JP2004509361A - ガラス材料の感光性を増大させるための促進方法 - Google Patents
ガラス材料の感光性を増大させるための促進方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004509361A JP2004509361A JP2002512725A JP2002512725A JP2004509361A JP 2004509361 A JP2004509361 A JP 2004509361A JP 2002512725 A JP2002512725 A JP 2002512725A JP 2002512725 A JP2002512725 A JP 2002512725A JP 2004509361 A JP2004509361 A JP 2004509361A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogen
- coating
- optical fiber
- exposure
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
- C03C25/62—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags by application of electric or wave energy; by particle radiation or ion implantation
- C03C25/6206—Electromagnetic waves
- C03C25/6226—Ultraviolet
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C25/00—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
- C03C25/60—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags by diffusing ions or metals into the surface
- C03C25/607—Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags by diffusing ions or metals into the surface in the gaseous phase
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/06—Glass compositions containing silica with more than 90% silica by weight, e.g. quartz
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02057—Optical fibres with cladding with or without a coating comprising gratings
- G02B6/02076—Refractive index modulation gratings, e.g. Bragg gratings
- G02B6/02114—Refractive index modulation gratings, e.g. Bragg gratings characterised by enhanced photosensitivity characteristics of the fibre, e.g. hydrogen loading, heat treatment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2201/00—Glass compositions
- C03C2201/06—Doped silica-based glasses
- C03C2201/20—Doped silica-based glasses containing non-metals other than boron or halide
- C03C2201/21—Doped silica-based glasses containing non-metals other than boron or halide containing molecular hydrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2201/00—Glass compositions
- C03C2201/06—Doped silica-based glasses
- C03C2201/30—Doped silica-based glasses containing metals
- C03C2201/31—Doped silica-based glasses containing metals containing germanium
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
ガラス材料および耐熱コーティングを含む光ファイバーを提供する工程を含む、光ファイバーの感光性を急速に増大させる方法。前記耐熱コーティングが、耐熱暴露域を有し、所望の暴露時間/温度パラメータが前記コーティングの耐熱暴露時間/温度域の範囲内にある。前記光ファイバーは、水素含有雰囲気に所望の暴露時間/温度で暴露される。所望の温度は250℃より高く、所望の暴露時間は1時間を超えない。次に、ガラス材料は化学線で照射されてもよく、照射された部分の屈折率が少なくとも10−5の正規化屈折率の変化をもたらす。
Description
【0001】
背景技術
本発明は、以前の方法によって達成された光ファイバーより数倍速い速度で光ファイバーの感光性を増大させる方法に関する。詳しくは、本発明は、水素または重水素をケイ素ガラス中に急速に拡散させてこれらのガラス材料、特に光ファイバーの感光性を増大させるための方法を含む。
【0002】
光ファイバーベースのデバイスは、今日の拡大する大容量の光通信インフラストラクチャーにおいて極めて重要な部品である。これらのデバイスの多くが、光操作を行うためのファイバーブラッグ格子(FBG)に依存する。FBGは、導波管の光誘導領域の長さに沿って屈折率の周期的な、非周期的な、または疑似周期的な変動を有する光ファイバーである。ファイバー中のこれらの屈折率の摂動を生じる能力は、FBGと、それ故、光センサー、波長選択性フィルター、および分散補償器などの多くの光学部品を製造するために必要である。
【0003】
格子は、通常は感光性の現象によって光ファイバーに書き込まれる。感光性は、ガラスの屈折率がガラス構造体の化学線による変質によって変化させられる効果と定義される。用語「化学線」には、可視光、紫外線、赤外線、およびガラスの屈折率の変化を促す放射線の他の形などがある。所与のガラスは、より大きい屈折率の変化が同じ供給線量でその中に引き起こされる時に他のガラスよりも感光性であると考えられる。
【0004】
ガラスの感光性のレベルが、どれぐらい大きな屈折率の変化をその中に引き起こすことができるかを決定し、従って実質的に加工することができる格子デバイスを限定する。感光性はまた、所望の屈折率の変化を所定の放射線強度を有するガラス中に引き起こすことができる速度に影響を与える。ガラスの感光性を増大させることによって、より速い速度でその中により大きい屈折率の摂動を引き起こすことができる。
【0005】
シリカベースのガラス、高品質の光ファイバーの主成分、の本質的な感光性はあまり高くない。一般に〜10−5だけの屈折率の変化が、標準ゲルマニウムドープ処理ファイバーを用いて可能である。しかしながら、化学線で照射する前にガラスに水素分子を充填することによって、ガラスの感光性を非常に増大させることができることが観察された。10−2もの屈折率の変化が、水素化シリカ光ファイバーにおいて明らかにされた。
【0006】
水素に暴露することによる感光性の増大に関する初期の言及は、D・マクステイ著、「Photosensitivity Changes in Ge−Doped Fibers Observed by Raman Spectroscopy」、SPIE、Vol.1314、Fibre Optics 1990年に見い出すことができる。いろいろな圧力、時間および150℃までの温度で水素槽に浸漬されていると報告されたコーニング1521ファイバー試料についてピークが観察された。典型的な報告された暴露は、3日間、1気圧および24℃で処理されたファイバーからなった。前記ファイバーは弱い感光反応を示した。
【0007】
F・ウエレットら著、「Permanent Photoinduced Birefringence in a Ge−doped Fiber」、Applied Physics Letters、Vol.58、1813ページ、1991年4月29日、は相対的に高い温度での水素暴露によって感光性を増大させる試みを報告する。ゲルマニウムでドープされたコアーを有するファイバーストランドを、12気圧のH2を有する圧力室に入れ、4時間、400℃に加熱した。水素処理ファイバーの全屈折率の変化は、大体10−5であると推定された。G.メルツら著、SPIE、1516巻、International Workshop on Photoinduced Self−Organization in Optical Fiber、Ma 10−11、1991年、論文1516−18は、1気圧のH2中で610℃で75時間、ドープ処理ゲルマノシリケートプリホームロッドを処理することを報告をしている。このような高温暴露は、ファイバーの大きな光学損失をもたらし、通常、ファイバーを役に立たなくすることが後にわかった。米国特許第5,235,659号および5,287,427号は、高くても250℃の温度で導波管の少なくとも一部分をH2(1気圧(14.7p.s.i)よりも高い分圧)に暴露し、照射が少なくとも10−5の正規化屈折率変化をもたらすことができる方法について記載する。米国特許第5,500,031号、前述の‘659年の特許の一部継続出願は、14〜11,000p.s.i.の範囲の圧力および21〜150℃の温度でガラスを水素または重水素に暴露する方法について記載している。これらの文献に記載されたパラメータは恐らく、光ファイバーに水素を充填するために最も代表的である。
【0008】
‘031号、‘659、および‘427号の文献は、温度が250℃を超える、または150℃でも超える水素充填方法における問題を指摘する。このような言及とは別の教示において、‘659号の特許は、高温において、「代表的なポリマーファイバーのコーティングが破壊されるか、またはひどく損傷を受ける」(第1欄、51〜54行目)ことを示す。それは、「先行技術の高温増感処理がしばしばファイバーの光学損失を増大させ、および/またはファイバーを弱めることがある」という事実(第1欄、54〜56行目)を更に強調する。最終的に、‘659号の特許が先行技術から区別されるのは、高温処理が、低温処理が必要とするのとは「異なった物理的機構」を必要とするという説明による。
【0009】
従来の水素化方法でファイバー中の水素の所望のレベルを達成するために(〜1ppm)、一般に、ファイバーを水素雰囲気に数日間、ある場合には、数週間、暴露する。600時間(25日)、21℃、738気圧または13日、21℃、208気圧などの典型的な暴露が代表的であるとして報告されている。明らかに、このような長い暴露は感光性ガラスに依存する光デバイスを加工するのに必要とされる時間を延長する。従来のファイバー水素化のために長時間が必要とされるので、処理能力を増大させて空き時間を回避するために大量生産環境においていろいろな圧力容器が必要とされる。これらの容器は安全に設置するのに費用がかかり、特に別個の調節弁およびガス供給シリンダを有する多数の容器が必要とされるとき、重大事故が起こる可能性を増大させる。多数の容器を設置することにより、生産処理能力を増大させることができるが、水素化プロセスが格子加工サイクル時間を妨げ、従って新規な製品および特殊製品の開発時間が大幅に犠牲にされることがある。
【0010】
ガラス材料の感光性を増大させるためのより時間効率のよい方法が必要とされている。
【0011】
発明の要旨
従来の方法による水素充填は、通常、日または週の範囲で測定される暴露時間に依存する。高温暴露でも、数時間の範囲の充填時間を必要とすると考えられていた。更に別の先行文献は、高温の使用をやめることを教示し、高温水素処理が低温処理とは異なった物理機構を必要とするという考えを示した。
【0012】
本発明は、ガラス材料の感光性を急速に増大させる方法および前記方法を実施するための装置を含む。本発明はまた、前記方法の適用の結果として得られた物品を含む。
【0013】
