JPH08286053A - 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 - Google Patents

光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Info

Publication number
JPH08286053A
JPH08286053A JP7088328A JP8832895A JPH08286053A JP H08286053 A JPH08286053 A JP H08286053A JP 7088328 A JP7088328 A JP 7088328A JP 8832895 A JP8832895 A JP 8832895A JP H08286053 A JPH08286053 A JP H08286053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
deuterium
diffraction grating
optical fiber
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7088328A
Other languages
English (en)
Inventor
Masumi Ito
真澄 伊藤
Maki Inai
麻紀 稲井
Tadashi Enomoto
正 榎本
Susumu Inoue
享 井上
Masaichi Mobara
政一 茂原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP7088328A priority Critical patent/JPH08286053A/ja
Publication of JPH08286053A publication Critical patent/JPH08286053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70408Interferometric lithography; Holographic lithography; Self-imaging lithography, e.g. utilizing the Talbot effect

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定波長の光成分に対する反射率を増大させ
るファイバ型回折格子の作製方法及び回折格子作製用フ
ァイバを提供する。 【構成】 炉心管20内に光ファイバ10を設置し、バ
ルブ21側からバルブ22に向かって重水素(D2 )ガ
スを流入すると共に、炉心管20内を高温または高圧な
状態にする。光ファイバ10は、コア部に酸化ゲルマニ
ウム(GeO2 )を含む通常の石英系光ファイバであ
る。なお、光ファイバ10の加熱温度は、範囲200〜
1300℃に含まれていることが好ましい。また、光フ
ァイバ10に対する圧力は、範囲20〜300atmに
含まれていることが好ましい。また、光ファイバ10の
コア部に添加される重水素の濃度は、500ppm以上
であるのが好ましい。重水素ガスによる光導波路の還元
処理とコア部への重水素の添加とにより、紫外光の照射
領域では大きな屈折率変化が生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導波路のコア部の屈
折率を光軸に沿って周期的に変化させて回折格子を形成
する光導波路型回折格子の作製方法及び回折格子作製用
の光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバ通信技術の進展に伴
い、ネットワークの複雑化や信号波長の多重化などが進
行し、システム構成は高度化しつつある。このような光
通信システムでは、光回路素子の重要性が増大してい
る。
【0003】光回路素子における一般的構成の一つとし
てファイバ型素子は、小型で挿入損失が小さいことや、
光ファイバとの接続が容易であること等の利点を有して
いる。そして、このようなファイバ型素子として、ファ
イバ型フィルターが知られている。
【0004】最近では、コア部に酸化ゲルマニウムをド
ープした石英系光ファイバについて、紫外光照射によっ
てコア部の屈折率が変化するという知見が周知であり、
このような光誘起屈折率変化を利用したファイバ型フィ
ルターとして、光ファイバ型回折格子が研究開発されて
いる。
【0005】この光ファイバ型回折格子は、光ファイバ
内を進行する光のうち特定波長の光成分を反射するもの
であり、一般に、紫外光の照射によって光ファイバのコ
ア部に屈折率が光軸に沿って周期的に変化した領域を形
成することにより作製されている。この作製方法には、
信頼性の高い光ファイバ型回折格子を生産性良く作製す
ることができるという利点がある。
【0006】このような光ファイバ型回折格子において
は反射率Rが重要な特性であり、この反射率Rは、グレ
ーティング長(コア部の屈折率が光軸に沿って周期的に
変化した領域の長さ)と光誘起による屈折率の変化量に
依存する。この関係は、次式のように表される。
【0007】R=tanh2 (LπΔn/λR ) ここで、Rは反射率、Lはグレーティング長、Δnは光
誘起による屈折率の変化量、λR は反射波長である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】紫外光照射による屈折
率変化は、コア部のガラス中に存在するゲルマニウム関
連のガラス欠陥に起因することが知られている。しか
し、従来のような酸化ゲルマニウムをコア部にドープし
ただけのガラス光ファイバではガラス欠陥の数が少ない
ため、紫外光を照射しても屈折率変化量Δnが小さく、
したがって、上記の式から明らかなように反射率も低
い。具体的に言えば、紫外光照射によるコア部の屈折率
変化は10-5程度であり、反射率は数%と過小である。
【0009】反射率を高くするためには、上記の式が示
すようにグレーティング長Lを大きくする方法もある
が、紫外光レーザビームを照射するにあたって、レーザ
ビームに高い均一性が要求され、そのために紫外光照射
を行う光学系が複雑になるという問題点がある。また、
ガラス欠陥が少ないため、紫外光照射による屈折率変化
の速度が遅く、反射率を高くしようとすると、照射時間
が長くなって生産性が低下するという問題点がある。
【0010】上記のような問題点は、光ファイバのみな
らず薄膜導波路のような光導波路に回折格子領域を形成
して光導波路型素子を作製する場合にも同様に存在す
る。
【0011】本発明は、光ファイバや薄膜導波路のよう
な光導波路について存在する上記の問題点に鑑みなされ
たものであり、反射率の高い光導波路型回折格子を容易
に、生産性良く作製する方法、及びこの方法に用いる回
折格子作製用の光導波路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
回折格子の作製方法は、上記の目的を達成するために、
光導波路のコア部に重水素を添加する第1の工程と、こ
の光導波路のコア部における複数の所定領域に紫外光を
照射し、この所定領域の屈折率を変化させる第2の工程
とを備えることを特徴とする。
【0013】ここで、光導波路とは、コアとクラッドと
の屈折率差を利用して光を一定領域に閉じ込めて伝送す
る回路または線路をいい、これには光ファイバや薄膜導
波路等が含まれる。
【0014】上記第1の工程は、光導波路を重水素雰囲
気で還元処理する工程とすることができる。
【0015】このとき、光導波路の還元処理は、重水素
雰囲気で光導波路を加熱して行うことができる。そのと
きの光導波路の加熱温度は、室温〜200℃であること
が望ましい。
【0016】また、光導波路の還元処理は、重水素雰囲
気で光導波路を加圧して行うことができる。そのときの
光導波路の加圧圧力は、20〜300atmであること
が望ましい。
【0017】上記第1の工程により光導波路に添加され
る重水素の濃度は、500ppm以上であると良い。こ
のとき、第1の工程は、重水素雰囲気で光導波路を4.
