JPH1121297A - 新規環状ペプチドpf1171a物質,pf1171b物質,pf1171c物質,pf1171d物質またはpf1171e物質およびその製造法 - Google Patents
新規環状ペプチドpf1171a物質,pf1171b物質,pf1171c物質,pf1171d物質またはpf1171e物質およびその製造法Info
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- JPH1121297A JPH1121297A JP9172280A JP17228097A JPH1121297A JP H1121297 A JPH1121297 A JP H1121297A JP 9172280 A JP9172280 A JP 9172280A JP 17228097 A JP17228097 A JP 17228097A JP H1121297 A JPH1121297 A JP H1121297A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微生物産物よりアポリポプロテインB産生抑
制活性および強心作用を有する新規物質を提供する。 【解決手段】 式(I)または式(II)で示されるPF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171DおよびPF1
171E物質。本物質はハミジェラ(Hamigera)属に属する微
生物を培養して製造する。本物質はアポリポプロテイン
B産生抑制薬および強心薬として有用である。 【化1】 (I) 【化2】
制活性および強心作用を有する新規物質を提供する。 【解決手段】 式(I)または式(II)で示されるPF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171DおよびPF1
171E物質。本物質はハミジェラ(Hamigera)属に属する微
生物を培養して製造する。本物質はアポリポプロテイン
B産生抑制薬および強心薬として有用である。 【化1】 (I) 【化2】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアポリポプロテイン
B産生抑制作用、及び強心作用を有する新規環状ペプチ
ド物質、その微生物培養法による製造法及びその医薬と
しての用途に関するものである。
B産生抑制作用、及び強心作用を有する新規環状ペプチ
ド物質、その微生物培養法による製造法及びその医薬と
しての用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高脂血症の発症には血中コレステロール
およびトリグリセライドを低下させることが望ましく、
従来、コレステロール生合成阻害剤であるプラバスタチ
ン等のHMGCoA還元酵素阻害剤、腸管でのコレステロール
の吸収を抑制するコレスチラミン等の陰イオン交換樹脂
あるいはフィブラート系薬剤およびニコチン酸系薬剤等
の各種作用機序の治療薬が臨床で用いられている。高コ
レステロール血症は動脈硬化のリスクファクターとして
冠動脈疾患の原因となることが広く知られているが、血
中トリグリセライドも心筋梗塞等の虚血性心疾患の原因
の一つと考えられている。従って高脂血症の治療には、
血中トリグリセライドを低下させる薬剤が必要であり、
超低密度リポタンパク質(VLDL)の主要な構成タン
パク質であるアポリポプロテインB産生抑制薬のような
脂質分秘抑制作用が期待される新しい作用機作の薬剤の
開発が強く望まれている。
およびトリグリセライドを低下させることが望ましく、
従来、コレステロール生合成阻害剤であるプラバスタチ
ン等のHMGCoA還元酵素阻害剤、腸管でのコレステロール
の吸収を抑制するコレスチラミン等の陰イオン交換樹脂
あるいはフィブラート系薬剤およびニコチン酸系薬剤等
の各種作用機序の治療薬が臨床で用いられている。高コ
レステロール血症は動脈硬化のリスクファクターとして
冠動脈疾患の原因となることが広く知られているが、血
中トリグリセライドも心筋梗塞等の虚血性心疾患の原因
の一つと考えられている。従って高脂血症の治療には、
血中トリグリセライドを低下させる薬剤が必要であり、
超低密度リポタンパク質(VLDL)の主要な構成タン
パク質であるアポリポプロテインB産生抑制薬のような
脂質分秘抑制作用が期待される新しい作用機作の薬剤の
開発が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では高脂
血症治療薬、脂質分泌抑制薬、アポリポプロテインB産
生抑制薬または強心薬として有用なアポリポプロテイン
B産生抑制作用および強心作用を有する物質を提供する
ことを課題としている。
血症治療薬、脂質分泌抑制薬、アポリポプロテインB産
生抑制薬または強心薬として有用なアポリポプロテイン
B産生抑制作用および強心作用を有する物質を提供する
ことを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような実情を踏ま
え、本発明者らは、高脂血症治療薬、脂質分泌抑制薬、
アポリポプロテインB産生抑制薬または強心薬として有
用な物質を見出すべく、アポプロテインB産生抑制作用
および強心作用を有する物質を微生物産物にもとめてス
クリーニングを行った結果、ある種の微生物の培養物に
活性成分を見出し、その培養物より有効物質を精製単離
し、その有効物質が新規環状ペプチド物質であることを
明らかにした。具体的には、ハミジェラに属する菌株が
アポプロテインBの肝細胞等での産生を抑制する作用、
心筋収縮増加作用および心筋内圧増加作用を示す物質を
培養物中に生産、蓄積することを見いだし、その培養物
より、その有効物質であるPF1171A物質,PF1171B物質,PF
1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質を精製単離
し、その物理化学的性状をもって新規物質であることを
明らかにすることにより本発明を完成した。
え、本発明者らは、高脂血症治療薬、脂質分泌抑制薬、
アポリポプロテインB産生抑制薬または強心薬として有
用な物質を見出すべく、アポプロテインB産生抑制作用
および強心作用を有する物質を微生物産物にもとめてス
クリーニングを行った結果、ある種の微生物の培養物に
活性成分を見出し、その培養物より有効物質を精製単離
し、その有効物質が新規環状ペプチド物質であることを
明らかにした。具体的には、ハミジェラに属する菌株が
アポプロテインBの肝細胞等での産生を抑制する作用、
心筋収縮増加作用および心筋内圧増加作用を示す物質を
培養物中に生産、蓄積することを見いだし、その培養物
より、その有効物質であるPF1171A物質,PF1171B物質,PF
1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質を精製単離
し、その物理化学的性状をもって新規物質であることを
明らかにすることにより本発明を完成した。
【0005】本発明の第1の要旨とするところは、下記
の式(I)
の式(I)
【化3】 (I) [式中、Aは、1−メチルプロピル基またはイソプロピ
ル基を表す。]で表される新規な環状ペプチドPF1171A
物質(式(I)においてAが1−メチルプロピル基であ
る物質。)またはPF1171C物質(式(I)においてAが
イソプロピル基である物質。)およびその薬理学的に許
容されうる塩とさらに下記の式(II)
ル基を表す。]で表される新規な環状ペプチドPF1171A
物質(式(I)においてAが1−メチルプロピル基であ
る物質。)またはPF1171C物質(式(I)においてAが
イソプロピル基である物質。)およびその薬理学的に許
容されうる塩とさらに下記の式(II)
【化4】 (II) [式中、Bが、イソブチル基であって、Dが、ベンジル
基を表すかまたはBとDが共にイソブチル基を表すかま
たBが、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブ
チル基を表す。]で表される新規な環状ペプチドPF1171
B物質(式(II)においてBが、イソブチル基であっ
て、Dが、ベンジル基である物質。)、PF1171D物質
(式(II)においてBとDが共にイソブチル基である
物質。)またはPF1171E物質(式(II)においてB
が、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブチル
基である物質。)およびその薬理学的に許容されうる塩
を提供するものである。
基を表すかまたはBとDが共にイソブチル基を表すかま
たBが、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブ
チル基を表す。]で表される新規な環状ペプチドPF1171
B物質(式(II)においてBが、イソブチル基であっ
て、Dが、ベンジル基である物質。)、PF1171D物質
(式(II)においてBとDが共にイソブチル基である
物質。)またはPF1171E物質(式(II)においてB
が、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブチル
基である物質。)およびその薬理学的に許容されうる塩
を提供するものである。
【0006】また、本発明の第2の要旨とするところ
は、ハミジェラ属に属するPF1171A物質,PF1171B物質,PF
1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質生産菌を培養
し、その培養物から上記新規な環状ペプチド物質を採取
することを特徴とする環状ペプチドの製造法を提供する
ことにある。
は、ハミジェラ属に属するPF1171A物質,PF1171B物質,PF
1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質生産菌を培養
し、その培養物から上記新規な環状ペプチド物質を採取
することを特徴とする環状ペプチドの製造法を提供する
ことにある。
【0007】さらに、本発明の第3の要旨とするところ
は、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物
質またはPF1171E物質およびその薬理学的に許容されう
る塩を含有してなる医薬組成物、特に高脂血症治療・予
防薬、脂質分泌抑制薬、アポリポプロテインB産生抑制
薬または強心薬を提供することである。
は、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物
質またはPF1171E物質およびその薬理学的に許容されう
る塩を含有してなる医薬組成物、特に高脂血症治療・予
防薬、脂質分泌抑制薬、アポリポプロテインB産生抑制
薬または強心薬を提供することである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による化合物はそれ自体公
知の方法でその塩とすることができる。このような塩と
しては薬理学上許容される非毒性塩が挙げられる。好ま
しい例としては、塩酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩など
の酸付加塩などが挙げられる。
知の方法でその塩とすることができる。このような塩と
しては薬理学上許容される非毒性塩が挙げられる。好ま
しい例としては、塩酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩など
の酸付加塩などが挙げられる。
【0009】本発明のPF1171物質又はそれらの塩は後記
の如く、アポリポプロテインB産生抑制作用および強心
作用を有し、高脂血症治療・予防薬、脂質分泌抑制薬、
アポリポプロテインB産生抑制薬または強心薬として期
待されるものである。医薬品として使用する場合の製剤
