JPH07251077A - NOx含有排ガス浄化用触媒の製造法 - Google Patents

NOx含有排ガス浄化用触媒の製造法

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JPH07251077A
JPH07251077A JP6069874A JP6987494A JPH07251077A JP H07251077 A JPH07251077 A JP H07251077A JP 6069874 A JP6069874 A JP 6069874A JP 6987494 A JP6987494 A JP 6987494A JP H07251077 A JPH07251077 A JP H07251077A
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nox
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Kenichi Yamazeki
憲一 山関
Hiroshi Takahashi
容 高橋
Hiroshi Uchida
洋 内田
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】モルデナイトを強酸性の鉄塩水溶液により処理
し、変成(鉄変成)することを特徴とするNOx含有排
ガス浄化触媒用担体の製造法及びこれに活性金属を担持
させることを特徴とするNOx含有排ガス浄化用触媒の
製造法。 【効果】本発明で得られる鉄変成モルデナイトを担体と
する触媒は、きわめて優れたNOx除去能及びCO除去
能を有し、併わせてCH4 除去能をも有する。またその
鉄変成後、Pdイオン交換をするに際し、NH4OH と
酢酸とを共存させてpH調整を行うことにより、さらに
優れたNOx除去能を付与することができる。また「鉄
処理−焼成−鉄処理−Pdイオン交換−焼成」という調
製法を採れば、さらに高いNOx除去率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NOx含有排ガス浄化
触媒用担体及び触媒の製造法に関し、より具体的には、
結晶質アルミノシリケ−トすなわちゼオライトの一種で
あるモルデナイトからなるNOx含有排ガス浄化触媒用
担体及びこれに触媒活性金属を担持してなるNOx含有
排ガス浄化用触媒の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物、都市ゴミ等の焼却時におい
ては、それら廃棄物の由来、種類、組成等にもよるが、
NOxやSOx、あるいは塩化水素、臭気等が生成す
る。このため、これらを含む排ガスに対して種々の対策
が採られ、さらに研究、開発が進められており、この
点、自動車や火力発電、またガスエンジン等を使用する
コ−ジェネレ−ションシステム等から排出される排ガス
についても同様である。
【0003】各種排ガス中のそれら成分のうちでも、特
にNOxの処理については、いわゆる排煙脱硝技術とし
て、例えば無触媒還元法、接触分解法、非選択接触還元
法又は選択接触還元法、吸着法、電子線照射法、溶融塩
吸収法、還元吸収法その他種々の方法が知られている
が、これらのうち、その処理に当たり触媒を使用して浄
化する接触還元法は、通常、NOxを最終的にN2 に変
え、無害とするものであるため、特に注目される。
【0004】これまで、その接触還元法に使用する触媒
としては、Pt、Rh、Pd等の貴金属、TiO2、V2
5、Cr23、Fe23 等の金属酸化物、希土類酸化
物、硫化物、その他各種のものがあるが、その一種とし
てゼオライト系のものが知られており、このゼオライト
は、触媒自体としては勿論、それら各種触媒用の担体と
しても有効に使用されるものである。
【0005】ゼオライトは、その組成上はアルミノケイ
酸塩からなり、結晶性で3次元網目構造を有し、イオン
交換性の大きい陽イオンを含む、等の特徴を備えている
ものであるが、それを構成するアルミナ(Al23)成
分とシリカ(SiO2 )成分の割合、その結晶構造等如
何により、数多くの種類があり、例えばその代表例とし
ては、アナルサイト、チャバサイト、モルデナイト等が
挙げられる。
