JPH07207072A - ポリオレフィン組成物 - Google Patents

ポリオレフィン組成物

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JPH07207072A
JPH07207072A JP32701693A JP32701693A JPH07207072A JP H07207072 A JPH07207072 A JP H07207072A JP 32701693 A JP32701693 A JP 32701693A JP 32701693 A JP32701693 A JP 32701693A JP H07207072 A JPH07207072 A JP H07207072A
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polyolefin
fiber membrane
film
microporous
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Kuniya Nago
訓也 名郷
Yukio Mizutani
幸雄 水谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】初期透水量が大きく、目詰りによる透水量の低
下が小さく、浄水器のろ過膜として好適に使用できる微
多孔性フィルム及び微多孔性中空糸膜の原料として好適
なポリオレフィン組成物を得る。 【構成】(a)ポリオレフィン 10〜80重量%、
(b)シリコーンオイルで表面処理した平均粒子径が
0.01〜5μmの無機充填材90〜20重量%よりな
る組成物をフィルム状または中空糸状に成形し、次いで
フィルム状物、または中空糸状物を面積延伸倍率で1.
5〜30倍に延伸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィンとシリ
コーンオイルで表面処理された無機充填材よりなるポリ
オレフィン組成物に関し、優れた分離・透過性能を有す
る微多孔性フィルムあるい微多孔性中空糸膜の原料とし
て好適なポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源、省エネルギー、分離精製
等の観点から平膜ないしは中空糸膜を用いた分離方法が
急速に実用規模で用いられるようになってきた。かかる
膜分離法に用いられる膜の素材としては数多くの高分子
素材が研究され、例えば、セルロースエステル系、ポリ
オレフィン系、ポリスルホン系等の高分子素材が従来提
案されてきた。膜分離法に用いられる素材に要求される
特性としては、分離能に優れることは言うまでもなく、
その他、使用条件下に耐え得る機械的特性、耐薬品性等
の特性が要求され、さらに膜を低コストで容易に製造し
得ることも重要な要件となる。
【0003】このような平膜ないしは中空糸膜の用途の
一つに浄水器を挙げることができる。各家庭の上水道の
蛇口に中空糸膜をろ過膜として組込んだ浄水器は、その
手軽さのために普及してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在市
販されている浄水器は初期透水量はある程度あるが長期
の使用によって目詰りが生じ、次第に透水量の低下が生
じるという欠点があった。従って、所望する透水量を得
るためには中空糸膜を頻繁に交換しなければならなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、初期透水量が大きく、且つ長期の使用によ
っても透水量の低下の小さい中空糸膜を開発することを
目的として、中空糸膜の製造条件について種々検討を重
ねてきた。その結果、ポリオレフィンに配合する無機充
填材をシリコーンオイルで表面処理することにより、上
記した目的をすべて満足する中空糸膜を得ることができ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(a)ポリオレフィン
10〜80重量%、(b)シリコーンオイルで表面処理
した無機充填材 90〜20重量%よりなる組成物であ
る。
【0007】本発明のポリオレフィン組成物の(a)成
分は、ポリオレフィンである。ポリオレフィンとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1又
はポリメチルペンテン等のα−オレフィンの単独重合
体、α−オレフィン同士の共重合体、α−オレフィンと
他の共重合可能なモノマーとの共重合体及びそれらの混
合物等を挙げることができる。中でも、得られる微多孔
性フィルムおよび微多孔性中空糸膜の耐熱性と成形性を
勘案すると、プロピレンの単独重合体、プロピレンと他
のα−オレフィンとの共重合体及びそれらの混合物が好
適である。
【0008】上記のプロピレンと他のα−オレフィンと
の共重合体は、一般にプロピレンを90重量%以上含
み、他のα−オレフィンを10重量%以下含む共重合体
が好適である。また、上記の他のα−オレフィンも特に
限定されず、公知のものを使用出来るが、一般には、炭
