JPH07249758A - ヘテロ接合電界効果トランジスタ - Google Patents

ヘテロ接合電界効果トランジスタ

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JPH07249758A
JPH07249758A JP4127694A JP4127694A JPH07249758A JP H07249758 A JPH07249758 A JP H07249758A JP 4127694 A JP4127694 A JP 4127694A JP 4127694 A JP4127694 A JP 4127694A JP H07249758 A JPH07249758 A JP H07249758A
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effect transistor
drain
layer
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JP4127694A
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Inventor
Yasuo Ashizawa
康夫 芦沢
Shinobu Fujita
忍 藤田
Minoru Amano
実 天野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 InGaAsのように禁制帯幅が小さい化合
物半導体層をチャネル材料として使用した場合において
も、耐圧の低下が起こりにくい構造のヘテロ接合電界効
果トランジスタを提供すること。 【構成】 化合物半導体を構成材料とするヘテロ接合電
界効果トランジスタにおいて、電子が流れるチャネル層
13がInGaAs3元混晶であり、このチャネル層1
3の厚さをソース17側からドレイン18側に至る領域
においてドレイン18側の方が薄くなるように形成し、
チャネル層13の禁制帯幅をソース17側よりもドレイ
ン18側の方で大きくしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体を構成材
料とするヘテロ接合電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子親和力の異なる少なくとも2
種類の化合物半導体層を積層し、電子親和力の大きい化
合物半導体層を電子の流れるチャネル層としたヘテロ接
合電界効果トランジスタにおいて、様々な構成材料の組
み合わせやドーピング濃度の組み合わせを変えた構造が
開発されている。
【0003】中でも、図7に示すようなInP基板71
上にInGaAs73,76とInAlAs72,75
を積層した高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、
InGaAsの電子移動度及び飽和電子速度が高く、G
aAs基板上のAlGaAs/GaAs接合電界効果ト
ランジスタより高速動作に優れている。
【0004】ここで、72はバッファ層、73はチャネ
ル層、75は電子供給層、76はキャップ層、77はソ
ース電極、78はドレイン電極、79はゲート電極を示
している。InP基板71に格子整合するInGaAs
チャネル層73のIn組成は0.53であるが、In組
成をこれより大きくするとさらに電子移動度が高くな
り、より高速で動作が可能になる。
【0005】しかしながら、InP基板上でInGaA
sをチャネル層として使う電界効果トランジスタは、I
nGaAs材料そのものに起因する幾つかの問題点を有
している。その中の一つは、InGaAsの禁制帯幅が
小さいことに基づくものである。図7に示したHEMT
では、AlGaAs/GaAs構造HEMTに比較して
ソース・ドレイン耐圧BVds及びゲート耐圧BVg が小
さい。
【0006】この原因は、以下のように説明される。H
EMTの動作時には、ソースに対してドレインには正の
電圧Vds、またゲートには負或いは正の電圧Vg が印加
される。この時、ゲート近傍のチャネル層のドレイン側
に高い電界強度の領域が形成される。InGaAsは禁
制帯幅が小さいことからVdsが1〜2V程度でも、衝突
イオン化を生じ易い。衝突イオン化が発生すると電子・
正孔対が生成され、正孔はゲートか若しくはソースに、
また電子はドレインへと流れる。これが、ゲートリーク
電流の増加やドレイン電流の増大(キンク)の発生要因
となる。