17atm以上の圧力で加圧する工程とすると良い。
【0018】また、上記光導波路のコア部は、石英ガラ
スに酸化ゲルマニウムをドープして形成されていること
が望ましい。
【0019】上記第2の工程における紫外光の照射は、
紫外光を干渉させて生じた干渉縞をコア部の所定領域に
照射して行うことができる。なお、紫外光の干渉縞は、
紫外光を2つの分岐光に分岐し、一方の分岐光をコア部
の軸方向に対して第1角度で所定領域に照射すると共
に、他方の分岐光をコア部の軸方向に対して第1角度の
補角となる第2角度で所定領域に照射して形成される。
また、紫外光の干渉縞は、所定周期で配列された格子を
有する位相格子を光ファイバに隣接して設置し、紫外光
を位相格子の面方向に対して所定角度で照射して形成さ
れるものでも良い。
【0020】次に、本発明に係る回折格子作製用光導波
路は、重水素が添加されたコア部を有することを特徴と
している。コア部に添加されている重水素の濃度は、5
00ppm以上であると良い。また、コア部の重水素
は、光導波路を重水素雰囲気で還元処理することにより
添加されたものであっても良い。
【0021】
【作用】酸化ゲルマニウムをドープした石英ガラス系の
光導波路において、紫外光照射による屈折率変化のメカ
ニズムは、完全に解明されてはいない。しかしながら、
重要な原因として、ゲルマニウムに関連した酸素欠損型
の欠陥が考えられており、このような欠陥としてSi−
GeまたはGe−Geなどの中性酸素モノ空孔が想定さ
れている。このような屈折率変化のメカニズムに関して
は、文献「1993年電子情報通信学会春季大会, C-243,p
p.4-279」などに記載されている。
【0022】本出願の発明者らは、酸化ゲルマニウムを
ドープした石英系の光導波路に通常わずかしか存在しな
い酸素欠損型の欠陥を増大させることにより、紫外光照
射による屈折率変化が増大するであろうと推定した。そ
して、光導波路内に存在するゲルマニウムに関連した酸
素欠損型の欠陥を増大するためには、光導波路を水素ま
たは重水素雰囲気で還元処理することが有効であること
を見出した。
【0023】ここで、水素雰囲気で還元処理を行ない、
紫外線照射を行うとOH基が生成されるが、OH基の光
吸収は波長=1.39μmであり、一般に光通信で使用
される信号光の波長帯域である1.3μm帯に近接して
いるので光通信用途としては好ましくないものとなって
しまう。一方、重水素雰囲気で還元処理を行ない、紫外
線照射を行うとOD基が生成されるが、OD基の光吸収
は波長=1.9μmであり、一般に光通信で使用される
信号光の波長帯域である1.3μm帯および1.55μ
m帯とは離れているので、光通信において悪影響を与え
ることはない。
【0024】光導波路を重水素雰囲気で還元処理するこ
とにより、光導波路には重水素が添加される。本発明者
らの知見によれば、重水素が添加された光導波路に紫外
光が照射されると、添加重水素が光導波路材料中のゲル
マニウム、シリカ、酸素と反応して、Ge−D,Ge−
OD,Si−D,Si−ODという新たな結合を形成
し、これらの結合が屈折率変化を高める。
【0025】本発明に係る光導波路型回折格子の作製方
法によれば、第1の工程において、光導波路のコア部に
重水素が添加される。このとき、光導波路を構成する石
英(SiO2 )や、これにドープされている酸化ゲルマ
ニウム(GeO2 )が全体的に還元され易くなり、Ge
やSiと結合している酸素が一部取り除かれる現象が発
生すると推察される。結合酸素が一部取り除かれたGe
やSiが結合しあえば、Si−GeまたはGe−Geな
どの中性酸素モノ空孔、すなわち酸素欠損型の欠陥が新
たに生じることとなる。これにより、光導波路のコア部
における酸素欠損型の欠陥が増大し、紫外光照射による
屈折率変化が高まる。
【0026】続いて、第2の工程において、紫外光がコ
ア部における複数の所定領域に照射されると、添加重水
素がコア部のゲルマニウム、シリカ、酸素と反応して、
Ge−D,Ge−OD,Si−D,Si−ODという結
合が形成され、これらの結合が光誘起屈折率変化を高め
る。したがって、酸素欠損型欠陥の増大による効果と添
加重水素の反応により生成された新たな結合(Ge−D
等)による効果とが相舞って、紫外光の照射領域では大
きな屈折率変化が生じる。
【0027】これにより、コア部に屈折率が局部的に高
まった領域が光軸に沿って配列された格子(グレーティ
ング)が形成され、光導波路型回折格子が完成する。こ
の光導波路型回折格子のコア部を進行する光が格子領域
に至ると、屈折率変化の周期に対応した特定波長の光成
分が十分な反射率で反射されるので、本発明の光導波路
型回折格子は光導波路型フィルタとして機能する。
【0028】第1の工程で重水素を添加するにあたって
は、光導波路を重水素雰囲気で還元処理する方法を採る
ことができる。この場合、光導波路を構成する石英(S
iO2 )や、これにドープされている酸化ゲルマニウム
(GeO2 )が還元され易くなり、GeやSiと結合し
ている酸素が一部取り除かれる現象が発生する。結合酸
素が一部取り除かれたGeやSiが結合しあえば酸素欠
損型の欠陥が新たに生じることとなり、光導波路のコア
部における酸素欠損型の欠陥が増大して、紫外光の照射
による屈折率変化が高まる。
【0029】これに加えて、紫外光がコア部における複
数の所定領域に照射されると、酸素が取り除かれたGe
やSiと光導波路に添加された重水素とが反応して、G
e−D,Ge−OD,Si−D,Si−ODという結合
が形成され、これらが屈折率変化を高める。したがっ
て、酸素欠損型欠陥の増大による効果と添加重水素の反
応により生成された新たな結合(Ge−D等)による効
果とが相舞って、紫外光の照射領域では大きな屈折率変
化が生じる。
【0030】第1の工程における光導波路の還元処理に
ついて、重水素雰囲気で光導波路を加熱して行うことが
効果的である。なお、光導波路の加熱温度は、室温〜2
