JPH07244319A - 駆動力伝達機構 - Google Patents

駆動力伝達機構

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JPH07244319A
JPH07244319A JP6033816A JP3381694A JPH07244319A JP H07244319 A JPH07244319 A JP H07244319A JP 6033816 A JP6033816 A JP 6033816A JP 3381694 A JP3381694 A JP 3381694A JP H07244319 A JPH07244319 A JP H07244319A
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gear
planetary gear
driven
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gears
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Yoshiyuki Kitahara
義之 北原
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、簡単な構造で部品数を減らすこと
によって、低コスト化および小型化された駆動力伝達機
構を提供する。 【構成】 モータ1により正逆回転される太陽ギアー4
と、これに噛合する第1遊星ギアー5と、これに噛合す
る第2遊星ギアー6と、太陽ギアーと第1遊星ギアーと
の回転中心および第1遊星ギアーと第2遊星ギアーとの
回転中心をそれぞれ回動可能に連結するアーム10A,
10Bと、第1遊星ギアーの公転軌跡上に配置され該第
1遊星ギアーが公転することで噛合し駆動される撮影光
学系駆動ギアー7および巻上げギアー8と、第1遊星ギ
アーと撮影光学系駆動ギアーが噛合していない状態で該
第1遊星ギアーの一方向の公転を係止することで第2遊
星ギアーを該第1遊星ギアー周りに公転させる係止レバ
ー12と、第2遊星ギアーの公転軌跡上に配置され該第
2遊星ギアーが公転することで噛合し駆動される巻戻し
ギアーとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、駆動力伝達機構、詳
しくは1つのモータ出力を遊星歯車機構を用いて三系統
の駆動系に切り換えを行って、各駆動系の動作機構に伝
達するようにした駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、35mm幅のロールフィルムを使
用するカメラ等においては、写真撮影を行なう際の自動
化が進んでいる。例えば、フィルムの巻上げ、巻戻しを
自動的に行うための自動給送駆動やオートフォーカスの
ために行われる撮影光学系の繰り出し、繰り込み駆動等
の各種の自動化と共に、カメラ本体の小型化も進んでお
り、このような自動化と小型化の両立は、カメラの設計
上の必須要件となっている。そこで、このような自動化
のためにカメラ本体に内蔵される1つのモータを、複数
の作動機構の駆動源として使用することは、従来よりご
く当然に行われている。そのために、各被駆動機構に対
して駆動用モータからの出力の伝達を適宜切り換えて、
それぞれの被駆動機構に伝達する駆動力伝達機構が必要
となる。このような駆動力伝達機構には、例えば、特開
昭58−42035号公報に開示されている機構があ
る。これは、1つの電磁石を用いて切換用ギアーを移動
させることで、駆動力伝達の切り換えを行うようにし、
1つの駆動用モータからの駆動力を複数の被駆動機構へ
伝達するようにしたものである。
【0003】また、先に特願平4−272478号によ
って本出願人が提案している機構は、1つのアクチュエ
ータと2つの遊星歯車を使用して駆動力伝達の切り換え
を行うようにしたものである。この機構は、フィルムの
巻上げおよび巻戻しのために、それぞれ2つの太陽ギア
ー、キャリア、遊星ギアー等からなる2つの遊星歯車機
構を有しており、上記2つの太陽ギアーの回転中心をカ
メラ本体に固定させて各部材を配設したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
58−42035号公報に開示されている手段によれ
ば、駆動力伝達を切り換えるための機構が複雑となり、
部品点数も多くなってしまうので、カメラ本体内におい
て駆動力伝達機構のための広いスペースが必要となって
しまい、カメラの小型化には不利となってしまうという
問題点がある。
【0005】また、特願平4−272478号の提案に
よれば、2つの遊星歯車機構を使用しているので、駆動
力伝達を切り換えるために4つの歯車、即ち、それぞれ
2つの太陽ギアーおよび遊星ギアーを使用することとな
るので、部品数が多くなり、また広いスペースも必要と
なるという問題点がある。さらに、2つの太陽ギアーの
配設位置をカメラ本体内に固定して、他のギアー類の配
置および設計を行わなければならず、この機構をカメラ
の駆動力伝達機構として適用する場合には、設計段階に
おける部品の配置および設計について、かなりの制限が
ある。
【0006】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
し、1つの駆動用モータの出力を複数の被駆動機構に伝
達する駆動力伝達機構において、より簡単な構造として
部品数を減らすことにより、該伝達機構自体がカメラ内
に占有するスペースを抑え、さらに、設計的な自由度を
増すことによって、低コスト化および小型化された駆動
力伝達機構を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による駆動力伝達
機構は、隣接するものどうしで互いに噛合している3個