本発明は、温度が水素充填およびガラス材料の感光性の増大に及ぼす効果のより正確な理解と考えれられる内容に基づいている。本発明の新規な態様は、ガラス材料の感光性に対する有意の変化が、高温の(250℃より高い)非常に急速な(1時間より短い暴露時間)水素暴露を含む新規な充填方法によって達成され得るという認識である。このような急速な充填方法の発見は、コーティングの耐熱時間/温度域を急速な充填方法のパラメータと一致させることによって適した耐熱コーティングの使用を可能にする。
【0014】
本発明の方法の1つの実施態様において、ガラス材料が提供され、選択された耐熱コーティングによって保護される。コートされると、ガラス材料は、1時間より短い暴露時間、250℃より高い温度のH2および/またはD2含有雰囲気中に置かれる。最終的に、ガラス材料の部分を、化学線に露光し、10−5より大きい屈折率の変化をもたらす。好ましい実施態様において、本発明の水素暴露プロセスは、シリカ光ファイバー(直径125μm)など、ガラス体の感光性を1分未満で非常に増大させる。
【0015】
発明の詳細な説明
図1は、本発明による水素充填装置10の第1の実施態様の簡略図である。水素充填装置10は、圧力容器12および水素源14を含む。本発明の1つの典型的な実施態様において、容器12は、30,000psi(〜20,600キロパスカル)ものガス圧力に耐えることができる高圧ガスチャンバーである。装置10は、ヒータ装置16および、圧力容器12の周りに置かれた同伴絶縁材18を更に備える。N2など、パージガス22の供給源が、圧力容器を排気するのを助けるために提供される。
【0016】
図2は、本発明の方法の実施態様の工程を概観する流れ図である。本発明のガラス材料を急速に水素化する(hydrogenizing)方法は、ケイ素ガラス(silicon glass)などのガラス材料を提供する工程を有する。1つの好ましい実施態様において、材料は、計画された暴露時間/温度/圧力と一致する耐熱特性を有するように選択された耐熱材料でコートされる。材料は、1時間より短い時間、250℃を超える温度の水素雰囲気に暴露される。別の実施態様において、水素雰囲気を上記の大気圧よりも加圧する。次に、材料を氷槽などで急速に冷却する。
【0017】
理論に囚われることを望まないが、本発明は、温度が水素充填、およびガラス材料の感光性を増大させる能力、に及ぼす効果のより正確な理解と考えれられる内容に基づいている。本発明の新規な態様は、ガラス材料の感光性に対する有意の変化が高温の(250℃より高い)非常に急速な(1時間より短い暴露時間)水素暴露を含む新規な充填方法によって達成され得るという認識である。このような急速な充填方法の発見は、コーティングの耐熱時間/温度域を急速な充填方法のパラメータと一致させることによって適した耐熱コーティングの使用を可能にする。
【0018】
適切な高温耐性コーティング材料を選択してガラス材料の水素飽和および後続の光増感を達成する方法の説明は以下の通りである。記載された方法は、拡散に関する周知の式およびモデルを実験値に基づいた新規な理解および近似モデルと組み合わせる。
【0019】
水素化プロセスのパラメータの確定
下に記載したモデルに基づいて、ファイバーを高温水素環境(>250℃)に暴露することによってシリカファイバーなど、ガラス材料の感光性を急速に増大させることができることがわかった。前記プロセスは、非常に高い水素圧(>10,000psi)でファイバーを暴露することによってさらに促進され得ることもわかった。
【0020】
図3は、以下に示した理論モデルで製造された20〜300℃の範囲の温度で直径125μmファイバー中への水素拡散時間のグラフを示す。本発明の目的のために、水素という用語を用いて、H2、HDおよびD2分子を説明する。半径rおよび時間tの関数としてのファイバー中の水素濃度の計算式は、
【数1】
であり、式中、
Cがファイバー中の水素の濃度であり、Dが拡散係数であり、αnが第1種のゼロ次ベッセル関数、J0のn乗根である。J1が第1種の一次ベッセル関数である。ここで、ファイバーの内部の飽和時の水素濃度は、Sとされる。便宜上、拡散時定数は、
【数2】
として定義される。拡散係数の温度依存が、
【数3】
の形のアレニウスの式によって記載され、式中、
D0が定数であり、Eが活性化エネルギーであり、Rがガス定数(R=1.986cal/モル・K)であり、Tが絶対温度である。D0およびEの値を(1)および(3)に入れることによって、所与の半径のファイバー中への水素拡散時間を計算することができる。D0=12510−4cm2/sおよびE=9.046Kcal/モルが、図3でグラフ化した結果のために用いた値であった。図3の拡散時間を対数目盛でプロットし、ファイバーの温度の相対的に小さい変化が拡散時間を非常に変化させることを示すことに留意のこと。
【0021】
ガラス中への水素の溶解度を、
【数4】
の形のアレニウスの式によって記載することができ、式中、
Pが充填圧力であり、S0が定数であり、ESが溶解度活性化エネルギーである。S0=3.5.10−2(a.u.単位)およびES=1.78±0.21(Kcal/モル)。シリカファイバー中の水素の溶解度を、図4にプロットする。前記曲線は、便宜上、80℃での溶解度に正規化される。図4に示すように、水素の溶解度は、拡散時間と比較された充填温度の相対的に弱い関数である。
【0022】
光ファイバー中のH2含有量対異なった充填圧力を、図5にプロットする。線形適合度(linear fit)からのデータのわずかな発散が明らかであり、それは測定の不確かさまたは飽和効果(例えば、ラングミュアモデルホールファイリング(Langmuir model hole filing))のためであることがある。このデータの線形回帰が平方相関係数r2=0.998をもたらすが、線形適合度からのデータのわずかな発散が明らかであり、それは、測定の不確かさまたは飽和効果のためであることがある。実際的見地からいえば、シリカ光ファイバー中の水素の溶解度は、少なくとも28,000psiまでの充填圧力で線形に増大する。
【0023】
(1)および(4)を組み合わせることによって、温度、時間、および圧力の関数としての、ファイバー中の水素の濃度、[H2]は、
【数5】
として表され、式中、拡散定数Dが、(3)に詳述されたような温度の強い関数である。
【0024】
上に記載した式を分析すると、また、[H2]が充填圧力に線形に比例するので、次に本発明のモデルを圧力によって、および、水素濃度の半径位置依存(radial−position dependence)を無視することによって割る。式(5)は、
【数6】
として概算されてもよい。
【0025】
したがって、実験的観察によって支持される上記のモデルは、必要とされる暴露時間を劇的に低減させたまま、従来の充填パラメータよりも更に数十度高い温度の増大が、ガラス材料中の水素の濃度を非常に増大させることを示す。本発明の方法を用いて、充填条件の圧力および温度を〜20,000p.s.i.および260℃まで上げることによって、60度で2,000psi.の代表的な圧力で30時間の暴露後に以前に達成された濃度と較べて、60秒でファイバー中の水素の同じ濃度、暴露時間の〜1.8×105パーセントの低減、を達成することができる。水素濃度とガラス材料の感光性の増大との間の直接の関係を考えると、ガラス材料の感光性の比例してより大きい変化が、このような暴露によって達成される。図6は、20℃の水素雰囲気中に置かれたガラス材料対300℃の雰囲気中に置かれた同じ試料の比較充填時間を示す。時間スケールが対数であることと、第1のグラフが時間の単位を用いるのに対し、第2のグラフが分の時間単位を用いることに留意のこと。測定値は任意単位(a.u単位)である。
【0026】
光ファイバーを水素化する間に使用した温度の増大が水素拡散時間を減少させるが、ファイバー中の水素の溶解度もまた、温度の上昇によって減少するという問題が生じる可能性がある。本発明の方法の実施態様は、水素環境の圧力を増大させることによって溶解度のこの減少に対処する。特定のファイバーを充填するために必要とされた時間、温度および圧力の正確な組合せは、ファイバー、コーティングの特性、および所望の水素濃度に依存する。
【0027】
ファイバーコーティングの選択プロセス
先行文献は高温水素充填の使用をやめることを特に教示し、ポリマーファイバーコーティングが250℃より高い温度で破壊されるか、または、少なくとも非常に損傷を受けることを示す。しかしながら、それらの先行文献は、非常に速い充填時間をもたらす促進暴露の可能性と、充填プロセスの時間/温度の必要条件を特別に選択された材料の耐熱特性と一致させ得ることと、を認識できなかった。本発明は、特定の耐熱ポリマーのための高温充填域を認識および特定するために、熱天秤(TGA)分析ツールを用いる。本発明の充填モデル下では、充填暴露温度がより高いと、必要とされる暴露時間がより短くなるので、本方法の組み合わせた時間、温度、および圧力充填条件のための十分な性能特性を維持することができるポリマーコーティングを特定することが可能である。以下に記載した分析ツールによって、加熱される時の材料の挙動を確認することにより、当業者は、適切なコーティングの耐熱時間/温度のパラメータを、光ファイバーに水素を充填するために必要とされた温度、圧力および時間の適切な組合せと一致させることができる。
【0028】
一般に、ポリマー材料は、光ファイバーをコートしてそれらを機械的に保護するためにだけ用いられる。「ポリマーの耐熱は、それらの構造および組成に敏感性であるだけではなく、化学プロセスと結び付いた他の現象と相伴って、環境因子の作用、特に酸素、添加剤および充填剤などの環境中の化学活性成分に敏感性である特性である」、Degradation of Filled Polymers:High Temperature and Thermal−Oxidative Processes、M.T.ブリク、エリス・ホーウッド、1991年、の関連部分を引用。更に、劣化プロセス(degradative process)の化学反応に触媒として作用することができる、分析の局在環境に存在している材料が考慮される必要がある。これらの材料には、劣化の生成物および/または装置を製造する材料などが挙げられる。
【0029】
ポリマーの耐熱性と、熱および熱酸化プロセスを調べた。ポリマーにおいて、材料の劣化につながる反応は、ポリマーの化学構造に依る。フリーラジカルの形成により生じる鎖の切断反応は、ポリエチレンおよびポリ(メチルメタクリレート)の劣化機構であるのに対し、ポリエチレンテレフタレート(PET)の劣化は、不規則鎖の切断の後に、カルボキシルおよびビニルエステル末端基を有するより低分子量の種が形成されることによる。ポリカーボネートが、エステル結合の不規則開裂の結果として一酸化炭素および二酸化炭素を除去する。ポリイミドが、イミド環の熱分解(thermal decomposition)によって一酸化炭素を除去するか、またはイソイミド構造中へのイミド環の異性化によって二酸化炭素を除去することができる。ポリマーの化学構造に依存して、架橋反応が鎖の切断反応と競合することがある。
【0030】
ポリマーの劣化プロセスは相当に異なっていることがあるが、しかしながら、最終的な問題は、どの程度、本適用においてポリマーの性能の必要な特性を失わずに劣化が起こるのか、ということである。確かに、ポリ(フタルアルデヒド)におけるような、急速に鎖切断し、その後に、モノマーの揮発につながる劣化は、ポリマーを幾度か短時間、高温に暴露するには有利ではない。よりゆっくりとポリマーを劣化する他の機構は明らかに、短時間暴露に耐えることができる。暴露温度、時間、気圧および表面積/容積の比など、いろいろな因子が有意である。
【0031】
本発明のコーティング材料の選択プロセスは、コーティング材料と本明細書に開示された短時間、高温の水素化プロセスとの間の相互作用についての理解に基づいている。適した材料は、ファイバーコーティング材料、すなわち、無被覆光ファイバーまたは導波管の周りに配置されてもよい保護材、を含む群から選択されてもよい。用語「耐熱材料」(thermally stable material)は、本発明において、本発明の方法の水素充填条件下で有意な熱劣化を避けるための十分な耐熱を有する材料と定義される。好ましい材料は、変形したり、ドリップ、溶融または揮発しないように選択され、そのすべてが、必要とされる暴露時間/温度のパラメータ下で、ファイバーを無被覆のままにし、または、隣接ファイバーに付着したままにする。好ましくは、材料の選択は、次のようになされる。充填時間および温度のパラメータにかけられるとき、以下の通りである。
【0032】
1)コーティングの目に見える気泡または亀裂もしくはコーティングとガラスとの間の離層が、50×以下の倍率で光学測定したときにはっきりと目に見えない。
2)熱重量分析によって測定したときに実質的な熱劣化が観察されず、そこにおいて、実質的な熱劣化は、全コーティング重量の損失が、N2などの不活性雰囲気中の加熱、充填および冷却温度プロフィールを模倣する条件について約10%より小さく、より好ましくは約5%より小さいと定義される。
【0033】
