JP2014161671A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の強さの香りや消臭効果を継続的に安定して発する薬剤揮散装置を提供する。
【解決手段】
香料や消臭剤を含む基材層及びこの基材層の両面に配置される被覆層を有しそれら被覆層のうち基材層の一方面側の被覆層が基材層中の香料等の揮散を抑制する薬剤弱透過層とされ、他方面側の樹脂層が基材層中の香料等の揮散を防止する薬剤バリア層とされた、薬剤フィルムを成形した薬剤体を用いた薬剤揮散装置により解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、室内空間に香り又は消臭成分を放つ薬剤揮散装置に関する。
トイレなどの室内空間に香りや消臭成分を放たせる薬剤揮散装置として、液体芳香剤や液体消臭剤、液体芳香剤や液体消臭剤を不織布、紙、多孔質固体など多孔質基材に含浸させたもの、ゲル状に固形化した芳香剤や消臭剤等を容器内に収め、容器開口部から香料や消臭剤を揮散させるものが提案されている。
この従来の薬剤揮散装置は、使用前に芳香剤や消臭剤から室内空間に有効成分が揮散しないように、開口部や芳香剤や消臭剤(以下芳香剤等ともいう)の周囲をガスバリア性のフィルムなどで密閉しておき、使用時にそのフィルム等を取り除いたり孔を空けたりして芳香剤等と周辺空間とを接触させるようにして使用開始する。
しかし、この従来の薬剤揮散装置は、フィルム等を取り除いた直後から芳香剤等から香料等の有効成分が急激に揮散され、香りが強すぎたり、香りや消臭機能の持続性が十分でないという問題があった。
また、この種の薬剤揮散装置においては、容器の開口部の開口具合を調整することで香りの強さや芳香剤等の持続性を調整するものも提案されてはいるが、使用者が所望する香りの強さや持続性に調整することが難しく十分に満足いくものではなかった。
さらに、従来の薬剤揮散装置は、液体やゲル状の芳香剤等を収納可能な程度の容積と形状が必要であり、形状の自由度、コンパクト化が難しく、コスト高にならざるを得なかった。
他方、他の従来の薬剤揮散装置として、液体芳香剤や液体消臭剤を所定量気化して容器外へ機械的に放出するものも提案されているが、この主の薬剤揮散装置も放出直後の香りが強すぎるなど、香りの強さや効果の持続性において必ずしも満足いくものではなかった。また、トイレのように短時間しか滞在しない空間では、放出のタイミングによっては香りが感じられなかったり、消臭機能が感じられない等の問題があった。
特許4556209号 特登4870925号
そこで、本発明の主たる課題は、徐放性の調整が容易で所望の強さの香りや消臭効果を長期間継続的に放つことができ、形状の自由度にも優れる薬剤揮散装置を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
薬剤体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置であって、
前記薬剤が香料及び消臭剤の少なくとも一方であり、
前記薬剤体が、前記薬剤を含む基材層及びこの基材層の両面に配置される被覆層を有し、それら被覆層のうち基材層の一方面側の被覆層が基材層中の前記薬剤の揮散を抑制する薬剤弱透過層とされ、他方面側の被覆層が前記薬剤弱透過層又は基材層中の前記薬剤の揮散を防止する薬剤バリア層とされた、薬剤フィルムを成形したものである、ことを特徴とする薬剤揮散装置。
〔請求項2記載の発明〕
薬剤体に向けて気流を発生する気流発生手段を備える請求項1記載の薬剤揮散装置。
〔請求項3記載の発明〕
薬剤体を収容する容器と、容器に形成された開口部と、容器内に気流を発生させる気流発生手段とを備え、容器の開口部と気流発生手段との間に薬剤体が配置され、気流発生装置で発生された気流が薬剤体周囲を通って開口部から放出されるように構成されている請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
〔請求項4記載の発明〕
薬剤体を構成する薬剤フィルムの表面が気流の流れ方向に対して平行に配置されている、請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
〔請求項5記載の発明〕
薬剤体が、薬剤フィルムを渦状に緩く巻いて筒型にしたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
〔請求項6記載の発明〕
薬剤体が、薬剤フィルムをジグザグ折りしたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
〔請求項7記載の発明〕
薬剤体が、多数の孔を形成した薬剤フィルムを複数枚間隔を空けて配置したものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
〔請求項8記載の発明〕
薬剤体が、薬剤フィルムを、動植物を模した立体形状若しくは幾何学立体形状又はこれらの一部分に成形したものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
〔請求項9記載の発明〕
