JPH07118210A - 炭酸エステルの製造法 - Google Patents
炭酸エステルの製造法Info
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- JPH07118210A JPH07118210A JP14307494A JP14307494A JPH07118210A JP H07118210 A JPH07118210 A JP H07118210A JP 14307494 A JP14307494 A JP 14307494A JP 14307494 A JP14307494 A JP 14307494A JP H07118210 A JPH07118210 A JP H07118210A
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 本発明は、イオン交換型のゼオライトに、白
金族金属イオンと、アルカリ金属イオン及び/又はアル
カリ土類金属イオンとが担持されていると共に、水素イ
オンがアルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6の
割合で担持されている固体触媒の存在下、一酸化炭素と
亜硝酸エステルを気相接触反応させることを特徴とする
炭酸エステルの製造法に関する。 【効果】 本発明により、固体触媒上の酸点による副反
応を抑えながら、触媒を長期間高活性に維持して、高選
択率、高収量で炭酸エステルを製造することができる。
また、反応系は塩化水素を含まないので、反応装置を腐
食させることがなく、かつ製品への塩素分の混入も防ぐ
ことができる。
金族金属イオンと、アルカリ金属イオン及び/又はアル
カリ土類金属イオンとが担持されていると共に、水素イ
オンがアルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6の
割合で担持されている固体触媒の存在下、一酸化炭素と
亜硝酸エステルを気相接触反応させることを特徴とする
炭酸エステルの製造法に関する。 【効果】 本発明により、固体触媒上の酸点による副反
応を抑えながら、触媒を長期間高活性に維持して、高選
択率、高収量で炭酸エステルを製造することができる。
また、反応系は塩化水素を含まないので、反応装置を腐
食させることがなく、かつ製品への塩素分の混入も防ぐ
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルから炭酸エステルを製造する方法において、活
性、選択性及び寿命に優れた性能を示す新規な触媒を使
用する炭酸エステルの製造法に関する。炭酸エステル
は、芳香族ポリカ−ボネ−トや種々の化学薬品の合成原
料として、また溶剤として有用な化合物である。
ステルから炭酸エステルを製造する方法において、活
性、選択性及び寿命に優れた性能を示す新規な触媒を使
用する炭酸エステルの製造法に関する。炭酸エステル
は、芳香族ポリカ−ボネ−トや種々の化学薬品の合成原
料として、また溶剤として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接
触反応させて炭酸エステルを製造する方法において使用
される触媒については次のような提案がなされている。
特開平3−141243号公報には、白金族金属又はそ
の化合物と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及
びスズから選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物と
が活性炭などの担体に担持された触媒が開示され、特開
平4−139152号公報には、上記触媒成分に第3成
分として、バナジウム、モリブデン及びタングステンか
ら選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物が活性炭な
どの担体に担持された触媒が提案されている。
触反応させて炭酸エステルを製造する方法において使用
される触媒については次のような提案がなされている。
特開平3−141243号公報には、白金族金属又はそ
の化合物と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及
びスズから選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物と
が活性炭などの担体に担持された触媒が開示され、特開
平4−139152号公報には、上記触媒成分に第3成
分として、バナジウム、モリブデン及びタングステンか
ら選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物が活性炭な
どの担体に担持された触媒が提案されている。
【0003】しかしながら、このような白金族金属又は
その化合物とその他の金属の化合物が活性炭などの担体
に担持された触媒は、初期活性及び選択性においては非
常に優れた性能を示すものの、化合物を構成するアニオ
ン、例えば塩素イオンや硫酸イオンが触媒内に安定に保
持されず徐々に触媒から飛散するために、長期間にわた
って高い活性を維持することは容易ではなかった。この
問題を解決する方法として、特開平4−89458号公
報には、前記触媒存在下、反応系に微量の塩化水素を共
存させて一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接触反応
させることにより、高選択率、高収量で長期間安定して
炭酸エステルを製造する方法が提案されている。しか
し、この改良法においては、塩素分による反応装置の腐
食や製品への塩素分の混入が起こるため、工業的にはこ
の点の解決が望まれている。
その化合物とその他の金属の化合物が活性炭などの担体
に担持された触媒は、初期活性及び選択性においては非
常に優れた性能を示すものの、化合物を構成するアニオ
ン、例えば塩素イオンや硫酸イオンが触媒内に安定に保
持されず徐々に触媒から飛散するために、長期間にわた
って高い活性を維持することは容易ではなかった。この
問題を解決する方法として、特開平4−89458号公
報には、前記触媒存在下、反応系に微量の塩化水素を共
存させて一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接触反応
させることにより、高選択率、高収量で長期間安定して
炭酸エステルを製造する方法が提案されている。しか
し、この改良法においては、塩素分による反応装置の腐
食や製品への塩素分の混入が起こるため、工業的にはこ
の点の解決が望まれている。
【0004】反応系に塩化水素を共存させることによる
このような問題を回避するため、特開平5−43517
号公報では、ゼオライト担体に、白金族金属イオンと、
銅、鉄、スズ、ニッケル、コバルト、セリウム、銀及び
マンガンから選ばれた少なくとも一種類の金属イオンと
がイオン交換法により担持された触媒を用いる方法が提
案されている。しかし、この方法で調製された触媒は、
白金族金属イオン以外に銅、鉄などの多価金属イオンも
イオン交換法で担持されるため、公知のようにゼオライ
ト上に酸点が生じて触媒の酸性度が高くなり、炭酸エス
テルの製造に使用する場合には好ましくない副反応を引
き起こすという問題があった。
このような問題を回避するため、特開平5−43517
号公報では、ゼオライト担体に、白金族金属イオンと、
銅、鉄、スズ、ニッケル、コバルト、セリウム、銀及び
マンガンから選ばれた少なくとも一種類の金属イオンと
がイオン交換法により担持された触媒を用いる方法が提
案されている。しかし、この方法で調製された触媒は、
白金族金属イオン以外に銅、鉄などの多価金属イオンも
イオン交換法で担持されるため、公知のようにゼオライ
ト上に酸点が生じて触媒の酸性度が高くなり、炭酸エス
テルの製造に使用する場合には好ましくない副反応を引
き起こすという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な塩素分に起因する問題を解決すると共に、触媒上の酸
点による副反応を抑えつつ、触媒を長期間高活性に維持
して、高選択率、高収量で炭酸エステルを製造すること
ができる、工業的に好適な炭酸エステルの製造法を提供
することを目的とするものである。
な塩素分に起因する問題を解決すると共に、触媒上の酸
点による副反応を抑えつつ、触媒を長期間高活性に維持
して、高選択率、高収量で炭酸エステルを製造すること