化及び投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。
すなわち、本発明に係わる薬剤組成物は、PF1171物質又
はそれらの塩を有効成分としてこれに常用される無機又
は有機の担体を加えて、経口的に、あるいは直腸内、皮
下、筋肉内、静脈内、経皮などの非経口的に投与されるが、
固体、半固体又は液体の形で、経口投与剤あるいは外用
剤、注射剤、座剤等の非経口投与剤に製剤化するのが好
ましい。
の如く、アポリポプロテインB産生抑制作用および強心
作用を有し、高脂血症治療・予防薬、脂質分泌抑制薬、
アポリポプロテインB産生抑制薬または強心薬として期
待されるものである。医薬品として使用する場合の製剤
化及び投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。
すなわち、本発明に係わる薬剤組成物は、PF1171物質又
はそれらの塩を有効成分としてこれに常用される無機又
は有機の担体を加えて、経口的に、あるいは直腸内、皮
下、筋肉内、静脈内、経皮などの非経口的に投与されるが、
固体、半固体又は液体の形で、経口投与剤あるいは外用
剤、注射剤、座剤等の非経口投与剤に製剤化するのが好
ましい。
【0010】経口投与のためには、固形製剤あるいは液
体製剤とすることができる。固形製剤としては、例えば、
錠剤、糖衣錠、丸剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、
粉剤あるいは顆粒剤がある。このような固形製剤におい
ては活性物質が薬学的に許容しうる担体、例えば重炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム、バレイショでんぷん、ショ
糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロースなどと混
合される。製剤操作は、常法によって行われるが、上記担
体以外の製剤化のための添加剤、例えば、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を
含有してもよい。また、例えば上記のような固形製剤に、
例えばセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコ
ールフタレート、スチレン無水マレイン酸共重合体、ある
いはメタクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体のよう
な腸溶性物質の有機溶媒による溶液、あるいは水溶液を
噴霧することにより腸溶性被覆を施して腸溶性製剤とす
ることもできる。散剤、顆粒剤などの固形製剤は、腸溶性
カプセルで包むこともできる。
体製剤とすることができる。固形製剤としては、例えば、
錠剤、糖衣錠、丸剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、
粉剤あるいは顆粒剤がある。このような固形製剤におい
ては活性物質が薬学的に許容しうる担体、例えば重炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム、バレイショでんぷん、ショ
糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロースなどと混
合される。製剤操作は、常法によって行われるが、上記担
体以外の製剤化のための添加剤、例えば、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を
含有してもよい。また、例えば上記のような固形製剤に、
例えばセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアルコ
ールフタレート、スチレン無水マレイン酸共重合体、ある
いはメタクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体のよう
な腸溶性物質の有機溶媒による溶液、あるいは水溶液を
噴霧することにより腸溶性被覆を施して腸溶性製剤とす
ることもできる。散剤、顆粒剤などの固形製剤は、腸溶性
カプセルで包むこともできる。
【0011】経口投与のための液体製剤は、例えば、乳濁
剤、溶液剤、懸濁剤、ペレット剤、シロップ剤あるいはエ
リキシル剤を含む。これらの製剤は一般的に用いられる
薬学的に許容される担体、例えば水あるいは流動パラフ
ィンを含み、ココナッツ油、分画ココナッツ油、大豆油、と
うもろこし油などの油性基剤を担体として用いることが
できる。薬学的に許容される担体には、その他必要に応じ
て通常用いられる補助剤、芳香剤、安定化剤、あるいは防
腐剤を含む。また、液体製剤は、ゼラチンのような吸収さ
れる物質で作られたカプセルにいれて投与してもよい。
直腸内投与のための固形製剤としては、活性成分を含む
通常の方法により製造される座薬が含まれる。
剤、溶液剤、懸濁剤、ペレット剤、シロップ剤あるいはエ
リキシル剤を含む。これらの製剤は一般的に用いられる
薬学的に許容される担体、例えば水あるいは流動パラフ
ィンを含み、ココナッツ油、分画ココナッツ油、大豆油、と
うもろこし油などの油性基剤を担体として用いることが
できる。薬学的に許容される担体には、その他必要に応じ
て通常用いられる補助剤、芳香剤、安定化剤、あるいは防
腐剤を含む。また、液体製剤は、ゼラチンのような吸収さ
れる物質で作られたカプセルにいれて投与してもよい。
直腸内投与のための固形製剤としては、活性成分を含む
通常の方法により製造される座薬が含まれる。
【0012】非経口投与の製剤は、注射剤、点滴剤、輸
液、軟膏、ローション、トニック、スプレー、懸濁剤、
油剤、乳剤、坐剤等が挙げらがあげられ、無菌の水性あ
るいは非水性液剤、懸濁液または乳濁剤として投与され
る。非水性の溶液または懸濁剤は、例えばプロピレングリ
コール、ボリエチレングリコール、オリーブ油または大豆
油のような植物油、オレイン酸エチルのような注射しう
る有機エステルを薬学的に許容しうる担体とする。この
ような製剤はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定
化剤のような補助剤を含むことができる。これらの溶液
剤、懸濁剤および乳濁剤は、例えばバクテリア保留フィル
ターを通す濾過、加熱、殺菌剤の配合あるいは紫外線照射
などの処理を適宜行うことによって、無菌化できる。ま
た、無菌の固形製剤を製造し、使用直前に無菌水または無
菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。また、
大豆油などの植物油とレシチンなどのリン脂質、有効成
分の均一溶液に水を加え、例えば、加圧噴射ホモジナイザ
ー、超音波ホモジナイザーなどのホモジナイザーにより
均質化を行った脂肪乳剤なども注射剤として使用でき
る。
液、軟膏、ローション、トニック、スプレー、懸濁剤、
油剤、乳剤、坐剤等が挙げらがあげられ、無菌の水性あ
るいは非水性液剤、懸濁液または乳濁剤として投与され
る。非水性の溶液または懸濁剤は、例えばプロピレングリ
コール、ボリエチレングリコール、オリーブ油または大豆
油のような植物油、オレイン酸エチルのような注射しう
る有機エステルを薬学的に許容しうる担体とする。この
ような製剤はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定
化剤のような補助剤を含むことができる。これらの溶液
剤、懸濁剤および乳濁剤は、例えばバクテリア保留フィル
ターを通す濾過、加熱、殺菌剤の配合あるいは紫外線照射
などの処理を適宜行うことによって、無菌化できる。ま
た、無菌の固形製剤を製造し、使用直前に無菌水または無
菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。また、
大豆油などの植物油とレシチンなどのリン脂質、有効成
分の均一溶液に水を加え、例えば、加圧噴射ホモジナイザ
ー、超音波ホモジナイザーなどのホモジナイザーにより
均質化を行った脂肪乳剤なども注射剤として使用でき
る。
【0013】経皮投与の剤形としては、例えば軟膏剤、
クリーム剤等が挙げられる。これらは、通常の方法によ
り製造される。
クリーム剤等が挙げられる。これらは、通常の方法によ
り製造される。
【0014】上記の他、本発明の有効成分を製剤化する
には、界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、
安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張剤その他常用される佐薬
を適宜使用することができる。
には、界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、
安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張剤その他常用される佐薬
を適宜使用することができる。
【0015】本発明に係わる薬剤組成物の投与量は、そ
の種類、治療ないし予防対象疾病の種類、投与方法、患
者の年齢、患者の症状、処理時間等により相違するが、
高脂血症の治療においては、静脈投与の場合は成人ひと
り当り1日に有効成分を0.01〜1000mg/kg 、好ましくは
0.1 〜100mg/kg投与し、筋肉投与の場合は同じく0.01〜
1000mg/kg 、好ましくは0.1 〜100mg/kg投与し、経口投
与の場合も同じく0.5〜2000mg/kg 、好ましくは1〜100
0mg/kg の範囲内で投与する。
の種類、治療ないし予防対象疾病の種類、投与方法、患
者の年齢、患者の症状、処理時間等により相違するが、
高脂血症の治療においては、静脈投与の場合は成人ひと
り当り1日に有効成分を0.01〜1000mg/kg 、好ましくは
0.1 〜100mg/kg投与し、筋肉投与の場合は同じく0.01〜
1000mg/kg 、好ましくは0.1 〜100mg/kg投与し、経口投
与の場合も同じく0.5〜2000mg/kg 、好ましくは1〜100
0mg/kg の範囲内で投与する。
【0016】本発明に使用されるPF1171A物質,PF1171B
物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質の製
造に用いることができる微生物としてはハミジェラ属に
属し、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D
物質およびPF1171E物質を生産する菌であればいずれで
もよい。例えば、今回、新たに分離されたPF1171株は使
用しうる例としてあげられる。
物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質の製
造に用いることができる微生物としてはハミジェラ属に
属し、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D
物質およびPF1171E物質を生産する菌であればいずれで
もよい。例えば、今回、新たに分離されたPF1171株は使
用しうる例としてあげられる。
【0017】PF1171株の菌学的性状は次のとおりであ
る。 1. PF1171株の菌学的性状 (1)培養の特徴 ツァペック酵母エキス寒天培地上で生育良く、25℃、7
日間の培養で85mm以上の集落となる。淡黄色〜淡橙色、
ビロード状〜羊毛状、平坦、密な菌糸層を形成する。子
のう果を気生菌糸中にまばらに形成し、分生子構造を全
面に多数形成する。裏面は濃紫色となる。酵母エキス寒
天培地上で生育良く、25℃、7日間の培養で40〜45mmの
集落となる。淡黄色、羊毛状、平坦、比較的密な菌糸層
を形成する。子のう果を気生菌糸中にまばらに形成し、
分生子構造をまばらに形成する。裏面は淡黄色となる。
オートミール寒天培地上で生育良く、25℃、7日間の培
