JPH0723459B2 - 粘着テ−プ又はシ−ト - Google Patents
粘着テ−プ又はシ−トInfo
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- JPH0723459B2 JPH0723459B2 JP61176000A JP17600086A JPH0723459B2 JP H0723459 B2 JPH0723459 B2 JP H0723459B2 JP 61176000 A JP61176000 A JP 61176000A JP 17600086 A JP17600086 A JP 17600086A JP H0723459 B2 JPH0723459 B2 JP H0723459B2
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- Japan
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- adhesive tape
- laminate material
- less
- pressure
- density polyethylene
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Description
〔産業上の利用分野〕 本発明は、多孔性基材からなる粘着テープ又はシートに
関するものである。さらに詳しくは、ロール状に捲回し
ても巻き戻し性に優れる粘着テープ又はシートを提供す
るものである。 〔従来技術・発明が解決しようとする問題点〕 支持体の一面に粘着剤層を設けて、ロール状に捲回して
なる粘着テープ又はシートは多数知られており、包装、
マスキング、接合用途等に汎用されている。 通常、当該粘着テープ又はシートの支持体として、紙
類、布類、プラスチックフィルム類等が使用されてい
る。 前記支持体のうち、紙類、布類の如き多孔性基材を使用
する場合、離型剤等の塗工性を向上せしめる目的で、通
常基材の少なくとも一面に高圧法低密度ポリエチレン等
のラミネート材が目止め層として設けられている。この
場合、ラミネート材層にピンホールが発生したり、発泡
し平滑性が失われる等により均一な離型剤層ができない
ため、ロール状に捲回した粘着テープ又はシートにおい
て良好な巻き戻し性が得られない問題がある。かかる問
題を解決するためにASTM D−2117に規定されている融点
が120℃以上のリニア低密度ポリエチレン、又はポリプ
ロピレンをラミネート材として使用する方法が公知であ
る。 しかしながら、この種の粘着テープまたはシートは、均
一な離型剤層を形成するものの、基材との密着性が良く
ないため、ロール状に捲回した粘着テープまたはシート
を巻き戻した時、ラミネート材が基材から剥れてしまい
粘着テープまたはシートの機能を満たさないのが実情で
ある。この傾向は、粘着剤として天然及び/又は合成ゴ
ムを主成分とするものを使用する場合に著しい。これ
は、当該粘着剤は、柔らかく、流動性に富み、接着面積
が広くなるため巻き戻し力がラミネート材の接着強度以
上に大きくなるためである。 さらに、当該ラミネート材を基材に溶融押出塗工する場
合、モーター負荷が大きいため特殊な押出機を用いる必
要があり、加工性に問題があるほか、柔軟性が良くな
く、手切れ性もよくない問題がある。 本発明の目的は、多孔性基材を支持体に使用し、粘着剤
が天然及び/又は合成ゴムを主成分とする如く、流動性
に富む場合でも、ロール状に捲回しても巻き戻し性に優
れる粘着テープ又はシートを提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討し
た結果、基材の一面に、以下に規定する如く、ある範囲
のメルトインデックス(以下、MIと略記)を有し、かつ
密度および厚さの異なる二種類のラミネート材、および
離型剤を一定の順序で積層し、他面に粘着剤層を設けた
構造とした粘着テープ又はシートは、ロール状に捲回さ
れても良好な巻戻し性を有することを知見し、本発明に
至ったものである。 即ち、本発明は、多孔性基材の一面に粘着剤層が設けら
れ、他面に、ASTM D−1505に規定されている密度が0.93
g/cm3未満であり、かつASTM D−1238に規定されているM
Iが15dg/分以下であるポリアルキレン系ラミネート材
(a)および当該密度が0.93g/cm3以上であり、かつ当
該MIが15dg/分以下で、かつラミネート材(a)との差
が4dg/分以下であるポリアルキレン系ラミネート材
(b)および離型剤が基材−ラミネート材(a)−ラミ
ネート材(b)−離型剤の順序に積層されており、かつ
ラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の厚み
以上になっていることを特徴とする粘着テープ又はシー
トを提供するものである。 本発明の実施にあたって用いられる多孔性基材は、従来
この分野で使用されるものであれば特に制限はなく、た
とえばクラフト紙、和紙等の紙類、織布、不織布等の布
