JPH0724971A

JPH0724971A - 積層体

Info

Publication number: JPH0724971A
Application number: JP17302793A
Authority: JP
Inventors: Kiyoyuki Suzuki; 清之鈴木; Toshiaki Imamura; 俊明今村
Original assignee: Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Current assignee: DIC Corp
Priority date: 1993-07-13
Filing date: 1993-07-13
Publication date: 1995-01-27

Abstract

(57)【要約】【構成】紙と、紙上に設けられたエチレンとエチレン
系不飽和カルボン酸からなる共重合体と粘着付与剤とを
含む樹脂層と、樹脂層上に設けられたシリコーン層とか
ら成る積層体。【効果】アルカリ溶液で樹脂層が紙と容易に剥離し、
紙の再利用が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は紙と、樹脂層と、シリコ
ーン層とから成る積層体に関し、樹脂層がアルカリ溶液
で容易に紙と分離し、紙の再生に有用な剥離紙の用途に
適した積層体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、剥離紙のポリラミ原紙は低密度Ｐ
Ｅを紙にコートしているが、低密度ＰＥはアルカリ溶液
に溶解又は膨潤しないため、故紙回収の際のネックとな
り、産業廃棄物として捨てられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙と、樹脂
層と、シリコーン層とから成る積層体に於いて、樹脂層
がアルカリ溶液で紙と容易に分離し、紙の再利用が容易
にできる積層体を提供しようとするものである。

【０００４】即ち、本発明者らは、鋭意検討した結果、
紙上にエチレンとエチレン系不飽和カルボン酸からなる
共重合体と粘着付与剤とを含有する樹脂層を設けた積層
体が、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明
を完成させたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、紙（１）と、
該紙（１）上に設けられた（イ）エチレンとエチレン系
不飽和カルボン酸からなる共重合体と（ロ）粘着付与剤
とを含む樹脂層（２）と、該樹脂層（２）上に設けられ
たシリコーン層（３）とから成る積層体に関する。

【０００６】本発明によれば、アルカリ溶液で紙が樹脂
層と容易に分離し、紙の再利用が容易にできる積層体を
提供することができる。

【０００７】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。本発明に係わる積層体を製造するには図１のように
紙（１）の上に、（イ）エチレンとエチレン系不飽和カ
ルボン酸からなる共重合体と（ロ）粘着付与剤とを含む
樹脂組成物（２）を押し出しラミネーターを用いて塗工
し、その上にシリコーン層（３）を施す。

【０００８】紙（１）としてはクラフト紙、上質紙、グ
ラシン紙等を使用する事が出来るが、特に特定するもの
ではない。

【０００９】紙上に設ける樹脂層は、エチレンとエチレ
ン系不飽和カルボン酸からなる共重合体と粘着付与剤と
を含有する。

【００１０】樹脂層は、エチレンとエチレン系不飽和カ
ルボン酸からなる共重合樹脂と粘着付与剤とを含みため
に、原紙及びシリコーン層との密着が共に優れており、
剥離紙としての機能及びアルカリ溶液で紙と樹脂層が容
易に分離し、紙の再利用が容易に出来る等の特徴があ
る。以下本発明に係わる樹脂層について詳細に説明す
る。

【００１１】共重合体（イ）のエチレン系不飽和カルボ
ン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等があり、な
かでもアクリル酸、メタクリル酸が最も好ましく、必要
に応じてビニルアセテート、メチルメタアクリレート、
エチルメタアクリレート等の共重合性モノマーを共重合
させてもよい。

【００１２】エチレンとエチレン系不飽和カルボン酸か
らなる共重合体の平均分子量は２００００〜７００００
０が好ましく、より好ましくは１０００００〜５０００
００である。２００００以下、７０００００以上では良
好な押し出しラミネート加工適性が得られない。また、
エチレン不飽和カルボン酸の重量％は３〜３０重量％が
好ましく、より好ましくは７〜１２重量％である。３重
量％以下ではアルカリ溶液で容易に紙と分離しない。３
０重量％以上では良好な押し出しラミネート加工適性が
得られない。