養で60〜70mmの集落となる。淡黄色、羊毛状、平坦、緩
やかな菌糸層を形成する。子のう果を気生菌糸中に多数
形成し、分生子構造をまばらに形成する。裏面は紫色と
なる。37℃の培養では、どの培地上でも25℃の培養より
生育は良好であるが、分生子構造が主となる。
る。 1. PF1171株の菌学的性状 (1)培養の特徴 ツァペック酵母エキス寒天培地上で生育良く、25℃、7
日間の培養で85mm以上の集落となる。淡黄色〜淡橙色、
ビロード状〜羊毛状、平坦、密な菌糸層を形成する。子
のう果を気生菌糸中にまばらに形成し、分生子構造を全
面に多数形成する。裏面は濃紫色となる。酵母エキス寒
天培地上で生育良く、25℃、7日間の培養で40〜45mmの
集落となる。淡黄色、羊毛状、平坦、比較的密な菌糸層
を形成する。子のう果を気生菌糸中にまばらに形成し、
分生子構造をまばらに形成する。裏面は淡黄色となる。
オートミール寒天培地上で生育良く、25℃、7日間の培
養で60〜70mmの集落となる。淡黄色、羊毛状、平坦、緩
やかな菌糸層を形成する。子のう果を気生菌糸中に多数
形成し、分生子構造をまばらに形成する。裏面は紫色と
なる。37℃の培養では、どの培地上でも25℃の培養より
生育は良好であるが、分生子構造が主となる。
【0018】(2)形態的特徴 子のう果は、淡黄色〜黄色、球形〜亜球形、150 〜300
μm 、菌糸が緩く織り交ざって壁となる。子のうは卵形
〜長円形、17〜20×10〜13μm 、カギ状構造より生じ成
熟すると膜は消失する。子のう胞子は、幅広い楕円形、
5.5 〜7×4.5〜6μm 、表面に鱗状の隆起がある。分
生子構造は不規則な複輪生、もしくは単輪生のペニシリ
となる。分生子柄は滑面、100 〜300 ×4〜5μm とな
る。メトレは、大型の分生子頭のみに形成され、8〜12
×2.5 〜3.5 μm 、4〜8本輪生する。フィアライドは
円筒形、先端は細まり、8〜10×2〜2.5 μm 、4〜6
本輪生する。分生子は楕円形、滑面、2.5 〜3.5 ×2〜
3μm となる。
μm 、菌糸が緩く織り交ざって壁となる。子のうは卵形
〜長円形、17〜20×10〜13μm 、カギ状構造より生じ成
熟すると膜は消失する。子のう胞子は、幅広い楕円形、
5.5 〜7×4.5〜6μm 、表面に鱗状の隆起がある。分
生子構造は不規則な複輪生、もしくは単輪生のペニシリ
となる。分生子柄は滑面、100 〜300 ×4〜5μm とな
る。メトレは、大型の分生子頭のみに形成され、8〜12
×2.5 〜3.5 μm 、4〜8本輪生する。フィアライドは
円筒形、先端は細まり、8〜10×2〜2.5 μm 、4〜6
本輪生する。分生子は楕円形、滑面、2.5 〜3.5 ×2〜
3μm となる。
【0019】以上の菌学的性状より本菌株は、不整子の
う菌綱ユーロチウム目ハミジェラアベラネア(Hamigera
avellanea )と同定し、ハミジェラ アベラネア PF
1171株と呼称することにした。なお、同定のためには、
A. C. Stolk, R. A. Samson. "Studies on Talaromyces
and related genera I. Hamigera gen. nov. andBysso
chlamys" Persoonia, 6:345 (1971) を使用した。本菌
株は工業技術院生命工学工業技術研究所に平成9年3月
31日 FERM P-16173号として寄託された。
う菌綱ユーロチウム目ハミジェラアベラネア(Hamigera
avellanea )と同定し、ハミジェラ アベラネア PF
1171株と呼称することにした。なお、同定のためには、
A. C. Stolk, R. A. Samson. "Studies on Talaromyces
and related genera I. Hamigera gen. nov. andBysso
chlamys" Persoonia, 6:345 (1971) を使用した。本菌
株は工業技術院生命工学工業技術研究所に平成9年3月
31日 FERM P-16173号として寄託された。
【0020】PF1171株は他のカビに見られるようにその
性状が変化し易い。例えば、PF1171株に由来する突然変
異株(自然発生または誘発性)、形質接合体または遺伝
子組換体であっても、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171
C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質を生産するものは
すべて本発明に使用できる。
性状が変化し易い。例えば、PF1171株に由来する突然変
異株(自然発生または誘発性)、形質接合体または遺伝
子組換体であっても、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171
C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質を生産するものは
すべて本発明に使用できる。
【0021】2. PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物
質,PF1171D物質およびPF1171E物質生産菌の培養法PF117
1A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF
1171E物質生産菌は以下の方法により培養される。本発
明で培養に用いられる培地は、通常の微生物が利用し得
る栄養物を含有する培地であればよい。栄養源として
は、従来カビの培養に利用されている公知のものが使用
できる。例えば、炭素源としては、グルコース、シュク
ロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖
蜜、動植物油等を使用し得る。また、窒素源としては、
大豆粉、小麦胚芽、コーン・スティープ・リカー、綿実
粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、尿素等の有機物を使用し得る。そ
の他必要に応じてナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他
のイオンを生成することができる無機塩類を添加するこ
とは有効である。また、菌の発育を助け、PF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質の生産を促進するような有機及び無機物を適当に添加
することができる。
質,PF1171D物質およびPF1171E物質生産菌の培養法PF117
1A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF
1171E物質生産菌は以下の方法により培養される。本発
明で培養に用いられる培地は、通常の微生物が利用し得
る栄養物を含有する培地であればよい。栄養源として
は、従来カビの培養に利用されている公知のものが使用
できる。例えば、炭素源としては、グルコース、シュク
ロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖
蜜、動植物油等を使用し得る。また、窒素源としては、
大豆粉、小麦胚芽、コーン・スティープ・リカー、綿実
粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、尿素等の有機物を使用し得る。そ
の他必要に応じてナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他
のイオンを生成することができる無機塩類を添加するこ
とは有効である。また、菌の発育を助け、PF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質の生産を促進するような有機及び無機物を適当に添加
することができる。
【0022】培養法としては、好気的条件での培養法、
特に静置培養法が最も適している。培養に適当な温度は
25〜30℃であるが、多くの場合26℃付近で培養する。PF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およ
びPF1171E物質の生産は培地や培養条件によって異なる
が、静置培養、振とう培養、タンク培養のいずれにおい
ても、通常2〜14日間でその蓄積が最高に達する。培養
物中の。PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171
D物質およびPF1171E物質の蓄積が最高になった時に培養
を停止し、培養物から目的物質を単離精製する。
特に静置培養法が最も適している。培養に適当な温度は
25〜30℃であるが、多くの場合26℃付近で培養する。PF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およ
びPF1171E物質の生産は培地や培養条件によって異なる
が、静置培養、振とう培養、タンク培養のいずれにおい
ても、通常2〜14日間でその蓄積が最高に達する。培養
物中の。PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171
D物質およびPF1171E物質の蓄積が最高になった時に培養
を停止し、培養物から目的物質を単離精製する。
【0023】3. PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物
質,PF1171D物質またはPF1171E物質の精製法 上記の培養法によって生産された本発明のPF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質は、以下の方法により精製される。本発明の環状ペプ
チドは主として菌体中に存在するので当該物質の採取に
おいては培養物の遠心分離あるいは濾過によって得られ
た菌体から精製操作を行うことが望ましいが場合により
培養濾液を合わせて精製操作を行うこともできる。精製
操作では、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF11
71D物質またはPF1171E物質は、その性状を利用し、通常
の分離手段、例えば、溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、
吸着または分配カラムクロマト法、ゲル濾過法、透析
法、沈澱法等を適宜組み合わせて抽出、精製することが
可能である。具体的には、前記の方法で分離した菌体に
メタノール、エタノール、アセトン等の水混和有機溶剤
を加えて撹拌し菌体抽出液を得る。該菌体抽出液の有機
溶剤を留去して濃縮液とした後、該濃縮液をそのままか
あるいは該濃縮液に培養濾液を加えた後、酢酸エチル、
クロロホルム等の有機溶剤を加えて撹拌し抽出液を得
る。該抽出液の有機溶剤を留去した残渣を吸着剤を用い
た吸脱着法、ゲル濾過剤を用いた分子分配法、適当な溶
剤からの再結晶法等により精製することが可能である。
例えば、前記菌体抽出液の有機溶剤を留去して濃縮液と
した後、該濃縮液をそのままかあるいは該濃縮液に培養
濾液を加えた液から酢酸エチルにより抽出する。抽出液
を減圧濃縮し、この抽出物を少量のクロロホルム、酢酸
エチル等の有機溶剤に溶解し、クロロホルム/メタノー
ル、ヘキサン/アセトンまたはヘキサン/酢酸エチル等
の溶媒系で繰り返しシリカゲルクロマトグラフィーを行
うことによりPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF
1171D物質またはPF1171E物質をそれぞれ単離することが
できる。また、必要に応じてセファデックス LH-20(フ
ァルマシアファインケミカルズ社製)等のゲル濾過カラ
ムルロマトグラフィーを用いてメタノール等で溶出する
方法により精製した後、PF1171A物質,PF1171B物質,PF11
