JPH0724836B2

JPH0724836B2 - し尿処理方法

Info

Publication number: JPH0724836B2
Application number: JP61242569A
Authority: JP
Inventors: 清司和泉; 山田　　豊; 守生益崎
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1986-10-13
Filing date: 1986-10-13
Publication date: 1995-03-22
Anticipated expiration: 2010-03-22
Also published as: JPS6397298A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、し尿からし渣を分離し、し渣分離後の処理水
を活性汚泥により生物処理し、生物処理後の処理水から
限外ろ過器により活性汚泥を分離し、汚泥分離後の処理
水から逆浸透膜により色度成分とCOD性汚濁物質並びに
リン酸を除去するし尿処理方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、上記し尿処理分野では第２図に示すように、し渣
を分離するのに、スクリーン（1A）によるろ過器（１）
のみにより行い、活性汚泥を分離するのに、沈澱槽（1
0）により行うと共に、色度成分とCOD性汚濁物質を除去
するのに活性炭塔（11）で活性炭に吸着させ、活性炭塔
（11）からの処理水から、リン酸イオンを除去するの
に、リン除去塔（12）でリン酸イオン吸着剤に吸着させ
ていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、沈澱槽（10）で活性汚泥を沈澱させると、分離
性能が悪くて処理水中に、活性汚泥が流れ出てしまいや
すく、また、吸着処理後の活性炭塔（11）及びリン除去
塔（12）における活性炭やリン酸イオン吸着剤は再生処
理を必要とし、それは、複雑で手間が多くかかり、吸着
性能を常に高く維持するのが困難であるという問題があ
った。

本発明の目的は、活性汚泥、色度成分、COD性汚濁物
質、並びに、リン酸の除去性能を高く維持しつつ、色度
成分、COD性汚濁物質、並びに、リン酸を、し渣、汚泥
と共に、安価に焼却する方法を提供する点にある。

〔問題を解決するための手段〕

本発明のし尿処理方法の特徴手段は、スクリーンによる
ろ過によってし渣を分離すると共に、前記スクリーンを
通ったろ液から遠心脱水機によって更にし渣を分離し、
活性汚泥を分離するのに、限外ろ過器からの分離汚泥の
一部を含水率70％以下に脱水して回収し、色度成分とCO
D性汚濁物質並びにリン酸を除去するのに、逆浸透膜か
らの濃縮液をし尿投入量の５％以下に調整し、その濃縮
液を前記し渣と回収汚泥に混入して焼却処理することに
あり、その作用効果は、次のとおりである。

〔作用〕

つまり、スクリーンにより大きなし渣（ビニールかす
等）を除去し、遠心脱水機により、さらに小さなし渣
（トイレットペーパー等に起因する繊維分からなる）を
除去することにより、し渣の回収率は従来よりも上が
り、活性汚泥は限外ろ過器によってほとんど分離できる
と共に、色度成分とCOD性汚濁物質並びにリン酸は、逆
浸透膜によって簡単に除去して良質の処理水を得ること
ができ、しかも、逆浸透膜は、従来の活性炭やリン酸イ
オン吸収剤のように、再生処理を必要としないために、
連続的に使用できる。

その上、し渣の回収率を上げた結果、回収された小さな
し渣の燃焼時の発熱量は大きく、し渣全体の燃焼発熱量
を大きくできるとともに、限外ろ過器からの分離汚泥の
一部を、含水率70％以下にした回収汚泥は、燃焼時の水
分蒸発の潜熱量を抑えることにより、発熱量を大きくで
きた結果、それらに、逆浸透膜からの濃縮液をし尿投入
量の５％以下に調整して混入しても、燃料を加えなくと
も、焼却できる。

〔発明の効果〕

従って、活性汚泥、色度成分、COD性汚濁物質、並び
に、リン酸を除去する処理性能を高く維持するための管
理が行いやすくなり、しかも、全体としての設備が小型
にでき、その上、限外ろ過器によって活性汚泥をほとん
ど除去した後の処理水を、逆浸透膜装置に供給するため
に、逆浸透膜の分離性能を高く維持できるようになっ
た。

そして、更には、良品質の処理水を得るためにし尿から
夫々分離した除去物質を、補助の燃料を使用することな
く焼却処理できるので、省力化を向上させることができ
ると共に、特に水分の多い逆浸透膜からの濃縮液の処分
を、特別に大きな装置を設けることなく、特に人手も要
せず、通常の焼却炉でそのまま処理でき、全体として経
済的に有利になった。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。

