JPH07232042A - 微多孔性膜 - Google Patents

微多孔性膜

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JPH07232042A
JPH07232042A JP6028119A JP2811994A JPH07232042A JP H07232042 A JPH07232042 A JP H07232042A JP 6028119 A JP6028119 A JP 6028119A JP 2811994 A JP2811994 A JP 2811994A JP H07232042 A JPH07232042 A JP H07232042A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】上水中のCl- イオン吸着能を有し、浄水器を
より小型化ならしめ、浄水器のろ過膜として好適に使用
できる微多孔性膜を得る。 【構成】ポリオレフィン30〜80重量%と、該ポリオ
レフィン中に分散された平均粒子径が0.1〜5μmで
ある活性炭70〜20重量%よりなり、最大細孔径が5
μm以下の連通孔からなる網状構造を有し、空隙率が2
0〜90%であり、且つ延伸により分子配向されてなる
中空糸膜状等を好適な形態とする微多孔性膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微多孔性膜、詳しくは
特定の粒子径の活性炭を含んだポリオレフィンよりなる
微多孔性膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源、省エネルギー、分離精製
等の観点から微多孔性膜を用いた分離方法が急速に実用
規模で用いられるようになってきた。かかる膜分離法に
用いられる微多孔性膜としては数多くのものが研究さ
れ、例えば、ポリオレフィンに炭酸カルシウム等の充填
剤が分散され、該ポリオレフィンと充填剤との境界を界
面剥離させて微多孔化させたものが、初期透水量や、長
期使用時の透水量等の透水性能に優れたものとして提案
されている。
【0003】このような微多孔性膜の用途の一つに、該
膜を中空糸状等に成膜したものを、浄水器の分離膜とし
て使用する用途がある。各家庭の上水道の蛇口に中空糸
膜を組込んだ浄水器は、その手軽さのために普及してき
ている。しかして、かかる浄水器では、この組み込まれ
た中空糸膜により、上水中に含有される大腸菌や一般細
菌、藻、カビ、プランクトンの死骸、鉄サビ、Al2
4 、シリカ、イオウ、Mg等の汚染粒子が除去され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記上水等
の洗浄に供する水には、上記汚染粒子の他に、種々の臭
気物質、例えばカルキ臭の原因となるCl- イオン、ガ
ビ臭の原因となる藻類の排出物である2−メチルイソボ
ルネオール(MIB)、ジオスミン等が溶解されてい
る。ところが、前記の中空糸膜による浄化では、こうし
た水中に溶解しているような汚染物質はほとんど除去で
きず、そのため、前記浄水器では、通常、上記中空糸膜
の他に活性炭層が併設されており、この活性炭層を水が
通過することにより、該汚染物質の吸着除去が行われて
いる。
【0005】しかしながら、その場合、この中空糸膜と
供に併設される活性炭層は、上記汚染物質を十分に除去
するためには、該活性炭を多量に充填しなければなら
ず、装置の大型化につながっていた。例えば、2ppm
の上水をカルキ臭のないものにするには残留Cl- イオ
ンを0.4ppm以下に保たねばならないが、その場
合、活性炭層は該活性炭を中空糸膜の膜面積:1m2
たり約200g充填することが必要になってくる。
【0006】これに対して、近年、浄水器は、特に家庭
用を中心として小型、軽量化の要求が高まっており、前
記中空糸膜による浄化工程において、こうした臭気物質
等の汚染物質を少しでも除去し、この活性炭層の容積を
でき得る限り小さくすることが望まれていた。こうした
背景から本発明は、初期透水量や、長期使用時の透水量
等の透水性能に優れ、さらに、Cl- イオンなどの水の
臭気の原因となる汚染物質の良好な除去能力も有する微
多孔性膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、鋭意研究を続けてきた。その結果、ポリオ
レフィンに分散させる充填剤として特定の粒子径の活性
