JPH0725179U - 引出し等の施錠の誤操作防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 引出しや、扉が完全に収納、あるいは閉鎖さ
れた時にのみ錠前の施錠操作を行う事が出来る引出し等
の施錠の誤操作防止装置を提供する。 【構成】 家具本体より引出し等を引きだした時は、引
出し正面板２の裏板１より家具本体側方向に突出し、引
出しの収納時には家具本体の固定側に当接して、引出し
方向に変位する施錠杆係止部材４５を引出し正面板の内
部に設ける一方、引出し正面板に設けられた施錠の施錠
操作によって移動する施錠杆に、引出しの収納時には前
記施錠杆係止部材５を通過し、引出しの引出し時には施
錠杆係止部材に係止する係止突部４６をもうけたもので
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、引出しや扉が完全に収納、あるいは閉鎖されていない状態では施錠 操作を行えない様にした引出し等の施錠の誤操作防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、引出し、あるいは扉は、完全に収納、閉鎖されていなくても、錠前の施 錠操作は可能であった。そして、一般的な施錠装置は、施錠操作を行うと、錠前 の施錠杆が引出し、あるいは扉の外方に突出して、家具本体の係止部等に係合す る様になっているが、引出し等が完全に収納されていないと、施錠しない事は勿 論、施錠杆が外方に突出した状態のままで使用される事となる。

【０００３】 この為、使用者がこの事に気付かず、引出し等を出し入れすると、突出部分が 家具本体に衝突して、施錠杆が変形して、施錠できなくなったり、あるいは家具 本体を損傷せしめたりする問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記問題を解決する事を課題とし、引出し等の施錠を確実に行う事 が出来、施錠操作をしても施錠杆が家具本体の係止部に係合しない位置、すなわ ち引出し等が完全に収納されておらず、施錠しない位置にある時は施錠操作が出 来ない施錠の誤操作防止装置を提供する事を課題とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】

家具本体より引出しを引き出した時は、引出し正面板の裏面より家具本体側方 向に突出し、引出しの収納時には、家具本体の固定側に当接して、引出し方向に 変位する施錠杆係止部材を引出し正面板の内部に設ける一方、引出し正面板にも うけられた錠前の施錠操作によって移動する施錠杆に、引出しの収納時には前記 施錠杆係止部材を通過し、引出しの引出し時には、施錠杆係止部材に係止する係 止突部を設けたものである。

【０００６】

【作用】

上記手段によれば、引出しが完全に収納されていない状態では、施錠杆係止部 材は裏板より家具本体側方向に突出しているので、施錠杆に形成された係止突部 は施錠杆係止部材に係止し、施錠杆の移動は阻止されるから、錠前の施錠操作は 行う事が出来ず、安全であり、誤操作がないので、施錠杆が突出したまま引出し 等が使用される事がなく、家具本体等を損傷せしめる事もない。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基づいて説明する。 図１において、符号１は抽斗の正面板を構成する裏板を示し、符号２は裏板１の 前板の取付けられる表面板を示し、符号３は裏板１の内面所定個所に形成された 錠前嵌合部を示し、符号４は錠前嵌合部３に着脱自在に取付けられた錠前を示し 、符号５は裏板１の内面所定個所にもうけられた施錠杆係止部材を示している。

【０００８】 裏板１は断面略コ字形をなし、上片１１の前端部に下方に鉤形に折り曲げられ た表面板係止部１１１と、底片１２の所定個所に上方に突出する表面板係止凸部 １２１・・・と、左右の側片１３、１３の所定個所に表面板取付孔１３１・・・ が形成されている。 符号１４は、裏板と連結された胴板を示している。

【０００９】 錠前嵌合部３は裏板１の内面にスポット溶接等にて固着されており、裏板１と 連結される垂直片３１と、垂直片３１の上下端に連設され、前方に突出する上下 突片３２、３２と、上下突片３２、３２の前端の連設され、互いに対向して上下 方向に突出する上下の係止突片３３、３３より断面略コ字形で適度な弾性を有す る様に形成されている。

【００１０】 そして、係止突片３３は、垂直片３１の左右方向で中心部に向かって上下方向 に大なる寸法に形成されると共に、その中心部に係合凹部３４、３４が形成され ている。

【００１１】 錠前４は、前記錠前嵌合部３内に側方から内嵌する錠前本体４１と、錠前本体 ４１の前方に突出して連設された、錠前本体４１より外径寸法が小なる操作筒部 ４２と、施錠杆４５よりなり、錠前本体４１には前記錠前嵌合部３の係止突片３ ３、３３が係止する係止段部４３、４３が形成されている。

【００１２】 そして、係止段部４３には、係止凹部３４、３４に対応して係合凸部４４、４ ４が形成されている。

【００１３】 施錠杆４５は、正面板２の前面に臨む操作筒部４２にもうけられた施錠操作孔 ４２１にキーを差し込んで行われる施錠、解錠操作によって左右方向にスライド 自在で、施錠側端部は裏板１の側片１３に形成された操通孔１３０より外方に突 出している。 そして、施錠杆４５の前面側で施錠杆係止部材５の錠前本体４１側に、前方に 突出する係止突部４６がもうけられている。