以上の歯車と、上記3個以上の歯車の、隣接する2つの
歯車の回転中心を回転自在に連結する複数の連結部材
と、上記複数の連結部材により連結されている2つの歯
車のうちの少なくとも一方の歯車とこれを軸支する連結
部材との間に介在される摩擦部材とを具備しており、上
記複数の連結部材に連結された2つの歯車のうちの一方
の歯車を回転させた際に、他方の歯車が該一方の歯車周
りに公転されることを特徴とし、また、駆動源により正
逆回転される第1歯車と、この第1歯車に噛合する第2
歯車と、この第2歯車に噛合する第3歯車と、上記第1
歯車と第2歯車との回転中心をそれぞれ回動可能に連結
する第1連結部材と、上記第2歯車と第3歯車との回転
中心をそれぞれ回動可能に連結する第2連結部材と、上
記第1歯車の一方向回転により行われる上記第2歯車の
一方向の公転軌跡上に配置され、該第2歯車が公転する
ことにより噛合して該第2歯車を介して駆動される第1
被駆動歯車と、上記第1歯車の他方向回転により行われ
る上記第2歯車の他方向の公転軌跡上に配置され、該第
2歯車が公転することにより噛合して該第2歯車を介し
て駆動される第2被駆動歯車と、上記第2歯車が上記第
1被駆動歯車と噛合していない状態において該第2歯車
の一方向の公転を係止することにより、上記第3歯車を
該第2歯車周りに公転させる係止手段と、上記第3歯車
の上記第2歯車周りの公転軌跡上に配置され、該第3歯
車が公転することにより噛合して該第3歯車を介して駆
動される第3被駆動歯車とを具備することを特徴とす
る。
【0008】そして、上記係止手段は、上記第2歯車が
上記第1被駆動歯車と噛合している状態において該第2
歯車の他方向の公転を係止することにより、上記第1被
駆動歯車の回転駆動方向を選択することを特徴とする。
【0009】
【作用】駆動源であるモータ1を回転駆動させ、第1歯
車である太陽ギアーの一方向の回転により行われる第2
歯車である第1遊星ギアーの一方向の公転によって、該
第1遊星ギアーと第1被駆動歯車である撮影光学系駆動
ギアーとが噛合することにより、該撮影光学系駆動ギア
ーを駆動して撮影光学系の繰り出し駆動が行われ、ま
た、太陽ギアーの他方向の回転により行われる第1遊星
ギアーの他方向の公転によって、該第1遊星ギアーと第
2被駆動歯車である巻上げギアーとが噛合することによ
り、該巻上げギアーを駆動してフィルム巻上げ機構へ駆
動力を伝達ししてフィルムの巻上げが行われる。
【0010】さらに、上記第1遊星ギアーが撮影光学系
駆動ギアーと噛合していない状態において該第1遊星ギ
アーの一方向の公転を係止手段である係止レバーによっ
て係止することにより、第2遊星ギアーを第1遊星ギア
ー周りに公転させることによって、第2遊星ギアーと第
3被駆動歯車である巻戻しギアーとが噛合することによ
り、該巻戻しギアーを駆動してフィルム巻戻し機構へ駆
動力を伝達してフィルムの巻戻しが行われる。
【0011】そして、係止手段である係止レバーは、上
記第1遊星ギアーが撮影光学系駆動ギアーと噛合してい
る状態において、該第1遊星ギアーの他方向の公転を係
止することで、撮影光学系駆動ギアーの回転駆動方向を
選択、即ち、撮影光学系の繰り出しまたは繰り込み駆動
の選択が行われる。
【0012】
【実施例】以下、図示の実施例によって本発明を説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示す駆動力伝達機構の
要部斜視図である。この一実施例の駆動力伝達機構は、
駆動源であるモータの駆動出力をギアーケース内で減速
し、その減速された駆動力をモータの正逆回転方向を切
り換えることで、隣接するものどうしで互いに噛合して
いる3つの歯車からなる遊星歯車機構によって、3系統
の被駆動機構のいずれか1つに伝達するようにしたもの
である。なお、以下の実施例は、本発明による駆動力伝
達機構をカメラに適用した場合について説明する。
【0013】図1に示すように、カメラ本体(図示せ
ず)に、例えば円筒状に形成されたギアーケース2が固
定されて設けられている。このギアーケース2内には、
正逆回転自在に軸支された回転軸を有する駆動源である
モータ1が収納されている。また、上記ギアーケース2
の内部には複数の歯車(図示せず)が配置されていて、
上記モータ1の回転駆動力を減速するようになってい
る。そして、このギアーケース2内の上記複数の歯車か
ら伝達される減速されたモータ1の回転駆動力は、該ギ
アーケース2の外側の一端部に、上記モータ1の回転軸
と同軸上に設けられた第1歯車である太陽ギアー4へと
伝達するようになっている。また、上記ギアーケース2
の外周面上には、板状のレール3A,3Bが外方に向け
て突出して配設されており、後述するように、第3歯車
である第2遊星ギアー6に軸支されている係止軸6aに
よって、該第2遊星ギアー6の公転の回動動作の範囲を
規制するようになっている。
【0014】上記太陽ギアー4の回転軸上には、L字状
からなる第1連結部材であるアーム10Aが、その支点
10Aaで回転自在に軸支されている。このアーム10
Aの一腕の先端部10Abには係止軸11が前方に突出
して配設されており、後述するように、上記アーム10
Aの回動する範囲を規制するようになっている。また、
上記アーム10Aの他腕部は、後述するように、プラン
ジャ17を制御するための制御手段、例えばフォトイン
タラプタ(PI)等を遮光するためのPI遮光部10A
cを形成している(図3参照)。
【0015】上記アーム10Aの一腕の先端部10Ab
の後方側には、第2連結部材であるアーム10Bの一端
部が回動自在に軸支され、摩擦部材である摩擦手段弾性
部材(図示せず)を介して、上記太陽ギアー4と噛合し
ている第2歯車である第1遊星ギアー5が回転自在に軸
支されている。なお、上記摩擦部材である摩擦手段弾性
部材は、例えば、バネ部材、ゴム部材等からなる弾性部