炭を用いることにより、上記の課題が解決できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、ポリオレフィン30〜8
0重量%と、該ポリオレフィン中に分散された平均粒子
径が0.1〜5μmである活性炭70〜20重量%より
なり、最大細孔径が5μm以下の連通孔からなる網状構
造を有し、空隙率が20〜90%であり、且つ延伸によ
り分子配向されてなる微多孔性膜である。
【0009】本発明において使用されるポリオレフィン
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
−1又はポリメチルペンテン等のα−オレフィンの単独
重合体、α−オレフィンと他の共重合可能なモノマーと
の共重合体及びそれらの混合物等を挙げることができ
る。中でも、得られる微多孔性膜の耐熱性と成形性を勘
案すると、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他の
共重合可能なモノマーとの共重合体及びそれらの混合物
が好適である。
【0010】上記のα−オレフィンと他の共重合可能な
モノマーとの共重合体は、一般にα−オレフィン、特に
プロピレンを90重量%以上含み、他の共重合可能なモ
ノマーを10重量%以下含む共重合体が好適である。ま
た、上記共重合可能なモノマーも特に限定されず、公知
のものを使用出来るが、一般には、炭素原子数2〜8の
α−オレフィン、特にエチレン、及びブテンが好適であ
る。
【0011】本発明において使用される活性炭は、ポリ
オレフィンと混合した場合凝集を起こさず、均一に分散
するものであることが好ましい。活性炭は、延伸工程に
於いてポリオレフィンと分散した活性炭との界面に剥離
を生じさせて微細な連通孔を形成させる役目の他、該連
通孔を水が通水した際にカルキ臭等の悪臭の原因となる
汚染物質を吸着除去するために使用される。
【0012】本発明において用いる活性炭は、上記の機
能を発揮するものであれば公知の活性炭が何等制限なく
使用可能である。本発明に於いて好適に使用し得る活性
炭を具体的に例示すると、例えば、木材、ノコギリ屑、
ヤシの実の殻、リグニン、牛の骨、血液、亜炭、カッ
炭、泥炭、石炭などを原料とし、水蒸気、塩化亜鉛、リ
ン酸、硫酸、アルカリなどの薬品、空気、二酸化炭素、
塩素ガス中での加熱等で賦活された粉末状の活性炭が好
適である。
【0013】本発明において、こうした活性炭は、ポリ
オレフィンとの界面剥離性が良好であり、延伸により容
易に多孔質化することができるという理由から、平均粒
子径が0.1〜5μmであることが必要である。活性炭
の平均粒子径が上記の範囲をはずれた場合には、活性炭
のポリオレフィンへの分散が困難になったり、また、最
大細孔径が大き過ぎたりして上水中に含まれる雑菌等、
例えば、大腸菌をろ別することができない。好適に採用
される微多孔性膜を得るためには、活性炭の平均粒子径
は、0.1〜3μmであることが好ましい。
【0014】上記の活性炭の粒子径分布は狭いほど均一
な細孔が得られるために好ましく、また、上記の活性炭
の形状はどのような形状であっても良いが、球形又は楕
円形、もしくはそれにちかい形状が径の均一な細孔が得
られるために好ましい。
【0015】前記したポリオレフィンと平均粒子径が
0.1〜5μmである活性炭との配合割合は、ポリオレ
フィンが30〜80重量%、好ましくは40〜70重量
%で、活性炭が70〜20重量%、好ましくは60〜3
0重量%である。このポリオレフィンと活性炭の配合割
合は、微多孔性膜の性状を特定の範囲に保ち、工業的に
有利に微多孔性膜を製造するのに重要である。該活性炭
の割合が前記下限値より少なくなると得られる微多孔性
膜の孔形成が十分でなく、また、逆に活性炭の添加割合
が前記上限値より多くなると、膜の成形性が悪くなった
り、延伸が十分に行えないなどの傾向があるので好まし
くない。
【0016】本発明において、上記のポリオレフィン
と、該ポリオレフィン中に分散された活性炭よりなる混
合物で形成される膜は、延伸により分子配向されてい
る。その結果、本発明の微多孔性膜は、ポリオレフィン
と上記無機充填材の界面が剥離して、最大細孔径が5μ
m以下の連通孔が膜中に網状に形成されている。この微
多孔性層に形成される連通孔の最大細孔径が5μmを越
えた場合には、得られる微多孔性膜の上水等の透水量は
良好であるものの、液体/固体、液体/気体、液体/液
体、及び気体/固体間の分離性能を低減させるという理
