JPH07244210A - 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 - Google Patents

光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Info

Publication number
JPH07244210A
JPH07244210A JP6271243A JP27124394A JPH07244210A JP H07244210 A JPH07244210 A JP H07244210A JP 6271243 A JP6271243 A JP 6271243A JP 27124394 A JP27124394 A JP 27124394A JP H07244210 A JPH07244210 A JP H07244210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
diffraction grating
hydrogen
ultraviolet light
type diffraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6271243A
Other languages
English (en)
Inventor
Maki Inai
麻紀 稲井
Masumi Ito
真澄 伊藤
Susumu Inoue
享 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP6271243A priority Critical patent/JPH07244210A/ja
Publication of JPH07244210A publication Critical patent/JPH07244210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定波長の光成分に対する反射率を増大させ
るファイバ型回折格子の作製方法及び回折格子作製用フ
ァイバを提供する。 【構成】 炉心管20内に光ファイバ10を設置し、バ
ルブ21側からバルブ22に向かって水素(H2 )ガス
を流入すると共に、炉心管20内を高温または高圧な状
態にする。光ファイバ10は、コア部に酸化ゲルマニウ
ム(GeO2 )を含む通常の石英系光ファイバである。
なお、光ファイバ10の加熱温度は、範囲200〜13
00℃に含まれていることが好ましい。また、光ファイ
バ10に対する圧力は、範囲20〜300atmに含ま
れていることが好ましい。また、光ファイバ10のコア
部に添加される水素の濃度は、500ppm以上である
のが好ましい。水素ガスによる光導波路の還元処理とコ
ア部への水素の添加とにより、紫外光の照射領域では大
きな屈折率変化が生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導波路のコア部の屈
折率を光軸に沿って周期的に変化させて回折格子を形成
する光導波路型回折格子の作製方法及び回折格子作製用
の光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ通信技術の進展に伴
い、ネットワークの複雑化や信号波長の多重化などが進
行し、システム構成は高度化しつつある。このような光
通信システムでは、光回路素子の重要性が増大してい
る。
【0003】光回路素子における一般的構成の一つとし
てファイバ型素子は、小型で挿入損失が小さいことや、
光ファイバとの接続が容易であること等の利点を有して
いる。そして、このようなファイバ型素子として、ファ
イバ型フィルターが知られている。
【0004】最近では、コア部に酸化ゲルマニウムをド
ープした石英系光ファイバについて、紫外光照射によっ
てコア部の屈折率が変化するという知見が周知であり、
このような光誘起屈折率変化を利用したファイバ型フィ
ルターとして、光ファイバ型回折格子が研究開発されて
いる。
【0005】この光ファイバ型回折格子は、光ファイバ
内を進行する光のうち特定波長の光成分を反射するもの
であり、一般に、紫外光の照射によって光ファイバのコ
ア部に屈折率が光軸に沿って周期的に変化した領域を形
成することにより作製されている。この作製方法には、
信頼性の高い光ファイバ型回折格子を生産性良く作製す
ることができるという利点がある。
【0006】このような光ファイバ型回折格子において
は反射率Rが重要な特性であり、この反射率Rは、グレ
ーティング長(コア部の屈折率が光軸に沿って周期的に
変化した領域の長さ)と光誘起による屈折率の変化量に
依存する。この関係は、次式のように表される。
【0007】R=tanh2 (LπΔn/λR ) ここで、Rは反射率、Lはグレーティング長、Δnは光
誘起による屈折率の変化量、λR は反射波長である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】紫外光照射による屈折
率変化は、コア部のガラス中に存在するゲルマニウム関
連のガラス欠陥に起因することが知られている。しか
し、従来のような酸化ゲルマニウムをコア部にドープし
ただけのガラス光ファイバではガラス欠陥の数が少ない
ため、紫外光を照射しても屈折率変化量Δnが小さく、
したがって、上記の式から明らかなように反射率も低
い。具体的に言えば、紫外光照射によるコア部の屈折率
変化は10-5程度であり、反射率は数%と過小である。
【0009】反射率を高くするためには、上記の式が示
すようにグレーティング長Lを大きくする方法もある
が、紫外光レーザビームを照射するにあたって、レーザ
ビームに高い均一性が要求され、そのために紫外光照射
を行う光学系が複雑になるという問題点がある。また、
ガラス欠陥が少ないため、紫外光照射による屈折率変化
の速度が遅く、反射率を高くしようとすると、照射時間
が長くなって生産性が低下するという問題点がある。
【0010】上記のような問題点は、光ファイバのみな
らず薄膜導波路のような光導波路に回折格子領域を形成
して光導波路型素子を作製する場合にも同様に存在す
る。
【0011】本発明は、光ファイバや薄膜導波路のよう
な光導波路について存在する上記の問題点に鑑みなされ
たものであり、反射率の高い光導波路型回折格子を容易
に、生産性良く作製する方法、及びこの方法に用いる回
折格子作製用の光導波路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
回折格子の作製方法は、上記の目的を達成するために、
光導波路のコア部に水素を添加する第1の工程と、この
光導波路のコア部における複数の所定領域に紫外光を照
射し、この所定領域の屈折率を変化させる第2の工程と
を備えることを特徴とする。
【0013】ここで、光導波路とは、コアとクラッドと
の屈折率差を利用して光を一定領域に閉じ込めて伝送す
る回路または線路をいい、これには光ファイバや薄膜導
波路等が含まれる。
【0014】上記第1の工程は、光導波路を水素雰囲気
で還元処理する工程とすることができる。
【0015】このとき、光導波路の還元処理は、水素雰
囲気で光導波路を加熱して行うことができる。そのとき
の光導波路の加熱温度は、200〜1300℃であるこ
とが望ましく、特に、400〜900℃であると好適で
ある。
【0016】また、光導波路の還元処理は、水素雰囲気
で光導波路を加圧して行うことができる。そのときの光
導波路の加圧圧力は、20〜300atmであることが
望ましい。
【0017】上記第1の工程により光導波路に添加され
る水素の濃度は、500ppm以上であると良い。この
とき、第1の工程は、水素雰囲気で光導波路を4.17
atm以上の圧力で加圧する工程とすると良い。
【0018】また、上記光導波路のコア部は、石英ガラ
スに酸化ゲルマニウムをドープして形成されていること
が望ましい。
【0019】上記第2の工程における紫外光の照射は、
紫外光を干渉させて生じた干渉縞をコア部の所定領域に
照射して行うことができる。なお、紫外光の干渉縞は、
紫外光を2つの分岐光に分岐し、一方の分岐光をコア部
の軸方向に対して第1角度で所定領域に照射すると共
に、他方の分岐光をコア部の軸方向に対して第1角度の
補角となる第2角度で所定領域に照射して形成される。
また、紫外光の干渉縞は、所定周期で配列された格子を
有する位相格子を光ファイバに隣接して設置し、紫外光
を位相格子の面方向に対して所定角度で照射して形成さ
れるものでも良い。
【0020】次に、本発明に係る回折格子作製用光導波
路は、水素が添加されたコア部を有することを特徴とし
ている。コア部に添加されている水素の濃度は、500
ppm以上であると良い。また、コア部の水素は、光導
