JP7148123B2 - 入浴用ストレッチャー及び寝位入浴方法 - Google Patents

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Description

本発明は、寝た姿勢(仰臥位)での入浴に用いられる入浴用ストレッチャー及び寝位入浴方法に関するものである。
例えば、高齢者用の介護施設においては、身体の自由が殆どきかない重度身体障碍者(被介護者)を入浴させる場合、被介護者をストレッチャーに乗せて浴室へ移動し、ストレッチャーから浴室に備えられた入浴専用のリフト装置に吊り下げられたスリングシートへ移乗している。このスリングシートへの移乗は、介助者の人力に頼っているのが現状である。
このような人力による移乗介助では、被介護者、介助者双方の負担が大きい。
すなわち、被介護者においては、移乗の際に一時的に無理な姿勢を強制させられるため身体的苦痛を受ける虞がある。また、スリングシートは被介護者を丸めるように拘束するため、入浴中の身体的負担も大きい。特に、座位姿勢を保持できない重度身体障碍者等の被介護者にとってスリングシートによる拘束は肉体的苦痛が大きい場合がある。
一方、介助者においては、移乗の際に被介護者を落としたり、被介護者を抱えたまま転倒してしまったりする危険性が付き纏うため、肉体的労力と共に心労も少なくない。更に、日常的に過重な負担が掛かるため、腰痛を引き起こすリスクも高くなる。加えて、被介護者1人を移乗させるのに、抱き抱える介助者だけでなく、それを補助する介助者も併せると、合計で3~4人必要となり、介助者の確保に苦労している施設側にとっても経済的負担が大きい。
このような問題に対処すべく、近年においては機械化による人力介助の軽減が進んでおり、被介護者を寝たままの状態で入浴させる方法が実施されている。
例えば、特許文献1、2には、被介護者を寝た状態で載せる担架を分離可能に備えたストレッチャーが開示されている。
被介護者をベッドから担架に移した後、ストレッチャーを移動して、いわゆる機械浴槽と呼ばれる浴槽に横付けし、ストレッチャーの昇降機能で高さを合わせた後、レールを介して担架を浴槽内の担架支持台に載せ、その後、浴槽壁を上昇させ、あるいは担架支持台を下降させて被介護者を担架に乗せたまま湯に浸けるようになっている。このような入浴方法は、一般に寝位入浴又は寝浴などと呼ばれている。
この入浴方法によれば、被介護者をベッドから担架に載せるときと、機械浴槽とストレッチャー間で担架をスライドさせる際に人力が必要であるが、スリングシート移乗方式に比べて大幅に労力が軽減され、安全性も高く、被介護者の肉体的負担も極めて少ない。
ベッドから担架に移す場合には、ストレッチャーの昇降機能を利用して担架とベッドの高さを合わせることができるため、例えば被介護者の下に敷いたシートを引っ張るだけで移すことができる。移動式の簡易リフトを用いて移すこともできる。
被介護者は寝た状態のまま入浴することができるので、肉体的負担は殆どない。介助者も1人か多くても2人で済むため、介助者の肉体的、心的労力も大幅に軽減され、施設側にとっても人件費の負担が少なくて済む。
特開2009-195536号公報 特開2016-16213号公報
上記のように、寝位入浴における機械化(システム化)は、ストレッチャー上の担架を水平にスライドさせて機械浴槽内の担架支持台に載せる(移す)方式が採用されている。
しかしながら、機械浴槽を用いる方式では、浴槽の水密状態を維持した精密な可動構成が必要となるため、必然的に価格の高騰を避けられない。機械浴槽を用いた市場での実際のシステム価格は1千数百万円程度の高額となっている。
このため、当該介護分野において、人件費の高騰との関係もあって低コスト化が強く望まれている。
本発明はこのような現状に鑑みて創案されたもので、簡易な構成でありながら上記の機械浴槽と同様な寝位入浴を可能にして、大幅な低コスト化を実現することができる入浴用ストレッチャーの提供を、その目的とする。
