英明 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2000233611A priority Critical patent/JP2002050508A/ja
Publication of JP2002050508A publication Critical patent/JP2002050508A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の磁性粉末を用いた磁気記録媒体に比べ
て、遥かに優れた記録再生特性を達成するため、新規な
磁性粉末の製造方法を提供する。 【解決手段】 鉄およびコバルトを少なくとも構成元素
とする磁性粉末であって、磁性粉末のコア−部分が合金
鉄であり、磁性粉末の外層部分が鉄およびコバルトを主
体とした酸化物からなる粒子サイズが10〜50nmの
範囲の粒子粉末の製造方法において、製造工程の出発原
料としてコバルトフェライトを用いる磁性粉末の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄およびコバル
トを少なくとも構成元素とする磁性粉末の製造方法に関
するもので、さらに詳しくは本発明は、デジタルビデオ
テ−プ、コンピュ−タ用のバックアップテ−プなど、特
に高密度記録が要求される磁気記録媒体に最適な磁性粉
末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁性粉末を結合剤に分散してなる塗布型
磁気記録媒体においては、その主たる用途であるコンピ
ューター等の情報処理機器分野の性能向上が急速である
ため、記録密度の一層の向上が要求されている。
【0003】磁気ヘッド側の進歩としては、高磁束密度
のヘッド材料の開発により、さらに高保磁力の媒体にも
対応が可能となりつつある。また、再生ヘッドには感度
が従来のヘッドに比べて高い、磁気抵抗効果を利用した
ものの使用も考えられており、この場合には、磁性粒子
の微粒子化による媒体ノイズの低減が高密度化に有利と
なる。
【0004】一方、記録素子に用いる磁性粉末の改良に
関しては、主として短波長記録に対応するために年々微
粒子化が図られ、現在粒子長さが0.1μm程度で針状
のメタル磁性粉末が実用に供されている。また短波長記
録時の減磁による出力低下を防止するために、年々高保
磁力化が図られ、 Fe/Co比が80/20付近の針
状Fe−Co合金針状磁性粉末は既に実用化されてお
り、約2500Oeの保磁力が実現されている(たとえ
ば、特開平3−49026号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに、より一層の微
粒子化が求められているが、現在以上に微粒子とする
と、形状が球に近くなり、保磁力がでにくくなる。ま
た、粒子の比表面積が増大するため飽和磁化が低下する
という欠点がでてくる。本発明は、このような状況を鑑
みてなされたもので、従来とは異なる発想で、微粒子で
高保磁力を有する磁性粉末を安定して作製する方法を開
発した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高性能の微
粒子で高保磁力を有する磁性粉末として、製造工程の出
発原料としてコバルトフェライトを用いることにより、
鉄およびコバルトを少なくとも構成元素とする磁性粉末
であって、磁性粉末のコア−部分が合金鉄であり、磁性
粉末の外層部分が鉄およびコバルトを主体とした酸化物
からなる粒子サイズが10〜50nmの範囲の粒子粉末
を作製することを可能とした。粒子粉末の形状は粒状乃
至楕円状の粒子粉末であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の磁性粉末の製造方法の概
略は、コバルトフェライト粒子を製造工程の出発原料に
用い、これをアルカリ水溶液中に懸濁し、ここに希土類
塩およびイットリウム塩から選ばれる少なくとも1種類
の塩とホウ素化合物を添加することにより、コバルトフ
ェライト粒子表面に希土類元素およびイットリウムから
選ばれる少なくとも1種類の元素とホウ素を被着した
後、得られた粒子を加熱還元し合金粒子化することであ
る。以下に、その内容について述べる。
【0008】(コバルトフェライト粒子の作製)製造工
程の出発原料に用いるコバルトフェライト粒子の製造方
法としては、主に共沈法があげられる。これは、鉄塩と
コバルト塩を水溶液中に溶解させ、これにアルカリ水溶
液を添加し、鉄とコバルトの共沈物を作製し、鉄とコバ
ルトの共沈物にSi,P,B,Bi,Sから選ばれた1種あるいは
2種以上の元素を沈殿物中の鉄およびコバルト成分に対
して0.01〜5原子%添加する。次にこれを加熱処理する
ことによりコバルトフェライト粒子を作製する方法であ
る。加熱温度は120℃から300℃の範囲で2時間か
ら6時間加熱する。このようにして粒子サイズが10〜
50nmの範囲の粒状乃至楕円状のコバルトフェライト
粒子粉末を得る。尚、加熱処理時のpHは、7から13に
調整することが好ましい。また前記共沈物の加熱処理時
に希土類およびイットリウムから選ばれた少なくとも1
種の元素を添加させることが好ましい。
【0009】作製するコバルトフェライトの組成をCoXF
e3-XO4で表したとき、0.3<X<1の組成にするのが好ま
しい。Xがこの範囲であるときに最終的に得られる合金
微粒子の飽和磁化が高いため好ましい。
【0010】粒子サイズの制御は、加熱処理温度、時
間、あるいは共沈時のpHや、水熱時にSi、Pイオン等を
共存させることによって行う。共沈時のpHは、中性で
あることが微粒子化に好ましい。
【0011】(コバルトフェライト粒子への元素被着)
作製したコバルトフェライト粒子を水溶液中に懸濁し、
希土類塩およびイットリウム塩から選ばれる少なくとも
1種類の塩とホウ素化合物を添加する。添加時の懸濁量
は、水1000gに対して5gから50gの量が好まし
い。またコバルトフェライト粒子にホウ素化合物を添加
するに際して、コバルトフェライト粒子を懸濁した溶液
中にホウ素化合物を溶解した溶液を添加後、60℃から
100℃の温度範囲で10分から60分加熱し、加熱直
後にろ過することが好ましい。
【0012】元素添加の作用は、還元過程における焼結
防止および磁気異方性の付与である。
【0013】磁性粉末に含有される希土類及びイットリ
ウムの含有量が鉄に対して0.2〜20原子%であるこ
とが好ましい。
【0014】また、磁性粉末に含有されるホウ素の含有
量が鉄に対して0.1〜15原子%であることが好まし
い。
【0015】代表的な被着方法としては、以下の通りで
ある。コバルトフェライト粒子を水溶液中に懸濁し、希
土類塩およびイットリウム塩から選ばれる少なくとも1
種類の塩を所定量溶解した水溶液を添加する。次に、中
和当量のアルカリ水溶液を添加し攪拌する。当量以上に
アルカリ水溶液を添加しても良いが、不経済である。
【0016】アルカリの種類としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア等を使用できる。
【0017】これ以外に、コバルトフェライト粒子への
元素被着は、コバルトフェライト粒子形成時、すなわち
原料塩の共沈時や水熱処理時に行っても良い。
【0018】(還元工程)元素被着の終わったコバルト
フェライト粒子を水素気流中で加熱還元し合金粒子とす
る。水素ガス以外に一酸化炭素ガス等の還元性ガスを用
いることが可能である。
【0019】還元温度としては、300℃から600℃
が好ましい。還元温度が300℃未満では還元が十分進
まない。また、600℃を越えると粒子の焼結が起こる
ため好ましくない。
【0020】(還元後の安定化工程)還元の終了した合
金粒子は、トルエン等の有機溶媒に浸漬して取り出し、
空気中で徐々に溶媒を蒸発させ表面に安定な酸化皮膜を
形成する。
【0021】有機溶媒を用いず、60℃から120℃の
温度範囲で、酸素を100ppmから10000ppm
含有する不活性ガス気流中に2時間から10時間保持
し、酸化皮膜を形成する、気相酸化法を行うのが好まし
い。
【0022】鉄に対する希土類元素及びホウ素の含有量
は、蛍光X線分析により測定した値である。
【0023】粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(TE
M)にて撮影した写真の粒子サイズを実測し、50個の
平均値により求められる。
【0024】なお、本発明において磁性粉末の形状を表
現するに当たり、粒状乃至楕円状と表現しているが、こ
れはほぼ粒状のものからほぼ楕円状のものまですべて
(つまり、ほぼ粒状からほぼ楕円状までの中間的な形状
のものも含む)を含み、その中に含まれるいずれの形状
であってもよいことを意味している。つまり、従来の磁