波路を水素雰囲気で還元処理することにより添加された
ものであっても良い。
【0021】
【作用】酸化ゲルマニウムをドープした石英ガラス系の
光導波路において、紫外光照射による屈折率変化のメカ
ニズムは、完全に解明されてはいない。しかしながら、
重要な原因として、ゲルマニウムに関連した酸素欠損型
の欠陥が考えられており、このような欠陥としてSi−
GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ空孔が想定さ
れている。このような屈折率変化のメカニズムに関して
は、文献「1993年電子情報通信学会春季大会, C-243,p
p.4-279」などに記載されている。
【0022】本出願の発明者らは、酸化ゲルマニウムを
ドープした石英系の光導波路に通常わずかしか存在しな
い酸素欠損型の欠陥を増大させることにより、紫外光照
射による屈折率変化が増大するであろうと推定した。そ
して、光導波路内に存在するゲルマニウムに関連した酸
素欠損型の欠陥を増大するためには、光導波路を水素雰
囲気で還元処理することが有効であることを見出した。
【0023】光導波路を水素雰囲気で還元処理すること
により、光導波路には水素が添加される。本発明者らの
知見によれば、水素が添加された光導波路に紫外光が照
射されると、添加水素が光導波路材料中のゲルマニウ
ム、シリカ、酸素と反応して、Ge−H,Ge−OH,
Si−H,Si−OHという新たな結合を形成し、これ
らの結合が屈折率変化を高める。
【0024】本発明に係る光導波路型回折格子の作製方
法によれば、第1の工程において、光導波路のコア部に
水素が添加される。このとき、光導波路を構成する石英
(SiO2 )や、これにドープされている酸化ゲルマニ
ウム(GeO2 )が全体的に還元され易くなり、Geや
Siと結合している酸素が一部取り除かれる現象が発生
すると推察される。結合酸素が一部取り除かれたGeや
Siが結合しあえば、Si−GeまたはGe−Geなど
の中性酸素モノ空孔、すなわち酸素欠損型の欠陥が新た
に生じることとなる。これにより、光導波路のコア部に
おける酸素欠損型の欠陥が増大し、紫外光照射による屈
折率変化が高まる。
【0025】続いて、第2の工程において、紫外光がコ
ア部における複数の所定領域に照射されると、添加水素
がコア部のゲルマニウム、シリカ、酸素と反応して、G
e−H,Ge−OH,Si−H,Si−OHという結合
が形成され、これらの結合が光誘起屈折率変化を高め
る。したがって、酸素欠損型欠陥の増大による効果と添
加水素の反応により生成された新たな結合(Ge−H
等)による効果とが相舞って、紫外光の照射領域では大
きな屈折率変化が生じる。
【0026】これにより、コア部に屈折率が局部的に高
まった領域が光軸に沿って配列された格子(グレーティ
ング)が形成され、光導波路型回折格子が完成する。こ
の光導波路型回折格子のコア部を進行する光が格子領域
に至ると、屈折率変化の周期に対応した特定波長の光成
分が十分な反射率で反射されるので、本発明の光導波路
型回折格子は光導波路型フィルタとして機能する。
【0027】第1の工程で水素を添加するにあたって
は、光導波路を水素雰囲気で還元処理する方法を採るこ
とができる。この場合、光導波路を構成する石英(Si
2 )や、これにドープされている酸化ゲルマニウム
(GeO2 )が還元され易くなり、GeやSiと結合し
ている酸素が一部取り除かれる現象が発生する。結合酸
素が一部取り除かれたGeやSiが結合しあえば酸素欠
損型の欠陥が新たに生じることとなり、光導波路のコア
部における酸素欠損型の欠陥が増大して、紫外光の照射
による屈折率変化が高まる。
【0028】これに加えて、紫外光がコア部における複
数の所定領域に照射されると、酸素が取り除かれたGe
やSiと光導波路に添加された水素とが反応して、Ge
−H,Ge−OH,Si−H,Si−OHという結合が
形成され、これらが屈折率変化を高める。したがって、
酸素欠損型欠陥の増大による効果と添加水素の反応によ
り生成された新たな結合(Ge−H等)による効果とが
相舞って、紫外光の照射領域では大きな屈折率変化が生
じる。
【0029】第1の工程における光導波路の還元処理に
ついて、水素雰囲気で光導波路を加熱して行うことが効
果的である。なお、光導波路の加熱温度は、範囲200
〜1300℃に含まれていることが好ましい。仮に、こ
の加熱温度が200℃未満の場合、光導波路を構成する
ガラスと水素との反応が遅いので、生産性が向上しな
い。仮に、この加熱温度が1300℃を越える場合、光
導波路を構成するガラスの強度が低減するので、作業性
が悪化する。同様の観点から、加熱温度が400〜90
0℃であると光導波路の還元処理を特に好適に行うこと
ができる。
【0030】また、第1の工程における光導波路の還元
処理について、水素雰囲気で光導波路を加圧して行うこ
とが効果的である。なお、光導波路に対する圧力は、範
囲20〜300atmに含まれていることが好ましい。
仮に、この圧力が20atm未満である場合、光ファイ
バを構成するガラスと水素との反応が遅いので、生産性
が向上しない。仮に、この圧力が300atmを越える
場合、作製設備に高耐圧性が要求されるので、設備費が
高騰して実用的でなくなる。
【0031】また、本発明者らの知見によれば、添加さ
れる水素の濃度が500ppm以上であると、紫外光の
照射によって、十分な反射率の光導波路型回折格子が得
られる。500ppm以上の添加水素濃度を得るために
は、4.17気圧以上の水素雰囲気で光導波路を加圧す
ると良い。
【0032】第2の工程における紫外光の照射につい
て、紫外光を干渉させて生じた干渉縞をコア部の所定領
域に照射して行うことが容易である。なお、紫外光の干
渉縞は、分岐した紫外光の一方をコア部の軸方向に対し
て第1角度で、他方を第1角度の補角となる第2角度
で、共に所定領域に照射して形成されることが適切であ
る。このホログラフィック法によれば、コア部の屈折率
変化は、これら二つの分岐光の入射角度に対応した周期
で生じる。また、紫外光の干渉縞は、所定周期で配列さ
れた格子を有する位相格子に紫外光を位相格子の面方向
に対して所定角度で照射して形成されることが適切であ
る。この位相格子法によれば、コア部の屈折率変化は、
位相格子の格子配列に対応した周期で生じる。
【0033】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路は、光導波路のコア部に水素が添加され
ているので、コア部における酸素欠損型の欠陥が増大し
ており、また、これに紫外光が照射されると、Ge−
H,Ge−OH,Si−H,Si−OHという結合が形
成される。したがって、紫外光の照射領域の屈折率が大
きく変化する。このため、この光導波路は、ホログラッ
フィック法や位相格子法などによって紫外光を照射する
ことにより高反射率の光導波路型回折格子となる。
【0034】ここで、コア部に添加されている水素の濃
度は、500ppm以上であるのが適当である。添加水
素の濃度が500ppm以上であると、本発明に係る作
製用光導波路は、紫外光の照射により十分な反射率の光
導波路型回折格子となる。
【0035】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路のうち、水素雰囲気で光導波路を還元処
理することにより水素が添加されたコア部を有するもの
は、コア部において酸素欠損型の欠陥が増大しており、
また、これに紫外光が照射されると、Ge−H,Ge−
OH,Si−H,Si−OHという結合が形成される。
したがって、紫外光の照射領域の屈折率が大きく変化す
る。このため、この光導波路は、ホログラッフィック法
や位相格子法などによって紫外光を照射することにより
高反射率の光導波路型回折格子となる。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る実施例の構成及び作用に
ついて、図1〜図5を参照して説明する。なお、図面の
説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する
説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のもの
と必ずしも一致していない。
【0037】まず、本発明に係る光導波路型回折格子の
製造方法における第1の工程に関する第1実施例を説明
する。この第1実施例は、光導波路として光ファイバを
用意し、水素雰囲気で光ファイバを加熱して還元処理す
ることを特徴としている。
【0038】具体的には、図1に示すように、炉心管2
0内に光ファイバ10を設置し、バルブ21側からバル
ブ22に向かって水素(H2 )ガスを気流として通過さ
せつつ、図示しないヒータで炉心管20を高温に加熱す