00℃の範囲に含まれていることが好ましい。この加熱
温度が200℃を超える場合、光導波路を構成するガラ
スと重水素との反応が発生がファイバ全体で起こるので
大きな屈折率変化の発生のマイナス材料となる。
【0031】また、第1の工程における光導波路の還元
処理について、重水素雰囲気で光導波路を加圧して行う
ことが効果的である。なお、光導波路に対する圧力は、
範囲20〜300atmに含まれていることが好まし
い。仮に、この圧力が20atm未満である場合、光フ
ァイバを構成するガラスと重水素との反応が遅いので、
生産性が向上しない。仮に、この圧力が300atmを
越える場合、作製設備に高耐圧性が要求されるので、設
備費が高騰して実用的でなくなる。
【0032】また、本発明者らの知見によれば、添加さ
れる重水素の濃度が500ppm以上であると、紫外光
の照射によって、十分な反射率の光導波路型回折格子が
得られる。500ppm以上の添加重水素濃度を得るた
めには、4.17気圧以上の重水素雰囲気で光導波路を
加圧すると良い。
【0033】第2の工程における紫外光の照射につい
て、紫外光を干渉させて生じた干渉縞をコア部の所定領
域に照射して行うことが容易である。なお、紫外光の干
渉縞は、分岐した紫外光の一方をコア部の軸方向に対し
て第1角度で、他方を第1角度の補角となる第2角度
で、共に所定領域に照射して形成されることが適切であ
る。このホログラフィック法によれば、コア部の屈折率
変化は、これら二つの分岐光の入射角度に対応した周期
で生じる。また、紫外光の干渉縞は、所定周期で配列さ
れた格子を有する位相格子に紫外光を位相格子の面方向
に対して所定角度で照射して形成されることが適切であ
る。この位相格子法によれば、コア部の屈折率変化は、
位相格子の格子配列に対応した周期で生じる。
【0034】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路は、光導波路のコア部に重水素が添加さ
れているので、コア部における酸素欠損型の欠陥が増大
しており、また、これに紫外光が照射されると、Ge−
D,Ge−OD,Si−D,Si−ODという結合が形
成される。したがって、紫外光の照射領域の屈折率が大
きく変化する。このため、この光導波路は、ホログラッ
フィック法や位相格子法などによって紫外光を照射する
ことにより高反射率の光導波路型回折格子となる。
【0035】ここで、コア部に添加されている重水素の
濃度は、500ppm以上であるのが適当である。添加
重水素の濃度が500ppm以上であると、本発明に係
る作製用光導波路は、紫外光の照射により十分な反射率
の光導波路型回折格子となる。
【0036】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路のうち、重水素雰囲気で光導波路を還元
処理することにより重水素が添加されたコア部を有する
ものは、コア部において酸素欠損型の欠陥が増大してお
り、また、これに紫外光が照射されると、Ge−D,G
e−OD,Si−D,Si−ODという結合が形成され
る。したがって、紫外光の照射領域の屈折率が大きく変
化する。このため、この光導波路は、ホログラッフィッ
ク法や位相格子法などによって紫外光を照射することに
より高反射率の光導波路型回折格子となる。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係る実施例の構成及び作用に
ついて、図1〜図4を参照して説明する。なお、図面の
説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する
説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のもの
と必ずしも一致していない。
【0038】まず、本発明の実施例の光導波路型回折格
子の作製方法では、まず、光導波路として光ファイバを
用意し、重水素雰囲気で光ファイバを加熱して還元処理
する。
【0039】具体的には、図1に示すように、炉心管2
0内に光ファイバ10を設置し、バルブ21側からバル
ブ22に向かって重水素(D2 )ガスを気流として通過
させつつ、図示しないヒータで炉心管20を高温に加熱
する。この際、重水素ガスの流量は、バルブ21及び2
2の開閉によって調節される。
【0040】光ファイバ10は、コア部に酸化ゲルマニ
ウム(GeO2 )を含む通常の石英系光ファイバであ
り、本実施例では、被覆のされていない裸光ファイバで
ある。裸光ファイバとするのは、加熱により被覆が損
傷、劣化するのを防ぐためである。また、炉心管20内
の圧力は、ほぼ150atmである。光ファイバ10の
加熱温度は、200℃以下であることが好ましい。
【0041】なお、光ファイバ10に対する圧力は、2
0atm以上であることが好ましい。範囲20〜300
atmに含まれていることがより好ましい。仮に、この
圧力が20atm未満である場合、光ファイバ10を構
成するガラスと重水素との反応が遅いので、生産性が向
上しない。仮に、この圧力が300atmを越える場
合、製造設備に高耐圧性が要求されるので、設備費が高
騰して実用的でなくなる。
【0042】また、加熱温度とは、炉心管20内の重水
素雰囲気の温度であり、これは炉心管20内に配設され
た熱電対により測定される。
【0043】また、上記の圧力は炉心管20内部の圧力
であり、これは炉心管20に付属の圧力計で測定され
る。
【0044】上記の工程によれば、光ファイバ10に添
加された重水素により光ファイバ10のコア部にドープ
されている酸化ゲルマニウムが還元され易くなり、Ge
やSiと結合している酸素が一部取り除かれる現象が発
生する。結合酸素が一部取り除かれたGeやSiが結合
しあえば、酸素欠損型の欠陥が新たに生じることとな
り、光導波路のコア部において通常わずかしか存在しな
い酸素欠損型の欠陥が増大する。
