JP3032355B2 - ポリプロピレン系剥離紙用基材 - Google Patents

ポリプロピレン系剥離紙用基材

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JP3032355B2 JP3279841A JP27984191A JP3032355B2 JP 3032355 B2 JP3032355 B2 JP 3032355B2 JP 3279841 A JP3279841 A JP 3279841A JP 27984191 A JP27984191 A JP 27984191A JP 3032355 B2 JP3032355 B2 JP 3032355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着シート或は接着テ
ープに接合されて用いられる剥離紙用基材に関するもの
であり、新規な剥離紙用基材を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、剥離紙用基材としては紙に剥離剤
の塗工性を向上せしめる目的で目止め層として高圧法低
密度ポリエチレンが片面若しくは両面に設けられたもの
がよく知られている。なお剥離紙は、この剥離紙用基材
の高圧法低密度ポリエチレン上に、シリコーン、アルキ
ド樹脂、シリコーン・アルキド共重合体、ポリビニルア
ルコール/シリコーン混合物その他の剥離剤が塗工され
加熱処理されて製造されている。
【0003】処で、従来の高圧法低密度ポリエチレンが
紙の片面若しくは両面に設けられた剥離紙用基材では耐
熱性が不充分で、剥離剤としてシリコーン等を塗工し、
加熱乾燥したとき又は剥離紙となったものに粘着剤或は
接着剤を塗工し、それらの溶媒を乾燥するために加熱し
た時に、紙とポリエチレンの間で発泡が起ったり、ポリ
エチレン層に非常に小さな穴(以後ピンホールと称す
る)が開いてしまうという欠点があった。
【0004】一方、中密度ポリエチレンや高密度ポリエ
チレンのみでは片面に目止め層を設けた剥離紙用基材を
高湿度雰囲気下に放置した場合、大きな吸湿カールが起
こり取扱いが極めて困難であった。そのために中密度ポ
リエチレン若しくは高密度ポリエチレンに高圧法低密度
ポリエチレン或は中・低圧法低密度ポリエチレン(リニ
ヤーポリエチレン)を混合することにより、それらの問
題点を改良する方法が報告されている(実公昭62−2
3790)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、中密度ポリエ
チレン若しくは高密度ポリエチレンを高圧法或は中・低
圧法低密度ポリエチレンと混合すると、紙との接着性が
低下するためにより高温で成形する必要があり、そのた
めに発煙が多くなり経済的にも環境上も好ましくないと
いう問題点がある。
【0006】また、中密度若しくは高密度ポリエチレン
と高圧法或は中・低圧法低密度ポリエチレンの混合した
ものは密度が0.930〜0.950g/cm3 と高い
ため、耐吸湿カール性は、中密度若しくは高密度ポリエ
チレンのみの場合と比較すると可成り改善されるが充分
ではなかった。
【0007】本発明は、片面若しくは両面剥離紙製造時
の発煙問題や、剥離紙の光沢、耐吸湿カール性、耐熱ピ
ンホール性、紙と紙へ積層した樹脂層との接着強度等の
問題点を解決することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を、
特定のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体と、特
定の高圧法低密度ポリエチレンからなる組成物を用いる
ことにより解決できることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、DSC(示差走査熱量計)によ
る融点が120℃以上147℃未満、メルトフローレー
ト(JIS K6758により測定、本発明においては
「MFR」と略称する。)が2〜50g/10分のプロ
ピレンとα−オレフィンとの共重合体95〜65重量%
と、DSCによる融点が100℃以上でメルトフローレ
ート(JIS K6760により測定、本発明において
は「MFI」と略称する。)が0.4〜20g/10分
の高圧ラジカル重合法より得られる低密度ポリエチレン
5〜35重量%とからなるポリプロピレン系樹脂組成物
を紙の両面又は片面にラミネートした剥離紙用基材を開
発して上記の課題を解決した。
【0010】本発明に係るプロピレンとα−オレフィン
との共重合体はコモノマーとしてエチレン、ブテン−
1、ヘキセン−1などのプロピレン以外のα−オレフィ
ンを用いた多元共重合体であるが、原料コストや、共重
合性、製造のし易さ及び目的の性能などの点から、プロ