1つの実施態様において、前記プロセス条件に似た条件で熱重量分析(TGA)によって測定したとき、コーティングが2重量%未満、失われる。コーティング材料は更に、ファイバー中への水素の拡散を有意に妨げないように選択される。最終的に、選択された材料は望ましくは、ファイバーの製造、およびコーティングにわたって格子の書き込みを可能にできることまたは書き込みの前にきれいにストリッピングされ得ることのどちらか、と共存できるコーティングプロセスを有する。
【0034】
いろいろな材料の耐熱を分析し、特定の高温水素充填プロセスに関連づけた。光増感プロセスの目標は、拡散によって光ファイバーのコアー中に水素を急速に導入することである。問題は、先ず、適した耐熱材料を同定し、次いで、それらの材料の時間/温度安定域を同定し、より高温での水素の拡散速度の増大とポリマーの劣化速度の増大との間のバランスをとることである。
【0035】
本発明の分析は、空気対窒素中の一般的なポリマーの熱重量分析の効果を考察した。図7は、大気中のポリマー材料の、窒素雰囲気中の同じ材料の劣化に対する劣化曲線を示す。不活性雰囲気が劣化プロセスを遅くするのが観察された。そして、熱酸化プロセスの場合、材料の所与の重量の暴露表面積の大きさは、材料の劣化の速度に効果を有することが知られている。
【0036】
確かに完全水素ガスの雰囲気は、酸化性雰囲気ではないが、それは、高温で前記ポリマーに完全に不活性ではないことがある。手がかりは、ファイバーを十分な水素で飽和させて所望の感光性をもたらすと共に劣化せずにそのプロセスに耐えることができる材料でファイバーをコートするのに必要とされた最小時間を特定することである。
【0037】
以下の実施例は、TGA材料試験を行うための典型的な方法論を示す。
【0038】
材料試験の実施例
ガス切替え部品を備えた、変調高解像度TGAアナライザ(TAインストルメント製のモデル2950)を用いて、試験を、いろいろな試料について行った。試験を、窒素および空気の両方をパージガスとして用いて行った。
【0039】
調べた材料を以下の表にし、そのまま本明細書において参照する。
【0040】
【表1】
【0041】
それらの製品番号が、次のように試料材料を同定することができる。
【0042】
【表2】
【0043】
この分析で用いた試料は、ただ1つの例外を除いて、コーテッド光ファイバーであった。例外は、プラズマ堆積炭素材料であった。このダイヤモンド状炭素(diamond−like carbon)(DLC)のコーティング重量は、光ファイバー上に厚さ200Åにコートされるとき、ファイバーの〜0.06重量%だけを占めるので、標準TGA測定は実際的でなく、試料はコーティングチャンバーからフレーク/粉末として採集された材料を含んだ。プラズマ堆積炭素試料は、ファイバーの表面積/容積比と異なっている可能性が高い表面積/容積比を有する。前記試料は概してファイバー上の薄膜であるかのように挙動し、シリカの表面がDLC劣化に影響を及ぼさないと仮定する。
【0044】
ファイバー試料を分析用に製造するために、各ファイバーを、その小片が、直径5mm、深さ〜2mmであるTGAで用いたTGA白金皿に配置することができるように、長さ〜3〜4mmに切り分けた。粉体を含まない手袋をファイバーの取り扱い中に着用し、皮膚から試料に油および汚染物質を移すのを回避する。繊維長を3〜4mmの小片に切り分けることにより、切断端から生じる表面積の増大によって劣化プロセスに感知できる程度に影響を及ぼすことはないと推定される。プラズマ堆積炭素材料の場合、適切な量の材料を試料皿に置くことができるように、フレークを粉砕した。
【0045】
窒素および空気パージの両方の流量はファーネスについて44cc/分、残部については22cc/分であった。白金試料皿を用い、計測器をモードTGA−1000C内に置いた。
【0046】
所与の温度がコーティング材料に及ぼす長期的効果を確認するために、温度を所望の温度に急速に上昇させて、次いで長時間、保持する恒温方法を用いた。本実施例において、目的の温度は260℃であった。コーティング質量のパーセンテージを確認するために、コーティングを除去するまで、試験片の温度を空気中で20℃/分で900℃まで増大させた。この発明のプロセスの水素充填のための時間間隔が非常に小さい間、熱天秤解析を800分にわたって行った。各々の加熱方法を、窒素および空気パージの両方ですべての試験された試料に用いた。恒温分析のためのデータサンプリング速度を、10.0秒/ポイントに設定した(48000秒×0.1ポイント/秒=4800ポイント)。温度ランプは2.0秒/ポイントのデータサンプリング速度で行われた。
【0047】
いくつかの場合には、恒温実験のための温度までランピングした時、少量の材料劣化が観察されたが、それは恐らく、表面吸着水など、吸着された揮発成分の損失のためである。これは、ダイヤモンド状炭素(DLC)の試料が非常に大きな表面積を有するので、それにおいて最もはっきりと見える。それはまた、この現象以外に、実験の間に質量の変化をほとんど示さないポリイミド試料においてはっきりと見える。
【0048】
得られたデータは、時間、温度、および重量を含む。データを用いて、試料の初期重量に対して重量%を計算する。サーモグラムを、もしある場合には、ガラスファイバー成分について補正し、次に、いろいろなコーティングを、用いたコーティング重量から独立に比較することができるように、正規化する。
【0049】
正規化補正Wt%データは、
【数7】
の形の4因数指数関数的減衰(four factor exponential decay)に当てはめられ、曲線が劣化曲線ではないかおよび/または、もし何れかの質量損失があるとしても、極めて少ししかない場合を除いて(例えばポリイミドコーテッドファイバー)0.99以上のr−平方値になる。
【0050】
図8は、不活性雰囲気中のいろいろなファイバーコーティング試料のTGAサーモグラムを示す。不活性雰囲気中でなされたサーモグラムの仕事は、260℃で水素充填を達成するために必要な短い時間にわたってほとんど質量損失がないことを示す。ポリマーコーティングの機能がガラス要素の表面に対して機械的摩耗および水からの遮断層を提供することであるので、更に長時間でも、ファイバーの光学コーティングとして用いた材料のこの機能に影響を及ぼさないことは、十分に可能である。TGAサーモグラムが、260℃での正規化重量%(補正)対時間を示すことに留意のこと。この表示は、材料が同等に比較されるように、シリカ成分およびコーティング重量を分析から除去する。
【0051】
ポリイミド(図8、材料2および4)またはDLC(材料6)のコーティングを有するそれらのファイバーは、不活性雰囲気中で260℃で劣化の有意な指標を示さない。これらの耐熱コーティングは、本発明による250〜260℃の高温水素充填プロセスの間にファイバーを保護するために好ましいコーティングである。
【0052】
本発明の方法はまた、アクリレートベースのコーティング(材料1、3、および5)についても急速な水素充填を可能にする。本発明の方法の急速な水素充填パラメータを各々の化合物の暴露時間/温度の特性と整合させることによって、高温での急速な水素充填を、有意な劣化を引き起こさずに達成することができる。
【0053】
他の適している可能性がある材料を見い出すことができる。例えば、鎖中に炭素環および複素環を含有するポリマーは、所望の特性を有することがわかった。これらのカテゴリーの材料の典型的な群には、ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンおよびポリエーテル、ポリノルボルネン、ポリベンゾキサゾール、およびポリパラフェニレン誘導体、などがある。他の適したポリマーには、フッ素を含有するいくつかの耐熱ポリマー、ポリシロキサンおよびポリメタロシロキサンなどのホウ素、リン、またはケイ素、を含有するポリマー、配位ポリマー、および有機金属ポリマーなどがある。おそらく適した材料の実施例および説明は、「High Temperature Resistant Polymers」、A.H.フレイザー著、インターサイエンス出版/ジョンワイリーアンドサンズ、ニューヨーク、1968年(その関連部分を本願明細書に引用したものとする)、の第5章に見い出すことができる。その関連部分を引用した他の文献には、「Degradation and Stabilization of Polymers」、G・ゲスケンズ編、アプライドサイエンス出版、ロンドン、1975年、第3章、「The Development of Heat−Resistant Organic Polymers」、W.W.ライト著、P.E.キャシディー、マーセルデッカー社、ニューヨーク、1980年、などがある。
【0054】
急速な光増感プロセスの実施例
本発明の方法の実施例は以下の通りである。図1を再び参照すると、Geおよび/またはBドープ処理コアーおよび/またはクラッディングを有するケイ素ガラス光ファイバー32のスプール30など、ガラス材料を提供した。このようなファイバーは、ニューヨーク州、コーニングのコーニング社またはオーストラリア、エベリーのレドファンフォトニクスなどの会社から容易に得ることができる。光ファイバーの製造、ドーピングおよびコーティングの方法は、当業者には周知である。ガラス材料は、長期的構造のオーダーを有せず、観察可能な時間スケールで流動を示さないように十分に充実且つ剛性である材料と定義される。この光増感プロセスは、平面導波管など、他の材料系に適用される。
【0055】
光ファイバーには、ポリミクロテクノロジーズLLC(アリゾナ州、フェニックス)製のポリイミドコーテッドファイバーなどのコーティングなどがある。コーティングは、無被覆光ファイバーを表面損傷から保護するのを助ける。
【0056】
コーティングの耐熱性は、その他の性質に悪影響を与えるコーティング中の、特定の望ましくない変化、通常は劣化を生じる極限温度および暴露時間条件に従って確認される。本発明の耐熱材料の選択のためのパラメータは、上に定義した通りである。
【0057】
水素化されるコーテッド光ファイバーを、200℃に予熱された容器12の内部に置く。本実施例において、光ファイバー32をスプール30の上に捲回し、スプール30を圧力容器12中に置いた。次に、容器を窒素でパージし、35分にわたってそして260℃に加熱した。260℃の容器を1900psi水素で充填し、次に、ファイバー30を30分間、水素含有雰囲気に暴露した。30分後に、ファイバー30を容器12から急速に除去し、それらを、氷のプレートなど、0℃の低温熱伝導性表面の上に置くことによって、急速に冷却された。あるいは、スプールを、充填温度より実質的に低い温度を有する熱シンク上に置いてもよい。急速な冷却が、ファイバーから脱着する水素の量を最小にするのを助けることが見い出された。
【0058】
暴露プロセスを、異なった条件下で3つの異なった試料について3回、行なった。次に、ファイバーは同様な強度の化学線のパターンに、ファイバーの屈折率の変化もたらす同様な時間量の間、露光し、ファイバーのブラッグ格子を加工した。得られた格子の格子透過性(grating transmission)を測定することによって、ファイバーの感光性を確認した。結果を以下の表1にまとめた。
【0059】
【表3】
【0060】
感光性の有意の増大が、図9に示したように、水素を充填されなかったファイバーと比較したとき、高温水素環境(条件1および2)に暴露されたファイバーについて観察された。高温充填プロセスは、34〜90倍、ファイバーのブラッグ格子の強度を増大させた。比較のために、ファイバーを、この発明の高速光増感プロセスのために用いた時間と同様な時間、一般に用いられる水素環境(条件3)に暴露した。図10に示したように、60℃で充填されたファイバーは、未処理ファイバーと比較したとき、感光性の有意の増大を示さなかった。
【0061】
低温(60℃)で充填されたファイバーと比較して高温で充填されたファイバーの永久光学損失を、図11に示す。図示したように、光学損失は、高温充填ファイバーにおいて増大しないが、多くの適用について、この損失量は、商用デバイスを製造するために許容範囲内である。さらに、高温暴露プロセスにおける水素雰囲気の圧力を増大させることにより、水素暴露プロセスの時間を低減させることによってこの光学損失を低減させることができる。
【0062】
本発明のガラス材料の感光性を増大させるための高温、短時間暴露方法を、光を操作する多数の光デバイスを製造するために用いることができる。典型的な適用において、光ファイバーは、上に記載した方法を用いて水素充填される。このような光ファイバーの少なくとも一部分を、化学線のパターンに露光し、ブラッグ 格子など、屈折率の摂動パターンを生じさせる。
【0063】
当業者は、本発明をいろいろな光学部品の製造に用いることができることを理解するであろう。本発明は、典型的な好ましい実施態様を参照して記載されたが、本発明は、他の特定の形態で実現されてもよい。それ故に、本願明細書に記載して例示した実施態様は典型例であるにすぎず、本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではないことは理解されるはずである。他の変型および改良を、本発明によって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水素充填装置の第1の実施態様の簡略図である。