性粉末の形状である針状と区別するために、このような
表現をしているものであり、これらの中でも比表面積が
小さい球状乃至楕円状のものが好ましく、楕円状とはそ
の長径と短径の比は4以下を意味する。
【0025】保磁力及び飽和磁化は、いずれも試料振動
形磁束計で25℃において外部磁場16kOeでの測定
した値を示す。
【0026】以下本発明を実例により説明する。
【0027】〈実例1〜5:原料コバルトフェライトの
粒径の影響〉 《実例1》 (原料コバルトフェライト粒子の合成)0.419モル
の硝酸コバルト六水塩と0.974モルの硝酸鉄(II
I)九水塩を1500gの水に溶解した。次に、3.7
6モルの水酸化ナトリウムを1500gの水に溶解し
た。この鉄とコバルト塩の水溶液に水酸化ナトリウムの
水溶液を添加し、20分間攪拌し、鉄とコバルトの共沈
澱物を生成させた。
【0028】この共沈澱物をオートクレーブに入れ、2
20℃で4時間加熱した。水熱処理の終わった沈澱物を
水洗し、粒子サイズ15nmの球状微粒子コバルトフェ
ライトを得た。
【0029】次に、この微粒子コバルトフェライト10
gを800gの水に懸濁した。この懸濁液に、100g
の水に0.00278モルの硝酸サマリウム六水塩を溶
解した溶液を加え、20分間攪拌した。さらに、0.0
0834モルの水酸化ナトリウムを100gの水に溶解
した水溶液を添加し20分間攪拌した。
【0030】さらに、100gの水に0.0128モル
のホウ酸を溶解したホウ酸水溶液を添加し、20分間攪
拌した。この懸濁液を90℃で1時間加熱し、熱いまま
ろ過した。ろ過物をバットに広げて、60℃で6時間乾
燥させて水分を除去した。
【0031】得られた酸化物を管状電気炉に入れ、水素
気流中500℃で4時間加熱還元した。次に水素ガスを
流した状態で、室温まで冷却した後、酸素を1000p
pm含有し、残部が窒素である混合ガスに切り換えた。
次に温度を100℃まで昇温して、窒素/酸素混合ガス
気流中、6時間安定化処理を行ったのち、冷却後空気中
に取り出した。
【0032】このようにして仕込組成が、Sm0.3(Fe0.7C
o0.3)14B1.4である合金微粒子を作製した。
【0033】サマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系磁性
粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を蛍
光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子%、
4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型電子
顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの球状
乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの磁界
を印加して測定した飽和磁化は178emu/g、保磁
力は2030Oeであった。
【0034】《実例2》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時の水熱処理条件を180℃、4時間に
変えることにより、粒子サイズ10nmのコバルトフェ
ライト粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実
例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末を作製した。
【0035】このサマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系
磁性粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量
を蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが10nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は168emu/g、
保磁力は1950Oeであった。
【0036】《実例3》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時の水熱処理条件を、260℃、4時間
に変えることにより、粒子サイズ20nmのコバルトフ
ェライト粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、
実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素
系磁性粉末を作製した。
【0037】このサマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系
磁性粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量
を蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが20nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は183emu/g、
保磁力は1850Oeであった。
【0038】上記実例1〜3から明らかなように、本発
明の合成方法では、球状のコバルトフェライト粒子を原
料に用いることにより、この原料粒子とぼぼ同一形状の
合金磁性粉末を作製できる。なお、上記実例ではサマリ
ウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末で説明したが、
他の希土類およびイットリウムでも同様の磁性粉末が得
られることも確認している。
【0039】《実例4》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時の水熱処理条件を、140℃、4時間
に変えることにより、粒子サイズ7nmのコバルトフェ
ライト粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実
例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末を作製した。
【0040】このサマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系
磁性粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量
を蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが7nmの球
状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの磁
界を印加して測定した飽和磁化は149emu/g、保
磁力は1320Oeであった。
【0041】《実例5》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時に用いる水酸化ナトリウム量3.76
モルを9.76モルに変更し、粒子サイズが80nmの
コバルトフェライト粒子を作製して、これを原料に用い
た以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバル
ト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0042】このサマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系
磁性粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量
を蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが80nmを
示した。さらに、16kOeの磁界を印加して測定した
飽和磁化は192emu/g、保磁力は670Oeであ
った。
【0043】実例1〜5迄の諸特性の結果をまとめたも
のを表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】〈実例6〜9:コバルトフェライト粒子作
製時の組成の影響〉 《実例6》実例1において、コバルトフェライト粒子合
成時に用いる硝酸コバルト六水塩と硝酸鉄(III)九水
塩の使用量をそれぞれ0.322モル、1.072モル
に、また、水酸化ナトリウムの使用量を3.86モルに
変えた以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コ
バルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0046】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ2.8原子