また、本発明の他の目的は、この入浴用ストレッチャーの適切な使用による寝位入浴方法の提供にある。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、 キャスターを有して移動可能な台車と、被介護者を寝た姿勢で載せることができる広さを有し前記台車の上面側に上下方向に着脱自在に載置された担架と、前記担架側に設けられた複数の吊り下げ部とを備え、前記担架は前記吊り下げ部を介して介護用リフトで吊り下げられて、前記台車から上昇離脱されることを特徴とする入浴用ストレッチャーであって、前記台車と前記担架のうちいずれか一方に棒状の嵌合部材が設けられ、他方に前記担架を前記台車の上方から下降させたときに前記嵌合部材が嵌合する嵌合凹部が設けられており、前記嵌合凹部は、位置決め溝とその両側にテーパ状に連なって先端に向かって拡がったガイド縁とで構成され、前記ガイド縁を含むガイド片が内側に反るように曲げられていることを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項に記載した入浴用ストレッチャーにおいて、前記嵌合凹部は被介護者の身長方向と直交する方向に対向して一対設けられ、前記嵌合部材は前記直交する方向に渡されて設けられており、前記嵌合部材が前記一対の嵌合凹部に二箇所で嵌合されることを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項1または2に記載した入浴用ストレッチャーにおいて、前記台車に備えられ、下方に向かって突出した環状体の位置ずれ規制枠と、前記位置ずれ規制枠に連結されたカラビナフックと、前記担架に備えられ、下方に向かって突出したJ字状体の取付け枠で構成されたロック手段を有しており、前記取付け枠に前記カラビナフックを係合してロックすると、前記担架が前記台車からの離脱を防止することを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、前記担架が、被介護者の身長方向に直交する方向に沿って中折れして、被介護者の姿勢を変更可能になっていることを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、前記担架の両側に被介護者のずれ落ちを防止するためのサイドカバーが複数設けられており、これらのサイドカバーは下端部を挿し込むだけの着脱構成を有していることを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、前記担架には隙間が設けられており、その隙間に枕が着脱自在に嵌め込まれることを特徴とする入浴用ストレッチャーである。
請求項の発明は、請求項1からのいずれかに記載した入浴用ストレッチャーを使用した寝位入浴方法において、キャスターを有して移動可能な台車の上部に上下方向に着脱自在な担架が載置されたストレッチャーを用い、前記担架に被介護者を仰臥位で載せた状態で前記ストレッチャーを浴槽の近傍に移動させた後、被介護者を載せたままの状態で前記担架を介護用リフトで吊り下げ、前記浴槽の上方に位置付けた後前記担架を下降させて前記浴槽に被介護者と共に浸けて入浴させることを特徴とする寝位入浴方法である。
本発明によれば、浴槽側の機械化が全く不要で、既設の介護用リフトがある場合には担架の吊り下げ用にそのまま利用することができ、よって寝位入浴における機械化の大幅な低コスト化を実現することができるとともに、介護分野における労働環境の改善にも資することができる。
本発明の一実施形態に係る入浴用ストレッチャーの概略的斜視図である。 図1で示した入浴用ストレッチャーの担架の角度変更機能と介護用リフトとの接続関係を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。 台車と担架とを連結するロック手段の構成を示す要部斜視図で、(a)はロック解除状態を示す図、(b)はロック状態を示す図である。 担架位置決め手段の構成を示す分解斜視図である。 図1で示した入浴用ストレッチャーが使用される浴室の一例の概要平面図である。 図1で示した入浴用ストレッチャーにおいて、介護用リフトで担架を吊り下げた状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1で示した入浴用ストレッチャーを用いた入浴方法を示す概要断面図で、(a)は担架を下降させて浴槽に対する位置合わせをしている状態を示す図、(b)は担架を下降させて浴槽の湯に被介護者を浸けた状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る入浴用ストレッチャー及び寝位入浴方法を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、入浴用ストレッチャー1は、パイプ材を直方体状の輪郭を形成するように組み付けて構成された台車3と、台車3の上面側に該台車3に対して上下方向(矢印Z方向)に着脱自在に載置された担架5とを有している。