る。この際、水素ガスの流量は、バルブ21及び22の
開閉によって調節される。
【0039】光ファイバ10は、コア部に酸化ゲルマニ
ウム(GeO2 )を含む通常の石英系光ファイバであ
り、本実施例では、被覆のされていない裸光ファイバで
ある。裸光ファイバとするのは、加熱により被覆が損
傷、劣化するのを防ぐためである。また、炉心管20内
の圧力は、ほぼ1atmである。
【0040】光ファイバ10の加熱温度は、200℃以
上であることが好ましいが、範囲200〜1300℃に
含まれていることがより好ましい。仮に、この加熱温度
が200℃未満の場合、光ファイバ10を構成するガラ
スと水素との反応が遅いので、生産性が向上しない。仮
に、この加熱温度が1300℃を越える場合、光ファイ
バ10を構成するガラスの強度が低減するので、作業性
が悪化する。同様の観点から、加熱温度が400〜90
0℃であると光導波路の還元処理を特に好適に行うこと
ができる。
【0041】なお、加熱温度とは、炉心管20内の水素
雰囲気の温度であり、これは炉心管20内に配設された
熱電対により測定される。
【0042】本実施例のような工程によれば、光ファイ
バ10に添加された水素により光ファイバ10のコア部
にドープされている酸化ゲルマニウムが還元され易くな
り、GeやSiと結合している酸素が一部取り除かれる
現象が発生する。結合酸素が一部取り除かれたGeやS
iが結合しあえば、酸素欠損型の欠陥が新たに生じるこ
ととなり、光導波路のコア部において通常わずかしか存
在しない酸素欠損型の欠陥が増大する。
【0043】次に、本発明に係るファイバ型回折格子の
製造方法における第1の工程に関する第2実施例を説明
する。この第2実施例は、水素雰囲気で光ファイバを加
圧して還元処理することを特徴としている。
【0044】具体的には、図1に示すように、炉心管2
0内に光ファイバ10を設置し、バルブ21を開放する
と共にバルブ22を閉塞して水素(H2 )ガスを流入す
ることにより、炉心管20内を高圧で加圧する。この
際、水素ガスの注入量は、バルブ21の開閉によって調
節される。光ファイバ10は、コア部にゲルマニウム
(Ge)を含む通常の石英系光ファイバであり、二次被
覆までされた光ファイバ心線である。また、水素雰囲気
は特に加熱されているわけではないので、炉心管20内
の温度は常温のままである。
【0045】なお、光ファイバ10に対する圧力は、2
0atm以上であることが好ましいが、範囲20〜30
0atmに含まれていることがより好ましい。仮に、こ
の圧力が20atm未満である場合、光ファイバ10を
構成するガラスと水素との反応が遅いので、生産性が向
上しない。仮に、この圧力が300atmを越える場
合、製造設備に高耐圧性が要求されるので、設備費が高
騰して実用的でなくなる。
【0046】なお、上記の圧力は炉心管20内部の圧力
であり、これは炉心管20に付属の圧力計で測定され
る。
【0047】上記のような工程によれば、第1実施例と
同様に、光ファイバ10に添加された水素により光ファ
イバ10のコア部にドープされている酸化ゲルマニウム
が還元され易くなりGeやSiと結合している酸素が一
部取り除かれる結果、光導波路のコア部において通常わ
ずかしか存在しない酸素欠損型の欠陥が増大する。
【0048】次に、本発明に係るファイバ型回折格子の
製造方法における第2の工程に関する第3実施例を説明
する。この第3実施例は、通常のホログラフィック法に
基づき、上記第1または第2実施例で処理された光ファ
イバ内のコア部に二つの紫外光を干渉させつつ照射し、
屈折率が所定周期で変化した領域を形成することを特徴
としている。
【0049】具体的には、図2に示すように、干渉機構
40を用いて干渉空間50を生成するように、光源30
から出射された紫外光を干渉させ、この干渉空間50に
光ファイバ10を設置する。光源30は、SHG(高調
波発生器)アルゴンレーザやKrFエキシマレーザ等で
あり、所定波長を有するコヒーレントな紫外光を出射す
る。干渉機構40は、ビームスプリッタ41及びミラー
42,43で構成されている。ビームスプリッタ41
は、光源30からの紫外光を二つの分岐光に二分岐させ
る。ミラー42及び43は、ビームスプリッタ41から
の分岐光をそれぞれ反射し、光ファイバ10の軸方向に
対して所定角度θ1 ,θ2 でそれぞれ入射して共面ビー
ムとして相互に干渉させる。光ファイバ10は、シリカ
ガラスからなるクラッド部11及びコア部12で構成さ
れている。コア部12は、上述したように酸化ゲルマニ
ウムがドープされており、クラッド部11と比較して高
屈折率を有する。なお、二つの分岐光の入射角度θ1
びθ2 は相互に補角であり、これらの和(θ1 +θ2
は180°になる。
【0050】このような工程によれば、光ファイバ10
に所定波長の紫外光を照射するので、酸化ゲルマニウム
をドープしたコア部12における露光領域の屈折率が変
化する。現在、このような紫外光照射による屈折率変化
のメカニズムは、完全に解明されてはいない。しかしな
がら、これを説明するものとして、クラマース・クロー
ニッヒ機構、双極子モデル及び圧縮モデルなどが一般に
提案されている。ここでは、クラマース・クローニッヒ
機構に基づいて説明を行う。
【0051】光ファイバ10内のコア部12には、Ge
に関連した酸素欠損型の欠陥が通常わずかに存在してい
る。ここで、欠陥をGe−Siの中性酸素モノ空孔で代
表すると、その欠陥は紫外光照射によって Ge−Si → Ge・+Si+ +e- (1) で示すように転化する。この反応で放出された電子は転
化した欠陥の周辺に位置するGeにトラップされるの
で、コア部12の光吸収特性が変化する。このような欠
陥における吸収スペクトルによると、紫外光照射前には
波長240〜250nm付近にピークが現れるが、紫外
線照射後には波長210nm付近及び280nm付近に
ピークが遷移することが確認されている。この遷移によ
りコア部の屈折率が変化すると考えられている。なお、
周知なクラマース・クローニッヒの関係式に基づき、欠
陥の吸収スペクトル変化から見積ったコア部12におけ
る屈折率変化の値は、反射率の測定値から算出した屈折
率変化の値に良く一致している。
【0052】上記第1または第2実施例で還元処理され
た光ファイバ10のコア部12では、上述したように通
常わずかしか存在しない酸素欠損型の欠陥が増大してい
るので、紫外光の露光領域における屈折率変化が大きく
なる。これに加えて、紫外光がコア部に照射されると、
酸素が取り除かれたGeやSi、あるいは通常のGe−
O−Siのような結合と、光導波路に添加された水素と
が反応して、Ge−H,Ge−OH,Si−H,Si−
OHという結合が形成される。本出願の発明者らは、こ
れらの結合が新たな光吸収帯を形成することにより、紫
外光照射による屈折率変化が高まると推察する。したが
って、本発明の方法によれば、酸素欠損型欠陥の増大に
よる効果と添加水素の反応により生成された新たな結合
(Ge−H等)による効果とが相舞って、紫外光の露光
領域における屈折率変化が10-4〜10-3程度に大きく
なる。
【0053】本実施例では、二つのコヒーレントな紫外
光を光ファイバ10の軸方向に対する角度θ1 ,θ
2 (=180°−θ1 )で入射して干渉させている。そ
のため、光ファイバ10の径方向に対するコヒーレント
な紫外光の入射角度θ(=90°−θ1 )と紫外光の波
長λとを用い、干渉空間50における干渉縞の間隔Λ
は、 Λ=λ/(2sinθ) (2) となる。したがって、コア部12の露光領域には、異な
る屈折率を有する領域が干渉縞の間隔Λを周期として光
ファイバ10の軸方向に配列されるので、格子13が形
成されることになる。
【0054】周知なブラッグの回折条件に基づいてコア
部12の屈折率nと格子13の周期Λとを用い、このフ
ァイバ型回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =λn/sinθ (3) となる。また、格子13の長さLと屈折率差Δnとを用
い、このファイバ型回折格子の反射率Rは、 R=tanh2 (LπΔn/λR ) (4) となる。したがって、光ファイバ10のコア部12で
は、格子13が10-4〜10-3程度の大きい屈折率変化
で形成されているので、反射波長λR の反射率が100
%近い値に達する。
【0055】なお、このようなホログラフィック法で
は、光源30としては干渉性の良好なレーザが必要であ
る。また、高精度の位置調整や安定性が必要となる。
【0056】次に、本発明に係るファイバ型回折格子の
作製方法における第2の工程に関する第4実施例を説明
する。この第4実施例は、通常の位相格子法に基づき、
上記第1または第2実施例で処理された光ファイバ内の
