JPH07231883A

JPH07231883A - 皮膚表面解析システム及び皮膚表面解析方法

Info

Publication number: JPH07231883A
Application number: JP6051195A
Authority: JP
Inventors: Koji Matsue; 浩二松江
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 1994-02-23
Filing date: 1994-02-23
Publication date: 1995-09-05
Anticipated expiration: 2016-12-10
Also published as: JP3236731B2

Abstract

(57)【要約】【目的】皮膚の光学的美しさを客観的且つ定量的に数値
化することのできる皮膚表面解析システム及び皮膚表面
解析方法を提供する。【構成】明暗強調撮像装置（１）により、サンプル皮膚
（２）表面の微細明暗分布が強調された二次元サンプル
画像を撮像し、イメージプロセッサ（８）により、上記
二次元サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽出し
て粒子解析を行う。そして、ホストコンピュータ（９）
が、上記粒子解析結果からサンプル皮膚（２）表面の光
学的美しさに相関する特性値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、皮膚表面解析システム
及び皮膚表面解析方法に係り、より詳しくは、皮膚表面
の特徴を検出し、皮膚表面の凹凸や光の反射を分析検査
することのできる解析システム及び解析方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】美容や化粧等の観点から、しわやキメ等
の皮膚性状や肌質等を評価し、定量化することは極めて
重要である。従来、皮膚表面形状を検知する方法として
は、適当な材料を用いて皮膚表面を転写するレプリカ法
や、皮膚表面を直接カメラ等で拡大実写する方法が採ら
れ、これらの方法によって得られた像を視覚的に観察し
評価することが行われていた。これらの手法は、簡便且
つ手軽であるために多用されているが、複雑な皮膚表面
形状を微細な点まで捕らえ、それを客観的に識別して定
量化することについては困難なものであった。

【０００３】そこで、近年、皮膚表面形状のより一層の
特徴抽出を図るため、コンピュータ等を用いて皮膚表面
情報を処理し、数値化やパタン化する技術が種々開発さ
れている。すなわち、皮膚表面やそのレプリカを適当な
光電変換手段で撮像して得られた画像情報を、パタン処
理プログラムを用いて解析し、皮膚表面形状等を客観的
且つ定量的に評価するのである。例えば、特開昭６０−
５３１２１号公報及び特開昭６１−６４２３２号公報に
は、皮膚レプリカを複数の光源で照明し、皮溝のパタン
を抽出して皮溝間隔や皮溝方向等を解析する装置が開示
されている。また、特開昭６４−５９１４５号公報に
は、レプリカを用いずに皮膚表面から直接画像を取り込
み、これを二値化処理してパタン解析を行なう方法が開
示されており、特開平２−４６８３３号公報には、レプ
リカ撮影画像を階調処理した後、画像処理して皮溝深さ
に関するデータを得る方式が開示されている。更に、特
開昭６０−６３０３０号公報には、皮膚画像に対して閾
値レベルを変えながら二値化画像をモニタし皮溝又はし
わ深さを測定する方式が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】皮膚の形態としては、
しわやキメ（皮溝及び皮丘と呼ばれる微細な凹凸）があ
り、これらの形態学上での評価法については、上述した
ように多数の従来技術が知られている。そして、これら
の従来技術は、しわや皮溝及び皮丘の形態を直接計測対
象あるいは解析対象としたものである。一方、我々が肉
眼でしわやキメとして認識している特性は、皮膚の凹凸
に光が当たってできる明るい部分と暗い部分との明暗の
差であり、微細な形態そのものを捕らえているのではな
い。しかしながら、上述した従来の皮膚表面解析方式
は、いずれもこの感覚的なしわやキメの粗さを数値化す
るものではなかった。

【０００５】図１は、皮膚表面の凹凸の見え方を模式的
に表している。同図に示すように、皮膚１０１の表面凹
凸に対し、ある一定の方向からの光１０２が当たると、
光が当たる部分１０３と当たらない部分１０４とができ
る。そして、この光が当たる明るい部分１０３と当たら
ない暗い部分１０４との視覚的な差、つまり明度の差
を、人間は凹凸として認識すると考えられる。

