JP2001194549A - 光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイス - Google Patents
光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイスInfo
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- JP2001194549A JP2001194549A JP2000057149A JP2000057149A JP2001194549A JP 2001194549 A JP2001194549 A JP 2001194549A JP 2000057149 A JP2000057149 A JP 2000057149A JP 2000057149 A JP2000057149 A JP 2000057149A JP 2001194549 A JP2001194549 A JP 2001194549A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光導波路装置の実質的に全体における複屈折
を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるように
制御する。 【解決手段】 平面光波回路1,1a,1b,1cに形
成された光導波路2a,2b,2c,2dの実質的に全
体に紫外光を照射することにより、光導波路2a,2
b,2c,2dの複屈折を低減又は増大させるように制
御する。また、光ファイバケーブル50である光導波路
の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上記光
導波路の複屈折を増大させるように制御する。ここで、
上記複屈折を制御するステップの前又は後に、光導波路
の一部に別の紫外光を照射することによりグレーティン
グ5a,5bを形成する。
を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるように
制御する。 【解決手段】 平面光波回路1,1a,1b,1cに形
成された光導波路2a,2b,2c,2dの実質的に全
体に紫外光を照射することにより、光導波路2a,2
b,2c,2dの複屈折を低減又は増大させるように制
御する。また、光ファイバケーブル50である光導波路
の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上記光
導波路の複屈折を増大させるように制御する。ここで、
上記複屈折を制御するステップの前又は後に、光導波路
の一部に別の紫外光を照射することによりグレーティン
グ5a,5bを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムに
用いられる平面光波回路や光ファイバケーブルなどの光
導波路装置に関し、特に、偏波特性が重要な用途に用い
られる光導波路装置の複屈折を減少又は増加させる光導
波路装置の複屈折制御方法、及び当該複屈折制御方法を
用いた光導波路装置及びグレーティングデバイスに関す
る。
用いられる平面光波回路や光ファイバケーブルなどの光
導波路装置に関し、特に、偏波特性が重要な用途に用い
られる光導波路装置の複屈折を減少又は増加させる光導
波路装置の複屈折制御方法、及び当該複屈折制御方法を
用いた光導波路装置及びグレーティングデバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】平面光波回路(Planar Lightwave Circu
it;以下、PLCという。)は、SiやSiO2などの
基板上にSiO2を主成分とする光導波路を化学的気相
析出法(Chemical Vapor Deposition;以下、CVD法
という。)や火炎堆積法(Flame Hydrolysis Depositio
n;以下、FHD法という。)あるいは電子ビーム蒸着
法などの成膜プロセスと、反応性イオンエッチング(Re
active Ion Etching;以下、RIE法という。)などの
エッチングプロセスにより形成したものである。このよ
うなPLCの製造方法及びPLCを用いた光デバイス
が、例えば、従来技術文献1「オプトロニクス(OPT
RONICS),No.4,pp.150−157,1
999年4月」に開示されている。
it;以下、PLCという。)は、SiやSiO2などの
基板上にSiO2を主成分とする光導波路を化学的気相
析出法(Chemical Vapor Deposition;以下、CVD法
という。)や火炎堆積法(Flame Hydrolysis Depositio
n;以下、FHD法という。)あるいは電子ビーム蒸着
法などの成膜プロセスと、反応性イオンエッチング(Re
active Ion Etching;以下、RIE法という。)などの
エッチングプロセスにより形成したものである。このよ
うなPLCの製造方法及びPLCを用いた光デバイス
が、例えば、従来技術文献1「オプトロニクス(OPT
RONICS),No.4,pp.150−157,1
999年4月」に開示されている。
【0003】従来例1及び2.図25は、従来例1の平
面光波回路(PLC)101の構成を示す縦断面図であ
り、図26乃至図32は、図25の平面光波回路(PL
C)101を製造するための製造方法を示す複数の工程
を示す縦断面図である。これらの従来例は、例えば、上
述の従来技術文献1において開示されている。
面光波回路(PLC)101の構成を示す縦断面図であ
り、図26乃至図32は、図25の平面光波回路(PL
C)101を製造するための製造方法を示す複数の工程
を示す縦断面図である。これらの従来例は、例えば、上
述の従来技術文献1において開示されている。
【0004】図25のPLC101は次のようにして構
成される。図25において、SiO 2又はSiなどの基
板14上に光を伝搬するためのコア15が形成され、コ
ア15の周囲にクラッド16が形成される。コア15及
びクラッド16はSiO2を主成分とする材料で構成さ
れるが、コア15の内部に光を閉じ込めるために、コア
15はクラッド16より屈折率が大きくなるように、コ
ア15にはGeなどの元素が添加される。また、コア1
5とクラッド16には成膜特性や温度特性など様々な特
性に合わせ、その他の元素が添加されることもある。
成される。図25において、SiO 2又はSiなどの基
板14上に光を伝搬するためのコア15が形成され、コ
ア15の周囲にクラッド16が形成される。コア15及
びクラッド16はSiO2を主成分とする材料で構成さ
れるが、コア15の内部に光を閉じ込めるために、コア
15はクラッド16より屈折率が大きくなるように、コ
ア15にはGeなどの元素が添加される。また、コア1
5とクラッド16には成膜特性や温度特性など様々な特
性に合わせ、その他の元素が添加されることもある。
【0005】また、基板14がSiのようにコア15よ
り屈折率が大きな材料のときには、図33の従来例2の
ように基板14とコア15の間にバッファ層17が設け
られる。バッファ層17はアンダークラッドとも呼ば
れ、その場合クラッド16はオーバークラッドと呼ばれ
る。
り屈折率が大きな材料のときには、図33の従来例2の
ように基板14とコア15の間にバッファ層17が設け
られる。バッファ層17はアンダークラッドとも呼ば
れ、その場合クラッド16はオーバークラッドと呼ばれ
る。
【0006】このように、コア15は、コア15よりも
屈折率が小さいクラッド16に周囲を囲まれた構造であ
るため、光は光ファイバと同様の原理でコア15に沿っ
て伝搬する。このような光ファイバをはじめとするコア
15とクラッド16で構成された光(光波)を伝搬する
ための導波路が光導波路で、基板上に任意のパターンの
光導波路を形成したものがPLC101である。
屈折率が小さいクラッド16に周囲を囲まれた構造であ
るため、光は光ファイバと同様の原理でコア15に沿っ
て伝搬する。このような光ファイバをはじめとするコア
15とクラッド16で構成された光(光波)を伝搬する
ための導波路が光導波路で、基板上に任意のパターンの
光導波路を形成したものがPLC101である。
【0007】次いで、図26乃至図32を参照してPL
C101の製造プロセスについて説明する。なお、図2
6乃至図32の製造プロセスでは、SiO2基板のよう
にコア15と基板16の間にバッファ層17を設けない
場合について示したが、Si基板のようにコア15と基
板14の間にバッファ層17を設ける場合は、コア膜形
成前にバッファ層17を形成する成膜プロセスが増え
る。また、図26乃至図32に示す成膜プロセス、エッ
チングプロセスには、それぞれ公知のCVD法、FHD
法、電子ビーム蒸着法など様々な成膜プロセスを各段階
で使用することが可能であり、さらに湿式・乾式など様
々なエッチングプロセスを使用することが可能である。
C101の製造プロセスについて説明する。なお、図2
6乃至図32の製造プロセスでは、SiO2基板のよう
にコア15と基板16の間にバッファ層17を設けない
場合について示したが、Si基板のようにコア15と基
板14の間にバッファ層17を設ける場合は、コア膜形
成前にバッファ層17を形成する成膜プロセスが増え
る。また、図26乃至図32に示す成膜プロセス、エッ
チングプロセスには、それぞれ公知のCVD法、FHD
法、電子ビーム蒸着法など様々な成膜プロセスを各段階
で使用することが可能であり、さらに湿式・乾式など様
々なエッチングプロセスを使用することが可能である。
【0008】まず、図26に示すように、基板14上に
コア膜15を成膜プロセスにより形成する。コア膜15
の膜厚は数μm乃至10μm程度で、PLC101に接
続されるシングルモードファイバや分散シフトファイバ
など各種光ファイバとの結合損失が小さくなるように設
計される。次いで、図27に示すように、メタル膜18
をスパッタなどの方法で形成し、その後、図28に示す
ように、所望の光導波路パターンのマスクパターンによ
りレジストパターン19を形成する。そして、図29及
び図30に示すように、メタル膜18及びコア膜15を
公知のRIE法などのエッチングプロセスによりエッチ
ングし、所望の光導波路パターンのコア15が基板14
の上に形成される。次いで、図31に示すように、成膜
プロセスによりクラッド膜16を形成する。ここで、ク
ラッド膜16の膜厚は数10μm程度で、コア15を伝
搬する光が外部(空気)に結合され損失とならないよう
に設計される。その後、図32に示すように、複数のP
LC101が形成されたウエハ60を、ダイシングソー
61などでカッティングすることにより、各PLC10
1が得られる。
コア膜15を成膜プロセスにより形成する。コア膜15
の膜厚は数μm乃至10μm程度で、PLC101に接
続されるシングルモードファイバや分散シフトファイバ
など各種光ファイバとの結合損失が小さくなるように設
計される。次いで、図27に示すように、メタル膜18
をスパッタなどの方法で形成し、その後、図28に示す
ように、所望の光導波路パターンのマスクパターンによ
りレジストパターン19を形成する。そして、図29及
び図30に示すように、メタル膜18及びコア膜15を
公知のRIE法などのエッチングプロセスによりエッチ
ングし、所望の光導波路パターンのコア15が基板14
の上に形成される。次いで、図31に示すように、成膜
プロセスによりクラッド膜16を形成する。ここで、ク
ラッド膜16の膜厚は数10μm程度で、コア15を伝
搬する光が外部(空気)に結合され損失とならないよう
に設計される。その後、図32に示すように、複数のP
LC101が形成されたウエハ60を、ダイシングソー
61などでカッティングすることにより、各PLC10
1が得られる。
【0009】このような製造プロセスにより製造された
PLC101の応用例として、2×Nスプリッタ、波長
無依存形カプラ、アレー光導波路型光合分波器(Arraye
d-Waveguide Grating;以下、AWGという。)、合波
分波フィルタ(Add/Dropフィルタ)、光スイッ
チなどの光デバイスが、例えば上述の従来技術文献1に
おいて開示されている。これらは光導波路のマスクパタ
ーンを変えることにより同一の製造プロセスで得ること
ができるが、合波分波フィルタではさらにグレーティン
グを形成するプロセスが必要になる。
PLC101の応用例として、2×Nスプリッタ、波長
無依存形カプラ、アレー光導波路型光合分波器(Arraye
d-Waveguide Grating;以下、AWGという。)、合波
分波フィルタ(Add/Dropフィルタ)、光スイッ
チなどの光デバイスが、例えば上述の従来技術文献1に
おいて開示されている。これらは光導波路のマスクパタ
ーンを変えることにより同一の製造プロセスで得ること
ができるが、合波分波フィルタではさらにグレーティン
グを形成するプロセスが必要になる。
【0010】従来例3.図34は、従来例3の平面光波
回路(PLC)104である合波分波フィルタ103の
構成を示す平面図であり、図35は、図34の合波分波
フィルタ103においてグレーティングを形成するため
の方法を示す縦断面図である。この従来例3は、例えば
上述の従来技術文献1において開示されている。
回路(PLC)104である合波分波フィルタ103の
構成を示す平面図であり、図35は、図34の合波分波
フィルタ103においてグレーティングを形成するため
の方法を示す縦断面図である。この従来例3は、例えば
上述の従来技術文献1において開示されている。
【0011】図34の合波分波フィルタ103は次のよ
うに構成される。図34において、PLC104に、2
本の光導波路2a,2bからなるマッハツェンダー(Ma
ch-Zehnder)光導波路2を形成する。マッハツェンダー
光導波路2の一端には入力ポート3aとドロップ(Dr
op)ポート3bが、他端には出力ポート3cと加算
(Add)ポート3dが設けられている。また、マッハ
ツェンダー光導波路2の2本の光導波路2a,2bがそ
の途中で2ヶ所互いに数μmの距離に接近して3dBカ
プラ4a,4bを構成している。3dBカプラ4a,4
bは、2本の光導波路2a,2bが互いに近接するよう
に形成されると、それぞれの伝搬モードが結合し、一方
の光導波路を伝搬する光(光波)が他方の光導波路に分
波される現象を利用した光カプラで、分波の割合は互い
の光導波路の距離と、接近している光導波路の光路長に
より決まる。3dBカプラ4a,4bは分波の割合が5
0%(−3dB)になるように設計した光カプラであ
る。なお、光路長とは物理的な距離とは異なり、媒質を
伝搬する光の速度がその波長の屈折率に反比例して遅く
なることを考慮した距離で、物理長の屈折率倍として表
される。2ヶ所の3dBカプラ4a,4bで挟まれた2
本の光導波路2a,2bのアーム(マッハツェンダー干
渉計のアームに相当する。)にはそれぞれ、屈折率を特
定のピッチで変化させたグレーティング5a,5bが形
成されている。
うに構成される。図34において、PLC104に、2
本の光導波路2a,2bからなるマッハツェンダー(Ma
ch-Zehnder)光導波路2を形成する。マッハツェンダー
光導波路2の一端には入力ポート3aとドロップ(Dr
op)ポート3bが、他端には出力ポート3cと加算
(Add)ポート3dが設けられている。また、マッハ
ツェンダー光導波路2の2本の光導波路2a,2bがそ
の途中で2ヶ所互いに数μmの距離に接近して3dBカ
プラ4a,4bを構成している。3dBカプラ4a,4
bは、2本の光導波路2a,2bが互いに近接するよう
に形成されると、それぞれの伝搬モードが結合し、一方
の光導波路を伝搬する光(光波)が他方の光導波路に分
波される現象を利用した光カプラで、分波の割合は互い
の光導波路の距離と、接近している光導波路の光路長に
より決まる。3dBカプラ4a,4bは分波の割合が5
0%(−3dB)になるように設計した光カプラであ
る。なお、光路長とは物理的な距離とは異なり、媒質を
伝搬する光の速度がその波長の屈折率に反比例して遅く
なることを考慮した距離で、物理長の屈折率倍として表
される。2ヶ所の3dBカプラ4a,4bで挟まれた2
本の光導波路2a,2bのアーム(マッハツェンダー干
渉計のアームに相当する。)にはそれぞれ、屈折率を特
定のピッチで変化させたグレーティング5a,5bが形
成されている。
【0012】次いで、グレーティング5a,5bの形成
方法について説明する。図35に示すように、光導波路
2a,2bを形成したPLC104上に位相マスク6を
設置し、位相マスクを介してPLC104に向けて紫外
光7を照射することで、グレーティング5は形成され
る。これは、Geが添加された光導波路に紫外光を照射
すると屈折率が増加する現象を利用したもので、Ge以
外にもP,B,Sn,Ceなどを添加した場合において
も同様の現象が起こる。紫外光にはKrFレーザの紫外
光(波長248nm)、Arレーザの第2高調波(波長
244nm)、Nd:YAG(第4高調波)レーザの紫
外光(波長266nm)、ArFレーザの紫外光(波長
193nm)などが使用される。
方法について説明する。図35に示すように、光導波路
2a,2bを形成したPLC104上に位相マスク6を
設置し、位相マスクを介してPLC104に向けて紫外
光7を照射することで、グレーティング5は形成され
る。これは、Geが添加された光導波路に紫外光を照射
すると屈折率が増加する現象を利用したもので、Ge以
外にもP,B,Sn,Ceなどを添加した場合において
も同様の現象が起こる。紫外光にはKrFレーザの紫外
光(波長248nm)、Arレーザの第2高調波(波長
244nm)、Nd:YAG(第4高調波)レーザの紫
外光(波長266nm)、ArFレーザの紫外光(波長
193nm)などが使用される。
【0013】位相マスク6に照射された紫外光7は回折
され、±1次の回折光がPLC104の上に紫外光7の
干渉縞を形成し、干渉縞の強度分布に応じて光導波路2
a,2bの屈折率が増加し、屈折率分布に「山」と
「谷」が生じ、グレーティング5a,5bが形成され
る。すなわち、位相マスク6全体に一様に紫外光7を照
射しても、光導波路2上では干渉縞の「山」の部分にし
か紫外光が照射されないので、紫外光は光導波路2a,
2b全体には照射されない。このように、屈折率分布の
「山」と「谷」が形成されることを屈折率変調といい、
屈折率分布の「山」と「山」の間隔をグレーティングピ
ッチという。位相マスク6は使用する波長により±1次
光が最大になり、0次光(位相マスク6を直進して透過
する光)が最小になるように設計される。なお、厳密に
言えば0次光の透過率は0%ではないので、光導波路2
の全体に紫外光が照射されることになるが、0次光の透
過率はせいぜい数%以下であるので無視しても差し支え
ない。すなわち、0次光の透過率が数%であっても光導
波路2上に照射される0次光の強度は、±1次光の干渉
縞の強度に比べ十分小さいため、光導波路2上には干渉
縞の「山」の部分のみ紫外光7が照射されるとしても問
題ない。1.55μm帯の光通信システム用ではグレー
ティングピッチはおよそ0.5μm程度で形成される。
され、±1次の回折光がPLC104の上に紫外光7の
干渉縞を形成し、干渉縞の強度分布に応じて光導波路2
a,2bの屈折率が増加し、屈折率分布に「山」と
「谷」が生じ、グレーティング5a,5bが形成され
る。すなわち、位相マスク6全体に一様に紫外光7を照
射しても、光導波路2上では干渉縞の「山」の部分にし
か紫外光が照射されないので、紫外光は光導波路2a,
2b全体には照射されない。このように、屈折率分布の
「山」と「谷」が形成されることを屈折率変調といい、
屈折率分布の「山」と「山」の間隔をグレーティングピ
ッチという。位相マスク6は使用する波長により±1次
光が最大になり、0次光(位相マスク6を直進して透過
する光)が最小になるように設計される。なお、厳密に
言えば0次光の透過率は0%ではないので、光導波路2
の全体に紫外光が照射されることになるが、0次光の透
過率はせいぜい数%以下であるので無視しても差し支え
ない。すなわち、0次光の透過率が数%であっても光導
波路2上に照射される0次光の強度は、±1次光の干渉
縞の強度に比べ十分小さいため、光導波路2上には干渉
縞の「山」の部分のみ紫外光7が照射されるとしても問
題ない。1.55μm帯の光通信システム用ではグレー
ティングピッチはおよそ0.5μm程度で形成される。
【0014】このようなグレーティングの形成プロセス
は光導波路に光ファイバケーブルを用いたファイバグレ
ーティングにおいても使用されている。また、屈折率変
調の強度はグレーティングの長さ方向に対して一様な場
合だけでなく、ガウス分布型、Tanh分布型など所望
の特性に合わせた屈折率変調強度分布も多く用いられて
いる。このように、グレーティングの長さ方向に所定の
屈折率変調強度分布を設けることをアポダイゼーション
といい、所定の屈折率変調強度分布を設けたグレーティ
ングをアポダイズグレーティングという。
は光導波路に光ファイバケーブルを用いたファイバグレ
ーティングにおいても使用されている。また、屈折率変
調の強度はグレーティングの長さ方向に対して一様な場
合だけでなく、ガウス分布型、Tanh分布型など所望
の特性に合わせた屈折率変調強度分布も多く用いられて
いる。このように、グレーティングの長さ方向に所定の
屈折率変調強度分布を設けることをアポダイゼーション
といい、所定の屈折率変調強度分布を設けたグレーティ
ングをアポダイズグレーティングという。
【0015】次いで、図34に図示した従来例3に係る
合波分波フィルタ103の動作について説明する。合波
分波フィルタ103は主に、波長分割多重方式(Wavele
ngthDivision Multiplexing;以下、WDMという。)
光通信システムに使用される。入力ポート3aには複数
の波長の光(λ1,λ2,…,λn)が入力される。入力
ポート3aより入力された光は3dBカプラ4aにより
2本のアームに50%ずつの2つの光に分波され、合波
分波フィルタ103のグレーティング5a,5bに到達
する。合波分波フィルタ103のグレーティングピッチ
をΛとし、グレーティング5a,5bの等価屈折率をN
effとすると、グレーティング5a,5bにより反射さ
れる光の波長λB(ブラッグ波長)は、λB=2・Neff
・Λで表わされるために、例えばλ1=λBのとき、波長
