JPH07239039A - 回転軸の密封装置 - Google Patents

回転軸の密封装置

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Publication number
JPH07239039A
JPH07239039A JP6055235A JP5523594A JPH07239039A JP H07239039 A JPH07239039 A JP H07239039A JP 6055235 A JP6055235 A JP 6055235A JP 5523594 A JP5523594 A JP 5523594A JP H07239039 A JPH07239039 A JP H07239039A
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JP
Japan
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sealing device
seal
rotating shaft
rotary shaft
ring
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Application number
JP6055235A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatsugu Mori
正継 森
Yoshimi Ota
好美 太田
Isao Komori
功 古森
Shohei Nakamura
昌平 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP6055235A priority Critical patent/JPH07239039A/ja
Publication of JPH07239039A publication Critical patent/JPH07239039A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置をコンパクト化し、部品点数を減らし、
低コストで停止時のシール性能の向上が図れ、かつ高速
回転の障害とならない密封装置とする。油潤滑の軸受を
用いた立型回転軸の工作機械その他の機械に使用され
る。 【構成】 回転軸1を貫通させた密封装置本体6と、V
形シールリング7と、Vリング変形機構19と、その駆
動用の流体圧アクチュエータ18と、エアシール装置1
1とを設ける。V形シールリング7は、V形断面のゴム
等の弾性体からなり、自然状態で内径が回転軸1の外径
よりも僅かに大きなものを用いる。Vリング変形機構1
9は、回転軸1の停止時は、押えばね10の付勢でV形
シールリング7を可動押え部材8と本体部材12との間
で挟む。これにより、V形断面を内径側へ変形させて回
転軸1に接触させる。停止時は、流体圧アクチュエータ
18に供給した空気圧で可動押え部材8を下降させ、V
形シールリング7を開放して非接触とする。また、供給
空気は環状吹出し溝17から噴出させ、エアシール機能
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械や、その他
種々の産業機械における回転軸のシール一般に適用さ
れ、特に立型で用いられる回転軸に好適に使用可能な回
転軸の密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の工作機械の主軸では、生産性向上
のために高速化の傾向にあり、主軸軸受の潤滑もエアオ
イル、ジェット潤滑等の油を使用するものが多くなって
来ている。その場合、軸受のオイル漏れ防止や塵埃の侵
入阻止のために、ハウジングの主軸突出部にシールが施
される。このシールとして、接触型のものを使用すれば
確実な油漏れが防げるが、高速回転する回転軸のシール
では、接触シールは発熱が大きくて好ましくない。その
ため、従来はラビリンスシールを使用しているが、高速
回転時はシール性が良好であっても、低速時や停止時は
効果が少ない。これを補うために、圧縮空気を用いたエ
アシールが併用されている。
【0003】図9は、従来のラビリンス構造の一例で、
エアシールを併用したものである。回転軸51は、工具
が下端に装着される立型の主軸であり、ハウジング52
に軸受53を介して支持されている。軸受53の下方に
ラビリンスシール54が設けられ、その下方において、
ハウジング52の内周面に圧縮空気の供給路55と、環
状吹出し溝56とが設けてある。この構成によると、供
給路55から吐出された圧縮空気が環状吹出し溝56か