【０００６】一般に、肌を美しく且つ健康的に見せるた
めには、しわやキメを細かく目立たなくするとともに、
皮膚表面に分泌された皮脂がテカリとして現れないよう
にすることが重要なポイントとされている。しかしその
一方で、肌色を整えたり、しみやそばかす等をカバーす
るファンデーションも、その配合される原料によって
は、しわやキメを目立たせてしまうことが知られてい
る。すなわち、正反射率の高い顔料を多量に用いたファ
ンデーションでは、一方向から光が当たった場合に明る
い部分と暗い部分とがはっきりと分かれてしまい、逆に
拡散反射の大きい顔料を多量に用いたファンデーション
では、暗い部分も拡散反射によって明るくなり、明暗の
差が小さくなるため、しわやキメを目立たなくすること
ができるのである。

【０００７】また、ファンデ−ションを使用した際に
は、「化粧くずれ」という問題が起こることが知られて
いる。この「化粧くずれ」は、主に皮膚表面に分泌され
る皮脂によって起こり、以下のように大きく４つの現象
に分けることができる。まず、経時により、皮膚表面に
皮脂が分泌されると、その皮脂によって顔料の表面がぬ
れ、顔料のもつ反射が無くなり、顔色が暗くなったよう
に感じる。これが「化粧くずれ」の第一段階であり、
「色沈み」あるいは「くすみ」と呼ばれる。このよう
に、顔料のもつ反射が無くなると、しわやキメが目立つ
ようになる。そして、皮脂の分泌が更に進むと皮脂自体
が正反射を起こし、「テカリ」と呼ばれる状態をつくり
出す。更に皮脂の分泌が進むと、皮膚上の顔料が皮脂の
中に没したり、皮脂上に浮遊する状態になる。これが
「脂浮き」と呼ばれる状態である。また、目尻や口元
等、動きのある部位においては、「よれ」と呼ばれる現
象が起こる。これは、上記「脂浮き」の状態に動きが加
わったために、顔料の部分的なとれ、片寄りが起こった
状態である。このように、「化粧くずれ」には上記の４
つの現象があるが、その中でも、特に「テカリ」及び
「脂浮き」は、ファンデーションを使用する者に「化粧
くずれ」を認知させる上で最も重要な要素であるといわ
れている。

【０００８】しかして、肌を継続的に美しく且つ健康的
に見せるファンデーションを開発するためには、各原料
の特性の正確な把握に加え、ファンデーションを評価す
る新しい評価法が必要とされることとなる。そこで、本
発明は、皮膚の凹凸の視覚的粗さや、皮脂分泌による
「テカリ」及び「脂浮き」の皮膚表面における明度分布
の均一性、つまり皮膚の光学的美しさを客観的且つ定量
的に数値化する皮膚表面解析システム及び皮膚表面解析
方法の提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の手段を講じた。すなわち、本発明
に係る皮膚表面解析システムは、サンプル皮膚表面の微
細明暗分布が強調された二次元サンプル画像を撮像する
明暗強調撮像装置と、該二次元サンプル画像を加工処理
し、高輝度部分を抽出して粒子解析を行う画像処理装置
と、粒子解析結果を集計、演算処理し、サンプル皮膚表
面の光学的美しさに相関する特性値を算出する演算装置
とから構成されている。そして、上記演算装置は、皮膚
の光学的美しさに単相関する特性値として、高輝度部面
積比率や、粒子一個当たりの高輝度部面積比率を算出す
るものとすることができる。また、本発明に係る皮膚表
面解析方法は、サンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調
された二次元サンプル画像を撮像する手順と、該二次元
サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽出して粒子
解析を行う手順と、粒子解析結果を集計、演算処理し、
サンプル皮膚表面の光学的美しさに相関する特性値を計
測する手順とからなるものである。