【図2】本発明によるガラス材料の水素化方法の流れ図である。
【図3】本発明で開示された理論モデルを用いる温度の関数としての直径125μmのシリカ光ファイバー中への水素の拡散時間のグラフである。
【図4】暴露温度の関数としてのシリカ光ファイバー中への水素の溶解度のグラフである。
【図5】暴露圧力の関数としてのシリカ光ファイバー中への水素の溶解度のグラフである。
【図6】従来の方法での水素化時間を本発明の方法を用いる水素化時間と比較するグラフである。
【図7】大気中のポリマー材料の、窒素雰囲気中の同じ材料の劣化に対する劣化曲線を示すグラフである。
【図8】不活性雰囲気中のいろいろなファイバーコーティング試料のTGAサーモグラムを示すグラフである。
【図9】非増感ファイバーと、本発明の方法によって増感されたファイバーとに書き込まれたファイバーブラッグ格子を比較するグラフである。
【図10】基線格子のグラフによる比較である。
【図11】低温(60℃)で充填されたファイバーと比較した高温充填ファイバーの永久光学損失のグラフによる比較である。
背景技術
本発明は、以前の方法によって達成された光ファイバーより数倍速い速度で光ファイバーの感光性を増大させる方法に関する。詳しくは、本発明は、水素または重水素をケイ素ガラス中に急速に拡散させてこれらのガラス材料、特に光ファイバーの感光性を増大させるための方法を含む。
【0002】
光ファイバーベースのデバイスは、今日の拡大する大容量の光通信インフラストラクチャーにおいて極めて重要な部品である。これらのデバイスの多くが、光操作を行うためのファイバーブラッグ格子(FBG)に依存する。FBGは、導波管の光誘導領域の長さに沿って屈折率の周期的な、非周期的な、または疑似周期的な変動を有する光ファイバーである。ファイバー中のこれらの屈折率の摂動を生じる能力は、FBGと、それ故、光センサー、波長選択性フィルター、および分散補償器などの多くの光学部品を製造するために必要である。
【0003】
格子は、通常は感光性の現象によって光ファイバーに書き込まれる。感光性は、ガラスの屈折率がガラス構造体の化学線による変質によって変化させられる効果と定義される。用語「化学線」には、可視光、紫外線、赤外線、およびガラスの屈折率の変化を促す放射線の他の形などがある。所与のガラスは、より大きい屈折率の変化が同じ供給線量でその中に引き起こされる時に他のガラスよりも感光性であると考えられる。
【0004】
ガラスの感光性のレベルが、どれぐらい大きな屈折率の変化をその中に引き起こすことができるかを決定し、従って実質的に加工することができる格子デバイスを限定する。感光性はまた、所望の屈折率の変化を所定の放射線強度を有するガラス中に引き起こすことができる速度に影響を与える。ガラスの感光性を増大させることによって、より速い速度でその中により大きい屈折率の摂動を引き起こすことができる。
【0005】
シリカベースのガラス、高品質の光ファイバーの主成分、の本質的な感光性はあまり高くない。一般に〜10−5だけの屈折率の変化が、標準ゲルマニウムドープ処理ファイバーを用いて可能である。しかしながら、化学線で照射する前にガラスに水素分子を充填することによって、ガラスの感光性を非常に増大させることができることが観察された。10−2もの屈折率の変化が、水素化シリカ光ファイバーにおいて明らかにされた。
【0006】
水素に暴露することによる感光性の増大に関する初期の言及は、D・マクステイ著、「Photosensitivity Changes in Ge−Doped Fibers Observed by Raman Spectroscopy」、SPIE、Vol.1314、Fibre Optics 1990年に見い出すことができる。いろいろな圧力、時間および150℃までの温度で水素槽に浸漬されていると報告されたコーニング1521ファイバー試料についてピークが観察された。典型的な報告された暴露は、3日間、1気圧および24℃で処理されたファイバーからなった。前記ファイバーは弱い感光反応を示した。
【0007】
F・ウエレットら著、「Permanent Photoinduced Birefringence in a Ge−doped Fiber」、Applied Physics Letters、Vol.58、1813ページ、1991年4月29日、は相対的に高い温度での水素暴露によって感光性を増大させる試みを報告する。ゲルマニウムでドープされたコアーを有するファイバーストランドを、12気圧のH2を有する圧力室に入れ、4時間、400℃に加熱した。水素処理ファイバーの全屈折率の変化は、大体10−5であると推定された。G.メルツら著、SPIE、1516巻、International Workshop on Photoinduced Self−Organization in Optical Fiber、Ma 10−11、1991年、論文1516−18は、1気圧のH2中で610℃で75時間、ドープ処理ゲルマノシリケートプリホームロッドを処理することを報告をしている。このような高温暴露は、ファイバーの大きな光学損失をもたらし、通常、ファイバーを役に立たなくすることが後にわかった。米国特許第5,235,659号および5,287,427号は、高くても250℃の温度で導波管の少なくとも一部分をH2(1気圧(14.7p.s.i)よりも高い分圧)に暴露し、照射が少なくとも10−5の正規化屈折率変化をもたらすことができる方法について記載する。米国特許第5,500,031号、前述の‘659年の特許の一部継続出願は、14〜11,000p.s.i.の範囲の圧力および21〜150℃の温度でガラスを水素または重水素に暴露する方法について記載している。これらの文献に記載されたパラメータは恐らく、光ファイバーに水素を充填するために最も代表的である。
【0008】
‘031号、‘659、および‘427号の文献は、温度が250℃を超える、または150℃でも超える水素充填方法における問題を指摘する。このような言及とは別の教示において、‘659号の特許は、高温において、「代表的なポリマーファイバーのコーティングが破壊されるか、またはひどく損傷を受ける」(第1欄、51〜54行目)ことを示す。それは、「先行技術の高温増感処理がしばしばファイバーの光学損失を増大させ、および/またはファイバーを弱めることがある」という事実(第1欄、54〜56行目)を更に強調する。最終的に、‘659号の特許が先行技術から区別されるのは、高温処理が、低温処理が必要とするのとは「異なった物理的機構」を必要とするという説明による。
【0009】
従来の水素化方法でファイバー中の水素の所望のレベルを達成するために(〜1ppm)、一般に、ファイバーを水素雰囲気に数日間、ある場合には、数週間、暴露する。600時間(25日)、21℃、738気圧または13日、21℃、208気圧などの典型的な暴露が代表的であるとして報告されている。明らかに、このような長い暴露は感光性ガラスに依存する光デバイスを加工するのに必要とされる時間を延長する。従来のファイバー水素化のために長時間が必要とされるので、処理能力を増大させて空き時間を回避するために大量生産環境においていろいろな圧力容器が必要とされる。これらの容器は安全に設置するのに費用がかかり、特に別個の調節弁およびガス供給シリンダを有する多数の容器が必要とされるとき、重大事故が起こる可能性を増大させる。多数の容器を設置することにより、生産処理能力を増大させることができるが、水素化プロセスが格子加工サイクル時間を妨げ、従って新規な製品および特殊製品の開発時間が大幅に犠牲にされることがある。
【0010】
ガラス材料の感光性を増大させるためのより時間効率のよい方法が必要とされている。
【0011】
発明の要旨
従来の方法による水素充填は、通常、日または週の範囲で測定される暴露時間に依存する。高温暴露でも、数時間の範囲の充填時間を必要とすると考えられていた。更に別の先行文献は、高温の使用をやめることを教示し、高温水素処理が低温処理とは異なった物理機構を必要とするという考えを示した。
【0012】
本発明は、ガラス材料の感光性を急速に増大させる方法および前記方法を実施するための装置を含む。本発明はまた、前記方法の適用の結果として得られた物品を含む。
【0013】
本発明は、温度が水素充填およびガラス材料の感光性の増大に及ぼす効果のより正確な理解と考えれられる内容に基づいている。本発明の新規な態様は、ガラス材料の感光性に対する有意の変化が、高温の(250℃より高い)非常に急速な(1時間より短い暴露時間)水素暴露を含む新規な充填方法によって達成され得るという認識である。このような急速な充填方法の発見は、コーティングの耐熱時間/温度域を急速な充填方法のパラメータと一致させることによって適した耐熱コーティングの使用を可能にする。
【0014】
本発明の方法の1つの実施態様において、ガラス材料が提供され、選択された耐熱コーティングによって保護される。コートされると、ガラス材料は、1時間より短い暴露時間、250℃より高い温度のH2および/またはD2含有雰囲気中に置かれる。最終的に、ガラス材料の部分を、化学線に露光し、10−5より大きい屈折率の変化をもたらす。好ましい実施態様において、本発明の水素暴露プロセスは、シリカ光ファイバー(直径125μm)など、ガラス体の感光性を1分未満で非常に増大させる。
【0015】
発明の詳細な説明
図1は、本発明による水素充填装置10の第1の実施態様の簡略図である。水素充填装置10は、圧力容器12および水素源14を含む。本発明の1つの典型的な実施態様において、容器12は、30,000psi(〜20,600キロパスカル)ものガス圧力に耐えることができる高圧ガスチャンバーである。装置10は、ヒータ装置16および、圧力容器12の周りに置かれた同伴絶縁材18を更に備える。N2など、パージガス22の供給源が、圧力容器を排気するのを助けるために提供される。
【0016】
図2は、本発明の方法の実施態様の工程を概観する流れ図である。本発明のガラス材料を急速に水素化する(hydrogenizing)方法は、ケイ素ガラス(silicon glass)などのガラス材料を提供する工程を有する。1つの好ましい実施態様において、材料は、計画された暴露時間/温度/圧力と一致する耐熱特性を有するように選択された耐熱材料でコートされる。材料は、1時間より短い時間、250℃を超える温度の水素雰囲気に暴露される。別の実施態様において、水素雰囲気を上記の大気圧よりも加圧する。次に、材料を氷槽などで急速に冷却する。
【0017】
理論に囚われることを望まないが、本発明は、温度が水素充填、およびガラス材料の感光性を増大させる能力、に及ぼす効果のより正確な理解と考えれられる内容に基づいている。本発明の新規な態様は、ガラス材料の感光性に対する有意の変化が高温の(250℃より高い)非常に急速な(1時間より短い暴露時間)水素暴露を含む新規な充填方法によって達成され得るという認識である。このような急速な充填方法の発見は、コーティングの耐熱時間/温度域を急速な充填方法のパラメータと一致させることによって適した耐熱コーティングの使用を可能にする。
【0018】
適切な高温耐性コーティング材料を選択してガラス材料の水素飽和および後続の光増感を達成する方法の説明は以下の通りである。記載された方法は、拡散に関する周知の式およびモデルを実験値に基づいた新規な理解および近似モデルと組み合わせる。
【0019】
水素化プロセスのパラメータの確定
下に記載したモデルに基づいて、ファイバーを高温水素環境(>250℃)に暴露することによってシリカファイバーなど、ガラス材料の感光性を急速に増大させることができることがわかった。前記プロセスは、非常に高い水素圧(>10,000psi)でファイバーを暴露することによってさらに促進され得ることもわかった。
【0020】
図3は、以下に示した理論モデルで製造された20〜300℃の範囲の温度で直径125μmファイバー中への水素拡散時間のグラフを示す。本発明の目的のために、水素という用語を用いて、H2、HDおよびD2分子を説明する。半径rおよび時間tの関数としてのファイバー中の水素濃度の計算式は、
【数1】
であり、式中、
Cがファイバー中の水素の濃度であり、Dが拡散係数であり、αnが第1種のゼロ次ベッセル関数、J0のn乗根である。J1が第1種の一次ベッセル関数である。ここで、ファイバーの内部の飽和時の水素濃度は、Sとされる。便宜上、拡散時定数は、
【数2】
として定義される。拡散係数の温度依存が、
【数3】
の形のアレニウスの式によって記載され、式中、
D0が定数であり、Eが活性化エネルギーであり、Rがガス定数(R=1.986cal/モル・K)であり、Tが絶対温度である。D0およびEの値を(1)および(3)に入れることによって、所与の半径のファイバー中への水素拡散時間を計算することができる。D0=12510−4cm2/sおよびE=9.046Kcal/モルが、図3でグラフ化した結果のために用いた値であった。図3の拡散時間を対数目盛でプロットし、ファイバーの温度の相対的に小さい変化が拡散時間を非常に変化させることを示すことに留意のこと。