ができる、工業的に好適な炭酸エステルの製造法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、イオン
交換型のゼオライトに、白金族金属イオンと、アルカリ
金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンとが担持
されていると共に、水素イオンがアルミニウムに対して
原子比で0.1〜0.6の割合で担持されている固体触
媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相接触反
応させることを特徴とする炭酸エステルの製造法によっ
て達成される。
交換型のゼオライトに、白金族金属イオンと、アルカリ
金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンとが担持
されていると共に、水素イオンがアルミニウムに対して
原子比で0.1〜0.6の割合で担持されている固体触
媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相接触反
応させることを特徴とする炭酸エステルの製造法によっ
て達成される。
【0007】以下に本発明を詳しく説明する。イオン交
換型のゼオライトとしては、そのイオン交換点において
白金族金属をカチオンとして担持できるもの、中でも、
そのイオン交換点に水素イオンが結合しているイオン交
換型のゼオライトが好ましい。勿論、イオン交換点に水
素イオンに変換できるイオンが結合しているもの、例え
ば、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカ
リ土類金属イオンが結合しているイオン交換型のゼオラ
イトであってもよい。具体的には、合成ゼオライト、天
然ゼオライト、モレキュラーシーブ等が使用されるが、
好ましくは、合成ゼオライトのうち、X型ゼオライト、
Y型ゼオライトで代表されるフォージャサイト型ゼオラ
イト、特にY型ゼオライトが好適に使用される。
換型のゼオライトとしては、そのイオン交換点において
白金族金属をカチオンとして担持できるもの、中でも、
そのイオン交換点に水素イオンが結合しているイオン交
換型のゼオライトが好ましい。勿論、イオン交換点に水
素イオンに変換できるイオンが結合しているもの、例え
ば、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカ
リ土類金属イオンが結合しているイオン交換型のゼオラ
イトであってもよい。具体的には、合成ゼオライト、天
然ゼオライト、モレキュラーシーブ等が使用されるが、
好ましくは、合成ゼオライトのうち、X型ゼオライト、
Y型ゼオライトで代表されるフォージャサイト型ゼオラ
イト、特にY型ゼオライトが好適に使用される。
【0008】上記ゼオライト中のSiとAlとの原子比
(Si/Al)は通常0.5〜10程度、好ましくは1
〜6、特に好ましくは2〜5の範囲である。なお、ゼオ
ライトは粉末又は粒状のものが使用され、粉末の場合は
粒径が通常20〜100μmのもの、粒状の場合は通常
4〜200メッシュのものが好適に用いられる。
(Si/Al)は通常0.5〜10程度、好ましくは1
〜6、特に好ましくは2〜5の範囲である。なお、ゼオ
ライトは粉末又は粒状のものが使用され、粉末の場合は
粒径が通常20〜100μmのもの、粒状の場合は通常
4〜200メッシュのものが好適に用いられる。
【0009】前記ゼオライトに担持される白金族金属イ
オンとしては、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニ
ウム及びロジウムのイオンが好適に挙げられるが、中で
もパラジウムイオンが最も好ましい。白金族金属イオン
は通常のイオン交換法で前記ゼオライトに担持される
が、このとき使用される白金族金属の形態についてはイ
オン交換可能なものであれば特に制限はなく、例えば、
前記白金族金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無
機酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩が用いられ、更に、水
溶性を増すためにアンミン錯体やエチレンジアミン錯体
等の錯体も使用される。具体的には、塩化パラジウム、
硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等の無機酸塩、酢酸パ
ラジウム等の有機酸塩、テトラアンミンパラジウムジク
ロリド、テトラアンミンパラジウムナイトレート等の錯
体が好適に使用される。
オンとしては、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニ
ウム及びロジウムのイオンが好適に挙げられるが、中で
もパラジウムイオンが最も好ましい。白金族金属イオン
は通常のイオン交換法で前記ゼオライトに担持される
が、このとき使用される白金族金属の形態についてはイ
オン交換可能なものであれば特に制限はなく、例えば、
前記白金族金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩等の無
機酸塩、及び酢酸塩等の有機酸塩が用いられ、更に、水
溶性を増すためにアンミン錯体やエチレンジアミン錯体
等の錯体も使用される。具体的には、塩化パラジウム、
硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等の無機酸塩、酢酸パ
ラジウム等の有機酸塩、テトラアンミンパラジウムジク
ロリド、テトラアンミンパラジウムナイトレート等の錯
体が好適に使用される。
【0010】白金族金属イオンの担持量は、ゼオライト
に対して白金族金属換算で通常0.1〜10重量%、特
に0.5〜5重量%であることが好ましい。具体的に
は、ゼオライトの種類により交換容量が異なるが、例え
ば、Si/Al(原子比)=2〜3のY型ゼオライトで
あれば、ゼオライトに対してパラジウム金属換算で通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、特
に好ましくは0.5〜5重量%であるようにパラジウム
イオンが担持される。
に対して白金族金属換算で通常0.1〜10重量%、特
に0.5〜5重量%であることが好ましい。具体的に
は、ゼオライトの種類により交換容量が異なるが、例え
ば、Si/Al(原子比)=2〜3のY型ゼオライトで
あれば、ゼオライトに対してパラジウム金属換算で通常
0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、特
に好ましくは0.5〜5重量%であるようにパラジウム
イオンが担持される。
【0011】前記ゼオライトに担持されるアルカリ金属
イオン又はアルカリ土類金属イオンとしては、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、又はマグネシ
ウム、カルシウム等のアルカリ土類金属のイオンが好適
に挙げられる。アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金
属イオンは通常のイオン交換法で前記ゼオライトに担持
されるが、このとき使用されるアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の化合物についてはイオン交換可能なもので
あれば特に制限はなく、例えば、これら金属のハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、及び酢酸塩等の有
機酸塩が使用される。具体的には、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナト
リウム、硫酸カリウム等のアルカリ金属の無機酸塩、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の有機酸
塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等のアルカリ
土類金属の無機酸塩、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等
のアルカリ土類金属の有機酸塩が好適に使用される。な
お、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物の担持
量は、アルミニウムに対して原子比で通常0.4〜0.