ら回転軸51の全周に流れて軸方向に吹き出すことによ
り、回転軸51の低速時や停止時のシールが得られる。
【0004】図10は従来の他の密封装置の提案例であ
り、オイルシール58とエアシール59とを併用したも
のである。停止時には上部に取り付けられたオイルシー
ル58により密封し、回転中にはスライド部材60によ
りオイルシール58のリップ部58aを開放し、エアシ
ール59により密封する。このように回転中にリップ部
58aを非接触状態とするため、接触摩擦による発熱も
なく、駆動動力も小さくて済む。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9の立型の回転軸5
1において、軸受53にジェット潤滑やアンダーレース
潤滑を行った場合には、軸受53におけるオイル量が多
く、オイルの流下も生じ易いため、オイル漏れの問題が
考えられる。しかも、エアシールでは停止中も圧縮空気
の供給を続ける必要があり、空気使用量が多くなるとい
う問題点がある。停止中に圧縮空気の供給を止めると、
ラビリンスシール54よりも下の部分にあった油が主軸
を伝って流出することになる。
【0006】図10の例では、停止中はオイルシール5
8で密封する構造であるため、上記の問題点は解消され
るが、装置が大きくなり、部品点数も多くなる。すなわ
ち、運転中にシールリップ58aをピストン60で押し
て非接触にするには、ピストン60のストロークを大き
くすることが必要で、シールのための構成スペースが大
きくなってしまう。また、高価な部品であるオイルシー
ル58の使用により、コスト高になる。
【0007】この発明の目的は、装置をコンパクト化
し、部品点数を減らし、低コストで停止時のシール性能
の向上が図れ、かつ高速回転の障害とならない回転軸の
密封装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の回転軸
の密封装置は、回転軸を貫通させた密封装置本体と、V
形断面の弾性体のシールリングと、このシールリングを
前記密封装置本体とで軸方向に挟み付けて変形させる可
動押え部材と、この可動押え部材を軸方向移動させる流
体圧アクチュエータとを設け、かつエアシール装置を設
けたものである。エアシール装置は、空気に限らず、他
の気体を吐出するものであってもよい。前記シールリン
グは、回転軸の外周に設けられてV形断面の変形により
前記回転軸の外径面に接触および離間可能なものとす
る。シールリングは、自然状態で回転軸の外径面から離
れるものであっても、接するものであっても良い。
【0009】請求項2の発明の密封装置は、リップ部と
スライド部とを一体化したリング状のスライド部材を用
いたものである。スライド部材は、密封装置本体のガイ
ド面で軸方向移動自在に支持し、流体圧アクチュエータ
で軸方向移動させる。密封装置本体にはスライド部材の
移動に伴ってリップ部を撓ませるリップ部撓みガイドを
設け、かつエアシール装置を設ける。
【0010】請求項3の発明の密封装置は、弾性体のリ
ップ部を各々有する一対のリング状シール部材を、互い
に軸方向に離れて密封装置本体に設けたものである。こ
れらシール部材の間において、回転軸に僅かな隙間で遊
嵌するシール用遊嵌面を密封装置本体に設け、かつエア
シール装置を設ける。
【0011】
【作用】請求項1の発明の作用を説明する。まず、シー
ルリングとして、自然状態で回転軸から離れるものを用
いた場合を説明する。回転軸の停止時においては、シー
ルリングは可動押え部材と密封装置本体とで軸方向に挟
まれてV形の断面形状が広げられ、そのため内径寸法が
小さくなって回転軸の外径面に接触している。この接触
で回転軸の周囲が確実にシールされる。回転時において
は、流体圧アクチュエータの駆動で可動押え部材を移動
させ、シールリングの押圧を解除する。これにより、シ
ールリングの内径寸法が元の状態に戻って回転軸との接
触が無くなる。このとき、エアシール装置には圧縮気体
を供給し、回転軸の周囲のエアシールを行う。シールリ
ングとして、自然状態で回転軸に接するものを用いた場
合は、停止時にシールリングを可動押え部材による非押
え状態とし、回転時に押圧状態としてそのV形の角度を
狭め、回転軸から離すようにする。
【0012】請求項2の構成の場合、停止時はスライド
部材のリップ部による接触シールとなる。回転時には流
体圧アクチュエータでスライド部材を移動させ、リップ
部撓みガイドの案内でリップ部を撓ませて回転軸から離
す。また、エアシール装置に圧縮気体を供給し、回転軸
の周囲のエアシールを行う。
【0013】請求項3の構成の場合、停止時は一対のリ
ング状シール部材のリップが回転軸と接して油漏れを防