【0021】
ガラス中への水素の溶解度を、
【数4】
の形のアレニウスの式によって記載することができ、式中、
Pが充填圧力であり、S0が定数であり、ESが溶解度活性化エネルギーである。S0=3.5.10−2(a.u.単位)およびES=1.78±0.21(Kcal/モル)。シリカファイバー中の水素の溶解度を、図4にプロットする。前記曲線は、便宜上、80℃での溶解度に正規化される。図4に示すように、水素の溶解度は、拡散時間と比較された充填温度の相対的に弱い関数である。
【0022】
光ファイバー中のH2含有量対異なった充填圧力を、図5にプロットする。線形適合度(linear fit)からのデータのわずかな発散が明らかであり、それは測定の不確かさまたは飽和効果(例えば、ラングミュアモデルホールファイリング(Langmuir model hole filing))のためであることがある。このデータの線形回帰が平方相関係数r2=0.998をもたらすが、線形適合度からのデータのわずかな発散が明らかであり、それは、測定の不確かさまたは飽和効果のためであることがある。実際的見地からいえば、シリカ光ファイバー中の水素の溶解度は、少なくとも28,000psiまでの充填圧力で線形に増大する。
【0023】
(1)および(4)を組み合わせることによって、温度、時間、および圧力の関数としての、ファイバー中の水素の濃度、[H2]は、
【数5】
として表され、式中、拡散定数Dが、(3)に詳述されたような温度の強い関数である。
【0024】
上に記載した式を分析すると、また、[H2]が充填圧力に線形に比例するので、次に本発明のモデルを圧力によって、および、水素濃度の半径位置依存(radial−position dependence)を無視することによって割る。式(5)は、
【数6】
として概算されてもよい。
【0025】
したがって、実験的観察によって支持される上記のモデルは、必要とされる暴露時間を劇的に低減させたまま、従来の充填パラメータよりも更に数十度高い温度の増大が、ガラス材料中の水素の濃度を非常に増大させることを示す。本発明の方法を用いて、充填条件の圧力および温度を〜20,000p.s.i.および260℃まで上げることによって、60度で2,000psi.の代表的な圧力で30時間の暴露後に以前に達成された濃度と較べて、60秒でファイバー中の水素の同じ濃度、暴露時間の〜1.8×105パーセントの低減、を達成することができる。水素濃度とガラス材料の感光性の増大との間の直接の関係を考えると、ガラス材料の感光性の比例してより大きい変化が、このような暴露によって達成される。図6は、20℃の水素雰囲気中に置かれたガラス材料対300℃の雰囲気中に置かれた同じ試料の比較充填時間を示す。時間スケールが対数であることと、第1のグラフが時間の単位を用いるのに対し、第2のグラフが分の時間単位を用いることに留意のこと。測定値は任意単位(a.u単位)である。
【0026】
光ファイバーを水素化する間に使用した温度の増大が水素拡散時間を減少させるが、ファイバー中の水素の溶解度もまた、温度の上昇によって減少するという問題が生じる可能性がある。本発明の方法の実施態様は、水素環境の圧力を増大させることによって溶解度のこの減少に対処する。特定のファイバーを充填するために必要とされた時間、温度および圧力の正確な組合せは、ファイバー、コーティングの特性、および所望の水素濃度に依存する。
【0027】
ファイバーコーティングの選択プロセス
先行文献は高温水素充填の使用をやめることを特に教示し、ポリマーファイバーコーティングが250℃より高い温度で破壊されるか、または、少なくとも非常に損傷を受けることを示す。しかしながら、それらの先行文献は、非常に速い充填時間をもたらす促進暴露の可能性と、充填プロセスの時間/温度の必要条件を特別に選択された材料の耐熱特性と一致させ得ることと、を認識できなかった。本発明は、特定の耐熱ポリマーのための高温充填域を認識および特定するために、熱天秤(TGA)分析ツールを用いる。本発明の充填モデル下では、充填暴露温度がより高いと、必要とされる暴露時間がより短くなるので、本方法の組み合わせた時間、温度、および圧力充填条件のための十分な性能特性を維持することができるポリマーコーティングを特定することが可能である。以下に記載した分析ツールによって、加熱される時の材料の挙動を確認することにより、当業者は、適切なコーティングの耐熱時間/温度のパラメータを、光ファイバーに水素を充填するために必要とされた温度、圧力および時間の適切な組合せと一致させることができる。
【0028】
一般に、ポリマー材料は、光ファイバーをコートしてそれらを機械的に保護するためにだけ用いられる。「ポリマーの耐熱は、それらの構造および組成に敏感性であるだけではなく、化学プロセスと結び付いた他の現象と相伴って、環境因子の作用、特に酸素、添加剤および充填剤などの環境中の化学活性成分に敏感性である特性である」、Degradation of Filled Polymers:High Temperature and Thermal−Oxidative Processes、M.T.ブリク、エリス・ホーウッド、1991年、の関連部分を引用。更に、劣化プロセス(degradative process)の化学反応に触媒として作用することができる、分析の局在環境に存在している材料が考慮される必要がある。これらの材料には、劣化の生成物および/または装置を製造する材料などが挙げられる。
【0029】
ポリマーの耐熱性と、熱および熱酸化プロセスを調べた。ポリマーにおいて、材料の劣化につながる反応は、ポリマーの化学構造に依る。フリーラジカルの形成により生じる鎖の切断反応は、ポリエチレンおよびポリ(メチルメタクリレート)の劣化機構であるのに対し、ポリエチレンテレフタレート(PET)の劣化は、不規則鎖の切断の後に、カルボキシルおよびビニルエステル末端基を有するより低分子量の種が形成されることによる。ポリカーボネートが、エステル結合の不規則開裂の結果として一酸化炭素および二酸化炭素を除去する。ポリイミドが、イミド環の熱分解(thermal decomposition)によって一酸化炭素を除去するか、またはイソイミド構造中へのイミド環の異性化によって二酸化炭素を除去することができる。ポリマーの化学構造に依存して、架橋反応が鎖の切断反応と競合することがある。
【0030】
ポリマーの劣化プロセスは相当に異なっていることがあるが、しかしながら、最終的な問題は、どの程度、本適用においてポリマーの性能の必要な特性を失わずに劣化が起こるのか、ということである。確かに、ポリ(フタルアルデヒド)におけるような、急速に鎖切断し、その後に、モノマーの揮発につながる劣化は、ポリマーを幾度か短時間、高温に暴露するには有利ではない。よりゆっくりとポリマーを劣化する他の機構は明らかに、短時間暴露に耐えることができる。暴露温度、時間、気圧および表面積/容積の比など、いろいろな因子が有意である。
【0031】
本発明のコーティング材料の選択プロセスは、コーティング材料と本明細書に開示された短時間、高温の水素化プロセスとの間の相互作用についての理解に基づいている。適した材料は、ファイバーコーティング材料、すなわち、無被覆光ファイバーまたは導波管の周りに配置されてもよい保護材、を含む群から選択されてもよい。用語「耐熱材料」(thermally stable material)は、本発明において、本発明の方法の水素充填条件下で有意な熱劣化を避けるための十分な耐熱を有する材料と定義される。好ましい材料は、変形したり、ドリップ、溶融または揮発しないように選択され、そのすべてが、必要とされる暴露時間/温度のパラメータ下で、ファイバーを無被覆のままにし、または、隣接ファイバーに付着したままにする。好ましくは、材料の選択は、次のようになされる。充填時間および温度のパラメータにかけられるとき、以下の通りである。
【0032】
1)コーティングの目に見える気泡または亀裂もしくはコーティングとガラスとの間の離層が、50×以下の倍率で光学測定したときにはっきりと目に見えない。
2)熱重量分析によって測定したときに実質的な熱劣化が観察されず、そこにおいて、実質的な熱劣化は、全コーティング重量の損失が、N2などの不活性雰囲気中の加熱、充填および冷却温度プロフィールを模倣する条件について約10%より小さく、より好ましくは約5%より小さいと定義される。
【0033】
1つの実施態様において、前記プロセス条件に似た条件で熱重量分析(TGA)によって測定したとき、コーティングが2重量%未満、失われる。コーティング材料は更に、ファイバー中への水素の拡散を有意に妨げないように選択される。最終的に、選択された材料は望ましくは、ファイバーの製造、およびコーティングにわたって格子の書き込みを可能にできることまたは書き込みの前にきれいにストリッピングされ得ることのどちらか、と共存できるコーティングプロセスを有する。
【0034】
いろいろな材料の耐熱を分析し、特定の高温水素充填プロセスに関連づけた。光増感プロセスの目標は、拡散によって光ファイバーのコアー中に水素を急速に導入することである。問題は、先ず、適した耐熱材料を同定し、次いで、それらの材料の時間/温度安定域を同定し、より高温での水素の拡散速度の増大とポリマーの劣化速度の増大との間のバランスをとることである。
【0035】
本発明の分析は、空気対窒素中の一般的なポリマーの熱重量分析の効果を考察した。図7は、大気中のポリマー材料の、窒素雰囲気中の同じ材料の劣化に対する劣化曲線を示す。不活性雰囲気が劣化プロセスを遅くするのが観察された。そして、熱酸化プロセスの場合、材料の所与の重量の暴露表面積の大きさは、材料の劣化の速度に効果を有することが知られている。
【0036】
確かに完全水素ガスの雰囲気は、酸化性雰囲気ではないが、それは、高温で前記ポリマーに完全に不活性ではないことがある。手がかりは、ファイバーを十分な水素で飽和させて所望の感光性をもたらすと共に劣化せずにそのプロセスに耐えることができる材料でファイバーをコートするのに必要とされた最小時間を特定することである。
【0037】
以下の実施例は、TGA材料試験を行うための典型的な方法論を示す。
【0038】
材料試験の実施例
ガス切替え部品を備えた、変調高解像度TGAアナライザ(TAインストルメント製のモデル2950)を用いて、試験を、いろいろな試料について行った。試験を、窒素および空気の両方をパージガスとして用いて行った。
【0039】
調べた材料を以下の表にし、そのまま本明細書において参照する。
【0040】
【表1】
【0041】
それらの製品番号が、次のように試料材料を同定することができる。
【0042】
【表2】
【0043】
この分析で用いた試料は、ただ1つの例外を除いて、コーテッド光ファイバーであった。例外は、プラズマ堆積炭素材料であった。このダイヤモンド状炭素(diamond−like carbon)(DLC)のコーティング重量は、光ファイバー上に厚さ200Åにコートされるとき、ファイバーの〜0.06重量%だけを占めるので、標準TGA測定は実際的でなく、試料はコーティングチャンバーからフレーク/粉末として採集された材料を含んだ。プラズマ堆積炭素試料は、ファイバーの表面積/容積比と異なっている可能性が高い表面積/容積比を有する。前記試料は概してファイバー上の薄膜であるかのように挙動し、シリカの表面がDLC劣化に影響を及ぼさないと仮定する。
【0044】
ファイバー試料を分析用に製造するために、各ファイバーを、その小片が、直径5mm、深さ〜2mmであるTGAで用いたTGA白金皿に配置することができるように、長さ〜3〜4mmに切り分けた。粉体を含まない手袋をファイバーの取り扱い中に着用し、皮膚から試料に油および汚染物質を移すのを回避する。繊維長を3〜4mmの小片に切り分けることにより、切断端から生じる表面積の増大によって劣化プロセスに感知できる程度に影響を及ぼすことはないと推定される。プラズマ堆積炭素材料の場合、適切な量の材料を試料皿に置くことができるように、フレークを粉砕した。
【0045】
窒素および空気パージの両方の流量はファーネスについて44cc/分、残部については22cc/分であった。白金試料皿を用い、計測器をモードTGA−1000C内に置いた。
【0046】
所与の温度がコーティング材料に及ぼす長期的効果を確認するために、温度を所望の温度に急速に上昇させて、次いで長時間、保持する恒温方法を用いた。本実施例において、目的の温度は260℃であった。コーティング質量のパーセンテージを確認するために、コーティングを除去するまで、試験片の温度を空気中で20℃/分で900℃まで増大させた。この発明のプロセスの水素充填のための時間間隔が非常に小さい間、熱天秤解析を800分にわたって行った。各々の加熱方法を、窒素および空気パージの両方ですべての試験された試料に用いた。恒温分析のためのデータサンプリング速度を、10.0秒/ポイントに設定した(48000秒×0.1ポイント/秒=4800ポイント)。温度ランプは2.0秒/ポイントのデータサンプリング速度で行われた。
【0047】