【0006】また、ゼオライトは、天然のものだけでは
なく、水熱合成等による合成ゼオライトも製造され、広
範な用途に供されているが、中でも触媒又は担体として
は、各種炭化水素の水素化、芳香族化、異性化、アルキ
ル、オリゴマ−化等の転換反応用、その他種々の反応に
使用されているが、組成、結晶構造等の異なる各種ゼオ
ライトの合成に加え、その用途、反応等に応じて、その
変成、改質、その他の改良も逐次なされてきている。
【0007】例えば、特開平5−139723号公報に
は、結晶質アルミノシリケ−トの結晶構造を破壊するこ
となく脱アルミニウムを行い、その耐水熱性等の構造安
定性を高めながら、水素化・脱水素能を有する遷移金属
を高分散状態でしかも安定性よく担持させることができ
る金属含有結晶質アルミノシリケ−トの製造方法につい
て記載されている。
【0008】これによれば、SiO2/Al23モル比
が3.5以上で、Na2O含量が8.0重量%以下の結
晶質アルミノシリケ−トを、pH1.5未満で、Co、
Ru、Rh、Pd、Os、Ir及びPtから選ばれる金
属の塩水溶液と接触させるというものであり、結晶質ア
ルミノシリケ−トの具体例としては、Y型ゼオライト、
L型ゼオライト、モルデナイト、ZSM−5、天然ホ−
ジャサイト、天然クリノプチライト等が使用可能である
とされている。
【0009】また、特開平5−139724号公報で
は、上記と同じ結晶質アルミノシリケ−トに対して、同
じ処理条件で、V、Ti、Nb、W、Mn、Ag、Sn
その他の各種金属を担持させ、これで得られる金属含有
結晶質アルミノシリケ−トは、具体的にはトルエンの不
均化用に適用した実施例が示され、炭化水素の各種転換
反応用に有効に適用できるというものであるが、これを
NOx等を含有する排ガス処理用として適用する点につ
いて検討、配慮されているものではない。
【0010】他方、これまで、その接触還元法に使用す
る触媒としては、Pt、Rh、Pd等の貴金属、その他
各種のものがあり、これらは使用担体を含めて、排ガス
に含まれる、被処理有害ガスの種類や随伴酸素の量的割
合等により適宜使い分けられて適用されているが、例え
ば、特開平4−193347号公報では、近年ガソリン
エンジンの低燃費化や排出CO2 の低減化に伴い発生
し、問題となっている「酸素を過剰に含む希薄燃焼排気
ガス」から、NOx、CO及び炭化水素を酸素過剰雰囲
気下に同時に除去する排気ガス浄化触媒が提案されてい
る。
【0011】この触媒は、組成式[「Mn(FenSi
96-n192)・16H2O」(式中、MはNaイオン又は
Kイオンを表わし、n<27である)]で示される結晶
性鉄シリケ−トにPt、Pd、Rh、Cu及びCoの中
から選ばれる少なくとも一種の金属を担持せしめてなる
もので、排気ガス中の炭化水素と酸素との反応よりも、
炭化水素とNOxとの反応を優先的に促進させることに
より、NOxを浄化することができるというものであ
る。
【0012】そして、その製造法としては、ケイ酸塩で
ある水ガラスと鉄イオン等とを水熱合成することにより
容易に得ることができるとし、その実施例の記載によれ
ば、硝酸鉄、水ガラス、硫酸及びテトラプロピルアンモ
ニウムヒドロキサイドの水溶液を混合し、オ−トクレ−
ブ中に保持し、冷却、乾燥後、2段階の焼成により製造
されているが、この製造法からも明らかなとおり、以降
で述べる本発明のようにゼオライト、しかも特定のゼオ
ライトを対象としているものではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これまで
提案された以上のようなシリケ−ト系の触媒も前提にし
て、排ガス浄化用の担体又は触媒として、各種結晶質ア
ルミノシリケ−ト系物質の使用の適否、改良処理等につ
き鋭意検討、研究を進めているうち、特にモルデナイト
の場合について、この物質を所定の塩溶液で、しかも所
定の条件により処理することにより、これがNOx含有
排ガス処理触媒用の担体としてきわめて特異な特性を示
し、これに活性金属を担持してなる触媒のNOx除去性
能を格段に改善し得ることを見い出し、本発明に到達す
るに至ったものである。
【0014】すなわち、本発明は、ゼオライトのうちで
も特にモルデナイトを所定の塩の水溶液で且つ所定の条