9である。
イオン又はアルカリ土類金属イオンとしては、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、又はマグネシ
ウム、カルシウム等のアルカリ土類金属のイオンが好適
に挙げられる。アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金
属イオンは通常のイオン交換法で前記ゼオライトに担持
されるが、このとき使用されるアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の化合物についてはイオン交換可能なもので
あれば特に制限はなく、例えば、これら金属のハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、及び酢酸塩等の有
機酸塩が使用される。具体的には、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナト
リウム、硫酸カリウム等のアルカリ金属の無機酸塩、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の有機酸
塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等のアルカリ
土類金属の無機酸塩、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等
のアルカリ土類金属の有機酸塩が好適に使用される。な
お、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物の担持
量は、アルミニウムに対して原子比で通常0.4〜0.
9である。
【0012】本発明で使用される固体触媒は、イオン交
換点に水素イオンが結合している前記イオン交換型のゼ
オライト(例えば、HY型ゼオライト)上の水素イオン
をアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンでイ
オン交換した(ゼオライト上の強い酸点を予め中和し
た)後に、該ゼオライトに前記白金族金属イオンを担持
することによって調製することができる。
換点に水素イオンが結合している前記イオン交換型のゼ
オライト(例えば、HY型ゼオライト)上の水素イオン
をアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンでイ
オン交換した(ゼオライト上の強い酸点を予め中和し
た)後に、該ゼオライトに前記白金族金属イオンを担持
することによって調製することができる。
【0013】HY型ゼオライトは互いに近接して存在す
る三種類のイオン交換点を有しており、このうち一種類
のイオン交換点は安定構造を有していて水素イオンが結
合した場合に水素イオンの解離(イオン交換)が困難に
なっているが、残りの二種類のイオン交換点は不安定な
構造であるために水素イオンの解離(イオン交換)が容
易になっていて、強い酸点として作用している。
る三種類のイオン交換点を有しており、このうち一種類
のイオン交換点は安定構造を有していて水素イオンが結
合した場合に水素イオンの解離(イオン交換)が困難に
なっているが、残りの二種類のイオン交換点は不安定な
構造であるために水素イオンの解離(イオン交換)が容
易になっていて、強い酸点として作用している。
【0014】本発明では、白金族金属イオンはこの水素
イオンの解離(イオン交換)が容易になっているイオン
交換点において担持されると推定される。即ち、強い酸
点である前記二種類のイオン交換点に結合している水素
イオンをアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオ
ンでイオン交換し(即ち、強い酸点を中和し)、次いで
このアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを
白金族金属イオンにイオン交換する方法によって、白金
族金属イオンが担持されると考えられる。従って、触媒
の調製に当たっては、下記のように固体触媒の酸性度を
低くするため、例えば、HY型ゼオライトをアルカリ金
属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する溶液で
処理した後に、該ゼオライトに担持されたアルカリ金属
イオン又はアルカリ土類金属イオンを白金族金属イオン
にイオン交換することが好ましい。
イオンの解離(イオン交換)が容易になっているイオン
交換点において担持されると推定される。即ち、強い酸
点である前記二種類のイオン交換点に結合している水素
イオンをアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオ
ンでイオン交換し(即ち、強い酸点を中和し)、次いで
このアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを
白金族金属イオンにイオン交換する方法によって、白金
族金属イオンが担持されると考えられる。従って、触媒
の調製に当たっては、下記のように固体触媒の酸性度を
低くするため、例えば、HY型ゼオライトをアルカリ金
属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する溶液で
処理した後に、該ゼオライトに担持されたアルカリ金属
イオン又はアルカリ土類金属イオンを白金族金属イオン
にイオン交換することが好ましい。
【0015】このような方法により、イオン交換により
生じるゼオライト上の酸点を減少させて、白金族金属イ
オンと、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン
及び/又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類
金属イオンとが担持されていると共に、水素イオンがア
ルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6、好ましく
は0.4〜0.55の割合で担持されている固体触媒を
得ることができる。その結果、得られた固体触媒は酸性
度の低いものであり、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの
接触反応における好ましくない副反応を著しく抑制でき
るようになる。
生じるゼオライト上の酸点を減少させて、白金族金属イ
オンと、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン
及び/又はマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類
金属イオンとが担持されていると共に、水素イオンがア
ルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6、好ましく