台車3の四隅の下端にはキャスター7が取り付けられており、360°自在に向きを変えての移動が可能となっている。各キャスター7は車輪のロック、ロック解除をするためのレバー7aを有している。
担架5は、パイプ材で長方形の枠を形成するように構成されたベースフレーム9と、同じくパイプ材で構成され被介護者を載せる担架本体11とを有している。担架本体11は長方形の長辺方向に沿って被介護者の身体を伸ばして寝た姿勢(仰臥位)で載せることができる広さ(輪郭面積)を有している。
ベースフレーム9には、後述する介護用リフトで吊り下げるための吊り下げ部(フック係合部)13が設けられている。吊り下げ部13は、屈曲した棒状体の両端部をベースフレーム9に固定して閉鎖した環状体で構成されている。吊り下げ部13はベースフレーム9よりも上方に突出している。吊り下げ部13は、担架5を安定に吊り下げるよう、両長辺側にそれぞれ間隔をあけて2つずつ合計四箇所に設置されている。
担架本体11の輪郭をなすパイプ枠15は、ベースフレーム9に固定された固定部15aと、固定部15aの一端側(被介護者の頭部側)に回動自在に連結され、被介護者の上半身部を支持する上半身支持部15bと、固定部15aの他端側(被介護者の脚部側)に一端側が回動自在に連結され、被介護者の下半身部を支持する第1の下半身支持部15cと、第1の下半身支持部15cの他端側に回動自在に連結された第2の下半身支持部15dとから構成されている。
パイプ枠15における被介護者の身長方向(矢印Y方向)に延びるパイプ材間には、被介護者を支持するための金属製のプレート17が複数橋渡し状に配置されて固定されている。各プレート17の上面には、合成樹脂製のクッション材19が配置されており、これらのクッション材19は清掃が容易にできるように、ピン21を押し込んで止めるだけの着脱構成となっている。これにより清掃時にはワンタッチで取り外し、装着ができる。図1において、符号17a、19aはピン21の挿通孔を示している。
パイプ枠15における上半身支持部15bの先端(横枠)とこれに隣り合うクッション材19との間には、隙間があり、この隙間にクッション材19と同じ材質の枕23が着脱自在に嵌め込まれている。明示しないが、枕23の表面には被介護者の頭部を安定に収容するための凹みが形成されている。
担架本体11の両側、すなわちパイプ枠15の両長辺側には、被介護者のずれ落ちを防止するために、サイドカバー25a、25b、25cが対向して配置されている。これらはいずれも1本のパイプ材の両端側が同じ方向に平行になるように屈曲されて下方を向いている。サイドカバー25a、25b、25cは、身体の部位に対応して中間の屈曲部の形状が異なっている。サイドカバー25aの仮想線図で示すように、両下端には小径の挿入部25a-1が設けられており、挿入部25a-1をパイプ材側の凹部(孔)に挿入するだけの簡単な着脱構成となっている。サイドカバー25b、25cについても同様の着脱構成となっている。被介護者を担架5に載せるときや担架5上で被介護者を洗体するときはこれらのサイドカバー25a、25b、25cは邪魔にならないように適宜取り外される。当たりを緩和するためにスポンジ等の柔軟部材で表面を被覆してもよい。
図2(a)に示すように、被介護者の頭部が位置する側である担架本体11の上半身支持部15bは、水平面から所定の角度で起こした状態に保持できる構成を有している。本実施の形態では、上半身支持部15bは角度がゼロの水平位置と、角度θ1(15°)の位置と、角度θ2(30°)の位置との3段階のいずれかに適宜設定できるようになっている。この角度設定は、浴槽に入れるときに被介護者の顔が湯に浸からないようにするためや、被介護者の入浴時の姿勢を適宜起こして負担を軽減するためのものである。