ピレンとエチレン又はプロピレンとエチレン及びブテン
−1との2元共重合体若しくは3元共重合体が好適であ
る。
【0011】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
の融点は120℃〜147℃であることが必要である。
融点が120℃未満では結晶性が小さくなりすぎて11
0℃の耐熱ピンホール性に耐えるための結合点(結晶)
が少なくなり、充分な耐熱ピンホール性が得られなくな
り好ましくない。融点が147℃を超えると紙との密着
性が悪くなる。
【0012】また、MFRは2〜50g/10分が好ま
しい。MFRが2g/10分未満では高速成形性の点で
好ましくなく、MFRが50g/10分を超えると成膜
時の耳の安定性が不安定となり好ましくない。
【0013】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
は一般によく知られているチーグラー系の結晶性ポリプ
ロピレン用重合触媒を用い、40〜90℃の温度で20
〜40気圧の下でスラリー重合又は気相重合することに
より得られる。
【0014】エチレンとの2元共重合の場合には共重合
体中のエチレン結合量は、重合触媒の種類や重合条件に
よるが、2〜9重量%が適当である。2重量%未満では
プロピレンとエチレンとの共重合体のDSCで測った融
点が150℃以上となり紙との密着性が悪くなりまた密
度も高くなるので耐吸湿カール性の面で好ましくない。
9重量%を超えても剥離紙に必要な密着性や耐吸湿カー
ル性、耐熱ピンホール性に関しては優れた性能を示す
が、該共重合体の製造時にファウリング等をしやすく、
製造に多大な困難を伴うため好ましくない。
【0015】プロピレンの3元以上の共重合体の場合に
は該共重合体の用いたコモノマーの種類やコモノマーの
量によりDSCで求める融点はいろいろ変え得るのでコ
モノマー組成を限定するのは難しいが、いずれにしても
2元系の場合と同様にDSCの融点が120℃以上15
0℃未満であることが必要である。なお、融点を下げる
にはエチレンと他のα−オレフィンを併用するのが効果
的である。
【0016】次に高圧ラジカル重合法により得られる低
密度ポリエチレン(以下LDPEと略称することもあ
る。)について説明する。
【0017】本発明に用いられる高圧ラジカル重合法に
より得られる低密度ポリエチレン(高圧法低密度ポリエ
チレン)のメルトフローレート(JIS K6760に
より測定され、MFIと略称することもある。)は0.
4〜20g/10分であることが必要である。MFIが
0.4g/10分未満では高速成形性、薄肉成形性が悪
く、MFIが20g/10分を超えると耳の安定性やネッ
クインが大きくなる。好ましくは0.7〜15g/10分
である。
【0018】また、LDPEのDSCで測定した融点は
100℃以上好ましくは103℃以上140℃未満であ
る。100℃未満でMFIが50g/10分以下のLDP
Eの製造は実質的に困難である。
【0019】プロピレン共重合体とLDPEからなるポ
リプロピレン系樹脂組成物を製造するには、タンブラー
ミキサー等で両樹脂を混合して用いてもよいし、混合し
た樹脂をさらに押出機を通してからペレタイズしてもよ
い。
【0020】ポリプロピレン系樹脂組成物中のLDPE
の割合は5〜35重量%であることが必要である。5重
量%未満では成膜時の膜の安定性を向上させる効果が小
さく、35重量%を超えるとプロピレンとα−オレフィ
ンとの共重合体のもつ延展性や耐ピンホール性や突き刺
し強度の特性を減少させるため好ましくない。好ましく
は7〜20重量%である。
【0021】ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRは、
5〜40g/10分が好適である。5g/10分未満で
は高速成形性に劣り、40g/10分を超えると押出さ
れる量が不均一になり膜が不安定となり好ましくない。
【0022】本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物
には通常用いられるBHT等のフェノール系安定剤を用
いることができるが、リン系の安定剤はシリコーンのキ
ュア(硬化)反応を妨害するので好ましくない。
【0023】本発明に用いられる紙は特に制限はなく、
例えば、上質紙、中質紙、上更紙、更紙等が使用され
る。また、ラミネートは紙の片面でも両面でもよい。
【0024】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を詳
説する。
【0025】実施例1〜7 表1に示す融点とMFRをもつプロピレン−エチレン共
重合体及び低密度ポリエチレンからなり表1に示す重量
比率及びMFRを有する組成物の各々についてラミネー
