JPH07238062A - 炭酸エステルの製造法 - Google Patents

炭酸エステルの製造法

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JPH07238062A
JPH07238062A JP6028270A JP2827094A JPH07238062A JP H07238062 A JPH07238062 A JP H07238062A JP 6028270 A JP6028270 A JP 6028270A JP 2827094 A JP2827094 A JP 2827094A JP H07238062 A JPH07238062 A JP H07238062A
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JP
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ion
reaction
solid catalyst
catalyst
zeolite
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JP6028270A
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English (en)
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Koji Ishichi
浩二 石地
Yoshinori Yamazaki
吉則 山崎
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、イオン交換型のゼオライトに、白
金族金属イオンと、アルカリ金属イオン及び/又はアル
カリ土類金属イオンとがイオン交換担持されていると共
に、水素イオンがアルミニウムに対して原子比で0.1
〜0.6の割合でイオン交換担持され、かつ亜鉛、銅、
コバルト、ニッケル、マグネシウム及びカリウムから選
ばれた少なくとも一種類の金属の化合物が担持されてい
る固体触媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを気
相接触反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造
法に関する。 【効果】 本発明により、固体触媒上の酸点による副反
応を抑えながら、長期間触媒を高活性に維持して、高選
択率、高収量で炭酸エステルを製造することができる。
また、反応系は塩化水素を含まないので、反応装置を腐
食させることがなく、かつ製品への塩素分の混入も防ぐ
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルから炭酸エステルを製造する方法において、活
性、選択性及び寿命に優れた性能を示す新規な触媒を使
用する炭酸エステルの製造法に関する。炭酸エステル
は、芳香族ポリカ−ボネ−トや種々の化学薬品の合成原
料として、また溶剤として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接
触反応させて炭酸エステルを製造する方法で用いられる
触媒については次のような提案がなされている。特開平
3−141243号公報には、白金族金属又はその化合
物と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及びスズ
から選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物が活性炭
などの担体に担持された触媒が開示され、特開平4−1
39152号公報には、上記触媒成分に第3成分とし
て、バナジウム、モリブデン及びタングステンから選ば
れた少なくとも一種類の金属の化合物が活性炭などの担
体に担持された触媒が提案されている。
【0003】しかしながら、このような白金族金属又は
その化合物とその他の金属の化合物が活性炭などの担体
に担持された触媒は、初期活性及び選択性においては非
常に優れた性能を示すものの、化合物を構成するアニオ
ン、例えば塩素イオンや硫酸イオンが触媒内に安定に保
持されず徐々に触媒から飛散するために長期間にわたっ
て高い活性を維持することは容易ではなかった。この問
題を解決する方法として、特開平4−89458号公報
には、前記触媒存在下、反応系に微量の塩化水素を共存
させて一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接触反応さ
せることにより、高選択率、高収量で長期間安定して炭
酸エステルを製造する方法が提案されている。しかし、
この改良法においては、塩素分による反応装置の腐食や
製品への塩素分の混入が起こるため、工業的にはこの点
の解決が望まれている。
【0004】反応系に塩化水素を共存させることによる
このような問題を回避するため、特開平5−43517
号公報では、ゼオライト担体に、白金族金属イオンと、
銅、鉄、スズ、ニッケル、コバルト、セリウム、銀及び
マンガンから選ばれた少なくとも一種類の金属イオンと
がイオン交換法により担持された触媒を用いる方法が提
案されている。しかし、この方法で調製した触媒は、白
金族金属イオン以外に銅、鉄などの多価金属イオンもイ
オン交換法で担持されるため、公知のようにゼオライト
上に酸点が生じて触媒の酸性度が高くなり、炭酸エステ