は0.4〜0.55の割合で担持されている固体触媒を
得ることができる。その結果、得られた固体触媒は酸性
度の低いものであり、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの
接触反応における好ましくない副反応を著しく抑制でき
るようになる。
【0016】実際の触媒調製は、例えば、次のように行
われる。まず、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオ
ンが、通常のイオン交換法によって前記ゼオライトに担
持される。具体的には、HY型ゼオライトからなるゼオ
ライトを水中に分散させた水スラリー液に、前記のアル
カリ金属又はアルカリ土類金属の化合物の水溶液、ある
いはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物をその
まま添加して該金属イオンの担持が行われる。なお、こ
のとき使用されるゼオライトがイオン交換点にアンモニ
ウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オンが結合しているものである場合には、予めこれらの
イオンを公知の方法で水素イオンに変換しておくことが
好ましい。
われる。まず、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオ
ンが、通常のイオン交換法によって前記ゼオライトに担
持される。具体的には、HY型ゼオライトからなるゼオ
ライトを水中に分散させた水スラリー液に、前記のアル
カリ金属又はアルカリ土類金属の化合物の水溶液、ある
いはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物をその
まま添加して該金属イオンの担持が行われる。なお、こ
のとき使用されるゼオライトがイオン交換点にアンモニ
ウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オンが結合しているものである場合には、予めこれらの
イオンを公知の方法で水素イオンに変換しておくことが
好ましい。
【0017】また、本発明では、上記のようにしてアル
カリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンと水素イオ
ンとが担持されたゼオライトを通常200〜800℃、
好ましくは500〜700℃で焼成することによって、
選択性を維持したままで触媒の活性を更に向上させるこ
とができる。なお、焼成時間は通常1〜10時間、好ま
しくは2〜5時間で、焼成時の雰囲気は特に限定されな
いが空気雰囲気であることが好ましい。このとき、焼成
温度が200℃以下では触媒活性は特に変化せず、また
800℃を越えるとゼオライトの結晶構造が破壊されて
くるために好ましくない。また、パラジウムイオンを担
持した後にこの焼成を行うと選択性が低下して好ましく
ない。
カリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンと水素イオ
ンとが担持されたゼオライトを通常200〜800℃、
好ましくは500〜700℃で焼成することによって、
選択性を維持したままで触媒の活性を更に向上させるこ
とができる。なお、焼成時間は通常1〜10時間、好ま
しくは2〜5時間で、焼成時の雰囲気は特に限定されな
いが空気雰囲気であることが好ましい。このとき、焼成
温度が200℃以下では触媒活性は特に変化せず、また
800℃を越えるとゼオライトの結晶構造が破壊されて
くるために好ましくない。また、パラジウムイオンを担
持した後にこの焼成を行うと選択性が低下して好ましく
ない。
【0018】次に、アルカリ金属イオン又はアルカリ土
類金属イオンと水素イオンとが担持された上記のゼオラ
イトに、白金族金属イオンが担持される。白金族金属イ
オンを担持する方法としては、水溶液中で通常のイオン
交換法により前記ゼオライト上のアルカリ金属イオン、
アルカリ土類金属イオンを白金族金属イオンにイオン交
換する方法が用いられる。例えば、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属イオンと水素イオンとが担持された上記
ゼオライトを水中に分散させた水スラリー液に、テトラ
アンミンパラジウムジクロリド等の白金族金属の錯体を
添加して、5〜100℃の温度でイオン交換を行うこと
によって白金族金属イオンを担持することができる。
類金属イオンと水素イオンとが担持された上記のゼオラ
イトに、白金族金属イオンが担持される。白金族金属イ
オンを担持する方法としては、水溶液中で通常のイオン
交換法により前記ゼオライト上のアルカリ金属イオン、
アルカリ土類金属イオンを白金族金属イオンにイオン交
換する方法が用いられる。例えば、アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属イオンと水素イオンとが担持された上記
ゼオライトを水中に分散させた水スラリー液に、テトラ
アンミンパラジウムジクロリド等の白金族金属の錯体を
添加して、5〜100℃の温度でイオン交換を行うこと
によって白金族金属イオンを担持することができる。
【0019】白金族金属イオンを担持した後、該ゼオラ
イトを乾燥し、そして必要であれば押出成型器、打錠
器、造粒器などで成型して、工業的に利用できる固体触
媒を調製することができる。乾燥においては特別な操作
は必要とされないが、触媒の均一性に影響する急激な温
度上昇を防ぐため、通常、室温(約20℃)から100
〜200℃程度までの昇温を1〜2時間かけて行い、次
いでその温度で1〜24時間、特に2〜10時間乾燥す
ることが好ましい。また、成型においては、成型性をよ
くするため又は固体触媒の強度を上げるために結合剤
(バインダー)を混合してもよく、特に粉末のゼオライ
トを使用した場合には、粘度鉱物などの適当な結合剤
(バインダー)を混合して粒状のものに成型して使用す
ることが好ましい。更に、上記のようにして調製された
固体触媒は、通常、空気又は不活性ガスの流通下、10
0〜500℃、好ましくは150〜250℃で1〜10
時間焼成される。
イトを乾燥し、そして必要であれば押出成型器、打錠
器、造粒器などで成型して、工業的に利用できる固体触
媒を調製することができる。乾燥においては特別な操作
は必要とされないが、触媒の均一性に影響する急激な温
度上昇を防ぐため、通常、室温(約20℃)から100
〜200℃程度までの昇温を1〜2時間かけて行い、次
いでその温度で1〜24時間、特に2〜10時間乾燥す
ることが好ましい。また、成型においては、成型性をよ
くするため又は固体触媒の強度を上げるために結合剤
(バインダー)を混合してもよく、特に粉末のゼオライ
トを使用した場合には、粘度鉱物などの適当な結合剤