ト成形して剥離紙用基材を得た。成形条件及び剥離紙用
基材の諸物性の測定結果を表1に示す。
【0026】成形条件は次のとおりである。 押出機90mmφ、ラミネートTダイ900mm エアーギャップ125mm ラミネート基材 上質紙(750mm巾、目付75〜80
g/m2 ) コロナ処理量 28W分/m2
【0027】発煙は成形時に発生する発煙を目視にて観
察し、5段階で評価した。 1 非常に良好 2 良好 3 実用上問題なし 4 不良 5 非常に不良
【0028】なお、剥離紙基材の諸物性の測定条件は次
のとおりである。
【0029】(1)紙との接着力 サンプルを15mm巾×10cmに裁断し、先端部を一部剥
離させて引張試験機により引張試験を行い評価した。
【0030】(2)耐吸湿カール性 60〜70mmφの円形に打抜いたサンプルを作成し、紙
面を下側にしてはね上り高さを測定した。 ◎ はね上り少なく良好 ○ はね上りあるが合格 △ はね上り大きく不合格 × はね上り非常に大きく、先端部もカールしているた
め測定不能
【0031】(3)耐熱ピンホール性 A4サイズのサンプルをギアオーブン中に110℃×2
分間放置後取出して、2%フクシン水溶液を塗布し、紙
の着色斑点の全個数を計数した。
【0032】(4)発泡 30cm×35cmのサンプルをA4サイズの木枠にセット
し、110、120、130、140℃の温度のギアオ
ーブン中に2分間耐熱処理を行い、取出して発泡個数を
目視で観察した。発泡が1つでもあれば「あり」とし
た。
【0033】比較例1、2 融点が158℃又は164℃のプロピレン−エチレン共
重合体と低密度ポリエチレンからなる組成物を使用して
ラミネート成形を行ったが、紙との接着力が低く、耐吸
湿カール性も実施例より劣った。
【0034】比較例3 融点が132℃の高密度ポリエチレンと低密度ポリエチ
レンからなる組成物を使用してラミネート成形を行った
が、特に15μm 厚の剥離紙用基材の耐吸湿カール性が
非常に大きく、不良であった。
【0035】比較例4、5 融点が109℃又は104℃の低密度ポリエチレンのみ
を用いてラミネート成形したが、耐吸湿カール性が大き
く、また耐熱ピンホール性が悪く、不良であった。
【0036】比較例6 融点が128℃の高密度ポリエチレンと低密度ポリエチ
レンからなる組成物を使用してラミネート成形を行った
が、耐吸湿カール性が大きく、紙との接着力も悪かっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の組成物の溶融状態での延展性や
耐突刺性が従来のポリエチレン系重合体より著しく優れ
るために、粗く、太くて固い繊維による表面の空隙があ
るような紙を基材として用いてもラミネート膜に穴が開
くことなく一様に塗膜することができる。ポリエチレン
系重合体の場合には、このラミネート物を110〜12
0℃で熱処理することにより、収縮等により膜が破れピ
ンホールを発生することがあるため、膜厚を17μm 以
上にする必要があるが、本発明の組成物では10μm 以
下5〜7μm 程度に薄膜化することができ、工業的に多
大なコストメリットを出すことができる。
【0039】また、本発明に係るポリプロピレン系樹脂
組成物の密度はポリエチレン系重合体と比較し低密度で
あり、しかも薄膜化できるために、剥離紙にとって重要
な性質である耐吸湿カール性を著しく改善することがで
きる。更に、ポリエチレン系重合体よりも低温で成形し
ても紙との接着、交着性が得られるため発煙を抑えるこ
とができ作業環境の改善も図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 克次 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭和電工株式会社 川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−248834(JP,A) 実開 昭59−141546(JP,U) 実開 平2−10444(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DSC(示差走査熱量計)による融点が
    120℃以上147℃未満、MFRが2〜50g/10
    のプロピレンとα−オレフィンとの共重合体95〜6
    5重量%と、DSCによる融点が100℃以上でMFI
    が0.4〜20g/10分の高圧ラジカル重合法より得
    られる低密度ポリエチレン5〜35重量%とからなるポ
    リプロピレン系樹脂組成物を紙の両面又は片面にラミネ
    ートした剥離紙用基材。
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