ルの製造に使用する場合には好ましくない副反応を引き
起こすという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な塩素分に起因する問題を解決すると共に、触媒上の酸
点による副反応を抑えつつ、触媒を長期間高活性に維持
して、高選択率、高収量で炭酸エステルを製造すること
ができる、工業的に好適な炭酸エステルの製造法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、イオン
交換型のゼオライトに、白金族金属イオンと、アルカリ
金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンとがイオ
ン交換担持されていると共に、水素イオンがアルミニウ
ムに対して原子比で0.1〜0.6の割合でイオン交換
担持され、かつ亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、マグネ
シウム及びカリウムから選ばれた少なくとも一種類の金
属の化合物が担持されている固体触媒の存在下、一酸化
炭素と亜硝酸エステルを気相接触反応させることを特徴
とする炭酸エステルの製造法によって達成される。
【0007】以下に本発明を詳しく説明する。本発明で
使用されるゼオライトとしては、そのイオン交換点にお
いて白金族金属がカチオンとしてイオン交換担持できる
もの、中でも、そのイオン交換点に水素イオンが結合し
ているイオン交換型のゼオライトが好ましい。勿論、イ
オン交換点に水素イオンに変換できるイオンが結合して
いるもの、例えば、アンモニウムイオン、アルカリ金属
イオン、アルカリ土類金属イオンが結合しているイオン
交換型のゼオライトであってもよい。具体的には、合成
ゼオライト、天然ゼオライト、モレキュラーシーブ等が
使用されるが、好ましくは、合成ゼオライトのうち、X
型ゼオライト、Y型ゼオライトで代表されるフォージャ
サイト型ゼオライト、特にY型ゼオライトが好適に用い
られる。
【0008】上記ゼオライト中のSiとAlとの原子比
は通常0.5〜10程度、好ましくは1〜6、特に好ま
しくは2〜5の範囲である。なお、ゼオライトは粉末又
は粒状のものが使用され、粉末の場合は粒径が通常20
〜100μmのもの、粒状の場合は通常4〜200メッ
シュのものが好適に用いられる。
【0009】前記ゼオライトにイオン交換担持される白
金族金属イオンとしては、パラジウム、白金、イリジウ
ム、ルテニウム及びロジウムのイオンが好適に挙げられ
るが、中でもパラジウムイオンが最も好ましい。白金族
金属イオンは通常のイオン交換法で前記ゼオライトにイ
オン交換担持されるが、このとき使用される白金族金属
の形態についてはイオン交換可能なものであれば特に制
限はなく、例えば、前記白金族金属のハロゲン化物、硝
酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩が
用いられ、更に、水溶性を増すためにアンミン錯体やエ
チレンジアミン錯体等の錯体も使用される。具体的に
は、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム
等の無機酸塩、酢酸パラジウム等の有機酸塩、テトラア
ンミンパラジウムジクロリド、テトラアンミンパラジウ
ムナイトレート等の錯体が好適に使用される。
【0010】白金族金属イオンの担持量は、ゼオライト
に対して白金族金属換算で通常0.1〜10重量%、特
に0.5〜5重量%であることが好ましい。具体的に
は、ゼオライトの種類により交換容量が異なるが、例え
ば、Si/Al(原子比)=2〜3のY型ゼオライトで
あれば、ゼオライトに対してパラジウム金属換算で通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、特
に好ましくは0.5〜5重量%であるようにパラジウム
イオンが担持される。
【0011】前記ゼオライトにイオン交換担持されるア
ルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとして
は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、
又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の
イオンが好適に挙げられる。アルカリ金属イオン又はア
ルカリ土類金属イオンは通常のイオン交換法で前記ゼオ
ライトにイオン交換担持されるが、このとき使用される
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物については
イオン交換可能なものであれば特に制限はなく、例え
ば、これら金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無
機酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩が使用される。具体的
には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の
アルカリ金属の無機酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム等のアルカリ金属の有機酸塩、塩化カルシウム、塩化
マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫
酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の無機酸塩、酢酸
カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ土類金属の有機
酸塩が好適に使用される。なお、アルカリ金属又はアル
カリ土類金属の化合物の担持量は、アルミニウムに対し
て原子比で通常0.4〜0.9である。
【0012】前記ゼオライトに担持される金属の化合物
としては、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、マグネシウ
ム及びカリウムの化合物が挙げられ、その中でも特に亜
鉛が好ましい。また、これら金属の化合物の形態として
は、例えば、アセチルアセトナート等の錯体、水酸化
物、酸化物、及びハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン
酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有
機酸塩が好適に挙げられるが、中でも酸化物が最も好ま
しい。これら金属の化合物は、後述のように実質的にイ
オン交換を起こさない方法で前記ゼオライトに担持され
るが、このとき使用されるこれら金属の化合物の形態に
ついてはイオン交換法以外の方法で担持できるものであ
れば特に制限はなく、例えば、これら金属のアセチルア
セトナート等の錯体、水酸化物、酸化物、及びハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機酸
塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩が使用される。
【0013】具体的には、亜鉛アセチルアセトナート、
銅アセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナー
ト、ニッケルアセチルアセトナート等のアセチルアセト
ナート、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化コバルト、水酸
化ニッケル、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム等の
水酸化物、酸化亜鉛、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッ
ケル、酸化マグネシウム等の酸化物、塩化亜鉛、塩化
銅、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、
塩化カリウム等の塩化物、硝酸亜鉛、硝酸銅、硝酸コバ
ルト、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸カリウム
等の硝酸塩、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸ニ
ッケル、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、
リン酸亜鉛、リン酸銅、リン酸コバルト、リン酸ニッケ
ル、リン酸マグネシウム、リン酸カリウム等のリン酸
塩、炭酸亜鉛、炭酸銅、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、
炭酸マグネシウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、酢酸亜
鉛、酢酸銅、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、酢酸マグネ
シウム、酢酸カリウム等の酢酸塩、シュウ酸亜鉛、シュ
ウ酸銅、シュウ酸コバルト、シュウ酸ニッケル、シュウ
酸マグネシウム、シュウ酸カリウム等のシュウ酸塩が好
適に使用される。
【0014】上記金属の化合物は助触媒的な役割を果た
すものであり、白金族金属イオンを単独に担持した場合
に比べて、選択性を向上させると共に触媒の寿命を大幅
に延ばすことができるものである。なお、上記金属の化
合物の担持量は、ゼオライトに対して金属換算で通常常
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、更
に好ましくは1〜3重量%の範囲である。
【0015】本発明で使用される固体触媒は、例えば、
イオン交換点に水素イオンが結合している前記イオン交
換型のゼオライト(例えば、HY型ゼオライト)上の水
素イオンをアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イ
オンでイオン交換した(ゼオライト上の強い酸点を予め
中和した)後に、該ゼオライトに、亜鉛、銅、コバル
ト、ニッケル、マグネシウム及びカリウムから選ばれた
少なくとも一種類の前記金属の化合物を担持し、更に前
記白金族金属イオンをイオン交換担持することによって
調製することができる。
【0016】HY型ゼオライトは互いに近接して存在す
る三種類のイオン交換点を有しており、このうち一種類
のイオン交換点は安定構造を有していて水素イオンが結
合した場合に水素イオンの解離(イオン交換)が困難に
なっているが、残りの二種類のイオン交換点は不安定な
構造であるために水素イオンの解離(イオン交換)が容
易になっていて、強い酸点として作用している。