類、多孔性プラスチックフィルム等の単体又は複合体が
挙げられる。 本発明の実施にあたって用いられるラミネート材(a)
及び(b)の材料としては、ポリアルキレン系樹脂が好
ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ
エチレン−ポリプロピレン共重合体が好ましい。 しかして、ラミネート材(a)としては、ASTM D−1505
に規定されている密度が0.93g/cm3未満、好ましくは0.9
25g/cm3未満であり、かつASTM D−1238に規定されてい
るMIが15dg/分以下、好ましくは12dg/分以下のポリマー
の単体又は数種類の混合物が用いられる。また、そのAS
TM D−2117に規定されている融点は120℃未満である。 一方、ラミネート材(b)は、当該密度が0.93g/cm3以
上、好ましくは0.935g/cm3以上であり、かつ当該MIが15
dg/分以下、好ましくは12dg/分以下であり、かつラミネ
ート材(a)との差が4dg/分以下、好ましくは3dg/分以
下であるポリマーの単体又は数種類の混合物が用いられ
る。 また、ラミネート材(a)および(b)のMIが15dg/分
より大きい場合には溶融押出塗工時、均一な二層構造が
得られないので不適当である。また、ラミネート材
(a)および(b)のMIがともに15dg/分以下でも両者
の差が4dg/分より大きい場合にも、溶融押出塗工時、均
一な二層構造が得られないので不適当である。 なお、本発明に用いられるそれぞれのラミネート材は上
記条件を満たす範囲で顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等
を含んでいてもよい。 本発明の粘着テープ又はシートにおいては、基剤−ラミ
ネート材(a)−ラミネート材(b)−離型剤の順序に
各層が積層されていることが必要である。ラミネート材
(a)及び(b)の順序が逆になると、均一な離型剤層
を設けることが困難である。 また、ラミネート材(a)の厚みは、ラミネート材
(b)の厚み以上、好ましくはラミネート材(b)の1.
1倍以上、3倍以下である。ラミネート材(a)の厚み
がラミネート材(b)の厚みより小さくなると、基材と
ラミネート材との密着性が悪くなり、良好な巻き戻し性
を得ることが困難になる。この傾向は、加湿下に保存し
た粘着テープ又はシートを巻き戻す場合著しい。また、
ラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の厚み
の3倍より大きくなると均一な二層構造を得ることが困
難になる。 本発明の実施にあたって用いられる離型剤は、特に制限
されるものではなく、当該分野で使用されるものであれ
ば好適に使用しうる。たとえば、シリコーン系化合物、
長鎖アルキル基含有化合物、フッ素化合物等が挙げられ
る。 また、粘着剤層に使用される粘着剤は特に限定されるも
のではなく、従来既知の粘着剤、たとえば天然及び/又
は合成ゴムを主成分とする粘着剤、アクリル系粘着剤等
が例示される。特に、本発明においては、柔らかく流動
性に富む粘着剤を用いた場合においても、優れた巻き戻
し性が得られるので、本発明の効果がより顕著に発揮さ
れる。 本発明の粘着テープ又はシートは、通常、紙管、合成樹
脂管に粘着剤層を内側にしてロール状に捲回して使用に
供される。 〔作用・効果〕 密度、MI、厚みの異なるラミネート材(a)及び
(b)、ならびに離型剤を一定の順序で積層することに
よる作用は次の通りである。即ち、密度が0.93g/cm3以
上のラミネート材(b)は、耐熱性に富むため、ピンホ
ールの発生が少なく均一な離型剤層を設けることができ
る。また、密度が0.93g/cm3未満でかつラミネート材
(b)のラミ厚以上の厚みを有するラミネート材(a)
は、多孔性基材との接着強度が大幅に向上する。さら
に、ラミネート材(a)および(b)のMIが15dg/分以
下であり、かつ両者の差が4dg/分以下であるため均一な
二層構造を得ることができる。以上の相乗作用により良
好な巻き戻し性が得られる。 従って本発明によれば、天然及び/又は合成ゴムを主成
分とする粘着剤の如く流動性に富む粘着剤を使用した場
合でも、優れた巻き戻し性を有する粘着テープまたはシ
ートを得ることができる。特に本発明の粘着テープ又は
シートにおいては、加湿下に保存され多孔性基材の水分
率が上昇し、ラミネート材が基材から剥がれ易い状況で
も優れた巻き戻し性を得ることができる新規な粘着テー
プ又はシートを提供することができる。 〔実施例〕 本発明の粘着テープ又はシートを以下に実施例をもって
具体的に説明するとともに、本発明の粘着テープ又はシ
ートが優れた巻き戻し性を有する事実を、以下の実施例
により明らかにする。 本発明はこの実施例に限られるものではない。なお、文
中、部とあるのは重量部を意味する。 実施例1 ASTM D−1238に規定されているMIが8.2dg/分、ASTM D−
