JPH07238090A - Sna−60−367類 - Google Patents

Sna−60−367類

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JPH07238090A
JPH07238090A JP6051228A JP5122894A JPH07238090A JP H07238090 A JPH07238090 A JP H07238090A JP 6051228 A JP6051228 A JP 6051228A JP 5122894 A JP5122894 A JP 5122894A JP H07238090 A JPH07238090 A JP H07238090A
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JP
Japan
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sna
amino acid
valine
acid
acceptable salt
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Application number
JP6051228A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kimura
賢一 木村
Masaji Nakayama
正次 中山
Junji Nakamura
純二 中村
Kazuhiko Kurosawa
和彦 黒澤
Takeko Takada
健子 高田
Makoto Yoshihama
誠 吉浜
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07238090A publication Critical patent/JPH07238090A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規抗生物質SNA−60−367類の提
供。 【構成】 下記構造式(I)で表されるSNA−60−
367類またはその薬学的に許容される塩。ストレプト
ミセス属に属する菌株の培養上清及び菌体から単離する
ことができる。SNA−60−367類はアロマターゼ
阻害活性を示し、この活性を利用して乳癌、子宮内膜
症、子宮体癌、卵巣癌等ホルモン依存性疾患治療剤とす
ることができる。 【化1】 (式中:X1はアラニン、バリン、アミノ酪酸又はアミノ
イソ酪酸から選択され、X2はイソロイシン又はバリンか
ら選択され、 R=Cn 2n+1又はCn 2n+1Oで表され
るアルキル基又はアルコキシル基から選択され、nは1
0〜20までの数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なSNA−60−
367類、それを産生する新規微生物、SNA−60−
367類の製造方法、及びSNA−60−367類を有
効成分として含むアロマターゼ阻害剤及び乳癌、子宮内
膜症、子宮体癌、卵巣癌等のホルモン依存性疾患治療剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】アロマターゼは、男性ホルモン(テスト
ステロン、アンドロステンジオン)を基質として、女性
ホルモンのエストラジオールまたはエストロンを生成す
るチトクロームP−450系の酵素である。一方、女性
に特異的な女性ホルモン依存性の乳癌を代表とする疾患
があり、これらは卵巣摘出により周期性エストロゲン増
加を喪失させることで外科的に治療が試みられている。
しかし、更年期以降などでは、外科的に血中エストロゲ
ン量を低下させることは困難であり、かつ女性の生理機
能を根本的に損なうことがない内科的治療が求められて
いる。そこで、アロマターゼを特異的に阻害することに
より、全身的にエストロゲン産生量を低下させ、癌組織
へのホルモン移行量を低下させることで癌細胞の増殖を
抑え治療を行うことができる。また、ある種の乳癌細胞
にアロマターゼ活性が検出されたことから、アロマター
ゼ阻害剤が癌細胞のアロマターゼによるオートクライン
増殖機構の遮断を介してより直接的に抗癌作用を発揮さ
せることができる。実際、非ステロイド系のアロマター
ゼ阻害剤として乳癌の治療にアミノグルテチミドが用い
られているが、副腎のステロイドホルモン産生も抑制さ
れるため、めまい、運動失調、皮疹等が知られている。