コア部に紫外光を位相格子を介して干渉させつつ照射
し、屈折率が光軸に沿って所定周期で変化した領域を形
成することを特徴としている。
【0057】具体的には、図3に示すように、光ファイ
バ10を位相格子60に隣接して設置し、光源30から
出射された紫外光を位相格子60表面の法線方向に対し
て所定角度θで入射させる。光源30は、SHGアルゴ
ンレーザやKrFエキシマレーザ等であり、これらは所
定波長を有するコヒーレントな紫外光を出射する。位相
格子60は、所定周期で格子を配列して形成されてい
る。光ファイバ10は、シリカガラスからなるクラッド
部11及びコア部12で構成されている。コア部12
は、上述したように酸化ゲルマニウムがドープされてお
り、クラッド部11と比較して高屈折率を有する。
【0058】このような工程によれば、光ファイバ10
に所定波長の紫外光を照射するので、酸化ゲルマニウム
をドープしたコア部12における露光領域の屈折率が変
化する。現在、このような紫外光照射による屈折率変化
のメカニズムは、完全に解明されてはいない。しかしな
がら、この屈折率変化には、ファイバ10のコア部12
に通常わずかに存在しているGeに関連した酸素欠損型
の欠陥が関与していると、一般に推定されている。これ
を説明するクラマース・クローニッヒ機構については、
上記第3実施例において説明している。
【0059】ここで、上記第1または第2実施例で還元
処理された光ファイバ10のコア部12では、通常わず
かしか存在しない酸素欠損型の欠陥が増大しているの
で、紫外光の露光領域における屈折率変化が大きくな
る。
【0060】また、格子が所定間隔Λ´で配列された位
相格子60表面の法線方向に対して紫外光を角度θで照
射して干渉させている。そのため、コア部12の露光領
域における干渉縞の間隔Λは、 Λ=Λ´ (5) となる。したがって、コア部12の露光領域には、異な
る屈折率を有する領域が干渉縞の間隔Λを周期として光
ファイバ10の軸方向に配列されるので、格子13が形
成されることになる。
【0061】周知なブラッグの回折条件に基づいてコア
部12の屈折率nと格子13の周期Λとを用い、このフ
ァイバ型回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =2nΛ´ (6) となる。また、格子13の長さLと屈折率差Δnとを用
い、このファイバ型回折格子の反射率Rは、上述した式
(4)に示すようになる。したがって、光ファイバ10
のコア部12では、格子13が10-4〜10-3程度の大
きい屈折率変化で形成されているので、反射波長λR
反射率が100%近い値に達する。
【0062】なお、このような位相格子法によれば、上
述したホログラフィック法に要求される位置調整や安定
性の条件が緩和される。また、通常のリソグラフィ技術
や化学エッチングにより、格子の周期を自由に選択する
ことができるので、複雑な形状も実現可能である。
【0063】次に、ファイバ型回折格子の反射率測定を
行うシステムの一実施例を説明する。このシステムは、
本発明に係る作製方法で形成されたファイバ型回折格子
に特定波長の光成分を含む光を入射し、そのファイバ型
回折格子からの反射光のスペクトルを測定することを特
徴としている。
【0064】具体的には、図4に示すように、このシス
テムは、光源70、光ファイバ10及び光スペクトルア
ナライザ90を光カプラ80で光結合して構成されてい
る。光ファイバ10は、上記第1または第2実施例及び
第3または第4実施例で形成した格子(グレーティン
グ)13を有するファイバ型回折格子である。光源70
は通常の発光ダイオード等であり、光ファイバ10にお
ける反射波長λR を有する光成分を含む光を出射する。
光カプラ80は通常の溶融延伸型ファイバカプラであ
り、光源70からの入射光を光ファイバ10に出力する
と共に光ファイバ10からの反射光を光スペクトルアナ
ライザ90に出力する。光スペクトルアナライザ90
は、光ファイバ10からの反射光における波長と光強度
との関係を検出する。なお、光ファイバ10の開放端
は、マッチングオイル100中に浸されている。このマ
ッチングオイル100は、通常の屈折率整合液であり、
不要な反射光成分を除去している。
【0065】このような構成によれば、光源70から出
射された光は、光カプラ80を介して光ファイバ10に
入射する。光ファイバ10では、コア部12に形成され
ている格子13が特定波長の光成分を反射する。光ファ
イバ10から出射された光は、光カプラ80を介して光
スペクトルアナライザ90で受光される。光スペクトル
アナライザ90では、波長と光強度とからなる光ファイ
バ10の反射スペクトルが検出される。
【0066】次に、本発明に係るファイバ型回折格子の
作製方法における第1実験例を説明する。この第1実験
例は、第1の工程を上記第1実施例に基づくと共に、第
2の工程を上記第3実施例に基づいて行ったものであ
る。
【0067】光ファイバ型回折格子の作製条件を以下に
示す。ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであっ
て、光源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0068】 コア部におけるGe濃度:10wt% 加熱温度 :700℃ 加熱時間 :2.3時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、炉心管内の圧力は、ほぼ大気圧と等しく、約1a
tmである。
【0069】光ファイバ10における反射スペクトルの
測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクトル測定
は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリアルタ
イムに行い、照射開始から約60分後に反射効率のピー
クを得た。
【0070】最大反射率 :90.3% 次に、本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法にお
ける第2実験例を説明する。この第2実験例は、第1の
工程を上記第1実施例に基づくと共に、第2の工程を上
記第3実施例に基づいて行ったものである。
【0071】光ファイバ10の作製条件を以下に示す。
ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであって、光
源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0072】 コア部におけるGe濃度:10wt% 加熱温度 :500℃ 加熱時間 :2.3時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、炉心管内の圧力は、ほぼ大気圧と等しく、約1a
tmである。
【0073】光ファイバ10における反射スペクトルの
測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクトル測定
は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリアルタ
イムに行った。
【0074】最大反射率 :70% 第1および第2実施例に示されるように、加熱による還
元処理によれば、還元処理に要する時間、すなわち加熱
時間が2.3時間と短いにもかかわらず、十分に高反射
率のファイバ型回折格子を作製することができる。
【0075】なお、図5に、本発明に係る作製方法で形
成されたファイバ型回折格子における加熱温度と反射率
との関係を示す。ここで、図示された測定値には上記第
1及び第2実験例による結果が含まれている。
【0076】次に、本発明に係るファイバ型回折格子の
作製方法における第3実験例を説明する。この第3実験
例は、第1の工程を上記第2実施例に基づくと共に、第
2の工程を上記第3実施例に基づいて行ったものであ
る。
【0077】光ファイバ10の作製条件を以下に示す。
ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであって、光
源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0078】 コア部におけるGe濃度:10wt% ガス圧力 :100atm 加圧時間 :168時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、加圧時の炉心管内の温度は室温(約25℃)のま
まである。
【0079】光ファイバ10における反射スペクトルの
測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクトル測定