λ1の光のみが反射され、2本のアームを伝搬する波長
λ1の光は再び3dBカプラ4aに到達し、3dBカプ
ラ4aで合波された後、ドロップ(Drop)ポート3
bに出力される。一方、2本のアームを伝搬する波長λ
1以外の光(λ2,…,λn)はグレーティング5a,5
bを透過し、もう一方の3dBカプラ4bで合波された
後、出力ポート3dに出力される。
合波分波フィルタ103の動作について説明する。合波
分波フィルタ103は主に、波長分割多重方式(Wavele
ngthDivision Multiplexing;以下、WDMという。)
光通信システムに使用される。入力ポート3aには複数
の波長の光(λ1,λ2,…,λn)が入力される。入力
ポート3aより入力された光は3dBカプラ4aにより
2本のアームに50%ずつの2つの光に分波され、合波
分波フィルタ103のグレーティング5a,5bに到達
する。合波分波フィルタ103のグレーティングピッチ
をΛとし、グレーティング5a,5bの等価屈折率をN
effとすると、グレーティング5a,5bにより反射さ
れる光の波長λB(ブラッグ波長)は、λB=2・Neff
・Λで表わされるために、例えばλ1=λBのとき、波長
λ1の光のみが反射され、2本のアームを伝搬する波長
λ1の光は再び3dBカプラ4aに到達し、3dBカプ
ラ4aで合波された後、ドロップ(Drop)ポート3
bに出力される。一方、2本のアームを伝搬する波長λ
1以外の光(λ2,…,λn)はグレーティング5a,5
bを透過し、もう一方の3dBカプラ4bで合波された
後、出力ポート3dに出力される。
【0016】また、加算(Add)ポート3cより波長
λ1の光を入力すると、3dBカプラ4bで50%ずつ
の2つの光に分波され、上述の方向とは逆の方向に伝搬
しグレーティング5a,5bに到達する。グレーティン
グ5a,5bに到達した波長λ 1の光は反射され、グレ
ーティング5a,5bを透過した他の波長の光(λ2,
…,λn)と同じ方向に伝搬し、3dBカプラ4bで合
波され出力ポート3dより出力される。なお、等価屈折
率Neffとはコアとクラッドの屈折率の相互効果による
等価的な屈折率で、実効屈折率とも呼ばれる。
λ1の光を入力すると、3dBカプラ4bで50%ずつ
の2つの光に分波され、上述の方向とは逆の方向に伝搬
しグレーティング5a,5bに到達する。グレーティン
グ5a,5bに到達した波長λ 1の光は反射され、グレ
ーティング5a,5bを透過した他の波長の光(λ2,
…,λn)と同じ方向に伝搬し、3dBカプラ4bで合
波され出力ポート3dより出力される。なお、等価屈折
率Neffとはコアとクラッドの屈折率の相互効果による
等価的な屈折率で、実効屈折率とも呼ばれる。
【0017】このように、グレーティング5a,5bは
特定の波長の光を反射することができるため、合波分波
フィルタ103の入力ポート3aとドロップ(Dro
p)ポート3bだけを使用したり、あるいは光ファイバ
ケーブルのような直線の光導波路にグレーティングを形
成し、光サーキュレータと組み合わせて使用することで
帯域通過フィルタとすることもできる。さらに、グレー
ティングピッチΛ又はグレーティングの等価屈折率N
effを伝搬方向で変化させて、グレーティングの位置に
よりブラッグ波長λBを変化したチャープドグレーティ
ングを形成することで、分散補償器や分散スロープ補償
器などの光等化器を得ることもできる。このような光導
波路にグレーティングを形成した光デバイスをグレーテ
ィングデバイスと呼ぶ。
特定の波長の光を反射することができるため、合波分波
フィルタ103の入力ポート3aとドロップ(Dro
p)ポート3bだけを使用したり、あるいは光ファイバ
ケーブルのような直線の光導波路にグレーティングを形
成し、光サーキュレータと組み合わせて使用することで
帯域通過フィルタとすることもできる。さらに、グレー
ティングピッチΛ又はグレーティングの等価屈折率N
effを伝搬方向で変化させて、グレーティングの位置に
よりブラッグ波長λBを変化したチャープドグレーティ
ングを形成することで、分散補償器や分散スロープ補償
器などの光等化器を得ることもできる。このような光導
波路にグレーティングを形成した光デバイスをグレーテ
ィングデバイスと呼ぶ。
【0018】さて、このようにPLCは様々な用途に応
用され有益な光デバイスであるが、複屈折が大きく偏波
依存性を生じるという問題点を有する。複屈折の主な原
因は基板に対して垂直・水平方向で応力分布が異なるこ
とによるもので、成膜ストレスなど製造プロセス上によ
るところが大きい。複屈折とは光のTE成分とTM成分
で屈折率が異なることで、複屈折の大きさはTE成分と
TM成分の屈折率の差で表される。
用され有益な光デバイスであるが、複屈折が大きく偏波
依存性を生じるという問題点を有する。複屈折の主な原
因は基板に対して垂直・水平方向で応力分布が異なるこ
とによるもので、成膜ストレスなど製造プロセス上によ
るところが大きい。複屈折とは光のTE成分とTM成分
で屈折率が異なることで、複屈折の大きさはTE成分と
TM成分の屈折率の差で表される。
【0019】PLCに複屈折があると以下のような問題
点が生じる。光カプラやAWG、光スイッチ、グレーテ
ィングデバイスなどでは、等価屈折率により光の分岐比
(例えば、3dBカプラでは−3dB)、合波・分波、
ON−OFF、反射波長などを制御するため、TE成分
とTM成分で屈折率が異なると、偏光状態により分岐
比、合分波波長、消光比、動作波長などが異なるといっ
た問題点が生じる。また、偏波依存損失(Polarization
Dependent Loss;以下、PDLという。)や偏波モー
ド分散(Polarization Mode Dispersion;以下、PMD
という。)が大きくなるといった問題点が生じる。この
ように複屈折により偏光状態で特性に差が生じることを
偏波依存性と呼ぶ。PDLやPMDは小さいことが要求
され、特に近年さかんに研究開発が行われている大容量
光伝送方式では問題となる。製造プロセスの改善や光導
波路構造の設計によりPLCの複屈折を低減する検討が
種々なされているが、複屈折を完全に無くすことは困難
である。
点が生じる。光カプラやAWG、光スイッチ、グレーテ
ィングデバイスなどでは、等価屈折率により光の分岐比
(例えば、3dBカプラでは−3dB)、合波・分波、
ON−OFF、反射波長などを制御するため、TE成分
とTM成分で屈折率が異なると、偏光状態により分岐
比、合分波波長、消光比、動作波長などが異なるといっ
た問題点が生じる。また、偏波依存損失(Polarization
Dependent Loss;以下、PDLという。)や偏波モー
ド分散(Polarization Mode Dispersion;以下、PMD
という。)が大きくなるといった問題点が生じる。この
ように複屈折により偏光状態で特性に差が生じることを
偏波依存性と呼ぶ。PDLやPMDは小さいことが要求
され、特に近年さかんに研究開発が行われている大容量
光伝送方式では問題となる。製造プロセスの改善や光導
波路構造の設計によりPLCの複屈折を低減する検討が
種々なされているが、複屈折を完全に無くすことは困難
である。
【0020】従来例4.一方、PLCにArFレーザの
紫外光(波長193nm)を用いてグレーティングを形
成すると複屈折が低減したという研究報告が、従来技術
文献2「J.Albert et al.,“ELEC
TRONICS LETTERS”,Vol.34,N
o.5,pp.485−486,1998年3月18
日」において開示されている。
紫外光(波長193nm)を用いてグレーティングを形
成すると複屈折が低減したという研究報告が、従来技術
文献2「J.Albert et al.,“ELEC
TRONICS LETTERS”,Vol.34,N
o.5,pp.485−486,1998年3月18
日」において開示されている。
【0021】図36及び図37は、この従来技術文献2
において示された実験結果であって、図36は、従来例
4の平面光波回路(PLC)におけるArFレーザの紫
外光の照射時間に対する透過係数の特性を示すグラフで
あり、図37は、従来例4の平面光波回路(PLC)に
おける正規化された透過係数の波長特性を示すグラフで
ある。ここで、グレーティングの形成には位相マスクを
使用しており、先述したグレーティング形成プロセスと
同様の方法であることが記述されている。
において示された実験結果であって、図36は、従来例
4の平面光波回路(PLC)におけるArFレーザの紫
外光の照射時間に対する透過係数の特性を示すグラフで
あり、図37は、従来例4の平面光波回路(PLC)に
おける正規化された透過係数の波長特性を示すグラフで
ある。ここで、グレーティングの形成には位相マスクを
使用しており、先述したグレーティング形成プロセスと
同様の方法であることが記述されている。
【0022】図36は、ArFレーザの紫外光を照射し
ながらTE光及びTM光の透過スペクトルを測定したも
ので、図37は複屈折が低減されたグレーティングデバ
イスのTE光とTM光の透過スペクトルを示したもので
ある。図36から明らかなように、ArFレーザの紫外
光照射によるグレーティング形成当初のブラッグ波長
は、TM光では約1548.4nm、TE光では約15
48.6nmであり、ブラッグ波長の偏波依存性が0.
2nm生じているが、ArFレーザの紫外光照射による
グレーティング形成18分後には偏波依存性は無くなっ
ている。
ながらTE光及びTM光の透過スペクトルを測定したも
ので、図37は複屈折が低減されたグレーティングデバ
イスのTE光とTM光の透過スペクトルを示したもので
ある。図36から明らかなように、ArFレーザの紫外
光照射によるグレーティング形成当初のブラッグ波長
は、TM光では約1548.4nm、TE光では約15
48.6nmであり、ブラッグ波長の偏波依存性が0.
2nm生じているが、ArFレーザの紫外光照射による
グレーティング形成18分後には偏波依存性は無くなっ
ている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記ArFレーザの紫
外光を用いてグレーティングを形成し、複屈折を低減す
る方法は有効な方法であるが、光カプラ、AWG、光ス
イッチなどグレーティングデバイス以外のPLCではグ
レーティングを形成しないために、適用できないという
問題点があった。
外光を用いてグレーティングを形成し、複屈折を低減す
る方法は有効な方法であるが、光カプラ、AWG、光ス
イッチなどグレーティングデバイス以外のPLCではグ
レーティングを形成しないために、適用できないという
問題点があった。
【0024】一方、グレーティングデバイスにおいて
は、反射スペクトルの帯域幅は屈折率変調の大きさに依
存し、屈折率変調の大きさは照射する紫外光のエネルギ
ー総量を制御することで行うが、複屈折を無くすために
必要なArF紫外光の照射エネルギー総量は一律に決ま
ってしまうため、システムの仕様に合わせた帯域幅を得
ることが困難であるという問題点があった。
は、反射スペクトルの帯域幅は屈折率変調の大きさに依
存し、屈折率変調の大きさは照射する紫外光のエネルギ
ー総量を制御することで行うが、複屈折を無くすために
必要なArF紫外光の照射エネルギー総量は一律に決ま
ってしまうため、システムの仕様に合わせた帯域幅を得
ることが困難であるという問題点があった。
【0025】さらに、ArFレーザはKrFレーザや他
のレーザに比較して、レーザビームの安定性が良くない
ため特性の良いグレーティングを形成することが困難で
あるという問題点があった。
のレーザに比較して、レーザビームの安定性が良くない
ため特性の良いグレーティングを形成することが困難で
あるという問題点があった。
【0026】またさらに、グレーティングは紫外光の干
渉縞により形成するので、紫外光源にランプなど安価な
インコヒーレント光源を用いることができず、コヒーレ
ント光源であるレーザしか使用することができず紫外光
源を自由に選ぶことができないという問題点があった。
渉縞により形成するので、紫外光源にランプなど安価な
インコヒーレント光源を用いることができず、コヒーレ
ント光源であるレーザしか使用することができず紫外光
源を自由に選ぶことができないという問題点があった。
【0027】本発明の第1の目的は以上の問題点を解決
し、光導波路装置の実質的に全体における複屈折を、従
来例に比較して容易に、低減又は増大させるように制御
することができる光導波路装置の複屈折制御方法並び
に、当該複屈折制御方法を用いて複屈折が制御された光
導波路装置及びグレーティングデバイスを提供すること
にある。
し、光導波路装置の実質的に全体における複屈折を、従
来例に比較して容易に、低減又は増大させるように制御
することができる光導波路装置の複屈折制御方法並び
に、当該複屈折制御方法を用いて複屈折が制御された光
導波路装置及びグレーティングデバイスを提供すること
にある。
【0028】また、本発明の第2の目的は以上の問題点
を解決し、帯域幅などの機能部の特性を自由に設計する
ことができ、もしくは良好な特性を有する機能部を有す
るように、光導波路装置の複屈折を低減するように制御
することができる光導波路装置の複屈折制御方法並び
に、当該複屈折制御方法を用いて複屈折が制御された光
導波路装置及びグレーティングデバイスを提供すること
にある。
を解決し、帯域幅などの機能部の特性を自由に設計する
ことができ、もしくは良好な特性を有する機能部を有す
るように、光導波路装置の複屈折を低減するように制御
することができる光導波路装置の複屈折制御方法並び
に、当該複屈折制御方法を用いて複屈折が制御された光
導波路装置及びグレーティングデバイスを提供すること
にある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明に係る
光導波路の複屈折制御方法は、光導波路装置の平面光波
回路に形成された光導波路の実質的に全体に紫外光を照
射することにより、上記光導波路の複屈折を低減又は増
大させるように制御するステップを含むことを特徴とす
る。
光導波路の複屈折制御方法は、光導波路装置の平面光波
回路に形成された光導波路の実質的に全体に紫外光を照
射することにより、上記光導波路の複屈折を低減又は増
大させるように制御するステップを含むことを特徴とす
る。
【0030】また、本願の第2の発明に係る光導波路の
複屈折制御方法は、光ファイバケーブルである光導波路
の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上記光
導波路の複屈折を増大させるように制御するステップを
含むことを特徴とする。
複屈折制御方法は、光ファイバケーブルである光導波路
の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上記光
導波路の複屈折を増大させるように制御するステップを
含むことを特徴とする。
【0031】上記光導波路の複屈折制御方法において、
好ましくは、上記制御するステップの後に、上記光導波
路の一部に第1のグレーティングを形成するステップを
さらに含むことを特徴とする。
好ましくは、上記制御するステップの後に、上記光導波
路の一部に第1のグレーティングを形成するステップを
さらに含むことを特徴とする。
【0032】また、上記光導波路の複屈折制御方法にお
いて、好ましくは、上記制御するステップの前に、上記
光導波路の一部に別の紫外光を照射することにより第2
のグレーティングを形成するステップをさらに含むこと
を特徴とする。
いて、好ましくは、上記制御するステップの前に、上記
光導波路の一部に別の紫外光を照射することにより第2
のグレーティングを形成するステップをさらに含むこと
を特徴とする。
【0033】さらに、上記光導波路の複屈折制御方法に
おいて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光
導波路の偏波特性を測定し、上記測定された偏波特性に
基づいて上記紫外光の照射量を調整することを特徴とす
る。
おいて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光
導波路の偏波特性を測定し、上記測定された偏波特性に
基づいて上記紫外光の照射量を調整することを特徴とす
る。
【0034】また、上記光導波路の複屈折制御方法にお
いて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光導
波路の複屈折を5×10-5以下に低減させるように制御
し、もしくは上記光導波路の複屈折を2.5×10-4以
上に増大させるように制御することを特徴とする。
いて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光導
波路の複屈折を5×10-5以下に低減させるように制御
し、もしくは上記光導波路の複屈折を2.5×10-4以
上に増大させるように制御することを特徴とする。
【0035】さらに、上記光導波路の複屈折制御方法に
おいて、上記制御するステップにおける紫外光の波長
は、好ましくは、162nm乃至230nmであること
を特徴とする。
おいて、上記制御するステップにおける紫外光の波長
は、好ましくは、162nm乃至230nmであること
を特徴とする。
【0036】またさらに、上記光導波路の複屈折制御方
法において、上記第2のグレーティングを形成するステ
ップにおける別の紫外光の波長は、好ましくは、230
nm乃至380nmであることを特徴とする。
法において、上記第2のグレーティングを形成するステ
ップにおける別の紫外光の波長は、好ましくは、230
nm乃至380nmであることを特徴とする。
【0037】またさらに、上記光導波路の複屈折制御方
法において、好ましくは、上記光導波路に、水素と重水
素のうちの少なくとも一方を添加するステップをさらに
含むことを特徴とする。
法において、好ましくは、上記光導波路に、水素と重水
素のうちの少なくとも一方を添加するステップをさらに
含むことを特徴とする。
【0038】本願の第3の発明に係る光導波路装置は、
光導波路を備えた光導波路装置において、上記光導波路
は、上記光導波路装置の複屈折制御方法によって制御さ
れた複屈折を有することを特徴とする。
光導波路を備えた光導波路装置において、上記光導波路
は、上記光導波路装置の複屈折制御方法によって制御さ
れた複屈折を有することを特徴とする。
【0039】また、本願の第4の発明に係るグレーティ
ングデバイスは、上記光導波路装置において、上記光導
波路は屈折率変調が形成されたグレーティングを備えた
ことを特徴とする。
ングデバイスは、上記光導波路装置において、上記光導
波路は屈折率変調が形成されたグレーティングを備えた
ことを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。
る実施の形態について説明する。
【0041】実施の形態1.図1は、本発明に係る実施
の形態1の平面光波回路(PLC)1である合波分波フ
ィルタの構成を示す平面図である。
の形態1の平面光波回路(PLC)1である合波分波フ
ィルタの構成を示す平面図である。
【0042】PLC1である合波分波フィルタは以下の
ように構成される。図1において、合波分波フィルタ
は、SiやSiO2の基板14上にCVD法などの成膜
プロセスとRIE法などのエッチングプロセスにより、
2本の光導波路2a,2bからなるマッハツェンダー光
導波路2が形成されており、マッハツェンダー光導波路
2の片端には、入力ポート3aとドロップ(Drop)
ポート3bの2個のポートがあり、もう一方の片端に
は、加算(Add)ポート3cと出力ポート3dの2個
のポートがあり、これら4個のポート3a,3b,3
c,3dには図示していないが光ファイバコネクタが取
りつけられている。マッハツェンダー光導波路2には、
2本の光導波路2a,2bが互いに伝搬モードの結合が
生じるように近接して形成されてなる2個の3dBカプ
ラ4a,4bがあり、2個の3dBカプラ4a,4bで
挟まれた2本の光導波路2a,2bのアームにそれぞ
れ、屈折率変調を形成したグレーティング5a,5bが
形成されている。
ように構成される。図1において、合波分波フィルタ
は、SiやSiO2の基板14上にCVD法などの成膜
プロセスとRIE法などのエッチングプロセスにより、
2本の光導波路2a,2bからなるマッハツェンダー光
導波路2が形成されており、マッハツェンダー光導波路
2の片端には、入力ポート3aとドロップ(Drop)
ポート3bの2個のポートがあり、もう一方の片端に
は、加算(Add)ポート3cと出力ポート3dの2個
のポートがあり、これら4個のポート3a,3b,3
c,3dには図示していないが光ファイバコネクタが取
りつけられている。マッハツェンダー光導波路2には、
2本の光導波路2a,2bが互いに伝搬モードの結合が
生じるように近接して形成されてなる2個の3dBカプ
ラ4a,4bがあり、2個の3dBカプラ4a,4bで
挟まれた2本の光導波路2a,2bのアームにそれぞ
れ、屈折率変調を形成したグレーティング5a,5bが
形成されている。
【0043】図2乃至図6は、図1の合波分波フィルタ
を製造するための製造方法における複数の工程を示す合
波分波フィルタの平面図である。以下、図2乃至図6を
参照して製造工程について説明する。
を製造するための製造方法における複数の工程を示す合
波分波フィルタの平面図である。以下、図2乃至図6を
参照して製造工程について説明する。
【0044】まず、図2に示すように、2本の光導波路
2a,2bからなるマッハツェンダー光導波路2のパタ
ーンを形成したPLC1が、成膜プロセスとエッチング
プロセスにより得られる。なお、本実施の形態ではPL
C1に1つのマッハツェンダー光導波路2を形成した場
合について述べるが、マッハツェンダー光導波路2の2
本の光導波路2a,2bの間隔は数100μm以下なの
で、1つのPLC1に設計値の異なるマッハツェンダー
光導波路2を複数形成し、最も特性の良いマッハツェン
ダー光導波路2の各ポート3a,3b,3c,3dに光
ファイバコネクタ(図示せず。)を接続して使用する場
合が多い。
2a,2bからなるマッハツェンダー光導波路2のパタ
ーンを形成したPLC1が、成膜プロセスとエッチング
プロセスにより得られる。なお、本実施の形態ではPL
C1に1つのマッハツェンダー光導波路2を形成した場
