JP2006029502A - メカニカルシール - Google Patents
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Abstract
【課題】 メカニカルシールのシールリングが機内空間のゲージ圧により変形して、その先端の環状摺動面がシールプレートに偏当たりするのを防止する。
【解決手段】 ハウジング10に気密に固定したシールプレート12の内側摺動面12aに、ハウジング10とともに回転するシールリング20の先端の環状摺動面20eを当接して密封摺動部Cを形成する。シールリング20の前半部には、環状摺動面の内周縁よりも内側に回転軸15の外周面に接近する内周面21aを有する環状の内側補強部21を一体的に形成し、内側補強部の前端部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側となる部分に切欠き部21bを形成する。回転軸の先端部17は大径部17aと小径部17bよりなり、大径部の外周面とシールリングの内周面の間にOリング22を設け、内側補強部は小径部の軸線方向範囲に形成するのがよい。
【選択図】 図1
【解決手段】 ハウジング10に気密に固定したシールプレート12の内側摺動面12aに、ハウジング10とともに回転するシールリング20の先端の環状摺動面20eを当接して密封摺動部Cを形成する。シールリング20の前半部には、環状摺動面の内周縁よりも内側に回転軸15の外周面に接近する内周面21aを有する環状の内側補強部21を一体的に形成し、内側補強部の前端部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側となる部分に切欠き部21bを形成する。回転軸の先端部17は大径部17aと小径部17bよりなり、大径部の外周面とシールリングの内周面の間にOリング22を設け、内側補強部は小径部の軸線方向範囲に形成するのがよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ヒートポンプなどの冷凍サイクルにおいて冷媒ガスを圧縮するガス圧縮機の回転軸などを軸封するのに適したメカニカルシールに関する。
この種のメカニカルシールとしては、例えば特開2000−193099号公報(特許文献1)に開示された技術がある。これは、図4に示すように、冷媒ガスを圧縮するガス圧縮機などのハウジング1にOリング2aを介して気密に固定されたシールプレート2と、このシールプレート2を同軸的に通り抜ける回転軸3に同軸的かつ気密に取り付けられて前部の突出部5bの先端の環状摺動面5cがシールプレート2の内側摺動面に摺動可能に押圧されるシールリング5よりなるものである。回転軸3は本体部3aとその一端に形成した大径部3b及び小径部3cからなる先端部よりなるものであり、シールリング5は、内周の後部に形成した段部と大径部3bの間にOリング6を介装して回転軸3に対し気密かつ軸線方向相対移動可能に設けられ、また外周の後部に設けた複数の半径方向突出部5aを、回転軸3に固着された回転側保持器4の外周の円筒部4aに形成した軸線方向切込み4bに摺動可能に差し込んで、回転軸3とともに回転するように組み付けられている。Oリング6の後側に当接されたスプリング受金具7aと回転側保持器4の間に介装したスプリング7により、シールリング5の環状摺動面5cはシールプレート2の内側摺動面に押圧され、またこれにより回転側保持器4は回転軸3の本体部3aと大径部3bの間に形成されたテーパ面3dに押圧固着されている。
回転軸3の大径部3bの外径は、環状摺動面5cの外周縁の径よりは大きく内周縁の径よりは小さくなっている。従って、シールリング5がシールプレート2に向けて付勢される力は、図4に示す幅A(=環状摺動面5cの外周縁の半径−大径部3bの半径)の部分の環状面積と機内空間R1のゲージ圧(=機内空間R1内の圧力−外部空間R0の圧力)の積と、スプリング7による押圧力の和である。環状摺動面5cの幅Bは、環状摺動面5cの面圧が過大となって摩耗や発熱が過大とならないように、また過小となって漏れが生じないように設定されている。
機内空間R1のゲージ圧は、メカニカルシールが適用される圧縮機の圧縮比が一定である場合には、作動環境温度及び圧縮される冷媒ガスの特性の影響を受け、作動環境温度が低下すれば減少し、冷媒ガスとして沸点が低い低圧縮比冷媒を使用すれば増大するので、シールリング5がシールプレート2に向けて付勢される力のうち機内空間R1のゲージ圧による部分も、同様に作動環境温度と冷媒ガスの特性の影響を受ける。従って、環状摺動面5cの面圧が過大あるいは過小になるのを防ぐには、幅Aの部分の環状面積を減少させてスプリング7による押圧力を増大させればよい。このようなメカニカルシールはいわゆるバランス型メカニカルシールと呼ばれており、環状摺動面5cの内周縁と回転軸3の小径部3cの外周面との間には相当大きい隙間が設けられているのが普通である。