は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリアルタ
イムに行い、照射開始から約60分後に反射効率のピー
クを得た。
【0080】最大反射率 :80.5% 次に、本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法にお
ける第4実験例を説明する。この第4実験例は、第1の
工程を上記第2実施例に基づくと共に、第2の工程を上
記第3実施例に基づいて行ったものである。
【0081】光ファイバ10の作製条件を以下に示す。
ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであって、光
源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0082】 コア部におけるGe濃度:10wt% ガス圧力 :200atm 加圧時間 :168時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、加圧時の炉心管内の温度は室温(約25℃)のま
まである。
【0083】光ファイバ10における反射スペクトルの
測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクトル測定
は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリアルタ
イムに行った。
【0084】最大反射率 :92.0% 第3および第4実施例に示されるように、加圧による還
元処理によれば、加熱による場合に比べて、全体として
より高反射率のファイバ型回折格子を作製することがで
きる。
【0085】次に、上記第1ないし第4実験例に対する
比較例を説明する。この比較例は、第1の工程を実施し
ていないことを除き、第2の工程を上記第1ないし第4
実験例と同様にして行ったものである。
【0086】光ファイバ10における反射スペクトルの
測定結果を以下に示す。
【0087】最大反射率 :約10% 本発明に係る光導波路型回折格子の作製方法は、上記諸
実施例に限られるものではなく、種々の変形を行うこと
が可能である。
【0088】例えば、上記第1または第2実施例では、
光ファイバのほぼ全体を対象、にして還元処理を行って
いるが、上記第3または第4実施例における紫外線の露
光領域をあらかじめ選択することにより、その露光領域
のみを還元処理しても、同様な作用効果が得られる。
【0089】また、上記第3または第4実施例では、単
一の光源に対して単一の干渉手段を用いて紫外光の照射
を行っている。しかしながら、複数の光源または複数の
干渉手段を用いることにより、相互に周期が異なる複数
の格子を形成すると、歪みセンサや情報メモリとして機
能するファイバ型回折格子を作製することができる。
【0090】さらに、上記第3または第4実施例では、
紫外光の照射をホログラフィック法や位相格子法によっ
て行うことにより、一括して干渉縞を生成している。し
かしながら、紫外光の直接照射によって個々の縞を順次
生成することにより、回折格子構造を形成することもで
きる。
【0091】また、上記の実施例では、光ファイバに水
素還元処理を施し、この光ファイバの所定領域に格子を
形成しているが、光ファイバ以外の光導波路として薄膜
導波路を用いても良い。薄膜導波路にも各種あるが、そ
のコア部が下部クラッド層および上部クラッド層により
被覆されているものは、下部クラッド層の上にコア部が
形成された後、上部クラッド層を積層する前に、水素還
元処理を施すと良い。この後、紫外光照射を行ってコア
部の所定領域に格子を形成してから上部クラッド層を積
層すれば、薄膜導波路型の回折格子が得られる。
【0092】次に、本出願の発明者らは、光導波路内に
添加される水素の濃度に着目した。すなわち、水素が添
加された光導波路に紫外光が照射されると、添加水素が
光導波路材料中のゲルマニウム、シリカ、酸素と反応し
て、Ge−H,Ge−OH,Si−H,Si−OHとい
う新たな結合を形成する。ここで、本出願の発明者ら
は、これらの結合が新たな光吸収帯を形成することに起
因して、光導波路のコア部に水素を添加することによ
り、紫外光照射による屈折率変化が高まることを見出だ
した。
【0093】水素の添加による屈折率変化は、光導波路
のコア部に添加される水素の量が多い程、大きくなると
推察される。そこで、本発明者らは、様々な濃度の水素
を光ファイバのコア部に添加してから、紫外光を照射
し、得られたファイバ型回折格子の反射率を調べて、水
素の添加濃度とその効果との関係を調査した。
【0094】ここで、水素の添加は、上記第2実施例と
同様の方法により、水素雰囲気で光ファイバを加圧して
行う。添加濃度は、加圧圧力に応じて調節することがで
きる。紫外光の照射は、第3実施例と同様にホログラフ
ィック法を用いて行う。光ファイバ型回折格子作製の諸
条件は以下に示す通りである。
【0095】 コア部におけるGe濃度:6.65wt% 加圧時間 :1000時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、加圧時の炉心管内の温度は室温(約25℃)のま
まである。
【0096】図6は、調査結果を示すグラフである。こ
のグラフに示されるように、水素(H2 )無添加の光フ
ァイバでは反射率は20%であるが、コア部に添加され
た水素濃度が増加するにつれて反射率が上昇し、500
ppmで反射率30%、1000ppmで反射率50
%、3000ppm以上では反射率99%に達すること
が分かった。なお、1ppmは、1モルのSiO2 に1
-6モルの水素が含まれていることを表す。
【0097】次に、紫外光を照射して反射率が飽和する
までの照射時間の水素濃度依存性を調べた。図7は、こ
の結果を示すグラフである。このグラフに示されるよう
に、水素濃度の増加とともに必要な照射時間は減少し、
20000ppmにおいて10分まで短縮される。これ
は、水素無添加の光ファイバに要する時間のほぼ20分
の1に相当する。さらに高濃度では、照射時間が短くな
り、48000ppmで1分となったところで照射時間
の短縮化傾向が飽和した。
【0098】以上の結果によれば、コア部の水素濃度が
500ppm以上であると、反射率上昇の効果が著し
い。さらに、50%以上の反射率を得るためには、水素
濃度が1000ppm以上であることが、また、90%
以上の極めて高い反射率を得るためには、水素濃度が2
000ppm以上であることが必要である。さらに高い
反射率99%を得るためには、水素濃度が3000pp
m以上であることが必要である。一方、水素濃度が48
000ppm以上では紫外光照射時間の短縮効果が飽和
しており、反射率上昇の効果も既に飽和しているので、
これ以上水素添加濃度を増やしても意義は少ないと思わ
れる。したがって、光導波路のコア部に含まれる水素の
濃度は、約500ppm以上であることが好ましく、特
に、約500〜約48000ppmの範囲にあることが
適当である。
【0099】なお、上記の水素濃度は以下の方法により
推定されたものである。次の表1は、この水素濃度推定
に当たって用いるもので、ロッド径1mmの石英ガラス
への水素の溶解度を示すものである。
【0100】
【表1】
【0101】水素濃度推定に当たっては、まず、表1の
データに基づき、温度と拡散度との関係を比例関係と見
なし、最小二乗法を用いて、ほぼ常温の20℃(293
K)における石英ガラスに対する水素の溶解度を算出す
る。これをppm単位に換算すると、20℃における飽
和水素濃度が約121ppmと求まる。
【0102】ゲルマニウムがドープされたコアを有する
20℃の光ファイバに関して、波長1.24μm光の水
素分子による吸収損失は約6dB/kmであることが分
かっている。このことから、20℃の光ファイバにおい
て、吸収損失1dB/km当たりの水素濃度は、 121/6=約20ppm/(dB/km) と求まる。
【0103】続いて、水素が添加された光ファイバ(温
度20℃)の損失スペクトルを測定し、水素分子に起因
する波長1.24μmの吸収ピークが示す損失値[dB
/km]を求める。この損失値に吸収損失1dB/km
当たりの水素濃度20ppm/(dB/km)を掛ける
ことにより、添加水素濃度[ppm]が求まる。すなわ
ち、1.24μm光の損失値を20倍したものが上記し
た添加水素濃度の推定値である。
【0104】図8は、水素雰囲気の圧力、すなわち光フ
ァイバに対する加圧圧力と、添加される水素濃度との関
係を示すグラフである。このグラフに示されるように、
加圧圧力と添加水素濃度とは、ほぼ比例関係にある。グ
ラフの通り、500ppmを添加するには約4.17a
