JPH07242977A - マンガン基制振合金およびその製造法 - Google Patents
マンガン基制振合金およびその製造法Info
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- JPH07242977A JPH07242977A JP5259094A JP5259094A JPH07242977A JP H07242977 A JPH07242977 A JP H07242977A JP 5259094 A JP5259094 A JP 5259094A JP 5259094 A JP5259094 A JP 5259094A JP H07242977 A JPH07242977 A JP H07242977A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Mnをベースとした原子%で、
Cu:15〜25%
Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crの少くとも1種:
1〜8% を含有するマンガン基制振合金。 【効果】 非積層型のマンガン基制振合金であり、加工
性が優れ、製品の形状・大きさの自由度が高い、しかも
鋳造状態として優れた性能が得られる。このため、板・
棒・線材・箔・繊維などとして、騒音や振動対策の産業
分野に寄与し得る。
1〜8% を含有するマンガン基制振合金。 【効果】 非積層型のマンガン基制振合金であり、加工
性が優れ、製品の形状・大きさの自由度が高い、しかも
鋳造状態として優れた性能が得られる。このため、板・
棒・線材・箔・繊維などとして、騒音や振動対策の産業
分野に寄与し得る。
Description
【産業上の利用分野】この発明は、マンガン基制振合金
とその製造法に関するものである。さらに詳しくは、こ
の発明は、加工法に優れ、製品の形状、大きさの自由度
が高く、しかも鋳造状態として優れた性能を現出させる
ことのできる、騒音、振動対策に有用な、新しいマンガ
ン基制振合金とその製造法に関するものである。
とその製造法に関するものである。さらに詳しくは、こ
の発明は、加工法に優れ、製品の形状、大きさの自由度
が高く、しかも鋳造状態として優れた性能を現出させる
ことのできる、騒音、振動対策に有用な、新しいマンガ
ン基制振合金とその製造法に関するものである。
【従来の技術とその課題】制振材料を歴史的に顧みれ
ば、タイプは一体型か、板を張合わせた積層型とに大別
される。最近は積層型のひとつである制振鋼板が開発さ
れている。制振鋼板は鋼板と樹脂あるいはその他の材料
との複数の板の積層構造であるため、溶接性や成形加工
性あるいは製品の大きさや形状に致命的な制約があり、
従って、主として容器か覆いの用途で大きな成果が報告
されている。これに対し、一体型構造からなる材料はそ
のような制約はなく、これまでに多くの研究がある。M
n−Cu合金、Cu−Mn合金、アルミブロンズ、マグ
ネシュウム合金、ニチノールなどが知られている。たと
えば、DeanらはMnをベースとした合金の研究におい
て、Mn基合金は制振材料として可能性が高いことを指
摘し(Electrolytic Manganese and lts Alloys, Ronal
d Press Comp., New York(1952),123)、Ja
nes らは、Mn−Cuの二元系合金において高性能な値
がでることを予測した(Master, Sci.and Eng. 4(1
969),1)。その後、実際にはCuをベースとした
Cu−Mn系合金が開発されてきている。しかしなが
ら、これらはいずれも鋳造材であり、加工性に難があ
り、性能も対数減衰率で0.3程度が最高値であった。
そこで、この発明は、従来の一体型材料の欠点を解消
し、一体型材料であり、しかも、従来にない高い性能を
擁し、加工性が高いため、大型鋳物をはじめ、板・棒・
維線・箔などの幅広い形状に対応でき、広範な産業分野
に利用することのできる新しいマンガン(Mn)ベース
の制振合金の開発に注力してきた。
ば、タイプは一体型か、板を張合わせた積層型とに大別
される。最近は積層型のひとつである制振鋼板が開発さ
れている。制振鋼板は鋼板と樹脂あるいはその他の材料
との複数の板の積層構造であるため、溶接性や成形加工
性あるいは製品の大きさや形状に致命的な制約があり、
従って、主として容器か覆いの用途で大きな成果が報告
されている。これに対し、一体型構造からなる材料はそ
のような制約はなく、これまでに多くの研究がある。M
n−Cu合金、Cu−Mn合金、アルミブロンズ、マグ
ネシュウム合金、ニチノールなどが知られている。たと
えば、DeanらはMnをベースとした合金の研究におい
て、Mn基合金は制振材料として可能性が高いことを指
摘し(Electrolytic Manganese and lts Alloys, Ronal