【0017】本発明では、白金族金属イオンはこの水素
イオンの解離(イオン交換)が容易になっているイオン
交換点においてイオン交換担持されると推定される。即
ち、強い酸点である前記二種類のイオン交換点に結合し
ている水素イオンをアルカリ金属イオン又はアルカリ土
類金属イオンでイオン交換し(強い酸点を中和し)、次
いでこのアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオ
ンを白金族金属イオンにイオン交換する方法によって、
白金族金属イオンがイオン交換担持されると考えられ
る。従って、触媒の調製に当たっては、下記のように固
体触媒の酸性度を低くするため、例えば、HY型ゼオラ
イトをアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオン
を含有する溶液で処理した後に、前記金属の化合物をイ
オン交換法以外の公知の方法によって担持し、次いで該
ゼオライトにイオン交換担持されたアルカリ金属イオン
又はアルカリ土類金属イオンを白金族金属イオンにイオ
ン交換することが好ましい。
【0018】このような方法により、イオン交換により
生じるゼオライト上の酸点を減少させて、白金族金属イ
オン、及びナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオ
ン又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属
イオンがイオン交換担持されていると共に、水素イオン
がアルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6、好ま
しくは0.4〜0.55の割合でイオン交換担持され、
かつ亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、マグネシウム及び
カリウムから選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物
が担持されている固体触媒を得ることができる。その結
果、得られた固体触媒は酸性度の低いものであり、一酸
化炭素と亜硝酸エステルとの接触反応における好ましく
ない副反応を著しく抑制できるようになる。
【0019】実際の触媒調製は、例えば、次のように行
われる。まず、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオ
ンが、通常のイオン交換法によって前記ゼオライトにイ
オン交換担持される。具体的には、HY型ゼオライトか
らなるゼオライトを水中に分散させた水スラリー液に、
前記のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物の水
溶液、あるいはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化
合物をそのまま添加してイオン交換担持が行われる。な
お、このとき使用されるゼオライトがイオン交換点にア
ンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類
金属イオンが結合しているものである場合には、予めこ
れらのイオンを公知の方法で水素イオンに変換しておく
ことが好ましい。
【0020】次に、前記金属の化合物が、アルカリ金属
イオン又はアルカリ土類金属イオンがイオン交換担持さ
れたゼオライトに公知の担持法によって担持される。前
記金属の化合物を担持する方法としては、前述のように
イオン交換法以外の担持法、換言すればゼオライト上の
アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを多価
金属イオンでイオン交換することによる酸点の生成を抑
えることができる担持法であれば通常行われる方法でよ
く、例えば、混練法や蒸発乾固法、ポアフィリング法な
どが好適に用いられる。しかしながら、これらの担持法
においても、酸性度を上げないように触媒を調製するた
め、前記金属の化合物の種類に応じて実質的にイオン交
換を起こさない担持法を適宜選択する必要がある。
【0021】即ち、前記金属の化合物のうち、水又は有
機溶媒に難溶性もしくは不溶性の水酸化物、酸化物、硫
酸塩、リン酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩は、ゼオライトと
の機械的な混合でこれらを担持することが好ましい。水
溶性のハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩及び有機溶媒のみ
に可溶性のアセチルアセトナート錯体は、これらの化合
物を有機溶媒に溶解させて蒸発乾固法やポアフィリング
法で担持することが好ましい。このとき、有機溶媒とし
ては、例えば、前者の化合物にはメタノールやエタノー
ル等の脂肪族低級アルコール、後者の化合物にはクロロ
ホルムが好適に使用される。これらの担持法で特に好ま
しい方法は、アセチルアセトナート錯体や酢酸塩等の有
機溶媒に可溶性の化合物を用いる方法で、実質的にイオ
ン交換を起こすことなく前記金属の化合物を担持するこ
とができる。
【0022】なお、水溶性の前記金属の化合物を担持し
た場合には、後述するように最後に白金族金属イオンを
水溶液中で担持する際、水溶性の化合物が再溶解して白
金族金属イオンと共にイオン交換担持されることを防ぐ
ために、水溶性の化合物が担持されたゼオライトを空気