tmの圧力が必要であり、48000ppmを添加する
には約400atmの圧力が必要である。したがって、
加圧圧力は、約4.17atm以上であることが好まし
く、特に、約4.17〜約400atmの範囲にあるこ
とが適当である。
【0105】また、反射率50%以上を得るためには約
8.34atm以上の圧力が、反射率90%以上を得る
ためには約16.7atm以上の圧力が適当であり、反
射率99%以上を得るためには約25.0atm以上の
圧力が適当である。
【0106】次に、コア部の水素濃度に着目してファイ
バ型の回折格子を作製した第5〜第7実験例について説
明する。
【0107】第5実験例は、第1の工程を上記第2実施
例に基づくと共に、第2の工程を上記第3実施例に基づ
いて行ったものである。
【0108】ファイバ型回折格子の作製条件を以下に示
す。ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであっ
て、光源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0109】 コア部におけるGe濃度:6.65wt% 加圧圧力 :50atm 加圧時間 :1000時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、炉心管内の温度は室温(約25℃)のままであ
る。
【0110】この条件で添加される水素の濃度は、前述
の方法により約8000ppmと推定された。
【0111】得られたファイバ型回折格子の反射スペク
トルの測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクトル
測定は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリア
ルタイムに行い、照射開始から約20分後に反射効率の
ピークを得た。これによれば、反射率は99.5%であ
り、極めて良好な結果が得られた。
【0112】第6実験例は、第1の工程を第2実施例に
基づくと共に、第2の工程を第3実施例に基づいて行っ
たものである。
【0113】光ファイバ型回折格子の作製条件を以下に
示す。ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであっ
て、光源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0114】 コア部におけるGe濃度:6.65wt% 加圧圧力 :200atm 加圧時間 :1000時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、炉心管内の温度は室温(約25℃)のままであ
る。
【0115】この条件で添加される水素の濃度は、上記
と同様の方法により、約32000ppmと推定され
た。
【0116】得られた光ファイバ型回折格子の反射スペ
クトルの測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクト
ル測定は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリ
アルタイムに行い、照射開始から約8分後に反射効率の
ピークを得た。これによれば、反射率は99.9%であ
り、極めて良好な結果が得られた。
【0117】次に、第7実験例は、第1の工程を第2実
施例に基づくと共に、第2の工程を第3実施例に基づい
て行ったものである。
【0118】光ファイバ型回折格子の作製条件を以下に
示す。ただし、光源30はSHGアルゴンレーザであっ
て、光源30からの紫外光を一点で干渉させた。
【0119】 コア部におけるGe濃度:6.65wt% 加圧圧力 :250atm 加圧時間 :1000時間 紫外光の波長 :244nm 紫外光の入射角度 :74.0°,106.0° また、炉心管内の温度は室温(約25℃)のままであ
る。
【0120】この条件で添加される水素の濃度は、上記
と同様の方法により、約40000ppmと推定され
た。
【0121】得られた光ファイバ型回折格子の反射スペ
クトルの測定結果を以下に示す。ただし、反射スペクト
ル測定は、紫外光照射による格子13の形成に伴ってリ
アルタイムに行い、照射開始から約5分後に反射効率の
ピークを得た。これによれば、反射率は99.9%であ
り、極めて良好な結果が得られた。
【0122】第5〜第7実施例に示されるように、水素
添加処理(上記実施例では、加圧処理)を十分に行え
ば、ほぼ100%に近い反射率を有する光ファイバ型回
折格子を作製することができる。
【0123】なお、上記の実施例では、光ファイバに加
圧処理を施すことにより、光ファイバ中に水素を添加し
ているが、水素添加処理はこれだけに限定されるもので
はない。
【0124】また、上記の実施例では、光ファイバに水
素添加処理を施し、この光ファイバの所定領域に格子を
形成しているが、光ファイバ以外の光導波路として薄膜
導波路を用いても良い。コア部が下部クラッド層および
上部クラッド層により被覆されている薄膜導波路は、下
部クラッド層の上にコア部が形成された後、上部クラッ
ド層を積層する前に、水素添加処理を施すと良い。この
後、紫外光照射を行ってコア部の所定領域に格子を形成
してから上部クラッド層を積層すれば、薄膜導波路型の
回折格子が得られる。
【0125】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本出願の
発明者らは、酸化ゲルマニウムをドープした光導波路に
水素を添加することにより、紫外光照射による屈折率変
化が増大することを見出だした。また、酸化ゲルマニウ
ムをドープした石英系光導波路に通常わずかしか存在し
ない酸素欠損型の欠陥を増大させることにより、紫外光
照射による屈折率変化が増大するであろうと推定した。
【0126】本発明の光導波路型回折格子の作製方法に
よれば、第1の工程において、光導波路のコア部に水素
が添加され、続いて、第2の工程において、紫外光がコ
ア部における複数の所定領域に照射されるので、酸素欠
損型の欠陥が増大するとともに水素の反応による新しい
結合が生じる。これらによって、前記所定領域では極め
て大きな屈折率変化が生じる。
【0127】これにより、光導波路のコア部に屈折率が
局部的に大きく変化した領域を光軸に沿って配列して格
子(グレーティング)を形成することができるので、こ
の光導波路を進行する光のうち、屈折率変化の周期に対
応した特定波長の光成分が極めて高反射率で反射され
る。したがって、本発明の方法によれば、極めて高い反
射率を有する光導波路型回折格子を作製することができ
る。
【0128】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路によれば、上述した作製方法における第
1の工程によって光導波路内のコア部に水素を添加して
形成されているので、紫外光が照射されると、照射領域
の屈折率が大きく変化する。そのため、この光導波路
は、ホログラッフィック法や位相格子法などによって形
成する極めて高性能な光導波路型回折格子の作製用部材
として利用することができる。
【0129】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路のうち、水素雰囲気で光導波路を還元処
理することにより水素が添加されたコア部を有するもの
は、コア部において酸素欠損型の欠陥が増大しており、
また、これに紫外光が照射されると、Ge−H,Ge−
OH,Si−H,Si−OHという結合が形成される。
これにより、紫外光の照射領域の屈折率が大きく変化す
るので、この作製用光導波路は、ホログラッフィク法や
位相格子法などによって形成する高性能な光導波路型回
折格子の作製用部材として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第1の工程を示す構成図である。
【図2】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第2の工程を示す構成図である。
【図3】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第2の工程を示す構成図である。
【図4】本発明に係る作製方法で形成されたファイバ型
回折格子における反射率測定を行うシステムを示す構成
図である。
【図5】本発明に係る作製方法で形成されたファイバ型
回折格子における加熱温度と反射率との関係を示すグラ
フである。
【図6】光ファイバに添加する水素の濃度と得られるフ
ァイバ型回折格子の反射率との関係を示すグラフであ
る。
【図7】光ファイバに添加する水素の濃度と反射率が飽