合について述べるが、マッハツェンダー光導波路2の2
本の光導波路2a,2bの間隔は数100μm以下なの
で、1つのPLC1に設計値の異なるマッハツェンダー
光導波路2を複数形成し、最も特性の良いマッハツェン
ダー光導波路2の各ポート3a,3b,3c,3dに光
ファイバコネクタ(図示せず。)を接続して使用する場
合が多い。
【0045】このようにして得られたPLC1は数10
〜数100気圧程度の水素又は重水素中に2週間程度放
置し、PLC1の内部に水素又は重水素が添加される。
このような水素や重水素を添加する処理は高圧水素処理
と呼ばれ、紫外光照射に対する屈折率変化を敏感にする
ことができるため、短時間にグレーティング5a,5b
を形成することができる。高圧水素処理を2週間程度行
った後、PLC1を大気中に取り出しグレーティング5
a,5bの形成を行う。高圧水素処理後PLC1を大気
中に取りだし放置しておくと、PLC1の内部に添加さ
れた水素や重水素は徐々にPLC1から外部に抜けてい
くが、室温30℃程度の大気中に放置しておいても3日
程度は水素や重水素を添加した効果が保たれる。
〜数100気圧程度の水素又は重水素中に2週間程度放
置し、PLC1の内部に水素又は重水素が添加される。
このような水素や重水素を添加する処理は高圧水素処理
と呼ばれ、紫外光照射に対する屈折率変化を敏感にする
ことができるため、短時間にグレーティング5a,5b
を形成することができる。高圧水素処理を2週間程度行
った後、PLC1を大気中に取り出しグレーティング5
a,5bの形成を行う。高圧水素処理後PLC1を大気
中に取りだし放置しておくと、PLC1の内部に添加さ
れた水素や重水素は徐々にPLC1から外部に抜けてい
くが、室温30℃程度の大気中に放置しておいても3日
程度は水素や重水素を添加した効果が保たれる。
【0046】次いで、図3に示すように、3dBカプラ
4a,4bに挟まれた、マッハツェンダー光導波路2の
中央部の2本のアーム部(機能部であるグレーティング
5a,5bを形成する部分)の実質的に全体を覆うよう
に、位相マスク6を設置し、位相マスク6を介して2本
のアーム部に対してKrFレーザの紫外光(波長248
nm)7を照射することにより、屈折率変調を形成して
グレーティング5a,5bを形成する。これにより、図
4に示すように、3dBカプラ4a,4bに挟まれた、
マッハツェンダー光導波路2の中央部の2本のアーム部
に、当該PLC1の機能部であるグレーティング5a,
5bが形成され、PLC1において合波分波フィルタが
得られる。なお、この段階ではPLC1の製造時の応力
分布による複屈折のため、偏波依存性が大きい合波分波
フィルタである。
4a,4bに挟まれた、マッハツェンダー光導波路2の
中央部の2本のアーム部(機能部であるグレーティング
5a,5bを形成する部分)の実質的に全体を覆うよう
に、位相マスク6を設置し、位相マスク6を介して2本
のアーム部に対してKrFレーザの紫外光(波長248
nm)7を照射することにより、屈折率変調を形成して
グレーティング5a,5bを形成する。これにより、図
4に示すように、3dBカプラ4a,4bに挟まれた、
マッハツェンダー光導波路2の中央部の2本のアーム部
に、当該PLC1の機能部であるグレーティング5a,
5bが形成され、PLC1において合波分波フィルタが
得られる。なお、この段階ではPLC1の製造時の応力
分布による複屈折のため、偏波依存性が大きい合波分波
フィルタである。
【0047】次いで、図5に示すように、グレーティン
グ5a,5bが形成されたマッハツェンダー光導波路2
の入力ポート3aとドロップ(Drop)ポート3bに
光ファイバコネクタ(図示せず。)を接続し、入力ポー
ト3aに光を入力する。この光の光源8にはエルビウム
添加ファイバアンプ(Erbium-Doped Fiber Amplifier:
EDFA)などが適しており、その光は、光ファイバケ
ーブル71、偏波コントローラ9、光ファイバケーブル
72を介して入力ポート3aに入力される。2つのグレ
ーティング5a,5bの反射信号はドロップ(Dro
p)ポート3bから出力され、その反射信号のスペクト
ラムは、光ファイバケーブル73を介して接続されたス
ペクトルアナライザ10などで測定される。ここで、偏
波コントローラ9により、入力光をTE光とTM光に順
次コントロールし、グレーティング5a,5bからの反
射スペクトルをスペクトルアナライザ10で測定するこ
とにより、偏波依存性を含む偏波特性を測定することが
できる。
グ5a,5bが形成されたマッハツェンダー光導波路2
の入力ポート3aとドロップ(Drop)ポート3bに
光ファイバコネクタ(図示せず。)を接続し、入力ポー
ト3aに光を入力する。この光の光源8にはエルビウム
添加ファイバアンプ(Erbium-Doped Fiber Amplifier:
EDFA)などが適しており、その光は、光ファイバケ
ーブル71、偏波コントローラ9、光ファイバケーブル
72を介して入力ポート3aに入力される。2つのグレ
ーティング5a,5bの反射信号はドロップ(Dro
p)ポート3bから出力され、その反射信号のスペクト
ラムは、光ファイバケーブル73を介して接続されたス
ペクトルアナライザ10などで測定される。ここで、偏
波コントローラ9により、入力光をTE光とTM光に順
次コントロールし、グレーティング5a,5bからの反
射スペクトルをスペクトルアナライザ10で測定するこ
とにより、偏波依存性を含む偏波特性を測定することが
できる。
【0048】なお、光ファイバコネクタはグレーティン
グ形成前に接続してもよく、また、加算(Add)ポー
ト3cと出力ポート3dに接続してもよい。また、光フ
ァイバコネクタは、入力ポート3aと出力ポート3dに
接続し、グレーティング5の透過スペクトルを測定して
もよい。さらに、PMDなど偏波に依存した他の特性を
測定してもよい。PLC1に複屈折(すなわち、偏波依
存性)がある場合、偏波の違いにより反射スペクトルや
透過スペクトルの波長が異なる。そこで、PLC1の実
質的に全体にArFレーザの紫外光(波長193nm)
11を一様に照射する。ArFレーザの紫外光11はS
iO2で吸収されるため、光導波路2a,2bのコアの
深さ方向(すなわち、基板14の厚さ方向)に紫外光の
エネルギー分布が生じる。屈折率は紫外光のエネルギー
に応じて増加するため、基板14の厚さ方向では屈折率
分布が生じるが、基板14に水平な方向(厚さ方向とは
直交する方向)では屈折率分布は生じない。偏波コント
ローラ9で偏波をTE光とTM光に順次コントロールし
ながら、ArFレーザの紫外光11を照射すると、次第
にTE光とTM光のスペクトルが近づき偏波依存性が小
さくなるのが測定される。このようにして、TE光とT
M光の測定から偏波依存性が十分小さくなったらArF
レーザの紫外光11の照射を止める。このようにして、
図6に示すように、偏波依存性すなわち複屈折を十分小
さくしたPLC1である合波分波フィルタが得られる。
なお、ArFレーザの紫外光11を直接的に、PLC1
の実質的に全体に照射しており、PLC1上に形成され
た光導波路2a,2bの実質的に全体に照射される。す
なわち、図3に示すように、位相マスク6を介して紫外
光7を照射した場合には、干渉縞に応じて紫外光7が照
射されるために、光導波路2a,2bの全体には照射さ
れないが、ここで述べたArFレーザの紫外光11は光
導波路2a,2bの実質的全体に照射される。
グ形成前に接続してもよく、また、加算(Add)ポー
ト3cと出力ポート3dに接続してもよい。また、光フ
ァイバコネクタは、入力ポート3aと出力ポート3dに
接続し、グレーティング5の透過スペクトルを測定して
もよい。さらに、PMDなど偏波に依存した他の特性を
測定してもよい。PLC1に複屈折(すなわち、偏波依
存性)がある場合、偏波の違いにより反射スペクトルや
透過スペクトルの波長が異なる。そこで、PLC1の実
質的に全体にArFレーザの紫外光(波長193nm)
11を一様に照射する。ArFレーザの紫外光11はS
iO2で吸収されるため、光導波路2a,2bのコアの
深さ方向(すなわち、基板14の厚さ方向)に紫外光の
エネルギー分布が生じる。屈折率は紫外光のエネルギー
に応じて増加するため、基板14の厚さ方向では屈折率
分布が生じるが、基板14に水平な方向(厚さ方向とは
直交する方向)では屈折率分布は生じない。偏波コント
ローラ9で偏波をTE光とTM光に順次コントロールし
ながら、ArFレーザの紫外光11を照射すると、次第
にTE光とTM光のスペクトルが近づき偏波依存性が小
さくなるのが測定される。このようにして、TE光とT
M光の測定から偏波依存性が十分小さくなったらArF
レーザの紫外光11の照射を止める。このようにして、
図6に示すように、偏波依存性すなわち複屈折を十分小
さくしたPLC1である合波分波フィルタが得られる。
なお、ArFレーザの紫外光11を直接的に、PLC1
の実質的に全体に照射しており、PLC1上に形成され
た光導波路2a,2bの実質的に全体に照射される。す
なわち、図3に示すように、位相マスク6を介して紫外
光7を照射した場合には、干渉縞に応じて紫外光7が照
射されるために、光導波路2a,2bの全体には照射さ
れないが、ここで述べたArFレーザの紫外光11は光
導波路2a,2bの実質的全体に照射される。
【0049】図7は、水素を添加したときの図1の合波
分波フィルタにおけるArFレーザの紫外光11の照射
前後の反射係数の波長特性(反射スペクトラム)を示す
グラフである。なお、ArFレーザの紫外光11の照射
は高圧水素処理から取り出して3日以内に行った。図7
から明らかなように、ArFレーザの紫外光11の照射
前はTE光とTM光で約0.18nmの偏波依存性が存
在していたが、ArFレーザの紫外光11の照射後に
は、TE光とTM光で偏波依存性はほとんど無くなって
おり複屈折が十分小さくなっていることが分かる。図7
の反射スペクトルの偏波依存性から複屈折の大きさを計
算すると、ArFレーザの紫外光11の照射前は約1.
7×10-4であるが、ArFレーザの紫外光11の照射
後は約5×10-5以下になっている。例えば1.55μ
m帯の光信号を反射する合波分波フィルタの場合、実用
上問題の無い動作波長の偏波依存性は0.05nm以下
である。反射スペクトルの中心波長すなわちブラッグ波
長λBは、等価屈折率をNeffとし、グレーティングピッ
チをΛとすると、λB=2・Neff・Λで表されるため、
複屈折が5×10-5でブラッグ波長の偏波依存性は約
0.05nmとなるため、複屈折を5×10-5以下とす
ると実用上問題の無いPLC1が得られる。
分波フィルタにおけるArFレーザの紫外光11の照射
前後の反射係数の波長特性(反射スペクトラム)を示す
グラフである。なお、ArFレーザの紫外光11の照射
は高圧水素処理から取り出して3日以内に行った。図7
から明らかなように、ArFレーザの紫外光11の照射
前はTE光とTM光で約0.18nmの偏波依存性が存
在していたが、ArFレーザの紫外光11の照射後に
は、TE光とTM光で偏波依存性はほとんど無くなって
おり複屈折が十分小さくなっていることが分かる。図7
の反射スペクトルの偏波依存性から複屈折の大きさを計
算すると、ArFレーザの紫外光11の照射前は約1.
7×10-4であるが、ArFレーザの紫外光11の照射
後は約5×10-5以下になっている。例えば1.55μ
m帯の光信号を反射する合波分波フィルタの場合、実用
上問題の無い動作波長の偏波依存性は0.05nm以下
である。反射スペクトルの中心波長すなわちブラッグ波
長λBは、等価屈折率をNeffとし、グレーティングピッ
チをΛとすると、λB=2・Neff・Λで表されるため、
複屈折が5×10-5でブラッグ波長の偏波依存性は約
0.05nmとなるため、複屈折を5×10-5以下とす
ると実用上問題の無いPLC1が得られる。
【0050】また、図7から明らかなように、ArFレ
ーザの紫外光11の照射により反射スペクトルの帯域幅
が広がっていることが分かる。すなわち、ArFレーザ
の紫外光11をPLC1の実質的に全体に一様に照射し
た場合も、予め形成した屈折率変調が強くなっているこ
とが分かる。このため、ArFレーザの紫外光11の照
射後の反射スペクトルを所望の特性とするためには、予
めArFレーザの紫外光11の照射による特性変化を考
慮してPLC1や位相マスク6の設計、及びKrFレー
ザの紫外光7及び11の照射エネルギーの制御などを行
う必要があるが、数回の試作を行ない条件を最適化すれ
ば、所望の特性を得ることが簡単に行えるようになるの
で、大量生産などでは問題にならない。また、条件が最
適化されれば、マッハツェンダー光導波路2に光ファイ
バコネクタを接続しグレーティングの反射スペクトルや
透過スペクトルを測定しなくても、同一条件で作製する
ことにより簡単に特性の揃ったものが得られるため、大
量生産時のコストを低減することができる。すなわち、
図5に図示した、紫外光11を照射しながら偏波特性を
モニタリングするプロセスは、紫外光11の強度や照射
時間を最適化条件を予め決定しておくことにより省略す
ることが可能である。
ーザの紫外光11の照射により反射スペクトルの帯域幅
が広がっていることが分かる。すなわち、ArFレーザ
の紫外光11をPLC1の実質的に全体に一様に照射し
た場合も、予め形成した屈折率変調が強くなっているこ
とが分かる。このため、ArFレーザの紫外光11の照
射後の反射スペクトルを所望の特性とするためには、予
めArFレーザの紫外光11の照射による特性変化を考
慮してPLC1や位相マスク6の設計、及びKrFレー
ザの紫外光7及び11の照射エネルギーの制御などを行
う必要があるが、数回の試作を行ない条件を最適化すれ
ば、所望の特性を得ることが簡単に行えるようになるの
で、大量生産などでは問題にならない。また、条件が最
適化されれば、マッハツェンダー光導波路2に光ファイ
バコネクタを接続しグレーティングの反射スペクトルや
透過スペクトルを測定しなくても、同一条件で作製する
ことにより簡単に特性の揃ったものが得られるため、大
量生産時のコストを低減することができる。すなわち、
図5に図示した、紫外光11を照射しながら偏波特性を
モニタリングするプロセスは、紫外光11の強度や照射
時間を最適化条件を予め決定しておくことにより省略す
ることが可能である。
【0051】本実施の形態では、複屈折を低減させるた
めの紫外光源としてArFレーザ(波長193nm)を
使用したが、本発明は紫外光源に限定されない。例え
ば、KrFレーザの紫外光(波長248nm)を照射し
た場合にも、ArFレーザに比較して照射時間を約15
倍以上とすることで複屈折を5×10-5以下とすること
ができた。また、レーザ以外の光源としてXeの誘電体
バリア放電型エキシマランプ(波長170〜190n
m)を使用した場合においても同様に複屈折を5×10
-5以下とすることができた。先述したように複屈折の低
減は紫外光がSiO 2に吸収されるため、基板14の厚
さ方向で紫外光の照射エネルギー分布が異なり、屈折率
変化が基板4の厚さ方向で異なることによるものであ
る。
めの紫外光源としてArFレーザ(波長193nm)を
使用したが、本発明は紫外光源に限定されない。例え
ば、KrFレーザの紫外光(波長248nm)を照射し
た場合にも、ArFレーザに比較して照射時間を約15
倍以上とすることで複屈折を5×10-5以下とすること
ができた。また、レーザ以外の光源としてXeの誘電体
バリア放電型エキシマランプ(波長170〜190n
m)を使用した場合においても同様に複屈折を5×10
-5以下とすることができた。先述したように複屈折の低
減は紫外光がSiO 2に吸収されるため、基板14の厚
さ方向で紫外光の照射エネルギー分布が異なり、屈折率
変化が基板4の厚さ方向で異なることによるものであ
る。
【0052】図8は、PLC1などの光導波路装置に用
いられる石英(SiO2)の波長と透過率の関係を示す
グラフである。図8から明らかなように、波長230〜
380nmの紫外光では透過率は約95%で吸収率は5
%と小さいが、波長が230nmより短かくなるに従っ
て透過率は減少しはじめ、162nm近辺で透過率が0
%、すなわち吸収は100%となっている。このことよ
り、図8に示した162〜380nmの紫外光を照射す
ることにより複屈折を低減させることができることが分
かる。より好ましくは、吸収率が大きい波長162〜2
30nmの紫外光を使用した方が短時間に複屈折を低減
させることができる。さらに好ましくは、特に、吸収率
が大きい波長162〜200nmの真空紫外光を使用し
た方がより短時間に複屈折を低減することができる。こ
のような波長の光源としてはArFレーザのほかに、A
rCl(波長165〜190nm)、Xe2(波長17
0〜190nm)、Hg(波長185nm)、D2(波
長150〜250nm)、KrCl(波長200〜24
0nm)を使用したレーザやランプあるいはNd:YA
Gレーザの第5高調波(波長213nm)などがある。
このように光導波路2a,2bの実質的にほぼ全体に紫
外光を照射して複屈折を制御する方法は、グレーティン
グの形成のように光の干渉縞を利用しないため、コヒー
レント光とインコヒーレント光のどちらでも利用可能で
あり光源選択の自由度が大きいという利点がある。
いられる石英(SiO2)の波長と透過率の関係を示す
グラフである。図8から明らかなように、波長230〜
380nmの紫外光では透過率は約95%で吸収率は5
%と小さいが、波長が230nmより短かくなるに従っ
て透過率は減少しはじめ、162nm近辺で透過率が0
%、すなわち吸収は100%となっている。このことよ
り、図8に示した162〜380nmの紫外光を照射す
ることにより複屈折を低減させることができることが分
かる。より好ましくは、吸収率が大きい波長162〜2
30nmの紫外光を使用した方が短時間に複屈折を低減
させることができる。さらに好ましくは、特に、吸収率
が大きい波長162〜200nmの真空紫外光を使用し
た方がより短時間に複屈折を低減することができる。こ
のような波長の光源としてはArFレーザのほかに、A
rCl(波長165〜190nm)、Xe2(波長17
0〜190nm)、Hg(波長185nm)、D2(波
長150〜250nm)、KrCl(波長200〜24
0nm)を使用したレーザやランプあるいはNd:YA
Gレーザの第5高調波(波長213nm)などがある。
このように光導波路2a,2bの実質的にほぼ全体に紫
外光を照射して複屈折を制御する方法は、グレーティン
グの形成のように光の干渉縞を利用しないため、コヒー
レント光とインコヒーレント光のどちらでも利用可能で
あり光源選択の自由度が大きいという利点がある。
【0053】実施の形態2.図9は、本発明に係る実施
の形態2の平面光波回路(PLC)1aである合波分波
フィルタの構成を示す平面図であり、図9において図1
と同様のものについては同一の符号を付している。この
実施の形態では、実施の形態1に比較して、ArFレー
ザの紫外光11を光導波路2a,2bの実質的全体に照
射した後、グレーティング5a,5bを形成することを
特徴としている。
の形態2の平面光波回路(PLC)1aである合波分波
フィルタの構成を示す平面図であり、図9において図1
と同様のものについては同一の符号を付している。この
実施の形態では、実施の形態1に比較して、ArFレー
ザの紫外光11を光導波路2a,2bの実質的全体に照
射した後、グレーティング5a,5bを形成することを
特徴としている。
【0054】図9に示すPLC1aである合波分波フィ
ルタは以下のように構成される。図9において、合波分
波フィルタは、SiやSiO2の基板上にCVD法など
の成膜プロセスとRIE法などのエッチングプロセスに
より、2本の光導波路2a,2bからなるマッハツェン
ダー光導波路2のほかにモニタ用の直線形状の光導波路
2cが形成される。マッハツェンダー光導波路2の片端
には、入力ポート3aとドロップ(Drop)ポート3
bの2個のポートがあり、もう一方の片端には、加算
(Add)ポート3cと出力ポート3dの2個のポート
があり、これら4個のポート3a,3b,3c,3dに
は図示していないが光ファイバコネクタが取りつけられ
ている。マッハツェンダー光導波路2には、2個の3d
Bカプラ4a,4bが形成され、2個の3dBカプラ4
a,4bで挟まれた2本の光導波路2a,2bのアーム
部に、屈折率変調を形成したグレーティング5a,5b
が設けられている。
ルタは以下のように構成される。図9において、合波分
波フィルタは、SiやSiO2の基板上にCVD法など
の成膜プロセスとRIE法などのエッチングプロセスに
より、2本の光導波路2a,2bからなるマッハツェン
ダー光導波路2のほかにモニタ用の直線形状の光導波路
2cが形成される。マッハツェンダー光導波路2の片端
には、入力ポート3aとドロップ(Drop)ポート3
bの2個のポートがあり、もう一方の片端には、加算
(Add)ポート3cと出力ポート3dの2個のポート
があり、これら4個のポート3a,3b,3c,3dに
は図示していないが光ファイバコネクタが取りつけられ
ている。マッハツェンダー光導波路2には、2個の3d
Bカプラ4a,4bが形成され、2個の3dBカプラ4
a,4bで挟まれた2本の光導波路2a,2bのアーム
部に、屈折率変調を形成したグレーティング5a,5b
が設けられている。
【0055】一方、モニタ用の直線形状の光導波路2c
には、屈折率変調を形成したモニタ用グレーティング5
cが設けられている。モニタ用ポート3e,3fには光
ファイバコネクタが取りつけられていてもよいが、取り
つけられていなくてもよい。すなわち、この実施の形態
に係るPLC1aである合波分波フィルタはマッハツェ
ンダー光導波路2のみで動作させることができる。
には、屈折率変調を形成したモニタ用グレーティング5
cが設けられている。モニタ用ポート3e,3fには光
ファイバコネクタが取りつけられていてもよいが、取り
つけられていなくてもよい。すなわち、この実施の形態
に係るPLC1aである合波分波フィルタはマッハツェ
ンダー光導波路2のみで動作させることができる。
【0056】図10乃至図14は、図9の合波分波フィ
ルタを製造するための製造方法における複数の工程を示
す合波分波フィルタの平面図である。以下、図10乃至
図14を参照して、図9の合波分波フィルタの製造方法
について説明する。