(バインダー)を混合して粒状のものに成型して使用す
ることが好ましい。更に、上記のようにして調製された
固体触媒は、通常、空気又は不活性ガスの流通下、10
0〜500℃、好ましくは150〜250℃で1〜10
時間焼成される。
【0020】本発明で使用される固体触媒のような固体
酸の酸性度は、一般に、その酸強度及び酸量を滴定法や
昇温脱離法で数値化することによって示される。本発明
では、触媒講座,別巻,触媒実験ハンドブック,p.1
75(触媒学会編、講談社)に記載されているアンモニ
ア昇温脱離法の脱離ピーク温度で示される酸強度が通常
300℃以下、特に285℃以下であるような弱い酸強
度を示す固体触媒を使用することが副反応を抑制する上
で好ましい。
酸の酸性度は、一般に、その酸強度及び酸量を滴定法や
昇温脱離法で数値化することによって示される。本発明
では、触媒講座,別巻,触媒実験ハンドブック,p.1
75(触媒学会編、講談社)に記載されているアンモニ
ア昇温脱離法の脱離ピーク温度で示される酸強度が通常
300℃以下、特に285℃以下であるような弱い酸強
度を示す固体触媒を使用することが副反応を抑制する上
で好ましい。
【0021】更に、本発明では、アンモニア昇温脱離法
によって測定される固体触媒の酸点の量に係わる酸量
(脱離ピークの合計面積)が、前記のアンモニア昇温脱
離法によって測定されたHY型ゼオライトの酸点の量に
係わる酸量(脱離ピークの合計面積)を100とした場
合に通常20%以下、好ましくは10%以下の値である
固体触媒を使用することが好適である。なお、本発明の
酸量の測定において標準として使用されるHY型ゼオラ
イトは、イオン交換点にナトリウムイオンが結合してい
るSi/Al比が2.8のNaY型ゼオライト(HSZ
−320NAA:東ソー製)をアンモニウムイオンでイ
オン交換して、ナトリウムイオンがゼオライトに対して
酸化ナトリウム(Na2O)として0.3重量%以下担
持されたもの(NH4 Y型ゼオライト)を得た後、50
0℃で5時間熱処理してHY型としたものである。
によって測定される固体触媒の酸点の量に係わる酸量
(脱離ピークの合計面積)が、前記のアンモニア昇温脱
離法によって測定されたHY型ゼオライトの酸点の量に
係わる酸量(脱離ピークの合計面積)を100とした場
合に通常20%以下、好ましくは10%以下の値である
固体触媒を使用することが好適である。なお、本発明の
酸量の測定において標準として使用されるHY型ゼオラ
イトは、イオン交換点にナトリウムイオンが結合してい
るSi/Al比が2.8のNaY型ゼオライト(HSZ
−320NAA:東ソー製)をアンモニウムイオンでイ
オン交換して、ナトリウムイオンがゼオライトに対して
酸化ナトリウム(Na2O)として0.3重量%以下担
持されたもの(NH4 Y型ゼオライト)を得た後、50
0℃で5時間熱処理してHY型としたものである。
【0022】このようにして調製された固体触媒の存在
下、通常、次のような反応条件で一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルの気相接触反応が行われる。即ち、反応温度は5
0〜150℃、好ましくは80〜130℃であり、反応
圧力は特に限定されないが、ゲージ圧で0〜10kg/
cm2 、好ましくは1〜5kg/cm2 である。反応原
料である一酸化炭素及び亜硝酸エステルは窒素等の不活
性ガスで希釈されていることが好ましく、希釈された反
応原料ガスは、1000〜30000hr-1、好ましく
は2000〜10000hr-1の空間速度(SV)で反
応器にフィードされ、その組成は、一酸化炭素が1〜1
0容量%、好ましくは2〜5容量%で、亜硝酸エステル
が6〜20容量%であって、一酸化炭素に対する亜硝酸
エステルの比(モル比)が2以上である。なお、アルコ
ールは反応には特に必要とされないが、亜硝酸エステル
と共に原料ガスに同伴させてフィードしても差し支えな
い。
下、通常、次のような反応条件で一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルの気相接触反応が行われる。即ち、反応温度は5
0〜150℃、好ましくは80〜130℃であり、反応
圧力は特に限定されないが、ゲージ圧で0〜10kg/
cm2 、好ましくは1〜5kg/cm2 である。反応原
料である一酸化炭素及び亜硝酸エステルは窒素等の不活
性ガスで希釈されていることが好ましく、希釈された反
応原料ガスは、1000〜30000hr-1、好ましく
は2000〜10000hr-1の空間速度(SV)で反
応器にフィードされ、その組成は、一酸化炭素が1〜1
0容量%、好ましくは2〜5容量%で、亜硝酸エステル
が6〜20容量%であって、一酸化炭素に対する亜硝酸
エステルの比(モル比)が2以上である。なお、アルコ
ールは反応には特に必要とされないが、亜硝酸エステル
と共に原料ガスに同伴させてフィードしても差し支えな
い。
【0023】亜硝酸エステルとしては、亜硝酸メチル、
亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi−)プロピル、亜硝
酸n−(又はi−,sec−)ブチル等の炭素数1〜5
個の低級脂肪族1価アルコ−ルの亜硝酸エステルを挙げ
ることができるが、中でも亜硝酸メチル及び亜硝酸エチ
ルが好適に使用される。このような亜硝酸エステルは、
例えば、亜硝酸ソ−ダと硝酸、塩酸、硫酸等の酸との反
応や、アンモニアの空気酸化で得られるNOX ガスの一
部を分子状酸素で酸化して、NO/NO2 =1/1(容
量比)のNOX ガスを得た後、これにアルコ−ルを接触
させることにより容易に得ることができる。
亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi−)プロピル、亜硝
酸n−(又はi−,sec−)ブチル等の炭素数1〜5
個の低級脂肪族1価アルコ−ルの亜硝酸エステルを挙げ
ることができるが、中でも亜硝酸メチル及び亜硝酸エチ
ルが好適に使用される。このような亜硝酸エステルは、
例えば、亜硝酸ソ−ダと硝酸、塩酸、硫酸等の酸との反
応や、アンモニアの空気酸化で得られるNOX ガスの一
部を分子状酸素で酸化して、NO/NO2 =1/1(容
量比)のNOX ガスを得た後、これにアルコ−ルを接触
させることにより容易に得ることができる。
【0024】以上のようにして一酸化炭素と亜硝酸エス
テルの気相接触反応を行って、使用した亜硝酸エステル
に対応して、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジn−
(又はi−)プロピル、炭酸ジn−(又はi−,sec
−)ブチル等の炭酸エステルがそれぞれ得られるが、炭
酸エステルは、反応器から導出される炭酸エステル、シ
ュウ酸ジエステル、一酸化窒素、炭酸ガス、未反応の一
酸化炭素及び亜硝酸エステル、不活性ガスなどを含む反
応ガスを冷却した後、凝縮液から蒸留などにより分離精