薬剤体が、帯状にした薬剤フィルムを巻き取った巻き取りロールから所定長さ薬剤フィルムを繰出して、その巻き取りロールから離間した位置で再巻き取りを行なうように構成されたものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
〔請求項10記載の発明〕
巻き取りロールが、一方面の被覆層が薬剤バリア層である薬剤フィルムを、その薬剤バリア層が巻き取り外面となるようにして巻き取られたものである請求項9記載の薬剤揮散装置。
〔請求項11記載の発明〕
送風機を備え、その送風機のファンが薬剤体とされている、請求項1記載の薬剤揮散装置。
(作用効果)
本発明に係る薬剤揮散装置は、薬剤を消臭剤及び香料の少なくとも一方を含むものとして、薬剤体を、前記薬剤を含む基材層の両面に被覆層を設け、その一方を薬剤弱透過層とし、他方を薬剤弱透過層又は薬剤バリア層とした薬剤フィルムを用いて形成する。したがって、本発明に係る薬剤体は、基材層中の香料や消臭成分が、薬剤弱透過層を透過して外部に緩やかに揮散され、薬剤バリア層を通しては外部に揮散されないものとなる。
したがって、本発明に係る薬剤揮散装置は、芳香剤や消臭剤が露出されているようなものと比較して、外部に緩やかに香料や消臭成分等の有効成分が揮散するようになるため、長期にわたって所望の強さの香りを継続的に放つものとすることができる。また、薬剤弱透過層のガス透過度や厚み等の有効成分の透過性を調整することで香りの強さや効果の持続時間の設計を容易に行なうことができる。
さらに、薬剤フィルムは柔軟なシート状であるため、金型等を必要せずに裁断、折り加工、巻き取り等によって種々の薬剤体形状を成形できる。また、液体やゲルを収めた従来の薬剤揮散装置は、液体やゲルを容器内に収容する関係上、外気と接触する露出面積が限定される。例えば、液体であれば液面に限定される。しかし、本発明に係る薬剤フィルムは、折り加工等や裁断接着等により、限られた空間内における薬剤弱透過層の露出面積を広くすることができる。このため、本発明に係る薬剤揮散装置は、コンパクト化、形状の自由度が高いものとなる。また、付随して薬剤体の表面積を正確に調整できるため、その表面積によって徐放性を正確にコントロールすることも可能となる。
コンパクト化、設計の自由度については、例えば、液体やゲル状の薬剤体では、困難であって薄型形状にすることが可能となる。また、液体やゲル状の薬剤体では、容器に収める場合、漏れ出ない位置に開口部を設ける必要があるが、本発明に係る薬剤体は、漏れるということがないため、薬剤体直下に開口部を設けた吊下げ形態、壁掛け形態、据え置き形態などの形態とすることもできる。
他方、本発明に係る薬剤揮散装置は、そのままでも薬剤弱透過層を介して基材層の香料や消臭成分が外部に揮散された香りを感じられたり消臭機能が発揮されたりするものであるが、さらに薬剤体に向けて気流を発生する気流発生手段を備えるようにすれば、香気や消臭成分の拡散性が向上する。
また、薬剤体を収容する容器と、容器に形成された開口部と、容器内に気流を発生させる気流発生手段とを備え、容器の開口部と気流発生手段との間に薬剤体が配置され、気流発生装置で発生された気流が薬剤体周囲を通って開口部から放出されるよう構成すれば、薬剤体から揮散した香料や消臭成分を開口部から効率良くまた方向性をもって拡散させることができるようになる。
気流発生手段を設ける場合には、薬剤体を構成する薬剤フィルムの表面が気流の流れ方向に対して平行に配置するのが望ましい。このようにすれば、気流発生装置で発生した気流を薬剤体が遮ることなく、薬剤体から発せられる香気や消臭成分を効率よく拡散させることができるものとなる。
薬剤フィルムにより薬剤体を形成するにあたっては、薬剤フィルムを渦状に緩く巻いて筒型にしたものが望ましい。このようにすれば、小空間に多くの薬剤フィルムの露出面を確保でき、装置のコンパクト化に寄与する。この形態の場合には、筒型の両端面方向に、開口部と気流発生手段とを配置することにより、容器の開口部と気流発生手段との間に薬剤体が配置され、かつ、薬剤体を構成する薬剤フィルムの表面が気流の流れ方向に対して平行に配置されたものとなり、外部への香気や消臭成分の拡散性に極めて優れ、また、装置もコンパクト化されたものとなる。
また、本発明に係る薬剤揮散装置では、薬剤体を薬剤フィルムで構成することから、薬剤体を薬剤フィルムをジグザグ折りしたものとすることができる。薬剤フィルムの露出面積を広く確保しながら薄型形状の薬剤体を形成できる。もって、薄型の薬剤揮散装置を設計しやすくなる。
また、本発明に係る薬剤揮散装置では、薬剤体を薬剤フィルムで構成することから、薬剤体を、多数の孔を形成した薬剤フィルムを複数枚間隔を空けて配置したものとすることができる。このようにすると、孔を気流が通れる薬剤体を形成できる。もって、特に気流発生装置と組み合わせにより、香気の拡散性に優れる薬剤揮散装置となる。
また、本発明に係る薬剤揮散装置では、薬剤体を薄いシート状の薬剤フィルムで構成することから、折り紙のように折加工したり、適宜のパーツに裁断して接着して加工するようにすることができる。よって、例えば、造花のように動植物を模した立体形状若しくは幾何学立体形状又はこれらの一部分に成形することができ、その場合、薬剤体が優れた意匠性を有するものとなる。