ルタを製造するための製造方法における複数の工程を示
す合波分波フィルタの平面図である。以下、図10乃至
図14を参照して、図9の合波分波フィルタの製造方法
について説明する。
【0057】まず、図10に示すように、上記光導波路
2a,2b,2cからなる所定の光導波路パターンを形
成したPLC1aが成膜プロセスとエッチングプロセス
により得られる。次いで、図11に示すように、モニタ
用の直線形状の光導波路2cの一部に、位相マスク6を
設置し、位相マスク6を介して当該光導波路2cの一部
に対してKrFレーザの紫外光(248nm)7aを照
射して屈折率変調を形成したグレーティング5cを形成
する。
2a,2b,2cからなる所定の光導波路パターンを形
成したPLC1aが成膜プロセスとエッチングプロセス
により得られる。次いで、図11に示すように、モニタ
用の直線形状の光導波路2cの一部に、位相マスク6を
設置し、位相マスク6を介して当該光導波路2cの一部
に対してKrFレーザの紫外光(248nm)7aを照
射して屈折率変調を形成したグレーティング5cを形成
する。
【0058】次いで、図12に示すように、モニタ用の
直線形状の光導波路2cのモニタ用ポート3eに光サー
キュレータ12を介して光源8からの光を入力する。光
源8からの光は、光ファイバケーブル71、偏波コント
ローラ9、及び光ファイバケーブル72を介して光サー
キュレータ12の第1の端子12aに入力された後、そ
の第1の端子から当該光サーキュレータ12を介してそ
の第2の端子12bから出力される。光サーキュレータ
12の第2の端子12bから出力される光はモニタ用テ
ストポート3eを介して光導波路2cのグレーティング
5cに到達し、所定のスペクトラム成分の信号は当該グ
レーティング5cにより反射されてモニタ用テストポー
ト3eから再び光サーキュレータ12の第2の端子12
bに入力される。そして、光サーキュレータ12の第2
の端子12bに入力された光は光サーキュレータ12を
介して第3の端子12cから出力され、この出力反射光
は、スペクトルアナライザ10などで測定される。
直線形状の光導波路2cのモニタ用ポート3eに光サー
キュレータ12を介して光源8からの光を入力する。光
源8からの光は、光ファイバケーブル71、偏波コント
ローラ9、及び光ファイバケーブル72を介して光サー
キュレータ12の第1の端子12aに入力された後、そ
の第1の端子から当該光サーキュレータ12を介してそ
の第2の端子12bから出力される。光サーキュレータ
12の第2の端子12bから出力される光はモニタ用テ
ストポート3eを介して光導波路2cのグレーティング
5cに到達し、所定のスペクトラム成分の信号は当該グ
レーティング5cにより反射されてモニタ用テストポー
ト3eから再び光サーキュレータ12の第2の端子12
bに入力される。そして、光サーキュレータ12の第2
の端子12bに入力された光は光サーキュレータ12を
介して第3の端子12cから出力され、この出力反射光
は、スペクトルアナライザ10などで測定される。
【0059】ここで、偏波コントローラ9により入力光
をTE光及びTM光に順次コントロールし、偏波依存性
を含む偏波特性を測定することができる。偏波コントロ
ーラ9で光の偏波をTE光とTM光に順次コントロール
しながら、ArFレーザの紫外光11aを照射すると、
次第にTE光とTM光のスペクトルが近づき偏波依存性
が小さくなるのが測定される。このようにして、TE光
とTM光の測定から偏波依存性が十分小さくなれば、A
rFレーザの紫外光11aの照射を停止する。これによ
り、偏波依存性が小さいマッハツェンダー光導波路2が
PLC1aに形成される。
をTE光及びTM光に順次コントロールし、偏波依存性
を含む偏波特性を測定することができる。偏波コントロ
ーラ9で光の偏波をTE光とTM光に順次コントロール
しながら、ArFレーザの紫外光11aを照射すると、
次第にTE光とTM光のスペクトルが近づき偏波依存性
が小さくなるのが測定される。このようにして、TE光
とTM光の測定から偏波依存性が十分小さくなれば、A
rFレーザの紫外光11aの照射を停止する。これによ
り、偏波依存性が小さいマッハツェンダー光導波路2が
PLC1aに形成される。
【0060】次いで、図13に示すように、3dBカプ
ラ4a,4bによって挟まれた、マッハツェンダー光導
波路2の中央部の2本のアーム部に位相マスク6を設置
し、位相マスク6を介して当該アーム部の実質的に全体
に、KrFレーザの紫外光(248nm)7を照射する
ことにより、2本のアーム部にグレーティング5a,5
bを形成する。KrFレーザの紫外光7は所望の特性が
得られるまで任意に照射することができる。これによ
り、図14に示すように、マッハツェンダー光導波路2
の中央部のアーム部にグレーティング5a,5bを形成
した偏波依存性が小さいPLC1aである合波分波フィ
ルタを得ることができる。
ラ4a,4bによって挟まれた、マッハツェンダー光導
波路2の中央部の2本のアーム部に位相マスク6を設置
し、位相マスク6を介して当該アーム部の実質的に全体
に、KrFレーザの紫外光(248nm)7を照射する
ことにより、2本のアーム部にグレーティング5a,5
bを形成する。KrFレーザの紫外光7は所望の特性が
得られるまで任意に照射することができる。これによ
り、図14に示すように、マッハツェンダー光導波路2
の中央部のアーム部にグレーティング5a,5bを形成
した偏波依存性が小さいPLC1aである合波分波フィ
ルタを得ることができる。
【0061】上記実施の形態1では、マッハツェンダー
光導波路2の中央部の2本のアーム部に、KrFレーザ
光を照射してグレーティング5a,5bを形成した後、
ArFレーザの紫外光11を照射して複屈折を低減した
が、本実施の形態2ではArFレーザの紫外光11aを
照射して複屈折を低減した後、マッハツェンダー光導波
路2の中央部の2本のアーム部に、KrFレーザの紫外
光7を照射してグレーティング5a,5bを形成してい
る。これにより以下のような特有の効果が得られる。図
6に示したように、上記実施の形態1のように形成した
グレーティング5a,5bにArFレーザの紫外光11
を照射すると、グレーティング5a,5bの全体の等価
屈折率が増加し、さらに屈折率変調度も増大するため、
反射スペクトルの中心波長が長波長側にシフトし、さら
に反射スペクトルの帯域幅も増加する。また、屈折率変
調度の増大の割合が、グレーティング5a,5bの長さ
方向の屈折率変調強度分布に比例しないため、ArFレ
ーザの紫外光11の照射後の屈折率変調強度分布が所望
の分布からずれた分布となり、反射スペクトルの形状が
劣化する。このような現象はより高精度な特性を得よう
とうする場合において問題となる。一方、本実施の形態
2のようにArFレーザの紫外光11aを照射して複屈
折を低減した後、KrFレーザの紫外光7を照射してグ
レーティング5a,5bを形成する場合は、中心波長の
シフトや反射スペクトルの帯域幅の広がりがない。さら
に、屈折率変調強度分布が後から変化することがないた
め、所望の屈折率変調強度分布が容易に得られる。この
ため、より高精度な特性を得ることができる。
光導波路2の中央部の2本のアーム部に、KrFレーザ
光を照射してグレーティング5a,5bを形成した後、
ArFレーザの紫外光11を照射して複屈折を低減した
が、本実施の形態2ではArFレーザの紫外光11aを
照射して複屈折を低減した後、マッハツェンダー光導波
路2の中央部の2本のアーム部に、KrFレーザの紫外
光7を照射してグレーティング5a,5bを形成してい
る。これにより以下のような特有の効果が得られる。図
6に示したように、上記実施の形態1のように形成した
グレーティング5a,5bにArFレーザの紫外光11
を照射すると、グレーティング5a,5bの全体の等価
屈折率が増加し、さらに屈折率変調度も増大するため、
反射スペクトルの中心波長が長波長側にシフトし、さら
に反射スペクトルの帯域幅も増加する。また、屈折率変
調度の増大の割合が、グレーティング5a,5bの長さ
方向の屈折率変調強度分布に比例しないため、ArFレ
ーザの紫外光11の照射後の屈折率変調強度分布が所望
の分布からずれた分布となり、反射スペクトルの形状が
劣化する。このような現象はより高精度な特性を得よう
とうする場合において問題となる。一方、本実施の形態
2のようにArFレーザの紫外光11aを照射して複屈
折を低減した後、KrFレーザの紫外光7を照射してグ
レーティング5a,5bを形成する場合は、中心波長の
シフトや反射スペクトルの帯域幅の広がりがない。さら
に、屈折率変調強度分布が後から変化することがないた
め、所望の屈折率変調強度分布が容易に得られる。この
ため、より高精度な特性を得ることができる。
【0062】本実施の形態では、モニタ用グレーティン
グ5cの形成には、KrFレーザの紫外光(波長248
nm)7aを使用したが、本発明は紫外光源に限定され
ない。グレーティング5a,5bを形成するためには、
PLC1aにおいて基板14の厚さ方向で吸収が小さ
く、複屈折の変化が小さいことが望ましい。従って、上
記実施の形態1で上述したように、波長230nm以上
の紫外光が良く、具体的にはKrFレーザ(波長248
nm)、Nd:YAGレーザの第4高調波(波長266
nm)、Arレーザの第2高調波(波長244nm)な
どが適当である。またArFレーザなどの紫外光を照射
して複屈折を低減させた後に形成するグレーティングに
おいても同様に波長230nm以上の紫外光が良い。
グ5cの形成には、KrFレーザの紫外光(波長248
nm)7aを使用したが、本発明は紫外光源に限定され
ない。グレーティング5a,5bを形成するためには、
PLC1aにおいて基板14の厚さ方向で吸収が小さ
く、複屈折の変化が小さいことが望ましい。従って、上
記実施の形態1で上述したように、波長230nm以上
の紫外光が良く、具体的にはKrFレーザ(波長248
nm)、Nd:YAGレーザの第4高調波(波長266
nm)、Arレーザの第2高調波(波長244nm)な
どが適当である。またArFレーザなどの紫外光を照射
して複屈折を低減させた後に形成するグレーティングに
おいても同様に波長230nm以上の紫外光が良い。
【0063】なお、本実施の形態ではマッハツェンダー
光導波路2のほかに直線形状の光導波路2cを設け、直
線形状の光導波路2cをモニタ用光導波路として用いた
が、本発明においては、モニタ用光導波路は直線形状の
光導波路に限るものではなく、他の形状のマッハツェン
ダー光導波路であってもよい。例えば、1個のPLC1
a内には通常複数のマッハツェンダー型光導波路2を形
成し、そのうち1個又は複数個をPLC1aの合波分波
フィルタとして選択的に使用することが多いため、合波
分波フィルタとして使用しない他のマッハツェンダー光
導波路2をモニタ用光導波路2cとして用いてもよい。
光導波路2のほかに直線形状の光導波路2cを設け、直
線形状の光導波路2cをモニタ用光導波路として用いた
が、本発明においては、モニタ用光導波路は直線形状の
光導波路に限るものではなく、他の形状のマッハツェン
ダー光導波路であってもよい。例えば、1個のPLC1
a内には通常複数のマッハツェンダー型光導波路2を形
成し、そのうち1個又は複数個をPLC1aの合波分波
フィルタとして選択的に使用することが多いため、合波
分波フィルタとして使用しない他のマッハツェンダー光
導波路2をモニタ用光導波路2cとして用いてもよい。
【0064】また、特にモニタ用光導波路2cを設けな
くても、合波分波フィルタとして用いるマッハツェンダ
ー光導波路2においてグレーティング5a,5bを形成
するアーム部を含めた一部に、モニタ用のグレーティン
グ5cを形成し、その後モニタ用のグレーティング5c
の特性を測定しながらArFレーザの紫外光11aを照
射した後、合波分波フィルタ用のグレーティング5cを
形成してもよい。この場合、より好ましくは、モニタ用
グレーティング5cと合波分波フィルタ用グレーティン
グ5a,5bとは、グレーティングピッチが異なる方が
望ましい。すなわち、合波分波フィルタ用グレーティン
グ5a,5bのブラッグ波長λBから十分離れた波長に
ブラッグ波長λBを有するグレーティング5cをモニタ
用グレーティングとすると合波分波フィルタの特性は劣
化しない。
くても、合波分波フィルタとして用いるマッハツェンダ
ー光導波路2においてグレーティング5a,5bを形成
するアーム部を含めた一部に、モニタ用のグレーティン
グ5cを形成し、その後モニタ用のグレーティング5c
の特性を測定しながらArFレーザの紫外光11aを照
射した後、合波分波フィルタ用のグレーティング5cを
形成してもよい。この場合、より好ましくは、モニタ用
グレーティング5cと合波分波フィルタ用グレーティン
グ5a,5bとは、グレーティングピッチが異なる方が
望ましい。すなわち、合波分波フィルタ用グレーティン
グ5a,5bのブラッグ波長λBから十分離れた波長に
ブラッグ波長λBを有するグレーティング5cをモニタ
用グレーティングとすると合波分波フィルタの特性は劣
化しない。
【0065】なお、本実施の形態では、ArFレーザの
紫外光11aの照射前にモニタ用グレーティング5cを
形成し、モニタ用グレーティング5cの反射スペクトル
を測定しながらArFレーザの紫外光11aの照射量を
調整したが、本発明はこれに限らず、モニタ用グレーテ
ィング5cの透過スペクトルを測定しながらArFレー
ザの紫外光11aの照射量を調整してもよい。また、モ
ニタ用グレーティング5cのPMDなど、偏波に依存し
た他の測定対象であってもよい。
紫外光11aの照射前にモニタ用グレーティング5cを
形成し、モニタ用グレーティング5cの反射スペクトル
を測定しながらArFレーザの紫外光11aの照射量を
調整したが、本発明はこれに限らず、モニタ用グレーテ
ィング5cの透過スペクトルを測定しながらArFレー
ザの紫外光11aの照射量を調整してもよい。また、モ
ニタ用グレーティング5cのPMDなど、偏波に依存し
た他の測定対象であってもよい。
【0066】さらに、このような方法でArFレーザの
紫外光11aの照射条件を把握した後、同一製造条件の
PLC1aにモニタ用グレーティング5cを形成するこ
となく、ArFレーザの紫外光11aの照射を行い、そ
の後グレーティング5a,5bを形成してもよい。この
ような方法は大量生産時には製造プロセスを簡略化でき
低コスト化を図る上できわめて有効である。
紫外光11aの照射条件を把握した後、同一製造条件の
PLC1aにモニタ用グレーティング5cを形成するこ
となく、ArFレーザの紫外光11aの照射を行い、そ
の後グレーティング5a,5bを形成してもよい。この
ような方法は大量生産時には製造プロセスを簡略化でき
低コスト化を図る上できわめて有効である。
【0067】実施の形態3.図15は、本発明に係る実
施の形態3の合波分波フィルタにおいて水素を添加しな
いときのArFレーザの紫外光の照射前後の反射係数の
波長特性を示すグラフである。上記実施の形態1ではA
rFレーザの紫外光を高圧水素処理後3日以内に行った
場合、すなわちPLC1の内部に水素や重水素が添加さ
れている場合について述べたが、本実施の形態では水素
又は重水素が添加されていないことを特徴としており、
この場合の作用効果について以下に説明する。
施の形態3の合波分波フィルタにおいて水素を添加しな
いときのArFレーザの紫外光の照射前後の反射係数の
波長特性を示すグラフである。上記実施の形態1ではA
rFレーザの紫外光を高圧水素処理後3日以内に行った
場合、すなわちPLC1の内部に水素や重水素が添加さ
れている場合について述べたが、本実施の形態では水素
又は重水素が添加されていないことを特徴としており、
この場合の作用効果について以下に説明する。
【0068】なお、水素や重水素が添加されていない場
合とは、PLC1の作製後に全く高圧水素処理を行って
いない場合のほかに、高圧水素処理後十分時間が経過
し、PLC1の内部から水素や重水素が抜けきった場合
や、高圧水素処理後80℃以上の高温雰囲気などに放置
し、PLC1の内部から水素や重水素を除去する加熱処
理を行った場合を含む。すなわち、水素や重水素添加に
より得られる効果が認められない場合は水素や重水素が
添加されていない場合に含む。なお、水素や重水素添加
により得られる効果は、水素と重水素で違いがないた
め、以下、単に水素とする。
合とは、PLC1の作製後に全く高圧水素処理を行って
いない場合のほかに、高圧水素処理後十分時間が経過
し、PLC1の内部から水素や重水素が抜けきった場合
や、高圧水素処理後80℃以上の高温雰囲気などに放置
し、PLC1の内部から水素や重水素を除去する加熱処
理を行った場合を含む。すなわち、水素や重水素添加に
より得られる効果が認められない場合は水素や重水素が
添加されていない場合に含む。なお、水素や重水素添加
により得られる効果は、水素と重水素で違いがないた
め、以下、単に水素とする。
【0069】図7と図15は、水素を添加したPLC1
である合波分波フィルタと、水素を添加していない合波
分波フィルタの、ArFレーザの紫外光11の照射前後
のTE光とTM光の反射スペクトルを示したものであ
る。なお、水素を添加した合波分波フィルタは、マッハ
ツェンダー光導波路2を形成したPLC1を120気圧
の水素中に2週間放置した後大気中に取り出し、KrF
レーザの紫外光によりグレーティングを形成した後、A
rFレーザの紫外光11を照射したもので、ArFレー
ザの紫外光11の照射は高圧水素処理から取り出して2
日目に行った。一方、水素を添加していない合波分波フ
ィルタは、マッハツェンダー光導波路2を形成したPL
C1を120気圧の水素中に2週間放置した後大気中に
取り出し、KrFレーザの紫外光7によりグレーティン
グ5a,5bを形成した後、十分時間が経過した後Ar
Fレーザの紫外光11を照射したもので、ArFレーザ
の紫外光11の照射は高圧水素処理から取り出して70
日目に行った。なお、ArFレーザの紫外光11の照射
前にこの合波分波フィルタの光導波路2a,2bの一部
にKrFレーザの紫外光を照射して水素添加の効果が認
められないことは確認した。
である合波分波フィルタと、水素を添加していない合波
分波フィルタの、ArFレーザの紫外光11の照射前後
のTE光とTM光の反射スペクトルを示したものであ
る。なお、水素を添加した合波分波フィルタは、マッハ
ツェンダー光導波路2を形成したPLC1を120気圧
の水素中に2週間放置した後大気中に取り出し、KrF
レーザの紫外光によりグレーティングを形成した後、A
rFレーザの紫外光11を照射したもので、ArFレー
ザの紫外光11の照射は高圧水素処理から取り出して2
日目に行った。一方、水素を添加していない合波分波フ
ィルタは、マッハツェンダー光導波路2を形成したPL
C1を120気圧の水素中に2週間放置した後大気中に
取り出し、KrFレーザの紫外光7によりグレーティン
グ5a,5bを形成した後、十分時間が経過した後Ar
Fレーザの紫外光11を照射したもので、ArFレーザ
の紫外光11の照射は高圧水素処理から取り出して70
日目に行った。なお、ArFレーザの紫外光11の照射
前にこの合波分波フィルタの光導波路2a,2bの一部
にKrFレーザの紫外光を照射して水素添加の効果が認
められないことは確認した。
【0070】ArFレーザの紫外光照射条件は、ArF
レーザの発振周波数を50Hz、1パルスあたりのエネ
ルギー密度を100mJ/cm2一定とし、TE光とT
M光の反射スペクトルの中心波長が一致するまでグレー
ティング5a,5bの部分に一様に照射した。照射時間
はそれぞれ、水素を添加した合波分波フィルタは約5
分、水素を添加していない合波分波フィルタは約25分
であった。
レーザの発振周波数を50Hz、1パルスあたりのエネ
ルギー密度を100mJ/cm2一定とし、TE光とT
M光の反射スペクトルの中心波長が一致するまでグレー
ティング5a,5bの部分に一様に照射した。照射時間
はそれぞれ、水素を添加した合波分波フィルタは約5
分、水素を添加していない合波分波フィルタは約25分
であった。
【0071】図7及び図15から明らかなように、水素
を添加した場合と添加していない場合を比較すると、反
射スペクトルの中心波長移動量は同程度であるが、反射
スペクトルの帯域幅の広がりは、水素を添加した場合の
方が少ないことが分かる。すなわち、水素を添加した方
が、ArFレーザの紫外光11の照射による屈折率変調
の強まり方が小さい。屈折率変調の精度は合波分波フィ
ルタの反射スペクトルの帯域内リップルや帯域外減衰量
などの特性に敏感に影響するため、屈折率変調は位相マ
スク6などを用いたグレーティング5a,5bの形成プ
ロセスで形成しておく方が望ましく、複屈折を低減する
ための紫外光11を照射するプロセスでは屈折率変調の
変化は小さい方が望ましい。従って、水素を添加した方
がより精度の高い合波分波フィルタなどのグレーティン
グデバイスを得ることができる。また水素を添加した方
が、紫外光の照射時間が短くて済むので低コスト化を図
る上でも有利である。
を添加した場合と添加していない場合を比較すると、反
射スペクトルの中心波長移動量は同程度であるが、反射
スペクトルの帯域幅の広がりは、水素を添加した場合の
方が少ないことが分かる。すなわち、水素を添加した方
が、ArFレーザの紫外光11の照射による屈折率変調
の強まり方が小さい。屈折率変調の精度は合波分波フィ
ルタの反射スペクトルの帯域内リップルや帯域外減衰量
などの特性に敏感に影響するため、屈折率変調は位相マ
スク6などを用いたグレーティング5a,5bの形成プ
ロセスで形成しておく方が望ましく、複屈折を低減する
ための紫外光11を照射するプロセスでは屈折率変調の
変化は小さい方が望ましい。従って、水素を添加した方
がより精度の高い合波分波フィルタなどのグレーティン
グデバイスを得ることができる。また水素を添加した方
が、紫外光の照射時間が短くて済むので低コスト化を図
る上でも有利である。
【0072】なお、本発明においては、紫外光11はA
rFレーザの紫外光に限るものではなく、他の波長の紫
外光であっても同様の効果が得られる。特に、波長23
0nm以上の紫外光では水素を添加した方がより敏感に
屈折率変化が起こるため、水素添加による効果は大き
い。
rFレーザの紫外光に限るものではなく、他の波長の紫
外光であっても同様の効果が得られる。特に、波長23
0nm以上の紫外光では水素を添加した方がより敏感に
