JPH0724015A - やぐら型介護リフト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者を持ち上げ移動するばかりでなく、病室
内の様々な備品、身の周りの物をも取り扱えるようにし
た、やぐら型介護リフト装置を提供する。 【構成】 ベッド１上方を横切るように支持やぐら３を
配置する。前記支持やぐら３の支柱４に支柱４の案内溝
５に沿って昇降移動可能に昇降枠６を介在する。梁７に
設けた駆動モータ８の出力軸にベルト部材９を取り付
け、梁７内部を介して双方の支柱４内部に掛け渡して前
記昇降枠６の両端部に接続し、昇降枠６を吊り下げ支持
する。前記昇降枠６に、備品を係止して吊り上げ吊り降
ろしを行うためのハンガー部１０を走行移動可能に設け
る。 【効果】 介護者の労力を大幅に軽減させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、患者の他、様々な備品
を吊り上げ移動ができるようにしたやぐら型介護リフト
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】在宅用ベッド他、病院用ベッドに長い間
寝たきりの患者や、重症患者、老人には、介護者の存在
が不可欠である。すなわち、患者等が車椅子等に乗り移
ったり、ベッド傍らにおいてある便器等に、体をもって
いくときは、介護者の手助けによって床部の側部まで移
動し、体を支えられながら車椅子等に乗り移ったりしな
ければならなかった。その際、患者の症状によっては、
介護者は、患者を背負わなければならないことがあり、
介護者は、多大な労力を強いられた。そこで、患者を持
ち上げ移動するためのリフト装置が種々提案されてい
る。かかるリフト装置を用いれば、介護者は、患者を容
易に車椅子、便器等に移乗させることができるようにな
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、介護者
は、患者ばかりでなく、病室内の様々な備品、身の周り
の物を移動したり、取り扱ったりしなければならず、そ
の労力は想像以上に過大なものがある。本発明はかかる
背景から、患者を容易に持ち上げ移動するばかりでな
く、病室内の様々な備品、身の周りの物をも取り扱える
ようにした、やぐら型介護リフト装置を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述した課題を達成する
ために、本発明は、ベッド上方を横切るように支持やぐ
らを配置し、この支持やぐらは、一対の支柱とこれら支
柱の頂部を連結する梁とによって構成し、前記一対の支
柱の互いに対向する面に、支柱長手方向に沿った案内溝
を形成し、これら支柱の案内溝間に昇降部材を介在させ
る一方前記梁に駆動モータを設け、この駆動モータの出
力軸と前記昇降部材の両端部とをベルト部材によって連
結して昇降部材を案内溝に沿って昇降させる構成とし、
前記昇降部材に、備品を係止して吊り上げ吊り降ろしを
行うためのハンガー部を走行移動可能に設けたことを特
徴とする。また、前記支持やぐらにおける梁に設けた駆
動モータの出力軸と昇降部材の両端部とを線状部材によ
って連結して昇降部材を案内溝に沿って昇降させる構成
とし、前記昇降部材に、備品を係止して吊り上げ吊り降
ろしを行うためのハンガー部を走行移動可能に設けたこ
とを特徴とする。

【０００５】

【作用】患者を吊り上げ移動させるときは、ハンガー部
に患者リフト用の吊り上げ手段を装着する。その他、前
記ハンガー部には、様々な備品を装着することができ
る。 患者を吊り上げ移動させるには、駆動モータを起
動して昇降部材を下降させ、ハンガー部を走行移動させ
て床部上の患者に近接させ、吊り上げ手段に患者を乗せ
て、駆動モータを起動して昇降部材を上昇させる。介護
者は、昇降部材に沿ってハンガー部を走行移動させてベ
ッド傍らのポータブル便器や、車椅子等に近接させ、再
び昇降部材を下降させて容易に移乗させることができ
る。このように、患者の持ち上げ移動が容易となる他、
病室内の様々な備品、身の周りの物をも取り扱うことが
できるので、介護者の労力を大幅に軽減させることがで
きる。