【００１０】

【作用】上記の構成をとる本発明によれば、明暗強調撮
像装置を用いて、肉眼では捕らえることのできない僅か
なコントラストの違いも強調した二次元サンプル画像を
撮像することができる。そして、この明暗強調撮像装置
を用いることによって、肌の微細な凹凸によって作られ
る明るい部分と暗い部分との違い、つまりしわやキメの
見えを強調したサンプル画像を得ることができる。ま
た、この明暗強調撮像装置を用いているため、皮膚表面
に分泌された皮脂によりテカリ、脂浮きを生じた部分が
あった場合には、その部分のテカリ、脂浮きを強調した
サンプル画像も得ることができるのである。そして、こ
の二次元サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽出
して粒子解析を行い、その粒子解析結果を演算処理して
サンプル皮膚表面の光学的美しさに相関する特性値を算
出するようにしているため、得られた特性値は、皮膚の
見た目の美しさの感覚的評価と非常に高い相関性を有す
るものとなり、よって皮膚の見た目の美しさを客観的に
数値化することが可能となるのである。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を詳細に説明する。図２は、本発明に係る皮膚表面解析
システムの基本的な構成を示すブロック図である。同図
に示すように、この皮膚表面解析システムは、明暗強調
撮像装置（１）を備えており、サンプル皮膚（２）表面
の微細明暗分布が強調された二次元サンプル画像を撮像
するようになっている。この明暗強調撮像装置（１）
は、カメラヘッド（３）とコントローラ（４）とからな
り、例えば「スーパーアイＣ２８４７（浜松フォトニク
ス社製）」を利用することができる。上記カメラヘッド
（３）は、ダイナミックレンジの広い撮像管からなり、
コントローラ（４）は、上記カメラヘッド（３）から出
力された撮像信号の微分処理を行うようになっている。
すなわち、高域周波数成分のみを増幅して、通常肉眼観
察できない細かなものまでを鮮明に表示可能とするもの
である。そして、微分時定数は、多段階に可変調整する
ことができ、被写体の空間周波数に応じて最適なモード
を選択することができるようになっている。

【００１２】上記明暗強調撮像装置（１）には、スティ
ルビデオレコーダ等の画像記録装置（５）が接続されて
おり、この画像記録装置（５）により二次元画像サンプ
ル画像データが記録保存されるようになっている。ま
た、画像記録装置（５）には、信号変換装置（６）が接
続されており、この信号変換装置（６）により、ビデオ
信号として記録されている二次元サンプル画像データ
を、コンピュータのグラフィックディスプレイに適した
ＲＧＢ信号に変換するようになっている。

【００１３】更に、上記信号変換装置（６）には、画像
処理装置／演算装置（７）が接続されている。この画像
処理装置／演算装置（７）は、ＲＧＢ信号の形で入力さ
れた二次元サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽
出して粒子解析を行うとともに、この粒子解析結果を演
算処理してサンプル皮膚（２）表面の光学的美しさに相
関する特性値を算出するものである。この特性値として
は、高輝度部面積比率や、粒子一個当たりの高輝度部面
積比率が含まれる。具体的には、この画像処理装置／演
算装置（７）は、イメージプロセッサ（８）とホストコ
ンピュータ（９）との組合せからなり、イメージプロセ
ッサ（８）は、例えばイメージアナライザＮＥＸＵＳ６
８００（ＮＥＸＵＳ社製）を主体として構成され、入力
された画像のノイズ低減のためのスムージング処理等を
行うとともに、画像の高輝度部分を抽出して粒子解析を
行うようになっている。そして、ホストコンピュータ
（９）は、システム全体の制御を行うとともに、粒子解
析結果の演算処理やデータ収集等を行うようになってい
る。

【００１４】図３は、ファンデーションによる化粧を行
った後の額部を上記明暗強調撮像装置（１）によって撮
影して得られた二次元サンプル画像の一例を示してい
る。この図から明らかなように、カメラヘッドから得ら
れた映像信号に対して微分処理を施すことにより、肉眼
では捕らえることのできない微妙なコントラストの違い
までも強調して撮影することが可能になる。従って、こ
の明暗強調撮像装置（１）を利用することにより、しわ
やキメの見えや、皮脂によるテカリや脂浮きを強調した
画像を得ることができるのである。