%、3.6原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/g、
保磁力は1950Oeであった。
【0047】《実例7》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時に用いる硝酸コバルト六水塩と硝酸鉄
(III)九水塩の使用量をそれぞれ0.182モル、
1.211モルに、また、水酸化ナトリウムの使用量を
4.00モルに変えた以外は、実例1と同様にしてサマ
リウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0048】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ2.5原子
%、3.2原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は165emu/g、
保磁力は1790Oeであった。
【0049】《実例8》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時に用いる硝酸コバルト六水塩と硝酸鉄
(III)九水塩の使用量をそれぞれ0.522モル、
0.871モルに、また、水酸化ナトリウムの使用量を
3.66モルに変えた以外は、実例1と同様にしてサマ
リウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0050】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.5原子
%、4.5原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は143emu/g、
保磁力は1700Oeであった。
【0051】《実例9》実例1において、コバルトフェ
ライト粒子合成時に用いる硝酸コバルト六水塩と硝酸鉄
(III)九水塩の使用量をそれぞれ0.091モル、
1.302モルに、また、水酸化ナトリウムの使用量を
5.44モルに変えた以外は、実例1と同様にしてサマ
リウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0052】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ2.3原子
%、3.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は147emu/g、
保磁力は980Oeであった。
【0053】実例6〜9迄の諸特性の結果をまとめたも
のを表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】〈実例10〜12:希土類元素添加時のコ
バルトフェライト粒子懸濁量の影響〉 《実例10》実例1において用いる、微粒子コバルトフ
ェライトの量を30gに、硝酸サマリウム六水塩の量を
0.00834モルに、水酸化ナトリウムの量を0.0
250モルに、ホウ酸の量を0.0384モルに変えた
以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト
−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0056】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.6原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は179emu/g、
保磁力は1980Oeであった。
【0057】《実例11》実例1において用いる、微粒
子コバルトフェライトの量を50gに、硝酸サマリウム
六水塩の量を0.0139モルに、水酸化ナトリウムの
量を0.0417モルに、ホウ酸の量を0.0640モ
ルに変えた以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄
−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0058】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、7.2原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/g、
保磁力は1900Oeであった。
【0059】《実例12》実例1において用いる、微粒
子コバルトフェライトの量を80gに、硝酸サマリウム
六水塩の量を0.0222モルに、水酸化ナトリウムの
量を0.0667モルに、ホウ酸の量を0.1024モ
ルに変えた以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄
−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0060】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、7.8原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが25nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は166emu/g、
保磁力は1680Oeであった。
【0061】実例10〜12迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】〈実例13、14:希土類元素添加時の希
土類塩の種類の影響〉 《実例13》実例1において、コバルトフェライト粒子
に希土類塩を添加する場合に用いる金属塩として、酢酸
サマリウム塩を用いたこと以外は、実例1と同様にして
サマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製し
た。
【0064】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は175emu/g、
保磁力は2000Oeであった。60℃90%の雰囲気
中に1週間保持後の飽和磁化の減少率は、6%であっ
た。
【0065】《実例14》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する場合に用いる金属塩
として、塩化サマリウム塩を用いたこと以外は、実例1
と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性
粉末を作製した。
【0066】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は168emu/g、
保磁力は1950Oeであった。60℃90%の雰囲気
中に1週間保持後の飽和磁化の減少率は、34%であっ
た。
【0067】実例13〜14迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】〈実例15:ホウ酸添加時のろ過条件の影
響〉 《実例15》実例1において、ホウ酸を添加する工程に
おいて、ホウ酸水溶液を添加後、室温に保持したままろ
過したこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄
−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0070】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、6.5原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は155emu/g、
保磁力は1920Oeであった。
【0071】実例15の諸特性の結果をまとめたものを
表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】〈実例16:希土類元素添加時のアルカリ
の種類の影響〉 《実例16》実例1において、コバルトフェライト粒子
に希土類塩を添加する場合に用いるアルカリとして、水
酸化カリウムを用いたこと以外は、実例1と同様にして
サマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製し
た。このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末
の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を蛍光X線
により測定したところ、それぞれ3.1原子%、6.5
原子%であった。また前記磁性粉末を透過型電子顕微鏡