双環性のイミダゾールであるCGS16949Aも臨床
試験が行われており、これらはアロマターゼがチトクロ
ームP−450の一種であることから考案されている化
合物である。一方、基質の類似体のステロイド系アロマ
ターゼ阻害剤として4−ヒドロキシアンドロステンジオ
ン等が市販されているが、その効果並びに副作用の面か
ら治療薬としてはいまだ満足のいくものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、現在用い
られているアロマターゼ阻害剤はその効果並びに副作用
の面において問題を抱えており、これらに代わる新しい
治療剤の開発が望まれていた。本発明は、効果及び副作
用の面において優れた新規なアロマターゼ阻害活性をも
つ新規化合物を提供することを課題とする。また、本発
明は、この新規化合物の製造法を提供することを課題と
する。また、本発明は、この新規化合物を産生する微生
物を提供することを課題とする。さらに本発明は、この
新規化合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤、臨床
的には、ホルモン依存性疾患治療剤を提供することを課
題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
状況に鑑み、これまでの薬剤とは異なる構造のアロマタ
ーゼ阻害物質を広く微生物代謝産物に求めて鋭意探索
し、新規のアロマターゼ阻害物質SNA−60−367
類群を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】放線菌培養物等天然から得られるアロマタ
ーゼ阻害物質は、合成で得られるアロマターゼ阻害物質
にくらべて、これらの物質には認められないユニ−クで
複雑な構造が期待でき、特異的な活性や体内での吸収、
排泄、安定性、副作用軽減等でこれまでになかった有利
な点が望み得る。特に、SNA−60−367類は、こ
れまでのアロマターゼ阻害物質では知られていないペプ
チド系の新規抗生物質である。類縁化合物として既にホ
スホリパーゼ阻害物質として報告されたプリパスタチン
1 、A2 、B 1、B2 の4種が知られているが(The
Journal of Antibiotics(ザ・ジャーナル・オブ・アン
ティビオテクス)、39巻、737〜761ページ、1
986年)、それらとは脂肪酸の構造、あるいはアミノ
酸の組成の面で異なっている。
【0006】
【化2】
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】本発明者らは、アロマターゼ阻害物質を微
生物の代謝産物から得ようとして微生物について探索し
たところ、宮城県仙台市の土壌から分離された放線の培
養菌体及び培養上清中にアロマターゼ阻害作用があるこ
とを見出し、このなかからアロマターゼ阻害物質を得る
ことができた。さらに、詳細に説明すると、本発明者ら
は、宮城県仙台市の地表から約1cmの土壌を採取し、
飽和湿度状態で風乾し、60℃で加熱し、滅菌水を加
え、超音波処理を行って微生物を抽出した。そしてこの
抽出液を分離用培地に塗布し、培養を行って前記微生物
を単離採取した。本発明のアロマターゼ阻害物質SNA
−60−367類を生産する菌株SNA−60−367
株は下記のような菌学的性質を有する。
【0011】1)形態上の性質 栄養菌糸は各種培地でよく発達し、断裂は観察されな
い。気菌糸は、スターチ寒天培地、イースト・麦芽寒天
培地およびオートミール寒天培地で豊富に着生し、白色
を呈する。また、走査型電子顕微鏡による観察では、気
菌糸は直線的に伸長し、20個以上の胞子の連鎖が認め
られる。胞子は円柱状で、その表面は平滑である。菌
核、胞子のう及び遊走子は見い出されない。
【0012】2)各種培地上の生育状態 以下に示す色記号は、JIS Z8721準拠標準色票