また、本発明に係る薬剤揮散装置では、薬剤体を薬剤フィルムで構成することから、前記薬剤体を、帯状にした薬剤フィルムを巻き取った巻き取りロールから所定長さ薬剤フィルムを繰出して、その巻き取りロールから離間した位置で再巻き取りを行なうように構成したものとすることができる。この薬剤体は、巻き取りロールの巻きを密にすると外面から再巻き取りに至る部分しか薬剤フィルムが露出されない。したがって、当該露出された部分の香気や消臭性が低下した際に、この部分を再巻き取りすると、それに伴って巻き取りロールから新たな薬剤フィルムが繰り出されて露出され、香気や消臭性が再び感じられるようになる。
この巻き取りロールの形態では、特に巻き取りロールを、一方面の被覆層がバリア層である薬剤フィルムを、そのバリア層が巻き取り外面となるようにして巻き取られたものとすると、巻き取りロールの胴面(外周面)がバリア層で保護されたものとなる。巻き取りロールの胴面からの香料や消臭成分の揮散が防止されたものとすることができる。
他方、本発明の薬剤揮散装置は、送風機を備え、その送風機のファンを薬剤体で形成したものとすることができる。このようにすれば、ファンから発生した香気や消臭成分をそのまま気流として拡散することができる。本発明に係る薬剤体は、シート状の薬剤フィルムで形成されるため、このように送風機のファンとすることができる。
以上のとおり、本発明によれば、徐放性の調整が容易で所望の強さの香りや消臭性を長期間継続的に放つことができ、形状の自由度にも優れる薬剤揮散装置が提供される。
本発明に係る薬剤フィルムの断面図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第1実施形態を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第2実施形態を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第3実施形態を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第4実施形態の薬剤体を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第5実施形態の薬剤体を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第6実施形態の薬剤体を示す図である。 本発明に係る薬剤揮散装置の第7実施形態を示す図である。
本発明の実施の形態を図1〜8を参照しながら以下に詳述する。
本実施形態に係る薬剤揮散装置は、香料又は消臭成分を揮散させて香りを放つ薬剤体を有し、その薬剤体が特徴的に薬剤フィルムから形成されている。
〔薬剤フィルム〕
本実施形態に係る薬剤体を形成する薬剤フィルム1は、図1に示すように、香料及び消臭剤の少なくとも一方である薬剤を含む基材層10及びこの基材層の両面に接して配置される被覆層11,12を有しており、それら被覆層11,12のうちの一方面側の被覆層11が基材層中の前記薬剤の揮散を抑制する薬剤弱透過層11とされ、他方面側の被覆層12が前記薬剤弱透過層又は基材層中の前記薬剤の揮散を防止する薬剤バリア層12とされた積層構造を有している(図1は、一方面側が薬剤弱透過層11、他方面側が薬剤バリア層12の例を示している)。
基材層10、薬剤弱透過層11及び薬剤バリア層12は、必ずしも単層である必要はなく、その機能を阻害しない態様であれば複数層からなる層であってもよい。例えば、薬剤弱透過層11又は薬剤バリア層12の基材層10側と反対側面を熱融着性の高い層として、薬剤フィルムを対象物に熱融着しやすいようにしてもよいし、紙、織布又は不織布等を積層接着してこれらの素材感を発現させて意匠性を高めるようにしてもよい。
本実施形態に係る薬剤フィルム1の具体的な層構造例としては、薬剤弱透過層11と薬剤バリア層12がガス透過性の異なる樹脂製フィルムからなり、基材層10がこれらを貼り合せるための接着剤層とされている層構造、又は基剤層10、薬剤弱透過層11及び薬剤バリア層12がすべて樹脂製フィルム層であって、薬剤弱透過層11と薬剤バリア層12がガス透過性の異なる樹脂製フィルムからなり、基材層10がこれらの間に位置される香料が含有された樹脂性フィルムからなるものとされている層構造が挙げられる。
本実施形態に係る薬剤フィルム1の柔軟性又は剛性は、成形する薬剤体の形状等により適宜、設計することができる。例えば、薬剤体を自立性のあるものとするならば、曲げ性を有しつつやや剛性の高いものとし、複雑な形状の支持体等に追従するように薬剤体を形成するのであれば形状追従性を高めるべく柔軟性の高いものとする。薬剤フィルムの剛性、柔軟性は、各層の材質や各層の厚さにより設計することができる。
本実施形態に係る薬剤フィルム1の厚みは、15〜200μmであるのが望ましく、より望ましくは45〜145μmである。15μm未満であると基材層10、薬剤弱透過層11の薬剤バリア層12の各機能を有しつつ、形成可能な強度を確保することが困難となる。15μm未満であると基材層10、薬剤弱透過層11の薬剤バリア層12の各機能を有しつつ、薬剤体を形成可能な十分な強度を確保することが困難となる。200μmを超えても厚み増加による各層の設計性の向上に乏しく、むしろコスト高になる。なお、ここでの薬剤フィルム1のフィルム厚みの測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。
