JPH1128594A - P添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤおよびmag溶接方法 - Google Patents
P添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤおよびmag溶接方法Info
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Abstract
防止し、良好な溶接金属が得られ、さらには高速溶接に
おいても耐ギャップ性を確保するガスシールドアーク溶
接用ワイヤ及び溶接方法を提供するものである。 【解決手段】 重量%でC;0.04〜0.16%、S
i;0.5〜1.2%、Mn;1.0〜2.0%、P;
0.015%以下、S;0.005%以下、O;0.0
05〜0.03%であってLa、Ce、Zr、Tiのう
ち一種または二種以上の合計で0.005〜0.2%を
含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを
特徴とするP添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイ
ヤおよびこのワイヤを使用し、シールドガスとしてAr
ガスにCO2ガスを混合、さらには必要に応じO2ガスの
混合ガスを用いてP添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶
接ワイヤを使用することを特徴とするMAG溶接方法に
ある。
Description
〜0.15%のPを含むP添加薄板鋼のガスシールドア
ーク溶接において、溶接金属の凝固時に発生しやすい溶
接割れを防止すると共に、耐ギャップ性に優れた溶接金
属が得られるガスシールドアーク溶接ワイヤおよびP添
加薄板鋼のMAG溶接方法に関するものである。
電気部品等において、鋼部材の錆びやすい欠点を補う手
段として冷延または熱延鋼板表面に亜鉛系塗料塗布や亜
鉛めっきなどの防錆処理を施した表面処理鋼板を多用し
ている。更には耐腐食性を向上させる目的でめっきの厚
さを増大すること、各種のめっき組成を工夫した表面処
理鋼板の開発が進められている。
な溶接時に亜鉛蒸気に起因する気孔欠陥が発生し難く、
亜鉛めっき鋼板よりさらに耐腐食性に優れた高P鋼材が
開発され実用化されつつある。
15%およびCuを添加したSi−Mn系極低炭素鋼で
あり、普通鋼に比べて耐腐食性に優れる上、亜鉛めっき
鋼板のように溶接時に亜鉛蒸気に起因する気孔欠陥が発
生し難いため、従来使用されていた亜鉛めっき鋼板に替
わって、自動車、機械、電気部品等の溶接構造用に使用
されている。
場合には、溶接金属中のPと他の溶接金属成分との低融
点合金が形成され、高温割れが発生し易く、健全な溶接
部が得られない場合があった。
溶接ロボットによるガスシールドア−ク溶接による溶接
方法が多く採用されている。
管などの薄板鋼材用にはAr−CO2ガスによるガスシ
ールドアーク溶接が能率性、低スパッタ性および耐溶け
落ち性に優れ、高品質な溶接を安定して行えるため、S
i−Mn系を中心とした各種のワイヤおよび溶接方法が
提案され、実用化されている。
対策のため溶接電流は低めに設定し、溶接の生産性向上
を目的に溶接速度も1m/min程度以上の高速で溶接
される場合が多く、部材の間隙に対する溶接条件範囲が
狭くなり、耐ギャップ性も同時に満足し安定した溶接を
行うことも要求されている。
てより顕在化する傾向にあり、これら問題点の解決が強
く望まれている。
るPと他の溶接金属成分との低融点合金成分が形成さ
れ、高温割れが発生し、健全な溶接部が得られない場合
があった。
ドアーク溶接をした場合は厚板に比較して単位厚さ当た
りの溶接入熱が大きく、溶接部の変形量も大きくなるた
め高温割れの発生も多くなっていた。
溶接の生産性向上を目的に、溶接ロボットによる自動化
が多用され、溶接速度も1m/min以上の高速とする
場合が多く、被溶接部材の溶接線の間隙(ギャップ)に
対する溶接条件範囲が狭くなり、間隙の大きい部材では
良好な溶接金属が安定して形成することが難しくなり、
耐ギャップ性も同時に満足すことも要求されている。
対策のため溶接電流は低めに設定する必要があり、適正
な溶接条件範囲はさらに厳しくなっていることが現状で
あり、耐ギャップ性確保の面でも困難となっている。
解決するためになされたもので、P添加薄鋼板の溶接時
に発生する高温割れの問題点を解決し、良好な溶接金属
が得られ、さらには高速溶接においても耐ギャップ性を
確保するガスシールドアーク溶接用ワイヤ及び溶接方法
を提供するものである。
でC;0.04〜0.16%、Si;0.5〜1.2