いくつかの場合には、恒温実験のための温度までランピングした時、少量の材料劣化が観察されたが、それは恐らく、表面吸着水など、吸着された揮発成分の損失のためである。これは、ダイヤモンド状炭素(DLC)の試料が非常に大きな表面積を有するので、それにおいて最もはっきりと見える。それはまた、この現象以外に、実験の間に質量の変化をほとんど示さないポリイミド試料においてはっきりと見える。
【0048】
得られたデータは、時間、温度、および重量を含む。データを用いて、試料の初期重量に対して重量%を計算する。サーモグラムを、もしある場合には、ガラスファイバー成分について補正し、次に、いろいろなコーティングを、用いたコーティング重量から独立に比較することができるように、正規化する。
【0049】
正規化補正Wt%データは、
【数7】
の形の4因数指数関数的減衰(four factor exponential decay)に当てはめられ、曲線が劣化曲線ではないかおよび/または、もし何れかの質量損失があるとしても、極めて少ししかない場合を除いて(例えばポリイミドコーテッドファイバー)0.99以上のr−平方値になる。
【0050】
図8は、不活性雰囲気中のいろいろなファイバーコーティング試料のTGAサーモグラムを示す。不活性雰囲気中でなされたサーモグラムの仕事は、260℃で水素充填を達成するために必要な短い時間にわたってほとんど質量損失がないことを示す。ポリマーコーティングの機能がガラス要素の表面に対して機械的摩耗および水からの遮断層を提供することであるので、更に長時間でも、ファイバーの光学コーティングとして用いた材料のこの機能に影響を及ぼさないことは、十分に可能である。TGAサーモグラムが、260℃での正規化重量%(補正)対時間を示すことに留意のこと。この表示は、材料が同等に比較されるように、シリカ成分およびコーティング重量を分析から除去する。
【0051】
ポリイミド(図8、材料2および4)またはDLC(材料6)のコーティングを有するそれらのファイバーは、不活性雰囲気中で260℃で劣化の有意な指標を示さない。これらの耐熱コーティングは、本発明による250〜260℃の高温水素充填プロセスの間にファイバーを保護するために好ましいコーティングである。
【0052】
本発明の方法はまた、アクリレートベースのコーティング(材料1、3、および5)についても急速な水素充填を可能にする。本発明の方法の急速な水素充填パラメータを各々の化合物の暴露時間/温度の特性と整合させることによって、高温での急速な水素充填を、有意な劣化を引き起こさずに達成することができる。
【0053】
他の適している可能性がある材料を見い出すことができる。例えば、鎖中に炭素環および複素環を含有するポリマーは、所望の特性を有することがわかった。これらのカテゴリーの材料の典型的な群には、ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンおよびポリエーテル、ポリノルボルネン、ポリベンゾキサゾール、およびポリパラフェニレン誘導体、などがある。他の適したポリマーには、フッ素を含有するいくつかの耐熱ポリマー、ポリシロキサンおよびポリメタロシロキサンなどのホウ素、リン、またはケイ素、を含有するポリマー、配位ポリマー、および有機金属ポリマーなどがある。おそらく適した材料の実施例および説明は、「High Temperature Resistant Polymers」、A.H.フレイザー著、インターサイエンス出版/ジョンワイリーアンドサンズ、ニューヨーク、1968年(その関連部分を本願明細書に引用したものとする)、の第5章に見い出すことができる。その関連部分を引用した他の文献には、「Degradation and Stabilization of Polymers」、G・ゲスケンズ編、アプライドサイエンス出版、ロンドン、1975年、第3章、「The Development of Heat−Resistant Organic Polymers」、W.W.ライト著、P.E.キャシディー、マーセルデッカー社、ニューヨーク、1980年、などがある。
【0054】
急速な光増感プロセスの実施例
本発明の方法の実施例は以下の通りである。図1を再び参照すると、Geおよび/またはBドープ処理コアーおよび/またはクラッディングを有するケイ素ガラス光ファイバー32のスプール30など、ガラス材料を提供した。このようなファイバーは、ニューヨーク州、コーニングのコーニング社またはオーストラリア、エベリーのレドファンフォトニクスなどの会社から容易に得ることができる。光ファイバーの製造、ドーピングおよびコーティングの方法は、当業者には周知である。ガラス材料は、長期的構造のオーダーを有せず、観察可能な時間スケールで流動を示さないように十分に充実且つ剛性である材料と定義される。この光増感プロセスは、平面導波管など、他の材料系に適用される。
【0055】
光ファイバーには、ポリミクロテクノロジーズLLC(アリゾナ州、フェニックス)製のポリイミドコーテッドファイバーなどのコーティングなどがある。コーティングは、無被覆光ファイバーを表面損傷から保護するのを助ける。
【0056】
コーティングの耐熱性は、その他の性質に悪影響を与えるコーティング中の、特定の望ましくない変化、通常は劣化を生じる極限温度および暴露時間条件に従って確認される。本発明の耐熱材料の選択のためのパラメータは、上に定義した通りである。
【0057】
水素化されるコーテッド光ファイバーを、200℃に予熱された容器12の内部に置く。本実施例において、光ファイバー32をスプール30の上に捲回し、スプール30を圧力容器12中に置いた。次に、容器を窒素でパージし、35分にわたってそして260℃に加熱した。260℃の容器を1900psi水素で充填し、次に、ファイバー30を30分間、水素含有雰囲気に暴露した。30分後に、ファイバー30を容器12から急速に除去し、それらを、氷のプレートなど、0℃の低温熱伝導性表面の上に置くことによって、急速に冷却された。あるいは、スプールを、充填温度より実質的に低い温度を有する熱シンク上に置いてもよい。急速な冷却が、ファイバーから脱着する水素の量を最小にするのを助けることが見い出された。
【0058】
暴露プロセスを、異なった条件下で3つの異なった試料について3回、行なった。次に、ファイバーは同様な強度の化学線のパターンに、ファイバーの屈折率の変化もたらす同様な時間量の間、露光し、ファイバーのブラッグ格子を加工した。得られた格子の格子透過性(grating transmission)を測定することによって、ファイバーの感光性を確認した。結果を以下の表1にまとめた。
【0059】
【表3】
【0060】
感光性の有意の増大が、図9に示したように、水素を充填されなかったファイバーと比較したとき、高温水素環境(条件1および2)に暴露されたファイバーについて観察された。高温充填プロセスは、34〜90倍、ファイバーのブラッグ格子の強度を増大させた。比較のために、ファイバーを、この発明の高速光増感プロセスのために用いた時間と同様な時間、一般に用いられる水素環境(条件3)に暴露した。図10に示したように、60℃で充填されたファイバーは、未処理ファイバーと比較したとき、感光性の有意の増大を示さなかった。
【0061】
低温(60℃)で充填されたファイバーと比較して高温で充填されたファイバーの永久光学損失を、図11に示す。図示したように、光学損失は、高温充填ファイバーにおいて増大しないが、多くの適用について、この損失量は、商用デバイスを製造するために許容範囲内である。さらに、高温暴露プロセスにおける水素雰囲気の圧力を増大させることにより、水素暴露プロセスの時間を低減させることによってこの光学損失を低減させることができる。
【0062】
本発明のガラス材料の感光性を増大させるための高温、短時間暴露方法を、光を操作する多数の光デバイスを製造するために用いることができる。典型的な適用において、光ファイバーは、上に記載した方法を用いて水素充填される。このような光ファイバーの少なくとも一部分を、化学線のパターンに露光し、ブラッグ 格子など、屈折率の摂動パターンを生じさせる。
【0063】
当業者は、本発明をいろいろな光学部品の製造に用いることができることを理解するであろう。本発明は、典型的な好ましい実施態様を参照して記載されたが、本発明は、他の特定の形態で実現されてもよい。それ故に、本願明細書に記載して例示した実施態様は典型例であるにすぎず、本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではないことは理解されるはずである。他の変型および改良を、本発明によって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水素充填装置の第1の実施態様の簡略図である。
【図2】本発明によるガラス材料の水素化方法の流れ図である。
【図3】本発明で開示された理論モデルを用いる温度の関数としての直径125μmのシリカ光ファイバー中への水素の拡散時間のグラフである。
【図4】暴露温度の関数としてのシリカ光ファイバー中への水素の溶解度のグラフである。
【図5】暴露圧力の関数としてのシリカ光ファイバー中への水素の溶解度のグラフである。
【図6】従来の方法での水素化時間を本発明の方法を用いる水素化時間と比較するグラフである。
【図7】大気中のポリマー材料の、窒素雰囲気中の同じ材料の劣化に対する劣化曲線を示すグラフである。
【図8】不活性雰囲気中のいろいろなファイバーコーティング試料のTGAサーモグラムを示すグラフである。
【図9】非増感ファイバーと、本発明の方法によって増感されたファイバーとに書き込まれたファイバーブラッグ格子を比較するグラフである。
【図10】基線格子のグラフによる比較である。
【図11】低温(60℃)で充填されたファイバーと比較した高温充填ファイバーの永久光学損失のグラフによる比較である。
Claims (30)
- 光ファイバーの感光性を急速に増大させるための方法であって、
a)ガラス材料と、耐熱暴露域を有する耐熱コーティングと、を含む光ファイバーを提供する工程であって、所望の暴露時間/温度のパラメータが前記コーティングの耐熱暴露時間/温度域の範囲内である工程と、
b)前記光ファイバーを前記所望の暴露時間/温度で、水素含有雰囲気に暴露する工程であって、所望の温度が250℃より高い温度であり、所望の暴露時間が1時間を超えない、工程と、を含む方法。 - 前記水素含有雰囲気が少なくとも1気圧の水素分圧を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記水素含有雰囲気が少なくとも260℃の温度および少なくとも1,600p.s.iの水素分圧を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記暴露時間が長くても90秒である、請求項1に記載の方法。
- 前記耐熱コーティングが、ポリイミドおよびダイヤモンド様コーティングからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記暴露時間が長くても30分である、請求項1に記載の方法。
- 前記暴露時間が長くても1分である、請求項1に記載の方法。
- 前記導波管を前記水素含有雰囲気から除去して前記光ファイバーを急速に冷却する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 化学線に露光した時に、前記導波管の屈折率が少なくとも10−5倍の因子Δ分、増加させられる、請求項1に記載の方法。
- 前記導波管の少なくとも一部分を化学線に露光する工程が、前記ファイバー上に格子を書き込む工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 光デバイスの製造方法であって、
a)ガラス材料を提供する工程と、
b)前記ガラス材料を約1時間より短い暴露時間、250℃より高い温度の水素含有雰囲気に暴露する工程と、
c)ガラス材料の少なくとも一部分を化学線で照射し、照射された部分の屈折率が少なくとも10−5の正規化屈折率変化をもたらす工程と、を含む方法。 - 光学格子を有する光ファイバーの製造方法であって、
ガラスコアおよび外部コーティングを有する光ファイバーを提供する工程と、
(a)250℃より高い暴露温度および(b)約1時間より短い暴露時間を含む暴露条件下で前記光ファイバーの第1および第2の部分を水素含有雰囲気に暴露し、それによって処理光ファイバーを形成する工程と、