由から好ましくない。本発明においては、上水等の透水
量の好適さを勘案すれば、該最大細孔径は、0.01〜
3μmであるのが好ましい。さらに、大腸菌等のろ別性
能を勘案すれば、この最大細孔径は、1.5μm以下で
あるのが好ましい。なお、この微多孔性膜に形成される
連通孔は、通常、0.005〜3μmの平均孔径となっ
ている。
【0017】また、本発明の微多孔性膜は、空隙率が2
0〜90%、好ましくは35〜80%である。この空隙
率において最も透水性能や分離性能等に優れたものとな
る。
【0018】本発明において、以上説明した微多孔性膜
の厚みは得に制限されるものではないが、一般には10
μm〜0.5mmの範囲であるのが好ましい。また、そ
の形状も得に制限されるものではなく、使用態様に応じ
て例えばフィルム状等の形態でも使用できるが、分離膜
として有効に機能させるためには中空糸膜として用いる
のが好ましい。その場合、該中空糸膜の外径は50μm
〜5mmの範囲とするのが好適である。
【0019】本発明において、上記説明した微多孔性膜
は、如何なる方法により製造しても良い。通常は、ポリ
オレフィン30〜80重量%と平均粒子径が0.1〜5
μmである活性炭70〜20重量%よりなる混合物を成
膜し、次いで該膜を延伸する方法により製造するのが一
般的である。
【0020】その際、ポリオレフィン成分と活性炭成分
を多量に、かつ、均一に混合することは困難であること
があり、このような場合にはかかる混合に際して分散剤
を特定量配合することが好ましい。即ち、前記ポリオレ
フィン成分と活性炭成分の合計量100重量部に対し
て、分散剤を0.1〜20重量部添加することが均一な
細孔径を有する微多孔性中空糸膜を得るために好まし
い。
【0021】分散剤は種々の合成樹脂に可塑剤として添
加される公知の化合物を特に限定されず用いうる。一般
に好適に使用される分散剤は、ポリエステル系可塑剤及
びエポキシ系可塑剤でああり、末端OH化ポリブタジエ
ンも好適に使用される。これらを例示すると下記の通り
である。
【0022】ポリエステル系可塑剤は、一般に炭素原子
数4〜8の直鎖又は芳香環を有する二塩基酸又は三塩基
酸と炭素原子数2〜5の直鎖状の二価アルコールをエス
テル化反応させたものが好適である。特に好適に使用さ
れるものを具体的に例示すると、セバシン酸、アジピン
酸、フタル酸、アゼライン酸およびトリメリット酸等の
二塩基酸あるいは三塩基酸と、エチレングライコール、
プロピレングライコール、ブチレングライコール、ネオ
ペンチルグライコールおよび長鎖アルキレングライコー
ル等よりなるポリエステル化合物で、特にアジピン酸あ
るいはセバシン酸とプロピレングライコール、ブチレン
グライコール又は長鎖アルキレングライコールとよりな
るポリエステル化合物が好ましく用いられる。
【0023】また、エポキシ系可塑剤は、炭素原子数8
〜24の一塩基性直鎖不飽和酸の二重結合をエポキシ化
したものが好ましい。特に好適に使用されるものを具体
的に示せばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等
で、これらを単独でまたは併用して使用出来る。
【0024】さらには、重合度が500〜3000、好
ましくは500〜1000のポリブタジエンの両末端を
OH化した可塑剤も分散剤として好適に使用できる。
【0025】上記各成分の混合に際し、目的とする微多
孔性膜の製造を妨げない範囲において、着色剤、滑剤、
酸化防止剤、劣化防止剤、親水化剤、疎水化剤等の公知
の添加剤を加えることはしばしば良好な態様である。
【0026】前記混合物は、特定の条件下に中空糸状物
等に溶融成膜後、延伸することで本発明の微多孔性膜を
得ることができる。ここで、上記の混合物を中空糸状物
に成膜する場合、その方法は特に制限されないが、一般
には公知の二重円筒型口金を備えた中空糸製造用押出機
を用いて中空糸状物にするのが好適である。
【0027】未延伸の膜状物の延伸方法は、得に制限さ
れないが一般的には、二対のネルソンロール等の回転速
度比の違いにより一軸延伸する、もしくは必要に応じて
一軸延伸後に引き続き公知の拡幅延伸機などにより横方
向に逐次延伸する、又は縦及び横方向に同時に延伸する
方法等が採用される。その場合、延伸倍率は通常、面積
延伸倍率で1.5〜10倍の範囲であるのが好ましい。
1軸方向(中空糸の長手方向)だけに延伸する場合は、
一般に1.5〜8倍、好ましくは、3〜7倍の延伸をす
るのが好ましい。また、2軸方向に延伸する場合は、1