特開2000−193099号公報(段落〔0003〕、図4)。
図4に示す従来技術では、シールリング5の内周と回転軸3の大径部3bの間に介装されるOリング6はシールリング5の後部に設けられているので、シールリング5の前部には機内空間R1のゲージ圧により矢印Yに示すような内向きに縮めようとする力が加わり、一方シールリング5の前部には先端に環状摺動面5cを形成する半径方向幅の狭い突出部5bが形成されているので、内向きに縮めようとする力に対する剛性が必ずしも充分ではない。このためにシールリング5の前部は、突出部5bの先端の径が縮められように変形されて環状摺動面5cが浅い漏斗状に変形し、シールプレート2の内側摺動面に偏当たりしてこの密封摺動部からの漏れが増大したり偏摩耗を生じたりするおそれがある。このような問題は、冷媒ガスとして低圧縮比冷媒を使用して機内空間のゲージ圧が増大した場合に特に問題となりやすい。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
このために、本発明によるメカニカルシールは、ハウジングに気密に設けた静止側摺動環と、ハウジングに回転自在に支持されて静止側摺動環を同軸的に通り抜ける回転軸のハウジング内に位置する部分に同回転軸とともに回転するように同軸的かつ気密に後部が支持されて軸線方向前端に静止側摺動環の内側摺動面と摺動可能に当接されてハウジングの内外を気密に分離する環状摺動面が形成された回転側摺動環を備えてなり、環状摺動面の内周縁と回転軸の外周面との間に隙間が設けられているメカニカルシールにおいて、回転側摺動環の前半部には環状摺動面の内周縁よりも内側に静止側摺動環を通る回転軸の外周面に接近する内周面を有する環状の内側補強部を一体的に形成し、内側補強部の前端部には環状摺動面の内周縁よりも内側となる部分に切欠き部を形成したことを特徴とするものである。
前項に記載のメカニカルシールにおいて、静止側摺動環はハウジングに気密に固定され、回転側摺動環は回転軸に相対回転が拘束されて軸線方向相対移動可能に設けられ、さらに回転側摺動環の後部の内周面と回転軸の外周面の間に設けられ両周面に気密に当接されて回転側摺動環と回転軸の間を軸線方向相対移動可能にシールする軸側パッキンと、回転側摺動環の後部と回転軸側との間に介装されて同回転側摺動環の環状摺動面を静止側摺動環の内側摺動面に弾性的に付勢するスプリングを備えたものとすることが好ましい。
前項に記載のメカニカルシールにおいて、回転軸はその先端部が軸線方向後側の大径部と軸線方向前側の小径部よりなり、軸側パッキンは大径部の外周面と回転側摺動環の内周面の間に設けられ、内側補強部は小径部の軸線方向範囲に形成することが好ましい。
請求項1に記載の発明によれば、回転側摺動環の前半部には環状摺動面の内周縁よりも内側に静止側摺動環を通る回転軸の外周面に接近する内周面を有する環状の内側補強部を一体的に形成したので、回転側摺動環の前半部にはこの内側補強部が加わった分だけ内向きの変形に対する剛性は増大し、外側から加わる圧力により回転側摺動環の前部が内向きに変形されてその先端の環状摺動面が変形することもなくなる。従って環状摺動面が静止側摺動環の内側摺動面に偏当たりすることもなくなり、回転側摺動環と静止側摺動環の間の密封摺動部からの漏れが増大したり、この密封摺動部に偏摩耗を生じたりすることはなくなる。また、内側補強部の前端部には環状摺動面の内周縁よりも内側となる部分に切欠き部を形成したので、回転側摺動環と静止側摺動環の間の密封摺動部の面積が変化して密封作用に影響を与えることもない。
静止側摺動環はハウジングに気密に固定され、回転側摺動環は回転軸に相対回転が拘束されて軸線方向相対移動可能に設けられ、さらに回転側摺動環の後部の内周面と回転軸の外周面の間に設けられ両周面に気密に当接されて回転側摺動環と回転軸の間を軸線方向相対移動可能にシールする軸側パッキンと、回転側摺動環の後部と回転軸側との間に介装されて同回転側摺動環の環状摺動面を静止側摺動環の内側摺動面に弾性的に付勢するスプリングを備えたものとした請求項2の発明によれば、軸側パッキンによる摺動可能な密封構造とスプリングによる弾性的付勢構造を回転側摺動環の後部と回転軸との間に設けたので、密封摺動部及び弾性的付勢部の構造を小形かつコンパクト化することができる。