製することができる。
テルの気相接触反応を行って、使用した亜硝酸エステル
に対応して、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジn−
(又はi−)プロピル、炭酸ジn−(又はi−,sec
−)ブチル等の炭酸エステルがそれぞれ得られるが、炭
酸エステルは、反応器から導出される炭酸エステル、シ
ュウ酸ジエステル、一酸化窒素、炭酸ガス、未反応の一
酸化炭素及び亜硝酸エステル、不活性ガスなどを含む反
応ガスを冷却した後、凝縮液から蒸留などにより分離精
製することができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、各実施例及び比較例における空
時収量(STY)(g/l・hr)は、一酸化炭素と亜
硝酸メチルの接触反応時間をθ(hr)、その間に生成
した炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への触
媒の充填量をb(l)として次式により求めた。
体的に説明する。なお、各実施例及び比較例における空
時収量(STY)(g/l・hr)は、一酸化炭素と亜
硝酸メチルの接触反応時間をθ(hr)、その間に生成
した炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への触
媒の充填量をb(l)として次式により求めた。
【0026】
【数1】
【0027】また、選択率(X、Y)(%)は、それぞ
れ供給された一酸化炭酸及び亜硝酸エステル基準の選択
率であり、上記のθ(hr)に生成した炭酸ジメチル、
シュウ酸ジメチル、炭酸ガス、ギ酸メチル及びメチラー
ルの量を、それぞれc(mol)、d(mol)、e
(mol)、f(mol)、g(mol)として次式に
より求めた。
れ供給された一酸化炭酸及び亜硝酸エステル基準の選択
率であり、上記のθ(hr)に生成した炭酸ジメチル、
シュウ酸ジメチル、炭酸ガス、ギ酸メチル及びメチラー
ルの量を、それぞれc(mol)、d(mol)、e
(mol)、f(mol)、g(mol)として次式に
より求めた。
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】実施例1 〔触媒の調製〕Si/Al(原子比)=2.8のHY型
ゼオライト粉末(HSZ−320HOA:東ソー製)1
0.0gを蒸留水200mlに添加して充分脱気した
後、上澄液を除いて得られた水スラリー液30mlに4
M−酢酸ナトリウム水溶液200mlを加え、一昼夜室
温で攪拌した。このゼオライトを濾過して蒸留水で充分
洗浄した後、蒸留水200mlを加えて水スラリー液を
調製し、攪拌しながら、水スラリー液に0.02Mテト
ラアンミンパラジウムジクロリド水溶液50ml(1m
mol)を30分間で滴下した。
ゼオライト粉末(HSZ−320HOA:東ソー製)1
0.0gを蒸留水200mlに添加して充分脱気した
後、上澄液を除いて得られた水スラリー液30mlに4
M−酢酸ナトリウム水溶液200mlを加え、一昼夜室
温で攪拌した。このゼオライトを濾過して蒸留水で充分
洗浄した後、蒸留水200mlを加えて水スラリー液を
調製し、攪拌しながら、水スラリー液に0.02Mテト
ラアンミンパラジウムジクロリド水溶液50ml(1m
mol)を30分間で滴下した。
【0031】この水スラリー液を一昼夜室温で攪拌して
パラジウムイオンをゼオライトに担持した後、濾過・水
洗して得られたケーキ状のゼオライトを110℃で5時
間乾燥し、更に200℃で2時間空気中で焼成した。次
いで、このゼオライトを錠剤成型器で成型した後、粉砕
して10メッシュの大きさのものに揃えて、Y型ゼオラ
イトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イ
オンが担持された粒状の固体触媒を調製した。
パラジウムイオンをゼオライトに担持した後、濾過・水
洗して得られたケーキ状のゼオライトを110℃で5時
間乾燥し、更に200℃で2時間空気中で焼成した。次
いで、このゼオライトを錠剤成型器で成型した後、粉砕
して10メッシュの大きさのものに揃えて、Y型ゼオラ
イトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イ
オンが担持された粒状の固体触媒を調製した。
【0032】得られた固体触媒を王水で溶解して原子吸
光法で分析したところ、ゼオライトに対して、パラジウ
ムイオンが金属換算で1.02重量%、ナトリウムイオ
ンが金属換算で4.51重量%担持されていた。また、
アルミニウムがゼオライトに対して金属換算で10.0
重量%含有されていたことより、この固体触媒に担持さ
れている各イオンのアルミニウムに対する比(原子比)
は、パラジウムイオンが0.025、ナトリウムイオン
が0.42、水素イオンが0.53であった。更に、ア
ンモニア昇温脱離法でこの固体触媒の酸強度を測定した
ところ、180℃及び280℃に脱離ピークが観測さ
れ、それ以上の温度では脱離ピークは実質的に存在しな
かった。また、アンモニア昇温脱離法による固体触媒の
酸量はHY型ゼオライトの10%以下であった。なお、
このとき、標準としたHY型ゼオライトは、イオン交換
点にナトリウムイオンが結合しているSi/Al比が
2.8のNaY型ゼオライト(HSZ−320NAA:
東ソー製)をアンモニウムイオンでイオン交換して、ナ
トリウムイオンがゼオライトに対して酸化ナトリウム
(Na2 O)として0.3重量%以下担持されたもの
(NH4 Y型ゼオライト)を得た後、500℃で5時間
熱処理してHY型としたものである。
光法で分析したところ、ゼオライトに対して、パラジウ
ムイオンが金属換算で1.02重量%、ナトリウムイオ
ンが金属換算で4.51重量%担持されていた。また、
アルミニウムがゼオライトに対して金属換算で10.0
重量%含有されていたことより、この固体触媒に担持さ
れている各イオンのアルミニウムに対する比(原子比)
は、パラジウムイオンが0.025、ナトリウムイオン
が0.42、水素イオンが0.53であった。更に、ア
ンモニア昇温脱離法でこの固体触媒の酸強度を測定した
ところ、180℃及び280℃に脱離ピークが観測さ
れ、それ以上の温度では脱離ピークは実質的に存在しな
かった。また、アンモニア昇温脱離法による固体触媒の
酸量はHY型ゼオライトの10%以下であった。なお、
このとき、標準としたHY型ゼオライトは、イオン交換
点にナトリウムイオンが結合しているSi/Al比が
2.8のNaY型ゼオライト(HSZ−320NAA:
東ソー製)をアンモニウムイオンでイオン交換して、ナ
トリウムイオンがゼオライトに対して酸化ナトリウム
(Na2 O)として0.3重量%以下担持されたもの
(NH4 Y型ゼオライト)を得た後、500℃で5時間
熱処理してHY型としたものである。
【0033】〔炭酸ジメチルの合成〕上記固体触媒2.
5mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット
付)に充填し、反応管を垂直に固定した後、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させて触媒層内温度が110℃にな
るように加熱制御した。次いで、この反応管の上部か
ら、亜硝酸メチル18容量%、一酸化炭素2容量%、一
酸化窒素4容量%、メタノ−ル2容量%、窒素74容量
%の組成からなる原料ガスを、8000hr-1の空間速
度(GHSV)で供給して、常圧下、反応温度110℃
で、一酸化炭素と亜硝酸メチルの気相接触反応を50時
間行った。
5mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット
付)に充填し、反応管を垂直に固定した後、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させて触媒層内温度が110℃にな
るように加熱制御した。次いで、この反応管の上部か
ら、亜硝酸メチル18容量%、一酸化炭素2容量%、一
酸化窒素4容量%、メタノ−ル2容量%、窒素74容量
%の組成からなる原料ガスを、8000hr-1の空間速
度(GHSV)で供給して、常圧下、反応温度110℃
で、一酸化炭素と亜硝酸メチルの気相接触反応を50時
間行った。
【0034】反応開始から8時間経過時までの生成物を
氷冷したメタノ−ル中を通して捕集し、得られた捕集液
をガスクロマトグラフィ−によって分析したところ、炭
酸ジメチルが空時収量(STY)250g/l・hr、
一酸化炭素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準
選択率(Y)85%で生成していた。副生物としては、
シュウ酸ジメチル、炭酸ガス、ギ酸メチル及びメチラー
ルが認められた。また、50時間経過後の炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)は初期の値
と比較してそれぞれ変化していなかった。
氷冷したメタノ−ル中を通して捕集し、得られた捕集液
をガスクロマトグラフィ−によって分析したところ、炭
酸ジメチルが空時収量(STY)250g/l・hr、
一酸化炭素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準
選択率(Y)85%で生成していた。副生物としては、
シュウ酸ジメチル、炭酸ガス、ギ酸メチル及びメチラー
ルが認められた。また、50時間経過後の炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)は初期の値
と比較してそれぞれ変化していなかった。
【0035】実施例2 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウムの濃度
を6Mに変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表1に示す。
を6Mに変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表1に示す。
【0036】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)245g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)86%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)245g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)97%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)86%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0037】実施例3 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウムの濃度
を1Mに変えて、酢酸ナトリウムによる処理を6回繰り
返したほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表1に示す。
を1Mに変えて、酢酸ナトリウムによる処理を6回繰り
返したほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表1に示す。
【0038】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)240g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)86%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)240g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)86%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0039】実施例4 〔触媒の調製〕実施例1においてゼオライトをSi/A
l(原子比)=5.0のHY型ゼオライト粉末(HSZ
−350HUA:東ソー製)10.0gに変えたほか
は、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオ
ン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持された固体
触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表1に示
す。
l(原子比)=5.0のHY型ゼオライト粉末(HSZ
−350HUA:東ソー製)10.0gに変えたほか
は、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオ
ン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持された固体
触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表1に示
す。
【0040】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)280g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)93%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)280g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)93%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0041】実施例5 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウム水溶液
を4M−酢酸カリウム水溶液に変えたほかは、実施例1
と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、カリウム
イオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持された
固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表1に
示す。
を4M−酢酸カリウム水溶液に変えたほかは、実施例1
と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、カリウム
イオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持された
固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表1に
示す。
【0042】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0043】実施例6 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウム水溶液
を2M−酢酸カルシウム水溶液に変えたほかは、実施例
1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、カルシ
ウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持さ
れた固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表
1に示す。
を2M−酢酸カルシウム水溶液に変えたほかは、実施例
1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、カルシ
ウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持さ
れた固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を表
1に示す。
【0044】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)220g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)220g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0045】実施例7 〔触媒の調製〕実施例1においてテトラアンミンパラジ
ウムクロリドの濃度を0.04Mに変えたほかは、実施
例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナト
リウムイオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
ウムクロリドの濃度を0.04Mに変えたほかは、実施
例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナト
リウムイオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0046】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)260g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)85%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)260g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)85%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0047】実施例8 〔触媒の調製〕実施例1においてテトラアンミンパラジ
ウムクロリドの濃度を0.08Mに変えたほかは、実施
例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナト
リウムイオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
ウムクロリドの濃度を0.08Mに変えたほかは、実施
例1と同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナト
リウムイオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0048】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)255g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)255g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)84%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。
【0049】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウムによる
処理を行わなかったほかは、実施例1と同様にY型ゼオ
ライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素
イオンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体
触媒の特性を表1に示す。
処理を行わなかったほかは、実施例1と同様にY型ゼオ
ライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素
イオンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体
触媒の特性を表1に示す。
【0050】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)240g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)85%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)5
5%で生成していることがわかった。また、50時間経
過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率
(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)240g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)85%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)5
5%で生成していることがわかった。また、50時間経
過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率
(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0051】比較例2 〔触媒の調製〕実施例4において酢酸ナトリウムによる
処理を行わなかったほかは、実施例4と同様にY型ゼオ
ライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素
イオンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体
触媒の特性を表1に示す。
処理を行わなかったほかは、実施例4と同様にY型ゼオ
ライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素
イオンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体
触媒の特性を表1に示す。