他方、本実施形態に係る薬剤フィルム1は、透明であっても、不透明であってもよい。成形する薬剤体の意匠性に応じて選択することができる。また、薬剤弱透過層11及び薬剤バリア層12を透明或いは不透明として基材層10を外部から認識可能にして、基材層10のみを着色するようにしてもよい。その場合、基材層中に含まれる有効成分の低下に応じて変化する変色インキを用いて、交換時期のインジケーター機能を付与することができる。基材層中に含まれる香料や消臭成分の低下に応じて変化する変色インキとしては、コチニール色素や酸塩基指示薬のように基材層中に含まれる香料の低下による基材層10のpH変化に応じて変色するものが例示できる。
(薬剤弱透過層)
本実施形態に係る薬剤フィルム1を構成する薬剤弱透過層11は、基材層10を被覆する層であって基材層10からの香料や消臭剤を透過させはするものの、その揮散を抑制して基材層10が露出された状態に比して、薬剤の揮散性の強さ及び持続性を調整する層である。
この薬剤弱透過層11は、酸素の透過度が700cc/m2・24h/atm以上、炭酸ガスの透過度が4000cc/m2・24h/atm以上である樹脂製フィルム層が望ましい。上記ガスの透過度を有する樹脂製フィルム層であれば、薬剤を適度に透過させて本発明の効果を発揮させることが可能となる。薬剤弱透過層を形成する樹脂製フィルム層として好適なものは、ポリエチレンフィルム層、ポリスチレンフィルム層、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム層が挙げられ、これらの中から用いる香料との関係で適宜選択することができる。
(薬剤バリア層)
他方、本実施形態に係る薬剤フィルム1を構成する薬剤バリア層12は、薬剤の透過が著しく低く実質的に基材層からの薬剤が揮散されないようにする層である。
この薬剤バリア層12は、樹脂製フィルム層であり、酸素の透過度が200cc/m2・24h/atm未満、炭酸ガスの透過度が900cc/m2・24h/atm未満である樹脂製フィルム層が望ましい。上記ガスの透過度を有する樹脂製フィルム層であれば、香料の揮散を好適に防止することが可能となる。
係る樹脂製フィルム層として好適なものは、ポリエチレンテレフタレートフィルム層、ポリ塩化ビニリデンフィルム層、株式会社クラレ社製のエバールなどのEVOH樹脂フィルム層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム層)、EVOH樹脂にスチレン系エラストマーを配合した樹脂からなるフィルム層が挙げられ、これらの中から用いる保香性等を考慮して適宜選択することができる。また、薬剤バリア層は、金属箔などの金属シート又はこれを積層したラミネートフィルムで構成することもできる。
(基材層)
本実施形態に係る薬剤フィルム1を構成する基材層10は、香料及び消臭剤の少なくとも一方である薬剤を含む層である。本実施形態に係る基材層10としては、薬剤弱透過層11及び薬剤バリア層12を樹脂製フィルムシートを接着する接着剤層として、或いは、薬剤弱透過層11及び薬剤バリア層12を構成する樹脂製フィルム層に積層される、薬剤が練り込まれた樹脂製フィルム層とする態様が例示できる。
基材層10を接着剤層として形成する場合、その接着基剤は、薬剤弱透過層11を構成する樹脂製フィルムと、薬剤バリア層12を構成する樹脂製フィルムや金属箔とを剥離不能に接着するものであり、例えば、天然ゴム系粘着剤、天然ゴムラッテクス系粘着剤、アクリル系粘着剤、ホットメルト粘着剤等である。薬剤弱透過層及び薬剤バリア層の基材層との接着面が樹脂製フィルムである場合には、特に樹脂製フィルムシートの接着性に優れ、香料の溶解性・分散性にも優れるアクリル系粘着剤が好ましい。
基材層10を接着剤層として形成する場合、基材層10は、薬剤弱透過層11と薬剤バリア層12との間に点在的に或いはパターンをもって存在してもよいが、好ましくは全面に介在されている態様が望ましい。薬剤弱透過層11と薬剤バリア層12との一体性が高まる。
粘着剤層中における薬剤の配合割合は、香料や消臭剤の種類・揮発性等により定めることができるが、継続的な香気、消臭機能を発揮させる観点、及びコスト高とならないようにする観点から、0.5〜15g/m2、特に3〜8g/m2であるのがよい。
他方、基材層10を薬剤を練り込んだ樹脂製フィルム層として形成する場合、樹脂製フィルム層の基材樹脂としては、スチレンブロックとジエンブロックを有するゴム質ブロック共重合体が望ましい。係るゴム質ブロック共重合体としては、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-ブチレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-プロプレン-スチレン共重合体、及びこれらの水素添加物が挙げられる。基材樹脂としてこれらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、基材樹脂は、ゴム質ブロック共重合体に対して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリプロピレンの無水マレイン酸変性物、エチレン-ビニル共重合体を配合したものとしてもよい。