和するまでの紫外光照射時間との関係を示すグラフであ
る。
【図8】水素雰囲気の圧力と光ファイバに添加される水
素の濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…光ファイバ、11…クラッド部、12…コア部、
13…格子、20…炉心管、21,22…バルブ、3
0,70…光源、40…干渉機構、41…ビームスプリ
ッタ、42,43…ミラー、50…干渉空間、60…位
相格子、80…光カプラ、90…光スペクトルアナライ
ザ、100…マッチングオイル。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路のコア部に水素を添加する第1
    の工程と、 この光導波路の前記コア部における複数の所定領域に紫
    外光を照射し、この所定領域の屈折率を変化させる第2
    の工程と、 を備えることを特徴とする光導波路型回折格子の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は、前記光導波路を水素
    雰囲気で還元処理する工程であることを特徴とする請求
    項1記載の光導波路型回折格子の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程における前記光導波路の
    還元処理は、前記水素雰囲気で該光導波路を加熱して行
    うことを特徴とする請求項2記載の光導波路型回折格子
    の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記光導波路は、温度200〜1300
    ℃に加熱されていることを特徴とする請求項3記載の光
    導波路型回折格子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程における前記光導波路の
    還元処理は、前記水素雰囲気で該光導波路を加圧して行
    うことを特徴とする請求項2記載の光導波路型回折格子
    の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程により光導波路に添加さ
    れる水素の濃度は、500ppm以上であることを特徴
    とする請求項1記載の光導波路型回折格子の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程は、水素雰囲気で前記光
    導波路を4.17atm以上の圧力で加圧する工程であ
    ることを特徴とする請求項6記載の光導波路型回折格子
    の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記光導波路の前記コア部は、酸化ゲル
    マニウムがドープされた石英ガラスからなることを特徴
    とする請求項1記載の光導波路型回折格子の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程は、コヒーレント光源か
    らの紫外光を干渉させて生じた干渉縞を前記コア部の所
    定領域に照射する工程であることを特徴とする請求項1
    記載の光導波路型回折格子の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記紫外光の干渉縞は、前記紫外光を
    2つの分岐光に分岐し、一方の分岐光を前記光導波路の
    光軸方向に対して第1角度で前記所定領域に照射すると
    共に、他方の分岐光を前記光軸方向に対して前記第1角
    度の補角となる第2角度で前記所定領域に照射して形成
    することを特徴する請求項9記載の光導波路型回折格子
    の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記紫外光の干渉縞は、前記紫外光を
    所定周期で配列された格子を有する位相格子に照射し
    て、これを透過させることにより生じたものであること
    を特徴とする請求項10記載の光導波路型回折格子の作
    製方法。
  12. 【請求項12】 水素が添加されたコア部を有すること
    特徴とする回折格子作製用光導波路。
  13. 【請求項13】 前記コア部に添加されている水素の濃
    度が500ppm以上であることを特徴とする請求項1
    2記載の回折格子作製用光導波路。
  14. 【請求項14】 前記コア部の水素は、光導波路を水素
    雰囲気で還元処理することにより添加されたものである
    ことを特徴とする請求項12記載の回折格子作製用光導
    波路。
JP6271243A 1994-01-14 1994-11-04 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 Pending JPH07244210A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6271243A JPH07244210A (ja) 1994-01-14 1994-11-04 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP265094 1994-01-14
JP6-2650 1994-01-14
JP6271243A JPH07244210A (ja) 1994-01-14 1994-11-04 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07244210A true JPH07244210A (ja) 1995-09-19

Family

ID=26336094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6271243A Pending JPH07244210A (ja) 1994-01-14 1994-11-04 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07244210A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09325227A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Fujikura Ltd 光導波路グレーティング
EP0813080A2 (en) * 1996-06-10 1997-12-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical fiber grating and method of manufacturing the same
WO1999047973A1 (fr) * 1998-03-16 1999-09-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Procede de production d'un materiau de regulation des ondes lumineuses et materiau de regulation des ondes lumineuses ainsi produit
US6146713A (en) * 1999-03-25 2000-11-14 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including Bragg gratings and methods of making
US6233381B1 (en) 1997-07-25 2001-05-15 Corning Incorporated Photoinduced grating in oxynitride glass
WO2002006875A1 (en) * 2000-07-14 2002-01-24 3M Innovative Properties Company Accelerated method for increasing the photosensitivity of a glassy material
US6549706B2 (en) 1997-07-25 2003-04-15 Corning Incorporated Photoinduced grating in oxynitride glass
KR100415711B1 (ko) * 2001-10-16 2004-01-24 학교법인 성균관대학 광감도차에 의한 광도파로 격자 제작방법
US6763686B2 (en) 1996-10-23 2004-07-20 3M Innovative Properties Company Method for selective photosensitization of optical fiber