【0052】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)220g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)79%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)1
9%で生成していることがわかった。また、50時間経
過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率
(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)220g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)79%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)1
9%で生成していることがわかった。また、50時間経
過後も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率
(X、Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0053】比較例3 〔触媒の調製〕実施例1において酢酸ナトリウムの濃度
を1Mに変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表1に示す。
を1Mに変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表1に示す。
【0054】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)90%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)70%
で生成していることがわかった。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)90%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)70%
で生成していることがわかった。また、50時間経過後
も炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0055】比較例4 〔触媒の調製〕実施例1においてゼオライトをSi/A
l(原子比)=2.8のNaY型ゼオライト(HSZ−
320NAA:東ソー製)10.0gに変えて、酢酸ナ
トリウムによる処理を行わなかったほかは、実施例1と
同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウム
イオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調製し
た。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
l(原子比)=2.8のNaY型ゼオライト(HSZ−
320NAA:東ソー製)10.0gに変えて、酢酸ナ
トリウムによる処理を行わなかったほかは、実施例1と
同様にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウム
イオン及び水素イオンが担持された固体触媒を調製し
た。得られた固体触媒の特性を表1に示す。
【0056】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)85%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)80%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。実施例1〜8及び比較例1〜4の
結果を表1に示す。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空時収
量(STY)250g/l・hr、一酸化炭素基準選択
率(X)85%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)80%
で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメチル
の空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれぞれ
変化していなかった。実施例1〜8及び比較例1〜4の
結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】実施例9 〔触媒の調製〕実施例1において、酢酸ナトリウムによ
る処理を行った後に濾過して蒸留水で充分洗浄した(即
ち、パラジウムイオンを担持する前の)ゼオライトを、
110℃で5時間乾燥して、その後300℃で2時間空
気中で焼成したほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表2に示す。
る処理を行った後に濾過して蒸留水で充分洗浄した(即
ち、パラジウムイオンを担持する前の)ゼオライトを、
110℃で5時間乾燥して、その後300℃で2時間空
気中で焼成したほかは、実施例1と同様にY型ゼオライ
トにパラジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオ
ンが担持された固体触媒を調製した。得られた固体触媒
の特性を表2に示す。
【0059】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)300g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)300g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0060】実施例10 〔触媒の調製〕実施例9において焼成温度を500℃に
変えたほかは、実施例9と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
変えたほかは、実施例9と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
【0061】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)320g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)320g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)95%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0062】実施例11 〔触媒の調製〕実施例9において焼成温度を700℃に
変えたほかは、実施例9と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
変えたほかは、実施例9と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
【0063】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)325g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したことのほかは、実施
例1と同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時
までの反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチ
ルが空時収量(STY)325g/l・hr、一酸化炭
素基準選択率(X)96%、亜硝酸メチル基準選択率
(Y)86%で生成していた。また、50時間経過後も
炭酸ジメチルの空時収量(STY)及び選択率(X、
Y)はそれぞれ変化していなかった。
【0064】比較例5 〔触媒の調製〕実施例1において、ゼオライトにパラジ
ウムイオンを担持した後、濾過・水洗して得られたケー
キ状のゼオライトを110℃で5時間乾燥し、更に60
0℃で2時間空気中で焼成したほかは、実施例1と同様
にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオ
ン及び水素イオンがイオン交換担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
ウムイオンを担持した後、濾過・水洗して得られたケー
キ状のゼオライトを110℃で5時間乾燥し、更に60
0℃で2時間空気中で焼成したほかは、実施例1と同様
にY型ゼオライトにパラジウムイオン、ナトリウムイオ
ン及び水素イオンがイオン交換担持された固体触媒を調
製した。得られた固体触媒の特性を表2に示す。
【0065】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)200g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)70%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)4
0%で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメ
チルの空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれ
ぞれ変化していなかった。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)200g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)70%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)4
0%で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメ
チルの空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれ
ぞれ変化していなかった。
【0066】比較例6 〔触媒の調製〕実施例9において焼成温度を850℃に
変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
変えたほかは、実施例1と同様にY型ゼオライトにパラ
ジウムイオン、ナトリウムイオン及び水素イオンが担持
された固体触媒を調製した。得られた固体触媒の特性を
表2に示す。
【0067】〔炭酸ジメチルの合成〕実施例1において
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)500g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)90%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)6
5%で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメ
チルの空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれ
ぞれ変化していなかった。実施例9〜11及び比較例
5、6の結果を表2に示す。
上記固体触媒2.5mlを使用したほかは、実施例1と
同様に反応を行った。反応開始から8時間経過時までの
反応生成物を捕集して分析した結果、炭酸ジメチルが空
時収量(STY)500g/l・hr、一酸化炭素基準
選択率(X)90%、亜硝酸メチル基準選択率(Y)6
5%で生成していた。また、50時間経過後も炭酸ジメ
チルの空時収量(STY)及び選択率(X、Y)はそれ
ぞれ変化していなかった。実施例9〜11及び比較例
5、6の結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明により、固体触媒上の酸点による
副反応を抑えつつ、長期間触媒を高活性に維持すること
が可能になるため、一酸化炭素基準及び亜硝酸エステル
基準の選択率を共に非常に高い状態に保って(特に亜硝
酸エステル基準の選択率を従来よりも高い状態に保っ
て)、高収量で炭酸エステルを得ることができる。ま
た、塩化水素を使用しない反応系を採用できるため、塩
素分による反応装置の腐食や製品への塩素分の混入など
塩化水素を使用することに伴う工業的な諸問題も解決す
ることができる。
副反応を抑えつつ、長期間触媒を高活性に維持すること
が可能になるため、一酸化炭素基準及び亜硝酸エステル
基準の選択率を共に非常に高い状態に保って(特に亜硝
酸エステル基準の選択率を従来よりも高い状態に保っ
て)、高収量で炭酸エステルを得ることができる。ま
た、塩化水素を使用しない反応系を採用できるため、塩
素分による反応装置の腐食や製品への塩素分の混入など
塩化水素を使用することに伴う工業的な諸問題も解決す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 イオン交換型のゼオライトに、白金族金
属イオンと、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土
類金属イオンとが担持されていると共に、水素イオンが
アルミニウムに対して原子比で0.1〜0.6の割合で
担持されている固体触媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸
エステルを気相接触反応させることを特徴とする炭酸エ
ステルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14307494A JPH07118210A (ja) | 1993-09-03 | 1994-06-24 | 炭酸エステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22026793 | 1993-09-03 | ||
JP5-220267 | 1993-09-03 | ||
JP14307494A JPH07118210A (ja) | 1993-09-03 | 1994-06-24 | 炭酸エステルの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07118210A true JPH07118210A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=26474885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14307494A Pending JPH07118210A (ja) | 1993-09-03 | 1994-06-24 | 炭酸エステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07118210A (ja) |
-
1994
- 1994-06-24 JP JP14307494A patent/JPH07118210A/ja active Pending
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