【0045】次に、光ファイバ内のコア部に二つの紫外
光を干渉させつつ照射し、屈折率が所定周期で変化した
領域を形成する。
【0046】図2は、本実施例における、ホログラフィ
ック法による紫外光照射の説明図である。図2に示すよ
うに、干渉機構40を用いて干渉空間50を生成するよ
うに、光源30から出射された紫外光を干渉させ、この
干渉空間50に光ファイバ10を設置する。光源30
は、SHG(高調波発生器)アルゴンレーザやKrFエ
キシマレーザ等であり、所定波長を有するコヒーレント
な紫外光を出射する。干渉機構40は、ビームスプリッ
タ41及びミラー42,43で構成されている。ビーム
スプリッタ41は、光源30からの紫外光を二つの分岐
光に二分岐させる。ミラー42及び43は、ビームスプ
リッタ41からの分岐光をそれぞれ反射し、光ファイバ
10の軸方向に対して所定角度θ1 ,θ2 でそれぞれ入
射して共面ビームとして相互に干渉させる。光ファイバ
10は、シリカガラスからなるクラッド部11及びコア
部12で構成されている。コア部12は、上述したよう
に酸化ゲルマニウムがドープされており、クラッド部1
1と比較して高屈折率を有する。なお、二つの分岐光の
入射角度θ1 及びθ2 は相互に補角であり、これらの和
(θ1 +θ2 )は180°になる。
【0047】このような工程によれば、光ファイバ10
に所定波長の紫外光を照射するので、酸化ゲルマニウム
をドープしたコア部12における露光領域の屈折率が変
化する。現在、このような紫外光照射による屈折率変化
のメカニズムは、完全に解明されてはいない。しかしな
がら、これを説明するものとして、クラマース・クロー
ニッヒ機構、双極子モデル及び圧縮モデルなどが一般に
提案されている。ここでは、クラマース・クローニッヒ
機構に基づいて説明を行う。
【0048】光ファイバ10内のコア部12には、Ge
に関連した酸素欠損型の欠陥が通常わずかに存在してい
る。ここで、欠陥をGe−Siの中性酸素モノ空孔で代
表すると、その欠陥は紫外光照射によって Ge−Si → Ge・+Si+ +e- (1) で示すように転化する。この反応で放出された電子は転
化した欠陥の周辺に位置するGeにトラップされるの
で、コア部12の光吸収特性が変化する。このような欠
陥における吸収スペクトルによると、紫外光照射前には
波長240〜250nm付近にピークが現れるが、紫外
線照射後には波長210nm付近及び280nm付近に
ピークが遷移することが確認されている。この遷移によ
りコア部の屈折率が変化すると考えられている。なお、
周知なクラマース・クローニッヒの関係式に基づき、欠
陥の吸収スペクトル変化から見積ったコア部12におけ
る屈折率変化の値は、反射率の測定値から算出した屈折
率変化の値に良く一致している。
【0049】上記のように還元処理された光ファイバ1
0のコア部12では、上述したように通常わずかしか存
在しない酸素欠損型の欠陥が増大しているので、紫外光
の露光領域における屈折率変化が大きくなる。これに加
えて、紫外光がコア部に照射されると、酸素が取り除か
れたGeやSi、あるいは通常のGe−O−Siのよう
な結合と、光導波路に添加された重水素とが反応して、
Ge−D,Ge−OD,Si−D,Si−ODという結
合が形成される。本出願の発明者らは、これらの結合が
新たな光吸収帯を形成することにより、紫外光照射によ
る屈折率変化が高まると推察する。したがって、本発明
の方法によれば、酸素欠損型欠陥の増大による効果と添
加重水素の反応により生成された新たな結合(Ge−D
等)による効果とが相舞って、紫外光の露光領域におけ
る屈折率変化が10-4〜10-3程度に大きくなる。
【0050】本実施例では、二つのコヒーレントな紫外
光を光ファイバ10の軸方向に対する角度θ1 ,θ
2 (=180°−θ1 )で入射して干渉させている。そ
のため、光ファイバ10の径方向に対するコヒーレント
な紫外光の入射角度θ(=90°−θ1 )と紫外光の波
長λとを用い、干渉空間50における干渉縞の間隔Λ
は、 Λ=λ/(2sinθ) (2) となる。したがって、コア部12の露光領域には、異な
る屈折率を有する領域が干渉縞の間隔Λを周期として光
ファイバ10の軸方向に配列されるので、格子13が形
成されることになる。
【0051】周知なブラッグの回折条件に基づいてコア
部12の屈折率nと格子13の周期Λとを用い、このフ
ァイバ型回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =λn/sinθ (3) となる。また、格子13の長さLと屈折率差Δnとを用
い、このファイバ型回折格子の反射率Rは、 R=tanh2 (LπΔn/λR ) (4) となる。したがって、光ファイバ10のコア部12で
は、格子13が10-4〜10-3程度の大きい屈折率変化
で形成されているので、反射波長λR の反射率が100
%近い値に達する。
【0052】なお、このようなホログラフィック法で
は、光源30としては干渉性の良好なレーザが必要であ
る。また、高精度の位置調整や安定性が必要となる。
【0053】以上のようなホログラフィック法に替え
て、位相格子を介して紫外光を照射する位相格子法も使
用できる。図3は、位相格子法による紫外光照射の説明
図である。
【0054】図3に示すように、光ファイバ10を位相
格子60に隣接して設置し、光源30から出射された紫
外光を位相格子60表面の法線方向に対して所定角度θ
で入射させる。光源30は、SHGアルゴンレーザやK
rFエキシマレーザ等であり、これらは所定波長を有す
るコヒーレントな紫外光を出射する。位相格子60は、
所定周期で格子を配列して形成されている。光ファイバ
10は、シリカガラスからなるクラッド部11及びコア
部12で構成されている。コア部12は、上述したよう
に酸化ゲルマニウムがドープされており、クラッド部1
1と比較して高屈折率を有する。