71C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質を含む分画を減
圧濃縮し、イソプロピルエーテル/ イソプロピルアルコ
ール、ヘキサン/ 酢酸エチル、エーテル/ 酢酸エチル等
の有機溶剤混合液を適宜用いて再結晶することにより、
PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質ま
たはPF1171E物質をそれぞれ精製単離することができ
る。
質,PF1171D物質またはPF1171E物質の精製法 上記の培養法によって生産された本発明のPF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質は、以下の方法により精製される。本発明の環状ペプ
チドは主として菌体中に存在するので当該物質の採取に
おいては培養物の遠心分離あるいは濾過によって得られ
た菌体から精製操作を行うことが望ましいが場合により
培養濾液を合わせて精製操作を行うこともできる。精製
操作では、PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF11
71D物質またはPF1171E物質は、その性状を利用し、通常
の分離手段、例えば、溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、
吸着または分配カラムクロマト法、ゲル濾過法、透析
法、沈澱法等を適宜組み合わせて抽出、精製することが
可能である。具体的には、前記の方法で分離した菌体に
メタノール、エタノール、アセトン等の水混和有機溶剤
を加えて撹拌し菌体抽出液を得る。該菌体抽出液の有機
溶剤を留去して濃縮液とした後、該濃縮液をそのままか
あるいは該濃縮液に培養濾液を加えた後、酢酸エチル、
クロロホルム等の有機溶剤を加えて撹拌し抽出液を得
る。該抽出液の有機溶剤を留去した残渣を吸着剤を用い
た吸脱着法、ゲル濾過剤を用いた分子分配法、適当な溶
剤からの再結晶法等により精製することが可能である。
例えば、前記菌体抽出液の有機溶剤を留去して濃縮液と
した後、該濃縮液をそのままかあるいは該濃縮液に培養
濾液を加えた液から酢酸エチルにより抽出する。抽出液
を減圧濃縮し、この抽出物を少量のクロロホルム、酢酸
エチル等の有機溶剤に溶解し、クロロホルム/メタノー
ル、ヘキサン/アセトンまたはヘキサン/酢酸エチル等
の溶媒系で繰り返しシリカゲルクロマトグラフィーを行
うことによりPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF
1171D物質またはPF1171E物質をそれぞれ単離することが
できる。また、必要に応じてセファデックス LH-20(フ
ァルマシアファインケミカルズ社製)等のゲル濾過カラ
ムルロマトグラフィーを用いてメタノール等で溶出する
方法により精製した後、PF1171A物質,PF1171B物質,PF11
71C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質を含む分画を減
圧濃縮し、イソプロピルエーテル/ イソプロピルアルコ
ール、ヘキサン/ 酢酸エチル、エーテル/ 酢酸エチル等
の有機溶剤混合液を適宜用いて再結晶することにより、
PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質ま
たはPF1171E物質をそれぞれ精製単離することができ
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例及び試験例を示すが、
これは単なる一例であって本発明を限定するものではな
い。ここに例示しなかった多くの変法あるいは修飾手段
を用い得ることは勿論のことである。また、PF1171A物
質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171
E物質の性状が本発明によって明らかにされたので、そ
れらの性状に基づきPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C
物質,PF1171D物質またはPF1171E物質の製造方法を種々
考案することができる。従って、本発明は実施例に限定
されるものではなく、実施例の修飾手段はもちろん、本
発明によって明らかにされたF1171A物質,PF1171B物質,P
F1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質の性状に基
づいて公知の手段を施してF1171A物質,PF1171B物質,PF1
171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質を生産、抽
出、精製する方法をすべて包含する。
これは単なる一例であって本発明を限定するものではな
い。ここに例示しなかった多くの変法あるいは修飾手段
を用い得ることは勿論のことである。また、PF1171A物
質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171
E物質の性状が本発明によって明らかにされたので、そ
れらの性状に基づきPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C
物質,PF1171D物質またはPF1171E物質の製造方法を種々
考案することができる。従って、本発明は実施例に限定
されるものではなく、実施例の修飾手段はもちろん、本
発明によって明らかにされたF1171A物質,PF1171B物質,P
F1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質の性状に基
づいて公知の手段を施してF1171A物質,PF1171B物質,PF1
171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質を生産、抽
出、精製する方法をすべて包含する。
【0025】実施例1 種培地として、デンプン2.0%、グルコース1.0%、ポリペ
プトン 0.5% 、小麦胚芽 0.6% 、酵母エキス 0.3% 、大
豆粕 0.2% および炭酸カルシウム 0.2% の組成からなる
培地(殺菌前pH7.0 )を用いた。また、生産培地として
は、グルコース5.0%、大豆粕1.0%、肉エキス0.4%、酵母
エキス 0.1% 、塩化ナトリウム0.25% および炭酸カルシ
ウム0.5%の組成からなる培地(殺菌前pH7.0 )を用い
た。前記の種培地20mlを分注した100ml 容三角フラスコ
を120 ℃で15分間殺菌し、これにPF1171株(菌寄託番号
FERM P-16173号)の斜面寒天培養の1白金耳を接種後、
25℃で2日間振とう培養して種培養液を得た。次いで、
生産培地100ml ずつを分注した500ml 容三角フラスコを
120 ℃で15分間殺菌し、これに上記種培養液を2mlずつ
接種し、25℃で4日間振とう培養した。こうして得られ
た培養液( 2.0 L ) にろ過助剤として珪藻土を加えて濾
過し、培養ろ液( 1.8 L ) と菌体とに分けた。菌体に50
% アセトン水溶液( 2.0 L ) を加え、1時間撹拌した
後、これをろ過し、菌体抽出液( 2.0 L ) を得た。得ら
れた抽出液は減圧下、アセトンを留去し、濃縮液( 1.1
L ) とした。この濃縮液と培養ろ液( 1.8 L ) の混合液
を、酢酸エチル( 3.0 L ) で抽出後、減圧下溶媒を留去
し、油状物質( 1.2 g ) を得た。この油状物質をシリカ
ゲルカラム( 450 g) の上部に載せ、クロロホルム−メ
タノール( 50 : 1 )を展開溶媒とするクロマトグラフィ
ーを行い、溶出液を11mlずつ分画した。溶出された活性
画分(フラクション番号 60-79)を濃縮乾固し、油状物
質( 810.8 mg )を得た。この油状物質をシリカゲルカラ
ム( 80 g )に付し、ヘキサン−アセトン( 3 : 1 ) で展
開し、溶出液を7.5 mlずつ分画した。溶出された活性画
分のうち、Rf = 0.4(展開溶媒ヘキサン−アセトン =
2:1)を示す部分(フラクション番号 21-30)を濃縮
乾固し、PF1171A 物質( 109.5 mg )を得た。また、Rf =
0.4と0.39, 0.25の混合部分(フラクション番号 31-7
4)、及びRf = 0.25 を示す部分(フラクション番号 75
-112 )を濃縮乾固し、それぞれ混合物1( 408.1 mg
)、混合物2( 211.5mg )とした。混合物1についてヘ
キサン−アセトン( 1:1) を展開溶媒とした分取用TL
C を行い、Rf = 0.4, 0.39, 0.25(展開溶媒 ヘキサ
ン: アセトン = 2: 1)を示す部分を分取し、それぞれ
PF1171A 物質( 135.5 mg ) 、PF1171C物質( 87.9 mg )
及び混合物3( 147.0 mg )とした。混合物2と混合物3
を合わせ、シリカゲルクロマト( 100 g ) に付し、ヘキ
サン−アセトン( 1 : 1 ) を展開溶媒とするクロマトグ
ラフィーを行い、溶出液を7mlずつ分取した。活性画分
をRf = 0.45(ヘキサン−酢酸エチル =1:3)を示す
部分と、Rf = 0.45, 0.38の混合部分に分け、それぞれ
を濃縮乾固し、PF1171B物質( 65.5 mg )、混合物4( 17
8.4 mg )とした。混合物4について、ヘキサン−酢酸エ
チル( 1:3) を展開溶媒とした分取用TLC を行い、Rf
= 0.45 (ヘキサン−酢酸エチル =1:3)を示す部分
と、Rf = 0.38 を示す部分を分取し、それぞれ PF1171B
物質(24.5 mg ) 、Avellanine A (45.0 mg ) を得た。
プトン 0.5% 、小麦胚芽 0.6% 、酵母エキス 0.3% 、大
豆粕 0.2% および炭酸カルシウム 0.2% の組成からなる
培地(殺菌前pH7.0 )を用いた。また、生産培地として
は、グルコース5.0%、大豆粕1.0%、肉エキス0.4%、酵母
エキス 0.1% 、塩化ナトリウム0.25% および炭酸カルシ
ウム0.5%の組成からなる培地(殺菌前pH7.0 )を用い
た。前記の種培地20mlを分注した100ml 容三角フラスコ
を120 ℃で15分間殺菌し、これにPF1171株(菌寄託番号
FERM P-16173号)の斜面寒天培養の1白金耳を接種後、
25℃で2日間振とう培養して種培養液を得た。次いで、
生産培地100ml ずつを分注した500ml 容三角フラスコを
120 ℃で15分間殺菌し、これに上記種培養液を2mlずつ
接種し、25℃で4日間振とう培養した。こうして得られ
た培養液( 2.0 L ) にろ過助剤として珪藻土を加えて濾
過し、培養ろ液( 1.8 L ) と菌体とに分けた。菌体に50
% アセトン水溶液( 2.0 L ) を加え、1時間撹拌した
後、これをろ過し、菌体抽出液( 2.0 L ) を得た。得ら
れた抽出液は減圧下、アセトンを留去し、濃縮液( 1.1
L ) とした。この濃縮液と培養ろ液( 1.8 L ) の混合液
を、酢酸エチル( 3.0 L ) で抽出後、減圧下溶媒を留去
し、油状物質( 1.2 g ) を得た。この油状物質をシリカ
ゲルカラム( 450 g) の上部に載せ、クロロホルム−メ
タノール( 50 : 1 )を展開溶媒とするクロマトグラフィ
ーを行い、溶出液を11mlずつ分画した。溶出された活性
画分(フラクション番号 60-79)を濃縮乾固し、油状物
質( 810.8 mg )を得た。この油状物質をシリカゲルカラ
ム( 80 g )に付し、ヘキサン−アセトン( 3 : 1 ) で展
開し、溶出液を7.5 mlずつ分画した。溶出された活性画
分のうち、Rf = 0.4(展開溶媒ヘキサン−アセトン =
2:1)を示す部分(フラクション番号 21-30)を濃縮
乾固し、PF1171A 物質( 109.5 mg )を得た。また、Rf =