材等によって形成されており、この摩擦部材を上記第1
遊星ギアー5とアーム10Aとの間に介在させること
で、第1遊星ギアー5に一定以上の負荷が加わった場合
に、該第1遊星ギアー5がアーム10Bとの間で空転す
るようになっている。また、上記摩擦部材を介在させ
ず、上記第1遊星ギアー5とアーム10Aとの間に、例
えば嵌合摩擦が生ずるように該ギアー5の回転中心にア
ーム10Aを軸支するようにしてもよい。
【0016】また、上記アーム10Bの他の一端部の支
点において、第3歯車である第2遊星ギアー6が摩擦部
材(図示せず)を介して回転自在に軸支されており、該
第2遊星ギアー6に対して一定以上の負荷が加わわった
場合には、該第2遊星ギアー6はアーム10Bとの間で
空転するようになっている。なお、上記第2遊星ギアー
6とアーム10Bとの連結についても、上述の第1遊星
ギアー5とアーム10Aとの連結と同様、摩擦部材もし
くは摩擦の発生するような連結手段によって連結されて
いる。
【0017】そして、上述したように、上記第2遊星ギ
アー6の回転中心には後方に向けて係止軸6aが設けら
れていて、該係止軸6aが上記第2遊星ギアー6の公転
と共に回動する際に、上記ギアーケース2の外周面上に
設けられたレール3A,3Bによって係止されることに
より、第2遊星ギアー6の公転の回動動作の範囲が規制
されるようになっている。
【0018】従って、第1連結部材である上記アーム1
0Aによって、第1歯車である太陽ギアー4と第2歯車
である第1遊星ギアー5が連結されており、第2連結部
材であるアーム10Bによって第2歯車である第1遊星
ギアー5と第3歯車である第2遊星ギアー6とが連結さ
れており、隣接して配設されている歯車は、それぞれが
互いに噛合するようになっている。
【0019】一方、カメラ本体には、例えば、撮影レン
ズ鏡枠や撮影レンズ鏡筒等からなる撮影光学系の繰り出
しおよび繰り込み用のギアー列(図示せず)を介して、
第1の被駆動機構である上記撮影光学系(図示せず)を
駆動するために、例えば、平歯車、斜歯車、傘歯車等に
よる第1被駆動歯車である撮影光学系駆動ギアー7が、
上記第1遊星ギアー5の公転軌跡上に回転自在に軸支さ
れており、該撮影光学系駆動ギアー7は、上記第1遊星
ギアー5と噛合して、モータ1の回転駆動力を撮影光学
系へと伝達するようになっている。
【0020】また、カメラ本体には、例えば、平歯車、
斜歯車、傘歯車等からなる第2被駆動歯車である巻上げ
ギアー8が、上記第1遊星ギアー5の公転軌跡上に回転
自在に軸支されている。この巻上げギアー8と上記第1
遊星ギアー5とが噛合することにより、カメラ本体に設
けられたフィルム巻上げ用ギアー列(図示せず)を介し
て、フィルム巻上げ機構(図示せず)へとモータ1の回
転駆動力を伝達するようになっている。
【0021】さらに、例えば、平歯車、斜歯車、傘歯車
などからなる第3被駆動歯車である巻戻しギアー9が、
カメラ本体の上記第2遊星ギアー6の上記第1遊星ギア
ー5周りの公転軌跡上に回転自在に配置されている。こ
の巻戻しギアー9と上記第2遊星ギアー6とが噛合する
ことにより、カメラ本体に設けられたフィルム巻戻し用
ギアー列(図示せず)を介して、フィルム巻戻し機構
(図示せず)へとモータ1の回転駆動力を伝達するよう
になっている。
【0022】他方、上記太陽ギアー4と対向する位置に
は、係止手段である係止レバー12が配設されている。
この係止レバー12は、その支点に支軸13が貫通して
軸支されている。この支軸13は、上記モータ1の回転
軸と直行する方向に設けられ、その一端をカメラ本体に
回動自在に軸支された丸棒状の部材からなっている。
【0023】上記係止レバー12の上端部には、係止部
12aが配設されている。該係止部12aは、上記太陽
ギアー4との対向面に後方に向けて若干突出して形成さ
れており、上述のように、太陽ギアー4の回転に伴って
アーム10Aが回転する際に、該アーム10Aの一腕の
先端部10Abに配設された係止軸11の回動を係止す
ることにより、該アーム10Aの回動する範囲を規制す
るようになっている。また、この係止部12aの裏面側
には鉄芯18が固着されており、この鉄芯18と対向す
る位置にはプランジャ17がバネ16Bによって、図1
において矢印F2方向に付勢されて配設されている。そ
して、上記バネ16BのF2方向の付勢力が、係止レバ
ー12を支軸13を軸としてTB方向に回転するように
付勢する一方、上記係止レバー12の下端部に設けられ
たバネ16Aが上記係止レバー12を、図1において矢
印F1方向に付勢することにより、該係止レバー12を
支軸13を軸としてTA方向へ回転するように付勢して
いる。このとき、上記支軸13を軸とする係止レバー1
2の回転方向の付勢力が、TB≧TAの関係となるよう
に、上記バネ16A,16Bの付勢力は設定されてい
る。従って、上記係止レバー12がTB方向に回転し過
ぎないようにするために、カメラ本体には当接部材15
が配設されており、上記係止レバー12がバネ16Aに
よってTB方向に回転する際に、上記係止レバー12の
支軸13より下側の一部を上記当接部材15に当接さ
せ、係止レバー12が所定の位置に係止されるようにな
っている。
【0024】また、図2に示すように、後述する上記プ
ランジャ17の吸着動作によって係止レバー12がTA
方向に回動した際には、上記太陽ギアー4の回転に伴っ
て回転するアーム10Aの回動を規制するために係止部
材14が、カメラ本体に配設されており、上記アーム1
0Aの一腕の先端部10Abに配設された係止軸11
が、この係止部材14に係止されることによって、上記
アーム10Aの回動する範囲を規制するようになってい
る。
【0025】このように構成された、上記一実施例の駆
動力伝達機構の動作を、図3〜図6によって、以下に説
明する。なお、図3はフィルム巻上げ時の、図4はフィ
ルム巻戻し時の、図5は撮影光学系の繰り出し時の、図