軸方向(中空糸の長手方向)に1.2倍以上、好ましく
は1.5倍以上、及び2軸方向(中空糸の円周方向)に
1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上の延伸が好まし
く、最も好ましくは1軸方向へ2〜5倍及び2軸方向へ
2〜5倍の延伸をするのが好適である。延伸温度は、一
般に常温以上ポリオレフィンの融点以下、特に融点より
10〜100℃低い温度が好ましい。
【0028】延伸することによって得られた微多孔性膜
は、更に緊張下に熱処理、例えば、前記延伸の温度以上
融点以下の温度で熱固定処理し、その後室温まで冷却し
て目的物とすることが好ましい。また、接着性を改良す
る目的でのコロナ放電処理や親水化処理あるいは疎水化
処理による表面処理を行うことは好ましい態様である。
【0029】以上の如くの方法により製造された微多孔
性膜では、ポリオレフィンが延伸により分子配向され、
或いは更に熱固定されることにより、膜自体の耐熱性が
顕著に向上し、また機械的強度も改善される。特に熱固
定を行ったものでは、常温並びに高温時の寸法安定性も
顕著に向上している。
【0030】
【発明の効果】本発明で得られる微多孔性膜は、その材
質がポリオレフィン単独重合体又はオレフィンと他の共
重合可能なモノマーとよりなり、オレフィンリッチであ
るため耐熱性も良好で、強度、耐薬品性、生体適合性な
どの物性もすぐれている。さらに本発明で得られる微多
孔性膜中に含まれる活性炭が耐熱性、耐薬品性に富んだ
不溶、不融の充填剤であるため、得られる微多孔性膜の
使用時における信頼性が高く、例えば特定の物質分離に
際して該活性炭が溶出するトラブルがないという特徴を
有する。また、製造時における、成形性、活性炭の分散
性、延伸性等も優れ、厚さむらや表面凹凸、さらにはフ
ィッシュアイ等も抑えられて安定して製造できる。
【0031】しかも、Cl- イオン等の上水中の臭気の
原因となる溶解物質の良好な除去能力を有し、例えば中
空糸膜に成膜したものは、Cl- イオンの濃度を約20
%程度低減する能力を有している。従って、本発明の微
多孔性膜を中空糸膜として浄水器に組み込んだ場合、併
設して組み込まれている活性炭層の容量を約20%程度
少なくすることができ、該浄水器のコンパクト化が可能
となる。さらに、本発明の微多孔性膜は、透水性能にも
優れ、例えば上記中空糸膜に成膜したものは、初期透水
量が100l/m2 ・hr・atm以上と大きく、さら
には200〜2000l/m2 ・hr・atmとするこ
ともでき、さらに目詰りによる透水量の低下が小さく、
例えば、上水2トンをろ過処理した後においても100
l/m2・hr・atm以上の透水量を有する。従っ
て、本発明で得られた微多孔性膜は長期に亙ってろ過膜
として使用可能で、且つ、Cl- イオン吸着能を有し、
浄水器の小型化を可能ならしめる。
【0032】以上の性状から、本発明の微多孔性膜は、
家庭用浄水器のろ過膜として使用できる他、除じん、除
菌及び脱臭のためのエアーフィルター;ガス分離膜;廃
水処理;食品工業、電子工業、製薬工業におけるクリー
ンウォーター製造;医療分野における血液浄化、人工
肺、透析膜等に使用でき、精密ろ過、及び限外ろ過、逆
浸透膜、パーベーパレーション等の支持体としての用途
に好適に使用される。
【0033】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下実
施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。尚、実施例および比
較例に示す中空糸膜の物性及び判定は以下の方法により
測定或いは判定した値を示す。
【0034】・最大細孔径(μ);メタノールバブルポ
イント法により測定した。
【0035】・空隙率;水銀圧入式ポロシメーターによ
り測定した。
【0036】・窒素ガス透過量;微多孔性中空糸膜10本
を束ねて中空糸膜開口部分をエポキシ樹脂で固め、モジ
ュールを作製した。樹脂包埋部を除く中空糸有効長は1
5cmとした。このモジュール中空糸膜にN2 ガスで
0.5atmの圧力を25℃でかけ、中空糸膜の壁面を
通過するN2 ガスの量を求めた。膜面積は(外径+内
径)/2ベースとした。
【0037】・水の透過量;微多孔性中空糸膜10本を
束ねて中空糸膜開口部分をエポキシ樹脂で固め、モジュ
ールを作製した。樹脂包埋部を除く中空糸有効長は15
cmとした。水の透水性能測定に際し、HLBが21の