【００１４】 施錠杆係止部材５は裏板１の基板１０に形成された貫通孔１０１より、裏体１ の裏面外方に所定寸法突出する当接突片５１と、当接突片５１の前端から下方や や前方に延設され、施錠杆４５の係止突部４６の挿通孔１３０側に位置するスト ッパー部５２と、ストッパー部５２の下端に略くの字形に連設され、裏板１に固 定される弾性固定部５３よりなり、板バネ材、あるいは合成樹脂材より略くの字 形に形成されている。

【００１５】 表面板２は、前面に引手２１が取付けられると共に、所定個所に前記操作筒部 ４２の前端部が嵌合する嵌合孔２２が形成され、側部に前記裏板１に形成された 前面板取付孔１３１・・・に対応して、連結孔を有する連結用突片（図示せず） が形成され、底部に前記裏板１に形成された前面板係止凸部１２１・・・に係止 する係止孔２４１・・・がもうけられた係止用突片２４が形成されている。

【００１６】 本考案は、以上の如く形成されており、錠前４を錠前嵌合部３に取付ける時は 、錠前嵌合部３の側方より、錠前本体４１を内嵌して中央部にスライドせしめて いく。 この時、係止突片３３、３３は既に係止段部４３、４３に係止しているので、 錠前４が前方に脱落する事はない。

【００１７】 この状態で、係止突片３３、３３の中央部が上下方向に大きく形成されている ので、上下突片３２、３２が錠前４の移動につれて、徐々に開くが、錠前本体４ １の係合凸部４４、４４が係合凹部３４、３４と上下方向で合致する位置まで移 動した時、上下突片３２、３２の弾性にて係合凸部４４、４４は係合凹部３４、 ３４に係合する。

【００１８】 これによって、錠前４は左右方向にも、前後方向にも移動する事なく、錠前嵌 合部３に保持される。 そして、この時、施錠杆４５は裏板１の側片１３に形成された挿通孔１３０よ り外方に突出する。

【００１９】 次に施錠杆係止部材５を当接突片５１を貫通孔１０１より突出せしめて、施錠 杆４５の係止突部４６の挿通孔１３０側に位置して裏板１とリベット等にて連結 し、ストッパー部５２にて、施錠杆４５の動きを規制せしめる。 すなわち、図２、図３に示す様に引出しが引き出された状態で当接突片５１は 所定寸法外方に突出し、ストッパー部５２は係止突部４６の側方に近接するので 、施錠操作をしようとしても、係止突部４６はストッパー部に当接し、施錠方向 への移動が阻止され、施錠操作をする事ができない。

【００２０】 又、引出しを完全に収納した状態では、当接突片５１は、家具本体の固定側部 材１００に当接して前方（表面板２）側に弾性的に変位し、ストッパー部５２は 係止突部４６より前方側に位置する。（図３の仮想線に示す状態） この状態で施錠操作によって、施錠杆５４に形成された係止突部４６がストッ パー部５２に対し、通過可能な位置でスライド自在となり、確実に施錠位置まで 移動する。

【００２１】 尚、実施例では引出しに本考案を具備した実施例を記載しているが、引出しに 限定されるものではなく、開き戸、引違い戸等にも使用可能な事はいうまでもな い。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明した様に、引出しが完全に収納されていない状態では、施錠杆係止部 材は、裏板より家具本体側方向に突出しているので、施錠杆に形成された係止突 部は、施錠杆係止部材に係止し、施錠杆の移動は阻止されるから錠前の施錠操作 を行う事が出来ない。

【００２３】 すなわち、引出し、あるいは扉を完全に収納、閉塞していない状態で、施錠の 誤操作が行われる事がないので、施錠杆が引出し、あるいは扉から突出した状態 で、引出しの出し入れ、あるいは扉の開閉動作も行われず、従来の様に突出した 施錠杆で、家具本体を損傷せしめたり、施錠杆を変形せしめて、施錠が出来ない という事もない。

【００２４】 また、引出し等の収納時には、施錠杆係止部材は家具本体の固定側部材に当接 して施錠杆に形成された係止突部が通過可能な位置に変位して、施錠杆の移動、 すなわち、施錠操作を可能とするので、施錠操作をした時、引出し等が完全に収 納され、確実に施錠されるから、施錠したつもりになる事は一切なく、安全性の 面でも格段に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部分解斜視図

【図２】錠前と表面板を取り外した状態での要部縦断面
図

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図

【符号の説明】

１ 裏板 １００ 固定側部材 ２ 表面板 ４ 錠前 ４６ 係止突部 ５ 施錠杆係止部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具本体より引出し等を引き出した時
   は、引出し正面板の裏板より家具本体方向に突出し、引
   出し等の収納時には家具本体の固定側部材に当接して、
   引出し方向に変位する施錠杆係止部材を、引出し等正面
   板の内部に設ける一方、引出し等の正面板にもうけられ
   た錠前の施錠操作によって移動する施錠杆に、引出し等
   の収納時には前記施錠杆係止部材を通過し、引出し等の
   引出し時には施錠杆係止部材に係止し、錠前の施錠操作
   を阻止する係止突部がもうけられている事を特徴とする
   引出し等の施錠の誤操作防止装置。