1505に規定されている密度が0.918g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが7dg/分、当該密度が0.944g/cm3の高
密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフト
紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序で
各10μmの厚さにラミネートした支持体を作製する。こ
の支持体のラミネート層上に、ポリエチレンイミンオク
タデシルカルバメイト系離型剤を固形分重量で0.06g/m2
塗布する。 一方、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体100部、石油系粘着付与樹脂100部、液状軟化剤30部、
老化防止剤1部を加圧ニーダーで混練した粘着剤を用意
する。 次に、前記支持体に固形分重量で50g/m2の粘着剤を溶融
押出塗工し、ロール状に捲回した粘着テープを得る。 比較例1 実施例1で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得る。 比較例2 実施例1で離型剤を塗布しない以外は、実施例1と同様
にして粘着テープを得る。 比較例3 ASTM D−1238に規定されているMIが12dg/分、ASTM D−1
505に規定されている密度が0.919g/cm3の低密度ポリエ
チレンを使用した以外は、実施例1と同様にして粘着テ
ープを得る。 実験例1 以上の実施例1および比較例1〜3で得た粘着テープの
巻き戻し性及び、二層構造の均一性を測定し、その結果
を第1表に示した。その測定方法は次の通りである。
関するものである。さらに詳しくは、ロール状に捲回し
ても巻き戻し性に優れる粘着テープ又はシートを提供す
るものである。 〔従来技術・発明が解決しようとする問題点〕 支持体の一面に粘着剤層を設けて、ロール状に捲回して
なる粘着テープ又はシートは多数知られており、包装、
マスキング、接合用途等に汎用されている。 通常、当該粘着テープ又はシートの支持体として、紙
類、布類、プラスチックフィルム類等が使用されてい
る。 前記支持体のうち、紙類、布類の如き多孔性基材を使用
する場合、離型剤等の塗工性を向上せしめる目的で、通
常基材の少なくとも一面に高圧法低密度ポリエチレン等
のラミネート材が目止め層として設けられている。この
場合、ラミネート材層にピンホールが発生したり、発泡
し平滑性が失われる等により均一な離型剤層ができない
ため、ロール状に捲回した粘着テープ又はシートにおい
て良好な巻き戻し性が得られない問題がある。かかる問
題を解決するためにASTM D−2117に規定されている融点
が120℃以上のリニア低密度ポリエチレン、又はポリプ
ロピレンをラミネート材として使用する方法が公知であ
る。 しかしながら、この種の粘着テープまたはシートは、均
一な離型剤層を形成するものの、基材との密着性が良く
ないため、ロール状に捲回した粘着テープまたはシート
を巻き戻した時、ラミネート材が基材から剥れてしまい
粘着テープまたはシートの機能を満たさないのが実情で
ある。この傾向は、粘着剤として天然及び/又は合成ゴ
ムを主成分とするものを使用する場合に著しい。これ
は、当該粘着剤は、柔らかく、流動性に富み、接着面積
が広くなるため巻き戻し力がラミネート材の接着強度以
上に大きくなるためである。 さらに、当該ラミネート材を基材に溶融押出塗工する場
合、モーター負荷が大きいため特殊な押出機を用いる必
要があり、加工性に問題があるほか、柔軟性が良くな
く、手切れ性もよくない問題がある。 本発明の目的は、多孔性基材を支持体に使用し、粘着剤
が天然及び/又は合成ゴムを主成分とする如く、流動性
に富む場合でも、ロール状に捲回しても巻き戻し性に優
れる粘着テープ又はシートを提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討し
た結果、基材の一面に、以下に規定する如く、ある範囲
のメルトインデックス(以下、MIと略記)を有し、かつ
密度および厚さの異なる二種類のラミネート材、および
離型剤を一定の順序で積層し、他面に粘着剤層を設けた
構造とした粘着テープ又はシートは、ロール状に捲回さ
れても良好な巻戻し性を有することを知見し、本発明に
至ったものである。 即ち、本発明は、多孔性基材の一面に粘着剤層が設けら
れ、他面に、ASTM D−1505に規定されている密度が0.93
g/cm3未満であり、かつASTM D−1238に規定されているM
Iが15dg/分以下であるポリアルキレン系ラミネート材
(a)および当該密度が0.93g/cm3以上であり、かつ当
該MIが15dg/分以下で、かつラミネート材(a)との差
が4dg/分以下であるポリアルキレン系ラミネート材
(b)および離型剤が基材−ラミネート材(a)−ラミ
ネート材(b)−離型剤の順序に積層されており、かつ
ラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の厚み