6は撮影光学系の繰り込み時の駆動力伝達機構の、それ
ぞれの動作を示す要部詳細図である。
【0026】まず、フィルム巻上げ時においては、図3
に示すように、モータ1の回転駆動によって、太陽ギア
ー4を反時計方向に回転させる。これに伴って太陽ギア
ー4に軸支されているアーム10Aも反時計方向に回転
し、上記太陽ギアー4と噛合している第1遊星ギアー5
は時計方向に自転しながら、上記アーム10Aの反時計
方向の回転と共に、太陽ギアー4を中心として反時計方
向に公転する。そして、該第1遊星ギアー5と巻上げギ
アー8とが噛合して、該巻上げギアー8を駆動すること
によって、上記モータ1の回転駆動力はフィルム巻上げ
用ギアー列を介してフィルム巻上げ機構へと伝達され
る。
【0027】一方、上記第1遊星ギアー5と噛合してい
る第2遊星ギアー6は、反時計方向に自転しながら、第
1遊星ギアー5の時計方向の自転に伴うアーム10Bの
時計方向の回動にしたがって、上記第1遊星ギアー5を
中心として時計方向に公転する。そして、第2遊星ギア
ー6に軸支されている係止軸6aが、ギアーケース2の
外周面に配設されたレール3Aによって係止されるの
で、第2遊星ギアー6の公転も係止される。このとき、
上記第2遊星ギアー6の自転は空転状態であり、その回
転駆動力の伝達経路は、どの動作機構からも切り離され
ている状態となっている。
【0028】また、フィルム巻戻し時における係止レバ
ー12は、図1の状態であって、プランジャ17には通
電されていない状態である。まず、図4に示すように、
モータ1を回転駆動させて太陽ギアー4を時計方向に回
転させると、太陽ギアー4に軸支されているアーム10
Aも時計方向に回転すると共に、上記太陽ギアー4と噛
合している第1遊星ギアー5は、反時計方向へ自転しな
がら、上記アーム10Aと共に太陽ギアー4を中心とし
て時計方向に公転し、アーム10Aの係止軸11が係止
レバー12の係止部12aに係止されて、該アーム10
Aの回動および第1遊星ギアー5の公転が係止される。
【0029】一方、上記第1遊星ギアー5の反時計方向
への自転は、これと噛合している第2遊星ギアー6を時
計方向に自転させると共に、上記アーム10Bを反時計
方向に回動させる。すると、上記第2遊星ギアー6と巻
戻しギアー9とが噛合するので、上記モータ1の回転駆
動力はフィルム巻戻し用ギアー列を介してフィルム巻戻
し機構へと伝達される。なお、このとき、第2遊星ギア
ー6を軸支している係止軸6aが、ギアーケース2の外
周面に配設されているレール3Bに係止される前に、第
2遊星ギアー6と巻戻しギアー9とが噛合するように設
定されている。
【0030】次に、撮影光学系の繰り出し時において
は、図2に示すように、まず、プランジャ17に通電さ
れることによって、プランジャ17が係止レバー12を
吸着する動作が行われる。即ち、プランジャ17に通電
がなされると、係止レバー12に固着されている鉄芯1
8が、バネ16BのF2方向の付勢力に抗して、プラン
ジャ17の側に吸着されると共に、バネ16AのF1方
向の付勢力によって、係止レバー12は、図2において
TA方向に回転し、係止レバー12の鉄芯18が、プラ
ンジャ17の先端部に当接することによって、該係止レ
バー12のTA方向への回転は係止される。そして、プ
ランジャ17への通電中においては、係止レバー12の
鉄芯18はプランジャ17の先端部に吸着され続ける。
【0031】このとき、図5に示すように、モータ1を
回転駆動させて太陽ギアー4を時計方向に回転させる。
これに伴って、太陽ギアー4に軸支されているアーム1
0Aも時計方向に回動し、同時に太陽ギアー4と噛合し
ている第1遊星ギアー5は反時計方向に自転しながら、
上記アーム10Aの時計方向の回転にしたがって太陽ギ
アー4を中心として時計方向に公転する。そして、上記
アーム10Aと共に回動する上記係止軸11が係止部材
14に当接することによって、上記アーム10Aの回転
動作および第1遊星ギアー5の太陽ギアー4周りの公転
が係止されると共に、該第1遊星ギアー5と撮影光学系
駆動ギアー7とが噛合することによって、上記モータ1
の回転駆動力は撮影光学系の繰り出し用のギアー列を介
して、撮影光学系へと伝達される。
【0032】上述のように、アーム10Aと共に回動す
る上記係止軸11が係止部材14に当接することによっ
て、上記アーム10Aの回転動作および第1遊星ギアー
5の公転が係止されると、上記アーム10AのPI遮光
部10Acによって、フォトインタラプタ(PI)19
が遮光されるので、上記プランジャ17への通電が停止
される。これによって、上記係止レバー12の鉄芯18
とプランジャ17の先端部との吸着が開放され、係止レ
バー12は、バネ16BのF2方向への付勢力によって
TB方向(図1、2参照)に回動されると共に、該係止
レバー12の下端部が当接部材15に当接して係止され
る。従って、上記係止軸11は、係止レバー12の上端
部の係止部12aと係止部材14との間に挟まれた状態
となり、アーム10Aは、どちらの方向にも回動され
ず、太陽ギアー4、第1遊星ギアー5、撮影光学系駆動
ギアー7の噛合状態が固定される。
【0033】一方、上記第1遊星ギアー5の反時計方向
の自転に伴い、アーム10Bは反時計方向に回動し、ま
た上記第1遊星ギアー5と噛合している第2遊星ギアー
6は、時計方向に自転を開始する。すると、上記第2遊
星ギアー6を軸支している係止軸6aが、ギアーケース
2の外周面上に配設されているレール3Bに係止される
ので、第2遊星ギアー6の公転も係止される。このと
き、上記第2遊星ギアー6の自転は空転状態であり、そ
の回転駆動力の伝達経路は、どの動作機構からも切り離
されている状態となっている。
【0034】続いて、図6に示すように、撮影光学系の
繰り込み時においては、上述の撮影光学系の繰り出し時