で観察したところ、粒子サイズが15nmの球状乃至楕
円状の粒子であった。さらに、16kOeの磁界を印加
して測定した飽和磁化は155emu/g、保磁力は1
920Oeであった。
【0074】実例16の諸特性の結果をまとめたものを
表6に示す。
【0075】
【表6】
【0076】〈実例17〜21:還元温度の影響〉 《実例17》実例1において、管状電気炉を使用した水
素気流中での加熱還元温度を350℃にしたこと以外
は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホ
ウ素系磁性粉末を作製した。
【0077】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/g、
保磁力は2050Oeであった。
【0078】《実例18》実例1において、管状電気炉
を使用した水素気流中での加熱還元温度を450℃にし
たこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コ
バルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0079】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は176emu/g、
保磁力は2000Oeであった。
【0080】《実例19》実例1において、管状電気炉
を使用した水素気流中での加熱還元温度を550℃にし
たこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コ
バルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0081】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は179emu/g、
保磁力は1920Oeであった。
【0082】《実例20》実例1において、管状電気炉
を使用した水素気流中での加熱還元温度を280℃にし
たこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コ
バルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0083】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は159emu/g、
保磁力は1750Oeであった。
【0084】《実例21》実例1において、管状電気炉
を使用した水素気流中での加熱還元温度を650℃にし
たこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コ
バルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0085】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は191emu/g、
保磁力は1050Oeであった。
【0086】実例17〜21迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表7に示す。
【0087】
【表7】
【0088】〈実例22、実例23:還元後の安定化処
理条件の影響〉 《実例22》実例1において、管状電気炉を使用した水
素気流中での加熱還元後の安定化処理として、水素ガス
を流した状態で、室温まで冷却した後、酸素を1000
ppm含有し、残部が窒素である混合ガスに切り換え、
次に温度を80℃まで昇温して、窒素/酸素混合ガス気
流中、6時間安定化処理を行ったのち、冷却後空気中に
取り出したこと以外は、実例1と同様にしてサマリウム
−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0089】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は176emu/g、
保磁力は2050Oeであった。60℃90%の雰囲気
中に1週間保持後の飽和磁化の減少率は、6%であっ
た。
【0090】《実例23》実例1において、管状電気炉
を使用した水素気流中での加熱還元後の安定化処理とし
て、水素ガスを流した状態で、室温まで冷却した後、ト
ルエンに浸漬し、その後空気中にとりだし、ドラフト中
でトルエンを蒸発させたこと以外は、実例1と同様にし
てサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製
した。
【0091】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/g、
保磁力は1950Oeであった。60℃90%の雰囲気
中に1週間保持後の飽和磁化の減少率は、9%であっ
た。
【0092】実例22〜23迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表8に示す。
【0093】
【表8】
【0094】〈実例24〜28:希土類元素添加量の影
響〉 《実例24》実例1において、コバルトフェライト粒子
に希土類塩を添加する工程において、硝酸サマリウム六
水塩の使用量を0.00139モルに、また水酸化ナト
リウムの使用量を0.00417モルにしたこと以外
は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホ
ウ素系磁性粉末を作製した。
【0095】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ1.5原子
%、2.9原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は174emu/g、
保磁力は1920Oeであった。
【0096】《実例25》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩の使用量を0.00897モルに、ま
た水酸化ナトリウムの使用量を0.0269モルにした
こと以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバ
ルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0097】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ10.0原子
%、4.5原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は176emu/g、
保磁力は1980Oeであった。
【0098】《実例26》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩の使用量を0.0135モルに、また
水酸化ナトリウムの使用量を0.0404モルにしたこ
と以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバル
ト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0099】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ15.0原子
%、4.8原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は169emu/g、
保磁力は2020Oeであった。 《実例27》実例1において、コバルトフェライト粒子
に希土類塩を添加する工程において、硝酸サマリウム六
水塩の使用量を0.00027モルに、また水酸化ナト
リウムの使用量を0.00081モルにしたこと以外
は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホ
ウ素系磁性粉末を作製した。
【0100】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ0.3原子
%、0.9原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが30nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は170emu/g、
保磁力は1210Oeであった。
【0101】《実例28》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩の使用量を0.0224モルに、また
水酸化ナトリウムの使用量を0.0673モルにしたこ
と以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバル
ト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0102】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ1.5原子
%、2.9原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが50nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は165emu/g、
保磁力は1110Oeであった。
【0103】実例24〜28迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表9に示す。
【0104】
【表9】
【0105】〈実例29〜32:ホウ酸添加量および添
加条件の影響〉 《実例29》実例1において、コバルトフェライト粒子
にホウ酸処理を行う場合の、ホウ酸の使用量を0.00
32モルにしたこと以外は、実例1と同様にしてサマリ
ウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0106】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、1.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/g、
保磁力は1880Oeであった。
【0107】《実例30》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子にホウ酸処理を行う場合の、ホウ酸の使用
量を0.0384モルにしたこと以外は、実例1と同様
にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を
作製した。
【0108】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、12.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過
型電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nm
の球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化は168emu/
g、保磁力は1780Oeであった。
【0109】《実例31》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子にホウ酸処理を行う場合の、ホウ酸の使用
量を0.00096モルにしたこと以外は、実例1と同
様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末
を作製した。
【0110】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、0.3原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが50nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は168emu/g、
保磁力は980Oeであった。
【0111】《実例32》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子にホウ酸処理を行う場合の、ホウ酸の使用
量を0.064モルにし、加熱することなくろ過したこ
と以外は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバル
ト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0112】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、20.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過
型電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが20nm
の球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化は122emu/
g、保磁力は1200Oeであった。
【0113】実例29〜32迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表10に示す。
【0114】
【表10】
【0115】〈実例33〜36:添加希土類元素の種類
の影響〉 《実例33》実例1において、コバルトフェライト粒子
に希土類塩を添加する工程において、硝酸サマリウム六
水塩に変えて硝酸イットリウム塩を用いたこと以外は、
実例1と同様にしてイットリウム−鉄−コバルト−ホウ
素系磁性粉末を作製した。
【0116】このイットリウム−鉄−コバルト−ホウ素
系磁性粉末の鉄に対するイットリウム及びホウ素の含有
量を蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原
子%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過
型電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nm
の球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化は176emu/
g、保磁力は2010Oeであった。
【0117】《実例34》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩に変えて硝酸ネオジウム塩を用いたこ
と以外は、実例1と同様にしてネオジウム−鉄−コバル
ト−ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0118】このネオジウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するネオジウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は178emu/g、
保磁力は1950Oeであった。
【0119】《実例35》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩に変えて硝酸セリウム塩を用いたこと
以外は、実例1と同様にしてセリウム−鉄−コバルト−
ホウ素系磁性粉末を作製した。
【0120】このセリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁
性粉末の鉄に対するセリウム及びホウ素の含有量を蛍光
X線により測定したところ、それぞれ3.1原子%、
4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型電子
顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが15nmの球状
乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの磁界
を印加して測定した飽和磁化は173emu/g、保磁
力は1960Oeであった。
【0121】《実例36》実例1において、コバルトフ
ェライト粒子に希土類塩を添加する工程において、硝酸
サマリウム六水塩の量を0に変えたこと以外は、実例1
と同様にして鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製し
た。
【0122】この鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末の鉄
に対するホウ素の含有量を蛍光X線により測定したとこ
ろ、0.2原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、粒子サイズが60nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は138emu/g、
保磁力は1020Oeであった。
【0123】実例33〜36迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表11に示す。
【0124】
【表11】
【0125】〈実例37〜42:原料コバルトフェライ
ト粒子作製時の添加元素の種類の影響〉 《実例37》 (原料コバルトフェライト粒子の合成)0.419モル
の硝酸コバルト六水塩と0.974モルの硝酸鉄(III)
九水塩を1500gの水に溶解した。次に、3.76モ
ルの水酸化ナトリウムを1500gの水に溶解した。こ