基材層を薬剤を練り込んだ樹脂製フィルム層として形成する場合には、基材樹脂中に1〜50重量%の薬剤を配合させることができる。
他方、基剤層中に含有させる香料としては、天然系あるいは合成系の既知の香料を用いることができる。具体例としては、レモン油、グレープフルーツ油、ローズマリー油、ペパーミント油、マンダリン油、ライム油、ユズ油、カモミール油、ラベンダー油、ローズ油、スペアミント油等の天然香料;アルコール、ケトン、アルデヒド;リモネン、リナロール、シトロネロール、メントール、ゲラニオール等のテルペン類の合成香料などが挙げられる。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて調合香料として用いてもよい。香料の選択は、所望の香調によって決定すればよい。
また、香料は、香気の強さの調整のために適宜ジプロピレングリコール、パラフィンオイル等の鉱物油、ヒマシ油、大豆油の植物油を用いて希釈することができる。
他方、本実施形態に係る基材層10の厚みは、5〜100μm、より好ましくは30〜80μmである。この範囲であれば、薬剤フィルム全体を過度に厚くすることなく、徐放性の調整を厚みで行えるようになる。
また、本発明に係る薬剤フィルムは、基剤層中には香料とともに、又は香料に替えてトイレ空間等の室内空間に浮遊する悪臭成分である、トリメチルアミン等の窒素化合物系や、硫化水素、メチルカプタン等の硫黄系化合物を消臭する消臭剤を含有させる。消臭剤は、香料とともに含有させる場合には、香料に影響を与えず、香料とともに薬剤弱透過層から外部に揮散して消臭機能を発揮するものを選択する。
本発明に係る消臭剤は、薬剤弱透過層を透過可能な化学的消臭成分が望ましく、具体例としては、ポリフェノール、ポリフェノール誘導体等のポリフェノール系消臭剤、ベタイン化合物系消臭剤、グラフト共重合体系消臭剤、界面活性剤系消臭剤など挙げられる。これらの揮発性を高めるべく適宜の揮発補助剤を含有させてもよい。消臭剤の組み合わせは公知のなから適宜選択することができる。
(薬剤フィルムの製造方法例)
本実施形態に係る薬剤フィルム1は、基材層10、薬剤弱透過層11、薬剤バリア層12をTダイ法による共押出法、押し出しラミネート法、ドライラミネート法によって積層構造することができる。各層の厚みは、基剤層10は5〜100μ、薬剤弱透過層11が5〜50μm、薬剤バリア層12が5〜50μmであるのが望ましい。薬剤フィルム全体としての成形性、柔軟性を阻害することなく各層の機能を十分に確保できる。なお、各層の具体的な厚みは、香料や消臭剤の所望の徐放性に応じて適宜変更することができる。
基材層10を接着剤層として形成する場合には、薬剤弱透過層11又は薬剤バリア層12に係るフィルムシートを形成した後、ドライラミネート法により、予め香料を配合した接着剤で積層一体化するようにすればよい。
基材層10を樹脂製フィルム層とする場合には、薬剤弱透過層11を形成する樹脂、薬剤バリア層12を形成する樹脂、香料を含有させた上記基材樹脂をTダイ法による共押出法又は押し出しラミネート法により積層一体化することができる。
基材樹脂に薬剤を含有させるには、予め薬剤を基材樹脂に混合して混練しておき、これを材料としてフィルム化する方法、押し出し時に香料を圧入する方法が例示できる。
(薬剤の持続性調整方法)
本実施形態に係る薬剤フィルム1における香気や消臭機能の強さ及び持続性の調整は、基材層中の薬剤の配合割合(薬剤濃度)、薬剤弱透過層11を形成する樹脂製フィルム層の種類の選択及び厚さの調整、さらに薬剤弱透過層上に部分的に薬剤が透過しないように目止め部分を設けてもよい。目止め部分を設けることで、香料の持続性や香調を調整できる。目止め部分の形成は、保香性の高い樹脂を部分的に積層すればよい。
さらに、薬剤フィルムに穴やスリットを形成して、裁断面やスリット面から基材層を外部に微小に露出させるようにして調整してもよい。
〔薬剤揮散装置の実施形態〕
次いで、上記薬剤フィルム1で形成した薬剤体を有する薬剤揮散装置の実施形態を図2〜6を参照しながら説明する。但し、本発明の薬剤揮散装置は、これらの形態に限定されるわけではない。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る薬剤揮散装置20は図2に示す。この第1実施形態に係る薬剤揮散装置20は、装置下方に上面に多数の排気口21を有する基台部22を備え、その排気口21上に上記詳述の薬剤フィルム1で形成した薬剤体23が配置されている。
基台部22の内部には、図示されない気流発生手段が設けられており、これにより発生された気流が、排気口21,21…から上方に向かって流れ出て、排気口21,21…上にある薬剤体23の周辺の空気を拡散させる。
気流発生手段は、DC電源で駆動可能なシロッコファン、クロスフローファン、ファンモーターなどの公知の送風機、圧空を発生させるポンプ機構など公知の気流発生装置を用いることができる。気流の発生は、常時気流を発生させるように構成してもよいし、タイマー駆動により間欠的に気流を発生させるようにしてもよいし、人感センサーによって人を感知した際のみ作動するようにしてもよい。気流発生のタイミングは、公知の技術により適宜設計すればよい。また、気流発生手段で発生させる気流の強さ(風量)は、適宜の設計事項であり、設置空間の広さや香料の拡散性を考慮して送風機の圧縮比により適宜設計すればよい。