(財団法人日本規格協会)に従った。シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育 :良好、白色(N9.5) 裏面 :灰味白色(N9) 気菌糸 :貧弱に着生 可溶性色素:生産しないグルコース・アスパラギン寒天培地 生育 :良好、灰味白色(N9) 裏面 :明るい茶色(10R3/4 気菌糸 :中程度 可溶性色素:黒褐色(弱い)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育 :良好、白色(N9.5) 裏面 :黄味灰色(2.5Y9/4) 気菌糸 :貧弱 可溶性色素:生産しないスターチ寒天培地 生育 :極めて良好、白色(N9.5) 裏面 :暗い茶色(5YR3/2) 気菌糸 :豊富 可溶性色素:生産しないチロシン寒天培地 生育 :良好、白色(N9.5) 裏面 :明るい茶色(7.5YR4/6) 気菌糸 :中程度 可溶性色素:生産しない栄養寒天培地 生育 :良好、白色(N9.5) 裏面 :黄味灰色(2.5Y9/4) 気菌糸 :中程度 可溶性色素:生産しないイースト・麦芽寒天培地 生育 :極めて良好、白色(N9.5) 裏面 :明るい茶色(10R4/6) 気菌糸 :豊富 可溶性色素:黒褐色オートミール寒天培地 生育 :極めて良好、灰色白色(N9) 裏面 :明るい茶色(5YR4/6) 気菌糸 :豊富 可溶性色素:生産しないペプトン・イースト・鉄寒天培地 生育 :良好、白色(N9.5) 裏面 :暗い茶色(5YR2/3) 気菌糸 :中程度 可溶性色素:黒褐色
【0013】3)各種炭素源の利用性 強く利用する:アラビノース、グルコース、フラクトー
ス、マンニット 利用する:キシロース、サリシン、ガラクトース 利用するか否か疑わしい:シュクロース、イノシトー
ル、ラムノース、ラフィノース
【0014】4)生育に及ぼす培養温度の影響 表1に生育に及ぼす培養温度の影響を表す。これより、
生育可能温度は12〜50℃で、良好な生育を認める温
度は32〜47℃であった。
【0015】
【表1】 ──────────────────────────────────── 温度(℃) 3日 7日 14日 21日 ──────────────────────────────────── 10 − − − − 12 − − − + 17 − + + + 22 + + ++ ++ 27 ++ ++ 32 ++ +++ 37 +++ 42 +++ 47 +++ 50 ++ ++ ++ ++ 52 − − − − ──────────────────────────────────── (−:非生育、+:微弱、++:普通、+++:良)
【0016】5)生理学的諸性質
【表2】 ──────────────────── ゼラチンの液化 陰性 澱粉の分解 陽性 脱脂乳の凝固 陰性 メラニン様色素の生成 陽性 ────────────────────
【0017】6)細胞壁組成 長谷川等の方法(J.Gen.Appl.Microb
iol.、29巻、319ペ−ジ、1983年)によ
り、SNA−60−367株の菌体中の2,6−ジアミ
ノピメリン酸を分析した結果、LL型であった(細胞壁
タイプI型)。
【0018】以上の性質、顕微鏡学的観察および細胞壁
組成の分析結果から、Bergeys's Manual of Systematic
Bacteriology Volume 4に基づいて探索したところ、S
NA−60−367株はストレプトミセス属に類するも
のと考えられ、ストレプトミセス・エスピー(Stre
ptomyces sp.)SNA−60−367と命
名した。本発明者らは、上述した性質を有するSNA−
60−367株を他の公知の株と区別するため、工業技
術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−
13704として寄託した。
【0019】本発明の化合物は、このようなSNA−6
0−367産生菌株をグルコース、可溶性澱粉、大豆
粉、肉エキス、乾燥酵母、無機塩等を含有するほぼ中性
の液体培地に接種し、25〜30℃で数日間震盪培養
し、培養上清及び菌体中にこれらの化合物を産生させ、
これを有機溶媒で抽出する。用いる有機溶媒は、好まし
くはメタノール、ブタノール、ジメチルスルホキシド等
が挙げられる。抽出物を吸着材クロマトグラフィー等を
用いて処理してSNA−60−367類を単離する。こ
のSNA−60−367類のそれぞれの化合物の分離は
高速液体クロマトグラフィーで行なうことができる。
【0020】本発明によるアロマターゼ阻害剤及びその
阻害活性を利用した乳癌、子宮内膜症、子宮体癌、卵巣
癌等のホルモン依存性疾患治療剤の有効成分として使用
するSNA−60−367類の分子式及び分子量を表3
に示す。
【0021】理化学的性状 1)分子式及び分子量