件で処理、変成することにより、NOx含有排ガス浄化
触媒用として特異な特性を付与した変成モルデナイト担
体の製造方法を提供し、またこの担体に活性金属を担持
させることにより、還元剤としてメタンを使用する場合
に、特に優れたNOx除去性能(浄化率)及びCO除去
能を示すNOx含有排ガス浄化用触媒を製造する方法を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、モルデナイト
を強酸性の鉄塩水溶液により処理し、変成することを特
徴とする、モルデナイトからなるNOx含有排ガス浄化
触媒用担体の製造法を提供し、またモルデナイトを強酸
性の鉄塩水溶液で処理し、変成した後、脱硝触媒(活性
金属)を担持させることを特徴とするNOx含有排ガス
浄化用触媒の製造法を提供するものである。
【0016】その製造工程としては、本発明に係る上記
特徴部分のほかは、常法により実施することができる。
すなわち、例えば活性金属担持の触媒として得る場合に
は、モルデナイトをその鉄塩水溶液により処理、変成し
た(鉄処理)後、活性金属をその塩として担持させ、次
いで焼成することにより製造する。またその担体自体と
して得る場合には、モルデナイトをその鉄塩水溶液によ
り処理、変成した後、焼成して製造し得るが、通常は、
活性金属担持の触媒として一度に製造するのが望まし
い。
【0017】この場合、強酸性の鉄塩水溶液としては、
特に硝酸鉄水溶液及び塩化鉄水溶液が有利に適用するこ
とができる。これら水溶液は、pH値が約1程度以下、
特に0.8程度以下の水溶液として使用することによ
り、有効に実施することができる。また、その処理に際
して、その溶液を加温、加熱しながら実施することによ
り、その変成をさらに有効に行うことができる。
【0018】また、本発明で使用する、そのモルデナイ
ト原料としては、天然のもの、合成によるものを問わず
使用することができ、その中のSi/Alモル比が10
〜50の範囲のものであれば有効に使用することができ
る。また、そのイオン型としては、特に限定されるもの
ではなく、K+ 、Na+ 等のアルカリ金属イオン型、M
2+、Ca2+等のアルカリ土類金属イオン型、H+ 型、
NH4 +型或いはこれらの2種を含む複合イオン型等、各
種イオン型として使用することができる。
【0019】本発明において、モルデナイトを強酸性の
鉄塩水溶液で処理することにより得られた鉄変成モルデ
ナイトを触媒担体として使用する場合、これに触媒とし
て有効な活性金属を担持させるが、その金属としてはP
t、Rh、Pd等の貴金属、Co、Mn、その他各種公
知のものが適用できる。
【0020】また、それら金属等の担持の仕方として
は、イオン交換法、含浸法、沈着法その他適宜の方法を
採ることができるが、特に担持金属を硝酸塩、塩化物、
酢酸塩等の、その塩の水溶液としてイオン交換法を使用
すれば、それら触媒成分を均質且つ強固に担持させるこ
とができる点等で有利である。
【0021】さらに、担持金属として特にPdを用いる
場合、鉄変成モルデナイトへの担持法としてイオン交換
法を適用し、その塩の水溶液に水酸化アンモニウムと酢
酸とを共存させてpH調整を行うことにより、その触媒
活性をさらに向上させることができる。またそのPd塩
としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩等の形で適用するこ
とができる。
【0022】また、特にPdの場合、モルデナイトに対
し、一度鉄処理、焼成をした後、鉄処理、Pdイオン交
換及び焼成をするという工程、すなわち「鉄処理−焼成
−鉄処理−Pdイオン交換−焼成」という調製法を採る
と、さらに優れたNOx除去能を有る触媒を得ることが
可能である。
【0023】また、本発明でいうNOx含有排ガスと
は、これにCOを含む場合も意味しており、またその触
媒をNOx含有排ガスの処理に適用する場合には、還元
剤、特にメタンが必要であるが、その排ガス中この還元
剤成分が含まれていないか又は不十分である場合には、
必要量だけ添加して実施する。
【0024】なお、本発明に至る過程で得た観察によれ
ば、本発明に係るモルデナイトからなるNOx含有排ガ
ス浄化触媒用の担体は、担体自体としての役目を果たす
ことは勿論、幾分の触媒自体としての作用もし、またこ