他方、本実施形態の薬剤体23は、薬剤フィルム1を帯状に裁断したものを緩く巻いて筒型に成形したものであり、端面視においてフィルム間に間隙のある渦巻き型に巻かれた自立性のある形状となっている。この薬剤体23が、基台部22の上面中央に設けた支柱部24に対して、その空芯部分を刺し込んで交換可能に支持固定されている。但し、薬剤体の支持固定方法は、この形態に限定されない。
したがって、第1実施形態に係る薬剤揮散装置20は、薬剤体23が、上下端面を上下方向となるようにして前記排気口上に支持固定され、薬剤体フィルム1の各面が気流の流れ方向に対して平行に位置するようになっている。よって、排気口21,21…からの気流が薬剤体23によって妨げられることなく、渦筒型の薬剤体の周辺及びフィルム間の間隙を通り、薬剤体23から発せられる香気や消臭剤を外部に効果的に拡散される。
なお、第1実施形態に係る薬剤フィルム1は、表裏面の双方が薬剤弱透過層11であるものでもよいし、一方面が薬剤バリア層12であるもののいずれでもよい。一方面が薬剤バリア層12である薬剤フィルム1を用いる場合には、薬剤バリア層12を外面側にして巻くようにすれば、筒外周面から香料や消臭剤が揮散されないものとなり、薬剤バリア層12を内面側にして巻くようにすれば、筒外周面からも香料や消臭剤が揮散されるものとなる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る薬剤揮散装置30は図3に示す。この第2実施形態に係る薬剤揮散装置は、第1実施形態と薬剤体の形状及びその支持態様が異なっている。第1実施形態と重複する点は説明を省略する。また、同様の構成については符号も同一のものを使用する(以下、第3〜第7の実施形態においても同様)。
第2実施形態に係る薬剤体33は、上記詳述の薬剤フィルム1をジグザグ折りして、設置体積あたりの表面積を大きくしたものとなっている。図示の形態は、矩形に裁断した薬剤フィルム1をジグザグ折りしているが、円形、楕円形に裁断してジグザグ折りしたものとしてもよい。
図示の薬剤揮散装置30は、基台部22の縁部に一対の薬剤体支持部34,34が設けられており、この薬剤体支持部34,34に対して上記形状の薬剤体33の下縁部が差し込まれて、薬剤体フィルム1の各面が気流の流れ方向に対して平行に位置するようにして交換可能に支持固定されている。なお、図示の形態では、やや剛性のある薬剤フィルム1を用いた薬剤体自体が自立性を有するものとなっているが、柔軟性の高い薬剤フィルムであれば、金属やエンジニアリングプラスチックなどの硬質な支持枠を形成し、その支持枠に薬剤体を固定してジグザグ折り形状が維持されるようにしてもよい。
本形態の薬剤体装置30も、排気口21,21…からの気流が薬剤体33によって妨げられることなく、薬剤体34の周辺を通り、薬剤体34から発せられる香気や消臭剤を外部に効果的に拡散させる。
なお、本実施形態では、薬剤体34を薄型にすることができるため、それに合わせて基台部22の形状を薄板上に形成して、薬剤体装置30の全体を薄型にすることができる。
また、第2実施形態においても、薬剤フィルム1は、表裏面の双方が薬剤弱透過層11であるものでもよいし、一方面が薬剤バリア層12であるものでもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る薬剤揮散装置40は図4に示す。この第3実施形態に係る薬剤揮散装置40は、第1及び第2実施形態と薬剤体43の形状及びその支持態様が異なっている。第1及び第2実施形態と重複する点は説明を省略する。
第3実施形態は、図4に示すとおり、帯状の細長形状に裁断した複数の薬剤フィルム1,1…が横並びに並列して薬剤体43が形成されている。本実施形態では、薬剤体43を構成する薬剤フィルム43Aを厚みを薄くして軽量かつ柔軟に設計して、排気口21,21…から気流によってはためくようになっている。本実施形態では、例えば、薬剤体43に動きが感じられるものとなる。
第3実施形態も、薬剤フィルム43Aは、表裏面の双方が薬剤弱透過層11であるもの、一方面が薬剤バリア層12であるもののいずれも用いることができる。
(第4及び第5実施形態)
次いで、第4及び第5実施形態は、第1及び第2実施形態と薬剤体の形態が異なっている。第1及び第2実施形態と重複する点は説明を省略する。第4及び第5実施形態は、薬剤体のみを図示して説明する。第4及び第5実施形態に係る薬剤体は、それぞれ図5及び図6に示す。図1及び図2に示した例では、薬剤体が一枚の薬剤フィルムから成形されているが、本発明に係る薬剤揮散装置は、薬剤体は必ずしも一枚の薬剤フィルムからなるものに限られない。
図5に示す第4実施形態は、薬剤体50を複数枚の薬剤フィルム1,1…を離間して積層配置したものである。この場合には第1実施形態や第2実施形態と同様に各薬剤フィルム1のフィルム面を気流の流れ芳香に平行に配置すれば、排気口21,21…からの気流が薬剤体50によって妨げられることなく、薬剤体50の周辺及び薬剤体を構成する各フィルム間の間隙を通り、薬剤体50から発せられる香気が外部に効果的に拡散されるようになる。
なお、図示の形態では、薬剤体50が平板形状となっているが、第2実施形態のようにジグザグ折りした薬剤フィルムを並設配置した薬剤体としてもよい。
