JPH0725263B2 - ドアガラスガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ドアガラスのガイド及びシールを行うドアガ
ラスガイド装置に関し、特に、サッシュレスドアのコー
ナピース部分におけるドアガラスの保持に有効な装置に
関する。

（従来の技術） 従来、サッシュレスドアにおけるドアガラスの姿勢保持
技術としては、例えば、特開昭62−1624号公報や特開昭
58−20516号公報に記載されているようなものが知られ
ている。

これらの従来技術は、ドア本体の内部においてドアガラ
スとの間にスタビライザが配設されたもので、このスタ
ビライザによって、ドアガラスの姿勢を保持するように
していた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上述のような従来技術にあっては、スタ
ビライザがドア本体の内部に設けられ、かつ、ドアガラ
スの下端部を保持する構造であるため、ドアガラスが大
きいと十分の保持力がえられず、特に、ドアガラスが上
端部まで上昇した状態でのドア閉時では、車体側のウエ
ザストリップに当接することによる反力で、ドアガラス
が外側に振れてしまう。このため、ドア本体の上縁前端
部にもうけたコーナーピースのグラスランとドアガラス
との当接が不均一になり、水密不良が発生したり、ドア
ガラス全体の建付精度が得られず、風切音や高速走行時
の吸い出しによる風漏れの原因になっているという問題
があった。

本発明は、上述のような従来の問題に着目してなされた
もので、グラスランとドアガラスとの水密性が確保でき
ると共に、全体の建付精度が向上できるようにしたドア
ガラスガイド装置を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上述の目的達成のために、本発明のドアガラスガイド装
置では、サッシュレスドアの上縁前端部に、コーナーピ
ースが立設され、該コーナーピースには、サッシュレス
ドアに昇降可能に設けられたドアガラスの端縁部の内外
両面に当接して車内と車外とをシールするグラスランが
設けられ、前記コーナーピースの上部に位置するグラス
ランの内部には前記ドアガラスの端縁部を保持するガイ
ド部材が設けられ、該ガイド部材には、ドアガラスの端
縁部を挿入可能に形成された溝開口部が上下方向に延在
され、該溝開口部は、下端がドアガラスの厚みよりも幅
広に形成されている一方で、中間部を含む上側部分にド
アガラスの端縁部を内外から挟持可能な狭幅部分が形成
されている手段とした。

（作 用） 本発明では、ドアガラスを全閉位置に向かって上昇させ
ると、全閉近傍位置でコーナーピースに設けたグラスラ
ン内を摺動した後、ドアガラスの端縁部がガイド部材の
溝開口部に下方から受け入れられる。この時、溝開口部
の下端は幅広に形成されているからドアガラスの受け入
れが確実に成される。

そして、ドアガラスがさらに上昇すると、ドアガラスの
端縁部がガイド部材の狭幅部分に挟持されて車体左右方
向の振れが規制されて、所定の位置に保持される。

従って、ドアガラスとグラスランとの当接が適正に行な
われて水密性が確保され、また、ドアガラス全体の建付
精度が向上し、風切音や風漏れの発生を防止できる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。

まず、実施例の構成を説明する。

第２図はサイドドアＤの全体説明図で、図中１はドア本
体を示している。

このドア本体１の内部には、ウインドレギュレータ２の
操作により、ガイドレール3,3に沿って昇降するドアガ
ラス４が設けられている。また、ドア本体１の上縁前端
部にはコーナーピース５が設けられ、該コーナーピース
５の後縁には、前記ドアガラス４の前端縁部に沿うグラ
スラン６が取り付けられている。

前記コーナーピース５は、第３図に示すように、パネル
50の内側及び外側がカバー51,52で覆われ、前記パネル5
0の後縁部内面に沿ってリテーナ53が取り付けられ、こ
のリテーナ53とパネル50とでグラスラン６の取付溝54が
形成されている。

前記グラスラン６は、第１図に示すように、前記取付溝
54の内側に嵌め込まれる断面略Ｕ字状の取付基部60と、
該取付基部60の両端部からパネル50及びリテーナ53の後
縁を挟み込むように延設された挟持片61,62と、取付基
部60の両端部からドアガラス４の前端縁部の内面及び外
面に当接するように延設されたシールリップ63,64とが
ゴム材により一体成形されている。

