JPH0724048A - 揮発性薬剤徐放化シート並びにその製造方法 - Google Patents
揮発性薬剤徐放化シート並びにその製造方法Info
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- JPH0724048A JPH0724048A JP5191982A JP19198293A JPH0724048A JP H0724048 A JPH0724048 A JP H0724048A JP 5191982 A JP5191982 A JP 5191982A JP 19198293 A JP19198293 A JP 19198293A JP H0724048 A JPH0724048 A JP H0724048A
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Abstract
含浸保持した粘着剤層5を積層し、徐放性コントロール
フィルム2にバリヤー性プロテクトフィルム1を剥離自
在に積層した積層体3の徐放性コントロールフィルム2
側を前記粘着剤層5に貼着して揮発性薬剤徐放化シート
を製造する。 【効果】 本発明の揮発性薬剤徐放化シートによれば、
揮発性薬剤を高濃度にしかも所定濃度に保持することが
でき、使用前においては薬剤を放出させることなく保存
でき、使用時においては薬剤を所望濃度で放出させるこ
とができる。
Description
防腐剤、防虫・殺虫剤、殺菌剤、防錆剤等の揮発性薬剤
を所望箇所に所望濃度で放出できる徐放化シートに関す
る。
例えば実開昭62−50925号公報に開示されるよう
に、薬剤含有樹脂フィルムの片面に薬剤不透過性シート
を剥離自在に貼着すると共に他面に薬剤不透過性シート
を接着したものが知られている。
来の揮発性薬剤徐放化シートの場合、その製造に当た
り、揮発性の薬剤を樹脂フィルムの製造時に含有させよ
うとすると熱分解したり、飛散したりし、また予め製造
された樹脂フィルム上に薬剤を塗布しようとしても塗布
量に限界があり、また塗布された薬剤も短時間で飛散し
てしまうため、薬剤を樹脂フィルムに余り高濃度に含有
させることができず、また、使用に当たっては薬剤の放
出濃度を正確にコントロールすることが難しいという不
都合を有していた。そこで、本発明は前記従来の揮発性
薬剤徐放化シートの不都合を解消し、揮発性の薬剤を高
濃度に含有させることができ、しかも使用前は薬剤の放
出を防止でき、使用に際しては薬剤を所望濃度にコント
ロールして放出できる揮発性薬剤徐放化シートを提供す
ることを目的とする。
化シートは、前記目的を達成するべく、バリヤー性基材
フィルム上に揮発性薬剤を含浸保持した粘着剤層を積層
すると共に該粘着剤層の上面に徐放性コントロールフィ
ルムを介して該徐放性コントロールフィルムと剥離自在
のバリヤー性プロテクトフィルムを積層したことを特徴
とする。また、本発明の揮発性薬剤徐放化シートの製造
方法は、バリヤー性基材フィルム上に揮発性薬剤を含浸
保持した粘着剤層を積層し、徐放性コントロールフィル
ムにバリヤー性プロテクトフィルムを剥離自在に積層し
た積層体の徐放性コントロールフィルム側を前記粘着剤
層に貼着することを特徴とする。
ー性プロテクトフィルムとしては、薬剤が透過しないも
のであれば各種フィルムが選択使用できるが、例えば、
ビニリデン、アクリロニトリル、エチレンポリビニルア
ルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート等の樹脂フィルムや金属箔などが用いら
れ、一般に膜厚10〜100μm、好ましくは20〜5
0μm程度のものが用いられる。また、前記バリヤー性
基材フィルムはフィルムの片面にシリコーン等の剥離剤
層を備えた剥離シートに構成し、この剥離シートを剥が
すことにより、揮発性薬剤徐放化シートを粘着材層を介
して適当な被着体に貼着して使用できるようにしてもよ
い。
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニル等の樹脂フィルムや、紙、布、合成紙などが用い
られ、一般に膜厚5〜200μm、好ましくは10〜1
00μm程度のものが用いられる。
ジャコウ、シベット(レイビョウ香)、カストル(カイ
リ香)、アンバーグリス(リュウゼン香)等の動物性香
料、ラベンダー油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、
ローズ油、ショウノウ油、ビャクダン油、ヒノキ油等の
植物精油からなる植物性香料等の天然香料、テルペン化
合物、芳香族化合物等からなる合成香料、あるいはそれ
らをブレンドした調合香料等の香料、イソチオシアン酸
メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸ア
リル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチオシアン酸
n−ブチル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオシア
ン酸ベンジル等のイソチオシアン酸エステル類、ジフェ
ニル、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、パラ
クロルメタクレゾール、α−ブロムシンナムアルデヒド
等の防黴剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒド
ロ酢酸等の防腐剤、DDVP剤、ピペロニルブトキシド
等の防虫・殺虫剤、ホルマリン、サリチル酸、クレオソ
ート、フェノール等の殺菌剤、ジシクロヘキシルアミン
亜硝酸塩、シクロヘキシルアミン炭酸塩、イソプロピル
アミン安息香酸塩、ジイソプロピルアミンコハク酸塩等