回転軸はその先端部が軸線方向後側の大径部と軸線方向前側の小径部よりなり、軸側パッキンは大径部の外周面と回転側摺動環の内周面の間に設けられ、内側補強部は小径部の軸線方向範囲に形成した請求項3の発明によれば、環状摺動面の外周縁の半径と大径部の半径を調整することによりハウジング内のゲージ圧が高い場合でも密封摺動部の面圧を適当な範囲に保つことができ、しかも小径部の径を調整することにより、回転側摺動環に必要かつ充分な大きさの内側補強部を形成することができる。
以下に、図1により、本発明によるメカニカルシールの実施形態の説明をする。この実施形態のメカニカルシールは、冷媒ガスを圧縮するガス圧縮機などのハウジング10に気密に固定されたシールプレート(静止側摺動環)12と、このシールプレート12を同軸的に通り抜ける回転軸15に同軸的かつ気密に取り付けられて前部の突出部20cの先端の環状摺動面20eがシールプレート12の内側摺動面12aに摺動可能に押圧されるシールリング(回転側摺動環)20よりなるものである。
ハウジング10に形成された円形の開口11には、奥側に内向きに突出する環状突起11aが形成され、入り口側に環状溝11bが形成されている。シールプレート12は耐摩耗性のよい高炭素クロム軸受鋼またはセラミックスなどからなる円盤状で、外周には環状溝12bが形成され、中心には回転軸15を通す孔が形成されている。環状溝12bにOリング(静止側パッキン)13を装着したシールプレート12は、外側から開口11内に挿入して環状突起11aに当接され、環状溝11bに止め輪14をはめ込むことにより、ハウジング10に液密に固定される。
回転軸15は、本体部16と先端部17よりなり、先端部17は軸線方向後側(本体部16側)の大径部17aと先端側の小径部17bよりなるものである。回転軸15は軸受(図示省略)を介して回転自在にハウジング10に支持され、小径部17bはシールプレート12の中心の孔を通して外部に突出されている。本体部16と大径部17aの間には、次に述べる回転側保持器19の板厚と同程度の段差を有する段部18が形成され、この段部18は直径方向に対向する2箇所に互いに平行な1対の平面部18aが形成された二面取り形状となっている。
回転側保持器19は板金成形品で、円板部19aとその外周縁から軸線方向に延びる円筒部19bよりなり、円筒部19bには円周方向に等角度間隔で複数(例えば3個)の一定幅の切込み19dが形成されている。円板部19aの中心には、回転軸15の段部18の二面取り形状と同じ寸法形状の二面取り穴19cが形成され、回転側保持器19は円筒部19bが小径部17b側を向くように配置して二面取り穴19cを段部18に嵌合させることにより、回転軸15とともに回転するように係合される。
シールリング20は耐ブリスタ性のよい焼成カーボン製で、全体として円筒状である。シールリング20の後部の外周面20aの外径は回転側保持器19の円筒部19bの内径よりも多少小径であり、この外周面20aには回転側保持器19の各切込み19dと軸線方向に摺動自在に係合可能な複数(例えば3個)の半径方向突出部20bが形成されている。シールリング20の後部の内周面20dは回転軸15の先端部17の大径部17aより多少大径で、その後半部にはさらに大径で後側が解放された内側段部20d1が形成されている。シールリング20の前部には前方に突出する環状の突出部20cが形成され、その前端面により環状摺動面20eが形成されている。図4で述べた従来技術と同様、環状摺動面20eの外周縁の径は大径部17aの外径よりも大であり、環状摺動面20eの内周縁の径は大径部17aの外径よりも小であり、環状摺動面20eの内周縁とシールプレート12の中心の孔を通る回転軸15の先端部17の小径部17bの外周面との間には相当大きい隙間が設けられている。
回転軸15の先端部17の小径部17bの軸線方向範囲内となるシールリング20の前半部には、環状摺動面20eの内周縁よりも半径方向内側に、シールプレート12を通る回転軸15の小径部17bの外周面に接近する内周面21aを有する環状の内側補強部21が一体的に形成されている。この内側補強部21の前端部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側となる部分に段状の切欠き部21bが形成されている。