【0007】衝突イオン化効率は禁制帯幅の小さい材料
ほど大きくなるため、高速性を狙ってIn組成を大きく
したチャネル構造では、衝突イオン化による耐圧低下は
より顕著になっている。
【0008】チャネルのIn組成が大きい構造でも耐圧
の低下を防ぐ目的で、HEMTの電子供給層の一部に、
InPに格子整合したInAlAsより禁制帯幅が大き
い歪んだInAlAsやその他の薄い半導体層(バリア
層)を挿入して、チャネル層から電子供給層を経由する
ゲートへの正孔の流入を防ぐ構造などが提案されてい
る。(参考文献:例えば C.Heedtほか、proceedings of
5th internatinal conference on Indium Phosphide a
nd Related Materials,p247,1993,Paris)。
【0009】しかしながら、このような薄いバリア層を
挿入し、価電子帯のバンド不連続量を大きくした構造に
おいて、正孔の流入を防ぐ目的で十分なバンド不連続量
をとろうとした場合、基板と格子定数の異なる半導体層
を使う必要があり、転位の発生を生じないためにバリア
層の厚さに対して制約が課せられる。また、伝導帯のバ
ンド不連続量も同時に大きくなるのが一般的であり、こ
の場合はバリア層がないときに比較してソース抵抗の上
昇を招く。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、In
GaAsのように禁制帯幅が小さい化合物半導体をチャ
ネル材料として使用するヘテロ接合電界効果トランジス
タにおいては、衝突イオン化による耐圧低下が問題とな
っている。また、耐圧低下を防止するためにバリア層を
設けることが考えられるが、この場合はソース抵抗の上
昇を招くことになる。
【0011】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、InGaAsのように
禁制帯幅が小さい化合物半導体をチャネル材料として使
用した場合においても、耐圧の低下が起こりにくい構造
のヘテロ接合電界効果トランジスタを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち、本
発明(請求項1)は、化合物半導体を構成材料とするヘ
テロ接合電界効果トランジスタにおいて、電子が流れる
チャネル層の少なくとも一部に、ソース側からドレイン
側に向かって禁制帯幅が大きくなる領域を設けたことを
特徴とする。
【0013】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 電子の流れるチャネル層がInx Ga1-x As3元
混晶であり、このチャネル層の厚さがソースSからドレ
インDに至る領域においてドレインD側の方が薄くなっ
ていること(図1(a))。チャネル層の厚さの変化
は、連続的であってもよいし、ドレインD側のみ薄くな
っていてもよい。 (2) チャネル層の厚さを可変する手段として、段差を有
する基板上に有機金属気相成長法(MOCVD法)でチ
ャネル層を成長形成すること。 (3) チャネル層の厚さを可変してその禁制帯幅を変える
場合に、チャネル層の平均厚さを20nm以下とするこ
と。 (4) 電子の流れるチャネル層がInx Ga1-x As3元
混晶であり、そのIn組成がソースSからドレインDに
至る領域においてドレインD側の方で小さくなっている
こと(図1(b))。チャネル層のIn組成xの変化
は、図中の実線のように連続的であってもよいし、図中
の破線のようにドレインD側のみ小さくなっていてもよ
い。 (5) チャネル層のIn組成を可変する手段として、段差
を有する基板上に分子線エピタキシャル法(MBE法)
でチャネル層を成長形成すること。 (6) InP基板上に、InAlAsバッファ層,InG
aAsチャネル層,InAlAs電子供給層,InGa
Asキャップ層が順次積層形成された構造であること。
【0014】また、本発明(請求項2)は、化合物半導
体を構成材料とするヘテロ接合電界効果トランジスタに
おいて、電子が流れるチャネル層より禁制帯幅が大きく
該チャネル層に隣接したバリア層の少なくとも一部に、
ソース側からドレイン側に向かってチャネル層とのバン
ド不連続量が大きくなる領域を設けたことを特徴とす
る。
【0015】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) チャネル層がInGaAs3元混晶で、バリア層が
In1-y Aly Asであり、バリア層のAl組成yがソ