ぐ。回転中は、両シール部材の間から圧縮気体を送り込
むことによりリップ部を広げて軸と接触しないように
し、エアシールによって油漏れを防ぐ。
【0014】
【実施例】この発明の一実施例を図1ないし図3に基づ
いて説明する。図1はマシニングセンタ等の工作機械に
おける主軸頭の先端部の断面を示す。回転軸1は、下端
に工具が装着される立型の主軸であり、軸受2を介して
ハウジング3に支持されている。回転軸1とハウジング
3との間には、軸受2の下方にラビリンスシール4が設
けられ、その下方にこの実施例の回転軸の密封装置5が
設けられている。なお、ハウジング3の下端近傍には内
外に開通した排気孔3aが形成してある。
【0015】この密封装置5は、回転軸1を貫通させた
密封装置本体6と、V形断面のシールリング7と、この
シールリング7を可動押え部材8で押し付けて変形させ
るVリング変形機構19と、可動押え部材8を軸方向移
動させる流体圧アクチュエータ18と、エアシール装置
11とを備えたものである。流体圧アクチュエータ18
は、押圧ばね10で復帰する単動型の内蔵エアシリンダ
からなる。V形シールリング7は、断面形状をV字状に
成形したゴムまたは合成樹脂等の弾性体からなるもので
ある。V形シールリング7は、自然状態(すなわち無負
荷状態)で内径が回転軸1の外径よりも僅かに大きなも
のを用いる。
【0016】密封装置本体6は、本体部材12の下側に
断面L字状の蓋部材13を被せて互いに固定したリング
状のものであり、本体部材12の下面に突出した環状の
仕切り壁12bと蓋部材13の外周壁との間に流体圧ア
クチュエータ18の流体圧室9が環状に形成される。蓋
部材13の下部には半径方向に貫通して流体供給路15
が設けられ、この供給路15から分岐した流体圧導入路
16が前記流体圧室9の上端面に開通している。本体部
材12、可動押え部材8、および蓋部材13の内径は、
回転軸1の外周に僅かな隙間が生じる径に形成され、蓋
部材13の下部の内径面に環状吹出し溝17が形成され
ている。この環状吹出し溝17と、前記流体供給路15
と、前記密封装置本体6の回転軸外周の隙間とで前記エ
アシール装置11が構成される。
【0017】可動押え部材8は、外周部が環状のピスト
ン部8aに形成されて、前記流体圧室9に軸方向移動自
在に嵌合する。押圧ばね10は、可動押え部材8をシー
ルリング7の押え方向に付勢する復帰手段となるもので
あり、圧縮コイルばねからなる。押えばね10は、ピス
トン部8aの下面に形成されたばね収容孔19に収容さ
れており、これら収容孔19および押えばね10は、周
方向複数箇所に設けられている。
【0018】Vリング変形機構19は、本体部材12の
下面に突出した環状突部12aと、可動押え部材8の内
周部の上面に形成された環状凹部8bとで構成される。
図2に示すように、シールリング7のV形断面形状は、
断面の中心から両側に等しい角度α°だけ開いている。
本体部材12の環状突部12aおよび可動押え部材8の
環状凹部8bは、いずれもV字を構成する外径側の傾斜
面をシールリング7の開き角度α°と等しく形成し、内
径側の傾斜面を前記開き角度α°よりも若干の角度β°
だけ大きく形成してある。このように形成することで、
環状突部12aと環状凹部8bの間で挟み付けたとき
に、シールリング7の内径側部分がV形断面の開き方向
に、すなわち内径が小さくなる方向に変形する。
【0019】上記構成の動作を説明する。回転軸1の停
止時においては、図3(B)に示すように押圧ばね10
で可動押え部材8が上昇付勢され、シールリング7は本
体部材12の環状突部12aと可動押え部材8の環状凹
部8bとで軸方向に挟まれた状態になっている。このと
き、各突部12aおよび凹部8bの傾斜角度が前記のよ
うに大き目に設定してあるため、シールリング7の内径
寸法は押圧前の状態よりも小さくなる方向に変形し、シ
ールリング7が回転軸1に接触して完全にシールされ
る。このシールで油漏れや塵埃の侵入が防止される。
【0020】回転軸1を回転させるときは、起動時に流
体供給路15の入口15aから流体圧室9へ圧縮空気を
供給し、押圧ばね10に抗して可動押え部材8を下降さ
せる(図3(A))。これにより、V形のシールリング
7は弾性で元の形状に復帰し、回転軸1と非接触とな
る。入口15aから供給された圧縮空気は、環状吹出し
溝17へも供給されてその全周から回転軸1と密封装置
本体6との間の隙間に噴出し、これが軸方向に流れてエ
アシールが構成され、オイル等の漏れが防がれる。
【0021】この密封装置5によると、V形のシールリ
ング7を用いたため、回転軸1に接触または開放するた
めに必要な可動押え部材8の移動量が、従来のオイルシ