0.4と0.39, 0.25の混合部分(フラクション番号 31-7
4)、及びRf = 0.25 を示す部分(フラクション番号 75
-112 )を濃縮乾固し、それぞれ混合物1( 408.1 mg
)、混合物2( 211.5mg )とした。混合物1についてヘ
キサン−アセトン( 1:1) を展開溶媒とした分取用TL
C を行い、Rf = 0.4, 0.39, 0.25(展開溶媒 ヘキサ
ン: アセトン = 2: 1)を示す部分を分取し、それぞれ
PF1171A 物質( 135.5 mg ) 、PF1171C物質( 87.9 mg )
及び混合物3( 147.0 mg )とした。混合物2と混合物3
を合わせ、シリカゲルクロマト( 100 g ) に付し、ヘキ
サン−アセトン( 1 : 1 ) を展開溶媒とするクロマトグ
ラフィーを行い、溶出液を7mlずつ分取した。活性画分
をRf = 0.45(ヘキサン−酢酸エチル =1:3)を示す
部分と、Rf = 0.45, 0.38の混合部分に分け、それぞれ
を濃縮乾固し、PF1171B物質( 65.5 mg )、混合物4( 17
8.4 mg )とした。混合物4について、ヘキサン−酢酸エ
チル( 1:3) を展開溶媒とした分取用TLC を行い、Rf
= 0.45 (ヘキサン−酢酸エチル =1:3)を示す部分
と、Rf = 0.38 を示す部分を分取し、それぞれ PF1171B
物質(24.5 mg ) 、Avellanine A (45.0 mg ) を得た。
【0026】実施例2 実施例1と同様にPF1171株を50リットルジャー2基で培
養して得られた菌体を67% アセトン水溶液40リットルで
抽出する。減圧下アセトンを濃縮し、得られた濃縮液20
リットルを酢酸エチル36リットルで抽出後、減圧下、溶
媒を留去することにより26.2g の褐色残さを得る。この
残さを少量のアセトンに溶解し、シリカゲルカラムクロ
マト( 2リットル) をヘキサン/ アセトンの混合溶媒で
徐々に極性溶媒の割合を多くしながら実施する。ヘキサ
ン/ アセトン4:1 溶出部から得られた画分を減圧下留去
することにより5.7gのPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171
C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質混合物を得る。こ
の混合物を少量のアセトンに溶解し、前記と同様にシリ
カゲルカラム(1.1 リットル) クロマトグラフィーをヘ
キサン/ アセトンの混合溶媒で徐々に極性溶媒の割合を
多くしながら実施し、4:1 溶出部から2つの画分1およ
び2を得る。画分1および2の溶媒を留去することによ
りそれぞれ2.62g と168mg の残さを得る。画分1の残さ
を少量のメタノールに溶解し、セファデックスLH−2
0ゲルカラムクロマト(970ml)をメタノールを溶出溶媒
として実施し無色粉末状のPF1171A物質 を2.508g得る。
また、画分2の残さを少量のアセトンに溶解し、分取薄
層シリカゲルクロマトをヘキサン/ アセトン4:3 の混合
溶媒で展開することによりRf値 0.45 のPF1171D物質,PF
1171E物質 混合物30.5mgを得る。この混合物をヘキサン
/ 酢酸エチル1:3 の溶媒系で分取薄層シリカゲルクロマ
トを行い、Rf値 0.30 を示すPF1171D物質 含有画分19.5
mgとRf値 0.22 のPF1171E物質 含有画分8.9mg に分離す
る。PF1171D物質 含有画分をメタノールを溶出溶媒とし
てLH−20ゲルカラムクロマトグラフィー(28ml) を
実施し無色粉末状のPF1171D物質 を17.6mg得る。また、
PF1171E 含有画分をヘキサンアセトン1:3 を展開溶媒と
する分取薄層シリカゲルクロマトを行いRf値 0.22 の部
分から6.6mg のPF1171E物質 粗製物を得る。これをLH
−20ゲルカラムクロマトグラフィー(19ml,溶出溶媒
メタノール)に付し無色粉末状のPF1171E 物質を6.8m
g 得た。
養して得られた菌体を67% アセトン水溶液40リットルで
抽出する。減圧下アセトンを濃縮し、得られた濃縮液20
リットルを酢酸エチル36リットルで抽出後、減圧下、溶
媒を留去することにより26.2g の褐色残さを得る。この
残さを少量のアセトンに溶解し、シリカゲルカラムクロ
マト( 2リットル) をヘキサン/ アセトンの混合溶媒で
徐々に極性溶媒の割合を多くしながら実施する。ヘキサ
ン/ アセトン4:1 溶出部から得られた画分を減圧下留去
することにより5.7gのPF1171A物質,PF1171B物質,PF1171
C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質混合物を得る。こ
の混合物を少量のアセトンに溶解し、前記と同様にシリ
カゲルカラム(1.1 リットル) クロマトグラフィーをヘ
キサン/ アセトンの混合溶媒で徐々に極性溶媒の割合を
多くしながら実施し、4:1 溶出部から2つの画分1およ
び2を得る。画分1および2の溶媒を留去することによ
りそれぞれ2.62g と168mg の残さを得る。画分1の残さ
を少量のメタノールに溶解し、セファデックスLH−2
0ゲルカラムクロマト(970ml)をメタノールを溶出溶媒
として実施し無色粉末状のPF1171A物質 を2.508g得る。
また、画分2の残さを少量のアセトンに溶解し、分取薄
層シリカゲルクロマトをヘキサン/ アセトン4:3 の混合
溶媒で展開することによりRf値 0.45 のPF1171D物質,PF
1171E物質 混合物30.5mgを得る。この混合物をヘキサン
/ 酢酸エチル1:3 の溶媒系で分取薄層シリカゲルクロマ
トを行い、Rf値 0.30 を示すPF1171D物質 含有画分19.5
mgとRf値 0.22 のPF1171E物質 含有画分8.9mg に分離す
る。PF1171D物質 含有画分をメタノールを溶出溶媒とし
てLH−20ゲルカラムクロマトグラフィー(28ml) を
実施し無色粉末状のPF1171D物質 を17.6mg得る。また、
PF1171E 含有画分をヘキサンアセトン1:3 を展開溶媒と
する分取薄層シリカゲルクロマトを行いRf値 0.22 の部
分から6.6mg のPF1171E物質 粗製物を得る。これをLH
−20ゲルカラムクロマトグラフィー(19ml,溶出溶媒
メタノール)に付し無色粉末状のPF1171E 物質を6.8m
g 得た。
【0027】このようにして得られた本発明のF1171A物
質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171
E物質の物理化学的性質は次のとおりである。 1 PF1171A物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C35H54N6O6 (3)マススペクトル (EI-MS) : 654 (M+ ) (4)融点 : 225 〜226 ℃ (5)比旋光度 : [ α]▲20 D▼ = +23.7 ゜(c 0.5, MeOH ) (6)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 203 (273), 216/s (220), 248/s (120), 293 (20) [0.1N HCl-MeOH] : 214 (180), 250/s (115), 290 (23) [0.1N-NaOH-MeOH] : 213 (893), 254/s (110), 290/s (30) (7)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3465, 3320, 2959, 2936, 2874, 1694, 1680, 1642, 1619, 1597, 1584, 1543, 1520, 1453, 1435, 1412, 1387, 1370, 1331, 1314, 1293, 1267, 1260, 1165, 1127, 1098, 1011, 864 (8)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.89 (3H, d), 0.90 (3H, d), 0.93 (3H, t), 0.97 (6H, d), 0.98 (3H, d), 1.26 (1H, m), 1.29 (3H, d), 1.40(2H, dq), 1.50-1.60 (2H, m), 1.60-1.70 (1H, m), 1.75-1.82 (2H, m), 1.94 (1H, m), 1.95-2.05 (2H, m), 2.05-2.10 (2H, m), 2.20 (1H, m), 2.42 (1H, m), 3.15 (1H, dd), 3.20 (3H, s), 3.49 (1H, dd), 3.70 (1H, dd), 4.14 (1H, dd), 4.45 (1H, dd), 4.55 (1H, m), 4.82 (1H, dq), 7.13 (1H, ddd), 7.20 (1H, dd), 7.40 (NH, d), 7.47 (1H, ddd), 7.64 (NH, d), 8.01 (NH, d), 8.32 (1H, d), 9.45 (NH, s) (9)13C NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 174.3 s, 174.0 s, 171.0 s, 170.2 s, 169.3 s, 168.8 s, 137.1 s, 131.7 d, 127.1 d, 123.8 d, 123.3 d, 122.6 s, 65.1 d, 61.5 d, 57.2 d, 52.6 t, 50.9 d, 47.8 d, 37.8 d, 37.8 t, 36.4 d, 36.2 t, 28.1 t, 27.4 t, 26.9 t, 25.6 d, 24.4 d, 24.4 t, 23.3 q, 23.1 q, 22.1 q, 21.7 q, 18.4 q, 13.9 q, 11.8 q (10)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171A物質は前記式(I)においてA
が1−メチルプロピル基である物質と決定された。
質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171