素原子数2〜8のα−オレフィン、特にエチレン、及び
ブテンが好適である。
【0009】本発明のポリオレフィン組成物の(b)成
分は、シリコーンオイルで表面処理した無機充填材であ
る。無機充填材は、ポリオレフィンの溶融成形条件下、
例えばポリオレフィンの融点プラス100℃の温度にお
いて実質的に安定でポリオレフィンと反応しないものが
使用される。また、ポリオレフィンと混合した場合凝集
を起さず、均一に分散するものであることが好ましい。
無機充填材は、延伸工程においてポリオレフィンと分散
した無機充填材との界面に剥離を生じさせて微細な連通
孔を形成させるために使用される。
【0010】本発明において用いる無機充填材は、上記
の機能を発揮するものであれば特に限定されず使用し得
るが、特に周期律表第IIA族、第IIIA族及び第IVB族
よりなる群から選ばれた1種の金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、又は硫酸塩からなる非ケイ酸質充填材が好
適である。これらの充填材は種々の合成樹脂の充填材と
して公知なものが特に限定されず用いうるが、一般に好
適に使用されるものを例示すると次の通りである。例え
ば、周期律表第IIA族の金属としてはカルシウム、マグ
ネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属であり、第II
IA族の金属としてはホウ素、アルミニウム等の金属で
あり、また第IVB族の金属としてはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム等の金属が好適である。これらの金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硫酸塩は特に限定され
ず用いうる。特に好適に使用される充填材をより具体的
に例示すれば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化ホウ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物;
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の
炭酸塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化アルミニウム等の水酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩等である。
【0011】上記の充填材の平均粒子径は特に限定され
るものではなく、用途に応じて適当な大きさのものを使
用すればよい。本発明のポリプロピレン組成物を微多孔
性フィルムおよび微多孔性中空糸膜の製造原料として使
用する場合には、雑菌等の阻止性や上水等のろ過される
液体の透過性の観点から、無機充填材の平均粒径は通常
0.01〜5μmの範囲であることが好適である 上記の無機充填材はシリコーンオイルで表面処理されて
いることが重要である。表面処理剤として使用するシリ
コーンオイルとは、以下の一般式で表示される繰り返し
単位を有するポリジメチルシロキサンである。
【0012】
【化1】
【0013】(但し、R1 およびR2 は、水素原子、ま
たは炭素数1〜25の置換もしくは非置換のアルキル
基、アルケニル基若しくはフェニル基である。) 本発明において好適に使用し得るシリコーンオイルとし
て具体的に化合物名を挙げると、例えば、ポリジメチル
シロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジプロピル
シロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルハ
イドロジェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェン
シロキサン等を挙げることができる。
【0014】シリコーンオイルの平均分子量は何ら制限
されるものではないが、ポリオレフィンとの溶融混練中
の熱による揮発を防止し、また、無機充填材の均一な表
面処理を行うためには、、一般に1,000〜100,
000が好適に用いられる。
【0015】上記シリコーンオイル表面処理剤の使用量
は特に限定されないが、ポリオレフィン組成物の延伸に
よる無機充填材との界面における界面剥離を良好にする
ためには、一般に無機充填材100重量部に対して0.
5〜5重量部の範囲が好ましい。
【0016】表面処理の方法としては、無機充填材とシ
リコーンオイルとを単に混合すればよい。例えば、スー
パーミキサー中に所定量の無機充填材とシリコーンオイ
ルを投入し、1000〜2000rpm、2〜5分間高
速撹拌した後、190〜210℃で2〜4時間熱処理す
る方法を本発明において好適に使用できる。
【0017】前記したポリオレフィン(a)とシリコー
ンオイルで表面処理した無機充填材(b)との割合は、
(a)が10〜80重量%、好ましくは15〜70重量
%で、(b)が90〜20重量%、好ましくは85〜3