以上になっていることを特徴とする粘着テープ又はシー
トを提供するものである。 本発明の実施にあたって用いられる多孔性基材は、従来
この分野で使用されるものであれば特に制限はなく、た
とえばクラフト紙、和紙等の紙類、織布、不織布等の布
類、多孔性プラスチックフィルム等の単体又は複合体が
挙げられる。 本発明の実施にあたって用いられるラミネート材(a)
及び(b)の材料としては、ポリアルキレン系樹脂が好
ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリ
エチレン−ポリプロピレン共重合体が好ましい。 しかして、ラミネート材(a)としては、ASTM D−1505
に規定されている密度が0.93g/cm3未満、好ましくは0.9
25g/cm3未満であり、かつASTM D−1238に規定されてい
るMIが15dg/分以下、好ましくは12dg/分以下のポリマー
の単体又は数種類の混合物が用いられる。また、そのAS
TM D−2117に規定されている融点は120℃未満である。 一方、ラミネート材(b)は、当該密度が0.93g/cm3以
上、好ましくは0.935g/cm3以上であり、かつ当該MIが15
dg/分以下、好ましくは12dg/分以下であり、かつラミネ
ート材(a)との差が4dg/分以下、好ましくは3dg/分以
下であるポリマーの単体又は数種類の混合物が用いられ
る。 また、ラミネート材(a)および(b)のMIが15dg/分
より大きい場合には溶融押出塗工時、均一な二層構造が
得られないので不適当である。また、ラミネート材
(a)および(b)のMIがともに15dg/分以下でも両者
の差が4dg/分より大きい場合にも、溶融押出塗工時、均
一な二層構造が得られないので不適当である。 なお、本発明に用いられるそれぞれのラミネート材は上
記条件を満たす範囲で顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等
を含んでいてもよい。 本発明の粘着テープ又はシートにおいては、基剤−ラミ
ネート材(a)−ラミネート材(b)−離型剤の順序に
各層が積層されていることが必要である。ラミネート材
(a)及び(b)の順序が逆になると、均一な離型剤層
を設けることが困難である。 また、ラミネート材(a)の厚みは、ラミネート材
(b)の厚み以上、好ましくはラミネート材(b)の1.
1倍以上、3倍以下である。ラミネート材(a)の厚み
がラミネート材(b)の厚みより小さくなると、基材と
ラミネート材との密着性が悪くなり、良好な巻き戻し性
を得ることが困難になる。この傾向は、加湿下に保存し
た粘着テープ又はシートを巻き戻す場合著しい。また、
ラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の厚み
の3倍より大きくなると均一な二層構造を得ることが困
難になる。 本発明の実施にあたって用いられる離型剤は、特に制限
されるものではなく、当該分野で使用されるものであれ
ば好適に使用しうる。たとえば、シリコーン系化合物、
長鎖アルキル基含有化合物、フッ素化合物等が挙げられ
る。 また、粘着剤層に使用される粘着剤は特に限定されるも
のではなく、従来既知の粘着剤、たとえば天然及び/又
は合成ゴムを主成分とする粘着剤、アクリル系粘着剤等
が例示される。特に、本発明においては、柔らかく流動
性に富む粘着剤を用いた場合においても、優れた巻き戻
し性が得られるので、本発明の効果がより顕著に発揮さ
れる。 本発明の粘着テープ又はシートは、通常、紙管、合成樹
脂管に粘着剤層を内側にしてロール状に捲回して使用に
供される。 〔作用・効果〕 密度、MI、厚みの異なるラミネート材(a)及び
(b)、ならびに離型剤を一定の順序で積層することに
よる作用は次の通りである。即ち、密度が0.93g/cm3以
上のラミネート材(b)は、耐熱性に富むため、ピンホ
ールの発生が少なく均一な離型剤層を設けることができ
る。また、密度が0.93g/cm3未満でかつラミネート材
(b)のラミ厚以上の厚みを有するラミネート材(a)
は、多孔性基材との接着強度が大幅に向上する。さら
に、ラミネート材(a)および(b)のMIが15dg/分以
下であり、かつ両者の差が4dg/分以下であるため均一な
二層構造を得ることができる。以上の相乗作用により良
好な巻き戻し性が得られる。 従って本発明によれば、天然及び/又は合成ゴムを主成
分とする粘着剤の如く流動性に富む粘着剤を使用した場
合でも、優れた巻き戻し性を有する粘着テープまたはシ
ートを得ることができる。特に本発明の粘着テープ又は
シートにおいては、加湿下に保存され多孔性基材の水分
率が上昇し、ラミネート材が基材から剥がれ易い状況で
も優れた巻き戻し性を得ることができる新規な粘着テー
プ又はシートを提供することができる。 〔実施例〕 本発明の粘着テープ又はシートを以下に実施例をもって
具体的に説明するとともに、本発明の粘着テープ又はシ
ートが優れた巻き戻し性を有する事実を、以下の実施例
により明らかにする。 本発明はこの実施例に限られるものではない。なお、文