【０００６】

【実施例】次に、本発明にかかるやぐら型介護リフト装
置について、一実施例を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下説明する。図１にベッド１上方にやぐら型介護リ
フト装置２を装着したところを示す。このやぐら型介護
リフト装置２は、ベッド１上方を梁（後述）が横切るよ
うに支持やぐら３が設けられたものである。前記支持や
ぐら３の支柱４の互いに対向する面には、支柱４長手方
向に沿った案内溝５が形成され、これら支柱４に支柱４
の案内溝５に沿って昇降移動可能に昇降枠６が介在され
ている。一方、両支柱４頂部に掛け渡された梁７中間部
には、駆動モータ８が設けられ、この駆動モータ８の出
力軸にベルト部材９を取り付け、梁７内部を介して双方
の支柱４内部に掛け渡して前記昇降枠６の両端部に接続
し、昇降枠６を吊り下げ支持している。そして前記昇降
枠６の中央部には、備品を係止して吊り上げ吊り降ろし
を行うためのハンガー部１０が走行移動可能に設けられ
ている。なお、前記ベルト部材９の代わりとして、線状
部材、すなわち、ワイヤ、ロープ等を適用することがで
きる。

【０００７】前記昇降枠６は、パイプから構成される柵
状のものであって、両端部に案内溝５の両側壁間にあっ
て案内溝５に沿って移動するガイド基部１１が取り付け
られると共に、このガイド基部１１に、案内溝５内にあ
って、案内溝５内を走行移動するためのガイド台車１２
が装着されている（図２参照）。このガイド台車１２に
は、案内溝５の形成された面に対向する内面に接して転
動するローラ１３ａ、１３ｂと、案内溝５の形成された
面の内壁面に接して転動するローラ１３ｃを有してい
る。

【０００８】前記梁７中間部に設けた駆動モータ８は、
梁７中間部に突設したケース１４内に収容されている。
ケース１４下面には、モータ８へ駆動制御指令を与える
コード１５が設けられている。このコード１５は、ベッ
ド１の床部１６上に至る長さを有し、先端に手元スイッ
チ１７を接続している。

【０００９】前記ベルト部材９は、駆動モータ８の出力
軸に取り付けられ、駆動モータ８の起動によって、昇降
枠６を昇降させるようにしている。また、ベルト部材９
は、支柱４と梁７との接合箇所において、プーリ１８に
より、円滑に移動するように構成している（図３参
照）。

【００１０】そして、前記ハンガー部１０は、昇降枠６
に上下にローラ１９を介して装着したもので、種々の備
品を係止するための吊り下げピン２０が設けられ、さら
に、ハンガー部１０には、例えば患者を吊り上げるため
の吊り上げシート（後述）を掛けるためのフック部材２
１ａ、２１ｂが設けられている。

【００１１】次に、かかるやぐら型介護リフト装置２の
ハンガー部１０によって吊り上げることが可能な備品の
例を挙げ、説明する。先ず図４に示すような側柵２２が
係止することができる。この場合、側柵２２は、吊り下
げ枠２３にベッド床部幅に対応した間隔になるように二
つの柵部２４ａ、２４ｂを連結したもので、吊り下げ枠
２３中央に吊り下げ板２５を設け、この吊り下げ板２５
に前記ハンガー部１０の吊り下げピン２０に係止可能な
係止穴２６が設けられている。

【００１２】また、図５に、歩行補助具２７を示す。す
なわち歩行補助具２７は、係止穴２８を設けた取付板２
９に、患者の胴体を抱えることができるような、前面一
部を欠いたＣ型支え枠３０からなるものである。Ｃ型支
え枠３０によって患者の胴体を支えることで、床面上に
立つことができ、ハンガー部１０を昇降枠６に沿って移
動させることで、歩行のための補助とすることができ
る。また、歩行訓練としても使用することができる。

【００１３】また、図６に、テーブル３１を示す。この
場合、係止穴３２を設けた取付板３３にテーブル板３４
によって構成され、小物類を置くようにすることができ
る。

【００１４】また、図７において、患者吊り下げ用シー
ト３５を示す。吊り下げ用シート３５は布製のもので、
４つの先端に、ハンガー部１０のフック部材２１ａ、２
１ｂに掛けるための吊り手３６を設けたものである。

【００１５】さらに、図８におむつ交換用ベルト３７を
示す。この場合も、交換用ベルト３７両端部にハンガー
部１０のフック部材２１ａ、２１ｂに掛けるための鍵状
吊り手３８を設けたものである。かかるおむつ交換用ベ
ルト３７は、患者の腰近傍を吊り上げて腰を床部から浮
かし、おむつの交換を容易にすることができる。