前記光ファイバーの前記第1の部分が前記格子を含有し、前記光ファイバーの前記第2の部分が何れの格子をも含有しないように、前記コーティングを除去せずに光学格子を前記処理光ファイバー上に書き込む工程と、を含む方法。 - 前記光ファイバーがスプール上に配置され、前記スプールが前記水素含有雰囲気に暴露される、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングが前記暴露条件下で安定している、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングが前記暴露条件下で窒素雰囲気中に置かれるとき、前記コーティング材料の初期重量に対して、重量損失が10重量%未満である、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングが前記暴露条件下で窒素雰囲気中に置かれるとき、前記コーティング材料の初期重量に対して、重量損失が5重量%未満である、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングが前記暴露条件下で窒素雰囲気中に置かれるとき、前記コーティング材料の初期重量に対して、重量損失が2重量%未満である、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングがダイヤモンド様コーティングである、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングがポリイミドを含む、請求項12に記載の方法。
- 前記処理ファイバーの感度の増大が、前記ファイバーが化学線に露光される時に少なくとも10−5の、少なくとも1つの軸に沿う正規化屈折率の差を生じさせるのに十分である、請求項12に記載の方法。
- 前記水素含有雰囲気が、少なくとも1600p.s.i.の水素分圧を有する、請求項12に記載の方法。
- 前記水素含有雰囲気が、少なくとも10000p.s.i.の水素分圧を有する、請求項12に記載の方法。
- 前記暴露時間が約1分〜約30分の範囲内である、請求項12に記載の方法。
- 前記暴露時間が約1分以下である、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングがダイヤモンド様コーティングであり、前記暴露時間が約30分〜約60分の範囲内である、請求項12に記載の方法。
- 前記コーティングがポリイミドを含み、前記暴露時間が約30分〜約60分の範囲内である、請求項12に記載の方法。
- 前記光ファイバーが、前記水素含有雰囲気に暴露した後に急速に冷却される、請求項12に記載の方法。
- 前記光ファイバーが冷却プロセスの間に熱シンクと接触される、請求項12に記載の方法。
- 前記熱シンクがチルドメタルプレートである、請求項28に記載の方法。
- 前記水素含有雰囲気が重水素である、請求項12に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/616,117 US6311524B1 (en) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | Accelerated method for increasing the photosensitivity of a glassy material |
PCT/US2000/031141 WO2002006875A1 (en) | 2000-07-14 | 2000-11-14 | Accelerated method for increasing the photosensitivity of a glassy material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004509361A true JP2004509361A (ja) | 2004-03-25 |
JP2004509361A5 JP2004509361A5 (ja) | 2008-01-10 |
Family
ID=24468095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002512725A Pending JP2004509361A (ja) | 2000-07-14 | 2000-11-14 | ガラス材料の感光性を増大させるための促進方法 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6311524B1 (ja) |
EP (1) | EP1311885B1 (ja) |
JP (1) | JP2004509361A (ja) |
KR (1) | KR20030018047A (ja) |
CN (1) | CN1196948C (ja) |
AT (1) | ATE291747T1 (ja) |
AU (1) | AU2001234347A1 (ja) |
CA (1) | CA2411007A1 (ja) |
DE (1) | DE60018991T2 (ja) |
WO (1) | WO2002006875A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005134469A (ja) * | 2003-10-28 | 2005-05-26 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光ファイバ処理装置、処理方法及び光ファイバ |
WO2016051812A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社フジクラ | 光ファイバ再被覆装置 |
WO2019239969A1 (ja) * | 2018-06-12 | 2019-12-19 | 住友電気工業株式会社 | 光デバイスの製造方法 |
Families Citing this family (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6763686B2 (en) * | 1996-10-23 | 2004-07-20 | 3M Innovative Properties Company | Method for selective photosensitization of optical fiber |
JP3555844B2 (ja) | 1999-04-09 | 2004-08-18 | 三宅 正二郎 | 摺動部材およびその製造方法 |
US20010035029A1 (en) * | 1999-07-12 | 2001-11-01 | Akira Ikushima | Method of manufacturing an optical fiber |
CA2471014A1 (en) * | 2001-12-20 | 2003-07-03 | 3M Innovative Properties Company | Sectionally photosensitive optical waveguides |
US6857293B2 (en) * | 2001-12-20 | 2005-02-22 | 3M Innovative Properties Company | Apparatus for selective photosensitization of optical fiber |
KR100679310B1 (ko) * | 2002-08-23 | 2007-02-06 | 도요 세이칸 가부시키가이샤 | 산소 흡수성 수지 조성물 및 적층체 |
US6969198B2 (en) | 2002-11-06 | 2005-11-29 | Nissan Motor Co., Ltd. | Low-friction sliding mechanism |
EP1576395A4 (en) * | 2002-11-26 | 2007-02-14 | 3Sae Technologies Inc | HYDROGEN CONCENTRATION CONVERSION IN AN OPTICAL FIBER |
US20040223694A1 (en) * | 2003-04-04 | 2004-11-11 | Dower William V. | Method and apparatus for the photosensitization of optical fiber |
JP4863152B2 (ja) | 2003-07-31 | 2012-01-25 | 日産自動車株式会社 | 歯車 |
CN101760286B (zh) | 2003-08-06 | 2013-03-20 | 日产自动车株式会社 | 低摩擦滑动机构、低摩擦剂组合物以及减小摩擦的方法 |
JP4973971B2 (ja) | 2003-08-08 | 2012-07-11 | 日産自動車株式会社 | 摺動部材 |
US7771821B2 (en) | 2003-08-21 | 2010-08-10 | Nissan Motor Co., Ltd. | Low-friction sliding member and low-friction sliding mechanism using same |
EP1508611B1 (en) | 2003-08-22 | 2019-04-17 | Nissan Motor Co., Ltd. | Transmission comprising low-friction sliding members and transmission oil therefor |
JP2005112690A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-04-28 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 光導波路の製造方法 |
DE102004017031B4 (de) * | 2004-04-02 | 2008-10-23 | Heraeus Quarzglas Gmbh & Co. Kg | Optisches Bauteil aus Quarzglas, Verfahren zur Herstellung des Bauteils und Verwendung desselben |
JP2007003721A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光ファイバの処理方法 |
WO2008083686A1 (en) * | 2007-01-12 | 2008-07-17 | Koheras A/S | Lifetime extending and performance improvements of micro-structured fibres via high temperature loading |
WO2010003422A2 (en) | 2008-07-11 | 2010-01-14 | Nkt Photonics A/S | Lifetime extending and performance improvements of optical fibers via loading |
FR2943337B1 (fr) * | 2009-03-20 | 2011-12-23 | Draka Comteq France | Procede de traitement de fibres optiques au deuterium |
EP3234665B1 (en) * | 2014-12-18 | 2024-08-21 | NKT Photonics A/S | A photonic crystal fiber, a method of production thereof and a supercontinuum light source |
JP6403716B2 (ja) * | 2015-05-18 | 2018-10-10 | ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG | リドロー法による光構造化可能なガラス体の製造方法 |
CN106680929B (zh) * | 2016-12-27 | 2019-01-29 | 湖北工业大学 | 一种自动化光纤载氢装置与载氢方法 |
CN107024733B (zh) * | 2017-06-16 | 2020-04-28 | 武汉光谷航天三江激光产业技术研究院有限公司 | 一种光纤载氢增敏设备及载氢方法 |
CN110885186A (zh) * | 2018-09-11 | 2020-03-17 | 西安盛佳光电有限公司 | 用于高功率光纤激光器的双包层光纤的载氢装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07244210A (ja) * | 1994-01-14 | 1995-09-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 |
JPH09113741A (ja) * | 1995-08-16 | 1997-05-02 | At & T Corp | ポリマー被覆された光ファイバの回折格子形成 |
JP2000019334A (ja) * | 1998-06-26 | 2000-01-21 | Furukawa Electric Co Ltd:The | ファイバグレーティングの形成方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1466224A (en) * | 1974-03-20 | 1977-03-02 | Sumitomo Electric Industries | Optical transmission fibres |