【表3】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 分子式 分子量 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SNA−60−367−14 C72110 1219 1447 SNA−60−367−19 C73112 1219 1461 SNA−60−367−17 C74114 1219 1475 SNA−60−367−18 C74114 1219 1475 SNA−60−367−23 C75116 1219 1489 SNA−60−367−4 C73112 1220 1477 SNA−60−367−10 C74114 1220 1491 SNA−60−367−11 C74114 1220 1491 SNA−60−367−21 ───── 1519 SNA−60−367−8 C74114 1220 1491 SNA−60−367−9 C74114 1220 1491 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (分子式:高分解能FAB−MSによる、分子量:FA
B−MSによる)
【0022】2)アミノ酸分析 各サンプルを6N HCl、105℃、24時間の条件
で加水分解後、遊離したアミノ酸を日立アミノ酸分析計
L−8500にて分析し、モル数を測定した。結果を
表4に示す。
【0023】
【表4】 この表は、スレオニンのモル数を1.00とした時の各
アミノ酸の相対モル数の実測値を示し、理論値(整数)
は括弧内に示したものである。各アミノ酸はFAB−M
Sのフラグメンテーションの質量数差によっても確認し
た。また、Aibはアミノイソ酪酸を、Abaはアミノ
酪酸を示す。
【0024】これらの化合物及びプリパスタチンの構造
式を示すと表5及び表6のとおりである。
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】3)溶解性 全ての化合物は、いずれもメタノ−ル、ジメチルスルホ
キシドに可溶、クロロホルムに不溶である。
【0027】4)物質の色及び性状 全ての化合物は、いずれも白色粉末状である。
【0028】5)高速液体クロマトグラフィー SNA−60−367類30mgを、アセトニトリル:
0.1%TFA水溶液=50:50の溶媒系と逆相カラ
ム(CAPCELL−PAK C18、20φ×250
mm、 (株)資生堂製)を用い、流速11ml/mi
n、検出220nmで分析したパターンを図1に示し
た。図中、(14)はSNA−60−367−14を、
(19)はSNA−60−367−19を示す(以下、
同様)。本発明化合物SNA−60−367類は、経口
或いは非経口投与により乳癌、子宮内膜症、子宮体癌、
卵巣癌等ホルモン依存性疾患の治療剤として供される。
【0029】本発明化合物SNA−60−367類はヒ
ト及び動物に対し、医薬として経口的及び非経口的に安
全に投与される。非経口的投与には、例えば静脈注射、
筋肉内注射、皮下注射、腹腔内注射、経皮投与、経肺投
与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経粘膜投与等が
挙げられ、これらの製剤が投与される。例えば注射剤、
坐剤、エアゾール剤、経皮吸収テープなどが挙げられ
る。又、経口投与製剤として例えば錠剤(糖衣錠、コー
ティング錠、バッカル錠を含む)、散剤、カプセル剤
(ソフトカプセルを含む)、顆粒剤(コーティングした
物も含む)、丸剤、トローチ剤、液剤、又はこれらの製
剤学的に許容され得る徐放化製剤等が挙げられる。経口
投与用液剤には懸濁剤、乳剤、シロップ剤(ドライシロ
ップを含む)、エリキシル剤などが挙げられる。これら
の製剤は公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学
的に許容され得る担体、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色
剤等と共に医薬組成物として投与される。これらの製剤
に用いる担体や賦形剤としては、例えば乳糖、ブドウ
糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯デンプン、トウモロコ
シデンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
カルシウム、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ
末など、結合剤としては例えばデンプン、トラガントゴ
ム、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなど、崩壊剤としては
