JPH0724576A - ガスシールドメタルアーク溶接方法 - Google Patents
ガスシールドメタルアーク溶接方法Info
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- JPH0724576A JPH0724576A JP19395893A JP19395893A JPH0724576A JP H0724576 A JPH0724576 A JP H0724576A JP 19395893 A JP19395893 A JP 19395893A JP 19395893 A JP19395893 A JP 19395893A JP H0724576 A JPH0724576 A JP H0724576A
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Abstract
接において、溶接のままで溶接部の疲労強度を高める。 【構成】 シールドガスとして5〜30体積%のO2 ガ
スを含む混合ガスを使用する。溶接金属の表面張力が低
下し、ビード止端部の開き角度θおよび曲率半径ρが大
きくなる。
Description
肉溶接部の疲労強度の向上に有効なガスシールドメタル
アーク溶接方法に関する。
には、生産性の高さからガスシールドメタルアーク溶接
方法が多用されている。このような溶接構造物では、信
頼性の確保のため、高い疲労強度が要求される。しか
し、アーク溶接部、特に隅肉溶接部は、力学的に見ると
形状不連続部であるため、そのビード止端部に大きな応
力集中が起こり、その部分を起点として溶接部に疲労破
壊が発生し易い。
は、平滑材に比べて疲労強度が著しく低いという問題点
を有していた。
ード止端部への応力集中は、図1にθで示す止端部の開
き角度が大きいほど、またρで示す曲率半径が大きいほ
ど少なくなることが知られている。
上させる方法として溶接後にビード止端部をクラインダ
ーで研削加工する方法や、TIG溶接でビード止端部を
再溶融して整形する方法が通常使用されている。また、
特開平4−361876号公報には、特定成分の複合ワ
イヤを使用する方法が開示されている。
に研削や溶接でビード止端部を整形する方法は、作業工
程の増加を伴うため、生産性が重要視される自動車製造
分野等には適用し難い。
法では、溶接後の整形工程は不要となる。しかし、スラ
グの発生し易いフラックスを多く使用するため、スラグ
除去工程が必要になり、能率面での効果はそれほど期待
できない。
る方法としては、ソリッドワイヤやメタル系クラックス
入り複合ワイヤのようにスラグの発生が少ないワイヤを
使用し、その溶接のままでビード止端部への応力集中が
緩和されるガスシールドメタルアーク溶接法が求められ
る。
高い疲労強度を確保できる生産性の良好なガスシールド
メタルアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上昇させるためには、前述したように、ビード止端部へ
の応力集中を緩和する必要がある。すなわち、ビード止
端部の開き角度θおよび曲率半径ρを大きくする必要が
ある。ビード止端部の開き角度θを大きくするために
は、盛り上がりの小さいフラットな溶接ビードを形成す
ることが有効であり、一方、曲率半径ρを大きくするた
めには、ビード止端部での濡れ性を向上させる必要があ
る。
ード止端部での濡れ性改善にも、溶接金属の表面張力の
低下が有効であるとの考えに立ち、数々の検討を行った
結果、シールドガス中に比較的多量のO2 を混合するこ
とが有効であるとの知見を得た。
のビード止端部の開き角度θおよび曲率半径ρに及ぼす
シールドガス中のO2 濃度の影響を示す。このときの溶
接条件は、母材:HT60、板厚:2.3mm、ワイヤ:
YGW−12(直径1.2mm)、溶接電源:インバータ
制御電源、溶接電流:200A、溶接速度:100cm
/min 、アーク電圧:25Vとした。
2 +O2 系の2種類の混合ガスを用いたが、いずれの系
統のシールドガスを用いた場合も、O2 濃度が5〜30
容積%の範囲で、Ar+20%CO2 ガスを用いたマグ
溶接およびCO2 溶接よりも、ビード止端部の開き角度
θおよび曲率半径ρが大きくなっている。また、ここで
使用したワイヤは、スラグの発生が少ないソリッドワイ
ヤであり、O2 濃度が5〜30容積%の範囲内では、溶
接後にスラグを除去する工程を必要としなかった。
で、ガスシールドメタルアーク溶接において、そのシー
ルドガスとして、O2 ガスを5〜30体積%を含み、残
部が実質的にArガスおよびCO2 ガスの1種または2
種からなる混合ガスを使用することを特徴とするガスシ
ールドメタルアーク溶接方法を要旨とする。
を明らかにする。
面張力が低下することにより、隅肉溶接部のビード止端
部での開き角度θおよび曲率半径ρが大きくなり、応力
集中が低減されて疲労強度が向上する。しかし、O2 濃
度が5%未満では充分な効果が得られない。また、30
%を超えると、スラグ生成の少ないソリッドワイヤを使
用しても溶接条件によってはビード表面に多量のスラグ
が生成し、そのスラグが溶接金属の流動性を阻害するこ
とにより、開き角度θおよび曲率半径ρのいずれも小さ
くなる。従って、シールドガス中のO2 濃度を5〜30
%とした。
あるSi,Mnを脱酸反応により消耗させる懸念がある
ので、ビード止端部の総合的な機械的性質を考えると、
20%以下に制限することが望ましい。
発生や溶接金属中への溶解による靱性低下を招く懸念の
あることが指摘されているが、これらについては何も問
題のないことを本発明者らは確認している。
は、アークの安定性向上を目的として若干量のO2 ガス
を添加したシールドガスが使用されることはあった。ま
た、亜鉛めっき鋼板の溶接では、この種のシールドガス
がスパッタの抑制に有効とされている。しかし、5〜3
0%という多量のO2 ガスを含むシールドガスが、ビー
ド形状の改善を目的として使用された例は、本発明者ら
の知る限り存在しない。
CO2 ガスのいずれでもよく、また、その混合でもよ
い。すなわち、本発明ではAr+O2 系、CO2 +O2
系、Ar+CO2 +O2 系の3系統のシールドガスが使
用可能である。ただし、本発明者らの調査により、直流
電流を用いるマグ溶接においては、混合ガス中のCO2