ノニオン系界面活性剤のエタノール2%溶液にモジュー
ルを浸漬処理した後、1atmの上水をかけ、中空糸膜
の壁面を通過する水の量を求めた。膜面積は(外径+内
径)/2ベースとした。最初に透水性試験を3分間行な
ったときの値を初期透水量とし、上水2トンを透水させ
た後の値を2トン透水量として表に示した。なお、透水
性試験に用いた上水は、6.5ppmのCl- イオンを
含む山口県徳山市の水道水である。
【0038】・Cl- イオン濃度;厚生省令第69号
「水質基準に関する省令」に定める方法に基づきイオン
クロマトグラフを用いて測定した。
【0039】・成形性;未延伸の中空糸膜を目視及び手
でさわって観察し次の判定基準で判定した。
【0040】良好 ;厚さむら、表面凹凸がない状
態。
【0041】やや良好;厚さむら、又は表面凹凸の一方
が微少ある状態。
【0042】やや不良;厚さむら、表面凹凸の両方とも
微少ある状態。
【0043】不良 ;厚さむら、表面凹凸ともひどく
ある状態。
【0044】・分散性;延伸して得られた中空糸膜を目
視し、フィッシュアイがあるかないかで判定した。 良好 ;フィッシュアイがない状態。
【0045】やや良好;フィッシュアイがごく微少ある
状態 やや不良;フィッシュアイが微少ある状態 不良 ;フィッシュアイがひどく観察される状態。
【0046】・延伸性;未延伸中空糸膜を該中空糸の長
手方向に延伸する際の延伸状態で判定した。
【0047】良好 ;切断、破れが生ぜず、延伸が
均一に行なわれている状態。
【0048】やや良好 ;延伸がほぼ均一に行われ、ご
く微少の未延伸部が存在する状態 やや不良 ;延伸が出来ても一部に未延伸部が存在する
状態。
【0049】延伸出来ず;切断、破れが発生し延伸が出
来ない状態。
【0050】実施例1〜6、及び比較例1〜4 表1に示すような樹脂、活性炭、分散剤よりなる組成物
をスーパーミキサーで5分間混合した後、二軸押出機に
より230℃でストランド状に押出し、ペレット状に切
断した。得られたペレットを、スクリュー径20mm
φ、L/D=22の押出機に取付けた直径0.7mmの
二重管構造を有する中空糸製造用ノズルより230℃で
押出し、約20℃の水が循環する水槽に投入して冷却せ
しめ、10〜50m/分で引き取り未延伸中空糸状物を
得た。
【0051】この未延伸中空糸状物を、回転速度の異な
る2対のネルソンロール間で120℃にて延伸倍率4倍
に一軸延伸し、外径が520μφで膜厚が100μの活
性炭を含有した微多孔性中空糸膜を得た。得られた微多
孔性中空糸膜の物性を表2に示した。
【0052】尚、使用した樹脂、活性炭、分散剤は下記
に示す商品を使用した。
【0053】ポリプロピレン;徳山曹達(株)製、PN-1
20(商品名)密度0.91g/cm3 ,135 ℃のテトラリンで測
定した極限粘度2.38dl/g,融点166 ℃ プロピレン−エチレン共重合体;徳山曹達(株)製、MS
-624(商品名)密度0.90g/cm3 ,135 ℃のテトラリンで
測定した極限粘度2.28dl/g,融点163℃,エチレン含有
量4.7 重量%。
【0054】ポリエチレン ;三井石油化学工業(株)
製、高密度ポリエチレン、ハイゼックス1300J(商品
名)、メルトインデックス 1.3g/10 分。
【0055】活性炭; 粉末状活性炭;(A)和光純薬(株)製、Charco
al,Bone(商品名)、平均粒子径0.2μmの骨
炭。
【0056】;(B)武田薬品工業(株)製、水蒸気賦
活炭。
【0057】平均粒子径2μm。
【0058】;(C)和光純薬(株)製、Charco
al,Activated,Powder(商品名)、
平均粒子径10μmの活性炭素。
【0059】粒状活性炭 ;クラレケミカル(株)製、
ヤシ殻破砕炭。
【0060】平均粒子径200μm。
【0061】分散剤 ;日本曹達(株)製、末端OH化
ポリブタジエン、GI−1000(商品名)。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン30〜80重量%と、該ポ
    リオレフィン中に分散された平均粒子径が0.1〜5μ
    mである活性炭70〜20重量%よりなり、最大細孔径
    が5μm以下の連通孔からなる網状構造を有し、空隙率
    が20〜90%であり、且つ延伸により分子配向されて
    なる微多孔性膜。
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