JPH07252230A - 1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの製造方法 - Google Patents

1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンの製造方法

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JPH07252230A
JPH07252230A JP28970294A JP28970294A JPH07252230A JP H07252230 A JPH07252230 A JP H07252230A JP 28970294 A JP28970294 A JP 28970294A JP 28970294 A JP28970294 A JP 28970294A JP H07252230 A JPH07252230 A JP H07252230A
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dialkyl
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Masaru Wada
勝 和田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 N,N’−ジアルキルエチレンジアミンと、
尿素との反応により1,3−ジアルキル−2−イミダゾ
リジノンを製造するに際し、非プロトン極性溶媒の存在
下180℃以上で反応させる1,3−ジアルキル−2−
イミダゾリジノンの製造方法。 【効果】 極性非プロトン溶媒を用いることにより、比
較的低い温度でマイルドな反応が実施できて高収率で所
望の目的物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、式(1)で示される
N,N’−ジアルキルエチレンジアミン
【化3】 (式中、Rは−C25、−C37、−C49である。)
と、尿素との反応により式(2)で示される1,3−ジ
アルキル−2−イミダゾリジノン
【化4】 (式中、Rは式(1)のRと同じ。)を製造する方法に
関する。
【0002】上記式(2)で示される1,3−ジアルキ
ル−2−イミダゾリジノンは極性非プロトン溶媒として
極めて有用な物質である。特にポリアミド類、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリウ
レタン、フェノール樹脂などの高分子化合物に優れた溶
媒であり、また無機塩類の多くのものと錯塩を形成して
溶解し、多くの有機反応の溶媒としても用いられる有用
な物質である。
【0003】
【従来の技術】1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジ
ノンの中でも一般によく知られている1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン(DMI)の製造法については
種々の提案がある。
【0004】例えば、エチレンジアミンと尿素を反応さ
せて2−イミダゾリジノン(エチレン尿素)を得、これ
にホルマリンを付加させた反応生成物をトリクロロ酢
酸、ギ酸などで還元してN,N’−ジメチル化させる方
法、またこの還元方法を改良して貴金属触媒を使用し、
酸性下に水素添加する方法、さらにN,N’−ジメチル
エチレンジアミンから、これとホスゲンもしくはトリク
ロロメチルクロロホーメートをホスゲンに分解しながら
反応する方法などが知られている。また、本発明方法と
類似の方法として、N,N’−ジメチルエチレンジアミ
ンと尿素を加熱反応させて、中間体として1,1’−ジ
メチル−1,1’−ジメチレンビスウレア
【0005】
【化5】 を生成し、これを約300℃に加熱してDMIを35%
の収率で得たとの報告がなされている。ジャーナル オ
ブ ザ ケミカル ソサイアテイ〔J.C.S.( P
erkin Trans.)2.(1981),31
9〕。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来エチ
レンジアミンと尿素との反応により2−イミダゾリジノ
ンを製造する方法は、工業的には可能だが、これよりジ
アルキル化して本発明に係る式(2)化合物を得ること
は容易ではない。また、N,N’−ジアルキルエチレン
ジアミンと尿素との反応による1,3−ジアルキル−2
−イミダゾリジノンの製造においては、上記文献記載の
ごとく収率が極めて低く到底工業的に満足できるもので
はなかった。従って、直接N,N’−ジアルキルエチレ
ンジアミンと尿素より収率良く目的物を製造できるなら
ば極めて簡素なプロセスとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はN,N’−
ジアルキルエチレンジアミンと尿素とを反応させ、高収
率で対応する1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノ
ンを得る製造方法につき鋭意検討した結果、極性溶媒好
ましくは極性非プロトン溶媒の存在下、180℃以上で
反応させることにより、DMI製造のみならず、前記式
(1)で示されるN,N’−ジアルキルエチレンジアミ
ンと尿素の反応においても、その目的が達せられること
を見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、式
(1)で示されるN,N’−ジアルキルエチレンジアミ
【化6】 (式中、Rは−C25、−C37、−C49である。)
と、尿素との反応により式(2)で示される1,3−ジ
アルキル−2−イミダゾリジノン
【化7】 (式中、Rは式(1)のRと同じ。)を製造するに際
し、非プロトン極性溶媒の存在下180℃以上で反応さ
せることを特徴とする1,3−ジアルキル−2−イミダ
ゾリジノンの製造方法である。本発明において、前記式
(1)で示されるN,N’−ジアルキルエチレンジアミ
ンとしては、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、
N,N’−ジプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ
イソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエ
チレンジアミンなどである。これらのジアルキルエチレ
ンジアミンは、相応するモノアミンとエチレンジクロラ
イドとの反応により容易に得ることができる。
【0008】これらのN,N’−ジアルキルエチレンジ
アミンと尿素とを用いる本発明方法においては、極性溶
媒好ましくは極性非プロトン溶媒の存在下180℃以上
で実施されるが、本発明の反応初期は、中間体となる
1,1’−ジアルキル−1,1’−ジメチレンビスウレ
アを生成するための反応である。従って反応初期におい
ては、尿素自身の反応を制御させて中間体の1,1’−
ジアルキル−1,1’−ジメチレンビスウレアを定量的
に生成するため、180℃以下、好ましくは140℃以
下の温度で行うのが良い。
【0009】この程度の温度で行えば初期反応のN,
N’−ジメチルエチレンジアミンと尿素との反応におい
ては、反応は定量的に進み、その際反応の進行とともに
放出されるNH3ガスによって反応器内の圧力は次第に
上昇し、やがて一定圧となるので、これにより初期反応
の終点は確認できる。
【0010】次いで引続き昇温して180℃以上、好ま
しくは200〜300℃で、得られたこの中間体を加熱
分解反応させることにより高収率で相応の1,3−ジア
ルキル−2−イミダゾリジノンが得られる。180℃以
下では反応速度は小さく、又、300℃以上では加熱方
法の点で問題がある。
【0011】本発明方法において使用される溶媒として
は、炭化水素及びハロゲン化炭化水素は適さず、極性非
プロトン溶媒を使用する。好ましい溶媒としてはN,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホルアミド、スルホラン、メチルイソブチル
ケトン、ニトロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、等極性非プロトン溶媒が良い。また沸点が低い場
合、過大な耐圧装置が必要となるため、180℃以上の
沸点を有する溶媒が好ましく、特に収率及び溶媒分離の
煩雑さを避ける意味から反応により自製した所望の1,
3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンを自溶媒とする
のが好ましい。
【0012】仕込まれるN,N’−ジアルキルエチレン
ジアミンと尿素の量比は通常、1.0:0.5〜1.