中、通常300〜800℃、好ましくは500〜700
℃で焼成して水溶性の化合物を水に不溶性の酸化物に変
換しておくことが好ましい。また、水に難溶性の前記金
属の水酸化物、酸化物、リン酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩
を担持した場合にも同様に焼成を行って、これらの化合
物を水に不溶性の化合物(例えば、酸化物)に変換して
おく方が好ましい。
【0023】そして、最後に、白金族金属イオンが、ア
ルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンがイオン
交換担持され次いで前記金属の化合物が担持されたゼオ
ライトに担持される。白金族金属イオンを担持する方法
としては、水溶液中で通常のイオン交換法により前記ゼ
オライト上のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オンを前記白金族金属イオンにイオン交換する方法が用
いられる。具体的には、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属イオンがイオン交換担持され、そして前記金属の化
合物が担持された前記ゼオライトを水中に分散させた水
スラリー液に、テトラアンミンパラジウムジクロリド等
の白金族金属の錯体を添加して、5〜100℃の温度で
イオン交換を行うことによって白金族金属イオンを担持
することができる。
【0024】白金族金属イオンをイオン交換担持した
後、ゼオライトを乾燥し、そして必要であれば押出成型
器、打錠器、造粒器などで成型すれば、工業的に利用で
きる固体触媒を調製することができる。前記の乾燥では
特別な操作は必要としないが、触媒の均一性に影響する
急激な温度上昇を防ぐため、通常、室温(約20℃)か
ら100〜200℃程度までの昇温を1〜2時間かけて
行い、次いでその温度で1〜24時間、特に2〜10時
間乾燥することが好ましい。また、前記の成型において
は、成型性をよくするため又は固体触媒に強度を上げる
ために結合剤(バインダー)を混合してもよく、特に粉
末のゼオライトを使用した場合には、粘度鉱物などの適
当な結合剤(バインダー)を混合して粒状のものに成型
して使用することが好ましい。更に、上記のようにして
調製された固体触媒は、空気又は不活性ガスの流通下、
ゼオライトの結晶構造や組成に影響を及ぼさない温度
(例えば、約100〜500℃、特に好ましくは150
〜250℃の範囲の温度)で1〜10時間焼成すること
が好ましい。
【0025】触媒の調製に当たっては、上記の方法以外
に、例えば、HY型ゼオライトからなるゼオライトをア
ルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有す
る溶液で処理した後に、アルカリ金属イオン又はアルカ
リ土類金属イオンを白金族金属イオンにイオン交換し、
次いで前記金属の化合物をイオン交換法以外の方法によ
って担持する方法、前記ゼオライトに前記金属の化合物
をイオン交換法以外の方法によって担持した後、これを
アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有
する溶液で処理し、次いでアルカリ金属イオン又はアル
カリ土類金属イオンを白金族金属イオンにイオン交換す
る方法を採用することもできる。いずれの方法において
も各成分は前記の方法と同様にゼオライトに担持するこ
とができるが、後者の方法では、水溶性の化合物を用い
て前記金属の化合物を担持する場合は、前述のように担
持後に焼成を行って水溶性の化合物を水に不溶性の化合
物(酸化物)に変換しておくことが必要である。
【0026】本発明で使用される固体触媒のような固体
酸の酸性度は、一般に、その酸強度及び酸量を滴定法や
昇温脱離法で数値化することによって示される。本発明
では、触媒講座,別巻,触媒実験ハンドブック,p.1
75(触媒学会編、講談社)に記載されているアンモニ
ア昇温脱離法の脱離ピーク温度で示される酸強度が通常
300℃以下、特に285℃以下であるような弱い酸強
度を示す固体触媒を使用することが副反応を抑制する上
で好ましい。
【0027】また、本発明では、アンモニア昇温脱離法
によって測定される固体触媒の酸点の量に係わる酸量
(脱離ピークの合計面積)が、前記のアンモニア昇温脱
離法によって測定されたHY型ゼオライトの酸点の量に
係わる酸量(脱離ピークの合計面積)を100とした場
合に通常20%以下、好ましくは10%以下の値である
ことが好適である。なお、酸量の測定において標準とし
て使用されるHY型ゼオライトは、イオン交換点にナト
リウムイオンが結合しているSi/Al比が2.8のN
aY型ゼオライト(HSZ−320NAA:東ソー製)
をアンモニウムイオンでイオン交換して、ナトリウムイ
オンがゼオライトに対して酸化ナトリウム(Na2 O)
として0.3重量%以下担持されたもの(NH4 Y型ゼ
オライト)を得た後、500℃で5時間熱処理してHY
型としたものである。
【0028】このようにして調製された固体触媒の存在
下に一酸化炭素と亜硝酸エステルを反応させて炭酸エス
テルを製造することができる。このとき、反応温度は通
常50〜150℃、好ましくは80〜130℃であり、
反応圧力は特に限定されないが、ゲージ圧で通常0〜1
0kg/cm2 、好ましくは1〜5kg/cm2 である
ことが好適である。反応原料である一酸化炭素及び亜硝