【0055】このような工程によれば、光ファイバ10
に所定波長の紫外光を照射するので、酸化ゲルマニウム
をドープしたコア部12における露光領域の屈折率が変
化する。現在、このような紫外光照射による屈折率変化
のメカニズムは、完全に解明されてはいない。しかしな
がら、この屈折率変化には、ファイバ10のコア部12
に通常わずかに存在しているGeに関連した酸素欠損型
の欠陥が関与していると、一般に推定されている。
【0056】このような工程によれば、ホログラフック
法と同様に、光ファイバ10に所定波長の紫外光を照射
するので、酸化ゲルマニウムをドープしたコア部12に
おける露光領域の屈折率が変化する。
【0057】また、格子が所定間隔Λ´で配列された位
相格子60表面の法線方向に対して紫外光を角度θで照
射して干渉させている。そのため、コア部12の露光領
域における干渉縞の間隔Λは、 Λ=Λ´ (5) となる。したがって、コア部12の露光領域には、異な
る屈折率を有する領域が干渉縞の間隔Λを周期として光
ファイバ10の軸方向に配列されるので、格子13が形
成されることになる。
【0058】周知なブラッグの回折条件に基づいてコア
部12の屈折率nと格子13の周期Λとを用い、このフ
ァイバ型回折格子の反射波長λR は、 λR =2nΛ =2nΛ´ (6) となる。また、格子13の長さLと屈折率差Δnとを用
い、このファイバ型回折格子の反射率Rは、上述した式
(4)に示すようになる。したがって、光ファイバ10
のコア部12では、格子13が10-4〜10-3程度の大
きい屈折率変化で形成されているので、反射波長λR
反射率が100%近い値に達する。
【0059】なお、このような位相格子法によれば、上
述したホログラフィック法に要求される位置調整や安定
性の条件が緩和される。また、通常のリソグラフィ技術
や化学エッチングにより、格子の周期を自由に選択する
ことができるので、複雑な形状も実現可能である。
【0060】こうして得たファイバ型回折格子の反射率
測定を行った。図4は、反射率測定のシステム構成図で
ある。図4に示すように、このシステムは、光源70、
光ファイバ10及び光スペクトルアナライザ90を光カ
プラ80で光結合して構成されている。光ファイバ10
は、上記第1または第2実施例及び第3または第4実施
例で形成した格子(グレーティング)13を有するファ
イバ型回折格子である。光源70は通常の発光ダイオー
ド等であり、光ファイバ10における反射波長λR を有
する光成分を含む光を出射する。光カプラ80は通常の
溶融延伸型ファイバカプラであり、光源70からの入射
光を光ファイバ10に出力すると共に光ファイバ10か
らの反射光を光スペクトルアナライザ90に出力する。
光スペクトルアナライザ90は、光ファイバ10からの
反射光における波長と光強度との関係を検出する。な
お、光ファイバ10の開放端は、マッチングオイル10
0中に浸されている。このマッチングオイル100は、
通常の屈折率整合液であり、不要な反射光成分を除去し
ている。
【0061】このような構成によれば、光源70から出
射された光は、光カプラ80を介して光ファイバ10に
入射する。光ファイバ10では、コア部12に形成され
ている格子13が特定波長の光成分を反射する。光ファ
イバ10から出射された光は、光カプラ80を介して光
スペクトルアナライザ90で受光される。光スペクトル
アナライザ90では、波長と光強度とからなる光ファイ
バ10の反射スペクトルが検出される。
【0062】図4のシステムによる測定結果、ホログラ
フィック法または位相格子法で作製した光導波路型回折
格子の反射率は約99%であった。
【0063】上記の実施例では、光ファイバに重水素還
元処理を施し、この光ファイバの所定領域に格子を形成
しているが、光ファイバ以外の光導波路として薄膜導波
路を用いても良い。薄膜導波路にも各種あるが、そのコ
ア部が下部クラッド層および上部クラッド層により被覆
されているものは、下部クラッド層の上にコア部が形成
された後、上部クラッド層を積層する前に、重水素還元
処理を施すと良い。この後、紫外光照射を行ってコア部
の所定領域に格子を形成してから上部クラッド層を積層
すれば、薄膜導波路型の回折格子が得られる。
【0064】次に、本出願の発明者らは、光導波路内に
添加される重水素の濃度に着目した。すなわち、重水素
が添加された光導波路に紫外光が照射されると、添加重
水素が光導波路材料中のゲルマニウム、シリカ、酸素と
反応して、Ge−D,Ge−OD,Si−D,Si−O
Dという新たな結合を形成する。ここで、本出願の発明
者らは、これらの結合が新たな光吸収帯を形成すること
に起因して、光導波路のコア部に重水素を添加すること
により、紫外光照射による屈折率変化が高まることを見
出だした。
【0065】重水素の添加による屈折率変化は、光導波
路のコア部に添加される重水素の量が多い程、大きくな
ると推察される。そこで、本発明者らは、様々な濃度の
重水素を光ファイバのコア部に添加してから、紫外光を
照射し、得られたファイバ型回折格子の反射率を調べ
て、重水素の添加濃度とその効果との関係を調査した。
【0066】図5は、調査結果を示すグラフである。こ
のグラフに示されるように、重水素(D2 )無添加の光
ファイバでは反射率は20%であるが、コア部に添加さ
れた重水素濃度が増加するにつれて反射率が上昇し、5
00ppmで反射率30%、1000ppmで反射率5
0%、3000ppm以上では反射率99%に達するこ
とが分かった。なお、1ppmは、1モルのSiO2
10-6モルの重水素が含まれていることを表す。
【0067】次に、紫外光を照射して反射率が飽和する
までの照射時間の重水素濃度依存性を調べた。図6は、
この結果を示すグラフである。このグラフに示されるよ
うに、重水素濃度の増加とともに必要な照射時間は減少
し、20000ppmにおいて10分まで短縮される。
