JPH0725096U - トンネル壁用内装板およびその内装板による内装壁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工が容易なトンネル壁用内装板およびその
内装板を用いた内装壁を提供する。 【構成】 内装板を板材の裏側上部に下側が引掛口とな
る引掛片を突設し、下部には固着用穴を設けたものにし
て、引掛片をトンネル壁に突設した下地胴縁に引掛け、
固着用穴には固着具を通して下地胴縁に固着することに
より内装壁とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、施工が容易なトンネル壁用内装板およびその内装板を用いた内装壁 に関する。

【０００２】

【従来技術】

近年、高速道路のトンネルや長いトンネルでは、ドライバ−に不快感を与えな いようにするため、両側の壁を内装している。この内装はトンネル壁が正確な直 線もしくは曲線になっておらず、また、凹凸や幅の広狭も存在するため、壁から 若干離した部分に下地胴縁を突設して、新たに施工下地を設け、そこに塗装鋼板 のような内装板を固着する方法で行っている。

【０００３】 この下地胴縁の突設方法および内装板の固着方法として、従来より一般に行わ れている方法は、第７図に示すように、トンネル壁１にアンカ−ボルト２を打ち 、そのアンカ−ボルト２のボルト部にアングルピ−ス３の一辺４を他辺５が水平 に突出するように挿入して、その挿入一辺４の両側をナット６で押さえ、アング ルピ−ス３をトンネル壁１に対して進退できるようにしてある。また、アングル ピ−ス３の他辺５には、ボルト７で下地胴縁の長尺アングル鋼８の一辺９を他辺 １０が垂直になるように固着して、他辺１０に内装板１１をボルト７で固着して いる。

【０００４】 長尺アングル鋼８は、図８に示すように、１枚の内装板１１の長さに相当する 部分の上端もしくは上部と下端もしくは下部に対応する箇所のほかに中間部に対 応する箇所にも内装板１１の長さにより１箇所もしくは複数箇所突設し、いずれ も水平方向に平行に伸長するようにしている。この長尺アングル鋼８への内装板 １１の固着は長尺アングル鋼８の他辺１０に対応する箇所に固着用穴をあけて、 ボルト７で締め付けていた。

【０００５】 しかしながら、このような内装板１１の固着方法は、長尺アングル鋼８の他辺 １０と内装板１１に穴の位置が一致するようにあけなければならず、しかも、ボ ルト７で多数の箇所を固着しなければならない。このため、施工に非常に時間と 労力がかかるという問題があった。また、自動車が衝突して、内装板を破損した 場合、内装板１１を部分的に取り替えなければならないが、取り替えの際にも同 様の問題があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、このような問題を解決したトンネル壁内装板およびその内装板によ る内装壁を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、内装板を板材裏側の一端側にその一端側または反対側が引掛口とな る引掛片を突設し、板材裏側の他端側には固着用穴を設けたものにした。また、 内装壁をトンネル壁の１枚の内装板長さに相当する部分に水平方向に伸長した下 地胴縁を複数本平行に突設して、１枚の内装板を各胴縁に固着しながら胴縁の伸 長方向に連続的に張り合わせることにより壁とした内装壁において、各内装板裏 側の下地胴縁と対応する箇所で、最端部の下地胴縁と対応する箇所を除く各箇所 に前記最端部側またはその反対側が引掛口となる引掛片を突設して、該引掛片を 下地胴縁に引掛けるとともに、最端部の下地胴縁と対応する箇所は固着具で下地 胴縁に固着した構造にした。

【０００８】

【作用】

内装板は、施工の際に引掛片で上部を下地胴縁に引掛け、下部を固着具で下地 胴縁に固着する場合、引掛片は下側が引掛口となるようにする。逆に、引掛片で 下部を下地胴縁に引掛け、上部を固着具で下地胴縁に固着する場合でも引掛片は 下側が引掛口となるようにする。この状態で引掛片と固着用穴の位置と一致する ように下地胴縁をトンネル壁に平行に突設して、引掛片を下地胴縁に引掛ければ 、内装板の一端側を下地胴縁に固着できる。また、固着用穴にボルトなどの固着 具を通して下地胴縁に固定すれば、内装板の他端側を下地胴縁に固着できる。従 って、内装板は一端側を下地胴縁に引掛けた後、固着具で他端側を下地胴縁に固 定するだけで、内装壁を形成できる。

【０００９】 引掛片の突設は、板材の上部への他の部材の固着、板材の上部の裏側への折り 曲げなどにより行うことができる。また、引掛片の突設位置は板材の上部のほか に必要に応じて中間部にも設けてもよい。さらに、引掛片と板材の間の引掛口に は、ゴムシ−トのような緩衝材を挿入して、内装板が振動したときに発生する下 地胴縁との衝撃音を防止するようにしてもよい。