また、前記グラスラン６の内部には、ドアガラス４の前
端縁部を内側と外側から保持するガイド部材７が設けら
れており、該ガイド部材７は、ドアガラス４の滑りが良
いナイロンやポリアセタール等で断面略コ字状の溝形状
に形成されている。その溝開口部70は、第４図に示すよ
うに、中央部から両端に向けて次第に広幅に形成されて
おり、これはドアガラス４をガイド部材７に入り易くさ
せるためのものである。

尚、この溝開口部70は下端側のみを広幅に形成しても良
いが、取付時の誤着を防止する点からは、実施例のよう
に両端を広幅に形成するのが好ましい。また、このガイ
ド部材７の溝底外面にはクリップ71が一体成形され、こ
のクリップ71をグラスラン６及びリテーナ53に貫通させ
ることでガイド部材７が取り付けられる。

次に、実施例の作用を説明する。

ドアガラス４はウインドレギュレータ２の操作によりガ
イドレール3,3に沿って昇降し、このときドアガラス４
の前端縁部は、コーナーピース５に取り付けられたグラ
スラン６の内部を摺動する。

そして、このグラスラン６の内部には、ガイド部材７が
設けられ、このガイド部材７によってドアガラス４の前
端縁部が内外面から保持される。このため、ドアガラス
４の前端縁部の内外方向の振れは規制される。

従って、ドアガラス４はガイド部材７によって一定に位
置決めされて昇降するため、グラスラン６のシールリッ
プ63,64はドアガラス４に対して常に適正に当接し、シ
ールリップ63,64による水密性が確保される。

また、ドアガラス４はガイド部材７によって前端縁部が
保持されるので、ドアガラス４全体の建付精度が向上
し、ドアガラスが上端部まで上昇した状態でドアを閉じ
たときに受けるウエザストリップの反力に抗することが
でき、風切音や風洩れの発生を防止できる。

また、ガイド部材７の溝開口部70の下端側が広幅に形成
されているので、ドアガラス４のガイド部材７への受け
入れが確実に行なえる。

以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、例え
ば、本発明のドアガラスガイド装置と従来のスタビライ
ザとを併設してもい。

（発明の効果） 以上説明してきたように、本発明のドアガラスガイド装
置にあっては、コーナーピースに設けたガイド部材によ
りドアガラスの端縁部をグラスランに対して一定位置に
保持するようにしているため、サッシュレスドアにおい
てグラスランとドアガラスとの水密性を確保することが
できるし、ドアガラス全体の建付精度が向上し、風切音
や風洩れといった不具合を防止できるという効果が得ら
れる。

また、ガイド部材は、コーナーピースの上部に位置する
部分だけに設けているため、小さな部材で形成すること
ができ、低コストで形成することができ、しかも、ガイ
ド部材の溝開口部は下端を幅広に形成していることで、
コーナーピースの全長に亘ってガイド部材を設けていな
い構造でも、ドアガラスの端縁部を確実に溝開口部に受
け入れることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例のドアガラスガイド装置を示す要
部の断面図、第２図は該ガイド装置を備えたサッシュレ
スドアの全体説明図、第３図は第２図Ｉ−Ｉ断面図、第
４図はガイド部材の溝開口部を示す正面図である。 Ｄ……サイドドア ４……ドアガラス ６……グラスラン ７……ガイド部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】サッシュレスドアの上縁前端部に、コーナ
   ーピースが立設され、 該コーナーピースには、サッシュレスドアに昇降可能に
   設けられたドアガラスの端縁部の内外両面に当接して車
   内と車外とをシールするグラスランが設けられ、 前記コーナーピースの上部に位置するグラスランの内部
   には前記ドアガラスの端縁部を保持するガイド部材が設
   けられ、 該ガイド部材には、ドアガラスの端縁部を挿入可能に形
   成された溝開口部が上下方向に延在され、 該溝開口部は、下端がドアガラスの厚みよりも幅広に形
   成されている一方で、中間部を含む上側部分にドアガラ
   スの端縁部を内外から挟持可能な狭幅部分が形成されて
   いることを特徴とするドアガラスガイド装置。