酸エステルは窒素等の不活性ガスで希釈されていること
が好ましく、希釈された反応原料ガスは、通常1000
〜30000hr-1、好ましくは2000〜10000
hr-1の空間速度(SV)で反応器にフィードされ、そ
の組成は、通常、一酸化炭素が1〜10容量%、好まし
くは2〜5容量%で、亜硝酸エステルが6〜20容量%
であって、一酸化炭素に対する亜硝酸エステルの比(モ
ル比)が2以上であることが好適である。なお、アルコ
ールは反応に特に必要ではないが、亜硝酸エステルと共
に原料ガスに同伴させてフィードしても差し支えない。
【0029】本発明で使用される亜硝酸エステルとして
は、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi
−)プロピル、亜硝酸n−(又はi−,sec−)ブチ
ル等の炭素数1〜5個の低級脂肪族1価アルコ−ルの亜
硝酸エステルを挙げることができるが、中でも亜硝酸メ
チル及び亜硝酸エチルが好適に使用される。このような
亜硝酸エステルは、例えば、亜硝酸ソ−ダと硝酸、塩
酸、硫酸等の酸との反応や、アンモニアの空気酸化で得
られるNOX ガスの一部を分子状酸素で酸化して、NO
/NO2 =1/1(容量比)のNOX ガスを得た後、こ
れにアルコ−ルを接触させることにより容易に得ること
ができる。
【0030】以上のように一酸化炭素と亜硝酸エステル
との気相接触反応を行って、使用した亜硝酸エステルに
対応して、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジn−
(又はi−)プロピル、炭酸ジn−(又はi−,sec
−)ブチル等の炭酸エステルがそれぞれ得られるが、炭
酸エステルは、反応器から導出される炭酸エステル、シ
ュウ酸ジエステル、一酸化窒素、炭酸ガス、未反応の一
酸化炭素及び亜硝酸エステル、不活性ガスなどを含む反
応ガスを冷却した後、凝縮液から蒸留などの公知の方法
により分離精製することができる。
【0031】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、各実施例及び比較例における空
時収量(STY)(g/l・hr)は、一酸化炭素と亜
硝酸メチルとの接触反応時間をθ(hr)、その間に生
成した炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への
触媒の充填量をb(l)として次式により求めた。
【0032】
【数1】
【0033】また、各実施例及び比較例における選択率
(X、Y)(%)は、それぞれ供給された一酸化炭酸及
び亜硝酸エステル基準の選択率であり、上記のθ(h
r)に生成した炭酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、炭酸
ガス、ギ酸メチル及びメチラールの量を、それぞれc
(mol)、d(mol)、e(mol)、f(mo
l)、g(mol)として次式により求めた。
【0034】
【数2】
【0035】
【数3】
【0036】実施例1 〔触媒の調製〕Si/Al(原子比)=2.8のHY型
ゼオライト粉末(HSZ−320HOA:東ソー製)1
0.0gを蒸留水200mlに添加して充分脱気した
後、上澄液を除いて得られた水スラリー液30mlに4
M−酢酸ナトリウム水溶液200mlを加えて50℃に
加温し、その温度で5時間攪拌した。このゼオライト
を、濾過して蒸留水で充分洗浄した後、酢酸亜鉛二水塩
0.33gをエタノール30mlに溶解させた溶液に混
合してよく懸濁させた。次いで、ロータリーエバポレー
ターで溶媒を留去し、残存するゼオライトを空気中11
0℃で一夜乾燥し、更に空気中500℃で2時間焼成し
た。
【0037】得られたゼオライトに蒸留水200mlを
加えて水スラリー液を調製し、攪拌しながら、水スラリ
ー液に0.02M−テトラアンミンパラジウムジクロリ
ド水溶液50mlを30分間で滴下した。この水スラリ
ー液を一昼夜室温で攪拌してパラジウムイオンをゼオラ
イトにイオン交換担持させた後、濾過・水洗して得られ
たケーキ状のゼオライトを110℃で5時間乾燥し、更
に200℃で2時間熱処理(乾燥・焼成)した。このゼ
オライトを錠剤成型器で成型した後、粉砕して10メッ
シュの大きさのものに揃えて、Y型ゼオライトにパラジ
ウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン
交換担持され、更に亜鉛化合物が担持された粒状の固体
触媒を調製した。
【0038】得られた固体触媒を王水で溶解して原子吸
光法で分析したところ、ゼオライトに対して、パラジウ
ムイオンが金属換算で1.02重量%、ナトリウムイオ
ンが金属換算で4.51重量%、酸化亜鉛が金属換算で
1.03重量%担持されていた。また、原子吸光分析の
結果、アルミニウムがゼオライトに対して金属換算で1
0.0重量%含有されていたことから、この固体触媒に
イオン交換担持されているイオンのアルミニウムに対す
る比(原子比)は、パラジウムイオンが0.025、ナ
トリウムイオンが0.42、水素イオンが0.53であ
った。更に、アンモニア昇温脱離法でこの固体触媒の酸
強度を測定したところ、180℃及び250℃に脱離ピ
ークが観測され、それ以上の温度では脱離ピークは実質
的に存在しなかった。また、アンモニア昇温脱離法によ
る固体触媒の酸量はHY型ゼオライトの10%以下であ
った。
【0039】〔炭酸ジメチルの合成〕上記固体触媒2.
5mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット
付)に充填し、反応管を垂直に固定した後、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させて触媒層内温度が110℃にな
るように加熱制御した。次いで、この反応管の上部か
ら、亜硝酸メチル18容量%、一酸化炭素2容量%、一
酸化窒素4容量%、メタノ−ル2容量%、窒素74容量
%の組成からなる原料ガスを、8000hr-1の空間速
度(GHSV)で供給して、反応温度110℃で、常圧
下、50時間、一酸化炭素と亜硝酸メチルとの気相接触
反応を行った。
【0040】反応開始から8時間経過時までの反応生成
物を氷冷したメタノ−ル中を通して捕集し、得られた捕
集液をガスクロマトグラフィ−によって分析したとこ
ろ、炭酸ジメチルが空時収量(STY)200g/l・
hr、一酸化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチ
ル基準選択率(Y)91%で生成していた。副生物とし
ては、シュウ酸ジメチル、炭酸ガス、ギ酸メチル及びメ
チラールが認められた。また、この反応を50時間継続
させて行ったときの炭酸ジメチルの空時収量(STY)
及び選択率(X、Y)は初期の値と比較してそれぞれ変
化していなかった。
【0041】実施例2 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩の使
用量を0.65gに変えたことのほかは、実施例1と同
様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウムイ
オン及び水素イオンがイオン交換担持され、更に亜鉛化
合物が担持された固体触媒を調製した。得られた固体触
媒の特性を表1に示す。
【0042】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)185g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)98%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)94%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0043】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩の使
用量を0gに変えた(即ち、酢酸亜鉛を担持しなかっ
た)ことのほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトに
パラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが
イオン交換担持された固体触媒を調製した。得られた固
体触媒の特性を表1に示す。
【0044】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)230g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)84%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0045】比較例2 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸ナトリウム水溶
液による処理を行わなかったことのほかは、実施例1と
同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウム
イオン及び水素イオンがイオン交換担持され、更に亜鉛
化合物が担持された固体触媒を調製した。得られた固体
触媒の特性を表1に示す。
【0046】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)220g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)92%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)75%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0047】比較例3 〔触媒の調製〕実施例1において、ゼオライトをSi/
Al(原子比)=2.8のNaY型ゼオライト(HSZ
−320NAA:東ソー製)10.0gに変え、酢酸ナ
トリウム水溶液による処理を行わなかったことのほか
は、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオ
ン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持
され、更に亜鉛化合物が担持された固体触媒を調製し
た。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0048】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)200g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)83%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)70%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0049】実施例3 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛を担持した
後、500℃での焼成を700℃の焼成に変えたことの
ほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウム
イオン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン交換
担持され、更に亜鉛化合物が担持された固体触媒を調製
した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0050】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)210g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)98%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)92%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0051】実施例4 〔触媒の調製〕実施例1において、4M−酢酸ナトリウ
ム水溶液の使用量を500mlに変え、この酢酸ナトリ
ウム水溶液による処理条件を60℃の加温、12時間の
攪拌に変えたことのほかは、実施例1と同様にY型ゼオ
ライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素
イオンがイオン交換担持され、更に亜鉛化合物が担持さ
れた固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表
1に示す。
【0052】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)230g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)88%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0053】比較例4 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛を担持した
後、500℃での焼成を行わなかったことのほかは、実
施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナ
トリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持され、
更に酢酸亜鉛及び亜鉛イオンが担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0054】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)245g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)80%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)70%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0055】比較例5 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を溶
解するエタノールを水30mlに変えたことのほかは、
実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、
ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持さ
れ、更に亜鉛化合物及び亜鉛イオンが担持された固体触
媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0056】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)255g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)84%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)70%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0057】
【表1】