0重量%である。(a)成分と(b)成分の組成割合
は、微多孔性フィルム及び微多孔性中空糸膜の性状を特
定の範囲に保ち、工業的に有利に微多孔性フィルム及び
微多孔性空糸膜を製造するのに重要である。該(b)成
分の割合が前記下限値より少なくなると得られる微多孔
性フィルム及び微多孔性中空糸膜の孔形成が十分でな
く、また、逆に(b)成分の添加割合が前記上限値より
多くなると、微多孔性フィルム及び微多孔性空糸膜の成
形性が悪くなったり、延伸が十分に行えないなどの傾向
があるので好ましくない。
【0018】前記(a)成分に(b)成分を多量に、か
つ、均一に混合することは困難であることがあり、この
ような場合には前記(a)成分と(b)成分との混合に
際して分散剤を特定量配合することが好ましい。即ち、
前記(a)成分及び(b)成分の合計量100重量部に
対して、分散剤を0.1〜20重量部添加することが均
一な細孔径を有する微多孔性フィルム及び微多孔性中空
糸膜を得るために好ましい。
【0019】分散剤は種々の合成樹脂に可塑剤として添
加される公知の化合物を特に限定されず用いうる。一般
に好適に使用される分散剤は、ポリエステル系可塑剤及
びエポキシ系可塑剤である。これらを例示すると下記の
通りである。
【0020】ポリエステル系可塑剤は、一般に炭素原子
数4〜8の直鎖又は芳香環を有する二塩基酸又は三塩基
酸と炭素原子数2〜5の直鎖状の二価アルコールをエス
テル化反応させたものが好適である。特に好適に使用さ
れるものを具体的に例示すると、セバシン酸、アジピン
酸、フタル酸、アゼライン酸およびトリメリット酸等の
二塩基酸あるいは三塩基酸と、エチレングライコール、
プロピレングライコール、ブチレングライコール、ネオ
ペンチルグライコールおよび長鎖アルキレングライコー
ル等よりなるポリエステル化合物で、特にアジピン酸あ
るいはセバシン酸とプロピレングライコール、ブチレン
グライコール又は長鎖アルキレングライコールとよりな
るポリエステル化合物を好ましく用いることができる。
【0021】また、エポキシ系可塑剤は、炭素原子数8
〜24の一塩基性直鎖不飽和酸の二重結合をエポキシ化
したものが好ましい。特に好適に使用されるものを具体
的に示せばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等
で、これらを単独でまたは併用して使用出来る。
【0022】上記各成分の混合に際し、目的とする微多
孔性フィルム及び微多孔性中空糸膜の製造を妨げない範
囲において分散剤、着色剤、滑剤、酸化防止剤、劣化防
止剤、親水化剤、疎水化剤等の公知の添加剤を加えるこ
とはしばしば良好な態様である。
【0023】上記したポリオレフィン(a)とシリコー
ンオイルで表面処理した無機充填材(b)とは、通常の
スーパーミキサー乃至はヘンシェルミキサー等の公知の
混合機を用いて容易に均一混合され、次いで通常の二軸
押出機によりペレット化される。
【0024】本発明のポリプロピレン組成物は、微多孔
性フィルムまたは微多孔性中空糸膜の製造原料として好
適である。本発明のポリプロピレン組成物を使用して微
多孔性フィルムまたは微多孔性中空糸膜を製造する方法
は、下記の方法を採用することができる。
【0025】(1)本発明のポリオレフィン組成物をシ
ート状に成形した後、延伸する方法。
【0026】(2)本発明のポリオレフィン組成物を中
空糸状に成形した後、延伸する方法。
【0027】上記のポリオレフィン組成物をシート状ま
たは中空糸状に成形する方法も特に制限されず、公知の
方法を採用することができる。一般には公知のTダイま
たは二重円筒型口金を備えた押出機を用いてシート状ま
たは中空糸状に成形することができる。
【0028】本発明においては、シート状または中空糸
状に成形するときのドラフト比を1〜5の範囲とするこ
とが初期透水量が大きく目詰りによる透水量の低減の少
ない微多孔性フィルム又は微多孔性中空糸膜を得ること
ができるために好適である。ここで、ドラフト比とは、
ダイスロ金を通過する吐出物の線速度 (V2 )に対す
る冷却固化により成形されたシート状又は中空糸状物の
引取り速度(V1 )の比であり、下記式で表わされる。
【0029】ドラフト比=V1 /V2 ここで、V2 は、 (押出量/溶融前の混合組成物の比重)/ダイスロ金の
断面積 で示される。上記式から明らかなように一定のV2 に対
してV1 を速くすればドラフト比は大きくなり、溶融せ
ん断がかかる。
【0030】本発明においては、ドラフト比が1〜5で
あることが好ましく、さらに1〜3の範囲であることが
より好ましい。
【0031】未延伸のシート状物は、一般的に二対のニ
ップロール等の回転速度比の違いにより一軸延伸する方
法、さらに一軸延伸後に引き続き公知の拡幅延伸機など
により横方向に逐次延伸する方法、又は縦及び横方向に
同時に延伸する方法等で延伸を行うことができる。ま
た、未延伸の中空糸状物は、一般的に二対のネルソンロ
ール等の回転速度比の違いにより一軸延伸する方法、又
は一軸延伸後に引き続き公知の拡幅延伸機などにより横