屈折率変化が起こるため、水素添加による効果は大き
い。
【0073】以上のように合波分波フィルタなどの光導
波路2a,2bにグレーティング5a,5bを形成した
PLC1に紫外光11を照射して複屈折を制御する場合
は、水素添加を行った方が特性のよいグレーティングデ
バイスを得ることができる。そもそもグレーティング5
a,5bの形成前には高圧水素処理を行うのが一般的で
あるのでプロセスの一貫性からも都合が良い。また、光
カプラやAWGなどグレーティングを形成しないPLC
に紫外光を照射して複屈折を制御する場合であっても、
水素添加を行うことにより紫外光の照射時間が短くて済
むので大量生産を行う上で低コスト化が図れ好都合であ
る。しかしながら、光カプラやAWGなどグレーティン
グを形成しないPLCでは、本来、高圧水素処理を行う
必要がないので、水素添加を行わずに紫外光を照射する
ことには、高圧水素処理用の設備を導入しなくてよいの
で小さな設備投資で生産が行えるという点で有利であ
る。
波路2a,2bにグレーティング5a,5bを形成した
PLC1に紫外光11を照射して複屈折を制御する場合
は、水素添加を行った方が特性のよいグレーティングデ
バイスを得ることができる。そもそもグレーティング5
a,5bの形成前には高圧水素処理を行うのが一般的で
あるのでプロセスの一貫性からも都合が良い。また、光
カプラやAWGなどグレーティングを形成しないPLC
に紫外光を照射して複屈折を制御する場合であっても、
水素添加を行うことにより紫外光の照射時間が短くて済
むので大量生産を行う上で低コスト化が図れ好都合であ
る。しかしながら、光カプラやAWGなどグレーティン
グを形成しないPLCでは、本来、高圧水素処理を行う
必要がないので、水素添加を行わずに紫外光を照射する
ことには、高圧水素処理用の設備を導入しなくてよいの
で小さな設備投資で生産が行えるという点で有利であ
る。
【0074】以上の実施の形態3においては、複屈折を
低減するときに水素又は重水素を添加することについて
説明したが、本発明はこれに限らず、複屈折を増大する
ときにおいても、水素又は重水素を添加することが好ま
しい。その理由は、反射スペクトルの帯域幅の広がり
は、水素を添加した方が少なく、また、水素を添加した
方が紫外光の照射時間を短縮して製造コストを低減でき
るという同様の効果を有するからである。
低減するときに水素又は重水素を添加することについて
説明したが、本発明はこれに限らず、複屈折を増大する
ときにおいても、水素又は重水素を添加することが好ま
しい。その理由は、反射スペクトルの帯域幅の広がり
は、水素を添加した方が少なく、また、水素を添加した
方が紫外光の照射時間を短縮して製造コストを低減でき
るという同様の効果を有するからである。
【0075】実施の形態4.図16は、本発明に係る実
施の形態4の平面光波回路(PLC)1bであるPMD
補償器の構成を示す平面図である。上記実施の形態1で
はPLC1の複屈折を低減する場合について説明した
が、この実施の形態では、同様の方法を用いてPLC1
cであるPMD補償器の複屈折を増大させることを特徴
としている。
施の形態4の平面光波回路(PLC)1bであるPMD
補償器の構成を示す平面図である。上記実施の形態1で
はPLC1の複屈折を低減する場合について説明した
が、この実施の形態では、同様の方法を用いてPLC1
cであるPMD補償器の複屈折を増大させることを特徴
としている。
【0076】図16に示すように、PMD補償器1はマ
ッハツェンダー光導波路2の2本のアーム部に形成した
2つのグレーティング5d,5eがチャープドグレーテ
ィングである以外は上記実施の形態1で述べた合波分波
フィルタと同様の構造である。PMD補償器1のチャー
プドグレーティング5d,5eはグレーティングピッチ
Λがグレーティングの長さ方向(伝搬方向)に1次関数
的に変化している。グレーティングで反射される波長
(ブラッグ波長)λBは、グレーティング5の等価屈折
率をNeffとすると、λB=2・Neff・Λで表されるた
め、グレーティング5d,5eの位置によってブラッグ
波長λBが異なる。
ッハツェンダー光導波路2の2本のアーム部に形成した
2つのグレーティング5d,5eがチャープドグレーテ
ィングである以外は上記実施の形態1で述べた合波分波
フィルタと同様の構造である。PMD補償器1のチャー
プドグレーティング5d,5eはグレーティングピッチ
Λがグレーティングの長さ方向(伝搬方向)に1次関数
的に変化している。グレーティングで反射される波長
(ブラッグ波長)λBは、グレーティング5の等価屈折
率をNeffとすると、λB=2・Neff・Λで表されるた
め、グレーティング5d,5eの位置によってブラッグ
波長λBが異なる。
【0077】図16において、入力ポート3aから光を
入力した場合は、所定のしきい値の波長λthよりも短い
波長λshortの光はグレーティング5d,5eの手前
(図上左側)で反射され、上記しきい値の波長λthより
も長い波長λlongの光はグレーティング5d,5eの奥
(図上右側)で反射される。このため、出力ポート3b
から出力される光は、上記短い波長λshortの光は、短
い距離を伝搬するため短時間で出力されるが、上記長い
波長λlongの光は長い距離を伝搬するため出力されるま
で時間がかかる。入力した光が出力されるまでの時間を
群遅延時間といい、最も群遅延時間が小さい波長の光を
0として相対値で表すことが多い。すなわち入力ポート
3aから入力した光が、出力ポート3bより出力される
までの群遅延時間は、短い波長λshortの光は小さくな
り、長い波長λlongの光は大きくなるため、群遅延時間
特性は波長に対して1次関数的に増加する特性となる。
入力した場合は、所定のしきい値の波長λthよりも短い
波長λshortの光はグレーティング5d,5eの手前
(図上左側)で反射され、上記しきい値の波長λthより
も長い波長λlongの光はグレーティング5d,5eの奥
(図上右側)で反射される。このため、出力ポート3b
から出力される光は、上記短い波長λshortの光は、短
い距離を伝搬するため短時間で出力されるが、上記長い
波長λlongの光は長い距離を伝搬するため出力されるま
で時間がかかる。入力した光が出力されるまでの時間を
群遅延時間といい、最も群遅延時間が小さい波長の光を
0として相対値で表すことが多い。すなわち入力ポート
3aから入力した光が、出力ポート3bより出力される
までの群遅延時間は、短い波長λshortの光は小さくな
り、長い波長λlongの光は大きくなるため、群遅延時間
特性は波長に対して1次関数的に増加する特性となる。
【0078】図16において、逆に、入力ポート3cよ
り入力した光が、出力ポート3dより出力されるまでの
群遅延時間は、上記短い波長λshortの光は大きくな
り、上記長い波長λlongの光は小さくなるため、群遅延
時間特性は波長に対して1次関数的に減少する特性とな
る。このような動作をするグレーティングデバイスは分
散補償器と呼ばれ、光伝送路の波長分散を補償するデバ
イスとして用いられる。分散補償器においても偏波依存
性が小さいことが要求されるため、上記実施の形態1と
同様の方法を用いて、複屈折の低減が行うことができ
る。
り入力した光が、出力ポート3dより出力されるまでの
群遅延時間は、上記短い波長λshortの光は大きくな
り、上記長い波長λlongの光は小さくなるため、群遅延
時間特性は波長に対して1次関数的に減少する特性とな
る。このような動作をするグレーティングデバイスは分
散補償器と呼ばれ、光伝送路の波長分散を補償するデバ
イスとして用いられる。分散補償器においても偏波依存
性が小さいことが要求されるため、上記実施の形態1と
同様の方法を用いて、複屈折の低減が行うことができ
る。
【0079】一方、このような分散補償器と同一の構造
で複屈折を大きくするとPMD補償器として利用するこ
とができる。図17及び図18は、図16の分散補償器
の複屈折すなわち偏波依存性を大きくしたPMD補償器
の動作を示す図であって、図17は入力ポート3a及び
出力ポート3bを使用してTE光の群遅延時間>TM光
の群遅延時間のときの群遅延時間及び反射損失の波長特
性を示すグラフであり、図18は入力ポート3a及び出
力ポート3bを使用してTE光の群遅延時間<TM光の
群遅延時間のときの群遅延時間及び反射損失の波長特性
を示すグラフである。
で複屈折を大きくするとPMD補償器として利用するこ
とができる。図17及び図18は、図16の分散補償器
の複屈折すなわち偏波依存性を大きくしたPMD補償器
の動作を示す図であって、図17は入力ポート3a及び
出力ポート3bを使用してTE光の群遅延時間>TM光
の群遅延時間のときの群遅延時間及び反射損失の波長特
性を示すグラフであり、図18は入力ポート3a及び出
力ポート3bを使用してTE光の群遅延時間<TM光の
群遅延時間のときの群遅延時間及び反射損失の波長特性
を示すグラフである。
【0080】ここで、PMD(偏波モード分散)とは偏
波による群遅延時間の差である。図17及び図18に示
すように、PLC1に複屈折があるため反射スペクトル
(反射損失)に偏波依存性がある場合、群遅延時間特性
にも同様に偏波依存性が生じる。ここで、図17は、T
M光の方がTE光より等価屈折率が大きくなるように複
屈折を設けた場合であるが、ある波長λ0を見ると入力
ポート3a及び出力ポート3bを使用した場合にはTE
光の方が群遅延時間が大きくなり、入力ポート3c及び
出力ポート3dを使用した場合にはTM光の方が群遅延
時間が大きくなる。光通信システムにおいて、PMDは
光ファイバや各種光デバイスで累積され、光伝送路全体
では大きな値となる。光伝送路の受信端でTE光とTM
光の群遅延時間を測定し、それらによるPMDを打ち消
すようにPMD補償器を設けることで、PMD補償器を
含めた光伝送路全体のPMDを実質的に0(問題の無い
レベルまで小さい値)とすることができる。例えば、あ
る光伝送路でTE光の方が群遅延時間が大きい場合、図
18に示すように、TM光の方が群遅延時間が大きいP
MD補償器を設ければよい。
波による群遅延時間の差である。図17及び図18に示
すように、PLC1に複屈折があるため反射スペクトル
(反射損失)に偏波依存性がある場合、群遅延時間特性
にも同様に偏波依存性が生じる。ここで、図17は、T
M光の方がTE光より等価屈折率が大きくなるように複
屈折を設けた場合であるが、ある波長λ0を見ると入力
ポート3a及び出力ポート3bを使用した場合にはTE
光の方が群遅延時間が大きくなり、入力ポート3c及び
出力ポート3dを使用した場合にはTM光の方が群遅延
時間が大きくなる。光通信システムにおいて、PMDは
光ファイバや各種光デバイスで累積され、光伝送路全体
では大きな値となる。光伝送路の受信端でTE光とTM
光の群遅延時間を測定し、それらによるPMDを打ち消
すようにPMD補償器を設けることで、PMD補償器を
含めた光伝送路全体のPMDを実質的に0(問題の無い
レベルまで小さい値)とすることができる。例えば、あ
る光伝送路でTE光の方が群遅延時間が大きい場合、図
18に示すように、TM光の方が群遅延時間が大きいP
MD補償器を設ければよい。
【0081】次いで、図16のPMD補償器の製造方法
について以下に説明する。まず、上記実施の形態1と同
様の手順でPLC1に対してArFレーザなどの紫外光
11を照射する。ArFレーザなどの紫外光11を照射
するに従って、PLC1の複屈折が減少し偏波依存性が
無くなる。さらに、ArFレーザの紫外光11を照射し
続けると、今度は逆の方向に複屈折が増大し始め、所望
の複屈折になるまでArFレーザの紫外光11を照射す
ることにより、所望の偏波依存性すなわちPMDを持っ
たPMD補償器が得られる。このように、紫外光11の
照射量(照射時間)を調整することによりPMDの大き
さの異なるPMD補償器を容易に作製することができ
る。複屈折の大きさを2.5×10-4以上とすれば、1
0mmのグレーティング長でPMDが10ps以上のP
MD補償器を容易に得ることができ、実用上十分であ
る。さらに好ましくは、偏波保持ファイバ(PANDA
ファイバ)と同等の複屈折すなわち4.5×10-4以上
が望ましい。
について以下に説明する。まず、上記実施の形態1と同
様の手順でPLC1に対してArFレーザなどの紫外光
11を照射する。ArFレーザなどの紫外光11を照射
するに従って、PLC1の複屈折が減少し偏波依存性が
無くなる。さらに、ArFレーザの紫外光11を照射し
続けると、今度は逆の方向に複屈折が増大し始め、所望
の複屈折になるまでArFレーザの紫外光11を照射す
ることにより、所望の偏波依存性すなわちPMDを持っ
たPMD補償器が得られる。このように、紫外光11の
照射量(照射時間)を調整することによりPMDの大き
さの異なるPMD補償器を容易に作製することができ
る。複屈折の大きさを2.5×10-4以上とすれば、1
0mmのグレーティング長でPMDが10ps以上のP
MD補償器を容易に得ることができ、実用上十分であ
る。さらに好ましくは、偏波保持ファイバ(PANDA
ファイバ)と同等の複屈折すなわち4.5×10-4以上
が望ましい。
【0082】なお、本実施の形態ではArFレーザの紫
外光11を照射して偏波依存性を大きくしたPLCとし
てPMD補償器について述べたが、本発明においては、
偏波依存性を大きくしたPLCの用途はPMD補償器に
限るものではなく、他の用途のデバイスであってもよ
い。また、PMD補償器としてチャープドグレーティン
グを形成した場合について述べたが、他のグレーティン
グであってもよい。さらに本発明の複屈折を増大させる
方法はグレーティングデバイスに限らず他のPLCに適
用してもよい。
外光11を照射して偏波依存性を大きくしたPLCとし
てPMD補償器について述べたが、本発明においては、
偏波依存性を大きくしたPLCの用途はPMD補償器に
限るものではなく、他の用途のデバイスであってもよ
い。また、PMD補償器としてチャープドグレーティン
グを形成した場合について述べたが、他のグレーティン
グであってもよい。さらに本発明の複屈折を増大させる
方法はグレーティングデバイスに限らず他のPLCに適
用してもよい。
【0083】実施の形態5.図19は、本発明に係る実
施の形態5の光ファイバケーブル50の構成を示す斜視
図である。上記実施の形態4ではPLCの複屈折を増大
させる場合について述べたが、実施の形態5において
は、実施の形態4と同様の方法を、シングルモード光フ
ァイバケーブルや、分散シフト光ファイバケーブルなど
の、複屈折が非常に小さい光ファイバケーブルにも適用
することを特徴としている。
施の形態5の光ファイバケーブル50の構成を示す斜視
図である。上記実施の形態4ではPLCの複屈折を増大
させる場合について述べたが、実施の形態5において
は、実施の形態4と同様の方法を、シングルモード光フ
ァイバケーブルや、分散シフト光ファイバケーブルなど
の、複屈折が非常に小さい光ファイバケーブルにも適用
することを特徴としている。
【0084】従来、複屈折が大きい光ファイバケーブル
として、偏波保持光ファイバケーブル(以下、PAND
A光ファイバケーブルという。)がある。PANDA光
ファイバケーブルは、コア断面の互いに直交する直径方
向に応力分布を持たせて複屈折を大きくした光ファイバ
である。このようなPANDAファイバにグレーティン
グを形成したPANDAファイバグレーティングがPM
D補償器や各種光ファイバセンサとして用いられてい
る。
として、偏波保持光ファイバケーブル(以下、PAND
A光ファイバケーブルという。)がある。PANDA光
ファイバケーブルは、コア断面の互いに直交する直径方
向に応力分布を持たせて複屈折を大きくした光ファイバ
である。このようなPANDAファイバにグレーティン
グを形成したPANDAファイバグレーティングがPM
D補償器や各種光ファイバセンサとして用いられてい
る。
【0085】本実施の形態においては、図19に示すよ
うに、シングルモード光ファイバケーブルや分散シフト
光ファイバケーブルなどの、コア51とクラッド53に
てなる光ファイバケーブル50、もしくはそれらにグレ
ーティングを形成したファイバグレーティングに対し
て、上記実施の形態4と同様の方法でArFレーザなど
の紫外光を照射することにより、光ファイバケーブル5
0の照射方向(図19において図上上下方向)の等価屈
折率に分布を持たせ複屈折を大きくすることができ、こ
れにより、PANDA光ファイバケーブルやそのファイ
バグレーティングと同様の効果を奏するグレーティング
デバイスが容易に得られる。
うに、シングルモード光ファイバケーブルや分散シフト
光ファイバケーブルなどの、コア51とクラッド53に
てなる光ファイバケーブル50、もしくはそれらにグレ
ーティングを形成したファイバグレーティングに対し
て、上記実施の形態4と同様の方法でArFレーザなど
の紫外光を照射することにより、光ファイバケーブル5
0の照射方向(図19において図上上下方向)の等価屈
折率に分布を持たせ複屈折を大きくすることができ、こ
れにより、PANDA光ファイバケーブルやそのファイ
バグレーティングと同様の効果を奏するグレーティング
デバイスが容易に得られる。
【0086】また、上述の実施の形態と同様に、複屈折
の大きさは紫外光の照射量により任意に設定できるの
で、所望の複屈折が容易に得られる。なお、複屈折の大
きさは上記実施の形態4と同様に、2.5×10-4以上
とすれば、10mmのグレーティング長でPMD10p
s以上のPMD補償器が容易に得られ実用上十分であ
り、さらに好ましくは、PANDA光ファイバケーブル
と同等の複屈折、すなわち4.5×10-4以上とするこ
とが望ましい。
の大きさは紫外光の照射量により任意に設定できるの
で、所望の複屈折が容易に得られる。なお、複屈折の大
きさは上記実施の形態4と同様に、2.5×10-4以上
とすれば、10mmのグレーティング長でPMD10p
s以上のPMD補償器が容易に得られ実用上十分であ
り、さらに好ましくは、PANDA光ファイバケーブル
と同等の複屈折、すなわち4.5×10-4以上とするこ
とが望ましい。
【0087】実施の形態6.図20は、本発明に係る実
施の形態6の平面光波回路(PLC)1cであるアレー
光導波路型光合分波器(AWG)の構成を示す平面図で
ある。実施の形態1及び2においては、PLC1,1a
の光導波路にグレーティングを形成したグレーティング
デバイスについて説明したが、本実施の形態では、光カ
プラやAWGなどグレーティングデバイス以外のPLC
について説明する。
施の形態6の平面光波回路(PLC)1cであるアレー
光導波路型光合分波器(AWG)の構成を示す平面図で
ある。実施の形態1及び2においては、PLC1,1a
の光導波路にグレーティングを形成したグレーティング
デバイスについて説明したが、本実施の形態では、光カ
プラやAWGなどグレーティングデバイス以外のPLC
について説明する。
【0088】図20において、PLC1cであるAWG
は以下のように構成される。PLC1aであるAWG
は、SiやSiO2等の基板14上に、CVD法などの
成膜プロセスとRIE法などのエッチングプロセスによ
り、AWG用光導波路2dとモニタ用光導波路2cが形
成される。ここで、AWG用光導波路2dは、複数の入
力光導波路13aと、出力光導波路13bと、2個のス
ラブ光導波路13c,13d、及び隣同士の光導波路間
で光導波路長差ΔLを有するアレー光導波路13eによ
り構成されている。AWG用光導波路2dの入力光導波
路13a及び出力光導波路13bには図示していないが
光ファイバコネクタが接続されている。またモニタ用光
導波路2cには光ファイバコネクタが取りつけられてい
てもよいが、取りつけられていなくてもよい。すなわ
ち、PLC1cであるAWGは、AWG用光導波路2d
のみで動作させることができる。さらに、図示していな
いがAWGには全体の温度を制御するために、ペルチェ
素子やヒーターなどの温度制御手段が設けられている。
なお、図20においては、入力光導波路13a、出力光
導波路13b、及びアレー光導波路dはそれぞれ8本と
したが、使用する波長数により任意の本数とすることが
できる
は以下のように構成される。PLC1aであるAWG
は、SiやSiO2等の基板14上に、CVD法などの
成膜プロセスとRIE法などのエッチングプロセスによ
り、AWG用光導波路2dとモニタ用光導波路2cが形
成される。ここで、AWG用光導波路2dは、複数の入
力光導波路13aと、出力光導波路13bと、2個のス
ラブ光導波路13c,13d、及び隣同士の光導波路間
で光導波路長差ΔLを有するアレー光導波路13eによ
り構成されている。AWG用光導波路2dの入力光導波
路13a及び出力光導波路13bには図示していないが
光ファイバコネクタが接続されている。またモニタ用光
導波路2cには光ファイバコネクタが取りつけられてい
てもよいが、取りつけられていなくてもよい。すなわ
ち、PLC1cであるAWGは、AWG用光導波路2d
のみで動作させることができる。さらに、図示していな
いがAWGには全体の温度を制御するために、ペルチェ
素子やヒーターなどの温度制御手段が設けられている。
なお、図20においては、入力光導波路13a、出力光
導波路13b、及びアレー光導波路dはそれぞれ8本と
したが、使用する波長数により任意の本数とすることが
できる
【0089】図21乃至図24は、図20のアレー光導
波路型光合分波器(AWG)を製造するための製造方法
における複数の工程を示すアレー光導波路型光合分波器
(AWG)の平面図である。まず、図21に示すよう
に、所定の光導波路パターンを形成したPLC1cが成
膜プロセスとエッチングプロセスにより得られる。次い
で、図22に示すように、モニタ用光導波路2cの一部
に、位相マスク6aを設け、位相マスク6aを介してP
LC1aに対してKrFレーザの紫外光(248nm)
7aを照射することにより屈折率変調を形成したグレー
ティング5cを作製する。さらに、図23に示すよう
に、光源8からの光を、光ファイバケーブル71、偏波
コントローラ9及び光ファイバケーブル72を介してモ
ニタ用光導波路2cの一端にあるポート3eに入力し、
当該光はグレーティング5cが形成されたモニタ用光導
波路2cを介して伝搬し、さらに、当該モニタ用光導波
路2cの他端であるポート3fから透過光が出力され
る。この透過光は、光ファイバケーブル73を介してス