【００１６】以上、やぐら型介護リフト装置２のハンガ
ー部１０によって吊り上げることが可能な備品の例を挙
げ、説明したが、患者吊り下げ用シート３５によって患
者を吊り上げ移動させる際の操作を説明する。この場
合、吊り下げ用シート３５を患者の身体の下に敷き込ん
でおき、駆動モータ８を起動して昇降枠６を下降させ、
ハンガー部１０を走行移動させて床部上の患者に近接さ
せ、ハンガー部１０のフック部材２１ａ、２１ｂに吊り
手３６を掛け、駆動モータ８を起動して昇降枠６を上昇
させて吊り上げることができる。介護者は、昇降枠６に
沿ってハンガー部１０を走行移動させてベッド１傍らの
ポータブル便器や、車椅子等に近接させ、再び昇降枠６
を下降させて容易に移乗させることができる。 このよ
うに、やぐらによって吊り上げ下げを行っているので、
強度的には申し分なく安定性も高い。また、患者を持ち
上げ移動するばかりでなく、病室内の様々な備品、身の
周りの物をも取り扱うことができるので、介護者の労力
を大幅に軽減させることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上、本発明によれば、患者を持ち上げ
移動するばかりでなく、病室内の様々な備品、身の周り
の物をも取り扱うことができるので、介護者の労力を大
幅に軽減させることができる。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置を示し
た全体構成説明図である。

【図２】図１に示すやぐら型介護リフト装置の昇降部材
の支柱に対する可動支持構造を示す概略要部断面説明図
である。

【図３】図１に示すやぐら型介護リフト装置の梁内部に
おける駆動モータとベルト部材の掛け渡し構造を示す構
成説明図である。

【図４】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置のハン
ガー部に係止することができる側柵の一例を示す外観斜
視説明図である。

【図５】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置のハン
ガー部に係止することができる歩行補助具の一例を示す
外観斜視説明図である。

【図６】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置のハン
ガー部に係止することができるテーブルの一例を示す外
観斜視説明図である。

【図７】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置のハン
ガー部に係止することができる患者吊り上げシートの一
例を示す外観斜視説明図である。

【図８】本発明にかかるやぐら型介護リフト装置のハン
ガー部に係止することができるおむつ交換用ベルトの一
例を示す外観斜視説明図である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ やぐら型介護リフト装
置 ３ 支持やぐら ４ 支柱 ５ 案内溝 ６ 昇降枠 ７ 梁 ８ 駆動モータ ９ ベルト部材 １０ ハンガー部 １１ ガイド基部 １２ ガイド台車 １３ａ〜１３ｃ ローラ １４ ケース １５ コード １６ 床部 １７ 手元スイッチ １８ プーリ １９ ローラ ２０ 吊り下げピン ２１ａ、２１ｂ フック部材 ２２ 側柵 ２３ 吊り下げ枠 ２４ａ、２４ｂ 柵部 ２５ 吊り下げ板 ２６ 係止穴 ２７ 歩行補助具 ２８ 係止穴 ２９ 取付板 ３０ Ｃ型支え枠 ３１ テーブル ３２ 係止穴 ３３ 取付板 ３４ テーブル板 ３５ 吊り下げ用シート ３６ 吊り手 ３７ おむつ交換用ベルト ３８ 鍵状吊り手

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【手続補正書】

【提出日】平成６年４月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図４】

【図６】

【図８】

【図３】

【図５】

【図７】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド上方を横切るように支持やぐら
   を配置し、この支持やぐらは、一対の支柱とこれら支柱
   の頂部を連結する梁とによって構成し、前記一対の支柱
   の互いに対向する面に、支柱長手方向に沿った案内溝を
   形成し、これら支柱の案内溝間に昇降部材を介在させる
   一方前記梁に駆動モータを設け、この駆動モータの出力
   軸と前記昇降部材の両端部とをベルト部材によって連結
   して昇降部材を案内溝に沿って昇降させる構成とし、前
   記昇降部材に、備品を係止して吊り上げ吊り降ろしを行
   うためのハンガー部を走行移動可能に設けたことを特徴
   とするやぐら型介護リフト装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の支持やぐらにおける梁
   に設けた駆動モータの出力軸と昇降部材の両端部とを線
   状部材によって連結して昇降部材を案内溝に沿って昇降
   させる構成とし、前記昇降部材に、備品を係止して吊り
   上げ吊り降ろしを行うためのハンガー部を走行移動可能
   に設けたことを特徴とするやぐら型介護リフト装置。