例えばデンプン、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど、滑沢剤として
は例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加
植物油、マクロゴールなど、着色剤としては医薬品に添
加することが許容されているものを、それぞれ用いるこ
とができる。錠剤、顆粒剤は必要に応じ白糖、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼ
ラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸
セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレート、メチルメタクリレート、メタアクリ
ル酸重合体などで被膜しても良いし、2以上の層で被膜
しても良い。さらにエチルセルロースやゼラチンのよう
な物質のカプセルでも良い。又、注射剤を調製する場合
は、主薬に必要に応じpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、
可溶化剤等を添加して、常法により各注射剤とする。
【0030】本発明の化合物SNA−60−367類は
遊離の形で、或いは生理学的に許容され得る塩の形でこ
れらの製剤中に用いられる。そして、その投与量は、症
状の程度、患者の年齢、健康状態、体重などの条件によ
って異なるが、一般的には、成人1日当たり約10mg
〜10gを経口或いは非経口的に1日1回若しくはそれ
以上に分けて投与する。
【0031】本発明製剤の急性毒性試験におけるLD50
は、マウスに静注した場合200〜400mg/kg、
ラットに静注した場合20mg/kgであり、安全に投
与される薬剤である。
【0032】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示す。しか
し、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれら
により限定されるものではない。
【0033】製造例1:菌の分離方法 (SNA−60−367類生産菌株の単離)宮城県仙台
市の地表から約1cmの土壌を採取し、これを、飽和湿
度状態で、7日間室温風乾後、60℃、1時間加熱し
た。このようにした土壌を滅菌水で10倍に希釈して1
分間の超音波処理を行った。これを分離用培地(グルコ
ース5g/l、NaCl0.5g/l、K2 HPO
4 0.5g/l、 MgSO4・7H2O 0.5g/l、酵母エ
キス0.5g/l、L−アスパラギン0.5g/l、可
溶性澱粉5g/l、 FeSO4・7H2O 0.5g/l、寒天
15g/l、ナイスタチン50mg/l、サイクロヘキ
シミド 50mg/l、ノボビオシン 3mg/l、リ
ファンビシン5mg/l、pH7.0に調整)に塗布
し、27℃で培養を行い、生育する微生物を単離した。
この菌を同定したところ、前記した菌学的性質を示し
た。この菌株をストレプトミセス・エスピー SNA−
60−367株と命名し、工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託した(受託番号 FERM P−1370
4号)。
【0034】製造例2:SNA−60−367類の製造
方法 グルコ−ス2%、可溶性デンプン1%、大豆粉2.5
%、肉エキス0.1%、乾燥酵母0.4%、塩化ナトリ
ウム0.2%、K2HPO40.005%からなる培地をpH
8.4に調製した後、500mlの三角フラスコにそれ
ぞれ70mlずつ分注し、120℃で20分間殺菌し
た。この培地にストレプトミセス・エスピ−SNA−6
0−367株(FERM P−13704)の斜面培地
より1白金耳を接種し、27℃で3日間振盪培養(20
0rpm)を行った。これを同様の培地を含むフラスコ
100本にそれぞれ1ml接種し、27℃で5日間振盪
培養(最終pH8.4)を行った。遠心分離によって菌
体を除去し、上清4.7lを得た。菌体はアセトンで抽
出してアセトンを除いた後上清と合わせ、等量のブタノ
ールで3回抽出し、抽出物を濃縮し水と懸濁した後、さ
らに等量の酢酸エチルで3回抽出した。水層を吸着樹脂
であるMCIゲル(1.4×20cm、三菱化成工業)
に供試、水と50%メタノール水で洗浄した後、100
%メタノールで活性画分を溶出させた(2.45k