中、部とあるのは重量部を意味する。 実施例1 ASTM D−1238に規定されているMIが8.2dg/分、ASTM D−
1505に規定されている密度が0.918g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが7dg/分、当該密度が0.944g/cm3の高
密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフト
紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序で
各10μmの厚さにラミネートした支持体を作製する。こ
の支持体のラミネート層上に、ポリエチレンイミンオク
タデシルカルバメイト系離型剤を固形分重量で0.06g/m2
塗布する。 一方、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体100部、石油系粘着付与樹脂100部、液状軟化剤30部、
老化防止剤1部を加圧ニーダーで混練した粘着剤を用意
する。 次に、前記支持体に固形分重量で50g/m2の粘着剤を溶融
押出塗工し、ロール状に捲回した粘着テープを得る。 比較例1 実施例1で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得る。 比較例2 実施例1で離型剤を塗布しない以外は、実施例1と同様
にして粘着テープを得る。 比較例3 ASTM D−1238に規定されているMIが12dg/分、ASTM D−1
505に規定されている密度が0.919g/cm3の低密度ポリエ
チレンを使用した以外は、実施例1と同様にして粘着テ
ープを得る。 実験例1 以上の実施例1および比較例1〜3で得た粘着テープの
巻き戻し性及び、二層構造の均一性を測定し、その結果
を第1表に示した。その測定方法は次の通りである。
65℃、80%相対湿度雰囲気下で48時間保存した粘着テー
プを40℃、25%相対湿度雰囲気下で約60m/分の速度で巻
き戻した時、基材からのラミネート層の剥がれ状態を測
定する。
プを40℃、25%相対湿度雰囲気下で約60m/分の速度で巻
き戻した時、基材からのラミネート層の剥がれ状態を測
定する。
ラミネート材(b)に顔料を添加して作製した粘着テー
プの断面を光学顕微鏡で二層構造の状態を観測する。 実施例2 ASTM D−1238に規定されているMIが9.5dg/分、ASTM D−
1505に規定されている密度が0.917g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが7dg/分、当該密度が0.944g/cm3の高
密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフト
紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序
で、低密度ポリエチレンが10μmの厚さ、高密度ポリエ
チレンが7μmの厚さにラミネートした支持体を作製す
る。この支持体のラミネート層上に、無溶剤付加反応型
シリコーン系離型剤を固形分重量で0.7g/m2塗布する。 一方、天然ゴム100部、石油系粘着付与樹脂100部、液状
軟化剤20部、老化防止剤0.5部をトルエンに溶解した粘
着剤を用意する。 次に、前記支持体に、乾燥後の厚みが30μmとなるよう
に当該接着剤を塗布乾燥し、ロール状に捲回した粘着テ
ープを得る。 比較例4 実施例2で使用したラミネート材の厚みを低密度ポリエ
チレンが7μm、高密度ポリエチレンが10μmにした以
外は、実施例2と同様にして粘着テープを得る。 比較例5 実施例2で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例2と同様にして粘着テープを得る。 比較例6 実施例2で離型剤を塗布しない以外は、実施例2と同様
にして粘着テープを得る。 実験例2 以上の実施例2及び比較例4〜6で得た粘着テープの巻
き戻し性及び二層構造の均一性を測定し、その結果を第
2表に示した。なお、測定方法は実験例1と同様であ
る。 実施例3 ASTM D−1238に規定されているMIが12dg/分、ASTM D−1
505に規定されている密度が0.916g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが11dg/分、当該密度が0.935g/cm3の
高密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフ
ト紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序
で、低密度ポリエチレンが8μmの厚さ、高密度ポリエ
チレンが7μmの厚さにラミネートした支持体を作製す
る。この支持体のラミネート層上に、ポリステアリルア
クリルアミド系離型剤を固形分重量で0.6g/m2塗布す
る。 一方、アクリル酸ブチル60部、アクリル酸2−エチルヘ