これは、重水素無添加の光ファイバに要する時間のほぼ
20分の1に相当する。さらに高濃度では、照射時間が
短くなり、48000ppmで1分となったところで照
射時間の短縮化傾向が飽和した。
【0068】以上の結果によれば、コア部の重水素濃度
が500ppm以上であると、反射率上昇の効果が著し
い。さらに、50%以上の反射率を得るためには、重水
素濃度が1000ppm以上であることが、また、90
%以上の極めて高い反射率を得るためには、重水素濃度
が2000ppm以上であることが必要である。さらに
高い反射率99%を得るためには、重水素濃度が300
0ppm以上であることが必要である。一方、重水素濃
度が48000ppm以上では紫外光照射時間の短縮効
果が飽和しており、反射率上昇の効果も既に飽和してい
るので、これ以上重水素添加濃度を増やしても意義は少
ないと思われる。したがって、光導波路のコア部に含ま
れる重水素の濃度は、約500ppm以上であることが
好ましく、特に、約500〜約48000ppmの範囲
にあることが適当である。
【0069】なお、上記の重水素濃度は以下の方法によ
り推定されたものである。次の表1は、この重水素濃度
推定に当たって用いるもので、ロッド径1mmの石英ガ
ラスへの重水素の溶解度を示すものである。
【0070】
【表1】
【0071】重水素濃度推定に当たっては、まず、表1
のデータに基づき、温度と拡散度との関係を比例関係と
見なし、最小二乗法を用いて、ほぼ常温の20℃(29
3K)における石英ガラスに対する重水素の溶解度を算
出する。これをppm単位に換算すると、20℃におけ
る飽和重水素濃度が約121ppmと求まる。
【0072】ゲルマニウムがドープされたコアを有する
20℃の光ファイバに関して、波長1.24μm光の重
水素分子による吸収損失は約6dB/kmであることが
分かっている。このことから、20℃の光ファイバにお
いて、吸収損失1dB/km当たりの重水素濃度は、 121/6=約20ppm/(dB/km) と求まる。
【0073】続いて、重水素が添加された光ファイバ
(温度20℃)の損失スペクトルを測定し、重水素分子
に起因する波長1.24μmの吸収ピークが示す損失値
[dB/km]を求める。この損失値に吸収損失1dB
/km当たりの重水素濃度20ppm/(dB/km)
を掛けることにより、添加重水素濃度[ppm]が求ま
る。すなわち、1.24μm光の損失値を20倍したも
のが上記した添加重水素濃度の推定値である。
【0074】図7は、重水素雰囲気の圧力、すなわち光
ファイバに対する加圧圧力と、添加される重水素濃度と
の関係を示すグラフである。このグラフに示されるよう
に、加圧圧力と添加重水素濃度とは、ほぼ比例関係にあ
る。グラフの通り、500ppmを添加するには約4.
17atmの圧力が必要であり、48000ppmを添
加するには約400atmの圧力が必要である。したが
って、加圧圧力は、約4.17atm以上であることが
好ましく、特に、約4.17〜約400atmの範囲に
あることが適当である。
【0075】また、反射率50%以上を得るためには約
8.34atm以上の圧力が、反射率90%以上を得る
ためには約16.7atm以上の圧力が適当であり、反
射率99%以上を得るためには約25.0atm以上の
圧力が適当である。
【0076】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本出願の
発明者らは、酸化ゲルマニウムをドープした光導波路に
重水素を添加することにより、紫外光照射による屈折率
変化が増大することを見出だした。また、酸化ゲルマニ
ウムをドープした石英系光導波路に通常わずかしか存在
しない酸素欠損型の欠陥を増大させることにより、紫外
光照射による屈折率変化が増大するであろうと推定し
た。
【0077】本発明の光導波路型回折格子の作製方法に
よれば、第1の工程において、光導波路のコア部に重水
素が添加され、続いて、第2の工程において、紫外光が
コア部における複数の所定領域に照射されるので、酸素
欠損型の欠陥が増大するとともに重水素の反応による新
しい結合が生じる。これらによって、前記所定領域では
極めて大きな屈折率変化が生じる。
【0078】これにより、光導波路のコア部に屈折率が
局部的に大きく変化した領域を光軸に沿って配列して格
子(グレーティング)を形成することができるので、こ
の光導波路を進行する光のうち、屈折率変化の周期に対
応した特定波長の光成分が極めて高反射率で反射され
る。したがって、本発明の方法によれば、極めて高い反
射率を有する光導波路型回折格子を作製することができ
る。
【0079】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路によれば、上述した作製方法における第
1の工程によって光導波路内のコア部に重水素を添加し
て形成されているので、紫外光が照射されると、照射領
域の屈折率が大きく変化する。そのため、この光導波路
は、ホログラッフィック法や位相格子法などによって形
成する極めて高性能な光導波路型回折格子の作製用部材
として利用することができる。
【0080】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製用光導波路のうち、重水素雰囲気で光導波路を還元
処理することにより重水素が添加されたコア部を有する
ものは、コア部において酸素欠損型の欠陥が増大してお
り、また、これに紫外光が照射されると、Ge−D,G
e−OD,Si−D,Si−ODという結合が形成され
る。これにより、紫外光の照射領域の屈折率が大きく変
化するので、この作製用光導波路は、ホログラッフィク
法や位相格子法などによって形成する高性能な光導波路
型回折格子の作製用部材として利用することができる。
【0081】また、本発明に係る光導波路型回折格子の
作製方法によれば、重水素雰囲気で還元処理を行うの
で、紫外線照射によって、波長=1.39μmに光吸収