ペクトルアナライザ10などで測定される。ここで、偏
波コントローラ9により入力光をTE光やTM光に順次
コントロールして、スペクトルアナライザ10により偏
波依存性を含む偏波特性を測定することができる。偏波
コントローラ9により、偏波をTE光とTM光に順次コ
ントロールしながらArFレーザの紫外光11をPLC
1cの実質的に全体に照射し、TE光とTM光のスペク
トル特性を含む偏波特性の測定から偏波依存性が十分小
さくなったらArFレーザの紫外光11の照射を止め
る。これにより、偏波依存性が小さいPLC1cである
AWGが形成される。
波路型光合分波器(AWG)を製造するための製造方法
における複数の工程を示すアレー光導波路型光合分波器
(AWG)の平面図である。まず、図21に示すよう
に、所定の光導波路パターンを形成したPLC1cが成
膜プロセスとエッチングプロセスにより得られる。次い
で、図22に示すように、モニタ用光導波路2cの一部
に、位相マスク6aを設け、位相マスク6aを介してP
LC1aに対してKrFレーザの紫外光(248nm)
7aを照射することにより屈折率変調を形成したグレー
ティング5cを作製する。さらに、図23に示すよう
に、光源8からの光を、光ファイバケーブル71、偏波
コントローラ9及び光ファイバケーブル72を介してモ
ニタ用光導波路2cの一端にあるポート3eに入力し、
当該光はグレーティング5cが形成されたモニタ用光導
波路2cを介して伝搬し、さらに、当該モニタ用光導波
路2cの他端であるポート3fから透過光が出力され
る。この透過光は、光ファイバケーブル73を介してス
ペクトルアナライザ10などで測定される。ここで、偏
波コントローラ9により入力光をTE光やTM光に順次
コントロールして、スペクトルアナライザ10により偏
波依存性を含む偏波特性を測定することができる。偏波
コントローラ9により、偏波をTE光とTM光に順次コ
ントロールしながらArFレーザの紫外光11をPLC
1cの実質的に全体に照射し、TE光とTM光のスペク
トル特性を含む偏波特性の測定から偏波依存性が十分小
さくなったらArFレーザの紫外光11の照射を止め
る。これにより、偏波依存性が小さいPLC1cである
AWGが形成される。
【0090】次いで、PLC1cであるAWGの動作に
ついて説明する。AWGの入力光導波路13aから入射
した光信号は入力側スラブ光導波路13c内で回折によ
り広がり、8本のアレー光導波路に同位相で分配され
る。8本に分配された光信号はアレー光導波路13eを
伝搬する際に光導波路長差ΔLに応じた位相差が与えら
れ、出力側スラブ光導波路13d内で互いに干渉して出
力光導波路13bに集光する。その際にアレー光導波路
13eで与えられた位相差は波長に応じて異なるため角
度分散が生じ、各波長に応じて異なる出力光導波路13
bから出力される。回折角θは、ns・d・sinθ+
nc・ΔL=mλで表わされ、ここで、nsはスラブ光導
波路13c,13dの等価屈折率、ncはアレー光導波
路13eの等価屈折率、dはアレー光導波路13eのピ
ッチ、mは回折次数、λは波長である。
ついて説明する。AWGの入力光導波路13aから入射
した光信号は入力側スラブ光導波路13c内で回折によ
り広がり、8本のアレー光導波路に同位相で分配され
る。8本に分配された光信号はアレー光導波路13eを
伝搬する際に光導波路長差ΔLに応じた位相差が与えら
れ、出力側スラブ光導波路13d内で互いに干渉して出
力光導波路13bに集光する。その際にアレー光導波路
13eで与えられた位相差は波長に応じて異なるため角
度分散が生じ、各波長に応じて異なる出力光導波路13
bから出力される。回折角θは、ns・d・sinθ+
nc・ΔL=mλで表わされ、ここで、nsはスラブ光導
波路13c,13dの等価屈折率、ncはアレー光導波
路13eの等価屈折率、dはアレー光導波路13eのピ
ッチ、mは回折次数、λは波長である。
【0091】上式から分かるように、PLC1cである
AWGにArFレーザの紫外光11を照射させると、ス
ラブ光導波路13c,13d及びアレー光導波路13e
の等価屈折率が増加するため、ArFレーザの紫外光1
1の照射前と動作する波長が異なる。これは、AWGに
設けられた温度制御手段により、AWGの温度を低下さ
せることで等価屈折率を低下させ、動作波長に合わせる
ことができる。しかしながら、通常はArFレーザの紫
外光11の照射による等価屈折率の増加を考慮して設計
を行い、ArFレーザの紫外光11の照射後、動作波長
を微調整するために温度制御手段を用いる方が、少ない
温度変化で済むため望ましい。
AWGにArFレーザの紫外光11を照射させると、ス
ラブ光導波路13c,13d及びアレー光導波路13e
の等価屈折率が増加するため、ArFレーザの紫外光1
1の照射前と動作する波長が異なる。これは、AWGに
設けられた温度制御手段により、AWGの温度を低下さ
せることで等価屈折率を低下させ、動作波長に合わせる
ことができる。しかしながら、通常はArFレーザの紫
外光11の照射による等価屈折率の増加を考慮して設計
を行い、ArFレーザの紫外光11の照射後、動作波長
を微調整するために温度制御手段を用いる方が、少ない
温度変化で済むため望ましい。
【0092】以上のように、グレーティングデバイス以
外のPLC1cにおいても、偏波依存性を低減すること
ができ、同様の方法で、光カプラなど他のPLCにおい
ても複屈折を低減することができる。これらのPLCに
おいても複屈折の大きさは上記実施の形態1と同様に、
5×10-5以下とすれば実用上問題はない。
外のPLC1cにおいても、偏波依存性を低減すること
ができ、同様の方法で、光カプラなど他のPLCにおい
ても複屈折を低減することができる。これらのPLCに
おいても複屈折の大きさは上記実施の形態1と同様に、
5×10-5以下とすれば実用上問題はない。
【0093】なお、本実施の形態では、ArFレーザの
紫外光11の照射前に、モニタ用グレーティング5cを
形成し、モニタ用グレーティング5cの透過スペクトル
を測定しながら、ArFレーザの紫外光11の照射量を
調整したが、本発明はこれに限らず、モニタ用グレーテ
ィングの反射スペクトルやPMDなど他の測定対象であ
ってもよい。また、特にモニタ用光導波路2cを設け
ず、AWG用光導波路2dに光を入力してその特性をモ
ニタしながら、ArFレーザの紫外光11を照射しても
よい。
紫外光11の照射前に、モニタ用グレーティング5cを
形成し、モニタ用グレーティング5cの透過スペクトル
を測定しながら、ArFレーザの紫外光11の照射量を
調整したが、本発明はこれに限らず、モニタ用グレーテ
ィングの反射スペクトルやPMDなど他の測定対象であ
ってもよい。また、特にモニタ用光導波路2cを設け
ず、AWG用光導波路2dに光を入力してその特性をモ
ニタしながら、ArFレーザの紫外光11を照射しても
よい。
【0094】さらに、このような方法でArFレーザの
紫外光11の照射条件を把握した後、同一製造条件のP
LC1cにモニタ用グレーティング5cを形成すること
なく、ArFレーザの紫外光11の照射を行ってもよ
い。このような方法は、量産時には製造プロセスを簡略
化でき低コスト化を図る上で有効である。
紫外光11の照射条件を把握した後、同一製造条件のP
LC1cにモニタ用グレーティング5cを形成すること
なく、ArFレーザの紫外光11の照射を行ってもよ
い。このような方法は、量産時には製造プロセスを簡略
化でき低コスト化を図る上で有効である。
【0095】なお、本実施の形態では複屈折を制御する
紫外光11としてArFレーザ(193nm)を用いた
場合について述べたが、本発明においては、紫外光の波
長はこれに限るものではない。
紫外光11としてArFレーザ(193nm)を用いた
場合について述べたが、本発明においては、紫外光の波
長はこれに限るものではない。
【0096】実施の形態7.図38は、本発明に係る実
施の形態7の平面光波回路(PLC)1である2つの3
dBカプラ4a,4bを備えたマッハツェンダー光導波
路2にてなる光導波路装置の構成を示す平面図であり、
図39は、図38の光導波路装置の偏波特性を測定する
ときの周辺回路を含むブロック図である。この実施の形
態7においては、2つの3dBカプラ4a,4bを備え
たマッハツェンダー光導波路2の出力ポート3c,3d
におけるTE光とTM光の偏波間の損失差を小さくし、
又は大きくするために、図39に示すように、光導波路
2a,2bの全体に対してArFレーザの紫外光11を
照射することを特徴としている。
施の形態7の平面光波回路(PLC)1である2つの3
dBカプラ4a,4bを備えたマッハツェンダー光導波
路2にてなる光導波路装置の構成を示す平面図であり、
図39は、図38の光導波路装置の偏波特性を測定する
ときの周辺回路を含むブロック図である。この実施の形
態7においては、2つの3dBカプラ4a,4bを備え
たマッハツェンダー光導波路2の出力ポート3c,3d
におけるTE光とTM光の偏波間の損失差を小さくし、
又は大きくするために、図39に示すように、光導波路
2a,2bの全体に対してArFレーザの紫外光11を
照射することを特徴としている。
【0097】ところで、複屈折率のあるマッハツェンダ
ー光導波路2では3dBカプラ4a,4bでの分岐比が
TE光とTM光で異なるため、出力ポート3c,3dか
ら出力される光の強度あるいは損失が偏波によって異な
る。このような偏波によって損失が異なることを偏波依
存損失(PDL)といい、TE光とTM光の損失の差
(dB)として表される。
ー光導波路2では3dBカプラ4a,4bでの分岐比が
TE光とTM光で異なるため、出力ポート3c,3dか
ら出力される光の強度あるいは損失が偏波によって異な
る。このような偏波によって損失が異なることを偏波依
存損失(PDL)といい、TE光とTM光の損失の差
(dB)として表される。
【0098】このような複屈折のあるマッハツェンダー
光導波路2の3dBカプラ4a,4bの機能部分を含む
光導波路2a,2bの実質的に全体の部分にArFレー
ザの紫外光11を照射し、複屈折を低減する。ArFレ
ーザの紫外光11の照射量の調整は、以下のようにして
行える。すなわち、図39に示すように、実施の形態1
及び2と同様に、光源8からのレーザ光を偏波コントロ
ーラ9及び偏光保持光ファイバケーブル72を介して入
力ポート3aに入射し、偏波コントローラ9を用いて入
力するレーザ光の偏波をコントロールすることにより、
TE光とTM光を順次入力する。出力ポート3c,3d
に偏光保持光ファイバケーブル73を介してスペクトル
アナライザ10を用いて各偏波のスペクトル特性を測定
することにより、もしくはモノクロメータを用いて各偏
波に対する所定波長のレベルを測定することにより、そ
れらの偏波に対応した損失を検出する。そして、それら
偏波による損失がほぼ一致したらArFレーザの紫外光
11の照射を止める。すなわちPDLが所定のしきい値
以下で十分小さくなればArFレーザの紫外光11の照
射を止める。これにより、偏波依存性がほとんど無い3
dBカプラ4a,4b、及び2つの3dBカプラ4a,
4bを備えたマッハツェンダー光導波路2を実現でき
る。
光導波路2の3dBカプラ4a,4bの機能部分を含む
光導波路2a,2bの実質的に全体の部分にArFレー
ザの紫外光11を照射し、複屈折を低減する。ArFレ
ーザの紫外光11の照射量の調整は、以下のようにして
行える。すなわち、図39に示すように、実施の形態1
及び2と同様に、光源8からのレーザ光を偏波コントロ
ーラ9及び偏光保持光ファイバケーブル72を介して入
力ポート3aに入射し、偏波コントローラ9を用いて入
力するレーザ光の偏波をコントロールすることにより、
TE光とTM光を順次入力する。出力ポート3c,3d
に偏光保持光ファイバケーブル73を介してスペクトル
アナライザ10を用いて各偏波のスペクトル特性を測定
することにより、もしくはモノクロメータを用いて各偏
波に対する所定波長のレベルを測定することにより、そ
れらの偏波に対応した損失を検出する。そして、それら
偏波による損失がほぼ一致したらArFレーザの紫外光
11の照射を止める。すなわちPDLが所定のしきい値
以下で十分小さくなればArFレーザの紫外光11の照
射を止める。これにより、偏波依存性がほとんど無い3
dBカプラ4a,4b、及び2つの3dBカプラ4a,
4bを備えたマッハツェンダー光導波路2を実現でき
る。
【0099】また、3dBカプラ4a,4bの機能部分
を含む光導波路2a,2bの実質的に全体の部分に照射
するArFレーザの紫外光11の照射量を調整して、実
施の形態4と同様に、複屈折を大きくして、偏波依存性
を所定のしきい値以上に大きくする。これにより、マッ
ハツェンダー光導波路2の各出力ポート3c,3dから
それぞれ、TE光、TM光を実質的に別々に取り出すこ
とができ、いわゆる偏波スプリッターを実現できる。こ
の場合も上記と同様の方法でモニタリングを行うことが
できる。
を含む光導波路2a,2bの実質的に全体の部分に照射
するArFレーザの紫外光11の照射量を調整して、実
施の形態4と同様に、複屈折を大きくして、偏波依存性
を所定のしきい値以上に大きくする。これにより、マッ
ハツェンダー光導波路2の各出力ポート3c,3dから
それぞれ、TE光、TM光を実質的に別々に取り出すこ
とができ、いわゆる偏波スプリッターを実現できる。こ
の場合も上記と同様の方法でモニタリングを行うことが
できる。
【0100】以上の実施の形態7において、実施の形態
2の光導波路2c及びモニタ用グレーティング5cを形
成した後、モニタ用グレーティング5cの偏波特性を測
定して、偏波依存性を小さくし又は大きくするように、
ArFレーザの紫外光の照射量を調整するようにしても
よい。
2の光導波路2c及びモニタ用グレーティング5cを形
成した後、モニタ用グレーティング5cの偏波特性を測
定して、偏波依存性を小さくし又は大きくするように、
ArFレーザの紫外光の照射量を調整するようにしても
よい。
【0101】以上の実施の形態7において、3dBカプ
ラ4a,4bの個数は2つに限らず、1つ、又は3つ以
上の複数であってもよい。
ラ4a,4bの個数は2つに限らず、1つ、又は3つ以
上の複数であってもよい。
【0102】実施の形態8.上述の実施の形態2ではA
rFレーザの紫外光を照射して複屈折を制御した後に、
KrFレーザの紫外光を照射してグレーティング5a,
5bを形成する方法について述べたが、ArFレーザの
紫外光を照射したPLC1aや光ファイバケーブル50
に、KrFレーザの紫外光でグレーティング5a,5b
を形成する場合、複屈折の制御以外にKrFレーザの紫
外光に対する屈折率の増加を敏感にすることができると
いう別の効果が得られることが分かった。本実施の形態
では、この作用効果について説明する。
rFレーザの紫外光を照射して複屈折を制御した後に、
KrFレーザの紫外光を照射してグレーティング5a,
5bを形成する方法について述べたが、ArFレーザの
紫外光を照射したPLC1aや光ファイバケーブル50
に、KrFレーザの紫外光でグレーティング5a,5b
を形成する場合、複屈折の制御以外にKrFレーザの紫
外光に対する屈折率の増加を敏感にすることができると
いう別の効果が得られることが分かった。本実施の形態
では、この作用効果について説明する。
【0103】図40は、上記実施の形態2の図10乃至
図14に示したのと同様の方法でArFレーザの紫外光
を照射して複屈折を低減させた後、マッハツェンダー光
導波路2の中央部の2本のアーム部にグレーティング5
a,5bを形成したPLC1aにおいて、グレーティン
グ5a,5bで反射した光信号の偏波モード分散(PM
D)の波長特性と損失の波長特性(反射スペクトル)を
示すグラフである。また、図41は、上記実施の形態2
で図11と図12の工程を省略し、すなわちArFレー
ザの紫外光を照射して複屈折を低減させる工程を省略し
たPLC1aにおいて、グレーティング5a,5bで反
射した光信号の偏波モード分散(PMD)の波長特性と
損失の波長特性(反射スペクトル)を示すグラフであ
る。
図14に示したのと同様の方法でArFレーザの紫外光
を照射して複屈折を低減させた後、マッハツェンダー光
導波路2の中央部の2本のアーム部にグレーティング5
a,5bを形成したPLC1aにおいて、グレーティン
グ5a,5bで反射した光信号の偏波モード分散(PM
D)の波長特性と損失の波長特性(反射スペクトル)を
示すグラフである。また、図41は、上記実施の形態2
で図11と図12の工程を省略し、すなわちArFレー
ザの紫外光を照射して複屈折を低減させる工程を省略し
たPLC1aにおいて、グレーティング5a,5bで反
射した光信号の偏波モード分散(PMD)の波長特性と
損失の波長特性(反射スペクトル)を示すグラフであ
る。
【0104】なお、グレーティング5a、5bは上記実
施の形態2とは異なり、グレーティングピッチΛを、グ
レーティング5a,5bの長さ40mmの範囲で約53
6.0nmから約536.5nmまでの範囲で約0.1
2nm/10mmの傾きで、グレーティング5a,5b
の長さ方向(伝搬方向)に1次関数的に変化させたチャ
ープドグレーティングとして形成した。このチャープド
グレーティングは、グレーティング形成時に使用する位
相マスクのマスクピッチを1次関数的に変化させたチャ
ープマスクを使用することで、グレーティングピッチΛ
が一定のグレーティングと同様に形成することができ
る。このようなチャープドグレーティングを形成したグ
レーティングデバイスは分散補償器として使用される。
施の形態2とは異なり、グレーティングピッチΛを、グ
レーティング5a,5bの長さ40mmの範囲で約53
6.0nmから約536.5nmまでの範囲で約0.1
2nm/10mmの傾きで、グレーティング5a,5b
の長さ方向(伝搬方向)に1次関数的に変化させたチャ
ープドグレーティングとして形成した。このチャープド
グレーティングは、グレーティング形成時に使用する位
相マスクのマスクピッチを1次関数的に変化させたチャ
ープマスクを使用することで、グレーティングピッチΛ
が一定のグレーティングと同様に形成することができ
る。このようなチャープドグレーティングを形成したグ
レーティングデバイスは分散補償器として使用される。
【0105】図40と図41の波長特性を有する分散補
償器は、損失特性(反射スペクトル)の帯域幅がほぼ等
しくなるように試みて、チャープドグレーティング形成
時のKrFレーザの紫外光照射量を調整したものであ
り、図40の波長特性を有する、ArFレーザの紫外光
を照射して複屈折を低減した分散補償器は、図41の波
長特性を有する、ArFレーザの紫外光を照射していな
い分散補償器に比較して、約半分のKrFレーザの紫外
光照射量でチャープドグレーティングを形成したもので
ある。図40及び図41のそれぞれの損失特性(反射ス
ペクトル)の帯域幅を比較すると、図40の方が若干広
めであり屈折率変調が大きく形成されていることがわか
る。すなわち、ArFレーザの紫外光を照射して複屈折
を低減した分散補償器の方が、グレーティング形成時の
KrFレーザ紫外光照射量が少ないにも関わらず、屈折
率増加の割合が大きくなっている。なお、上記実施の形
態2で述べたように、図40の波長特性の方が、複屈折
が低減されPMDが大幅に小さくなっているのは、当然
のことである。また、図40の波長特性の方が、PMD
及び損失の波長特性の全体が長波長側にシフトしている
が、これはArFレーザの紫外光照射によりPLC全体
の屈折率が増加したためである。
償器は、損失特性(反射スペクトル)の帯域幅がほぼ等
しくなるように試みて、チャープドグレーティング形成
時のKrFレーザの紫外光照射量を調整したものであ
り、図40の波長特性を有する、ArFレーザの紫外光
を照射して複屈折を低減した分散補償器は、図41の波
長特性を有する、ArFレーザの紫外光を照射していな
い分散補償器に比較して、約半分のKrFレーザの紫外
光照射量でチャープドグレーティングを形成したもので
ある。図40及び図41のそれぞれの損失特性(反射ス
ペクトル)の帯域幅を比較すると、図40の方が若干広
めであり屈折率変調が大きく形成されていることがわか
る。すなわち、ArFレーザの紫外光を照射して複屈折
を低減した分散補償器の方が、グレーティング形成時の
KrFレーザ紫外光照射量が少ないにも関わらず、屈折
率増加の割合が大きくなっている。なお、上記実施の形
態2で述べたように、図40の波長特性の方が、複屈折
が低減されPMDが大幅に小さくなっているのは、当然
のことである。また、図40の波長特性の方が、PMD
及び損失の波長特性の全体が長波長側にシフトしている
が、これはArFレーザの紫外光照射によりPLC全体
の屈折率が増加したためである。
【0106】ここで述べた波長特性を有する分散補償器
は、120気圧の水素中に2週間放置して高圧水素処理
を行い水素添加した後、一方にのみArFレーザの紫外
光照射を行い、その直後にKrFレーザの紫外光でチャ
ープドグレーティングを形成した場合であるが、この作
用効果は水素添加の有無によらないことが分かった。す
なわち、上記の他に、(1)水素添加を行わずArFレ
ーザの紫外光を照射した後、KrFレーザの紫外光を照
射した場合、(2)水素添加を行わずArFレーザの紫
外光を照射した後、高圧水素処理による水素添加を行い
KrFレーザの紫外光を照射した場合、(3)高圧水素
処理による水素添加を行いArFレーザの紫外光を照射
した後、80℃の雰囲気中に長期間放置して水素を抜い
た後、KrFレーザの紫外光を照射した場合、(4)高
圧水素処理による水素添加を行いArFレーザの紫外光
を照射した後、再び高圧水素処理による水素添加を行い
KrFレーザの紫外光を照射した場合、のいずれにおい
てもArFレーザの紫外光を照射した方が、KrFレー
ザの紫外光照射による屈折率の増加を敏感にすることが
できた。
は、120気圧の水素中に2週間放置して高圧水素処理
を行い水素添加した後、一方にのみArFレーザの紫外
光照射を行い、その直後にKrFレーザの紫外光でチャ
ープドグレーティングを形成した場合であるが、この作
用効果は水素添加の有無によらないことが分かった。す
なわち、上記の他に、(1)水素添加を行わずArFレ
ーザの紫外光を照射した後、KrFレーザの紫外光を照
射した場合、(2)水素添加を行わずArFレーザの紫
外光を照射した後、高圧水素処理による水素添加を行い
KrFレーザの紫外光を照射した場合、(3)高圧水素