E物質の物理化学的性質は次のとおりである。 1 PF1171A物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C35H54N6O6 (3)マススペクトル (EI-MS) : 654 (M+ ) (4)融点 : 225 〜226 ℃ (5)比旋光度 : [ α]▲20 D▼ = +23.7 ゜(c 0.5, MeOH ) (6)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 203 (273), 216/s (220), 248/s (120), 293 (20) [0.1N HCl-MeOH] : 214 (180), 250/s (115), 290 (23) [0.1N-NaOH-MeOH] : 213 (893), 254/s (110), 290/s (30) (7)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3465, 3320, 2959, 2936, 2874, 1694, 1680, 1642, 1619, 1597, 1584, 1543, 1520, 1453, 1435, 1412, 1387, 1370, 1331, 1314, 1293, 1267, 1260, 1165, 1127, 1098, 1011, 864 (8)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.89 (3H, d), 0.90 (3H, d), 0.93 (3H, t), 0.97 (6H, d), 0.98 (3H, d), 1.26 (1H, m), 1.29 (3H, d), 1.40(2H, dq), 1.50-1.60 (2H, m), 1.60-1.70 (1H, m), 1.75-1.82 (2H, m), 1.94 (1H, m), 1.95-2.05 (2H, m), 2.05-2.10 (2H, m), 2.20 (1H, m), 2.42 (1H, m), 3.15 (1H, dd), 3.20 (3H, s), 3.49 (1H, dd), 3.70 (1H, dd), 4.14 (1H, dd), 4.45 (1H, dd), 4.55 (1H, m), 4.82 (1H, dq), 7.13 (1H, ddd), 7.20 (1H, dd), 7.40 (NH, d), 7.47 (1H, ddd), 7.64 (NH, d), 8.01 (NH, d), 8.32 (1H, d), 9.45 (NH, s) (9)13C NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 174.3 s, 174.0 s, 171.0 s, 170.2 s, 169.3 s, 168.8 s, 137.1 s, 131.7 d, 127.1 d, 123.8 d, 123.3 d, 122.6 s, 65.1 d, 61.5 d, 57.2 d, 52.6 t, 50.9 d, 47.8 d, 37.8 d, 37.8 t, 36.4 d, 36.2 t, 28.1 t, 27.4 t, 26.9 t, 25.6 d, 24.4 d, 24.4 t, 23.3 q, 23.1 q, 22.1 q, 21.7 q, 18.4 q, 13.9 q, 11.8 q (10)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171A物質は前記式(I)においてA
が1−メチルプロピル基である物質と決定された。
【0028】 2 PF1171B物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C31H39N5O5 (3)マススペクトル (EI-MS) : 561 (M+ ) (4)融点 : 109 〜110 ℃ (5)比旋光度 : [ α] ▲20 D▼ = +159.3゜(c 0.5, MeOH ) (6)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 209 (630), 214/s (620), 246 (323), 295 (76) [0.1N HCl-MeOH] : 210 (576), 215 (576), 246 (320), 295 (76) [0.1N-NaOH-MeOH] : 214 (1046), 246 (320), 295 (70) (7)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3496, 3337, 2957, 2872, 1680, 1644, 1617, 1590, 1526, 1499, 1474, 1453, 1416, 1302, 1273, 1250, 1157, 1148, 1105, 1088, 1048, 984, 961, 889, 833, 820 (8)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.95 (3H, d), 0.97 (3H, d), 1.46-1.50 (1H, m), 1.52 (3H, d), 1.58 (1H, m), 1.68 (1H, m), 1.88 (1H, m), 1.97 (1H, m), 2.00 (1H, m), 2.13 (1H, m), 2.97 (1H, dd), 3.03 (3H, s), 3.61 (2H, m), 3.82 (1H, dd), 4.71 (1H, dd), 4.74-4.78 (1H, m), 4.88 (1H, dq), 5.76 (1H, dd), 6.52 (NH, d), 7.09 (1H, ddd), 7.20-7.26 (2H, m), 7.21 (2H, d), 7.31 (2H, m), 7.45 (1H, m), 7.45 (NH, m), 8.43 (1H, dd), 9.82 (NH, s) (9)13C-NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 174.3 s, 171.8 s, 170.5 s, 169.6 s, 169.5 s, 137.1 s, 136.7 s, 131.8 d, 128.6 d, 128.6 d, 128.2 d, 128.2 d, 127.3 d, 126.8 d, 123.0 s, 122.9 d, 121.6 d, 57.5 d, 56.2 d, 52.5 d, 51.4 t, 48.4 d, 40.3 t, 33.1 t, 31.2 q, 28.6 t, 25.1 d, 25.1 t, 23.2 q, 21.3 q, 18.1 q (10)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171B物質は前記式(II)において
Bが、イソブチル基であって、Dが、ベンジル基である
物質と決定された。
Bが、イソブチル基であって、Dが、ベンジル基である
物質と決定された。
【0029】 3 PF1171C物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C34H52N6O6 (3)マススペクトル (EI-MS) : 640 (M+ ) (4)融点 : 127 〜128 ℃ (5)比旋光度 : [ α] ▲20 D▼ = +44.2 ゜(c 0.5, MeOH ) (6)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 207 (700), 248/s (340), 290 (65) [0.1N HCl-MeOH] : 209 (640), 249/s (340), 290 (65) [0.1N-NaOH-MeOH] : 214 (1078), 250/s (333), 288/s (80) (7)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3496, 3346, 2959, 2872, 1686, 1646, 1619, 1595, 1526, 1479, 1451, 1435, 1412, 1387, 1370, 1331, 1294, 1269, 1258, 1208, 1161, 1134, 1100, 1042, 1009, 986, 953, 927, 864 (8)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.88 (3H, d), 0.89-0.99 (12H, m), 1.05 (3H, d), 1.25 (1H, m), 1.29 (1H, d), 1.47-1.55 (2H, m), 1.57-1.67 (1H, m), 1.78 (2H, m), 1.93 (1H, m), 2.03 (1H, m), 2.05-2.15 (3H, m), 2.19 (1H, m), 2.68 (1H, m), 3.15 (1H, m), 3.20 (3H, s), 3.48 (1H, dd), 3.71 (1H, dd), 4.13 (1H, m), 4.31 (1H, dd), 4.57 (1H, m), 4.81 (1H, dq), 7.13 (1H, ddd), 7.20 (1H, dd), 7.41 (NH, d), 7.46 (1H, ddd), 7.63 (NH, d), 8,00 (NH, d), 8.29 (1H, d), 9.40 (NH, s) (9)13C-NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 174.3 s, 174.1 s, 170.6 s, 170.1 s, 169.3 s, 168.8 s, 137.0 s, 131.6 d, 127.1 d, 123.8 d, 123.3 d, 122.7 s, 65.1 d, 61.4 d, 59.2 d, 52.5 t, 50.9 d, 47.8 d, 37.8 t, 37.8 q, 36.2 t, 29.9 d, 28.1 t, 27.3 t, 25.5 d, 24.3 d, 24.3 t, 23.3 q, 23.1 q, 22.0 q, 21.7 q, 19.7 q, 18.4 q, 16.1 q (10)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171C物質は前記式(I)においてA
がイソプロピル基である物質と決定された。
がイソプロピル基である物質と決定された。
【0030】 4 PF1171D物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C28H41N5O5 (3)マススペクトル (EI-MS) : 527 (M+ ) (4)比旋光度 : [ α] ▲20 D▼ = +205.4゜(c 1.0, MeOH ) (5)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 205 (365), 216 (393), 250 (226), 294 (53) [0.1N HCl-MeOH] : 204/s (226), 217 (333), 250 (220), 295 (50) [0.1N-NaOH-MeOH] : 213 (980), 251 (233), 294 (53) (6)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3496, 3368, 2959, 2872, 1682, 1644, 1617, 1590, 1526, 1503, 1472, 1453, 1420, 1370, 1302, 1271, 1250, 1157, 1136, 1096, 1044, 984, 762 (7)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.92 (6H, d), 0.94 (3H, d), 1.13 (3H, d), 1.48 (3H, d), 1.55 (1H, m), 1.60 (1H, m), 1.63 (1H, m), 1.73 (1H, ddd), 1.92 (1H, m), 1.99 (2H, m), 2.11 (1H, ddd), 2.28 (2H, m), 3.13 (3H, s), 3.63 (1H, ddd), 3.71 (1H, ddd), 4.70 (1H, m), 4.83 (1H, dq), 4.92 (1H, br-d), 5.31 (1H, dd), 6.41 (NH, d), 7.10 (1H, dd), 7.35 (1H, dd), 7.39 (NH, d), 7.44 (1H, dd), 8.41 (1H, d), 9.78 (NH, s) (8)13C-NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 174.2 s, 171.9 s, 170.5 s, 170.4 s, 169.4 s, 136.6 s, 131.7 d, 127.2 d, 123.3 s, 123.0 d, 121.5 d, 56.5 d, 56.0 d, 52.5 d, 51.3 t, 48.4 d, 40.2 t, 35.3 t, 31.1 q, 29.1 t, 25.4 d, 25.1 t, 25.0 d, 23.3 q, 23.2 q, 21.2 q, 20.9 q, 17.9 q (9)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171D物質は前記式(II)において