れに触媒活性金属を担持させた場合、いわゆる助触媒の
働きをし、その金属触媒の活性を増強しているものと思
われる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこの実施例に限定されるものではないことは勿論であ
る。まず、本実施例における処理対象であるモルデナイ
トとしてSi/Al比が13のNa型モルデナイトを用
意した。これを別途準備した硝酸酸性の硝酸鉄水溶液に
より処理したが、この硝酸鉄の濃度は、1mol/l
(1リットル当たり1mol)とし、また硝酸酸性によ
るpHを0.3とした。
【0026】次いで、上記のとおりに調製した硝酸酸性
の硝酸鉄水溶液を加熱して温度75℃に保持しながら、
この中にNa型モルデナイトを投入し、処理時間を0〜
24時間(h)の間で変え、0h、1h、2h、5h及
び24hの各時間の間、その硝酸鉄水溶液により変成処
理をした。
【0027】引続き、各時間毎に処理して得た各試料を
NH4 OH、AcOHを含むPd硝酸塩水溶液によりイ
オン交換処理をした後(約2時間)、乾燥処理をし(1
15℃、約12時間)、焼成して(電気炉中、500
℃、約3時間)供試触媒とし、これらを排ガス処理用の
試料とした。この場合、そのPd硝酸塩水溶液はPd硝
酸塩、NH3 及び酢酸から調製したものであり、後記表
1中の〜及びは、これによりpH調整(pH=
7)をし、イオン交換処理をしたものである。
【0028】次いで、これら各供試触媒を用いて、NO
x含有排ガスの浄化試験を行った。被処理排ガスとして
は、NO=91ppm、CO=910ppm、CH4
1090ppm、O2=9.1%、CO2=6.8%、水
蒸気(steam)=9.1%、残余N2 (バランス)
を含むガスを使用し、処理温度を350〜425℃、ま
た空間速度(SV)を44000hr-1として実施し
た。この結果を表1に示す。
【0029】なお、表1中、NOx除去率とは、実施し
た反応温度範囲で最も高い値を示したときの値であり、
またCH4 除去率はそのときの除去率である。また表1
中〜は、比較のために示したもので、は、モルデ
ナイトについて脱Alをした後の担体について、Fe処
理及びPdイオン交換を行った場合、は、Na型モル
デナイトに対し、硝酸鉄水溶液の代わりに、硝酸パラジ
ウム水溶液を用いた場合、は、硝酸鉄水溶液と硝酸パ
ラジウム水溶液により同時に処理した場合、は、ゼオ
ライトとしてZSM−5を用いた場合の例である。
【0030】表1から明らかなとおり、本発明におい
て、モルデナイトに対する硝酸酸性の硝酸鉄水溶液によ
る変成処理により得られた変成モルデナイト触媒の場合
には、特にそのNOxの除去率が大幅に向上し、その触
媒特性が有効に改善されていることが分かる。なお表1
中の「Si/Al比」とは鉄変成処理後のゼオライトに
ついてのSi/Alモル比を意味し、またPdイオン交
換後の欄中の「Fe担持量(wt%)」とは、Fe変成
処理により結果として導入ないし担持されたFeの量を
意味する。また表1中には示してはいないが、CO除去
率は、各例ともに100%であった。
【0031】
【表 1】
【0032】例えば、硝酸酸性硝酸鉄水溶液により1h
(時間)処理したものでは、NOx除去率は56.4%
を示し(表1中、)、2hの処理では、最高62.2
%にも及んでいる(表1中、)。また、5hの処理で
はその除去率は幾分低下するが、それでもなお51.9
%のNOx除去率を示している(表1中、)。
【0033】また、NOxの除去率は、硝酸酸性硝酸鉄
水溶液による処理時間に左右され、この処理時間如何に
より可成りの差を生じるが、そのNOx除去率上良好な
触媒活性を得るためには、所定時間処理することが必要
であり、短時間(0.5h程度)の処理ではその効果は
まだ少なく、他方、長時間(24h)の処理では、返っ
てその触媒効果を減じてしまう(表1中、)。
【0034】本発明において、このように優れた特性が
得られる、その原因については、強酸性の鉄塩水溶液に
よる処理により、モルデナイト構造中のアルミナ分が離
脱する一方、これに酸化鉄成分が置換し、その構造中に
酸化鉄分が保持されることによるものと推認されるが、
その理由は詳細には不明である。そこで本発明では、こ