また、図6に示す第5実施形態のように、薬剤体60は、多数の孔61,61…を有する複数枚の薬剤フィルム1,1…を離間して積層配置したものとすることもできる。この形態では、各薬剤フィルム1,1…のフィルム面を気流の流れ方向に平行に配置せずに、各薬剤フィルムのフィルム面を気流の流れに直行するように積層配置しても孔を通って気流が薬剤体60を通過できる。なお、積層配置した薬剤フィルム1,1…の孔61の平面視における位置がずれた位置関係にあってもよい。
第5実施形態のように孔を形成する場合には、孔のフィルム断面に基材層を露出させ、この断面に露出させた基材層から香料や消臭剤を外部に揮散させることができる。
上記第4及び第5実施形態のように複数の薬剤フィルム1,1…を用いる場合には、異なる香料が含有された基材層10の薬剤フィルム1を適宜組み合わせることができる。
また、複数枚の薬剤フィルム1,1…からなる薬剤体とするならば、基台部22に支持固定するにあたって、複数の薬剤フィルム1,1…を枠体(図示しない)などに予め固定してユニット化しておき、枠体ごと基台部に交換可能に支持固定するようにすることができる。薬剤体の基台部22への設置が容易となる。
第4及び第5実施形態も、薬剤フィルム1は、表裏面の双方が薬剤弱透過層11であるもの、一方面が薬剤バリア層12であるもののいずれも用いることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態も薬剤体が第1及び第2実施形態と薬剤体の形態が異なっている。第1及び第2実施形態と重複する点は説明を省略する。第6実施形態も薬剤体のみを図示して説明する。第6実施形態に係る薬剤体は、図7に示す。第6実施形態の薬剤体70は、図示されるように、帯状の薬剤フィルム1を巻き取った巻き取りロール71から所定長さ薬剤フィルム1を繰出して、その巻き取りロール71から離間した位置にある再巻き取り部72で再巻き取りが行なわれるように構成されたものである。
本実施形態の巻き取りロール71は、帯状の薬剤フィルム1が隙間なく密に巻かれており、層間が露出されていない。したがって、巻き取りロール71から繰出されるまでは、薬剤フィルム1の表面が外部に露出されず、香料や消臭剤の揮散が生じないものとなっている。
図示の薬剤体70は、巻き取りロール71及び再巻き取り部72側の軸心が回転軸芯73,74となっているとともに、その上端部が突出して摘んで回せるようになっている。各回転軸芯73,74には、それぞれ帯状の薬剤フィルム1の基端及び終端に接続され、再巻き取り部72の回転軸芯74の前記上端部を摘み回転させると、薬剤フィルム1が再巻き取り部に巻き取られるとともに巻き取りロール71から薬剤フィルム1が繰出される。
第6実施形態では、長い薬剤フィルム1を巻き取りロール71としてコンパクトにすることができ、また、巻き取りロール71から薬剤フィルム1を引き出すことにより新たな薬剤弱透過層11が露出される態様となるため、薬剤体70の使用期間を長期なものとすることができる。
ここで、第6実施形態では、図7のBに示すように薬剤フィルム1の表裏面の双方を薬剤弱透過層11,11とすると、巻き取りロール71の周面全体から再巻き取り部分72に至る部分P、さらに再巻き取り部分72の周面全体から香料が揮散されるようになる。
他方、図6のAに示すように、巻き取りロール71を、一方面の被覆層が薬剤バリア層12である薬剤フィルム1を巻いたものとして、その薬剤バリア層12が巻き取り外面となるようにして巻き取られたものとすると、薬剤揮散位置が図6中のP位置に限定されようになり、薬剤揮散位置及び薬剤揮散面積をより詳細に限定することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態に係る薬剤揮散装置は図8に示す。この第7実施形態に係る薬剤揮散装置80は、薬剤体81を収容する容器82を設けた形態である。
図示の形態の薬剤揮散装置80は、第1実施形態において、基台部上面を底部として薬剤体81を囲むようにして収容する容器82を設けた形態となっている。容器82の上面には開口部83が設けられており、基台部内の気流発生手段からの気流が薬剤体周囲を通って前記開口部83から外部に拡散されるようになっている。
本実施形態では、開口部の83位置によって香気や消臭剤の排出方向を限定することができる。なお、図示の形態では、容器天面に開口部83が設けられており、排気口21,21…から開口部83にむかって直線状に気流が流れるように構成している。このようにすると、香気や消臭剤を所望の方向に勢いよく排出させやくなる。但し、開口部83は必ずしも天面に設ける必要はなく、側面に設けてもよい。
なお、図示の形態では、薬剤体81は第1の実施形態と同様のものとなっているが、本形態はこれに限定されるものではない。第2〜第6の実施形態に係る薬剤体やその他の形状の薬剤体とすることができる。
(第8実施形態)
第8実施形態は、図示はしないが、送風機のファン(羽根)を薬剤体とした形態である。送風機は、第1実施形態で気流発生手段として例示したシロッコファン、クロスフローファン、ファンモーターなどの公知の送風機の構成とすることができる。