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09325227A (ja) * 1996-06-06 1997-12-16 Fujikura Ltd 光導波路グレーティング
EP0813080A2 (en) * 1996-06-10 1997-12-17 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical fiber grating and method of manufacturing the same
EP0813080A3 (en) * 1996-06-10 1998-08-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Optical fiber grating and method of manufacturing the same
US6763686B2 (en) 1996-10-23 2004-07-20 3M Innovative Properties Company Method for selective photosensitization of optical fiber
US6233381B1 (en) 1997-07-25 2001-05-15 Corning Incorporated Photoinduced grating in oxynitride glass
US6653051B2 (en) 1997-07-25 2003-11-25 Corning Incorporated Photoinduced grating in oxynitride glass
US6549706B2 (en) 1997-07-25 2003-04-15 Corning Incorporated Photoinduced grating in oxynitride glass
WO1999047973A1 (fr) * 1998-03-16 1999-09-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Procede de production d'un materiau de regulation des ondes lumineuses et materiau de regulation des ondes lumineuses ainsi produit
US6327406B1 (en) 1999-03-25 2001-12-04 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including Bragg gratings and methods of making
US6238729B1 (en) 1999-03-25 2001-05-29 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including bragg gratings and methods of making
US6238485B1 (en) 1999-03-25 2001-05-29 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including bragg gratings and methods of making
US6702897B2 (en) 1999-03-25 2004-03-09 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including bragg gratings and methods of making
US6146713A (en) * 1999-03-25 2000-11-14 Acme Grating Ventures, Llc Optical transmission systems and apparatuses including Bragg gratings and methods of making
WO2002006875A1 (en) * 2000-07-14 2002-01-24 3M Innovative Properties Company Accelerated method for increasing the photosensitivity of a glassy material
JP2004509361A (ja) * 2000-07-14 2004-03-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ガラス材料の感光性を増大させるための促進方法
KR100415711B1 (ko) * 2001-10-16 2004-01-24 학교법인 성균관대학 광감도차에 의한 광도파로 격자 제작방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5287427A (en) Method of making an article comprising an optical component, and article comprising the component
US5500031A (en) Method for increasing the index of refraction of a glassy material
KR100402070B1 (ko) 광파이버형 회절격자 및 그의 제조방법
JP3462051B2 (ja) 光ファイバ屈折率グレーティングの製造方法と、光ファイバ屈折率グレーティングを含む光ファイバ通信システムと、光ファイバセンサ
JP3270353B2 (ja) 光導波路の製造方法
KR100487888B1 (ko) 광학수단을 제공하는 방법 및 광학수단을 형성하는 프로세스
US6653051B2 (en) Photoinduced grating in oxynitride glass
JPH07244210A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路
JPH1082919A (ja) ファイバグレーティングの作成方法及び光ファイバ
JPH08286054A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
EP0622343B1 (en) Method for increasing the index of refraction of a glassy material
Shin et al. High strength coupling and low polarization-dependent long-period fiber gratings based on the helicoidal structure
JPH08286053A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路
JPH08286039A (ja) 光ファイバ型回折格子の作製方法
JPH08286012A (ja) 光ファイバ型回折格子の作製方法
JPH08286017A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JPH08286013A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JP2001194549A (ja) 光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイス
US6549706B2 (en) Photoinduced grating in oxynitride glass
JPH08286051A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JP3596080B2 (ja) 光ファイバ型回折格子作製用光ファイバ母材の製造方法
Hibino et al. Optical frequency tuning by laser-irradiation in silica-based March-Zehnder-type multi/demultiplexers
JPH08286052A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JPH08286057A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JPH09211246A (ja) 導波路型回折格子の製造方法