【００１０】 内装壁では、内装板最端部の下地胴縁と対応する箇所だけが固着具で下地胴縁 に固着され、それ以外の部分は引掛片を下地胴縁に引掛けてあるだけであるので 、内装壁の一部を取り替える場合には、取り替え部分の固着具を取り外すだけで 実施できる。下地胴縁には内装板が振動したときに発生する下地胴縁との衝撃音 を防止するため、外周にゴムシ−トのような緩衝材を貼付けてもよい。

【００１１】

【実施例】

実施例１ 図１、図２は、本考案に係る内装板１１の実施例を示すもので、板材１２は表 側に塗装を施した塗装ステンレス鋼板で、裏側の上端全幅には、引掛片１３がゴ ムシ−ト１４を介してリベット１５で固着されている。引掛片１３は帯状ステン レス鋼板の幅方向片側にゴムシ−ト１４を貼付けて、その部分を片面側に段状に 折り曲げるとともに、反対側を反対面側に屈曲させたもので、段状に折り曲げた 端部が板材１２の上端に固着されている。そして、板材１２との間に下側に開口 した引掛口１６が形成され、その引掛口１６上部にゴムシ−ト１４の下部が露出 している。一方、板材１２の下端には、固着用穴１７が端部に沿って複数あけら れている。

【００１２】 板材１２の中間部左右には、さらに前記引掛片１３と同一形状の引掛片１３ａ 、１３ｂが２段に別れてリベット１５で固着されている。上段の引掛片１３ａと 下段の引掛片１３ｂは板材１２の長さのそれぞれ約３分の１および約３分の２の 箇所に固着されていて、いずれも板材１２との間に下側に開口した引掛口１６を 形成している。

【００１３】 なお、上記実施例で、引掛片１３ａ、１３ｂを変更せずに引掛片１３と固着用 穴１７とを入れ替えれば、上端を固着具で固着する構造になる。

【００１４】 実施例２ 図３〜図６は、前記実施例での内装板１１を用いたトンネル壁の内装壁を示す もので、トンネル壁１には下地胴縁の長尺アングル鋼８が内装板１１の引掛片１ ３、１３ａ、１３ｂおよび固着用穴１７と対応するように４本突設されている。 これらの長尺アングル鋼８の突設方法は従来と同じであるが、引掛片１３、１３ ａおよび１３ｂと対応するものは、図４、図５に示すように、他辺１０が上方を 向き、そこに引掛片１３、１３ａおよび１３ｂが引掛けられている。一方、内装 板１１の下端は、図６に示すように、各固着用穴１７にボルト７を通して、長尺 アングル鋼８に固着されている。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、本考案の内装板および内装壁は、胴縁に裏側の引掛片を引掛け て、下部をボルトで固定するだけであるから、施工や内装板の部分的取り替えは 容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の内装板実施例を示すもので、（Ａ）
は裏面図、（Ｂ）は側面図である。

【図２】は本考案の内装板実施例における引掛片突設部
の拡大側面図である。

【図３】は本考案の内装壁実施例の正面図である。

【図４】は本考案の内装壁実施例の上部側面図である。

【図５】は本考案の内装壁実施例の中間部側面図であ
る。

【図６】は本考案の内装壁実施例の下部側面図である。

【図７】はトンネル壁への下地胴縁の突設方法および内
装板の固着方法を部分的に示す内装壁側面図である。

【図８】は内装板の固着方法を示す内装壁正面図であ
る。

【符号の説明】

１…トンネル壁、２…アンカ−ボルト、３…アングルピ
−ス、４…一辺、５…他辺、６…ナット、７…ボルト、
８…長尺アングル鋼、９…一辺、１０…他辺、１１…内
装板、１２…板材、１３、１３ａ、１３ｂ…引掛片、１
４…ゴムシ−ト、１５…リベット、１６…引掛口、１７
…固着用穴、

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板材裏側の一端側にその一端側また
   は反対側が引掛口となる引掛片を突設し、板材裏側の他
   端側には固着用穴を設けたことを特徴とするトンネル壁
   用内装板。
2. 【請求項２】 トンネル壁の１枚の内装板長さに相
   当する部分に水平方向に伸長した下地胴縁を複数本平行
   に突設して、１枚の内装板を各胴縁に固着しながら胴縁
   の伸長方向に連続的に張り合わせることにより壁とした
   内装壁において、各内装板裏側の下地胴縁と対応する箇
   所で、最端部の下地胴縁と対応する箇所を除く各箇所に
   前記最端部側またはその反対側が引掛口となる引掛片を
   突設して、該引掛片を下地胴縁に引掛けるとともに、最
   端部の下地胴縁と対応する箇所は固着具で下地胴縁に固
   着したことを特徴とするトンネル壁の内装壁。