本実施形態では、ファンを薬剤フィルムのみ形成してもよいし、エンジニアリングプラスチックや金属で形成したファンに本発明に係る薬剤体を公知の粘着剤で貼付したり、熱融着したりしてもよい。
本実施形態は、単独で薬剤揮散装置としてもよいし、第1から第7実施形態で示した気流発生手段として用いてもよい。
(その他の実施形態)
以上、本発明に係る薬剤揮散装置の第1〜8の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。基台部の形状、薬剤体の支持態様、容器の形状、薬剤揮散装置の大きさ、薬剤体の大きさ等は、意匠性、香りや消臭性の効果を考慮して適宜設計変更することができる。
また、本発明に係る薬剤体は、液体やゲル状とはことなり、設置に関して天地を限定しない。上記第1〜第8の実施形態は、据え置き型の設置態様で説明したが、基台部が上方側、薬剤体が下方側となるように天地逆にして、吊下げ型、或いは壁掛け型として使用することもできる。
さらに、その他の実施形態として、第1〜第7実施形態において、基台部に気流発生手段が内在されていない形態とすることもできる。本発明に係る薬剤体は、薬剤弱透過層から外部に香料や消臭剤が揮散され気流がなくとも室内空間に香気や消臭剤を放つことができる。
また、本発明に係る薬剤体の形状は、第1〜第7実施形態の図示例に限定されるものではない。本発明に係る薬剤フィルム1は、折り紙のように折加工したり、適宜のパーツに裁断して接着して加工するようにすることができるため、例えば、薬剤体を造花のように動植物を模した立体形状としてもよい。造花のように形成するのであれば、花弁のみを本発明に係る薬剤フィルムで形成し、茎や葉はエンジニアリングプラスチックで形成するようにしてもよい。また、ハニカム構造の筒体のように幾何学立体形状としてもよい。このような立体形状とすれば、薬剤体を鑑賞物としても利用できる意匠性に優れたものとなる。
1…薬剤フィルム、10…基材層、11…薬剤弱透過層(被覆層)、12…薬剤バリア層(被覆層)、20…薬剤揮散装置、21…排気口、22…基台部、23…薬剤体、24…支柱部、30…薬剤揮散装置、33…薬剤体、34…薬剤体支持部、40…薬剤揮散装置、43…薬剤体
50…薬剤体、60…薬剤体、70…薬剤体、71…巻き取りロール、72…再巻き取り部、73…回転軸芯、74…回転軸芯、P…薬剤弱透過層露出位置、80…薬剤揮散装置、81…薬剤体、82…容器、83…開口部。

Claims (11)

  1. 薬剤体から薬剤を揮散させる薬剤揮散装置であって、
    前記薬剤が香料及び消臭剤の少なくとも一方であり、
    前記薬剤体が、前記薬剤を含む基材層及びこの基材層の両面に配置される被覆層を有し、それら被覆層のうち基材層の一方面側の被覆層が基材層中の前記薬剤の揮散を抑制する薬剤弱透過層とされ、他方面側の被覆層が前記薬剤弱透過層又は基材層中の前記薬剤の揮散を防止する薬剤バリア層とされた、薬剤フィルムを成形したものである、ことを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 薬剤体に向けて気流を発生する気流発生手段を備える請求項1記載の薬剤揮散装置。
  3. 薬剤体を収容する容器と、容器に形成された開口部と、容器内に気流を発生させる気流発生手段とを備え、容器の開口部と気流発生手段との間に薬剤体が配置され、気流発生装置で発生された気流が薬剤体周囲を通って開口部から放出されるように構成されている請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
  4. 薬剤体を構成する薬剤フィルムの表面が気流の流れ方向に対して平行に配置されている、請求項1又は2記載の薬剤揮散装置。
  5. 薬剤体が、薬剤フィルムを渦状に緩く巻いて筒型にしたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  6. 薬剤体が、薬剤フィルムをジグザグ折りしたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  7. 薬剤体が、多数の孔を形成した薬剤フィルムを複数枚間隔を空けて配置したものである請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  8. 薬剤体が、薬剤フィルムを、動植物を模した立体形状若しくは幾何学立体形状又はこれらの一部分に成形したものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  9. 薬剤体が、帯状にした薬剤フィルムを巻き取った巻き取りロールから所定長さ薬剤フィルムを繰出して、その巻き取りロールから離間した位置で再巻き取りを行なうように構成されたものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散装置。
  10. 巻き取りロールが、一方面の被覆層が薬剤バリア層である薬剤フィルムを、その薬剤バリア層が巻き取り外面となるようにして巻き取られたものである請求項9記載の薬剤揮散装置。
  11. 送風機を備え、その送風機のファンが薬剤体とされている、請求項1記載の薬剤揮散装置。
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