第１図に、し尿処理のプロセスを示すと、し尿を、スク
リーン（1A）を設けたろ過器（１）と遠心脱水機（２）
から成るし渣分離装置（３）に供給して、スクリーン
（1A）によるろ過と、スクリーン（1A）を通つたろ液
を、遠心脱水機（２）による脱水によつて、し尿からし
渣を分離し、し渣分離後の処理水を、生物処理槽（４）
で活性汚泥により生物処理し、生物処理後の処理水から
活性汚泥を限外ろ過器（５）により分離し、分離した活
性汚泥の一部は、余剰汚泥として引抜いて、フイルター
プレスを行う高性能の脱水装置（６）によつて含水率70
％以下に脱水して回収し、残部は、再び生物処理槽
（４）に返送する。

尚、生物処理槽（４）からの処理水は、ポンプ(P₁)によ
つて限外ろ過器（５）に、加圧供給される。

そして、汚泥分離後の処理水は、ポンプ(P₂)によつて逆
浸透膜装置（７）に加圧して供給し、そこで、色度成分
の他、フミン酸、フルボ酸等の有機酸から成るCOD性汚
濁物質、並びに、リン酸(H₃PO₄)を、逆浸透膜（RO）に
よつて除去すると同時に、上記濃縮液量をし尿投入量の
５％以下に調整する。

尚、逆浸透膜（RO）では、色度成分、COD性汚濁物質、
並びに、リン酸(H₃PO₄)等の他、塩分（NaCl）も除去さ
れる。

そして、逆浸透膜（RO）からの濃縮液は、前記し渣と回
収汚泥に混入して焼却処理し、この時、燃焼させるため
に、初期昇温時にのみ燃料を使用する以外は、自燃す
る。

つまり、し渣及び回収汚泥の発熱量を計算すると、例え
ば、投入し尿を1kl/日とすると、次の表から、し尿1Kl当りの発熱量は、 10×4,200＋５×3,200＝58,000Kcal/Kl となる。

水1gを蒸発させるには800calが必要なために、上記発熱
量によつて 58,000Kcal÷800Kcal/Kg＝72.5l の水分が蒸発可能となる。

次に、し渣の水分量は、で、回収汚泥の水分量は、となり、72.5l−（18.6＋10.6）＝43.3lの水分が、し渣
と回収汚泥の燃焼エネルギーによつて蒸発可能となり、
従つて、し尿投入量の５％以下に調整される逆浸透膜
（RO）からの濃縮液を、燃焼によつて燃料を使用せず
に、処理できる。

図中（８）は、循環路であり、濃縮液の大部分は再びポ
ンプ(P₂)を通つて逆浸透膜装置（７）に返送される。

前記プロセス途中の処理水は、次の表に示されるよう
に、その各処理過程での質を明確にするものである。

〔別実施例〕前記逆浸透膜装置（７）からの濃縮液をし尿投入量の５
％以下に調整するのに、膜の種類を選定したり、ポンプ
(P₂)の加圧力を調整したり、濃縮液を減圧濃縮機によつ
て、水分除去による減量を行つたりしても良い。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為
に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造
に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るし尿処理方法の実施例を示し、第１
図は、本発明のし尿処理方法のプロセスを示す概略図、
第２図は、従来例のし尿処理方法のプロセスを示す概略
図である。（1A）……スクリーン、（２）……遠心脱水機、（５）
……限外ろ過器、（RO）……逆浸透膜。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０２Ｆ 9/00 Ｆ 7446−4ＤＤ 7446−4Ｄ５０３Ｄ 7446−4Ｄ５０４Ａ 7446−4ＤＤ 7446−4Ｄ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】し尿からし渣を分離し、し渣分離後の処理
水を活性汚泥により生物処理し、生物処理後の処理水か
ら限外ろ過器（５）により活性汚泥を分離し、汚泥分離
後の処理水から逆浸透膜（RO）により色度成分とCOD性
汚濁物質並びにリン酸を除去するし尿処理方法であっ
て、スクリーン（1A）によるろ過によって前記し渣を分離す
ると共に、前記スクリーン（1A）を通ったろ液から遠心
脱水機（２）によって更にし渣を分離し、前記活性汚泥
を分離するのに、分離汚泥の一部を含水率70％以下に脱
水して回収し、前記色度成分とCOD性汚濁物質並びにリ
ン酸を除去するのに、前記逆浸透膜（RO）からの濃縮液
をし尿投入量の５％以下に調整し、その濃縮液を前記し
渣と回収汚泥に混入して焼却処理するし尿処理方法。