の状態から、モータ1を回転駆動させて太陽ギアー4を
反時計方向、即ち、上記撮影光学系の繰り出し動作時と
は逆方向に回転させる。これに伴って、太陽ギアー4に
軸支されているアーム10Aも反時計方向に回転しよう
とするが、該アーム10Aは、係止軸11によって係止
レバー12の係止部12aに係止されているので回動せ
ず、上記太陽ギアー4と噛合している第1遊星ギアー5
は、その場で時計方向への自転を開始し、これと噛合し
ている上記撮影光学系駆動ギアー7を撮影光学系の繰り
込み方向、即ち、反時計方向へと回転駆動させる。従っ
て、上記モータ1の回転駆動力は、撮影光学系の繰り込
み用のギアー列を介して、撮影光学系へと伝達される。
【0035】一方、上記第1遊星ギアー5の時計方向へ
の自転は、上記第2遊星ギアー6を反時計方向に自転さ
せると共に、上記アーム10Bを時計方向に回動させ
る。従って、第2遊星ギアー6を軸支している係止軸6
aは、上記アーム10Bと共に時計方向に回動しギアー
ケース2の外周面上に配設されているレール3Aに係止
され、第2遊星ギアー6の公転も係止される。このと
き、上記第2遊星ギアー6の自転は空転状態であり、そ
の回転駆動力の伝達経路は、どの動作機構からも切り離
されている状態となっている。
【0036】図7は、上述の駆動力伝達機構の一実施例
を適用したカメラの回路構成図を示している。図7に示
すように、カメラ本体に設けられたCPU等からなる制
御手段21には、オートフォーカス(AF)演算回路2
2および制御回路24等が配設されており、上記AF演
算回路22は、カメラ本体内に別体に配設されているオ
ートフォーカス(AF)ユニット23と電気的に接続さ
れて、これを制御するようになっている。また、上記制
御回路24には、上述の駆動力伝達機構との間に、該駆
動力伝達機構を制御する信号線が設けられ、また、カメ
ラ本体に設けられたレリーズボタン25や、上記プラン
ジャ17およびフォトインタラプタ(PI)19等が、
それぞれ電気的に接続されており、上記駆動力伝達機構
を制御するようになっている。
【0037】このように構成されたカメラにおいて、カ
メラ本体に設けられたレリーズボタン25を押すことに
よって、CPU等からなる制御手段21の制御回路24
のスイッチをオン(ON)すると、これによって、AF
演算回路22によってAFユニット23を制御して被写
体までの距離を測定する。すると制御回路24は、AF
ユニット23によって測定された測距結果に基づいて、
駆動力伝達機構の動作を制御する。そして、撮影光学系
の繰り出しおよび繰り込み駆動動作が行われ、また、フ
ィルムの巻上げおよび巻戻し駆動動作が行われる。
【0038】図8は、上記駆動力伝達機構の一実施例が
適用されたカメラにおける、写真撮影の一連の動作、即
ち、撮影光学系の繰り出しおよび繰り込み動作とフィル
ムの巻上げおよび巻戻し動作について説明するフローチ
ャートである。
【0039】上記駆動力伝達機構においては、通常、上
述の図5または図6に示す状態、即ち、遊星ギアー1が
撮影光学系駆動ギアー7と噛合した状態において、係止
軸11が係止レバー12と係止部材14との間に挟まれ
ている状態で、かつ、モータ1が回転駆動されていない
状態において待機される(初期状態)。
【0040】この初期状態、例えば、図5に示す状態に
おいて、写真撮影が行われる際の撮影レンズ鏡枠等から
なる撮影光学系の繰り出し動作から説明する。まず、上
述の図7において説明したように、レリーズボタン25
が押されることによって、AFユニット23が動作し、
これによって被写体までの距離が測距される。この測距
結果に基づいて、図8に示すように、モータ1が撮影光
学系の繰り出し方向(ここでは図8に示すように正転方
向とする。)に駆動される((S11)。なおここで、
Sは動作ステップを示す。以下、同様。)。すると、上
述の図5によってその動作を説明したように、太陽ギア
ー4が時計方向に回転し、これと噛合している第1遊星
ギアー5が反時計方向に回転することによって、該第1
遊星ギアー5と噛合している撮影光学系駆動ギアー7を
時計方向に回転させる。これによって、上記AFユニッ
ト23による測距結果に基づいた所定量だけ撮影光学系
が繰り出されると(S12)、モータ1の回転駆動が停
止される(S13)。
【0041】上述のように、AFユニット23の測距結
果によって撮影光学系が繰り出され、写真撮影の準備が
完了すると撮影動作が開始される。即ち、カメラ本体に
設けられているシャッターが所定時間だけ開口されて、
フィルム面に所定の露光が行われた後、シャッターが閉
じられて撮影が終了する(S14)。
【0042】撮影動作が終了すると、続いて撮影光学系
の繰り込み動作が行われる。まず、モータ1が、上述の
撮影光学系の繰り出し動作の際とは逆方向の回転駆動、
即ち、撮影レンズ鏡枠等からなる撮影光学系の繰り込み
方向(ここでは図8に示すように逆転方向とする。)に
駆動される(S21)。すると、上述の図6によってそ
の動作を説明したように、太陽ギアー4が反時計方向に
回転し、これと噛合している第1遊星ギアー5は時計方
向に回転することによって、該第1遊星ギアー5と噛合
している撮影光学系駆動ギアー7を反時計方向に回転さ
せる。これによって、図5に示す初期状態である初期位
置まで撮影光学系が繰り込まれ(S22)、モータ1の
回転駆動は停止される(S23)。
【0043】そして、次の写真撮影のための準備である
フィルム巻上げ動作が行われる。まず、プランジャ17
がオン(ON)されて通電される(S31)と共に、モ
ータ1がフィルム巻上げ方向(ここでは図8に示すよう
に逆転方向とする。)に駆動される(S32)。これに
よりフォトインタラプタ(PI)19の遮蔽が解除され
る(S33)。即ち、上述の図2に示すように、プラン
ジャ17の吸着力とバネ16AのF1方向の付勢力によ
って、係止レバー12がTA方向に回動する。これによ