の鉄とコバルト塩の水溶液に水酸化ナトリウムの水溶液
を添加し、20分間攪拌し、鉄とコバルトの共沈澱物を
生成させた。その後、ケイ酸ナトリウムを加え10分間
攪拌し、Siが沈殿物中の鉄およびコバルト成分に対して
2.01原子%となるように添加し、この共沈澱物をオ
ートクレーブに入れ、180℃で4時間加熱した。水熱
処理の終わった沈澱物を水洗し、コバルトフェライトを
作製した。透過型電子顕微鏡で観察し、300個の粒径
から平均をとると平均粒径10nmの球状乃至楕円状微
粒子のコバルトフェライトを得た。また、BET比表面積
は118 m2/ gであった。
【0126】次に、この微粒子コバルトフェライト10
gを800gの水に懸濁した。この懸濁液に、100g
の水に0.00278モルの硝酸サマリウム六水塩を溶
解した溶液を加え、20分間攪拌した。さらに、0.0
0834モルの水酸化ナトリウムを100gの水に溶解
した水溶液を添加し20分間攪拌した。
【0127】さらに、100gの水に0.0128モル
のホウ酸を溶解したホウ酸水溶液を添加し、20分間攪
拌した。この懸濁液を90℃で1時間加熱し、熱いまま
ろ過した。ろ過物をバットに広げて、60℃で6時間乾
燥させて水分を除去した。得られた酸化物を管状電気炉
に入れ、水素気流中500℃で4時間加熱還元した。次
に水素ガスを流した状態で、室温まで冷却した後、酸素
を1000ppm含有し、残部が窒素である混合ガスに
切り換えた。次に温度を100℃まで昇温して、窒素/
酸素混合ガス気流中、6時間安定化処理を行ったのち、
冷却後空気中に取り出した。
【0128】このようにして仕込組成が、Sm0.3(Fe0.7C
o0.3)14B1.4である合金微粒子を作製した。
【0129】サマリウム−鉄−コバルト-ホウ素系磁性
粉末の、鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を蛍
光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子%、
4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型電子
顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが10nmの
球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化は170emu/g、
保磁力は1900Oeであった。
【0130】《実例38》実例37において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して1.83原子%添
加させることにより平均粒径8nm、BET比表面積14
4 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト微粒子を
作製して、これを原料に用いた以外は、実例1と同様に
してサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作
製した。
【0131】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが8nm
の球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化は165emu/
g、保磁力は1700Oeであった。
【0132】《実例39》実例37において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、硝酸ビスマス五水塩を
加えBiを沈殿物中の鉄およびコバルト成分に対して0.
27原子%添加させることにより平均粒径12nm、BE
T比表面積123 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェ
ライト微粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、
実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素
系磁性粉末を作製した。
【0133】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが12n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は170emu/
g、保磁力は2000Oeであった。
【0134】《実例40》実例37において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、硫酸を加えSを沈殿物
中の鉄およびコバルト成分に対して1.77原子%添加
させることにより平均粒径15nm、BET比表面積12
2 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト微粒子を
作製して、これを原料に用いた以外は、実例1と同様に
してサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作
製した。
【0135】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが15n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は177emu/
g、保磁力は2010Oeであった。
【0136】《実例41》実例37において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、ホウ酸を加えBを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して5.28原子%添
加させることにより平均粒径10nm、BET比表面積1
24 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト微粒子
を作製して、これを原料に用いた以外は、実例1と同様
にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を
作製した。
【0137】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが10n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は175emu/
g、保磁力は1900Oeであった。
【0138】《実例42》実例37において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、何も添加させずに平均
粒径20nm、BET比表面積81 m2/ gの球状コバルト
フェライト微粒子を作製して、これを原料に用いた以外
は、実例1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホ
ウ素系磁性粉末を作製した。
【0139】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが20n
mの球状の粒子であった。さらに、16kOeの磁界を
印加して測定した飽和磁化は130emu/g、保磁力
は1200Oeであった。
【0140】実例37〜41迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表12に示す。
【0141】
【表12】
【0142】〈実例43〜47:コバルトフェライト粒
子作製時の添加元素量およびアルカリ濃度の影響〉 《実例43》実例38において、コバルトフェライト粒
子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿物中の鉄およ
びコバルト成分に対して0.183原子%添加させるこ
とにより平均粒径10nm、BET比表面積126 m2/ g
の球状乃至楕円状コバルトフェライト微粒子を作製し
て、これを原料に用いた以外は、実例1と同様にしてサ
マリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉末を作製し
た。
【0143】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが10n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は170emu/
g、保磁力は1900Oeであった。
【0144】《実例44》実例38において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して0.00183原
子%添加させることにより平均粒径12nm、BET比表