の有機アミンの無機および有機酸塩、安息香酸、ナフト
ール酸等の芳香族酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸等の炭素数6〜10の脂肪酸、ベンゾトリアゾー
ル、メチルベンゾトリアゾール等の複素環式アミン、m
−ジニトロベンゼン、ニトロナフタレン等のニトロ置換
芳香族化合物、ヘキサメチレンテトラミンおよびその誘
導体等の一種又は2種以上の混合物からなる防錆剤等が
用いられ、揮発性の薬剤であれば特にその種類は限定さ
れず、使用目的に応じ適宜選択使用できる。
層としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ジエチル
ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシルの
如き(メタ)アクリル酸エステルの一種または二種以上
と、該エステル類と共重合可能な(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、ア
クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸
メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチ
ルの如き官能性モノマーとの共重合物等のアクリル系粘
着剤、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニル
エーテル等のビニル系粘着剤、天然ゴムや、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム等の合
成ゴムを主成分とするゴム系粘着剤が用いられる。上記
アクリル系、ゴム系、ビニル系の各種粘着剤が選択使用
できるが、アクルル系粘着剤から選択使用するのが好ま
しく、特に、アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと該モノマーと共重合可能な
モノマーとの共重合体が好ましく、架橋タイプのものが
より好ましい。尚、粘着剤中には必要に応じ、テルペン
系樹脂、石油系樹脂等の粘着付与剤、流動パラフィン、
動植物油(例えばオリーブ油、大豆油、牛油、トン
脂)、ポリブテン、低級イソプレン、ワックス等の粘着
力、保持力調整剤、酸化チタン、酸化亜鉛、メタケイ酸
アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の
充填剤、水および乳化剤(例えばソルビタンモノオレエ
ート、ラウリルスルホン酸ナトリウム)、乳化助剤(例
えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニ
ウム)などを配合することもできる。また揮発性薬剤を
含浸保持できる粘着剤であれば、ここに例示した以外の
粘着剤も用いることができる。
と徐放性コントロールフィルムとを剥離自在に積層する
には、例えばバリヤー性プロテクトフィルム上に徐放性
コントロールフィルムを形成する樹脂材料を溶融被覆し
てフィルム形成するようにしてもよく、その場合、その
溶融温度を適宜調整することにより所望の接着強度を持
つ積層体に形成することができる。尚、この場合、徐放
性コントロールフィルムとバリヤー性プロテクトフィル
ムの接着強度は、徐放性コントロールフィルムと粘着剤
層との接着強度よりも弱くしておくことは言うまでもな
い。
剤を粘着剤層に含浸保持するようにしたので、薬剤を熱
分解や飛散させることなしに高濃度に保持することがで
き、また使用前においては揮発性薬剤を含浸保持した粘
着剤層はバリヤー性基材フィルムとバリヤー性プロテク
トフィルムとに挟持されているため薬剤が放出すること
がない。また、使用時においてはバリヤー性プロテクト
フィルムを剥がすことによりに、徐放性コントロールフ
ィルムを介して揮発性薬剤を所望濃度で放出させること
ができる。また、本発明の揮発性薬剤徐放化シートの製
造方法は、バリヤー性基材フィルム上に揮発性薬剤を含
浸保持した粘着剤層を積層したものを形成しておいて、
その粘着剤層の粘着力を利用して、徐放性コントロール
フィルムにバリヤー性プロテクトフィルムを剥離自在に
積層した積層体の徐放性コントロールフィルム側を前記
粘着剤層に貼着するようにしたので、薬剤を高濃度に保
ったまま、熱分解等させることなく製造することができ
る。
にその製造方法の実施例を図面に基づき説明する。 実施例1 まず、厚さ25μmのポリエステルフィルムからなるバ
リヤー性プロテクトフィルム1上に、低密度ポリエチレ
ン(旭化成工業株式会社製 サンテックシリーズ)を2
50〜330℃で溶融し、330℃にて厚さ20μmの
ポリエチレンフィルムからなる徐放性コントロールフィ
ルム2を成形し、バリヤー性プロテクトフィルム1と徐
放性コントロールフィルム2を剥離自在に積層した積層
体3を用意した。尚、作成した積層体3は室温に調温し
た。次に、これとは別に厚さ25μmのポリエステルフ
ィルムからなるバリヤー性基材フィルム4上に、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル97重量%及びアクリル酸3重
量%からなる共重合体を40重量%の割合で含有する酢
酸エチル溶液を乾燥後の厚みが30μmとなるように塗
布、乾燥し、粘着剤層を形成し、室温に調温したのち、
さらにその粘着剤層上にイソチオシアン酸アリルエステ
ルをスプレーコーティングして粘着剤層に10重量%程
度の濃度で含浸保持させ、揮発性薬剤を含浸保持した粘
着剤層5を形成した。次に、前記積層体3の徐放性コン
トロールフィルム2側を前記粘着剤層5に貼着し、図1
に示す揮発性薬剤徐放化シートを作成した。尚、図示の
実施例では、バリヤー性プロテクトフィルム1に切取り