って、係止レバー12の係止部12aと係止部材14と
の間に挟まれていた係止軸11が開放される。そして、
上述の図3によってその動作を説明したように、太陽ギ
アー4が反時計方向に回転し、これと噛合している第1
遊星ギアー5が時計方向に自転しながら、アーム10A
によって反時計方向に公転することで、第1遊星ギアー
5と巻上げギアー8が噛合し、該巻上げギアー8を駆動
することで、モータ1の回転駆動力がフィルム巻上げ用
ギアー列を介してフィルム巻上げ機構へと伝達されてフ
ィルムの巻上げ動作が行われる。そして、このときアー
ム10AのPI遮光部10Acによって遮蔽されていた
フォトインタラプタ(PI)19は、上記アーム10A
の反時計方向の回動と共に、その遮光が解除されるので
(S33)、プランジャ17がオフ(OFF)となり、
該プランジャ17への通電が遮断される(S34)。従
って、、係止レバー12は、バネ16BのF2方向への
付勢力によって、上述の図1に示す状態に復帰する。
【0044】ここで、タイマーがスタートされた後(S
35)、フィルムのパーフォレーションを検出してフィ
ルムの巻上げ量をカウントするための検出手段、例え
ば、フォトリフレクタ(PR)等によってフィルム巻上
げ量のカウントが行われる(S37)。そして、上記ス
テップS35においてタイマーにより設定された一定時
間の間に、フィルムのパーフォレーションの所定量の検
出、例えば、1コマ分のパーフォレーション数の検出が
なされなかった等の場合には、フィルムが最終端、つま
りフィルムエンド(END)にあると判断されて、続い
てフィルムの巻戻し動作に移ることとなる(S36)。
【0045】一方、上記検出手段であるフォトリフレク
タ(PR)等によって、フィルムのパーフォレーション
の所定量が検出され、フィルムの1コマ分がフィルム巻
上げ機構によって巻上げられると、モータ1の回転駆動
は停止する(S38)。そして、プランジャ17が再び
オン(ON)されて通電が開始される(S39)と同時
に、モータ1が正転方向、即ち、撮影光学系の繰り出し
方向に回転する(S40)。これによって、上述の図2
に示すように、係止レバー12がプランジャ17の吸着
とバネ16AのF1方向の付勢力によってTA方向に回
動すると共に、図5に示すように、太陽ギアー4が時計
方向に回転しこれと噛合する第1遊星ギアー5が反時計
方向に自転すると共にアーム10Aによって時計方向に
公転し、アーム10Aに設けられた係止軸11が係止部
材14によって係止され、第1遊星ギアー5と撮影光学
系駆動ギアー7とが噛合することで、該撮影光学系駆動
ギアー7を駆動し、撮影光学系の繰り込み用のギアー列
を介して撮影光学系へとモータ1の回転駆動力を伝達す
る。そして、アーム10AのPI遮光部10Acによっ
てフォトインタラプタ(PI)19が遮光される(S4
1)。これによって、プランジャ17がオフ(OFF)
されて、該プランジャ17への通電が遮断される(S4
2)。従って、撮影光学系は、上記初期状態である初期
位置に戻り(RETURN)、次回の写真撮影動作まで
待機される。
【0046】他方、上記ステップS36およびS37に
おいて、タイマーによって設定された一定時間内に、フ
ォトリフレクタ(PR)等によるフィルムのパーフォレ
ーションの所定量の検出がなされなかった場合には、上
述のように、フィルムの巻戻し動作が行われる。
【0047】まず、ステップS37において、フォトリ
フレクタ(PR)等によるフィルムのパーフォレーショ
ンの所定量が検出されず、フィルムの最終端、即ち、フ
ィルムエンド(END)が検出された場合(S51)、
モータ1がフィルムの巻戻し方向(ここでは図8に示す
ように正転方向とする。)に駆動される(S52)。こ
れにより、上述の図4によってその動作を説明したよう
に、太陽ギアー4は時計方向に回転し、第1遊星ギアー
5は反時計方向に自転しながら、アーム10Aの時計方
向への回動と共に、該第1遊星ギアー5も時計方向に公
転され、アーム10Aに配設される係止軸11が係止レ
バー12の係止部12aに係止されると共に、第1遊星
ギアー5と噛合している第2遊星ギアー6が時計方向へ
自転しながらアーム10Bの反時計方向への回動と共に
反時計方向に公転し、上記第2遊星ギアー6と巻戻しギ
アー9とが噛合することで、該巻戻しギアー9を駆動し
てフィルム巻戻し用ギアー列を介してフィルム巻戻し機
構へとモータ1の回転駆動力が伝達されてフィルムの巻
戻しが行われる。
【0048】なお、このフィルム巻戻し動作中には、上
記フォトリフレクタ(PR)等によるフィルムのパーフ
ォレンションを検出することで、フィルムの巻戻し量が
カウントされており(S53)、タイマーによって設定
される設定時間(タイマー時間=A)中にフィルムのパ
ーフォレーションが検出されずに、上記設定時間(タイ
マー時間=A)が経過すると(S55)、フィルムの巻
戻しが完了したとCPU等からなる制御手段21の制御
回路24によって判断され、モータ1の回転駆動が停止
されて(S56)、一連の撮影処理を終了する。
【0049】以上述べたように上記一実施例によれば、
撮影光学系の繰り出しおよび繰り込み動作と、フィルム
の巻上げおよび巻戻し動作とを、遊星歯車機構を巧みに
利用して、1つのモータを正逆回転させるだけで行える
ようにし、より簡単で小型化を実現した駆動力伝達機構
を提供することができる。さらに、この駆動力伝達機構
をカメラに適用する場合には、小型化によってスペース
的な余裕ができるために、カメラ自体の低コスト化およ
び小型化が実現できると共に、設計的な自由度が増すの
で、カメラの内部配置を効率よく設計することができ
る。
【0050】[付記] (1) 隣接するものどうしで互いに噛合している3個
以上の歯車と、上記3個以上の歯車の、隣接する2つの
歯車の回転中心を回転自在に連結する複数の連結部材