BとDが共にイソブチル基である物質と決定された。
BとDが共にイソブチル基である物質と決定された。
【0031】 5 PF1171E物質の理化学的性状 (1)色および性状 : 白色粉末 (2)分子式 : C28H41N5O5 (3)マススペクトル (FAB-MS) : 528 (M+H)+ (4)比旋光度 : [ α] ▲20 D▼ = +173.6゜(c 0.5 MeOH ) (5)紫外線吸収スペクトル λmax nm ( E▲% cm▼ ) [ MeOH ] : 203 (273), 214/s (257), 248/s (150), 288 (33) [0.1N HCl-MeOH] : 216 (180), 246 (143), 290 (27) [0.1N-NaOH-MeOH] : 213 (900), 250 (150), 290 (33) (6)赤外線吸収スペクトル (KBr cm-1) : 3475, 3337, 2962, 2898, 1682, 1651, 1619, 1592, 1526, 1495, 1455, 1422, 1302, 1273, 1252, 1156, 1136, 1095, 760 (7)1H-NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ(ppm) : 0.91 (3H, t), 0.93 (3H, d), 0.96 (3H, d), 1.01 (3H, d), 1.13 (1H, dq), 1.44 (1H, dq), 1.51 (3H, d), 1.55 (1H, m), 1.73 (1H, ddd), 1.99 (2H, m), 2.13 (1H, ddd), 2.27 (3H, m), 3.13 (3H, s), 3.61 (1H, m), 3.71 (1H, m), 4.67 (1H, dd), 4.84 (1H, dq), 4.93 (1H, br-d), 5.33 (1H, dd), 6.45 (NH, d), 7.11 (1H, ddd), 7.35 (1H, ddd), 7.39 (NH, d), 7.45 (1H, ddd), 8.45 (1H, dd), 9.76 (NH, s) (8)13C-NMR スペクトル (100MHz, CDCl3) δ(ppm) : 173.8 s, 172.0 s, 170.4 s, 169.5 s, 169.5 s, 136.5 s, 131.7 d, 127.2 d, 123.3 s, 122.9 d, 121.5 d, 58.4 d, 56.6 d, 56.0 d, 51.3 t, 48.4 d, 36.0 d, 35.4 t, 30.9 q, 29.1 t, 25.5 d, 25.1 t, 24.2 t, 23.3 q, 21.0 q, 18.0 q, 16.2 q, 12.1 q (9)溶解性 : クロロホルム、メタノールに可溶、水に難溶。 以上の結果よりPF1171E物質は前記式(II)において
Bが、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブチ
ル基である物質と決定した。
Bが、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブチ
ル基である物質と決定した。
【0032】試験例1 アポリポプロテインB産生抑制
活性 サンプル溶液の調製方法は以下に示すとおりに行った。
ヒト肝癌由来細胞株HepG2 細胞 1 × 105個/ml を96穴
細胞培養用プレートに150 μl ずつ注入し、37℃、炭酸
ガス5%および空気95% の混合ガス雰囲気下で2〜3時間
培養した。ここで、PF1171A物質,PF1171B物質またはPF1
171C物質のメタノール溶液(2mg/ml)3μl を添加す
るか無添加で、さらに37℃で3日間培養し、サンプル溶
液とした。この培地中に生成したアポリポプロテインB
を次のようにエンザイムイムノアッセイ法(ELISA
法)で定量した。アポリポプロテインBの定量方法は以
下に示すとおりに行った。ヤギ抗ヒトアポリポプロテイ
ンB(ケミコン社製)をPBS (10mMリン酸緩衝液pH 7.
2、0.1M NaCl )に10μg/mlになるように溶解した。こ
れを100 μl ずつフレキシブルアッセイプレート(ファ
ルコン社製)に分注し、4℃で20時間静置した。洗浄用
緩衝液(PBS + 0.05% Tween 20) 300μl で5回洗浄
後、ブロッキング液(5%スキムミルク液PBS )200 μl
を加え、室温で1時間静置する。洗浄用緩衝液 300μl
で5回洗浄後、前記のサンプル溶液100 μl(HepG2細
胞培養培地)を加え、37℃で2時間静置した。洗浄用緩
衝液 300μl で5回洗浄後、抗ヒトアポリポプロテイン
BマウスIgG ペルオキシダーゼ(フナコシ社製)の0.1
%溶液100 μl 加え、2時間室温で静置した。洗浄用緩
衝液 300μl で5回洗浄後、ペルオキシダーゼ基質(AB
TS、2,2'- アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-ス
ルホン酸) 二アンモニウム)用バッファー(ザイメド社
製)の10倍水希釈液でABTS(ナカライテスク社製)を溶
解し0.1%としたものを100 μl加え1時間静置した。41
5nm の波長のUV吸光度を測定し、PF1171A物質,PF1171
B物質またはPF1171C物質無添加のサンプル溶液を用いて
同様に処理したサンプルをコントロールとした。コント
ロールのアポリポプロテインB産生量を100%として被検
物質を添加した場合のアポリポプロテインBの産生量を
ELISA 反応後の吸光度の相対値として% で表示した。実
施例1または実施例2に記載の方法によって得られたPF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C 物質(最終濃度40μg/
ml)のアポリポプロテインB産生抑制活性を表1に示し
た。
活性 サンプル溶液の調製方法は以下に示すとおりに行った。
ヒト肝癌由来細胞株HepG2 細胞 1 × 105個/ml を96穴
細胞培養用プレートに150 μl ずつ注入し、37℃、炭酸
ガス5%および空気95% の混合ガス雰囲気下で2〜3時間
培養した。ここで、PF1171A物質,PF1171B物質またはPF1
171C物質のメタノール溶液(2mg/ml)3μl を添加す
るか無添加で、さらに37℃で3日間培養し、サンプル溶
液とした。この培地中に生成したアポリポプロテインB
を次のようにエンザイムイムノアッセイ法(ELISA
法)で定量した。アポリポプロテインBの定量方法は以
下に示すとおりに行った。ヤギ抗ヒトアポリポプロテイ
ンB(ケミコン社製)をPBS (10mMリン酸緩衝液pH 7.
2、0.1M NaCl )に10μg/mlになるように溶解した。こ
れを100 μl ずつフレキシブルアッセイプレート(ファ
ルコン社製)に分注し、4℃で20時間静置した。洗浄用
緩衝液(PBS + 0.05% Tween 20) 300μl で5回洗浄
後、ブロッキング液(5%スキムミルク液PBS )200 μl
を加え、室温で1時間静置する。洗浄用緩衝液 300μl
で5回洗浄後、前記のサンプル溶液100 μl(HepG2細
胞培養培地)を加え、37℃で2時間静置した。洗浄用緩
衝液 300μl で5回洗浄後、抗ヒトアポリポプロテイン
BマウスIgG ペルオキシダーゼ(フナコシ社製)の0.1
%溶液100 μl 加え、2時間室温で静置した。洗浄用緩
衝液 300μl で5回洗浄後、ペルオキシダーゼ基質(AB
TS、2,2'- アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-ス
ルホン酸) 二アンモニウム)用バッファー(ザイメド社
製)の10倍水希釈液でABTS(ナカライテスク社製)を溶
解し0.1%としたものを100 μl加え1時間静置した。41
5nm の波長のUV吸光度を測定し、PF1171A物質,PF1171
B物質またはPF1171C物質無添加のサンプル溶液を用いて
同様に処理したサンプルをコントロールとした。コント
ロールのアポリポプロテインB産生量を100%として被検
物質を添加した場合のアポリポプロテインBの産生量を
ELISA 反応後の吸光度の相対値として% で表示した。実
施例1または実施例2に記載の方法によって得られたPF
1171A物質,PF1171B物質,PF1171C 物質(最終濃度40μg/
ml)のアポリポプロテインB産生抑制活性を表1に示し
た。
【0033】 表1 PF1171A物質,PF1171B物質,PF1171C 物質のHepG2 細胞におけるアポ リポプロテインB生産抑制活性(被検物質最終濃度40μg/ml) ──────────────────────── アポリポプロテインB 分泌量(%) ──────────────────────── コントロール 100 PF1171A 70 PF1171B 40 PF1171C 70 ────────────────────────
【0034】試験例2 モルモット心筋収縮に対する作
用 モルモット心臓を摘出後、95%O2 + 5%CO2 で酸素化され
たKrebs-Hanseleit 溶液中で、左房、右房、心室乳頭筋
を分離した。各標本をマグヌス管中に懸垂し、静止張力
500mg を負荷した。右房は、自発性収縮力および律動数
を測定した。左房、心室乳頭筋は白金線電極を用いて電
気刺激を行い、収縮力を測定した。標本安定後、被検物
質であるPF1171A物質またはPF1171B物質をマグヌス管中
の濃度が0.3,1.0,3.0,10.0または3
0.0μg/mlになるように添加し各濃度でのそれぞれの
作用を検討した。被検物質は予めDMSOに溶解し、DMSOの
最終濃度が1%以下になるように生理食塩水で希釈して調
整したものを添加に用いた。結果を第21図に示した。
PF1171A物質は、10μg /mlから用量依存的に左房収縮
力を増加し、30μg /mlで約150%の増加を示した。一
方、右房律動は、若干低下した。
用 モルモット心臓を摘出後、95%O2 + 5%CO2 で酸素化され
たKrebs-Hanseleit 溶液中で、左房、右房、心室乳頭筋
を分離した。各標本をマグヌス管中に懸垂し、静止張力
500mg を負荷した。右房は、自発性収縮力および律動数
を測定した。左房、心室乳頭筋は白金線電極を用いて電
気刺激を行い、収縮力を測定した。標本安定後、被検物
質であるPF1171A物質またはPF1171B物質をマグヌス管中
の濃度が0.3,1.0,3.0,10.0または3
0.0μg/mlになるように添加し各濃度でのそれぞれの
作用を検討した。被検物質は予めDMSOに溶解し、DMSOの
最終濃度が1%以下になるように生理食塩水で希釈して調
整したものを添加に用いた。結果を第21図に示した。
PF1171A物質は、10μg /mlから用量依存的に左房収縮
力を増加し、30μg /mlで約150%の増加を示した。一
方、右房律動は、若干低下した。
【0035】試験例3 ラット左心室内圧に対する作用 ラット心臓を摘出後、大動脈より逆行性に95%O2 + 5%CO
2 で酸素化されたKrebs-Hanseleit 溶液を潅流した。潅
流圧は約65mmHgの定圧潅流とし、肺静脈より左心室内圧
および左心室内圧一次微分、心拍数を測定した。冠血流
量は回路中に接続した電磁血流計により測定した。標本
安定後、予めDMSOに溶解してから生理食塩水で希釈する
ことにより調製した被検物質であるPF1171A物質の0.