0:2.5のモル比で選ばれる。しかしながら、N,
N’−ジアルキルエチレンジアミンに対し2モル以上の
尿素を使用する場合は、即ち理論量もしくはそれ以上用
いれば後期の高温加熱反応時にシアヌル酸が多量副生
し、目的生成物の収率低下やこれを取り出す場合の操作
も煩雑となる。したがって、好ましくは1.0:0.6
〜1.0:1.2のモル比で反応させるのがよいが、そ
の場合は、後期加熱分解反応において未反応N,N’−
ジアルキルエチレンジアミンが過剰残存し、N,N’−
ジアルキルエチレンジアミンの沸点が後期の分解反応温
度よりも低いので所望の温度まで常圧下には昇温でき
ず、したがって反応を加圧下で行うことが必要となる。
【0013】したがって、これを避けるため、初期反応
仕込みにおいてはN,N’−ジアルキルエチレンジアミ
ンに対し当量付近の2モル程度の尿素を用いて反応を実
施し、引き続き昇温して180℃以上で後期分解反応を
行う際、N,N’−ジアルキルエチレンジアミンを添加
しながら反応させて、常圧下に実施することもできる。
【0014】本発明方法の好ましい通常の態様を述べれ
ば、還流冷却器、温度計、及び機械的攪拌機を備えた反
応器中に自製したN,N’−ジアルキルエチレンジアミ
ン、尿素及び溶媒を加える。昇温して140℃以下で初
期反応後、引き続き180℃以上に昇温して反応させ
る。反応終了液は蒸留等によって目的生成物を取り出す
ことができる。特に、反応によって得られた同一生成物
を自溶媒とした場合、蒸留時溶媒との分離が必要でな
く、極めて簡素化さたプロセスとなる。
【0015】
【実施例】以下実施例を挙げ、さらに詳細に説明する。 実施例1 500mlのステンレス製オートクレーブ中に、N,
N’−ジエチルエチレンジアミン116.2g(1.0
モル)、尿素60.1g(1.0モル)及び1,3−ジ
エチル−2−イミダゾリジノン100.0gを仕込ん
だ。反応温度210℃まで約30分で昇温し、その温度
で3時間反応させた。系内圧力は最高14kg/cm2
Gまで達した。反応終了後蒸留して、約2/3程1,3
−ジエチル−2−イミダゾリジノンを留出した(沸点1
20〜123℃/20〜23mmHg)後、釜液中に析
出した結晶物を濾過し、引き続き濾液を蒸留することに
より、ガスクロマトグラフィーによる純度99.5%の
1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン留分214.
8gを得た(収率80.0%)。蒸留後の釜残は一部
1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンを含んだシア
ヌル酸であった。
【0016】実施例2 N,N’−ジエチルエチレンジアミンの代りに、N,
N’−ジプロピルエチレンジアミン144.3g(1.
0モル)を使用し、1,3−ジプロピル−2−イミダゾ
リジノン100.0g中で反応を行った以外、実施例1
と同様に反応、処理した。ガスクロマトグラフィーによ
る純度99.7%の1,3−ジプロピル−2−イミダゾ
リジノンが収率81.5%で得られた(沸点146〜1
48℃/20〜24mmHg)。
【0017】実施例3〜10 1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンの代りに、各
種溶媒を使用し、実施例1と全く同様に反応、処理して
表1の通りの結果を得た。
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明方法においては、このような極性
非プロトン溶媒を用いることにより、比較的低い温度で
マイルドな反応が実施できて高収率で所望の目的物が得
られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示されるN,N’−ジアル
    キルエチレンジアミン 【化1】 (式中、Rは−C25、−C37、−C49である。)
    と、尿素との反応により式(2)で示される1,3−ジ
    アルキル−2−イミダゾリジノン 【化2】 (式中、Rは式(1)のRと同じ。)を製造するに際
    し、非プロトン極性溶媒の存在下180℃以上で反応さ
    せることを特徴とする1,3−ジアルキル−2−イミダ
    ゾリジノンの製造方法。
  2. 【請求項2】 非プロトン極性溶媒が1,3−ジアル
    キル−2−イミダゾリジノン自溶媒である請求項1記載
    の方法。
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