【００１３】共重合体の重量％は５０〜９９重量％が好
ましく、より好ましくは８０〜９５重量％である。５０
重量％以下では良好な押し出しラミネート加工適性が得
られない。また、９９重量％以上ではアルカリ溶液で容
易に紙と分離しない。

【００１４】粘着付与剤としては、ロジン、ロジングリ
セリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル
等のロジンエステル、水添ロジン、水添ロジングリセリ
ンエステル、水添ロジンペンタエリスリトールエステル
等の水添ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンエステ
ル等の２塩基酸変性ロジンエステル、重合ロジン、重合
ロジングリセリンエステル、重合ロジンペンタエリスリ
トールエステル等の重合ロジンエステル、α−ピネン重
合体、β−ピネン重合体等のテルペン樹脂、フェノール
変性テルペン樹脂等の変性テルペン樹脂、芳香族炭化水
素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等の石油樹脂、ケトン樹
脂、環化ゴム等が挙げられる。なかでも２塩基酸変性ロ
ジンエステルが最も好ましい。粘着付与剤は１〜５０
重量％であればよく、より好ましくは５〜２０重量％で
ある。１重量％以下ではアルカリ溶液で容易に紙と分離
しない。また、５０重量％以上では良好な押し出しラミ
ネート加工適性が得られない。

【００１５】尚、樹脂層中にはこれらの樹脂を２種以上
組み合わせて使用することができ、また、ビニル系重合
体およびその誘導体と併用しても良い。更に、パラフィ
ンワックス、低分子ポリエチレン、合成ワックス等のワ
ックス類、酸化防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止
剤等の助剤、体質顔料等を適宜加える事もできる。

【００１６】樹脂層（２）の厚さは、５〜５０μmの範
囲が好ましい。５μm未満では、製膜時にピンフォール
（膜割れ）が発生し易く、一方、５０μm以上ではアル
カリ溶液で原紙と分離しにくい。好ましくは、１０〜３
０μmの厚みである。組成物を塗工する方法は通常の押
し出しラミネーターで加工する事ができる。

【００１７】シリコーン層（３）としては、一般的に剥
離紙用に使用されるシリコーン系でよく、硬化形式によ
り両末端シラノール官能性長鎖ジメチルポリシロキサン
とメチルハイドロジエンポリシロキサン、あるいはメチ
ルメトキシポリシロキサンとを有機錫系触媒の存在下で
反応させる縮合反応型シリコーン、両末端、あるいは、
両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直鎖状のジメチル
ビニルポリシロキサンとメチルハイドロジエンポリシロ
キサンとを、白金系触媒の存在下で反応させる付加反応
型シリコーンが代表的であり、その他紫外線硬化型シリ
コーン、電子線硬化型シリコーン等も使用できる。ま
た、その形態は、溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型で
もよい。

【００１８】尚、剥離紙として使用する時はこの積層体
の紙上にカール防止の処理剤、印刷、ニス等を塗工する
こともできる。また、樹脂層（２）の上にコロナ処理、
プライマー等処理する事もかまわない。

【００１９】

【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれ
ら実施例に何等限定されるものではない。

【００２０】実施例１押し出しラミネーターを使用し、８０ｇ／ｍ²上質紙に
ダイレクトに以下の樹脂組成物を以下の押し出し加工条
件で塗工し、その樹脂面に以下の剥離紙用シリコーンを
乾燥、１００℃、３０秒、塗布量１ｇ／ｍ²の塗工条件
で塗工した。

【００２１】この様にして得られた積層体を、７０℃、
４％苛性ソーダ液に浸積し、紙と樹脂層が剥離する迄の
時間を測定した。結果を表１に示す。

【００２２】樹脂組成物エチレンーアクリル酸共重合体８０重量％〔エスコール５１００；エクソン化学（株）製〕マレイン酸変性ロジンエステル２０重量％〔ベッカサイトＪー８９６；大日本インキ化学工業化学（株）製〕