d Press Comp., New York(1952),123)、Ja
nes らは、Mn−Cuの二元系合金において高性能な値
がでることを予測した(Master, Sci.and Eng. 4(1
969),1)。その後、実際にはCuをベースとした
Cu−Mn系合金が開発されてきている。しかしなが
ら、これらはいずれも鋳造材であり、加工性に難があ
り、性能も対数減衰率で0.3程度が最高値であった。
そこで、この発明は、従来の一体型材料の欠点を解消
し、一体型材料であり、しかも、従来にない高い性能を
擁し、加工性が高いため、大型鋳物をはじめ、板・棒・
維線・箔などの幅広い形状に対応でき、広範な産業分野
に利用することのできる新しいマンガン(Mn)ベース
の制振合金の開発に注力してきた。
【課題を解決するための手段】この発明は、以上の通り
の事情を踏まえてなされたものであって、上記の課題を
解決するものとして、Mnをベースとした原子%で、 Cu:15〜25% Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crの少くとも1種:
1〜8% を含有するマンガン基制振合金を提供するものである。
そしてまた、この発明は、上記組成の合金を、その鋳造
後および/または加工後に800〜1100℃で焼鈍
し、徐冷することを特徴とするマンガン基制振合金の製
造法をも提供する。
の事情を踏まえてなされたものであって、上記の課題を
解決するものとして、Mnをベースとした原子%で、 Cu:15〜25% Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crの少くとも1種:
1〜8% を含有するマンガン基制振合金を提供するものである。
そしてまた、この発明は、上記組成の合金を、その鋳造
後および/または加工後に800〜1100℃で焼鈍
し、徐冷することを特徴とするマンガン基制振合金の製
造法をも提供する。
【作用】振動を吸蔵する機構は幾種類かあるが、この発
明の合金系においては、マルテンサイト変態を惹起させ
その生成相である双晶の運動によって振動を制する機構
と考えられる。従来は双晶を得るために銅の含有量を高
める必要がある反面、後に時効によって変態点の上昇を
行なっていた。このような処理によって生じた状態は不
安定であることを回避できない。これに対して、この発
明の制振合金の場合には、変態点を室温近傍に位置する
ようにCu含有量を下げ、代わって、複数元素の合金化
によって制動吸収に適った双晶を形成させる。実際、C
uの含有量を40〜60原子%にするとその偏析が大き
く、所要の特性が得られない。このため、この発明で
は、上記の通りの特有の組成割合を採用することが欠か
せない。Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crについて
は少くとも1種のものを1〜8原子%添加するが、なか
でもその特性において特に良好なものとしては、Mn−
Cu−Ni、並びにさらにFeおよびAlをこの範囲に
おいて添加した合金が挙げられる。従来の積層型材料は
貼り合わせ工程に高度な技術や膨大な設備費が欠かせ
ず、一体型材料の場合には、Mn−Cu系、Cu−Mn
系では銅の含有量が高いほど材料費がかさみ、かつ、時
効処理などの累加作業が不可避となり、コストに加算さ
れる。アルミブロンズ・マグネシウム合金・ニチノール
などは所望の形状に加工すること自体に多大な経費が必
要である。しかし、この発明の合金は、焼鈍だけで十分
な性能が生じ、加工性は形状を問うことがないほど容易
であり、従来加工コストの面で利用できなかった領域に
可能性が得られる。焼鈍は800〜1100℃、より好
ましくは900〜1000℃の温度で行うこととする。
また、所要の特性を得るためには、この温度から徐冷す
ることが欠かせない。以下、実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の制振合金とその製造法について説明する。
明の合金系においては、マルテンサイト変態を惹起させ
その生成相である双晶の運動によって振動を制する機構
と考えられる。従来は双晶を得るために銅の含有量を高
める必要がある反面、後に時効によって変態点の上昇を
行なっていた。このような処理によって生じた状態は不
安定であることを回避できない。これに対して、この発
明の制振合金の場合には、変態点を室温近傍に位置する
ようにCu含有量を下げ、代わって、複数元素の合金化
によって制動吸収に適った双晶を形成させる。実際、C
uの含有量を40〜60原子%にするとその偏析が大き
く、所要の特性が得られない。このため、この発明で
は、上記の通りの特有の組成割合を採用することが欠か
せない。Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crについて