と、上記複数の連結部材により連結されている2つの歯
車のうちの少なくとも一方の歯車とこれを軸支する連結
部材との間に介在される摩擦部材と、を具備しており、
上記複数の連結部材に連結された2つの歯車のうちの一
方の歯車を回転させた際に、他方の歯車が該一方の歯車
周りに公転される駆動力伝達機構において、上記摩擦部
材は、歯車と連結部材との間に設けられた弾性部材であ
る。
【0051】(2) 付記第1に記載の駆動力伝達機構
において、上記弾性部材はバネ部材により形成されてい
る。
【0052】(3) 付記第1に記載の駆動力伝達機構
において、上記弾性部材はゴム部材により形成されてい
る。
【0053】上記付記第1〜第3に記載の駆動力伝達機
構において、上記歯車と連結部材との間に介在される摩
擦部材を、例えば、バネ部材、ゴム部材等からなる弾性
部材とすることによって、通常の状態においては、上記
歯車はこれを軸支する連結部材が回動すると共に公転す
るが、上記歯車に対して一定以上の負荷が加わわった場
合には、該歯車はこれを軸支する連結部材との間で空転
することとなる。従って、上記遊星歯車機構において、
該歯車の公転を係止することによって、駆動力の切り換
えが、より簡単な機構で容易に実現することができる。
【0054】(4) 隣接するものどうしで互いに噛合
している3個以上の歯車と、上記3個以上の歯車の、隣
接する2つの歯車の回転中心を回転自在に連結すると共
に、少なくとも一方の歯車との間に摩擦を有する複数の
連結部材と、を具備しており、上記複数の連結部材に連
結された2つの歯車のうちの一方の歯車を回転させた際
に、他方の歯車が該一方の歯車周りに公転される駆動力
伝達機構。
【0055】(5) 付記第4に記載の駆動力伝達機構
において、上記摩擦は、上記一方の歯車と連結部材との
嵌合摩擦である。
【0056】(6) 付記第4に記載の駆動力伝達機構
において、上記摩擦は、歯車と連結部材との間に設けら
れた摩擦手段弾性部材により発生される。
【0057】(7) 付記第6に記載の駆動力伝達機構
において、上記弾性部材はバネ部材により形成されてい
る。
【0058】(8) 付記第6に記載の駆動力伝達機構
において、上記弾性部材はゴム部材により形成されてい
る。
【0059】上記付記第4〜第8に記載の駆動力伝達機
構において、上記歯車と連結部材との間に生ずる摩擦
は、例えば、歯車と連結部材との間に発生する嵌合摩擦
であり、また例えば、歯車と連結部材との間にバネ部
材、ゴム部材等からなる摩擦手段弾性部材等を設けるこ
とによって発生する。
【0060】このように、歯車と連結部材との間に摩擦
を発生させることで、一方の歯車周りに公転させる他方
の歯車の公転を係止することで駆動力の伝達の切り換え
を行う際に、駆動力が被駆動機構に確実に伝達すること
のできる駆動力伝達機構を提供することができる。
【0061】(9) 駆動源により正逆回転される第1
歯車と、この第1歯車に噛合する第2歯車と、この第2
歯車に噛合する第3歯車と、上記第1歯車と第2歯車と
の回転中心をそれぞれ回動可能に連結する第1連結部材
と、上記第2歯車と第3歯車との回転中心をそれぞれ回
動可能に連結する第2連結部材と、上記第1歯車の一方
向回転により行われる上記第2歯車の一方向の公転軌跡
上に配置され、該第2歯車が公転することにより噛合し
て該第2歯車を介して駆動される第1被駆動歯車と、上
記第1歯車の他方向回転により行われる上記第2歯車の
他方向の公転軌跡上に配置され、該第2歯車が公転する
ことにより噛合して該第2歯車を介して駆動される第2
被駆動歯車と、上記第2歯車が上記第1被駆動歯車と噛
合していない状態において該第2歯車の一方向の公転を
係止することにより、上記第3歯車を該第2歯車周りに
公転させる係止手段と、上記第3歯車の上記第2歯車周
りの公転軌跡上に配置され、該第3歯車が公転すること
により噛合して該第3歯車を介して駆動される第3被駆
動歯車と、を具備する駆動力伝達機構。
【0062】(10) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、駆動源はモータである。 (11) 付記第9に記載の駆動力伝達機構において、
第1被駆動歯車はカメラにおける撮影光学系を駆動する
機構に連結されている。
【0063】(12) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、第2被駆動歯車はカメラにおけるフィルム
巻上げ機構に連結されている。
【0064】(13) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、第3被駆動歯車はカメラにおけるフィルム
巻戻し機構に連結されている。
【0065】(14) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、上記係止手段は、上記第2歯車が上記第1
被駆動歯車と噛合している状態において該第2歯車の他
方向の公転を係止することにより、上記第1被駆動歯車
の回転駆動方向を選択するものであって、該第1被駆動
歯車は撮影光学系を駆動する機構に連結されている。
【0066】(15) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、上記第1歯車ないし第3歯車は、それぞれ
平歯車、斜歯車、そして傘歯車のうちから適宜選択され
る。
【0067】(16) 付記第9に記載の駆動力伝達機
構において、上記第1被駆動歯車ないし第3被駆動歯車
は、それぞれ平歯車、斜歯車、そして傘歯車のうちから
適宜選択される。
【0068】上記付記第9〜第16に記載の駆動力伝達
機構において、第1歯車の一方向回転による第2歯車の
公転により、該第2歯車と第1被駆動歯車とが噛合する
ことで、撮影光学系を駆動する機構へと駆動力を伝達
し、また、第1歯車の他方向回転による第2歯車の公転