US5500031A (en) | 1992-05-05 | 1996-03-19 | At&T Corp. | Method for increasing the index of refraction of a glassy material |
US5235659A (en) * | 1992-05-05 | 1993-08-10 | At&T Bell Laboratories | Method of making an article comprising an optical waveguide |
US5287427A (en) * | 1992-05-05 | 1994-02-15 | At&T Bell Laboratories | Method of making an article comprising an optical component, and article comprising the component |
US6146713A (en) * | 1999-03-25 | 2000-11-14 | Acme Grating Ventures, Llc | Optical transmission systems and apparatuses including Bragg gratings and methods of making |
-
2000
- 2000-07-14 US US09/616,117 patent/US6311524B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2000-11-14 WO PCT/US2000/031141 patent/WO2002006875A1/en active IP Right Grant
- 2000-11-14 CA CA002411007A patent/CA2411007A1/en not_active Abandoned
- 2000-11-14 JP JP2002512725A patent/JP2004509361A/ja active Pending
- 2000-11-14 DE DE60018991T patent/DE60018991T2/de not_active Expired - Fee Related
- 2000-11-14 AU AU2001234347A patent/AU2001234347A1/en not_active Abandoned
- 2000-11-14 EP EP00991687A patent/EP1311885B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-11-14 KR KR10-2003-7000482A patent/KR20030018047A/ko not_active Application Discontinuation
- 2000-11-14 AT AT00991687T patent/ATE291747T1/de not_active IP Right Cessation
- 2000-11-14 CN CN00819727.XA patent/CN1196948C/zh not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-09-21 US US09/960,174 patent/US20030074925A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07244210A (ja) * | 1994-01-14 | 1995-09-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光導波路型回折格子の作製方法及びその作製用光導波路 |
JPH09113741A (ja) * | 1995-08-16 | 1997-05-02 | At & T Corp | ポリマー被覆された光ファイバの回折格子形成 |
JP2000019334A (ja) * | 1998-06-26 | 2000-01-21 | Furukawa Electric Co Ltd:The | ファイバグレーティングの形成方法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005134469A (ja) * | 2003-10-28 | 2005-05-26 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光ファイバ処理装置、処理方法及び光ファイバ |
WO2016051812A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 株式会社フジクラ | 光ファイバ再被覆装置 |
US9839934B2 (en) | 2014-09-30 | 2017-12-12 | Fujikura Ltd. | Optical fiber re-coating device |
WO2019239969A1 (ja) * | 2018-06-12 | 2019-12-19 | 住友電気工業株式会社 | 光デバイスの製造方法 |
GB2588534A (en) * | 2018-06-12 | 2021-04-28 | Sumitomo Electric Industries | Optical device production method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2002006875A1 (en) | 2002-01-24 |
ATE291747T1 (de) | 2005-04-15 |
US20030074925A1 (en) | 2003-04-24 |
CN1196948C (zh) | 2005-04-13 |
CN1454326A (zh) | 2003-11-05 |
WO2002006875A8 (en) | 2003-05-22 |
EP1311885B1 (en) | 2005-03-23 |
AU2001234347A1 (en) | 2002-01-30 |
DE60018991D1 (de) | 2005-04-28 |
DE60018991T2 (de) | 2006-04-20 |
KR20030018047A (ko) | 2003-03-04 |
EP1311885A1 (en) | 2003-05-21 |
CA2411007A1 (en) | 2002-01-24 |
US6311524B1 (en) | 2001-11-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004509361A (ja) | ガラス材料の感光性を増大させるための促進方法 | |
CA2541735C (en) | Conditioning optical fibers for improved ionizing radiation response | |
Butov et al. | Nitrogen-doped silica-core fibres for Bragg grating sensors operating at elevated temperatures | |
Lan et al. | Turn-Around-Point Long-Period Fiber Gratings Fabricated by CO $ _ {2} $ Laser Point-by-Point Irradiations | |
Dianov et al. | Grating formation in a germanium free silicon oxynitride fibre | |
Gusarov et al. | Gamma-radiation effects on Bragg gratings written by femtosecond UV laser in Ge-doped fibers | |
Chen et al. | Rapid long-period grating formation in hydrogen-loaded fibre with 157nm F^ sub 2^-laser radiation | |
KR100487888B1 (ko) | 광학수단을 제공하는 방법 및 광학수단을 형성하는 프로세스 | |
Grobnic et al. | Thermally stable type II FBGs written through polyimide coatings of silica-based optical fiber | |
EP1625433B1 (en) | Method and apparatus for the photosensitization of optical fiber | |
Chisholm et al. | Effects of thermal annealing on Bragg fibre gratings in boron/germania co-doped fibre | |
US6542668B2 (en) | Very-high-temperature-stable fiber grating-based sensor | |
Shi et al. | Correlation between glass viscosity and the high-temperature lifetime of silica fiber Bragg gratings directly written by a femtosecond laser | |
Semjonov et al. | Fiber performance in hydrogen atmosphere at high temperature | |
Sohma et al. | Heat-resistant thin optical fiber for sensing in high-temperature environments | |
Jiang et al. | Review of fabrication and packaging of UV-induced FBGs for high temperature sensing | |
Shen et al. | Photosensitive indium-doped germano-silica fiber for strong FBGs with high temperature sustainability | |
Bulatov et al. | Thermal stability of carbon/polyimide coated optical fiber dried in hydrogen atmosphere | |
Viswanathan et al. | Accelerated-aging studies of chirped Bragg gratings written in deuterium-loaded germano-silicate fibers | |
Lanin et al. | Response of in-fiber Bragg gratings to hydrogen loading and subsequent heat treatment in H 2 ambience | |
US20240103214A1 (en) | Thermally annealed gratings in coated fiber and related systems and methods | |
Liu et al. | Medium Temperature Resistance Drawing-Tower Grating Array Fabrication | |
Dyer et al. | Pulsed 157 nm VUV induced refractive index modification of optical fibres and planar fused silica | |
Hong-lin et al. | Loss Increase Induced by H2 Loading in GeO2 Doped Optical Fiber | |
Zhang et al. | High temperature resistance temperature sensor based on the hydrogen loaded Fiber Bragg grating |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071112 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090924 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100323 |