ースSからドレインDに至る領域においてドレインD側
の方で大きくなっていること(図1(c))。バリア層
のAl組成yの変化は、図中の実線のように連続的であ
ってもよいし、図中の破線のようにドレインD側のみ大
きくなっていてもよい。 (2) バリア層のAl組成を可変する手段として、段差を
有する基板上に分子線エピタキシャル法(MBE法)で
バリア層を成長形成すること。 (3) InP基板上に、InAlAsバッファ層,InG
aAsチャネル層,InAlAsバリア層,InAlA
s電子供給層,InGaAsキャップ層が順次積層形成
された構造であること。
【0016】
【作用】先に説明したように、電界効果トランジスタを
動作させる場合、ソースに対してドレインには正のバイ
アスVds、またゲートには負又は正の電圧Vg を印加す
る。この時、ゲート近傍のドレイン側に高い電界強度の
領域が形成される。InGaAsは禁制帯幅が小さいこ
とから衝突イオン化を生じ易いが、実際の衝突イオン化
はチャネル層全域において生じているのではなく、この
高い電界強度の領域において主に発生する。
【0017】従って、本発明(請求項1)のように、高
い電界領域(ドレイン側)の部分だけチャネル層の禁制
帯幅を大きくした構造をとれば衝突イオン化は発生しに
くくなる。また、本発明(請求項4)のように、高い電
界領域の部分(ドレイン側)だけチャネル層と隣接する
バリア層とのバンド不連続量を大きくすれば、衝突イオ
ン化によって生成された正孔のゲートへの流入を低減す
ることができる。この場合、正孔はゲートではなくソー
スへ流れ込む。
【0018】チャネル層の禁制帯幅を大きくするには2
つの方法がある。一つは、InGaAsのIn組成を小
さくたり、或いはInGaAsPでPの組成を大きくし
てチャネル材料の混晶を変化させ禁制帯幅を大きくする
方法である。混晶比を変えた場合、3元系材料を使うと
格子定数が異ってきて、歪の問題が生じてくるが、歪ん
だ領域がチャネル層のうちゲート近傍のドレイン側のみ
であれば、実質的には問題を生じない。チャネル材料が
4元系であれば、格子定数を一定にしたまま、禁制帯幅
のみを変化させることができる。
【0019】もう一つの手法はチャネル層の幅を狭くす
ることにより、量子準位を形成して実効的禁制帯幅を大
きくする手法である。禁制帯幅を大きくすると電子移動
度の低下を招くが、大きくなっている部分がチャネル層
のうち、ゲート近傍のドレイン側のみであればトランジ
スタ特性上、問題はない。
【0020】また、バンド不連続量を大きくするために
は、チャネル層に隣接するバリア層の禁制帯幅を大きく
するか、チャネル層の禁制帯幅が小さくなるように半導
体層の混晶比を変えればよい。このうち、後者のチャネ
ル層の禁制帯幅を変える方法は確かに不連続量は増える
が、チャネル層の衝突イオン化を増加させることになり
望ましくない。前者の方法においてさらに、バリア層と
チャネル層のバンド不連続量をゲート近傍のドレイン側
部分のみを大きくするようにすれば、ソース抵抗には影
響を与えない。
【0021】バリア層の混晶比を変える場合、3元系材
料を使うと格子定数が異ってきて、歪の問題が生じてく
るが、歪んだ領域がバリア層のうち、ゲート近傍のドレ
イン側のみであれば、実質的には問題を生じない。ま
た、バリア層材料が4元系であれば、格子定数を一定に
したまま、禁制帯幅のみを変化させることができる。こ
の4元系としてはInGaAlP,InAlAsPなど
が考えられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図2は本発明の第1の実施例に係わるヘテ
ロ接合電界効果トランジスタの素子構造及び製造工程を
示す断面図である。
【0023】まず、図2(a)に示すように、Feドー
プ半絶縁性InP基板11上の一部にSiN膜21を形
成し、基板表面に段差を付けておく。次いで、図2
(b)に示すように、基板11上に有機金属気相成長法
(MOCVD法)により、InPバッファ層12,In
GaAsチャネル層13,InAlAs電子供給層1
5,InGaAsキャップ層16を順次成長する。
【0024】この成長工程において、SiN膜21の段
差がある領域では成長速度が促進される。これは、Si
N上では成長が進まないため、SiN上で分解した原料
原子がSiNのない領域へ表面を移動し、成長に寄与す
ることで生じるものである。SiNの端から十分に距離
が大きくなると表面を移動してくる余剰原子の影響がな
くなるので、SiNがない場合と同じ成長速度となる。