の点に関連してさらに実験を進め、考察を試みた。
【0035】すなわち、前述のものと同じNa型モルデ
ナイトについて、予め脱アルミニウム処理をした後に、
すなわち硝酸水溶液によりその構造中のアルミニウム分
の離脱処理をした後に(Si/Alモル比:13→3
3)、硝酸鉄水溶液による処理を行ったが、この場合に
は硝酸鉄水溶液処理によるNOx除去上の改善は見られ
ず、NOx除去率は14.5%に止まり(表1中、
)、本発明で得られるような特性の改善は得られなか
った。
【0036】また、同じくNa型モルデナイトを硝酸酸
性の硝酸鉄水溶液による処理と硝酸パラジウム溶液によ
る処理とを同時に、すなわち硝酸酸性硝酸鉄水溶液と硝
酸パラジウムとの混合水溶液により処理した場合にも
(Pd量:0.03%、Fe量:1.2%)、NOx除
去率は僅かに1.6%程度を示すに過ぎなかった(表1
中、)。また合成ゼオライトの一種で、炭化水素の接
触分解用触媒等として優れた特性を有するZSM−5に
ついて同様の処理をしても、NOx及びCH4 除去につ
いては、実質上何らの改善も認められなかった(表1
中、)。
【0037】これらの事実からすると、そのNOx除去
効率上の効果は、ただモルデナイト構造中のアルミナ分
に換えて、鉄成分を導入するだけで得られるものではな
く、本発明に係る強酸性の鉄塩水溶液自体による、モル
デナイトに対する、微妙な何らかの作用によるもの思わ
れる。
【0038】さらに、表2は、鉄塩による処理条件
(含:鉄塩の種類)如何による、触媒能への影響の有無
等を調べた結果である。表2中に示す条件以外の条件
は、前述表1の結果を得た場合と同様に行った。なお、
表2中、NOx除去率とは、実施した反応温度範囲で最
も高い値を示したときの値であり、CH4 除去率はその
ときの除去率である。また、表2中「濃度」とは鉄塩水
溶液の濃度であり、「mol/l」単位で示している。
【0039】
【表 2】
【0040】表2中、′は硝酸鉄による処理を1時間
ずつ2回に分けて行った場合、′は、硝酸鉄水溶液に
硝酸を少し加え(通常の1/10程度)、pHを0.6
5として処理した場合であり、′は鉄塩の濃度を高く
した場合であるが、この場合のpHは、pHメ−タ−の
測定範囲外となり、測定不能であった。また′′
′は、鉄塩水溶液として、硝酸鉄の水溶液に代え、塩
化鉄の水溶液を使用した場合であり、このうち′′
のpHは0.7であるが、これは塩化鉄の水溶液とした
ときの値であり、これで鉄変成処理を行ったものであ
る。この点′では硝酸を少し添加してpHを0.65
としている。
【0041】さらに′〜′(表1の〜、も同
じ)は、Pdイオン交換に際して、NH4 OHと酢酸と
を添加し、共存させてpH調整を行った場合であり、こ
れに対して′は、そのイオン交換に当たり、これらN
4 OHと酢酸を添加しない場合であり、このときのp
Hは2.5であった。また、′は、一度塩化鉄水溶液
による処理、焼成をした後、さらに塩化鉄水溶液による
処理をし、Pdイオン交換後、焼成を行った場合の例で
ある(各処理、焼成条件は前述と同じ)。
【0042】表2から明らかなとおり、本発明におい
て、モルデナイトを強酸性の鉄塩水溶液により処理し、
鉄変成モルデナイトとする場合、鉄塩水溶液中の鉄塩濃
度、鉄塩の種類、鉄塩水溶液のpH値(表2のとおり、
そのpH値は何れも1以下であるが)等の如何により、
得られた触媒の触媒能への影響は殆んどなく、何れも優
れたNOx除去率及びCH4 除去率を示している。な
お、表2中には示してはいないが、CO除去率は、各例
ともに100%であった。
【0043】さらにPdイオン交換に際し、NH4 OH
と酢酸とを添加してpH調整(pH=7)を行った′
の場合には、63.7%のNOx除去率を示しているの
に対して、NH4 OHと酢酸とを添加せず、pH調整を
しない′の場合のNOx除去率は14.2%であるに
過ぎず、この事実によれば、本発明に係るPdイオン交
換に際してのNH4OH及び酢酸の添加による効果は明
らかである。
【0044】また、鉄処理−焼成−鉄処理−Pdイオン
交換−焼成という調製法で得られた′の例では、7
2.9%というきわめて高いNOx除去率が得られてい
る。しかし、この場合のFe担持量及びPd担持量は、
それぞれ0.4wt%及び1.1wt%であり、特にF