面積116 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト
微粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実例1
と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性
粉末を作製した。
【0145】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが12n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は172emu/
g、保磁力は1950Oeであった。
【0146】《実例45》実例38において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して1.83原子%添
加させ、さらに水酸化ナトリウムを2N加えpH13で水
熱処理をすることにより平均粒径20nm、BET比表面
積113 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト微
粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実例1と
同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性粉
末を作製した。
【0147】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが20n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は185emu/
g、保磁力は1800Oeであった。
【0148】《実例46》実例38において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して0.183原子%
添加させ、さらに水酸化ナトリウムを2N加えpH13で
水熱処理をすることにより平均粒径22nm、BET比表
面積112 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライト
微粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実例1
と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁性
粉末を作製した。
【0149】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが22n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は187emu/
g、保磁力は1600Oeであった。
【0150】《実例47》実例38において、コバルト
フェライト粒子合成時に共沈後、リン酸を加えPを沈殿
物中の鉄およびコバルト成分に対して0.0183原子
%添加させ、さらに水酸化ナトリウムを2N加えpH13
で水熱処理をすることにより平均粒径22nm、BET比
表面積113 m2/ gの球状乃至楕円状コバルトフェライ
ト微粒子を作製して、これを原料に用いた以外は、実例
1と同様にしてサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系磁
性粉末を作製した。
【0151】このサマリウム−鉄−コバルト−ホウ素系
磁性粉末の鉄に対するサマリウム及びホウ素の含有量を
蛍光X線により測定したところ、それぞれ3.1原子
%、4.0原子%であった。また前記磁性粉末を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒子サイズが22n
mの球状乃至楕円状の粒子であった。さらに、16kO
eの磁界を印加して測定した飽和磁化は190emu/
g、保磁力は1500Oeであった。
【0152】実例43〜47迄の諸特性の結果をまとめ
たものを表13に示す。
【0153】
【表13】
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の希土類−
鉄−ホウ素系磁性粉末は、粒状乃至楕円状の形状であり
ながら高い保磁力と、極めて微粒子であるにもかかわら
ず高い飽和磁化を有する、従来の磁性粉末とは発想の異
なる磁性粉末であることがわかる。従って、本発明の磁
性粉末は、高密度記録が要求される磁気記録媒体に特に
適した磁性粉末であり、その産業上の利用価値は極めて
大きなものである。
フロントページの続き (72)発明者 笠島 信子 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 岸本 幹雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 渡邉 英明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 4G002 AA06 AA09 AA10 AB04 AB05 AD03 AE03 4G048 AA03 AB02 AC03 AD03 AE07 5D112 AA05 AA22 BB02 BB06 BB11 BB12 5E040 AA11 AA19 BC01 CA06 HB00 HB09 HB11 HB15 HB17 NN01 NN06 NN12 NN15 NN17 NN18

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄およびコバルトを少なくとも構成元素
    とする磁性粉末であって、磁性粉末のコア−部分が合金
    鉄であり、磁性粉末の外層部分が鉄およびコバルトを主
    体とした酸化物からなる粒子サイズが10〜50nmの
    範囲の粒子粉末の製造方法において、製造工程の出発原
    料としてコバルトフェライトを用いることを特徴とする
    磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 出発原料に用いるコバルトフェライトの
    組成をCoXFe3-XO4で表したとき、Xが0.3<X<1の範囲
    内にあることを特徴とする請求項1記載の磁性粉末の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 出発原料に用いるコバルトフェライト粒
    子の製造に際し、鉄塩とコバルト塩を含む溶液にアルカ
    リ性溶液を添加することにより、鉄とコバルトを含む共
    沈澱物を生成し、次にこの懸濁液にSi,P,B,Bi,Sから選
    ばれた1種あるいは2種以上の元素を沈殿物中の鉄およ
    びコバルト成分に対して0.01〜5原子%添加し、さら
    に、120〜300℃で2〜6時間水熱処理して作製したコバル
    トフェライトを用いることを特徴とする請求項1記載の
    磁性粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 コバルトフェライト粒子の製造に際し、
    水熱処理時のpHを7〜13とすることを特徴とする請求項
    3記載の磁性粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱処理時に希土類およびイットリウム
    から選ばれた少なくとも1種の元素を添加したことを特
    徴とする請求項3記載の磁性粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 出発原料に用いるコバルトフェライトの
    粒子サイズが10〜50nmの範囲であることを特徴と
    する請求項1記載の磁性粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 出発原料に用いるコバルトフェライト粒
    子を、アルカリ水溶液中に懸濁し、希土類塩およびイッ
    トリウム塩から選ばれる少なくとも1種類の塩とホウ素
    化合物を添加することにより、コバルトフェライト粒子
    表面に希土類元素およびイットリウムから選ばれる少な
    くとも1種類の元素とホウ素を被着させた後、得られた
    粒子を加熱還元することを特徴とする請求項1記載の磁
    性粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 コバルトフェライト粒子に希土類塩およ
    びイットリウム塩から選ばれる少なくとも1種類の塩を
    添加するに際し、溶液中のコバルトフェライト粒子を水
    1000gに対して5gから50g懸濁させた懸濁液に
    希土類塩およびイットリウム塩から選ばれる少なくとも
    1種類の塩を添加することを特徴とする請求項7記載の