図2(a)に示すように、被介護者の下半身部を支持する第1の下半身支持部15cと第2の下半身支持部15dも水平面から所定の角度で起こした状態に保持できる構成を有している。本実施の形態では、第1の下半身支持部15cと第2の下半身支持部15dの境界が角度ゼロの水平位置で連なった状態と、その境界が山形に隆起した状態、すなわち、第1の下半身支持部15cが角度θ3(16°)で傾斜した状態とに適宜設定できるようになっている。この角度設定は、上半身支持部15bを起こすことにより被介護者の下半身がずり落ちるのを抑制するためのものである。
上記の角度設定は、いずれも、リンク機構を利用して実現されており、設定位置で安全にロックされる。このように、担架5は、被介護者の身長方向に直交する方向に沿って中折れして、そこに載せられた被介護者の姿勢を変更可能になっている。
図2は、介護用リフト27が担架5を吊り下げる前の状態、すなわちリフトアップ準備完了状態を示している。介護用リフト27の横架レール29には昇降可能なハンガー31を有する走行体33が設けられている。ハンガー31はX方向に延びており、その両端側にはそれぞれスリングベルト35が2つずつ連結されている。スリングベルト35の下端側には不図示のカラビナフックが設けられており、該カラビナフックは担架5のベースフレーム9に固定された上記4つの吊り下げ部13に係合される。
入浴用ストレッチャー1の矢印Y方向における中央部には、台車3に対する担架5の離脱を阻止するロック手段37が幅方向(矢印X方向)において対向配置されている。
また、入浴用ストレッチャー1の矢印Y方向における両端近傍には、台車3に対する担架5の上下方向の着脱を案内するとともに台車3に対する担架5の位置決めをする担架位置決め手段39が幅方向(矢印X方向)においてそれぞれ対向配置されている。
ロック手段37は、図3に示すように、台車3のパイプ材に上記の吊り下げ部13と同様に環状体で構成された位置ずれ規制枠41を備えている。この位置ずれ規制枠41は下方に向かって突出している。この位置ずれ規制枠41にカラビナフック43が連結されている。
ベースフレーム9のパイプ材にも同様にJ字状体で構成された取付け枠45を備えている。この取付け枠45も下方に向かって突出している。
図3(a)はロックを解除した状態を示している。担架5が台車3の所定位置に載置された後は、担架5の台車3からの離脱を防止するために、図3(b)に示すように、取付け枠45にカラビナフック43を係合してロックする。このロックにより、担架5が台車3に対して矢印Y方向に動いて位置ずれするのが規制される。
担架位置決め手段39は、図4に示すように、台車3のパイプ材の内側(XIN側)にネジ止めや溶接等の手段により固定された嵌合凹部47と、担架5のベースフレーム9の幅方向(矢印X方向)に渡され固定されたパイプ材又は丸棒からなる嵌合部材49とを有している。嵌合部材49は嵌合凹部47に対する嵌合部材としてなるとともに、補強機能も備えている。
嵌合凹部47は、平板状部材がL字状に折り曲げられたものになっており、台車3のパイプ材に沿ってその下側から内側に回り込んでおり、内側部分はパイプ材よりも上方に突出している。この突出部分が上端からY字状に切り欠かれて、一対のテーパ状のガイド縁47a、47bを形成するとともに中央に嵌合部材49が嵌合する位置決め溝47cを形成している。ガイド縁47a、47bをそれぞれ縁部とする、三角形状のガイド片47A、47Bのエッジが担架5を下降する際にベースフレーム9に当たるのを回避するために、内側へ反るように曲げられている。他の三箇所における担架位置決め手段39も同様の構成を有している。
上記構成により、担架5を台車3に載置する場合、オペレータは介護用リフト27のリモコンを操作しながら大体の位置合わせをした状態で担架5を下降させれば、担架5は自動的に所定位置に載置される。
すなわち、ガイド縁47a、47bのテーパ機能が作用する範囲(W2)内のいずれかの位置に嵌合部材49が当接するように担架5の位置合わせをすれば、後は担架5の自重で嵌合部材49がガイド縁47a、47bを摺動し、最終的に位置決め溝47cに嵌合して台車3の所定位置に位置決めされる。