【００２３】押し出し加工条件押し出し機口径４０ｍｍφ Ｌ／Ｄ２８チルロールセミマットロールスピード５０ｍ／ｍｉｎ膜厚１５μ

【００２４】剥離紙用シリコーンシリコーン分１０％トルエン希釈溶液ＫＳ−８３５（信越化学工業（株）製付加反応型シリコーン）１００部ＣＡＴＰＬ−５０（信越化学工業（株）製触媒）１部

【００２５】実施例２実施例１のエチレンーアクリル酸共重合体の代わりに以
下の樹脂を使用する他は実施例１と同様に行った。結果
を表１に示す。

【００２６】エチレンーメタクリル酸共重合体８０重量％〔ニュークレルＮー１０３５Ｎ；三井・デュポンポリケミカル（株）製〕

【００２７】実施例３実施例１のエチレンーアクリル酸共重合体およびマレイ
ン酸変性ロジンエステルの重量％を以下の重量％にする
他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示す。

【００２８】エチレンーアクリル酸共重合体９５重量％〔エスコール５１００；エクソン化学（株）製〕マレイン酸変性ロジンエステル５重量％〔ベッカサイトＪー８９６；大日本インキ化学工業化学（株）製〕

【００２９】実施例４実施例１のマレイン酸変性ロジンエステルの代わりに下
記の樹脂を使用する他は実施例１と同様に行った。結果
を表１に示す。

【００３０】重合ロジン２０重量％〔ダイマレックス；理化ハーキュレス（株）製〕

【００３１】比較例１実施例１の樹脂組成物の代わりに以下の樹脂を使用する
他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示す。

【００３２】エチレンーアクリル酸共重合体１００重量％〔エスコール５１００；エクソン化学（株）製〕

【００３３】比較例２実施例１の樹脂組成物の代わりに下記の樹脂組成物を使
用する他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示
す。

【００３４】低密度ポリエチレン樹脂８０重量％〔ペトロセン２０３；東ソー（株）製〕マレイン酸変性ロジンエステル２０重量％〔ベッカサイトＪー８９６；大日本インキ化学工業化学（株）製〕

【００３５】比較例３実施例１の樹脂組成物の代わりに下記の樹脂組成物を使
用する他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示
す。

【００３６】エチレンー酢酸ビニル共重合体８０重量％〔ウルトラセンＵＥー６３１；東ソー（株）製〕マレイン変性ロジンエステル２０重量％〔ベッカサイトＪー８９６；大日本インキ化学工業化学（株）製〕

【００３７】

【表１】

【００３８】接着性：紙とシリコーン層との密着性を測
定した。アルカリ剥離性：試料を７０℃、４％、苛性ソーダ液に
浸積し、樹脂層が原紙から剥離する時間を測定した。
（単位：秒）

【００３９】

【発明の効果】故紙回収の際、アルカリ溶液で紙と樹脂
層が容易に分離できる離剥紙を提供することができ、紙
の再利用が容易になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】積層体の断面図である。

【符号の説明】

１紙２樹脂層３シリコーン層

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ３２Ｂ 27/28 １０１ 8413−4Ｆ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙（１）と、該紙（１）上に設けられた
（イ）エチレンとエチレン系不飽和カルボン酸からなる
共重合体と（ロ）粘着付与剤とを含む樹脂層（２）と、
該樹脂層（２）上に設けられたシリコーン層（３）とか
ら成る積層体。
【請求項２】エチレン系不飽和カルボン酸がアクリル
酸である請求項１記載の積層体。
【請求項３】エチレン系不飽和カルボン酸がアクリル
酸である請求項１記載の積層体。
【請求項４】粘着付与剤が２塩基酸変性ロジンエステ
ルである請求項１記載の積層体。
【請求項５】２塩基酸がマレイン酸である請求項４記
載の積層体。
【請求項６】粘着付与剤が重合ロジンである請求項１
記載の積層体。