処理による水素添加を行いArFレーザの紫外光を照射
した後、80℃の雰囲気中に長期間放置して水素を抜い
た後、KrFレーザの紫外光を照射した場合、(4)高
圧水素処理による水素添加を行いArFレーザの紫外光
を照射した後、再び高圧水素処理による水素添加を行い
KrFレーザの紫外光を照射した場合、のいずれにおい
てもArFレーザの紫外光を照射した方が、KrFレー
ザの紫外光照射による屈折率の増加を敏感にすることが
できた。
【0107】なお、本実施の形態ではArFレーザの紫
外光を照射して、KrFレーザの紫外光照射による屈折
率の増加を敏感にする場合について述べたが、本発明に
おいては、紫外光の波長はこれに限るものではない。
外光を照射して、KrFレーザの紫外光照射による屈折
率の増加を敏感にする場合について述べたが、本発明に
おいては、紫外光の波長はこれに限るものではない。
【0108】また、本実施の形態ではチャープドグレー
ティングを形成した場合について述べたが、グレーティ
ングはこれに限るものではなく、さらにグレーティング
に限らずKrFレーザなど感光性の低い紫外光照射によ
り屈折率を増加させる用途においては同様の効果が得ら
れることはいうまでもない。さらに、本実施の形態の方
法は、実施の形態5の光ファイバケーブル50にも適用
可能である。
ティングを形成した場合について述べたが、グレーティ
ングはこれに限るものではなく、さらにグレーティング
に限らずKrFレーザなど感光性の低い紫外光照射によ
り屈折率を増加させる用途においては同様の効果が得ら
れることはいうまでもない。さらに、本実施の形態の方
法は、実施の形態5の光ファイバケーブル50にも適用
可能である。
【0109】変形例.以上の実施の形態1乃至8におい
ては、SiO2を主成分とする石英系の光導波路につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、ポリイミドなどの
ポリマー系の光導波路についても光導波路のほぼ全体に
紫外光を照射することで複屈折を制御することができ
る。ポリマー系材料は石英に比べ230nm以上の長波
長の紫外光であっても大きな吸収率を示すので、230
nm以上の紫外光であってもより効果的に複屈折を制御
することができる。また紫外光源に紫外ランプなどのイ
ンコヒーレント光源を使用すると、レーザ光を照射する
場合に比べポリマー系光導波路へのダメージを小さくす
ることができる。
ては、SiO2を主成分とする石英系の光導波路につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、ポリイミドなどの
ポリマー系の光導波路についても光導波路のほぼ全体に
紫外光を照射することで複屈折を制御することができ
る。ポリマー系材料は石英に比べ230nm以上の長波
長の紫外光であっても大きな吸収率を示すので、230
nm以上の紫外光であってもより効果的に複屈折を制御
することができる。また紫外光源に紫外ランプなどのイ
ンコヒーレント光源を使用すると、レーザ光を照射する
場合に比べポリマー系光導波路へのダメージを小さくす
ることができる。
【0110】以上実施の形態1乃至8においては、紫外
光を光導波路に対してほぼ一様に照射する場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、紫外光をグレーティ
ングが形成されないような分布で一様に照射せず任意の
分布で照射してもよい。すなわち、グレーティングが形
成されるとは、屈折率分布の「山」と「谷」がほぼ同一
周期で少なくとも100周期以上にわたって繰り返され
ている場合をいう。実際のグレーティングデバイスでは
0.5μm程度のピッチで数万周期以上繰り返されるブ
ラッググレーティングのほかに、数100μmのピッチ
で数100周期程度繰り返される長周期グレーティング
などがある。従って、紫外光の照射分布に高々数回
「山」と「谷」が存在する場合や、光導波路の伝搬方向
に傾斜を持ったような分布の場合もグレーティングが形
成されないので、上記実施の形態と同様に複屈折を制御
することができる。
光を光導波路に対してほぼ一様に照射する場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、紫外光をグレーティ
ングが形成されないような分布で一様に照射せず任意の
分布で照射してもよい。すなわち、グレーティングが形
成されるとは、屈折率分布の「山」と「谷」がほぼ同一
周期で少なくとも100周期以上にわたって繰り返され
ている場合をいう。実際のグレーティングデバイスでは
0.5μm程度のピッチで数万周期以上繰り返されるブ
ラッググレーティングのほかに、数100μmのピッチ
で数100周期程度繰り返される長周期グレーティング
などがある。従って、紫外光の照射分布に高々数回
「山」と「谷」が存在する場合や、光導波路の伝搬方向
に傾斜を持ったような分布の場合もグレーティングが形
成されないので、上記実施の形態と同様に複屈折を制御
することができる。
【0111】以上の実施の形態において、光導波路の複
屈折性を低減させるときは、好ましくは、162nm乃
至230nmの波長を有する紫外光を光導波路に照射す
ることにより、その複屈折を5×10-5以下に低減させ
るように制御することが好ましい。一方、光導波路の複
屈折性を増大させるときは、好ましくは、162nm乃
至230nmの波長を有する紫外光を光導波路に照射す
ることにより、その複屈折を2.5×10-4以上に増大
させるように制御することが好ましい。これにより、光
導波路の複屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増
大させることができる。
屈折性を低減させるときは、好ましくは、162nm乃
至230nmの波長を有する紫外光を光導波路に照射す
ることにより、その複屈折を5×10-5以下に低減させ
るように制御することが好ましい。一方、光導波路の複
屈折性を増大させるときは、好ましくは、162nm乃
至230nmの波長を有する紫外光を光導波路に照射す
ることにより、その複屈折を2.5×10-4以上に増大
させるように制御することが好ましい。これにより、光
導波路の複屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増
大させることができる。
【0112】以上の実施の形態において、実施の形態2
に限らず、他の実施の形態においても、好ましくは、2
30nm乃至380nmの波長を有する紫外光を用い
て、モニタ用グレーティング5cを形成して、複屈折の
変化を小さくするように調整してもよい。
に限らず、他の実施の形態においても、好ましくは、2
30nm乃至380nmの波長を有する紫外光を用い
て、モニタ用グレーティング5cを形成して、複屈折の
変化を小さくするように調整してもよい。
【0113】以上の実施の形態において、実施の形態3
に限らず、他の実施の形態においても、光導波路に対し
て水素と重水素のうちの少なくとも一方を添加してもよ
い。この場合、上述のように、反射スペクトルの帯域幅
の広がりを小さくすることができるとともに、短時間で
複屈折を所望の大きさに制御でき、製造コストを大幅に
削減できる。
に限らず、他の実施の形態においても、光導波路に対し
て水素と重水素のうちの少なくとも一方を添加してもよ
い。この場合、上述のように、反射スペクトルの帯域幅
の広がりを小さくすることができるとともに、短時間で
複屈折を所望の大きさに制御でき、製造コストを大幅に
削減できる。
【0114】以上の実施の形態4においては、光導波路
装置において複屈折を大きくして偏波依存性を大きくす
る場合について説明しているが、本発明はこれに限ら
ず、例えば、屈折率変調が形成されたグレーティングを
備える光ファイバケーブルに適用することができる。ま
た、光導波路に屈折率変調が形成されたグレーティング
を備える光導波路装置において、複屈折を小さくして偏
波依存性を低減するように構成してもよい。
装置において複屈折を大きくして偏波依存性を大きくす
る場合について説明しているが、本発明はこれに限ら
ず、例えば、屈折率変調が形成されたグレーティングを
備える光ファイバケーブルに適用することができる。ま
た、光導波路に屈折率変調が形成されたグレーティング
を備える光導波路装置において、複屈折を小さくして偏
波依存性を低減するように構成してもよい。
【0115】以上の種々の実施の形態において説明した
ように、光導波路装置の平面光波回路に形成された光導
波路の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上
記光導波路の複屈折を低減又は増大させるように制御す
ることは、合波分波フィルタなどのグレーティングデバ
イスである平面光波回路や、光スイッチ、AWG、3d
Bカプラ、複数の3dBカプラを備えたマッハツェンダ
ー光導波路などのグレーティングデバイスではない平面
光波回路に適用することができ、これにより、その複屈
折を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるとい
う特有の効果を有する。
ように、光導波路装置の平面光波回路に形成された光導
波路の実質的に全体に紫外光を照射することにより、上
記光導波路の複屈折を低減又は増大させるように制御す
ることは、合波分波フィルタなどのグレーティングデバ
イスである平面光波回路や、光スイッチ、AWG、3d
Bカプラ、複数の3dBカプラを備えたマッハツェンダ
ー光導波路などのグレーティングデバイスではない平面
光波回路に適用することができ、これにより、その複屈
折を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるとい
う特有の効果を有する。
【0116】
【発明の効果】以上詳述したように、本願の第1の発明
に係る光導波路の複屈折制御方法によれば、光導波路装
置の平面光波回路に形成された光導波路の実質的に全体
に紫外光を照射することにより、上記光導波路の複屈折
を低減又は増大させるように制御するステップを含む。
従って、合波分波フィルタなどのグレーティングデバイ
スである平面光波回路や、光スイッチ、AWG、3dB
カプラ、複数の3dBカプラを備えたマッハツェンダー
光導波路などのグレーティングデバイスではない平面光
波回路の複屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増
大させることができる。
に係る光導波路の複屈折制御方法によれば、光導波路装
置の平面光波回路に形成された光導波路の実質的に全体
に紫外光を照射することにより、上記光導波路の複屈折
を低減又は増大させるように制御するステップを含む。
従って、合波分波フィルタなどのグレーティングデバイ
スである平面光波回路や、光スイッチ、AWG、3dB
カプラ、複数の3dBカプラを備えたマッハツェンダー
光導波路などのグレーティングデバイスではない平面光
波回路の複屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増
大させることができる。
【0117】また、本願の第2の発明に係る光導波路の
複屈折制御方法によれば、光ファイバケーブルである光
導波路の実質的に全体に紫外光を照射することにより、
上記光導波路の複屈折を増大させるように制御するステ
ップを含む。従って、光ファイバケーブルである光導波
路の複屈折を、従来例に比較して容易に増大させること
ができる。
複屈折制御方法によれば、光ファイバケーブルである光
導波路の実質的に全体に紫外光を照射することにより、
上記光導波路の複屈折を増大させるように制御するステ
ップを含む。従って、光ファイバケーブルである光導波
路の複屈折を、従来例に比較して容易に増大させること
ができる。
【0118】上記光導波路の複屈折制御方法において、
好ましくは、上記制御するステップの後に、上記光導波
路の一部に第1のグレーティングを形成するステップを
さらに含む。従って、光導波路の複屈折を、従来例に比
較して容易に低減又は増大させた第1のグレーティング
を備えた光導波路装置を得ることができる。また、光導
波路の複屈折制御のための紫外光の照射をした後、第1
のグレーティングの形成を行うようにしたので、光導波
路の複屈折制御のための紫外光の照射によるグレーティ
ングにおける特性劣化を小さくすることができる。さら
に、中心波長のシフトや反射スペクトルの帯域幅の広が
りがない。またさらに、屈折率変調強度分布が後から変
化することがないため、所望の屈折率変調強度分布が容
易に得られる。このため、より高精度な特性を得ること
ができる。
好ましくは、上記制御するステップの後に、上記光導波
路の一部に第1のグレーティングを形成するステップを
さらに含む。従って、光導波路の複屈折を、従来例に比
較して容易に低減又は増大させた第1のグレーティング
を備えた光導波路装置を得ることができる。また、光導
波路の複屈折制御のための紫外光の照射をした後、第1
のグレーティングの形成を行うようにしたので、光導波
路の複屈折制御のための紫外光の照射によるグレーティ
ングにおける特性劣化を小さくすることができる。さら
に、中心波長のシフトや反射スペクトルの帯域幅の広が
りがない。またさらに、屈折率変調強度分布が後から変
化することがないため、所望の屈折率変調強度分布が容
易に得られる。このため、より高精度な特性を得ること
ができる。
【0119】また、上記光導波路の複屈折制御方法にお
いて、好ましくは、上記制御するステップの前に、上記
光導波路の一部に別の紫外光を照射することにより第2
のグレーティングを形成するステップをさらに含む。従
って、光導波路の複屈折を、従来例に比較して容易に低
減又は増大させた第2のグレーティングを備えた光導波
路装置を得ることができる。
いて、好ましくは、上記制御するステップの前に、上記
光導波路の一部に別の紫外光を照射することにより第2
のグレーティングを形成するステップをさらに含む。従
って、光導波路の複屈折を、従来例に比較して容易に低
減又は増大させた第2のグレーティングを備えた光導波
路装置を得ることができる。
【0120】さらに、上記光導波路の複屈折制御方法に
おいて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光
導波路の偏波特性を測定し、上記測定された偏波特性に
基づいて上記紫外光の照射量を調整することを特徴とす
る。従って、制御する複屈折の誤差を小さくすることが
でき、複屈折の大きさを所望の大きさに確実に制御して
設定することができる。
おいて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光
導波路の偏波特性を測定し、上記測定された偏波特性に
基づいて上記紫外光の照射量を調整することを特徴とす
る。従って、制御する複屈折の誤差を小さくすることが
でき、複屈折の大きさを所望の大きさに確実に制御して
設定することができる。
【0121】また、上記光導波路の複屈折制御方法にお
いて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光導
波路の複屈折を5×10-5以下に低減させるように制御
し、もしくは上記光導波路の複屈折を2.5×10-4以
上に増大させるように制御する。従って、光導波路の複
屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるこ
とができる。
いて、上記制御するステップは、好ましくは、上記光導
波路の複屈折を5×10-5以下に低減させるように制御
し、もしくは上記光導波路の複屈折を2.5×10-4以
上に増大させるように制御する。従って、光導波路の複
屈折を、従来例に比較して容易に低減又は増大させるこ
とができる。
【0122】さらに、上記光導波路の複屈折制御方法に
おいて、上記制御するステップにおける紫外光の波長
は、好ましくは、162nm乃至230nmである。従
って、光導波路の複屈折を効率良く制御することができ
る。
おいて、上記制御するステップにおける紫外光の波長
は、好ましくは、162nm乃至230nmである。従
って、光導波路の複屈折を効率良く制御することができ
る。
【0123】またさらに、上記光導波路の複屈折制御方
法において、上記第2のグレーティングを形成するステ
ップにおける別の紫外光の波長は、好ましくは、230
nm乃至380nmである。従って、光導波路における
第2のグレーティングの形成により複屈折の変化を小さ
くすることができる。
法において、上記第2のグレーティングを形成するステ
ップにおける別の紫外光の波長は、好ましくは、230
nm乃至380nmである。従って、光導波路における
第2のグレーティングの形成により複屈折の変化を小さ
くすることができる。
【0124】またさらに、上記光導波路の複屈折制御方
法において、好ましくは、上記光導波路に、水素と重水
素のうちの少なくとも一方を添加するステップをさらに
含む。従って、短時間で複屈折を所望の大きさに制御で
きる。
法において、好ましくは、上記光導波路に、水素と重水
素のうちの少なくとも一方を添加するステップをさらに
含む。従って、短時間で複屈折を所望の大きさに制御で
きる。
【0125】本願の第3の発明に係る光導波路装置によ
れば、光導波路を備えた光導波路装置において、上記光
導波路は、上記光導波路装置の複屈折制御方法によって
制御された複屈折を有する。従って、光導波路の複屈折
を、従来例に比較して容易に低減又は増大させた光導波
路装置を得ることができる。
れば、光導波路を備えた光導波路装置において、上記光
導波路は、上記光導波路装置の複屈折制御方法によって
制御された複屈折を有する。従って、光導波路の複屈折
を、従来例に比較して容易に低減又は増大させた光導波
路装置を得ることができる。
【0126】また、本願の第4の発明に係るグレーティ
ングデバイスによれば、上記光導波路装置において、上
記光導波路は屈折率変調が形成されたグレーティングを
備える。従って、光導波路の複屈折を、従来例に比較し
て容易に低減又は増大させたグレーティングデバイスを
得ることができる。
ングデバイスによれば、上記光導波路装置において、上
記光導波路は屈折率変調が形成されたグレーティングを
備える。従って、光導波路の複屈折を、従来例に比較し
て容易に低減又は増大させたグレーティングデバイスを
得ることができる。
【図1】 本発明に係る実施の形態1の平面光波回路
(PLC)1である合波分波フィルタの構成を示す平面
図である。
(PLC)1である合波分波フィルタの構成を示す平面
図である。
【図2】 図1の合波分波フィルタを製造するための製
造方法における第1の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
造方法における第1の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
【図3】 図1の合波分波フィルタを製造するための製
造方法における第2の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
造方法における第2の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
【図4】 図1の合波分波フィルタを製造するための製
造方法における第3の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
造方法における第3の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
【図5】 図1の合波分波フィルタを製造するための製
造工程における第4の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
造工程における第4の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
【図6】 図1の合波分波フィルタを製造するための製
造工程における第5の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
造工程における第5の工程を示す合波分波フィルタの平
面図である。
【図7】 水素を添加したときの図1の合波分波フィル
タにおけるArFレーザの紫外光の照射前後の反射係数
の波長特性を示すグラフである。
タにおけるArFレーザの紫外光の照射前後の反射係数
の波長特性を示すグラフである。
【図8】 光導波路装置に用いられる石英の波長と透過
率の関係を示すグラフである。
率の関係を示すグラフである。
【図9】 本発明に係る実施の形態2の平面光波回路
(PLC)1aである合波分波フィルタの構成を示す平
面図である。
(PLC)1aである合波分波フィルタの構成を示す平
面図である。
【図10】 図9の合波分波フィルタを製造するための
製造方法における第1の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
製造方法における第1の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
【図11】 図9の合波分波フィルタを製造するための
製造方法における第2の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
製造方法における第2の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
【図12】 図9の合波分波フィルタを製造するための
製造方法における第3の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
製造方法における第3の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
【図13】 図9の合波分波フィルタを製造するための
製造工程における第4の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
製造工程における第4の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
【図14】 図9の合波分波フィルタを製造するための