ールを使用したものに比べて小さくて良く、そのため装
置全体がコンパクト化される。また、V形のシールリン
グ7はオイルシールに比べて簡単で安価な部品であり、
市販のVリングの使用も可能で、製作コストが削減でき
る。流体圧アクチュエータ18のピストン部8aが可動
押え部材8に形成されてシール変形用の環状凹部8bの
外径側に位置することからも、軸方向長さが短くなり、
部品点数も少なくなってコンパクトな構成となる。ま
た、この密封装置5は、各構成部品を密封装置本体6内
に収容して一つにまとめることができ、ユニット化でき
る。そのため、各種機器への装備が簡単に行える。
【0022】なお、上記実施例ではシールリング7を1
個使用したものであるが、ハウジング3内の内圧が大き
い場合は、V形のシールリング7を2重あるいは3重以
上に重ねて設ける。これよりシール効果を大きくするこ
とができる。また、密封装置本体6は、軸受2を設けた
ハウジング3と一体の部材として形成しても良い。
【0023】図4および図5はこの発明の他の実施例を
示す。この例も前記実施例と同様にマシニングセンタ等
の工作機械における主軸頭の先端部に適用したものであ
る。回転軸1は、下端に工具が装着される立型の主軸で
あり、軸受2を介してハウジング3に支持されている。
前記ハウジング3の下面にこの密封装置20が設けられ
る。
【0024】この例の密封装置20は、リップ部21a
をスライド部21bの内径側に一体に突設したリング状
のスライド部材21と、このスライド部材21を収容し
て軸方向移動自在に支持した密封装置本体22と、その
移動用の流体圧アクチュエータ34とを備える。スライ
ド部材21は、全体を滑りの良いゴムまたは合成樹脂等
の弾性体で成形したものであり、滑るゴムと呼ばれるベ
アリーER(商品名、NTN精密樹脂株式会社製)や、
あるいはゴムとルーロン(商品名、NTN精密樹脂株式
会社製)を組み合わせたものなどを用いる。特に、スラ
イド部材21は、摺動面となる外径面を前記の滑りの良
いゴム等の材質で形成することが好ましい。スライド部
材21の上面には金属板製の補強環21cが設けてあ
る。
【0025】密封装置本体22は、スライド部材21の
移動用およびエアシール用を兼ねた圧縮空気の供給路2
5を持つ供給用リング部材23と、スライド部材21の
復帰用の流体供給路26およびリップ開放用の撓みガイ
ド27を持つ復帰用リング部材24とを上下に重ねて構
成される。これらリング部材23,24は、回転軸1の
外径面に僅かな隙間で遊嵌する内径面を持つ。
【0026】復帰用リング部材24は下向きの環状溝2
4aを有し、環状溝24aの外径側の内面がスライド部
材21を軸方向移動自在に嵌合するガイド面24bとな
る。また、環状溝24aの内径側の溝側壁がリップ部撓
みガイド27となり、その溝内面がテーパ面の撓み案内
面となっている。復帰用の流体供給路26は、環状溝2
4aの底部に開口する。供給用リング部材23は、スラ
イド部材21の下部を嵌合する段付の環状溝からなる流
体圧室28を上面に有し、この流体圧室28に前記流体
供給路25が開通している。この流体圧室28とスライ
ド部材21のスライド部21bとで、前記流体圧アクチ
ュエータ34が構成される。また、供給用リング23の
内径面の上縁には環状吹出し溝29が形成され、流体圧
室28から環状吹出し溝29に開通する径方向の切欠溝
30が円周方向の複数箇所に設けられている。前記環状
吹出し溝29、切欠溝30、流体圧室28、および流体
供給路25等でエアシール装置31が構成される。
【0027】上記構成の動作を説明する。回転軸1の停
止中は、図4のようにスライド部材21を下降位置と
し、そのリップ部21aを回転軸1に接触させて密封す
る。このように接触シールとすることにより、オイル漏
れや塵埃の侵入が確実に防止される。回転時は、図5の
ように供給用リング部材23から圧縮空気を供給し、ス
ライド部材21を上方に移動させる。これにより、リッ
プ部21aがリップ部撓みガイド27のテーパ面で押さ
れて外側へ撓められ、回転軸1から開放される。また、
開放用に供給された圧縮空気は、流体圧室28を経て切
欠溝30を通り、環状吹出し溝29から回転軸1と密封
装置本体22との間の隙間に噴出される。これにより非
接触のエアシールが得られ、油の漏れ等が防止される。
スライド部材21は、供給用リング部材23からの空気
供給を止め、復帰用リング部材24の流体供給路26か
ら圧縮空気を供給することで、図4の下降位置に復帰す
る。
【0028】この密封装置20によると、このように圧
縮空気の供給により、自在にスライド部材21を回転軸
1に接触させたり離したりすることができ、停止時のシ
ール性確保と、回転時のトルク損失および発熱が防止で