は少くとも1種のものを1〜8原子%添加するが、なか
でもその特性において特に良好なものとしては、Mn−
Cu−Ni、並びにさらにFeおよびAlをこの範囲に
おいて添加した合金が挙げられる。従来の積層型材料は
貼り合わせ工程に高度な技術や膨大な設備費が欠かせ
ず、一体型材料の場合には、Mn−Cu系、Cu−Mn
系では銅の含有量が高いほど材料費がかさみ、かつ、時
効処理などの累加作業が不可避となり、コストに加算さ
れる。アルミブロンズ・マグネシウム合金・ニチノール
などは所望の形状に加工すること自体に多大な経費が必
要である。しかし、この発明の合金は、焼鈍だけで十分
な性能が生じ、加工性は形状を問うことがないほど容易
であり、従来加工コストの面で利用できなかった領域に
可能性が得られる。焼鈍は800〜1100℃、より好
ましくは900〜1000℃の温度で行うこととする。
また、所要の特性を得るためには、この温度から徐冷す
ることが欠かせない。以下、実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の制振合金とその製造法について説明する。
【実施例】実施例1〜12 成形加工性を高めるために銅の添加量を下げ、また、常
温近傍に変態点を移動させる狙いからマンガンに対し銅
を20%(原子%)近くに設定し、それに第3元素とし
て数種類の元素を添加し制振性能におよぼす第3元素の
影響を評価した。実施例および比較例として取り上げる
合金は、2種類の方法によって溶製した。つまり、等軸
晶鋳塊と一方向凝固鋳塊である。ともに溶解は高周波炉
を用いアルゴン雰囲気下で行った。等軸晶鋳塊は900
℃〜1000℃に加熱し、熱間圧延で20mm角にまで
鋳造し、再び中間焼鈍を行い、5mmまで熱間圧延し
た。冷間加工はその熱延板を焼鈍し、水冷後に行った。
90%以上の冷間加工が途中の焼鈍を施すことなく可能
であった。制振性能の測定は冷間加工後に焼鈍し、所定
の冷却速度を施した試片について行った。一方向凝固鋳
塊は、水冷銅盤上に発熱鋳型を設置して上から湯を注入
して作製した。これらの操作は高周波炉チャンバー内に
組み込み、アルゴン雰囲気下で行った。鋳塊のサイズは
厚さ20、高さ90、幅170mmである。鋳型の上部
中央に穴の開いた発熱ボードの蓋をかぶせ、その上に押
湯を兼ねたロートを設置し、注湯した。得られた鋳塊は
下面から上に向かって一方向に柱状晶を呈した組織であ
った。柱状晶の成長方向が試料の板面の垂直方向と一致
するような試片をB板、柱状晶の成長方向が幅方向に揃
った試片をC板、柱状晶の成長方向が試片の長手方向に
平行にある試片をD板と呼称して説明する。各試片は鋳
塊から直接ワイヤーソーによって厚さ1mm〜5mmの
板状試片に切削加工して準備した。柱状晶の内部には複
数のデンドライトが柱状晶の成長方向にほぼ平行してい
た。制振性能は、その評価方法の一つである対数減衰率
をもって測定した。試片は厚さが1〜0.5mm、幅が
12mm、長さが70mmの短冊状試片を用いた。片持
ち粱式で、変位はチャック部の最大歪振幅が2×10-4
位になるように設置して行なった。表1は、Mn−20
Cu合金に対して各種の第3元素を添加し性能改善を試
みた結果である。熱処理・鋳造・冷延を経て1mm厚に
した試片を焼鈍し、その温度から炉冷と空冷によって冷
却した場合の値を示してある。第3元素を含まないMn
−20Cuの空冷材の対数減衰率0.16を基準にすれ
ば、合金添加が有効とみられる元素は、Ni,Fe,C
o,V,Al,Znといえる。なかでも実施例2の5N
iが最高を示した。
温近傍に変態点を移動させる狙いからマンガンに対し銅
を20%(原子%)近くに設定し、それに第3元素とし
て数種類の元素を添加し制振性能におよぼす第3元素の
影響を評価した。実施例および比較例として取り上げる
合金は、2種類の方法によって溶製した。つまり、等軸
晶鋳塊と一方向凝固鋳塊である。ともに溶解は高周波炉
を用いアルゴン雰囲気下で行った。等軸晶鋳塊は900
℃〜1000℃に加熱し、熱間圧延で20mm角にまで
鋳造し、再び中間焼鈍を行い、5mmまで熱間圧延し
た。冷間加工はその熱延板を焼鈍し、水冷後に行った。
90%以上の冷間加工が途中の焼鈍を施すことなく可能
であった。制振性能の測定は冷間加工後に焼鈍し、所定
の冷却速度を施した試片について行った。一方向凝固鋳
塊は、水冷銅盤上に発熱鋳型を設置して上から湯を注入
して作製した。これらの操作は高周波炉チャンバー内に
組み込み、アルゴン雰囲気下で行った。鋳塊のサイズは
厚さ20、高さ90、幅170mmである。鋳型の上部
中央に穴の開いた発熱ボードの蓋をかぶせ、その上に押
湯を兼ねたロートを設置し、注湯した。得られた鋳塊は
下面から上に向かって一方向に柱状晶を呈した組織であ