%、Mn;1.0〜2.0%、P;0.015%以下、
S;0.005%以下、O;0.005〜0.03%で
あってLa、Ce、Zr、Tiのうち一種または二種以
上の合計で0.005〜0.2%を含有し、残部がFe
および不可避不純物からなることを特徴とするP添加薄
板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤおよびこのワイヤ
を使用し、シールドガスとしてArガスにCO2ガスを
混合、さらには必要に応じO2ガスの混合ガスを用いて
P添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤを使用す
ることを特徴とするMAG溶接方法にある。
溶接では既述の如く、特に耐腐食性向上のためPを高め
た添加鋼板のような溶接では、低融点不純物であるSの
影響も高温割れの発生に対する影響も大きくなることか
らワイヤのS量を低めにすることと、硫化物生成元素で
あるLa、Ce、Zr、TiによりSを固定し、高温割
れの発生を抑制することが有効と考えた。また、このよ
うな薄鋼板の高速溶接においても耐ギャップ性を確保す
るためには脱酸性元素であるSiがビード幅を増減して
いることがあり、この観点からワイヤ組成について検討
を行い本発明の構成を確実にするに至った。
いて述べる。
が、P添加薄鋼板の溶接時には、溶接金属の高温割れに
大きく影響する。Cを0.16%を超えて添加すると凝
固時の初晶がオーステナイト(γ)相となり高温割れが
発生し易くなる。また、Cの含有量を低く抑えるとアー
ク溶接時の溶融金属の短絡移行性が低下傾向を示し、ア
ーク状態が不安定になり易く、安定した良好なアーク状
態を確保するためには、その添加量が0.04%以上必
要である。
を誘起する元素でもあり少ない方が良いが0.5%未満
では耐ギャップ性が確保できないため下限を0.5%と
した。また、1.2%超では耐割れ性が劣化するため
0.5〜1.2%とした。
が、ガスシールドアーク溶接においては1.0%未満で
は脱酸不足となり健全な溶接ビードを形成することがで
きないことと、溶接割れ誘起元素であるSともMnSの
化合物を生成し耐割れ性を改善する効果があり、1.0
%以上でその効果が得られる。また、2.0%超では溶
接金属の強度が高まり耐割れ性が劣ることと、スラグ量
の増加などで作業性の劣化となる。さらに、ワイヤに加
工する段階で強度が高まるため、伸線性が劣化すること
から上限は2.0%とした。
明のように耐腐食性向上のためにPを多く含む鋼板で
は、溶接ワイヤのPの量は低減し溶接金属中のPの量を
考慮する必要がある。Pは融点の低いFe3Pなどの化
合物を形成し、耐割れ性を劣化させるため、特にSi、
Mnを多く添加する本発明のワイヤにおいては出来る限
り抑制することが好ましく、0.015%以下であれば
目的を達する。
成し偏析すると、溶接金属凝固段階で割れを誘起するこ
とになる。また、耐食性を向上させるためにPを多く添
加している鋼板においては、溶接金属の割れ性が顕著と
なることから、特に低く抑える得る必要がありその添加
量は0.005%以下とする。
であり、La2S3、CeS、ZrS、TiSなどの硫化
物を形成する。これらの硫化物は安定で凝固点がFeよ
りも高くSの除去或いは固定でき、Sによる割れを軽減
する元素であり、La、Ce、Zr、Tiは一種または
二種以上の合計では0.005%以上でその効果はある
が、0.2%超では溶接時の短絡移行特性が劣りアーク
が不安定となり良好なビード形成ができないので0.0
05〜0.2%とする。
少させ、ビードを平滑にしビード幅を確保する効果があ
り0.005%以上必要であるが、反面過剰に含まれる
と溶滴短絡時間が長くなりアークを不安定にさせスパッ
タが多発することやビード表面のスラグ生成量が増加す
るため上限を0.03%とした。
ように構成された成分のワイヤを用いて、アーク溶接に
使用するシールドガスはArガスにCO2ガスを混合す
ることにより、高速溶接に於いても安定したアーク状態
と低スパッタの溶接が可能となり、CO2ガスの範囲は
好ましくは5〜40Vol%である。さらにはO2ガス
の混合ガスを用いることによって、溶込み深さとビード
幅が確保できる。このO2ガスの好ましい範囲は7Vo
l%以下である。
アーク溶接しても、溶接割れ特に高温割れが非常に少な
く、被溶接部材溶接線の間隙(ギャップ)に対しても安
定した溶接が可能となり、ビード外観の優れた溶接金属
が得られるので、溶接部は構造物用として十分満足する
ものである。
的に説明する。
t、幅40mm、長さ330mmに表1に示す化学成分
のワイヤ(直径1.2mm)を用いて、表4に示す試験