きる。また、スライド部21aの内径側にリップ21a
が一体に突出したスライド部材21を用い、また撓み付
与用のリップ部撓みガイド27はこの内径側に突出した
リップ21aに当てるので、従来のオイルシールを撓ま
せるものに比べて軸方向移動距離が短くて済み、また移
動する部品の軸方向長さも短くできて、全体がコンパク
トに構成できる。さらに、スライド部材21の外周の摺
動面に滑るゴム等の摩擦係数が小さくかつシール性を有
する材料を用いることにより、摺動性が良好となって動
作が円滑となり、しかもOリング等の部品が省略できて
部品点数が削減され、これによっても構成が簡単となっ
てコスト低下が図れる。スライド部材21が内蔵エアシ
リンダ形式の流体圧アクチュエータ34のピストンを構
成することからも、コンパクトで簡単な構成となる。ま
た、この構成の密封装置20も、各構成部品を密封装置
本体22内に収容して一つにまとめることができ、ユニ
ット化できる。そのため、各種機器への装備が簡単に行
える。
【0029】なお、図4,5の実施例では復帰手段とし
て圧縮空気の流体供給路26を設けたが、図6のように
ばね部材等の復帰用弾性体32を設けても良い。復帰用
リング部材24には環状溝24aから外部へ開通する通
気孔33を設ける。この場合、供給用リング部材23か
らの空気供給を止めると、復帰用弾性体32の付勢によ
りスライド部材24が下降位置(軸接触位置)に復帰す
る。
【0030】図7および図8は、この発明のさらに他の
実施例を示す。この例も前記各実施例と同様にマシニン
グセンタ等の工作機械における主軸頭の先端部に適用し
たものである。回転軸1は、下端に工具が装着される立
型の主軸であり、軸受2を介してハウジング3に支持さ
れている。前記ハウジング3の下面にこの密封装置40
が設けられる。
【0031】この例の密封装置40は、一対のリング状
シール部材41,41をリング部材42の上下両面に配
置し、両側から蓋部品43,43で固定したものであ
る。前記リング部材42と蓋部材43,43とで密封装
置本体44が構成される。各シール部材41,41は、
金属板等の基板41bの内径側に、ゴムまたは合成樹脂
等の弾性体からなるリング状のリップ部41aを取付け
たものである。リップ部41aは、外径側部分が2重に
形成され、その二重部分に基板41bを挟み込んで基板
41bに取付けられる。
【0032】リング部材42は、内径面が回転軸1の外
径面に僅かな隙間で遊嵌するシール用遊嵌面42bとな
り、この遊嵌面42bに環状吹出し溝45が形成され
る。環状吹出し溝45には、リング部材42の外径面か
ら流体供給路46が開通しており、これら供給路46と
環状吹出し溝45とでエアシール装置47が構成され
る。リング部材42の内径縁部は、両面が内径側へ厚肉
となるテーパ面42aに形成され、各シール部材41,
41のリップ部41b,41bは、予め前記テーパ面4
2aに沿うように互いに離れる方向に傾斜して成形され
ている。
【0033】この構成の動作を説明する。回転軸1の停
止中は、図8に実線で示すように、シール部品41のリ
ップ部41aを回転軸1に接触させて密封する。このよ
うに接触シールとすることにより、オイル漏れや塵埃の
侵入が確実に防止される。回転時は、図8に鎖線で示す
ようにリング部材42の流体供給路46から圧縮空気を
供給し、その空気圧でリップ部41aを押し広げること
より、リップ部41aを開放して離れ状態とする。ま
た、流体供給路46から供給された空気は、環状吹出し
溝45に入り、シール用遊嵌面42bと回転軸1の間の
隙間に軸方向に流れてシール性を確保する。この構成の
場合は、スライド動作部が無くてコンパクトな構成とな
り、しかも構成が簡単でコスト低下が図れる。また、こ
の構成の密封装置40も、各構成部品を密封装置本体4
4内に収容して一つにまとめることができ、ユニット化
できる。そのため、各種機器への装備が簡単に行える。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明の密封装置によると、V
字形のシールリングを密封装置本体と可動押え部材とで
挟んで開閉することにより、回転軸に対してシールリン
グを接触および開放させるようにしたため、僅かな軸方
向移動量でシールリングの接触および開放が行え、コン
パクト化が図れる。しかも、V形シールリングを用いる
ため、シール部品が安価なもので済み、コスト低下が図
れる。また、停止時はシールリングによる接触シール、
回転時はエアシールとなるため、停止時のシール性能の
向上が図れ、かつ高速回転の障害とならない。
【0035】請求項2の発明の密封装置の場合は、スラ