このようなSiN近傍での成長速度の分布により、Si
Nに近い部分のInGaAsチャネル層13の厚さは離
れた部分より厚くなっている。
【0025】次いで、図2(c)に示すように、キャッ
プ層16の一部に開口を設け、SiN膜21を除去した
後、ソース電極17,ドレイン電極18,ゲート電極1
9をそれぞれ形成することにより、ヘテロ接合電界効果
トランジスタが完成することになる。ここで、ソース電
極17はSiN膜21を除去した側に形成し、ドレイン
電極18はチャネル層13が薄くなっている側、即ち禁
制帯幅が大きくなっている側に形成する。
【0026】このような構成において、InGaAsチ
ャネル層13を20nm以下の厚さに設定しておくと、
量子準位が形成され、ソース電極17側からドレイン電
極18側方向に至るにつれて量子準位による実効的禁制
帯幅の増加は大きくなる。つまり、ゲート電極19近傍
のドレイン電極18側の禁制帯幅がソース電極17側よ
りも大きくなり、全てのチャネル層がソース近傍の禁制
帯幅をとるトランジスタ構造と比較して衝突イオン化を
減少させることができる。
【0027】従って本実施例によれば、InGaAsの
ように禁制帯幅が小さい化合物半導体層をチャネル材料
として使用した場合においても、耐圧の低下が起こりに
くいトランジスタ構造を実現することができる。そして
この場合、ソース側の禁制帯幅を大きくすることなくド
レイン側のみで禁制帯幅を大きくしているので、高速性
が阻害されることもない。また、特殊なプロセスを必要
とすることもなく、基板上に段差を設けた状態でMOC
VD法により半導体層を成長形成するのみでよく、簡易
に製造し得る等の利点がある。 (実施例2)図3は、本発明の第2の実施例に係わるヘ
テロ接合電界効果トランジスタの素子構造及び製造工程
を示す断面図である。なお、図2と同一部分には同一符
号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0028】まず、図3(a)に示すように、Feドー
プ半絶縁性InP基板11上の一部にSiN膜22を形
成し、基板表面に段差を付けておく。段差はInP基板
11をエッチングして形成するか、或いは本実施例のよ
うにSiN膜22を残すことによって形成してもよい。
【0029】次いで、図3(b)に示すように、SiN
の段差を有する基板11上に分子線エピタキシャル成長
法(MBE法)により、InAlAsバッファ層12,
InGaAsチャネル層23,InAlAs電子供給層
15,InGaAsキャップ層16を順次成長する。
【0030】図4は、上記の成長に使用する分子線エピ
タキシー装置の構成概略を示したものである。この装置
の特徴は、成長室41内にGa,Al,In,As,S
iを供給する分子線セル42〜46が放射状に配置され
ていることに加え、成長基板49に対してより浅い角度
で分子線を供給するための補助分子線セル47を独立に
設けていることである。通常の分子線セル42〜46の
みを用いて成長する場合には、基板49を回転させない
でも均一な成長を行うことができるが、より均一な成長
を行うには基板49を回転させた方がよい。なお、図中
の48はシャッタ、50は基板加熱ヒータを示してい
る。
【0031】補助分子線セル47の役割を、図5で説明
する。図5(a)に示すように、段差52がある基板5
1に通常の分子線セル42〜46から分子線54を供給
すると、基板51に対して垂直に近い角度から原子が入
射してくるため、段差近傍でも均一な厚さで膜53が成
長する。一方、補助分子線セル47を用いて基板51の
回転を止めて成長する場合、図5(b)に示すように分
子線55に対して段差が障害になるため、段差近傍では
成長が進まない。
【0032】通常の分子線54と補助分子線セル47か
らの分子線55とを併用すると、図5(c)に示すよう
に、段差近傍で緩やかに厚さが変わっていく成長を実現
できる。従って、補助分子線セル47にInを収容して
通常の分子線セルと同時にInを供給してInGaAs
を成長すると、段差から離れた部分のIn組成に対して
段差に近い部分でのIn組成が相対的に低いInGaA
s層を得ることができる。
【0033】上記の装置を用いて各層を成長する際に、
特にInGaAsチャネル層23の成長時のみ基板の回
転を止め、補助分子線セル47からInを同時供給する
ことで、SiN膜22に近い部分ではIn組成の少な
い、即ち禁制帯幅の大きいInGaAsチャネル層23
を得ることができる。チャネル層23以外の半導体層で