キシル30部、酢酸ビニル10部、アクリル酸4部からなる
ポリマーと液状軟化剤10部をトルエンに溶解した粘着剤
を用意する。 次に、前記支持体に、乾燥後の厚みが35μmとなるよう
に当該接着剤を塗布乾繰し、ロール状に捲回した粘着テ
ープを得る。 比較例7 実施例3で使用したラミネート材の厚みを低密度ポリエ
チレンが7μm、高密度ポリエチレンが8μmにした以
外は、実施例3と同様にして粘着テープを得る。 比較例8 実施例3で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例3と同様にして粘着テープを得る。 比較例9 実施例3で離型剤を塗布しない以外は、実施例3と同様
にして粘着テープを得る。 実験例3 以上の実施例3及び比較例7〜9で得た粘着テープの巻
き戻し性及び二層構造の均一性を測定し、その結果を第
3表に示した。なお、測定方法は実験例1と同様であ
る。 以上の実施例からも明らかなように、多孔性基材の一面
にMIが15dg/分以下であり、かつ密度が0.93g/cm3未満の
ポリアルキレン系ラミネート材(a)および15dg/分以
下でラミネート材(a)との差が4dg/分以下であり、か
つ密度が0.93g/cm3以上のポリアルキレン系ラミネート
材(b)および離型剤が、基材−ラミネート材(a)−
ラミネート材(b)−離型剤の順序に積層されており、
かつラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の
厚み以上である時に初めて本発明に特有の効果が得られ
る。
プの断面を光学顕微鏡で二層構造の状態を観測する。 実施例2 ASTM D−1238に規定されているMIが9.5dg/分、ASTM D−
1505に規定されている密度が0.917g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが7dg/分、当該密度が0.944g/cm3の高
密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフト
紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序
で、低密度ポリエチレンが10μmの厚さ、高密度ポリエ
チレンが7μmの厚さにラミネートした支持体を作製す
る。この支持体のラミネート層上に、無溶剤付加反応型
シリコーン系離型剤を固形分重量で0.7g/m2塗布する。 一方、天然ゴム100部、石油系粘着付与樹脂100部、液状
軟化剤20部、老化防止剤0.5部をトルエンに溶解した粘
着剤を用意する。 次に、前記支持体に、乾燥後の厚みが30μmとなるよう
に当該接着剤を塗布乾燥し、ロール状に捲回した粘着テ
ープを得る。 比較例4 実施例2で使用したラミネート材の厚みを低密度ポリエ
チレンが7μm、高密度ポリエチレンが10μmにした以
外は、実施例2と同様にして粘着テープを得る。 比較例5 実施例2で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例2と同様にして粘着テープを得る。 比較例6 実施例2で離型剤を塗布しない以外は、実施例2と同様
にして粘着テープを得る。 実験例2 以上の実施例2及び比較例4〜6で得た粘着テープの巻
き戻し性及び二層構造の均一性を測定し、その結果を第
2表に示した。なお、測定方法は実験例1と同様であ
る。 実施例3 ASTM D−1238に規定されているMIが12dg/分、ASTM D−1
505に規定されている密度が0.916g/cm3の低密度ポリエ
チレンと、当該MIが11dg/分、当該密度が0.935g/cm3の
高密度ポリエチレンを坪量73g/m2のクラフト紙にクラフ
ト紙−低密度ポリエチレン−高密度ポリエチレンの順序
で、低密度ポリエチレンが8μmの厚さ、高密度ポリエ
チレンが7μmの厚さにラミネートした支持体を作製す
る。この支持体のラミネート層上に、ポリステアリルア
クリルアミド系離型剤を固形分重量で0.6g/m2塗布す
る。 一方、アクリル酸ブチル60部、アクリル酸2−エチルヘ
キシル30部、酢酸ビニル10部、アクリル酸4部からなる
ポリマーと液状軟化剤10部をトルエンに溶解した粘着剤
を用意する。 次に、前記支持体に、乾燥後の厚みが35μmとなるよう
に当該接着剤を塗布乾繰し、ロール状に捲回した粘着テ
ープを得る。 比較例7 実施例3で使用したラミネート材の厚みを低密度ポリエ
チレンが7μm、高密度ポリエチレンが8μmにした以
外は、実施例3と同様にして粘着テープを得る。 比較例8 実施例3で使用したラミネート材をクラフト紙−高密度
ポリエチレン−低密度ポリエチレンの順序にラミネート
した以外は、実施例3と同様にして粘着テープを得る。 比較例9 実施例3で離型剤を塗布しない以外は、実施例3と同様
にして粘着テープを得る。 実験例3 以上の実施例3及び比較例7〜9で得た粘着テープの巻
き戻し性及び二層構造の均一性を測定し、その結果を第
3表に示した。なお、測定方法は実験例1と同様であ