方向に逐次延伸する方法等で延伸を行なうことができ
る。
【0032】本発明における微多孔性フィルム及び微多
孔性中空糸膜の延伸倍率は特に限定されるものではない
が、延伸による微多孔を効率よく生成させるためには一
般的には面積延伸倍率で1.5〜30倍であることが好
ましい。一軸方向(フィルム、中空糸の長手方向)だけ
に延伸する場合は、一般に1.5〜12倍、また二軸方
向に延伸する場合は、一軸方向に1.2倍以上、、及び
二軸方向(長手方向に垂直な方向)に1.2倍以上の延
伸を行うことが好適ある。延伸温度は、一般に常温以上
ポリオレフィンの融点以下、特に融点より10〜100
℃低い温度が好ましい。
【0033】延伸することによって得られた微多孔性フ
ィルム及び微多孔性中空糸膜は更に緊張下に熱処理、例
えば、前記延伸の温度以上融点以下の温度で熱固定処理
し、その後室温まで冷却して目的物とすることが好まし
い。また、接着性を改良する目的でのコロナ放電処理や
親水化処理あるいは疎水化処理による表面処理を行うこ
とは好ましい態様である。
【0034】本発明により製造された微多孔性フィルム
及び微多孔性中空糸膜では、ポリオレフィンが延伸によ
り分子配向され、或いは更に熱固定されることにより、
フィルム及び中空糸膜自体の耐熱性が顕著に向上し、ま
た機械的強度も改善される。特に熱固定を行ったもので
は、常温並びに高温時の寸法安定性も顕著に向上してい
る。このようにして一般に膜厚が10μm〜500μm
の範囲の微多孔性フィルム、及び外径が50μm〜5m
mの範囲、膜厚が10μm〜0.5mmの範囲の微多孔
性中空糸膜が得られる。
【0035】
【効果】本発明で得られる微多孔性フィルム及び微多孔
性中空糸膜は、その材質がポリオレフィンよりなり、オ
レフィンリッチであるため耐熱性も良好で、強度、耐薬
品性、生体適合性などの物性もすぐれている。しかも、
初期透水量が1〜100L/分・m2・atmと大き
く、さらに目詰まりによる透水量の低下が小さいため、
長期に亙ってろ過膜として使用可能である。
【0036】従って、本発明で得られる微多孔性フィル
ム及び微多孔性中空糸膜は、家庭用浄水器として使用で
きる他、除じん及び除菌のためのエアーフィルター;ガ
ス分離膜;廃水処理;食品工業、電子工業、製薬工業に
おけるクリーンウォーター製造;医療分野における血液
浄化、人工肺、透析膜等に使用でき、精密ろ過、及び限
外ろ過、逆浸透膜、パーベーパレーション等の支持体と
しての用途に好適に使用される。
【0037】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下、
実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。実施例および比較
例に示すフィルム及び中空糸膜の物性及び判定は以下の
方法により測定或いは判定した値を示す。
【0038】(1)最大細孔径(μ);メタノールバブ
ルポイント法により測定した。
【0039】(2)窒素ガス透過量;微多孔性フィルム
は有効直径が2.9cmのゴムパッキングでシールでき
る一対のフランジ間に挟み、フィルムに0.5atmの
圧力のN2ガスを20℃でかけ、フィルムを通過するN2
ガスの量を求めた。微多孔性中空糸膜は10本を束ねて中
空糸膜開口部分をエポキシ樹脂で固め、モジュールを作
製した。樹脂包埋部を除く中空糸有効長は15cmとし
た。このモジュール中空糸膜にN2ガスで0.5atm
の圧力を20℃でかけ、中空糸膜の壁面を通過するN2
ガスの量を求めた。膜面積は(外径+内径)/2ベース
とした。
【0040】(3)水の透過量;微多孔性フィルムは有
効直径が2.9cmのゴムパッキングでシールできる一
対のフランジ間に挟み、フィルムに1atmの水圧の上
水をかけ、フィルムを通過する水の量を測定した。微多
孔性中空糸膜は10本を束ねて中空糸膜開口部分をエポキ
シ樹脂で固めたモジュールに1atmの水圧の上水をか
け、中空糸膜の壁面を通過する水の量を求めた。なお、
水の透水性能測定に際し、必要に応じてHLBが21の
ノニオン系界面活性剤のエタノール2%溶液に浸漬処理
した。膜面積は(外径+内径)/2ベースとした。最初
に透水性試験を3分間行なったときの値を初期透水量と
し、上水4トン/m2を透水させた後の値を4トン透水
量として表に示した。
【0041】(4)成形性;未延伸のフィルム及び中空
糸膜を目視及び手でさわって観察し次の判定基準で判定
した。
【0042】良好 ;厚さむら、表面凹凸がない状
態。
【0043】やや良好;厚さむら、又は表面凹凸の一方
が微少ある状態。
【0044】不良 ;厚さむらがあり、表面に凹凸が
ある状態。
【0045】(5)分散性;延伸して得られたフィルム
及び中空糸膜を目視し、フィッシュアイがあるかないか
で判定した。 良好 ;フィッシュアイがない状態。
【0046】不良 ;フィッシュアイが観察される状
態。
【0047】(6)延伸性;未延伸フィルム及び中空糸
膜を該フィルム及び中空糸の長手方向に延伸する際の延
伸状態で判定した。
【0048】良好 ;切断、破れが生ぜず、延伸が
均一に行なわれている状態。