方法により試験ビードを図1の余盛有りの如くビードオ
ンプレート溶接した後、このビードの余盛を削除しバレ
ストレイン溶接割れ試験片を作製した。
方法でTIG溶接によるバレストレイン溶接割れ試験を
行った。尚、図2の1は余盛を削除したP添加の鋼板、
2はダイブロックであり曲げ半径は62.5mmであり
歪み量は1.84%、3は試験片押さえ治具、6はラム
降下位置であり降下速度は500mm/secとし、4
はTIG試験開始位置を示し、5はTIG溶接終了の位
置である。試験方法は表4によりビード縦曲げ試験であ
るバレストレイン試験を行い、溶接割れ試験後、図3に
示すようなビード表面に発生した溶接割れ長さの合計を
500倍までの高倍率の顕微鏡で測定し評価し、その割
れ長さの合計の結果を表1に示した。図3の1はP添加
鋼板、7は試験ビード、8はTIG溶接ビード、9はそ
のTIG溶接のクレータ部を示し、10はバレストレイ
ン溶接割れ試験によって割れた溶接割れを示している。
き鋼板を用い、図4の継手形状として下向突き合わせ継
手としギャップを0mmから4mmとして溶接金属が橋
絡できた間隙を溶接可能ギャップとしその幅を測定し、
表1に併せて結果を示した。さらに、表2に示すシール
ドガス組成によるガスシールドアーク溶接時の、溶接割
れ特性、間隙(ギャップ)に対する溶接可能ギャップお
よび安定した溶接と良好な溶接ビードが得られるかの確
認をした。
明ワイヤで、Cが0.04〜0.16%、Siが0.5
〜1.2%、Mnが1.0〜2.0%、Pは0.015
%以下、Sが0.005%以下、Oが0.005〜0.
03%でありLa、Ce、Zr、Tiのうち一種または
二種以上の合計で0.005〜0.2%の範囲にある。
また、No.11〜16は比較ワイヤを示している。
れの発生は無く、耐ギャップ性、ビード外観も良好であ
る健全な溶接金属が得られている。
であるNo.11、は高温割れが多発し、No.12も
C量が本発明の範囲を超えているため割れ発生が多くな
っている。
3およびNo.14はビード幅の確保が少ないために耐
ギャップ性が劣っている。さらに、No.14はC量お
よびSi量が少ないためにアーク状態は不安定になるこ
とと耐ギャップ性が確保できない。No.15は耐割れ
性を改善するために添加しているLa、Ce、Zr、T
iが過剰であるために、スラグ生成量の増加や短絡移行
特性の劣化となり溶接性が大幅に劣る傾向であった。
o.16もスラグ生成量の増加や短絡移行特性の劣化と
なり溶接性が不良となり、さらにはビードに割れが生じ
ビード外観が劣った。
7〜No.22では高温割れは無く、溶接可能ギャップ
およびビード外観も良好な結果が得られるが、比較例の
No.23〜No.26は高速溶接性の確保が難しく溶
接性が劣る傾向を示した。また、シールドガス組成のC
O2或いはO2ガスが多い溶接金属では、高温割れを評価
するバレストレイン試験に於いて、耐割れ性も劣化し割
れが発生した。
ドガスによりP添加鋼板の鋼材を、MAG溶接しても溶
接割れがなく、耐ギャップ性、ビード外観の良好である
健全な溶接金属部が得られることが明らかである。
ドガスにより、耐腐食性を目的にPを高めて添加した鋼
板などの鋼材をMAG溶接をしても、溶接割れ特に高温
割れの発生が無く、耐ギャップ性に優れビード外観の良
好な健全な溶接金属部が得られる。
を示す図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で C ;0.04〜0.16%、 Si;0.5〜1.2%、 Mn;1.0〜2.0%、 P ;0.015%以下、 S ;0.005%以下、 O ;0.005〜0.03%であって La、Ce、Zr、Tiのうち一種または二種以上の合
計で0.005〜0.2%を含有し、残部がFeおよび
不可避不純物からなることを特徴とするP添加薄板鋼用
ガスシールドアーク溶接ワイヤ。 - 【請求項2】 シールドガスとしてArガスにCO2ガ
スを混合し、さらには必要に応じO2ガスを混合したシ
ールドガスを用い、請求項1のP添加薄板鋼用ガスシー
ルドアーク溶接ワイヤを使用することを特徴とするMA
G溶接方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19797997A JP3433891B2 (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | P添加薄板鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤおよびmag溶接方法 |
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