テーパ機能が作用する範囲(W2)は位置決め溝47cの幅(W1)よりもかなり大きく設定されているので、オペレータは位置決め溝47cに対する嵌合部材49の位置合わせを注意深くする必要は無く、多少のずれがあってもテーパ機能により自動的に位置決めされる。
これにより、台車3に対する担架5の載置操作が極めて楽となる。すなわち、介護用リフト27を片手に持ったリモコンで操作しながら他方の手で担架5の姿勢を調整する作業(1人作業)が容易となる。したがって、担架5を台車3から完全に分離する構成としたことによる弊害は殆ど無い。
本実施の形態では嵌合部材(嵌合部材49)を担架5側に設け、嵌合凹部47を台車3側に設ける構成としたが、逆態様の構成としても同様の余裕度の高い位置決め機能を得ることができる。
次に、本実施の形態に係る入浴用ストレッチャー1を用いた寝位入浴方法を詳細に説明する。
図5は、浴室の一例を示す平面図である。浴室51の天井には、2本のレール53、53が平行に設置されており、これらのレール53、53間に横架された横架レール29がX方向に走行可能となっている。上記のように、走行体33はこの横架レール29に沿ってY方向に走行可能であるので、走行体33は浴室51内の平面移動が可能となっている。勿論、単一のレールを使用した線移動方式としてもよい。
被介護者HPを担架5に載せた状態で入浴用ストレッチャー1を移動し、入り口51Eから浴室51内に入る。洗い場AWにて入浴用ストレッチャー1のキャスター7を固定し、サイドカバー25a、25b、25cを外して被介護者HPの洗体を行う。
入浴前の洗体が終了したら、一旦取り外したサイドカバー25a、25b、25cを再び装着した後、介護用リフト27をリモコンで操作し、走行体33を入浴用ストレッチャー1の真上に位置付け、図2で示したようにハンガー31のスリングベルト35のフックを入浴用ストレッチャー1の4つの吊り下げ部13に係合する。
その後、ロック手段37のロックを解除し、ハンガー31を上昇させる。ハンガー31が上昇すると、図6に示すように、被介護者HPを載せた担架5が台車3から分離する(リフトアップ)。担架5の上半身支持部15bの角度は30°に設定されている。
この状態で、横架レール29を矢印X方向に移動させ、担架5が浴槽55の真上になるように位置付ける。ここでは分かり易くするために浴槽55をハッチングで表示している。浴槽55は何らの機械構成を施していない通常の浴槽である。
次に、図7(a)に示すように、担架5を少しずつ下降させながら浴槽55に対する担架5の細かな位置合わせをする。この場合、担架5は水平面内で回転するなどの振れが生じ易いが、オペレータ(介助者)が片手を添えるだけで簡単に姿勢ずれを調整できる。リモコン操作や手添えによる調整をしながら、図7(b)に示すように担架5をさらに下降させて担架5を浴槽55内に入れ、被介護者HPを湯Sに浸ける。
入浴が完了したら、介護用リフト27を操作して担架5を浴槽55から引き上げ、横架レール29を移動させて台車3の真上に位置付けた後、下降させる。上記したように、担架5を下降させて台車3に載置する場合には大体の位置合わせでよく、その後さらに下降させれば担架5の嵌合部材49がテーパ状のガイド縁47a、47bを摺動して自動的に位置決め溝47cに嵌合する。
担架5が台車3の所定位置に載置された後、ロック手段37で担架5と台車3とをロック(結合)し、入浴用ストレッチャー1を移動させて浴室51を出る。
本発明では、介護用リフト27で担架5を吊り下げて入浴する構成(方法)としたので、浴槽側の機械化は一切不要で、担架5を入れることができる開口を有していれば通常の浴槽を使用することができる。
浴室に介護用リフト27が既設として存在する場合にはこれを担架5を移動するためにそのまま使用することができる。また、機械浴槽に対するストレッチャーの位置合わせ機能も不要となるので、昇降機能を有しない台車3を用いることができる。
このように、本発明を実施するにあたって、新たな付加構成はロック手段37や台車3に対する担架5の上下方向の着脱構成のみであり、機械浴槽を用いた寝位入浴方法に比べてシステム価格を大幅に低減できる。実際に試算した結果、機械浴槽を用いる場合に比べて約半分のシステム価格とすることができ、既設の介護用リフト及び浴槽がそのまま利用できる場合には1/3程度の低価格とすることができることが確認された。