【0049】やや不良 ;延伸が出来ても一部に未延伸
部が存在する状態。
【0050】延伸出来ず;切断、破れが発生し延伸が出
来ない状態。
【0051】尚、実施例において使用したポリオレフィ
ン、無機充填材、表面処理剤、分散剤は、下記に示す商
品である。
【0052】・ポリプロピレン;徳山曹達(株)製、PN
-120(商品名)密度0.91g/cm3,135℃のテトラリンで測
定した極限粘度2.38dl/g,融点166℃。
【0053】・プロピレン−エチレン共重合体;徳山曹
達(株)製、MS-624(商品名)密度0.90g/cm3,135℃の
テトラリンで測定した極限粘度2.28dl/g,融点163℃,
エチレン含有量4.7 重量%。
【0054】・ポリエチレン;三井石油化学工業(株)
製、高密度ポリエチレン、ハイゼックス1300J(商品
名)、メルトインデックス 1.3g/10分。
【0055】・炭酸カルシウム;白石工業(株)製、ビ
スコライトU(商品名)平均粒子径0.09μm。
【0056】ツネックスE(商品名)平均粒子径0.5μ
m。
【0057】東洋ファインケミカル(株)製、ホワイトンPO
(商品名)平均粒子径1.05μm。
【0058】白石カルシウム(株)製、ホワイトンP−10
(商品名)平均粒子径3μm。
【0059】・水酸化アルミニウム;昭和軽金属(株)
製、ハイジライド(商品名)平均粒子径6μm。
【0060】・シリコーンオイル;東レ タ゛ウコーニンク゛(株)
製、SH-200(ク゛レート゛名)、分子量10,000、化合物名;ポリ
ジメチルシロキサン東レ タ゛ウコーニンク゛(株)製、SH-510(ク゛
レート゛名)、分子量15,000、化合物名;ポリメチルフェニ
ルシロキサン・分散剤;日本曹達(株)製、末端OH化
ホ゜リフ゛タシ゛エン、GI-1000(グレード名)。
【0061】実施例1〜12、及び比較例1 表1に示すようなポリオレフィン、無機充填材、分散剤
よりなる組成物をスーパーミキサーで5分間混合した
後、二軸押出機により230℃でストランド状に押出
し、ペレット状に切断した。得られたペレットを、スク
リュー径20mmφ、L/D=22の押出機に取付けた
直径0.7mmの二重管構造を有する中空糸製造用ノズ
ルより230℃で押出し、約20℃の水が循環する水槽
に投入して冷却せしめ、10〜50m/分で引き取り未
延伸中空糸状物を得た。
【0062】この未延伸中空糸状物を、回転速度の異な
る2対のネルソンロール間で120℃にて延伸倍率5倍
に一軸延伸し、微多孔性中空糸膜を得た。得られた微多
孔性中空糸膜の物性を表2に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】実施例13〜15及び比較例2 表3に示すようなポリオレフィン、無機充填材、分散剤
よりなる組成物のペレットを、スクリュー径20mm
φ、L/D=22の押出機にダイリップ間隔0.5mm
のTダイを取付け230℃で押出し、約50℃の水を循
環させたロールで冷却せしめ、10〜50m/分で引き
取り未延伸フィルム状物を得た。
【0066】この未延伸フィルム状物を、回転速度の異
なる2対のロール間で120℃にて延伸倍率5倍に一軸
延伸し、微多孔性フィルムを得た。得られた微多孔性フ
ィルムの物性を表4に示した。
【0067】尚、使用したポリオレフィン、無機充填
材、表面処理剤、分散剤は下記に示す商品を使用した。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/04 C B 6/46 A // B29K 105:04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリオレフィン 10〜80重量% (b)シリコーンオイルで表面処理された無機充填材
    90〜20重量%よりなるポリオレフィン組成物。
  2. 【請求項2】(a)ポリオレフィン 10〜80重量% (b)シリコーンオイルで表面処理された無機充填材
    90〜20重量%よりなる組成物をシート状に成形した
    後、延伸することを特徴とする微多孔性フィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】(a)ポリオレフィン 10〜80重量% (b)シリコーンオイルで表面処理された無機充填材
    90〜20重量%よりなる組成物を中空糸状に成形した
    後、延伸することを特徴とする微多孔性中空糸膜の製造
    方法。
JP32701693A 1993-12-03 1993-12-24 微多孔性中空糸の製造方法 Expired - Fee Related JP3334986B2 (ja)

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CN112941653A (zh) * 2021-01-26 2021-06-11 无锡优佳无纺科技有限公司 一种高强度中空聚丙烯纤维的制备方法

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