線1aを多数設け、バリヤー性プロテクトフィルム1の
一部だけを剥ぎ取ることも可能にし、徐放性コントロー
ルフィルム2とは別個に薬剤の放出量をコントロールで
きるようにした。尚、前記バリヤー性プロテクトフィル
ム1に切取り線1aを設けない場合には、図2に示すよ
うにバリヤー性プロテクトフィルム1全体を剥ぎ取り易
いように摘み部1bを設けるようにしてもよい。
バリヤー性プロテクトフィルム1を剥ぎ取らずに、23
℃、65%RHの環境下に保存しておいたところ、48
時間経過しても粘着剤層に含浸保持されたイソチオシア
ン酸アリルエステルの放出は認められなかった。次に、
バリヤー性プロテクトフィルム1を剥ぎ取ってイソチオ
シアン酸アリルエステルの放出について調べたところ、
放出速度3.5g/m2 ・hで約0.86時間放出が持
続した。このように、本実施例によれば、使用するとき
までは揮発性薬剤の放出をできる限り抑えたいような用
途に使用するのに好適な揮発性薬剤徐放化シートが得ら
れた。
性プロテクトフィルム上に、ポリプロピレンを250〜
330℃で溶融し、330℃にて厚さ20μmのポリプ
ロピレンフィルムからなる徐放性コントロールフィルム
を成形し、バリヤー性プロテクトフィルムと徐放性コン
トロールフィルムを剥離自在に積層した積層体を用意し
た。尚、作成した積層体は室温に調温した。次に、これ
とは別にシリコーン剥離剤にて剥離処理を片面に施した
厚さ38μmのポリエステルフィルムからなるバリヤー
性基材フィルムの剥離処理面上に、アクリル酸ブチル9
0重量%及びアクリル酸10重量%からなる共重合体を
30重量%の割合で含有する酢酸エチル溶液を乾燥後の
厚みが35μmとなるように塗布、乾燥し、粘着剤層を
形成し、室温にもどした。さらにその粘着剤層上にロー
ズ臭の香料(曽田香料株式会社製 Rose O−60
032)をグラビアロールでコーティングして、粘着剤
層に3重量%程度の濃度で含浸保持させ、揮発性薬剤
(香料)を含浸保持した粘着剤層を形成した。次に、前
記積層体の徐放性コントロールフィルム側を前記粘着剤
層に貼着し、図1と同様の揮発性薬剤徐放化シートを作
成した。前記実施例2の揮発性薬剤徐放化シートのバリ
ヤー性基材フィルムを剥離し、露出した粘着剤層によ
り、窓ガラスに貼付し、48時間放置した。バリヤー性
プロテクトフィルムを剥ぎ取らないままのときは香料の
香りであるローズ臭は感じられなかった。次にバリヤー
性プロテクトフィルムを剥ぎ取ったところ、香料の香り
(ローズ臭)がし始め、その香りは20日間にわたって
認められた。
シートによれば、揮発性薬剤を高濃度にしかも所定濃度
に保持することができ、使用前においては薬剤を放出さ
せることなく保存でき、使用時においては薬剤を所望濃
度で放出させることができる。また、本発明の揮発性薬
剤徐放化シートの製造方法によれば粘着剤層の粘着力を
利用して、薬剤を高濃度に保ったまま熱分解等させるこ
ともなく揮発性薬剤徐放化シートを製造することがで
る。
明線図である。
明線図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 バリヤー性基材フィルム上に揮発性薬剤
を含浸保持した粘着剤層を積層すると共に該粘着剤層の
上面に徐放性コントロールフィルムを介して該徐放性コ
ントロールフィルムと剥離自在のバリヤー性プロテクト
フィルムを積層したことを特徴とする揮発性薬剤徐放化
シート。 - 【請求項2】 前記バリヤー性基材フィルムは剥離シー
トであることを特徴とする請求項1記載の揮発性薬剤徐
放化シート。 - 【請求項3】 バリヤー性基材フィルム上に揮発性薬剤
を含浸保持した粘着剤層を積層し、徐放性コントロール
フィルムにバリヤー性プロテクトフィルムを剥離自在に
積層した積層体の徐放性コントロールフィルム側を前記
粘着剤層に貼着することからなる揮発性薬剤徐放化シー
トの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP19198293A JP3733405B2 (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 揮発性薬剤徐放化シート並びにその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH0724048A true JPH0724048A (ja) | 1995-01-27 |
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ID=16283670
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6150004A (en) * | 1994-07-14 | 2000-11-21 | Kyodo Printing Co., Ltd. | Antimicrobial laminate and bag, container, and shaped cup using same |
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EP3904087A4 (en) * | 2018-12-27 | 2022-08-31 | Nitto Denko Corporation | ADHESIVE SHEET |
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1993
- 1993-07-06 JP JP19198293A patent/JP3733405B2/ja not_active Expired - Lifetime
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