【0058】実施例5 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酢
酸コバルト(II) 四水塩0.42gに変えたことのほか
は、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオ
ン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持
され、更にコバルト(II) 化合物が担持された固体触媒
を調製した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
【0059】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)210g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)90%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0060】実施例6 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酢
酸マグネシウム四水塩0.88gに変えたことのほか
は、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオ
ン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持
され、更にマグネシウム化合物が担持された固体触媒を
調製した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
【0061】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)200g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)88%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0062】実施例7 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酢
酸カリウム0.28gに変えたことのほかは、実施例1
と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウ
ムイオン及び水素イオンがイオン交換担持され、更にカ
リウム化合物が担持された固体触媒を調製した。得られ
た固体触媒の特性を表2に示す。
【0063】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)215g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)90%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0064】実施例8 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酢
酸銅一水塩0.32gに変えたことのほかは、実施例1
と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウ
ムイオン及び水素イオンがイオン交換担持され、更に銅
(II)化合物が担持された固体触媒を調製した。得られ
た固体触媒の特性を表2に示す。
【0065】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)210g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)88%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0066】実施例9 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酢
酸ニッケル(II)0.15gに変えたことのほかは、実
施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナ
トリウムイオン及び水素イオンがイオン交換担持され、
更にニッケル(II)化合物が担持された固体触媒を調製
した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
【0067】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)200g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)88%で生成していた。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0068】実施例10 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を銅
(II)ビスアセチルアセトナート0.62gに変えたこ
とのほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジ
ウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンがイオン
交換担持され、更に銅(II)化合物が担持された固体触
媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
【0069】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)215g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)87%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0070】実施例11 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸亜鉛二水塩を酸
化亜鉛0.18gに変えたことのほかは、実施例1と同
様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウムイ
オン及び水素イオンがイオン交換担持され、更に亜鉛化
合物が担持された固体触媒を調製した。得られた固体触
媒の特性を表2に示す。
【0071】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)210g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)91%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0072】実施例12 〔触媒の調製〕実施例1において、4M−酢酸ナトリウ
ム水溶液を4M−酢酸カリウム水溶液200mlに変え
たことのほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパ
ラジウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及
び水素イオンがイオン交換担持され、更に亜鉛化合物が
担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特
性を表2に示す。
【0073】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1におい
て、上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、
実施例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経
過時までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジ
メチルが空時収量(STY)180g/l・hr、一酸
化炭素基準選択率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択
率(Y)90%で生成していることがわかった。また、
50時間経過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及
び選択率(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明により、固体触媒上の酸点による
副反応を抑えつつ、長期間触媒を高活性に維持すること
が可能になるため、一酸化炭素基準及び亜硝酸エステル
基準の選択率を共に非常に高い状態に保って(特に亜硝
酸エステル基準の選択率を従来よりも高い状態に保っ
て)、高収量で炭酸エステルを得ることができる。ま
た、塩化水素を使用しない反応系を採用できるため、塩
素分による反応装置の腐食や製品への塩素分の混入など
塩化水素を使用することに伴う工業的な諸問題も解決す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換型のゼオライトに、白金族金
    属イオンと、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土
    類金属イオンとがイオン交換担持されていると共に、水
    素イオンがアルミニウムに対して原子比で0.1〜0.
    6の割合でイオン交換担持され、かつ亜鉛、銅、コバル
    ト、ニッケル、マグネシウム及びカリウムから選ばれた
    少なくとも一種類の金属の化合物が担持されている固体
    触媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相接触
    反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造法。
JP6028270A 1994-02-25 1994-02-25 炭酸エステルの製造法 Pending JPH07238062A (ja)

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