イド部の内径側にリップ部が一体に突出したスライド部
材を用い、またリップ部撓みガイドがこの内径側に突出
したリップ部に当たるので、この場合も従来のオイルシ
ールを撓ませるものに比べて軸方向移動距離が短くて済
み、また移動する部品の軸方向長さも短くできて、全体
がコンパクトに構成できる。しかも、構成が簡単でコス
ト低下が図れる。また、停止時はリップ部による接触シ
ール、回転時はエアシールとなるため、停止時のシール
性能の向上が図れ、かつ高速回転の障害とならない。
【0036】請求項3の発明の密封装置の場合は、一対
のリング状シール部材の間にエアシール装置を設け、そ
の圧縮気体の吐出で前記両シール部材のリップ部を押し
広げて回転軸に対する接触および開放を行わせるように
したため、スライド動作部が不要でコンパクトな構成と
なり、しかも構成が簡単でコスト低下が図れる。また、
停止時はシール部材のリップ部による接触シール、回転
時はエアシールとなるため、停止時のシール性能の向上
が図れ、かつ高速回転の障害とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる回転軸の密封装置
を応用した工作機械の部分断面図である。
【図2】そのシールリング等の角度関係を示す説明図で
ある。
【図3】同密封装置の動作説明図である。
【図4】この発明の他の実施例にかかる回転軸の密封装
置を応用した工作機械の部分断面図である。
【図5】その密封装置の動作説明図である。
【図6】この発明のさらに他の実施例にかかる密封装置
の部分断面図である。
【図7】この発明のさらに他の実施例にかかる回転軸の
密封装置を適用した工作機械の部分断面図である。
【図8】同密封装置の一部を拡大して示す動作説明図で
ある。
【図9】従来例の断面図である。
【図10】他の従来例の断面図である。
【符号の説明】
1…回転軸、2…軸受、3…ハウジング、5…密封装
置、6…密封装置本体、7…シールリング、8…可動押
え部材、8a…ピストン部、8b…環状凹部、9…流体
圧室、10…押圧ばね、11…エアシール装置、12a
…環状突部、15…流体供給路、16…分岐流体圧導入
路、17…環状吹出し溝、18…流体圧アクチュエー
タ、19…Vリング変形機構、20…密封装置、21…
スライド部材、21a…リップ部、21b…スライド
部、22…密封装置本体、25…流体供給路、26…復
帰用の流体供給路、27…リップ部撓みガイド、28…
流体圧室、31…エアシール装置、32…復帰用ばね、
34…流体圧アクチュエータ、40…密封装置、41…
リング状シール部材、41a…リップ部、44…密封装
置本体、46…流体供給路、47…エアシール装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を貫通させた密封装置本体と、こ
    の密封装置本体内で回転軸の外周に設けられて断面の変
    形により前記回転軸の外径面に接触および離間可能なV
    形断面の弾性体のシールリングと、このシールリングを
    前記密封装置本体とで軸方向に挟み付けて前記V形断面
    を開閉方向に変形させる可動押え部材と、この可動押え
    部材を軸方向移動させる流体圧アクチュエータと、前記
    密封装置本体と前記回転軸との間の隙間に圧縮気体を吐
    出するエアシール装置とを備えた回転軸の密封装置。
  2. 【請求項2】 回転軸の外径面に接触する弾性体のリッ
    プ部をスライド部の内径側に一体に突設したリング状の
    スライド部材と、このスライド部材を軸方向移動自在に
    支持するガイド面を有し前記回転軸を貫通させた密封装
    置本体と、前記スライド部材を軸方向移動させる流体圧
    アクチュエータと、前記密封装置本体に設けられて前記
    スライド部材の移動に伴い前記リップ部を撓ませるリッ
    プ部撓みガイドと、前記密封装置本体と前記回転軸との
    間の隙間に圧縮気体を吐出するエアシール装置とを備え
    た回転軸の密封装置。
  3. 【請求項3】 互いに軸方向に離れて設けられて各々回
    転軸の外径面に接触する弾性体のリップ部を内径部に有
    しこれらリップ部が互いの離れ方向へ撓み可能な一対の
    リング状シール部材と、これらシール部材を保持しかつ
    両シール部材の間に、前記回転軸の外径面に対して僅か
    な隙間で遊嵌するシール用遊嵌面を有する密封装置本体
    と、このシール用遊嵌面に開通して前記隙間に圧縮気体
    を吐出するエアシール装置とを備えた回転軸の密封装
    置。
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