を有するOH基ではなく、波長=1.9μmに光吸収を
有するDH基が生成される。したがって、一般に光通信
で使用される信号光の波長帯域である1.3μm帯およ
び1.55μm帯とは離れているので、光通信において
悪影響を与えることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第1の工程を示す構成図である。
【図2】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第2の工程を示す構成図である。
【図3】本発明に係るファイバ型回折格子の作製方法に
おける第2の工程を示す構成図である。
【図4】本発明に係る作製方法で形成されたファイバ型
回折格子における反射率測定を行うシステムを示す構成
図である。
【図5】光ファイバに添加する重水素の濃度と得られる
ファイバ型回折格子の反射率との関係を示すグラフであ
る。
【図6】光ファイバに添加する重水素の濃度と反射率が
飽和するまでの紫外光照射時間との関係を示すグラフで
ある。
【図7】重水素雰囲気の圧力と光ファイバに添加される
重水素の濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…光ファイバ、11…クラッド部、12…コア部、
13…格子、20…炉心管、21,22…バルブ、3
0,70…光源、40…干渉機構、41…ビームスプリ
ッタ、42,43…ミラー、50…干渉空間、60…位
相格子、80…光カプラ、90…光スペクトルアナライ
ザ、100…マッチングオイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 享 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 茂原 政一 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路のコア部に重水素を添加する第
    1の工程と、 この光導波路の前記コア部における複数の所定領域に紫
    外光を照射し、この所定領域の屈折率を変化させる第2
    の工程と、 を備えることを特徴とする光導波路型回折格子の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は、前記光導波路を重水
    素雰囲気で還元処理する工程であることを特徴とする請
    求項1記載の光導波路型回折格子の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程における前記光導波路の
    還元処理は、前記重水素雰囲気で該光導波路を加熱して
    行うことを特徴とする請求項2記載の光導波路型回折格
    子の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記光導波路は、室温〜200℃に設定
    されていることを特徴とする請求項3記載の光導波路型
    回折格子の作製方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程における前記光導波路の
    還元処理は、前記重水素雰囲気で該光導波路を加圧して
    行うことを特徴とする請求項2記載の光導波路型回折格
    子の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程により光導波路に添加さ
    れる重水素の濃度は、500ppm以上であることを特
    徴とする請求項1記載の光導波路型回折格子の作製方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程は、重水素雰囲気で前記
    光導波路を4.17atm以上の圧力で加圧する工程で
    あることを特徴とする請求項6記載の光導波路型回折格
    子の作製方法。
  8. 【請求項8】 重水素が添加されたコア部を有すること
    特徴とする回折格子作製用光導波路。
  9. 【請求項9】 前記コア部に添加されている重水素の濃
    度が500ppm以上であることを特徴とする請求項8
    記載の回折格子作製用光導波路。
  10. 【請求項10】 前記コア部の重水素は、光導波路を重
    水素雰囲気で還元処理することにより添加されたもので
    あることを特徴とする請求項8記載の回折格子作製用光
    導波路。
JP7088328A 1995-04-13 1995-04-13 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 Pending JPH08286053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7088328A JPH08286053A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7088328A JPH08286053A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08286053A true JPH08286053A (ja) 1996-11-01

Family

ID=13939826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7088328A Pending JPH08286053A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08286053A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012075A1 (fr) * 1997-09-03 1999-03-11 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Procede de production d'un masque de phase destine a la fabrication d'une fibre optique et fibre optique dotee d'un reseau de diffraction de bragg, produite a l'aide d'un tel masque de phase