上記のように、本発明は、寝位入浴における従来の機械化の趨勢が、機械浴槽を前提とし、担架を水平にスライドさせて機械浴槽内に位置付けるという考え方を基本としていることに鑑み、発想を変えて担架を台車に対して上下方向に着脱するようにし、介護用リフトをその動力源として利用することとしたものである。
既設又は新設の介護用リフトを動力源とすることにより、高価な機械浴槽による寝位入浴機能を簡単な機械構成で代替できる。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
1…入浴用ストレッチャー 3…台車 5…担架 7…キャスター
13…吊り下げ部 25a、25b、25c…サイドカバー 27…介護用リフト
37…ロック手段 39…担架位置決め手段 47…嵌合凹部
47a、47b…ガイド縁 49…嵌合部材 51…浴室 55…浴槽
S…湯

Claims (7)

  1. キャスターを有して移動可能な台車と、被介護者を寝た姿勢で載せることができる広さを有し前記台車の上面側に上下方向に着脱自在に載置された担架と、前記担架側に設けられた複数の吊り下げ部とを備え、前記担架は前記吊り下げ部を介して介護用リフトで吊り下げられて、前記台車から上昇離脱されることを特徴とする入浴用ストレッチャーであって、
    前記台車と前記担架のうちいずれか一方に棒状の嵌合部材が設けられ、他方に前記担架を前記台車の上方から下降させたときに前記嵌合部材が嵌合する嵌合凹部が設けられており、
    前記嵌合凹部は、位置決め溝とその両側にテーパ状に連なって先端に向かって拡がったガイド縁とで構成され、前記ガイド縁を含むガイド片が内側に反るように曲げられていることを特徴とする入浴用ストレッチャー
  2. 請求項1に記載した入浴用ストレッチャーにおいて、
    前記嵌合凹部は被介護者の身長方向と直交する方向に対向して一対設けられ、前記嵌合部材は前記直交する方向に渡されて設けられており、前記嵌合部材が前記一対の嵌合凹部に二箇所で嵌合されることを特徴とする入浴用ストレッチャー。
  3. 請求項1または2に記載した入浴用ストレッチャーにおいて、
    前記台車に備えられ、下方に向かって突出した環状体の位置ずれ規制枠と、前記位置ずれ規制枠に連結されたカラビナフックと、前記担架に備えられ、下方に向かって突出したJ字状体の取付け枠で構成されたロック手段を有しており、
    前記取付け枠に前記カラビナフックを係合してロックすると、前記担架が前記台車からの離脱を防止することを特徴とする入浴用ストレッチャー。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、
    前記担架が、被介護者の身長方向に直交する方向に沿って中折れして、被介護者の姿勢を変更可能になっていることを特徴とする入浴用ストレッチャー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、
    前記担架の両側に被介護者のずれ落ちを防止するためのサイドカバーが複数設けられており、これらのサイドカバーは下端部を挿し込むだけの着脱構成を有していることを特徴とする入浴用ストレッチャー。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載した入浴用ストレッチャーにおいて、
    前記担架には隙間が設けられており、その隙間に枕が着脱自在に嵌め込まれることを特徴とする入浴用ストレッチャー。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載した入浴用ストレッチャーを使用した寝位入浴方法において、
    キャスターを有して移動可能な台車の上部に上下方向に着脱自在な担架が載置されたストレッチャーを用い、前記担架に被介護者を仰臥位で載せた状態で前記ストレッチャーを浴槽の近傍に移動させた後、被介護者を載せたままの状態で前記担架を介護用リフトで吊り下げ、前記浴槽の上方に位置付けた後前記担架を下降させて前記浴槽に被介護者と共に浸けて入浴させることを特徴とする寝位入浴方法
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