る。 以上の実施例からも明らかなように、多孔性基材の一面
にMIが15dg/分以下であり、かつ密度が0.93g/cm3未満の
ポリアルキレン系ラミネート材(a)および15dg/分以
下でラミネート材(a)との差が4dg/分以下であり、か
つ密度が0.93g/cm3以上のポリアルキレン系ラミネート
材(b)および離型剤が、基材−ラミネート材(a)−
ラミネート材(b)−離型剤の順序に積層されており、
かつラミネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の
厚み以上である時に初めて本発明に特有の効果が得られ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】多孔性基材の一面に粘着剤層が設けられ、
他面に、ASTM D−1505に規定されている密度が0.93g/cm
3未満であり、かつASTM D−1238に規定されているメル
トインデックスが15dg/分以下であるポリアルキレン系
ラミネート材(a)及び、当該密度が0.93g/cm3以上で
あり、かつ当該メルトインデックスが15dg/分以下で、
かつポリアルキレン系ラミネート材(a)とのメルトイ
ンデックスの差が4dg/分以下であるラミネート材(b)
及び、離型剤が、基材−ラミネート材(a)−ラミネー
ト材(b)−離型剤の順序に積層されており、かつラミ
ネート材(a)の厚みがラミネート材(b)の厚み以上
になっていることを特徴とする粘着テープ又はシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61176000A JPH0723459B2 (ja) | 1986-07-25 | 1986-07-25 | 粘着テ−プ又はシ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61176000A JPH0723459B2 (ja) | 1986-07-25 | 1986-07-25 | 粘着テ−プ又はシ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6333485A JPS6333485A (ja) | 1988-02-13 |
JPH0723459B2 true JPH0723459B2 (ja) | 1995-03-15 |
Family
ID=16005956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61176000A Expired - Lifetime JPH0723459B2 (ja) | 1986-07-25 | 1986-07-25 | 粘着テ−プ又はシ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0723459B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06264040A (ja) * | 1993-03-17 | 1994-09-20 | Sekisui Chem Co Ltd | クラフト粘着テープ |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5914944B2 (ja) * | 1980-09-04 | 1984-04-06 | 松下電器産業株式会社 | 選隔操作応答装置 |
JPS59130399A (ja) * | 1983-01-14 | 1984-07-26 | 山陽国策パルプ株式会社 | 剥離紙用基材の製造方法 |
JPS6116839A (ja) * | 1984-07-02 | 1986-01-24 | Goyo Shiko Kk | 剥離紙の製造法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5914944U (ja) * | 1982-07-21 | 1984-01-30 | 日産自動車株式会社 | 往復動型エンジン |
-
1986
- 1986-07-25 JP JP61176000A patent/JPH0723459B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5914944B2 (ja) * | 1980-09-04 | 1984-04-06 | 松下電器産業株式会社 | 選隔操作応答装置 |
JPS59130399A (ja) * | 1983-01-14 | 1984-07-26 | 山陽国策パルプ株式会社 | 剥離紙用基材の製造方法 |
JPS6116839A (ja) * | 1984-07-02 | 1986-01-24 | Goyo Shiko Kk | 剥離紙の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6333485A (ja) | 1988-02-13 |
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