CN102555196A (zh) * 2011-12-06 2012-07-11 燕山大学 热压模法光子晶体光纤光栅制备装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999012075A1 (fr) * 1997-09-03 1999-03-11 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Procede de production d'un masque de phase destine a la fabrication d'une fibre optique et fibre optique dotee d'un reseau de diffraction de bragg, produite a l'aide d'un tel masque de phase
US6466714B1 (en) 1997-09-03 2002-10-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. And Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method of producing phase mask for fabricating optical fiber and optical fiber with bragg's diffraction grating produced by using the phase mask
CN102555196A (zh) * 2011-12-06 2012-07-11 燕山大学 热压模法光子晶体光纤光栅制备装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5287427A (en) Method of making an article comprising an optical component, and article comprising the component
US5500031A (en) Method for increasing the index of refraction of a glassy material
JP3462051B2 (ja) 光ファイバ屈折率グレーティングの製造方法と、光ファイバ屈折率グレーティングを含む光ファイバ通信システムと、光ファイバセンサ
US5478371A (en) Method for producing photoinduced bragg gratings by irradiating a hydrogenated glass body in a heated state
US6160944A (en) Optical waveguide device
AU739886B2 (en) Method and apparatus for making continuous chirped fiber bragg gratings
US6832025B2 (en) Fiber bragg grating fabrication method
US5625472A (en) Method for forming distributed Bragg reflectors in optical media
KR100487888B1 (ko) 광학수단을 제공하는 방법 및 광학수단을 형성하는 프로세스
US6653051B2 (en) Photoinduced grating in oxynitride glass
JPH07244210A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路
JPH1082919A (ja) ファイバグレーティングの作成方法及び光ファイバ
JPH08286054A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
EP0622343B1 (en) Method for increasing the index of refraction of a glassy material
JPH08286053A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路
JPH08286039A (ja) 光ファイバ型回折格子の作製方法
JPH08286012A (ja) 光ファイバ型回折格子の作製方法
JPH1184117A (ja) 反射型光導波路グレーティング
JPH08286013A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JPH08286017A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JPH08286051A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
US6549706B2 (en) Photoinduced grating in oxynitride glass
JPH08286052A (ja) 光導波路型回折格子の作製方法
JP3431046B2 (ja) 光導波路、その導波路部材、及びその製造方法
JP3596080B2 (ja) 光ファイバ型回折格子作製用光ファイバ母材の製造方法