は、基板を回転させることにより、均一な組成を得るこ
とができる。
【0034】次いで、図3(c)に示すように、キャッ
プ層16の一部に開口を設け、SiN膜22を除去した
後、ソース電極17,ドレイン電極18,ゲート電極1
9をそれぞれ形成することにより、ヘテロ接合電界効果
トランジスタが完成することになる。ここで、ドレイン
電極18はSiN膜22を除去した側、即ちチャネル層
23のIn組成が低い側に形成する。
【0035】このような構成であれば、ソース電極17
からドレイン電極18方向に至るにつれてInGaAs
チャネル層23のIn組成が小さくなり、ソース側より
もドレイン側の禁制帯幅が大きくなる。さらに、チャネ
ル層23はドレイン側で膜厚が薄くなっているのが、こ
れもチャネル層23のドレイン側の禁制帯幅を大きくす
ることに寄与する。つまり、ゲート電極19近傍のドレ
イン電極18側の禁制帯幅がソース電極17側よりも大
きくなり、全てのチャネル層がソース近傍の禁制帯幅を
とるトランジスタ構造と比較して衝突イオン化を減少さ
せることができる。従って、第1の実施例と同様の効果
が得られる。 (実施例3)図6は、本発明の第3の実施例に係わるヘ
テロ接合電界効果トランジスタの素子構造及び製造工程
を示す断面図である。なお、図1,2と同一部分には同
一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0036】まず、図6(a)に示すように、Feドー
プ半絶縁性InP基板11上の一部にSiN膜22を形
成し、基板表面に段差を付けておく。段差はInP基板
11をエッチングして形成するか、或いは本実施例のよ
うにSiN膜22を残すことによって形成してもよい。
【0037】次いで、図6(b)に示すように、基板1
1上にMBE法によりInAlAsバッファ層12,I
nGaAsチャネル層13,InAlAsバリア層1
4,InAlAs電子供給層15,InGaAsキャッ
プ層16を順次成長する。
【0038】この成長には、前記図4に示した装置を用
いた。そして、補助分子線セル47にAlを収容し、I
nAlAsバリア層14の成長時のみ回転を止め、補助
分子線セル47からAlを同時供給することで、SiN
膜22の段差から離れた部分では段差に近い部分比較し
てAl組成の大きい、即ち禁制帯幅の大きいInAlA
sバリア層14を得ることができる。
【0039】次いで、図6(c)に示すように、キャッ
プ層16の一部に開口を設け、SiN膜22を除去した
後、ソース電極17,ドレイン電極18,ゲート電極1
9をそれぞれ形成することにより、ヘテロ接合電界効果
トランジスタが完成することになる。
【0040】このような構成であれば、ソース電極17
からドレイン電極18方向に至るにつれてInAlAs
バリア層14の禁制帯幅が大きくなり、チャネル層13
との価電子帯の不連続量が大きくなっている。従って、
InAlAsバリア層14が全ての領域でソース近傍の
禁制帯幅をとるトランジスタ構造と比較し、衝突イオン
化によって引き起こされるゲートリーク電流の増加を低
減することができ、第1の実施例と同様の効果が得られ
る。
【0041】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例ではInP基板上にInGa
Asをチャネル材料とするHEMTについて説明した
が、チャネル材料としてInGaAs以外にも、In
P,InGaAsP,GaAsなどを使用するHEMT
や、チャネルをn型にドーピングした、HEMTとは異
なるヘテロ接合電界効果トランジスタに適用することも
できる。さらに、バリア層材料としては、実施例で述べ
たInAlAs以外にも3元系ではAlGaAs,In
GaP,InAlP、4元系ではInGaAlP,In
AlAsPなどを用いることもできる。
【0042】また、チャネル層やバリア層のドレイン側
の禁制帯幅を大きくする手段としては、ドレイン側又は
ドレイン側を除く領域にAlやInをイオン注入した
り、集束イオンビームを照射することも可能である。さ
らに、これらの手段に限らず、要は最終的に形成された
チャネル層やバリア層の禁制帯幅がドレイン側で大きく
なっている構造であればよい。その他、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1)
によれば、チャネル層の禁制帯幅をソース側よりもドレ
イン側の方で大きくしているので、電界強度が高いゲー
ト近傍のドレイン側チャネル領域での衝突イオン化を低