e担持量については、′〜′の場合より返って少な
い。この点からすると、本発明によって得られる特有の
効果は、モルデナイトに対してただFeを担持させるこ
と、またその担持量の多寡によるものではなく、本発明
に係る鉄処理、変成による何らかの作用によるものと思
われる。
【0045】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、モルデナイト
を硝酸鉄、塩化鉄等の鉄塩水溶液により処理、変成する
ことにより、これに活性金属を担持させた触媒の触媒活
性を格段に向上させることができる。この処理により変
成して得られたモルデナイト触媒は、優れたNOx除去
能及びCO除去能を有するとともに、併わせてCH4
去能も有しており、これらの効果は、還元剤としてメタ
ンを使用する場合に特に有効である。
【0046】また、本発明によれば、モルデナイトを硝
酸鉄、塩化鉄等の鉄塩水溶液により処理、変成した後、
活性金属としてPdを用い、またこの担持にPdイオン
交換を適用するに際して、NH4OH と酢酸とを添加、
共存させてpH調整を行うことにより、優れたNOx除
去能を付与することができる。またこの場合、その調製
法として「鉄処理−焼成−鉄処理−Pdイオン交換−焼
成」という手法を採れば、さらに高いNOx除去率が得
られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/36 102 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モルデナイトを強酸性の鉄塩水溶液により
    処理し、変成することを特徴とするNOx含有排ガス浄
    化触媒用担体の製造法。
  2. 【請求項2】強酸性の鉄塩水溶液が硝酸鉄水溶液又は塩
    化鉄水溶液であることを特徴とする請求項1記載のNO
    x含有排ガス浄化触媒用担体の製造法。
  3. 【請求項3】鉄塩水溶液のpHが1以下の強酸性である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のNOx含
    有排ガス浄化触媒用担体の製造法。
  4. 【請求項4】モルデナイトを強酸性の鉄塩水溶液で処
    理、変成した後、活性金属を担持させることを特徴とす
    るNOx含有排ガス浄化用触媒の製造法。
  5. 【請求項5】活性金属の担持をその金属塩の水溶液によ
    るイオン交換法により行うことを特徴とする請求項4記
    載のNOx含有排ガス浄化用触媒の製造法。
  6. 【請求項6】上記金属塩が硝酸塩、塩化物又は酢酸塩で
    ある請求項5記載のNOx含有排ガス浄化用触媒の製造
    法。
  7. 【請求項7】活性金属がPdであることを特徴とする請
    求項4記載のNOx含有排ガス浄化用触媒の製造法。
  8. 【請求項8】Pd金属の担持を水酸化アンモニウム及び
    酢酸によりpH調整したPd金属塩の水溶液によるイオ
    ン交換法により行うことを特徴とする請求項7記載のN
    Ox含有排ガス浄化用触媒の製造法。
  9. 【請求項9】モルデナイトに対して一度鉄処理、焼成を
    した後、鉄処理、Pdイオン交換及び焼成をすることを
    特徴とする請求項8記載のNOx含有排ガス浄化用触媒
    の製造法。
JP6069874A 1994-03-14 1994-03-14 NOx含有排ガス浄化用触媒の製造法 Pending JPH07251077A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016131918A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 大塚化学株式会社 排ガス浄化フィルタの製造方法、排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化装置
CN110831897A (zh) * 2017-07-27 2020-02-21 埃克森美孚研究工程公司 Emm-23材料及其制备方法和用途

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