シールリング20は、内側補強部21の内周面21a内に小径部17bを隙間をおいて挿入し、後部の内周面20d内に大径部17aを隙間をおいて挿入し、また回転側保持器19の切込み19d内に外周面20aの半径方向突出部20bを摺動自在に係合することことにより、回転軸15に相対回転が拘束されて軸線方向相対移動可能に取り付けられる。回転軸15とシールリング20の間は、シールリング20の後部の内周面20dに形成した内側段部20d1と大径部17aの外周面の間に介装したOリング(軸側パッキン)22により、軸線方向相対移動可能にシールされる。またOリング22の後側に当接されたスプリング受金具23と回転側保持器19の円板部19aの間に介装したスプリング24により、シールリング20の先端の環状摺動面20eはシールプレート12の内側摺動面12aに押圧されて、ハウジング10の機内空間R1と外部空間R0とをシールする密封摺動部Cが形成される。また回転側保持器19の円板部19aはスプリング24により本体部16側に押圧されて段部18に係止される。
上述した実施形態では、回転軸15とシールリング20の間をシールするOリング22はシールリング20の後端よりも前側に位置しており、従ってOリング22より後側ではシールリング20に外側から半径方向内向きに加わるゲージ圧は内側から半径方向外向きに加わるゲージ圧により相殺されるのに対し、Oリング22より前側では半径方向内向きに加わるゲージ圧が内側から半径方向外向きに加わる圧力により相殺されることはないので、環状摺動面20eが形成されるシールリング20の前部には矢印Xに示すような内向きに縮めようとする力が加わる。しかしながら上述した実施形態では、シールリング20の前半部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側にシールプレート12を通る回転軸15の外周面の一部に接近する内周面21aを有する環状の内側補強部21が一体的に形成されており、図4に示す従来技術に比してこの内側補強部21が加わった分だけ、シールリング20の前半部は内向きの変形に対する剛性が増大する。従って矢印Xに示す内向きに縮めようとする力によるシールリング20の前部の内向きの変形及びその先端の環状摺動面20eの変形が減少するので、環状摺動面20eがシールプレート12の内側摺動面12aに偏当たりすることも減少し、シールリング20とシールプレート12の間の密封摺動部Cからの漏れが増大したり、この密封摺動部Cに偏摩耗を生じたりすることはなくなる。また、内側補強部21の前端部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側となる部分に切欠き部21bを形成したので環状摺動面20eに加わる面圧は同一であり、シールリング20とシールプレート12の間の密封摺動部Cの密封作用が変わることはない。
上述した実施形態では、シールプレート12はハウジング10に気密に固定し、シールリング20は回転軸15に相対回転が拘束されて軸線方向相対移動可能に設けられ、シールリング20と回転軸15の間はシールリング20の後部の内周面と回転軸15の外周面の間に設けたOリング22により軸線方向相対移動可能にシールし、またシールリング20の後部と回転軸15に設けた回転側保持器19との間に介装したスプリング24によりシールリング20の環状摺動面20eをシールプレート12の内側摺動面12aに弾性的に付勢しており、このようにすればシールプレート12とシールリング20を互いに押圧するための軸線方向相対移動可能なシール構造及び弾性的に付勢する構造を比較的径の小さい回転軸15とシールリング20の間に設けることができ、これによりこれらの構造を小形かつコンパクトにまとめることができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、上述した軸線方向相対移動可能なシール構造及び弾性的に付勢する構造をハウジング10とシールプレート12の間に設けるようにして実施することも可能である。
なお上述した実施形態では、シールリング20の環状摺動面20eをシールプレート12の内側摺動面12aに押圧するスプリング24は、Oリング22の後側に当接されたスプリング受金具23と回転側保持器19の円板部19aの間に介装しており、このようにすればこのスプリング24の取り付け構造をコンパクトにまとめることができる。しかし本発明はこれに限られるものではなく、このスプリングはシールリング20と回転側保持器19の円板部19aの間に直接介装するようにしてもよい。その場合は、Oリング22は内側段部20d1の代わりに内周面20dに形成した環状溝内に設けるようにすればよい。