減でき、トランジスタの耐圧を向上させることができ
る。
【0044】また、本発明(請求項4)によれば、バリ
ア層の禁制帯幅をソース側よりもドレイン側の方で大き
くしているので、電界強度が高いゲート近傍のドレイン
側チャネル領域での衝突イオン化のゲートリーク電流へ
の影響を低減でき、トランジスタの耐圧を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を説明するための模式図。
【図2】第1の実施例に係わるヘテロ接合電界効果トラ
ンジスタの素子構造と製造工程を示す断面図。
【図3】第2の実施例に係わるヘテロ接合電界効果トラ
ンジスタの素子構造と製造工程を示す断面図。
【図4】第2の実施例素子の製造に用いた分子線エピタ
キシー装置を示す概略構成図。
【図5】図4の装置を用いて成長を行う際の成長手順の
違いによる積層断面の差を説明するため断面図。
【図6】第3の実施例に係わるヘテロ接合電界効果トラ
ンジスタの素子構造と製造工程を示す断面図。
【図7】従来のヘテロ接合電界効果トランジスタの素子
構造を示す断面図。
【符号の説明】 11…半絶縁性InP基板 12…InPバ
ッファ層 13,23…InGaAsチャネル層 14…InAl
Asバリア層 15…InAlAs電子供給層 16…InGa
Asキャップ層 17…ソース電極 18…ドレイン
電極 19…ゲート電極 21,22…S
iN膜 41…成長室 42〜46…電
子線セル 47…補助分子線セル 48…シャッタ 49…成長基板 50…基板加熱
ヒータ 51…基板 52…段差 53…成長膜 54…通常分子
線セルによる分子線 55…補助分子線セルによる分子線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体を構成材料とするヘテロ接合
    電界効果トランジスタにおいて、電子が流れるチャネル
    層の少なくとも一部に、ソース側からドレイン側に向か
    って禁制帯幅が大きくなる領域を設けてなることを特徴
    とするヘテロ接合電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】電子の流れるチャネル層が厚さが、ソース
    からドレインに至る領域においてドレイン側の方が薄く
    なっていることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合
    電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】電子の流れるチャネル層がInx Ga1-x
    As3元混晶であり、そのIn組成がソースからドレイ
    ンに至る領域においてドレイン側の方で小さくなってい
    ることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合電界効果
    トランジスタ。
  4. 【請求項4】化合物半導体を構成材料とするヘテロ接合
    電界効果トランジスタにおいて、電子が流れるチャネル
    層より禁制帯幅が大きく該チャネル層に隣接したバリア
    層の少なくとも一部に、ソース側からドレイン側に向か
    ってチャネル層とのバンド不連続量が大きくなる領域を
    設けてなることを特徴とするヘテロ接合電界効果トラン
    ジスタ。
  5. 【請求項5】電子の流れるチャネル層がInGaAs3
    元混晶であり、バリア層がIn1-yAly Asであり、
    バリア層のAl組成yがソースからドレインに至る領域
    においてドレイン側の方で大きくなっていることを特徴
    とする請求項4記載のヘテロ接合電界効果トランジス
    タ。
JP4127694A 1994-03-11 1994-03-11 ヘテロ接合電界効果トランジスタ Pending JPH07249758A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001127282A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Fujitsu Ltd 半導体装置
JP2012209374A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体装置およびその製造方法

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