により、該第2歯車と第2被駆動歯車とが噛合すること
で、フィルム巻上げ機構へと駆動力を伝達する。
【0069】さらに、第2歯車が第1被駆動歯車と噛合
していない状態において該第2歯車の一方向の公転を係
止手段によって係止することで、第3歯車を該第2歯車
周りに公転させることにより、該第3歯車と第3被駆動
歯車とが噛合することで、フィルム巻戻し機構へと駆動
力を伝達する。
【0070】そして、上記係止手段は、上記第2歯車が
上記第1被駆動歯車と噛合している状態において、該第
2歯車の他方向の公転を係止することで、撮影光学系を
駆動する機構に連結されている上記第1被駆動歯車の回
転駆動方向を選択する。
【0071】なお、上記第1、第2、第3歯車および上
記第1、第2、第3被駆動歯車は、例えば、平歯車、斜
歯車、傘歯車等のうちから適宜選択されることとなる。
【0072】このように、第1、第2、第3歯車と第
1、第2連結部材とから構成される遊星歯車機構を巧み
に利用して、より簡単な機構で、一つの駆動源であるモ
ータ出力を三系統の被駆動機構に切り換えを行って、そ
れぞれに駆動力を伝達する駆動力伝達機構を提供するこ
とができる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、1つ
の駆動用モータの出力を複数の被駆動機構に伝達する駆
動力伝達機構において、より簡単な構造として部品数を
減らすことによって、機構自体が占有するスペースを抑
え、さらに、設計的な自由度を増すことによって、低コ
スト化および小型化を実現した駆動力伝達機構を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動力伝達機構の一実施例を示す要部
斜視図。
【図2】上記図1の機構において、プランジャが吸着動
作した際の要部斜視図。
【図3】上記図1の機構においてフィルム巻上げ時の動
作を示す要部詳細図。
【図4】上記図1の機構においてフィルム巻戻し時の動
作を示す要部詳細図。
【図5】上記図1の機構において撮影光学系の繰り出し
時の動作を示す要部詳細図。
【図6】上記図1の機構において撮影光学系の繰り込み
時の動作を示す要部詳細図。
【図7】上記図1の機構を適用したカメラの回路構成
図。
【図8】上記図7のカメラにおいて、撮影光学系の繰り
出しおよび繰り込み、フィルムの巻上げおよび巻戻しの
一連の撮影処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…………モータ(駆動源) 4…………太陽ギアー(第1歯車) 5…………第1遊星ギアー(第2歯車) 6…………第2遊星ギアー(第3歯車) 7…………撮影光学系駆動ギアー(第1被駆動歯車) 8…………巻上げギアー(第2被駆動歯車) 9…………巻戻しギアー(第3被駆動歯車) 10A…………アーム(第1連結部材) 10B…………アーム(第2連結部材) 12…………係止レバー(係止手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接するものどうしで互いに噛合して
    いる3個以上の歯車と、 上記3個以上の歯車の、隣接する2つの歯車の回転中心
    を回転自在に連結する複数の連結部材と、 上記複数の連結部材により連結されている2つの歯車の
    うちの少なくとも一方の歯車とこれを軸支する連結部材
    との間に介在される摩擦部材と、 を具備しており、上記複数の連結部材に連結された2つ
    の歯車のうちの一方の歯車を回転させた際に、他方の歯
    車が該一方の歯車周りに公転されることを特徴とする駆
    動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 駆動源により正逆回転される第1歯車
    と、 この第1歯車に噛合する第2歯車と、 この第2歯車に噛合する第3歯車と、 上記第1歯車と第2歯車との回転中心をそれぞれ回動可
    能に連結する第1連結部材と、 上記第2歯車と第3歯車との回転中心をそれぞれ回動可
    能に連結する第2連結部材と、 上記第1歯車の一方向回転により行われる上記第2歯車
    の一方向の公転軌跡上に配置され、該第2歯車が公転す
    ることにより噛合して該第2歯車を介して駆動される第
    1被駆動歯車と、 上記第1歯車の他方向回転により行われる上記第2歯車
    の他方向の公転軌跡上に配置され、該第2歯車が公転す
    ることにより噛合して該第2歯車を介して駆動される第
    2被駆動歯車と、 上記第2歯車が上記第1被駆動歯車と噛合していない状
    態において該第2歯車の一方向の公転を係止することに
    より、上記第3歯車を該第2歯車周りに公転させる係止
    手段と、 上記第3歯車の上記第2歯車周りの公転軌跡上に配置さ
    れ、該第3歯車が公転することにより噛合して該第3歯
    車を介して駆動される第3被駆動歯車と、 を具備することを特徴とする駆動力伝達機構。
  3. 【請求項3】 上記係止手段は、上記第2歯車が上記
    第1被駆動歯車と噛合している状態において該第2歯車
    の他方向の公転を係止することにより、上記第1被駆動
    歯車の回転駆動方向を選択することを特徴とする請求項
    2に記載の駆動力伝達機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1299027C (zh) * 2003-01-13 2007-02-07 张兴会 可控制齿轮单向转动的机构
CN110778598A (zh) * 2019-11-26 2020-02-11 昆山玮硕恒基智能科技股份有限公司 折叠屏内折同步转动机构及电子设备

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