g)。これをクロロホルム:メタノール=5:1の溶液
に懸濁してシリカゲル(メルク社製Kisel gel
60,70〜230メッシュ)カラムクロマトグラフィ
ー(3.6×50cm)に付し、同じ溶媒とクロロホル
ム:メタノ−ル(1:1)各1000mlで不純物を段
階的に溶出させた後、メタノール1000mlで活性成
分を溶出させた(1.70g)。これをイソブチルアル
コール:TFA:水=120:1:160に溶解し、C
PC(遠心液液分配クロマトグラフィー)で分画して活
性画分を得た。これをpH7に調製し、メタノールにて
LH−20カラムクロマトグラフィー(3×120c
m、ファルマシア社製)によるゲルろ過を行った。最終
的に、逆相分取用カラムCAPCELL−Pak C18
(20×250mm)を用い、溶媒系アセトニトリル:
0.1%TFA=50:50、流速11ml/分の条件
の高速液体クロマトグラフィーにて各活性物質の分離を
行った。SNA−60−367−2〜23画分をそれぞ
れ濃縮し、凍結乾燥したところ高純度の白色粉末が得ら
れた。各収量を表7に示す。
【0035】
【表7】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 収量(mg) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SNA−60−367−14 7.4 19 6.8 17 12.0 18 16.3 23 15.3 4 15.1 10 8.0 11 6.6 21 7.9 8 7.4 9 3.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これらのSNA−60−367類はいずれも前記した理
化学的性質を示した。
【0036】 各成分を混合し、SNA−60−367−5を25mg
含む500mgの錠剤400個を製造した。
【0037】 各成分を混合した後圧縮成形し、粉砕、整粒して20〜
50メッシュの5%顆粒剤を製造した。
【0038】 製造例5:カプセル剤の製造 SNA−60−367−11 5g 乳糖 40g トウモロコシデンプン 50g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g ────────────────────────────── 合計 100g 各成分を良く混和し1号カプセルに充填し、300個製
造した。
【0039】 製造例6:注射剤の製造 SNA−60−367−11 ナトリウム塩 5g 精製水 100ml ────────────────────────────── 合計 5g/100ml
【0040】
【発明の効果】以下に本発明化合物の効果について示す
【0041】試験例1:アロマターゼ阻害活性 (人胎盤ミクロソームの調製法)人胎盤の膜を除き、残
りの組織を1.1% KClで洗浄して血液を除いた。
この胎盤組織を細断後5mM DTTと0.25Mシュ
クロースを含む67mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.5)中でホモゲナイズを行った。ホモゲナイズ液を
10000g、30分間遠心し上清を得た。この上清を
104000g、60分間の超遠心を行い、沈澱したミ
クロソーム画分を20mgタンパク/mlになるように
5mM DTTを含む67mMリン酸カリウム緩衝液
(pH7.5)に懸濁した。0.5mlづつ分注たもの
を−80℃に保存し、使用時に溶解して用いた。
【0042】(酵素活性阻害度の測定)基本的には E.
A. Thompson らの方法〔ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー( J.Biol.Chem.)、
49、5364(1974)〕を一部改良して行った
〔ケミカル・ファーマシューティカル・ブリテン(Ch
em.Pharm.Bull)、38、2834(19
90)〕。すなわち、100mM KCl、1mM E
DTA、10mM リン酸緩衝液 pH 7.5、0.
5mM NADPH、2μM〔1−β-3H〕アンドロス
テンジオン、被験サンプルのメタノール溶液50μl、
上記人胎盤ミクロソーム画分10μlを混合し全量60
0μlとし、37℃、30分間振盪培養した。反応後2
mlのクロロホルムを加えて40秒間攪拌し、1470
gで15分間遠心してアンドロステンジオンの芳香族化
によって生じた 3H- H2 Oを分離した。そこから0.