1μg/ml溶液またはPF1171B物質の1mg/ml溶液をそれぞ
れ10μlずつ潅流しその作用を検討した。結果を第2
2図に示した。PF1171A物質は、左心室内圧を約20% 増
加させたが、冠血流量および心拍数には影響がなかっ
た。
2 で酸素化されたKrebs-Hanseleit 溶液を潅流した。潅
流圧は約65mmHgの定圧潅流とし、肺静脈より左心室内圧
および左心室内圧一次微分、心拍数を測定した。冠血流
量は回路中に接続した電磁血流計により測定した。標本
安定後、予めDMSOに溶解してから生理食塩水で希釈する
ことにより調製した被検物質であるPF1171A物質の0.
1μg/ml溶液またはPF1171B物質の1mg/ml溶液をそれぞ
れ10μlずつ潅流しその作用を検討した。結果を第2
2図に示した。PF1171A物質は、左心室内圧を約20% 増
加させたが、冠血流量および心拍数には影響がなかっ
た。
【0036】 PF1171A 物質、けい酸マグネシウムおよび乳糖を混合
し、これをヒドロキシプロピルセルロースを溶解したア
ルコール溶液で練合し、次いで適当な粒度に造粒し、乾
燥、整粒後さらにステアリン酸マグネシウムおよび植物
硬化油を添加混合し均一な顆粒とする。次いでロータリ
ー式打錠機により直径7.0mm、重量150mgおよび硬度6kg
の錠剤を製造した。
し、これをヒドロキシプロピルセルロースを溶解したア
ルコール溶液で練合し、次いで適当な粒度に造粒し、乾
燥、整粒後さらにステアリン酸マグネシウムおよび植物
硬化油を添加混合し均一な顆粒とする。次いでロータリ
ー式打錠機により直径7.0mm、重量150mgおよび硬度6kg
の錠剤を製造した。
【0037】製剤例2 顆粒剤 PF1171A 物質 10 mg 酸化マグネシウム 40 mg 乳糖 10 mg リン酸水素カルシウム 38 mg ヒドロキシプロピルセルロース 20 mg 上記処方例中ヒドロキシプロピルセルロースを除いた各
原料を均一に混合し、これにヒドロキシプロピルセルロ
ースを溶解したアルコール溶液で練合した後、押出造粒
機により造粒し、乾燥して12メッシュの篩を通過し48メ
ッシュの篩上に残留するものを顆粒剤とした。
原料を均一に混合し、これにヒドロキシプロピルセルロ
ースを溶解したアルコール溶液で練合した後、押出造粒
機により造粒し、乾燥して12メッシュの篩を通過し48メ
ッシュの篩上に残留するものを顆粒剤とした。
【0038】
【発明の効果】本発明のPF1171A物質,PF1171B物質,PF11
71C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質はアポリポプロ
テインB産生抑制作用及び強心作用を有するので高脂血
症、虚血性心疾患、脳血管疾患、急性心不全等の治療お
よび予防を目的とした脂質分泌抑制薬、アポリポプロテ
インB産生抑制薬または強心薬としての用途が期待され
る。
71C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質はアポリポプロ
テインB産生抑制作用及び強心作用を有するので高脂血
症、虚血性心疾患、脳血管疾患、急性心不全等の治療お
よび予防を目的とした脂質分泌抑制薬、アポリポプロテ
インB産生抑制薬または強心薬としての用途が期待され
る。
【図1】 第1図はPF1171A 物質のメタノール中(20 μ
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
【図2】 第2図はPF1171A 物質のKBr 錠での赤外線吸
収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数(cm
-1)を示す。
収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数(cm
-1)を示す。
【図3】 第3図はPF1171A 物質の重クロロホルム中で
の400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
の400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
【図4】 第4図はPF1171A 物質の重クロロホルム中で
の100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
の100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
【図5】 第5図はPF1171B 物質のメタノール中(20 μ
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
【図6】 第6図はPF1171B 物質のKBr 錠での赤外線吸
収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数(cm
-1)を示す。
収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数(cm
-1)を示す。
【図7】 第7図はPF1171B 物質の重クロロホルム中40
0 MHzでの1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
0 MHzでの1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
【図8】 第8図はPF1171B 物質の重クロロホルム中で
の100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
の100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は化学
シフト(ppm:δ)を示す。
【図9】 第9図はPF1171C 物質のメタノール中(20 μ
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
g/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸光度
を横軸は波長(mm)を示す。
【図10】 第10図はPF1171C 物質のKBr 錠での赤外
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
【図11】 第11図はPF1171C 物質の重クロロホルム
中400 MHzでの1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中400 MHzでの1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図12】 第12図はPF1171C 物質の重クロロホルム
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図13】 第13図はPF1171D 物質のメタノール中(2
0 μg/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸
光度を横軸は波長(mm)を示す。
0 μg/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸
光度を横軸は波長(mm)を示す。
【図14】 第14図はPF1171D 物質のKBr 錠での赤外
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
【図15】 第15図はPF1171D 物質の重クロロホルム
中での400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中での400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図16】 第16図はPF1171D 物質の重クロロホルム
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図17】 第17図はPF1171E 物質のメタノール中(2
0 μg/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸
光度を横軸は波長(mm)を示す。
0 μg/ml)での紫外線吸収スペクトルを示し、縦軸は吸
光度を横軸は波長(mm)を示す。
【図18】 第18図はPF1171E 物質のKBr 錠での赤外
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
線吸収スペクトルを示し、縦軸は透過率を横軸は波数
(cm-1)を示す。
【図19】 第19図はPF1171E 物質の重クロロホルム
中での400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中での400 MHz1H核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図20】 第20図はPF1171E 物質の重クロロホルム
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
中での100 MHz13C核磁気共鳴スペクトルを示し、横軸は
化学シフト(ppm:δ)を示す。
【図21】 第21図はマグヌス法を用いたPF1171A物
質およびPF1171B物質のモルモット摘出心筋に対する作
用を示す。
質およびPF1171B物質のモルモット摘出心筋に対する作
用を示す。
【図22】 第22図はランゲンドルフ法を用いたPF11
71A物質およびPF1171B物質のラット摘出心筋に対する作
用を示す。
71A物質およびPF1171B物質のラット摘出心筋に対する作
用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (72)発明者 中山 文子 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 矢口 貴志 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 佐藤 愛理子 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 星子 繁 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 上遠 直子 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 曽根田 智子 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 蜂須 貢 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 下記の式(I) 【化1】 (I) [式中、Aは、1−メチルプロピル基またはイソプロピ
ル基を表す。]で表される環状ペプチドPF1171A物質ま
たはPF1171C物質およびその薬理学的に許容されうる
塩。 - 【請求項2】 下記の式(II) 【化2】 (II) [式中、Bが、イソブチル基であって、Dが、ベンジル
基を表すかまたはBとDが共にイソブチル基を表すかま
たBが、1−メチルプロピル基であって、Dが、イソブ
チル基を表す。]で表される環状ペプチドPF1171B物
質、PF1171D物質またはPF1171E物質およびその薬理学的
に許容されうる塩。 - 【請求項3】 ハミジェラ属に属するPF1171A物質,PF11
71B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF1171E物質生
産菌を培養し、その培養物から生産されたPF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質を採取することを特徴とする環状ペプチドの製造法。 - 【請求項4】 ハミジェラ アベラネアに属するPF1171
A物質,PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質およびPF1
171E物質生産菌を培養しその培養物からPF1171A物質,PF
1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物質
を採取することを特徴とする請求項3に記載の環状ペプ
チドの製造法。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載のPF1171A物質,
PF1171B物質,PF1171C物質,PF1171D物質またはPF1171E物
質あるいはその薬理学的に許容されうる塩を含有してな
る医薬組成物。 - 【請求項6】 高脂血症の治療薬または予防薬である請
求項5に記載の医薬組成物。 - 【請求項7】 脂質分泌抑制薬である請求項5に記載の
医薬組成物。 - 【請求項8】 アポリポプロテインB産生抑制薬である
請求項5に記載の医薬組成物。 - 【請求項9】 強心薬である請求項5に記載の医薬組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172280A JPH1121297A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 新規環状ペプチドpf1171a物質,pf1171b物質,pf1171c物質,pf1171d物質またはpf1171e物質およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172280A JPH1121297A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 新規環状ペプチドpf1171a物質,pf1171b物質,pf1171c物質,pf1171d物質またはpf1171e物質およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121297A true JPH1121297A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=15939001
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9172280A Pending JPH1121297A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 新規環状ペプチドpf1171a物質,pf1171b物質,pf1171c物質,pf1171d物質またはpf1171e物質およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121297A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114957401A (zh) * | 2021-01-28 | 2022-08-30 | 广东轻工职业技术学院 | 一种海洋真菌来源的肽类化合物及其制备方法与应用 |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP9172280A patent/JPH1121297A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114957401A (zh) * | 2021-01-28 | 2022-08-30 | 广东轻工职业技术学院 | 一种海洋真菌来源的肽类化合物及其制备方法与应用 |
CN114957401B (zh) * | 2021-01-28 | 2023-04-28 | 广东轻工职业技术学院 | 一种海洋真菌来源的肽类化合物及其制备方法与应用 |
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