った。柱状晶の成長方向が試料の板面の垂直方向と一致
するような試片をB板、柱状晶の成長方向が幅方向に揃
った試片をC板、柱状晶の成長方向が試片の長手方向に
平行にある試片をD板と呼称して説明する。各試片は鋳
塊から直接ワイヤーソーによって厚さ1mm〜5mmの
板状試片に切削加工して準備した。柱状晶の内部には複
数のデンドライトが柱状晶の成長方向にほぼ平行してい
た。制振性能は、その評価方法の一つである対数減衰率
をもって測定した。試片は厚さが1〜0.5mm、幅が
12mm、長さが70mmの短冊状試片を用いた。片持
ち粱式で、変位はチャック部の最大歪振幅が2×10-4
位になるように設置して行なった。表1は、Mn−20
Cu合金に対して各種の第3元素を添加し性能改善を試
みた結果である。熱処理・鋳造・冷延を経て1mm厚に
した試片を焼鈍し、その温度から炉冷と空冷によって冷
却した場合の値を示してある。第3元素を含まないMn
−20Cuの空冷材の対数減衰率0.16を基準にすれ
ば、合金添加が有効とみられる元素は、Ni,Fe,C
o,V,Al,Znといえる。なかでも実施例2の5N
iが最高を示した。
【表1】 実施例13〜18 表1の最も有望視できるMn−20Cu−5Ni合金に
対し、上記実施例と同様にして第4、第5元素として一
層の性能改善を施した合金を製造した。表2は、その結
果を示したものである。
対し、上記実施例と同様にして第4、第5元素として一
層の性能改善を施した合金を製造した。表2は、その結
果を示したものである。
【表2】 Mn−20Cu−5Niに対し、2Feを添加した実施
例13が最高であり、ついで実施例18の2Fe−5A
lならびに実施例17の2Fe−2Al合金が続いてい
る。図1〜図4は、上記に基づいて得られた最高値を示
すMn−20Cu−5Ni−2Fe(以降、M2052
合金と呼ぶ)の一方向凝固鋳塊を用いた各種板の対数減
衰率におよぼす熱処理並びに加工の影響を示したもので
ある。図1は、鋳造のままのB板の対数減衰率におよぼ
す900ならびに1000℃から炉冷した場合の焼鈍時
間の影響である。バラツキは大きいが、900℃48時
間処理では0.72が得られた。表1では0.28が、
表2では0.32がそれぞれ最高であったが、本図には
それらを遙かに超えた値である。図2は、鋳造のままの
C板の対数減衰率におよぼす900ならびに1000℃
から炉冷した場合の焼鈍時間の影響である。前図の値に
比べ全体が低い値を呈し、0.3を超えてはいない。図
3は、鋳造のままのD板の対数減衰率におよぼす900
ならびに1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響
である。図1、図2のいずれよりは全体的に高いといえ
る。900℃5時間と1000℃5時間では0.7が生
じている。図4は、B・C・D板のそれぞれを90%冷
延した後の対数減衰率におよぼす焼鈍時間の影響を示
す。C・D板は冷延によって性能は劣化するのに対し、
C板は逆に向上し、900℃24時間では0.7の値も
みられる。M2052合金は等軸晶鋳塊の場合、加工と
熱処理によって最低でも対数減衰率は0.3は保証でき
る。一方向凝固の試験からわかるように、凝固状態ある
いは柱状晶の成長方向に対する加工と熱処理の組み合わ
せによっては0.7を超す値を得ることができる。
例13が最高であり、ついで実施例18の2Fe−5A
lならびに実施例17の2Fe−2Al合金が続いてい
る。図1〜図4は、上記に基づいて得られた最高値を示
すMn−20Cu−5Ni−2Fe(以降、M2052
合金と呼ぶ)の一方向凝固鋳塊を用いた各種板の対数減
衰率におよぼす熱処理並びに加工の影響を示したもので
ある。図1は、鋳造のままのB板の対数減衰率におよぼ
す900ならびに1000℃から炉冷した場合の焼鈍時
間の影響である。バラツキは大きいが、900℃48時
間処理では0.72が得られた。表1では0.28が、
表2では0.32がそれぞれ最高であったが、本図には
それらを遙かに超えた値である。図2は、鋳造のままの
C板の対数減衰率におよぼす900ならびに1000℃
から炉冷した場合の焼鈍時間の影響である。前図の値に
比べ全体が低い値を呈し、0.3を超えてはいない。図
3は、鋳造のままのD板の対数減衰率におよぼす900
ならびに1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響
である。図1、図2のいずれよりは全体的に高いといえ
る。900℃5時間と1000℃5時間では0.7が生
じている。図4は、B・C・D板のそれぞれを90%冷
延した後の対数減衰率におよぼす焼鈍時間の影響を示
す。C・D板は冷延によって性能は劣化するのに対し、
C板は逆に向上し、900℃24時間では0.7の値も
みられる。M2052合金は等軸晶鋳塊の場合、加工と
熱処理によって最低でも対数減衰率は0.3は保証でき