製造工程における第5の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
製造工程における第5の工程を示す合波分波フィルタの
平面図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態3の合波分波フィ
ルタにおいて水素を添加しないときのArFレーザの紫
外光の照射前後の反射係数の波長特性を示すグラフであ
る。
ルタにおいて水素を添加しないときのArFレーザの紫
外光の照射前後の反射係数の波長特性を示すグラフであ
る。
【図16】 本発明に係る実施の形態4の平面光波回路
(PLC)1bであるPMD補償器の構成を示す平面図
である。
(PLC)1bであるPMD補償器の構成を示す平面図
である。
【図17】 図16のPMD補償器の動作を示すグラフ
であって、入力ポート3a及び出力ポート3bを使用し
てTE光の群遅延時間>TM光の群遅延時間のときの群
遅延時間及び反射損失の波長特性を示すグラフである。
であって、入力ポート3a及び出力ポート3bを使用し
てTE光の群遅延時間>TM光の群遅延時間のときの群
遅延時間及び反射損失の波長特性を示すグラフである。
【図18】 図16のPMD補償器の動作を示すグラフ
であって、入力ポート3a及び出力ポート3bを使用し
てTE光の群遅延時間<TM光の群遅延時間のときの群
遅延時間及び反射損失の波長特性を示すグラフである。
であって、入力ポート3a及び出力ポート3bを使用し
てTE光の群遅延時間<TM光の群遅延時間のときの群
遅延時間及び反射損失の波長特性を示すグラフである。
【図19】 本発明に係る実施の形態5の光ファイバケ
ーブル50の構成を示す斜視図である。
ーブル50の構成を示す斜視図である。
【図20】 本発明に係る実施の形態6の平面光波回路
(PLC)1cであるアレー光導波路型光合分波器(A
WG)の構成を示す平面図である。
(PLC)1cであるアレー光導波路型光合分波器(A
WG)の構成を示す平面図である。
【図21】 図20のアレー光導波路型光合分波器(A
WG)を製造するための製造方法における第1の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
WG)を製造するための製造方法における第1の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
【図22】 図20のアレー光導波路型光合分波器(A
WG)を製造するための製造方法における第2の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
WG)を製造するための製造方法における第2の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
【図23】 図20のアレー光導波路型光合分波器(A
WG)を製造するための製造方法における第3の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
WG)を製造するための製造方法における第3の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
【図24】 図20のアレー光導波路型光合分波器(A
WG)を製造するための製造方法における第4の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
WG)を製造するための製造方法における第4の工程を
示すアレー光導波路型光合分波器(AWG)の平面図で
ある。
【図25】 従来例1の平面光波回路(PLC)101
の構成を示す縦断面図である。
の構成を示す縦断面図である。
【図26】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第1の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第1の工程を示す縦断面
図である。
【図27】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第2の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第2の工程を示す縦断面
図である。
【図28】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第3の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第3の工程を示す縦断面
図である。
【図29】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第4の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第4の工程を示す縦断面
図である。
【図30】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第5の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第5の工程を示す縦断面
図である。
【図31】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第6の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第6の工程を示す縦断面
図である。
【図32】 図25の平面光波回路(PLC)101を
製造するための製造方法を示す第7の工程を示す縦断面
図である。
製造するための製造方法を示す第7の工程を示す縦断面
図である。
【図33】 従来例2の平面光波回路(PLC)102
の構成を示す縦断面図である。
の構成を示す縦断面図である。
【図34】 従来例3の平面光波回路(PLC)104
である合波分波フィルタ103の構成を示す平面図であ
る。
である合波分波フィルタ103の構成を示す平面図であ
る。
【図35】 図34の合波分波フィルタ103において
グレーティングを形成するための方法を示す縦断面図で
ある。
グレーティングを形成するための方法を示す縦断面図で
ある。
【図36】 従来例4の平面光波回路(PLC)におけ
るArFレーザの紫外光の照射時間に対する透過係数の
特性を示すグラフである。
るArFレーザの紫外光の照射時間に対する透過係数の
特性を示すグラフである。
【図37】 従来例4の平面光波回路(PLC)におけ
る正規化された透過係数の波長特性を示すグラフであ
る。
る正規化された透過係数の波長特性を示すグラフであ
る。
【図38】 本発明に係る実施の形態7の平面光波回路
(PLC)1である2つの3dBカプラ4a,4bを備
えたマッハツェンダー光導波路2にてなる光導波路装置
の構成を示す平面図である。
(PLC)1である2つの3dBカプラ4a,4bを備
えたマッハツェンダー光導波路2にてなる光導波路装置
の構成を示す平面図である。
【図39】 図38の光導波路装置の偏波特性を測定す
るときの周辺回路を含むブロック図である。
るときの周辺回路を含むブロック図である。
【図40】 本発明に係る実施の形態8の平面光波回路
(PLC)1aであって、実施の形態2の図10乃至図
14に示したのと同様の方法でArFレーザの紫外光を
照射して複屈折を低減させた後、マッハツェンダー光導
波路2の中央部の2本のアーム部にグレーティング5
a,5bを形成したPLC1aにおいて、グレーティン
グ5a,5bで反射した光信号の偏波モード分散(PM
D)の波長特性と損失の波長特性(反射スペクトル)を
示すグラフである。
(PLC)1aであって、実施の形態2の図10乃至図
14に示したのと同様の方法でArFレーザの紫外光を
照射して複屈折を低減させた後、マッハツェンダー光導
波路2の中央部の2本のアーム部にグレーティング5
a,5bを形成したPLC1aにおいて、グレーティン
グ5a,5bで反射した光信号の偏波モード分散(PM
D)の波長特性と損失の波長特性(反射スペクトル)を
示すグラフである。
【図41】 本発明に係る実施の形態8の平面光波回路
(PLC)1aであって、実施の形態2で図11と図1
2の工程を省略し、すなわちArFレーザの紫外光を照
射して複屈折を低減させる工程を省略したPLC1aに
おいて、グレーティング5a,5bで反射した光信号の
偏波モード分散(PMD)の波長特性と損失の波長特性
(反射スペクトル)を示すグラフである。
(PLC)1aであって、実施の形態2で図11と図1
2の工程を省略し、すなわちArFレーザの紫外光を照
射して複屈折を低減させる工程を省略したPLC1aに
おいて、グレーティング5a,5bで反射した光信号の
偏波モード分散(PMD)の波長特性と損失の波長特性
(反射スペクトル)を示すグラフである。
1,1a,1b,1c 平面光波回路(PLC)、2
マッハツェンダー光導波路、2a,2b,2c,2d
光導波路、3a,3b,3c,3d,3e,3fポー
ト、4a,4b 3dBカプラ、5a,5b,5c,5
d,5e グレーティング、6,6a 位相マスク、
7,7a 紫外光、8 光源、9 偏波コントローラ、
10 スペクトルアナライザ、11 紫外光、12 光
サーキュレータ、13a 入力光導波路、13b 出力
光導波路、13c,13d スラブ光導波路、13e
アレー光導波路、14 基板、15 コア、16 クラ
ッド、17 バッファ層、50 光ファイバケーブル、
51 コア、52 クラッド、71,72,73 光フ
ァイバケーブル。
マッハツェンダー光導波路、2a,2b,2c,2d
光導波路、3a,3b,3c,3d,3e,3fポー
ト、4a,4b 3dBカプラ、5a,5b,5c,5
d,5e グレーティング、6,6a 位相マスク、
7,7a 紫外光、8 光源、9 偏波コントローラ、
10 スペクトルアナライザ、11 紫外光、12 光
サーキュレータ、13a 入力光導波路、13b 出力
光導波路、13c,13d スラブ光導波路、13e
アレー光導波路、14 基板、15 コア、16 クラ
ッド、17 バッファ層、50 光ファイバケーブル、
51 コア、52 クラッド、71,72,73 光フ
ァイバケーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹谷 元 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高林 正和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 前川 武之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 星崎 潤一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA02 KA04 KA12 KB04 LA02 LA03 LA19 PA01 PA11 PA24 PA30 QA04 RA00 TA00
Claims (11)
- 【請求項1】 光導波路装置の平面光波回路に形成され
た光導波路の実質的に全体に紫外光を照射することによ
り、上記光導波路の複屈折を低減又は増大させるように
制御するステップを含むことを特徴とする光導波路装置
の複屈折制御方法。 - 【請求項2】 光ファイバケーブルである光導波路の実
質的に全体に紫外光を照射することにより、上記光導波
路の複屈折を増大させるように制御するステップを含む
ことを特徴とする光導波路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項3】 上記制御するステップの後に、上記光導
波路の一部に第1のグレーティングを形成するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の光
導波路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項4】 上記制御するステップの前に、上記光導
波路の一部に別の紫外光を照射することにより第2のグ
レーティングを形成するステップをさらに含むことを特
徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の
光導波路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項5】 上記制御するステップは、上記光導波路
の偏波特性を測定し、上記測定された偏波特性に基づい
て上記紫外光の照射量を調整することを特徴とする請求
項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の光導波路装置
の複屈折制御方法。 - 【請求項6】 上記制御するステップは、上記光導波路
の複屈折を5×10 -5以下に低減させるように制御し、
もしくは上記光導波路の複屈折を2.5×10-4以上に
増大させるように制御することを特徴とする請求項1乃
至5のうちのいずれか1つに記載の光導波路装置の複屈
折制御方法。 - 【請求項7】 上記制御するステップにおける紫外光の
波長は、162nm乃至230nmであることを特徴と
する請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の光導
波路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項8】 上記第2のグレーティングを形成するス
テップにおける別の紫外光の波長は、230nm乃至3
80nmであることを特徴とする請求項4記載の光導波
路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項9】 上記光導波路に、水素と重水素のうちの
少なくとも一方を添加するステップをさらに含むことを
特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか1つに記載
の光導波路装置の複屈折制御方法。 - 【請求項10】 光導波路を備えた光導波路装置におい
て、 上記光導波路は、請求項1乃至9のうちのいずれか1つ
に記載の光導波路装置の複屈折制御方法によって制御さ
れた複屈折を有することを特徴とする光導波路装置。 - 【請求項11】 請求項10記載の光導波路装置におい
て、 上記光導波路は屈折率変調が形成されたグレーティング
を備えたことを特徴とするグレーティングデバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000057149A JP2001194549A (ja) | 1999-11-04 | 2000-03-02 | 光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイス |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-313647 | 1999-11-04 | ||
JP31364799 | 1999-11-04 | ||
JP2000057149A JP2001194549A (ja) | 1999-11-04 | 2000-03-02 | 光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001194549A true JP2001194549A (ja) | 2001-07-19 |
Family
ID=26567651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000057149A Pending JP2001194549A (ja) | 1999-11-04 | 2000-03-02 | 光導波路装置の複屈折制御方法、光導波路装置及びグレーティングデバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001194549A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6847772B2 (en) | 2002-02-14 | 2005-01-25 | Fujitsu Limited | Planar optical waveguide device |
WO2009107812A1 (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-03 | 株式会社フジクラ | 基板型光導波路素子、波長分散補償素子、光フィルタ、光共振器、およびそれらの設計方法 |
US8270790B2 (en) | 2008-02-29 | 2012-09-18 | Fujikura Ltd. | Planar optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, methods for designing chromatic dispersion compensator, optical filter, methods for designing optical filter, optical resonator and methods for designing optical resonator |
US8270789B2 (en) | 2008-02-29 | 2012-09-18 | Fujikura Ltd. | Optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, methods for designing chromatic dispersion compensator, optical filter, methods for designing optical filter, optical resonator and methods for designing optical resonator |
JP2013156517A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Oki Electric Ind Co Ltd | グレーティング素子及び光素子 |
JP2013156512A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Oki Electric Ind Co Ltd | グレーティング素子及び光素子 |
US8542970B2 (en) | 2008-02-29 | 2013-09-24 | Fujikura Ltd. | Planar optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, optical filter, optical resonator and methods for designing the element, chromatic dispersion compensator, optical filter and optical resonator |
-
2000
- 2000-03-02 JP JP2000057149A patent/JP2001194549A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6847772B2 (en) | 2002-02-14 | 2005-01-25 | Fujitsu Limited | Planar optical waveguide device |
WO2009107812A1 (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-03 | 株式会社フジクラ | 基板型光導波路素子、波長分散補償素子、光フィルタ、光共振器、およびそれらの設計方法 |
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US8270789B2 (en) | 2008-02-29 | 2012-09-18 | Fujikura Ltd. | Optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, methods for designing chromatic dispersion compensator, optical filter, methods for designing optical filter, optical resonator and methods for designing optical resonator |
US8542970B2 (en) | 2008-02-29 | 2013-09-24 | Fujikura Ltd. | Planar optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, optical filter, optical resonator and methods for designing the element, chromatic dispersion compensator, optical filter and optical resonator |
US8824044B2 (en) | 2008-02-29 | 2014-09-02 | Fujikura Ltd. | Planar optical waveguide element, chromatic dispersion compensator, optical filter, optical resonator and methods for designing the element, chromatic dispersion compensator, optical filter and optical resonator |
JP2013156517A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Oki Electric Ind Co Ltd | グレーティング素子及び光素子 |
JP2013156512A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Oki Electric Ind Co Ltd | グレーティング素子及び光素子 |
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