    磁性粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 コバルトフェライト粒子に希土類塩およ
    びイットリウム塩から選ばれる少なくとも1種類の塩を
    添加するに際し、硝酸塩あるいは酢酸塩を用いることを
    特徴とする請求項7記載の磁性粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】 コバルトフェライト粒子にホウ素化合
    物を添加するに際して、コバルトフェライト粒子を懸濁
    した溶液中にホウ素化合物を溶解した溶液を添加後、6
    0℃から100℃の温度範囲で10分から60分加熱
    し、加熱直後にろ過することを特徴とする請求項7記載
    の磁性粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】 アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウム
    あるいは水酸化カリウムであることを特徴とする請求項
    7記載の磁性粉末の製造方法。
  12. 【請求項12】 加熱還元温度が300℃から600℃
    であることを特徴とする請求項7記載の磁性粉末の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 加熱還元後、酸素を100ppmから1
    0000ppmの濃度で含有する残部が不活性ガスよりな
    る気流中に40℃から120℃の温度範囲で2時間から
    8時間保持し酸化に対して安定な皮膜を形成することを
    特徴とする請求項7記載の磁性粉末の製造方法。
  14. 【請求項14】 希土類及びイットリウムの含有量が鉄
    に対して0.2〜20原子%であることを特徴とする請
    求項7記載の磁性粉末の製造方法。
  15. 【請求項15】 ホウ素の含有量が鉄に対して0.1〜
    15原子%であることを特徴とする請求項7記載の磁性
    粉末の製造方法。
  16. 【請求項16】 磁性粉末の保磁力が1000〜500
    0Oe、飽和磁化が80〜180emu/gであること
    を特徴とする請求項7記載の磁性粉末の製造方法。
JP2000233611A 2000-08-01 2000-08-01 磁性粉末の製造方法 Withdrawn JP2002050508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233611A JP2002050508A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 磁性粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000233611A JP2002050508A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 磁性粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002050508A true JP2002050508A (ja) 2002-02-15

Family

ID=18726108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000233611A Withdrawn JP2002050508A (ja) 2000-08-01 2000-08-01 磁性粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002050508A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7312053B2 (en) 2002-01-09 2007-12-25 Sysmex Corporation Method and system for detection of nucleic acids
CN104030366A (zh) * 2014-02-17 2014-09-10 瑞安市浙工大技术转移中心 一种具有成分梯度的一维CoxFe3-xO4磁性纳米线的制备方法
CN104030367A (zh) * 2014-02-17 2014-09-10 瑞安市浙工大技术转移中心 一种成分梯度的一维CoxFe3-xO4磁性纳米线的制备方法
WO2023021910A1 (ja) * 2021-08-17 2023-02-23 株式会社村田製作所 フェライト焼結体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7312053B2 (en) 2002-01-09 2007-12-25 Sysmex Corporation Method and system for detection of nucleic acids
CN104030366A (zh) * 2014-02-17 2014-09-10 瑞安市浙工大技术转移中心 一种具有成分梯度的一维CoxFe3-xO4磁性纳米线的制备方法
CN104030367A (zh) * 2014-02-17 2014-09-10 瑞安市浙工大技术转移中心 一种成分梯度的一维CoxFe3-xO4磁性纳米线的制备方法
WO2023021910A1 (ja) * 2021-08-17 2023-02-23 株式会社村田製作所 フェライト焼結体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3087825B2 (ja) 紡錘状ゲータイト粒子粉末及びその製造法並びに該ゲータイト粒子粉末を出発原料として得られる鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子粉末及びその製造法
JP2004319923A (ja) 窒化鉄系磁性粉末
JP2002050508A (ja) 磁性粉末の製造方法
JP5130456B2 (ja) 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体
JPS5835241B2 (ja) 鉄−銅を主成分とする合金磁性粉の製造方法
JP2937211B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2625708B2 (ja) 超高保磁力金属粉末の製造方法
JPH0633116A (ja) 磁気記録媒体用強磁性金属粉末及びその製造方法
JP3337046B2 (ja) コバルトと鉄とを主成分とする紡錘状金属磁性粒子粉末及びその製造法
JPH107420A (ja) コバルト被着型針状磁性酸化鉄粒子粉末
JP3303896B2 (ja) 紡錘状を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及びその製造法
JPS6123304A (ja) 改良磁性鉄酸化物ピグメント及び記録媒体
JP3087778B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP2970706B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3092649B2 (ja) 鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子粉末の製造法
JP3582578B2 (ja) 鉄を主成分とする針状合金磁性粒子粉末
JP3171223B2 (ja) 針状磁性粒子粉末の製造法
JPH0647681B2 (ja) 紡錘形状を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及びその製造法
JPS609321B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPS6349722B2 (ja)
JPS5941453A (ja) 磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末及びその製造法
JP2882111B2 (ja) 鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の製造法
JP2965606B2 (ja) 金属磁性粉末の製造方法
JP2003100507A (ja) 磁性粉末
JPS6244842B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040428

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002