1mlを取り、液体シンチレーションカウンターで放射
活性を測定し、阻害剤を加えず溶媒のみで反応させた対
照との結果を比較して阻害率を求めた。表には基質(ア
ンドロステンジオン)の濃度が2μMの場合において、
各化合物100μg/mlにおける阻害率%を示した。
結果を表8に示す。
【0043】
【表8】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 阻害活性(%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SNA−60−367−14 31 19 49 17 48 18 49 23 32 4 65 10 68 11 72 21 36 8 61 9 55 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0044】試験例2:抗菌活性 SNA−60−367類を30μg/discの濃度に
て作用させた時の抗菌活性を阻止円の大きさで調べたと
ころ、Pseudomonas aeruginosa N-10 (L-form)、Pyricu
laria oryzae IFO 5994 、Botrytis cinerea IFO 5365
に弱い抗菌活性が認められた。結果を表9に示す。
【0045】
【表9】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 阻止円 (mm) 化合物 ─────────────────────────────── Pseudomonas aeruginosa Pyricularia oryzae Botrytis cinerea N-10 (L-form) IFO 5994 IFO 5365 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SNA-60-367- 14 11.9 (13.2) 13.2 19 10.9 0 13.0 17 11.7 (11.8) 11.8 18 10.5 0 11.8 23 11.2 0 + 4 12.8 (12.7) 13.0 10 12.1 (12.7) 13.3 11 12.9 (13.0) 13.1 21 12.3 (+) 12.1 8 12.8 (11.9) 11.5 9 10.6 (10.8) 10.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (+は10mm以下の阻止円を表し、括弧は部分阻止を
表す。)
【0046】以上の結果より、本発明のアロマターゼ阻
害物質SNA−60−367類は各種微生物に対する抗
菌作用が著しく弱く、特異的に高いアロマターゼ阻害活
性を示すので乳癌、子宮内膜症、子宮体癌、卵巣癌等ホ
ルモン依存性疾患治療剤の有効成分として極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】HPLCによるSNA−60−367類の分取
パターンを表す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/20 A 8828−4B 9/99 C12P 21/04 9282−4B //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 21/04 C12R 1:465) (72)発明者 黒澤 和彦 栃木県下都賀郡石橋町石橋578−15 西浦 ハイツ1−3 (72)発明者 高田 健子 栃木県宇都宮市西刑部町2540−11 (72)発明者 吉浜 誠 栃木県宇都宮市江曽島町1400−8

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中:X1はアラニン、バリン、アミノ酪酸及びアミノ
    イソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸であり、X2
    はイソロイシン又はバリンから選択されるアミノ酸であ
    り、 RはCn 2n+1で表されるアルキル基又はCn
    2n+1Oで表されるアルコキシル基である。nは10〜2
    0の整数を表す。)で表されるSNA−60−367類
    又はその生理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中X1で表されるアミノ酸
    がアラニン、バリン、アミノ酪酸、アミノイソ酪酸から
    なる群から選択されるアミノ酸であり、X2のアミノ酸
    がイソロイシンであり、RがCn 2n+1のアルキル基で
    ある、請求項1記載のSNA−60−367類。
  3. 【請求項3】 一般式(I)中X1で表されるアミノ酸
    がアミノ酪酸又はアミノイソ酪酸から選択されるアミノ
    酸であり、X2のアミノ酸がイソロイシンであり、Rが
    n 2n+1Oのアルコキシル基である、請求項1記載の
    SNA−60−367類。
  4. 【請求項4】 一般式(I)中X1で表されるアミノ酸
    がアラニン、バリン、アミノ酪酸、アミノイソ酪酸から
    なる群から選択されるアミノ酸であり、X2のアミノ酸
    がバリンであり、RがCn 2n+1で表されるアルキル基
    又はCn 2n+1Oで表されるアルコキシル基である、請
    求項1記載のSNA−60−367類。
  5. 【請求項5】nが15以上である、請求項1〜4のいず
    れかに記載のSNA−60−367類。
  6. 【請求項6】 ストレプトミセス sp.(Strep
    tomyces sp.)に属し、SNA−60−36
    7類産生性菌株を培養し、得られる培養上清と菌体を有
    機溶媒にて抽出し、得られた有機溶媒抽出液からSNA
    −60−367類又はその生理的に許容される塩を採取
    することを特徴とする請求項1記載のSNA−60−3
    67類又はその生理的に許容される塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 ストレプトミセス属に属し、SNA−6
    0−367類又はその生理的に許容される塩を産生する
    ことのできる微生物。
  8. 【請求項8】 受託番号FERMP−13704である
    請求項7記載の微生物。
  9. 【請求項9】 SNA−60−367類又はその生理的
    に許容される塩を有効成分とするアロマターゼ阻害剤。
  10. 【請求項10】 SNA−60−367類又はその生理
    的に許容される塩を有効成分とするホルモン依存性疾患
    治療剤。
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