る。一方向凝固の試験からわかるように、凝固状態ある
いは柱状晶の成長方向に対する加工と熱処理の組み合わ
せによっては0.7を超す値を得ることができる。
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、非積層型のマンガン基制振合金であり、加工性が優
れ、製品の形状・大きさの自由度が高い、しかも鋳造状
態として優れた性能が得られる。このため、板・棒・線
材・箔・繊維などとして、騒音や振動対策の産業分野に
寄与し得る。
り、非積層型のマンガン基制振合金であり、加工性が優
れ、製品の形状・大きさの自由度が高い、しかも鋳造状
態として優れた性能が得られる。このため、板・棒・線
材・箔・繊維などとして、騒音や振動対策の産業分野に
寄与し得る。
【図1】B板の対数減衰率におよぼす900℃ならびに
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
【図2】C板の対数減衰率におよぼす900℃ならびに
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
【図3】D板の対数減衰率におよぼす900℃ならびに
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
1000℃から炉冷した場合の焼鈍時間の影響を示した
図である。
【図4】B・C・D板のそれぞれの90%冷延材の対数
減衰率におよぼす900℃ならびに1000℃から炉冷
した場合の焼鈍時間の影響を示した図である。
減衰率におよぼす900℃ならびに1000℃から炉冷
した場合の焼鈍時間の影響を示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 Mnをベースとした原子%で、 Cu:15〜25% Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crの少くとも1種:
1〜8% を含有するマンガン基制振合金。 - 【請求項2】 CuおよびNiとともに、FeおよびA
lを1〜5原子%含有する請求項1のマンガン基制振合
金。 - 【請求項3】 Mnをベースとした原子%で、 Cu:15〜25% Ni,Fe,Co,Zn,Al,Crの少くとも1種:
1〜8% を含有するマンガン基制振合金の鋳造後および/または
加工後に800〜1100℃で焼鈍し、徐冷することを
特徴とするマンガン基制振合金の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052590A JP2849698B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | マンガン基制振合金およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052590A JP2849698B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | マンガン基制振合金およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07242977A true JPH07242977A (ja) | 1995-09-19 |
JP2849698B2 JP2849698B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=12919012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6052590A Expired - Lifetime JP2849698B2 (ja) | 1994-02-28 | 1994-02-28 | マンガン基制振合金およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2849698B2 (ja) |
Cited By (11)
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WO2010041532A1 (ja) | 2008-10-10 | 2010-04-15 | 株式会社豊田自動織機 | 鉄合金、鉄合金部材およびその製造方法 |
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CN113430434A (zh) * | 2021-05-20 | 2021-09-24 | 上海大学 | 用于宽温区服役的高阻尼锰铜合金及其制备方法 |
Families Citing this family (2)
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