ガスの濃度が高い場合にスパッタが多く発生する事実が
判明したので、CO2 ガス濃度を20%以下にすること
がスパッタ発生を抑える観点からは望ましい。また、そ
のようなシールドガスを用いる場合に、さらに耐スパッ
タ性を重視する場合は溶接法としてパルス電流を用いる
パルスマグ溶接法が有効である。
は、130°以上、曲率半径ρは0.7mm以上にでき
る。
ても本発明の効果は得られる。
接方向に対してトーチを後傾させて前進角αにて溶接を
行うものや、母材を傾けて下り坂溶接を行うものが、溶
接金属の後方への流れを低減し、ビードのフラット化を
促進するため、ビード形状改善に有効であることが経験
的に知られていたが、本発明でもこれらの姿勢調整は有
効で、ビード形状を更に改善する。なお、溶接姿勢は生
産設備や母材の形状による制約を受けるが、ビード形状
改善の点からは前進角αおよび下り坂溶接角βは大きけ
れば大きいほど望ましい。
ち、炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼等、ガスシールドメタ
ルアーク溶接法にて施工される母材であれば材質形状を
問わない。
の標準条件で水平重ね隅肉溶接し、図4に示す溶接継手
を機械加工により採取した。この試験片のビード止端部
の形状を調査すると共に、下記の条件で片振り引張疲労
試験を実施した。
00A、パルス幅1.5msec) アーク電圧:25V ワイヤ:YGW−12(直径1.2mm) シールドガス:別表(流量20リットル/min )
は中央) 試験機:電気式油圧サーボ疲労試験機 試験応力:軸力荷重制御片振り正弦波(最小応力0.1k
gf/mm2 一定) 繰り返し速度:30Hz 評価法:破断繰り返し数が1×107 となる応力が6.5
kgf/mm2 未満を×、6.5kgf/mm2 以上を○
含まず、また含んでもその濃度が5%未満の比較例であ
る。ビード止端部の開き角度θは、前進角αを設けない
下向き溶接の場合は最大で120°であり、前進角αを
設けても140°である。また、曲率半径ρは前進角α
の有無にかかわらず0.5mm以下である。その結果、ビ
ード止端部の疲労限界はいずれも6.5kgf/mm2 未
満となった。
のO2 ガスを含むシールドガスを使用した本発明例であ
る。
使用したパルスマグ溶接の場合である。止端部の開き角
度θは前進角αを設けない場合でも140°以上であ
り、前進角αを設けると165°に達する。また、曲率
半径ρは、前進角αを設けない場合は0.7〜0.9mm、
前進角αを設けると1.2mmになる。その結果、疲労限
界はいずれも6.5kgf/mm2 以上となる。
ス無し溶接の場合である。No. 5〜8,13のパルスマ
グ溶接に比べるとビード形状が若干悪化するが、それで
も疲労限界は6.5kgf/mm2 以上である。
濃度が30%を超えた比較例である。ビード形状が悪化
し、疲労強度は6.5kgf/mm2 未満となる。
てビード形状を改善するものであり、Ar+O2 系、A
r+CO2 +O2 系では、パルスマグおよびマグ溶接い
ずれにおいてもビード形状改善の効果が得られる。本実
施例では、スパッタ発生をも抑えられる目的で、Ar+
O2 系、Ar+CO2 +O2 系においてはパルスマグ溶
接を行った。また、マグ溶接でもCO2 +O2 系のシー
ルドガスを使用した例は、Arに比べて安価なCO2 ガ
スを用いた場合にもO2 の添加が有効であることを示し
たものである。
いソリッドワイヤを使用して、ビード止端部に優れた形
状を与え、溶接後にビード整形工程もスラグ除去工程も
必要としなかった。
ルドメタルアーク溶接方法は、5〜30%のO2 ガスを
含むシールドガスの使用により、ビード止端部の開き角
度および曲率半径を大きくし、ビード止端部の疲労強度
を向上させる。シールドガスにより疲労強度の向上を図
るので、溶接後にビード整形工程を必要としないだけで
なく、スラグ除去工程も必要としない。従って、生産性
の低下がなく、自動車製造のような生産性が重視される
用途にも適用できる。
図である。
状に及ぼす影響を示すグラフである。
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガスシールドメタルアーク溶接におい
て、そのシールドガスとして、O2 ガスを5〜30体積
%を含み、残部が実質的にArガスおよびCO2 ガスの
1種または2種からなる混合ガスを使用することを特徴
とするガスシールドメタルアーク溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19395893A JPH0724576A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ガスシールドメタルアーク溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19395893A JPH0724576A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ガスシールドメタルアーク溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0724576A true JPH0724576A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=16316595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19395893A Pending JPH0724576A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | ガスシールドメタルアーク溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0724576A (ja) |
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-
1993
- 1993-07-09 JP JP19395893A patent/JPH0724576A/ja active Pending
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