上述した実施形態では、回転軸15の先端部17は軸線方向後側の大径部17aと軸線方向前側の小径部17bよりなるものとし、軸側パッキン22は大径部17aの外周面とシールリング20の内周面の間に設け、内側補強部21は小径部17bの軸線方向範囲に形成しており、このようにすれば、冷媒ガスとして低圧縮比冷媒を使用して機内空間のゲージ圧が増大し、環境温度の変化によるゲージ圧の変動幅が増大した場合でも、環状摺動面20eの外周縁の半径と大径部17aの半径の差である幅Aと環状摺動面20eの幅Bを調整することにより、密封摺動部Cの面圧を適当な範囲に保つことができる。また回転軸15の小径部17bの径を調整することにより、シールリング20に必要かつ充分な大きさの内側補強部21を形成することができる。
次に図2及び図3によりシールリング20の内側補強部21の変形例の説明をする。図1の実施形態の内側補強部21は、シールリング20の前半部で環状摺動面20eの内周縁よりも半径方向内側に設けられ、シールプレート12を通る回転軸15の小径部17bの外周面に接近する内周面21aを有する環状で、前端部には環状摺動面20eの内周縁よりも内側となる部分に段状の切欠き部21bが形成されたものであるが、図2及び図3に示す各変形例の内側補強部21A,21Bは、前端部に形成される切欠き部21bを除いて、第1実施形態の内側補強部21と同じである。図2に示す第1変形例の内側補強部21Aの切欠き部21A1は、図1に示す実施形態の切欠き部21bと同じく段状であるが、軸線方向の幅が切欠き部21bよりも小さくなっている点だけが相違している。また図3に示す第2変形例の内側補強部21Bの切欠き部21B1は、段状ではなく漏斗状に形成した点だけが相違している。何れの場合も切欠き部21A1,21B1の容積は切欠き部21bの容積より小さくなっており、その分だけ内側補強部21A,21Bの容積が増大するので、内側補強部21A,21Bによるシールリング20の前部の内向きの変形に対する剛性が増大し、従って矢印Xに示す内向きの力によるシールリング20の前部の内向きの変形及びその先端の環状摺動面20eの変形は一層減少し、シールリング20とシールプレート12の間の密封摺動部Cからの漏れ及び密封摺動部Cの偏摩耗は一層減少する。
10…ハウジング、12…静止側摺動環(シールプレート)、12a…内側摺動面、15…回転軸、17…先端部、17a…大径部、17b…小径部、20…回転側摺動環(シールリング)、20d…内周面、20e…環状摺動面、21,21A,21B…内側補強部、21b,21A1,21B1…切欠き部、22…軸側パッキン(Oリング)、24…スプリング。
Claims (3)
- ハウジングに気密に設けた静止側摺動環と、前記ハウジングに回転自在に支持されて前記静止側摺動環を同軸的に通り抜ける回転軸の前記ハウジング内に位置する部分に同回転軸とともに回転するように同軸的かつ気密に後部が支持されて軸線方向前端に前記静止側摺動環の内側摺動面と摺動可能に当接されて前記ハウジングの内外を気密に分離する環状摺動面が形成された回転側摺動環を備えてなり、前記環状摺動面の内周縁と前記回転軸の外周面との間に隙間が設けられているメカニカルシールにおいて、前記回転側摺動環の前半部には前記環状摺動面の内周縁よりも内側に前記静止側摺動環を通る前記回転軸の外周面に接近する内周面を有する環状の内側補強部を一体的に形成し、前記内側補強部の前端部には前記環状摺動面の内周縁よりも内側となる部分に切欠き部を形成したことを特徴とするメカニカルシール。
- 請求項1に記載のメカニカルシールにおいて、前記静止側摺動環は前記ハウジングに気密に固定され、前記回転側摺動環は前記回転軸に相対回転が拘束されて軸線方向相対移動可能に設けられ、さらに前記回転側摺動環の後部の内周面と前記回転軸の外周面の間に設けられ両周面に気密に当接されて前記回転側摺動環と回転軸の間を軸線方向相対移動可能にシールする軸側パッキンと、前記回転側摺動環の後部と前記回転軸側との間に介装されて同回転側摺動環の環状摺動面を前記静止側摺動環の内側摺動面に弾性的に付勢するスプリングを備えたことを特徴とするメカニカルシール。
- 請求項2に記載のメカニカルシールにおいて、前記回転軸はその先端部が軸線方向後側の大径部と軸線方向前側の小径部よりなり、前記軸側パッキンは前記大径部の外周面と前記回転側摺動環の内周面の間に設けられ、前記内側補強部は前記小径部の軸線方向範囲に形成したことを特徴とするメカニカルシール。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070621 |
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