【００１５】参考のため、サンプル皮膚表面を通常に撮
影した画像の例を図４に示す。この図を図３と比較すれ
ば明らかなように、通常の撮影画像では、皮膚表面の微
細なコントラストを認識することができず、従って、し
わやキメの見え及び皮脂によるテカリや脂浮きに関して
の有効な情報を得ることはできないのである。

【００１６】次に、図５を参照して、図２に示した皮膚
表面解析システムの動作及び使用方法を詳細に説明す
る。まず、ステップＳ１において、明暗強調撮像装置
（１）によりサンプル皮膚（２）表面の明暗強調画像を
撮影する。この際、照明光の照度や入射角が、撮影画像
の輝度に大きく影響するため、各サンプル皮膚（２）表
面について照明条件を最適化した上で撮影を行うことが
好ましい。次に、ステップＳ２において、微細明暗分布
が強調された二次元サンプル画像を必要に応じて画像記
録装置（５）に一旦記録、保存する。そして、ステップ
Ｓ３において、元のビデオ信号を、信号変換装置（６）
によりグラフィックディスプレイに適したＲＧＢ信号に
変換した後、ステップＳ４で二次元サンプル画像をイメ
ージプロセッサ（８）に入力する。次に、ステップＳ５
において、入力された上記二次元サンプル画像の加工処
理を行い、画像のノイズ低減のためのスムージング処理
等を施す。

【００１７】次いで、ステップＳ６において、必要に応
じ測定領域を指定する。この測定領域の指定は、時系列
的に採取された二次元サンプル画像の同一部位に関して
計測を実施する場合等に行うものであり、上記イメージ
プロセッサ（８）のモニタを観察しながらキーボードあ
るいはデジタイザを用いて行うようになっている。例え
ば、ファンデーションを塗布した皮膚の見た目の美しさ
が経時に伴ってどのように変化するかを調べる場合にお
いて、完全に重なる領域を指定して計測を行うことによ
り、検出感度を高めることができるのである。

【００１８】しかる後、ステップＳ７において、二値化
処理あるいは閾値処理を行い、微細な凹凸によって生じ
る明るい部分と、テカリや脂浮きを生じた部分に対応す
る高輝度部分を抽出する。この二値化処理は、上記イメ
ージプロセッサ（８）によって行われ、画像のピクセル
ごとにその明度を所定の閾値と比較して白色と黒色とに
分別するものである。そして、この分別により、個々の
高輝度部分が強調抽出されて、いわゆる粒子が得られる
のである。図６に、この二値化処理によって得られた粒
子の画像の例を示す。図６の（Ａ）は、二値化処理を行
う前の画像であり、明るい部分が測定領域を示してい
る。また、図６の（Ｂ）は、上記図６（Ａ）に対して二
値化処理を行ったものであり、白い部分が、粒子と呼ば
れる高輝度部分を抽出したものである。

【００１９】次に、ステップＳ８において粒子解析を行
う。すなわち、上記のようにして抽出された粒子の面積
の合計及び個数を計測するとともに、測定領域の指定を
行った場合には、この測定指定領域の面積も計測する。
そして、ステップＳ９において、ホストコンピュータ
（９）が上述した測定データをイメージプロセッサ
（８）から取り込み、入力された画像の全面積あるいは
測定指定領域の面積に対する抽出された粒子の面積の合
計の比率（以下、高輝度部面積比率と称する）を算出す
る。この高輝度部面積比率は、（抽出された粒子の面積
の合計）÷（入力された画像の全面積あるいは測定指定
領域の面積）×１００で得られるものである。また、入
力された画像の全面積あるいは測定指定領域の面積に対
する抽出された粒子一個当たりの面積の平均比率（以
下、粒子１個当たりの高輝度部面積比率と称する）を算
出する。この粒子１個当たりの高輝度部面積比率は、
（抽出された粒子の面積の合計）÷（入力された画像の
全面積あるいは測定指定領域の面積）〕÷（抽出された
粒子の個数）×１００で得られるものである。

【００２０】最後に、本発明に係る皮膚表面解析システ
ム及び皮膚表面解析方法の評価を行うため、実際の計測
データと、肉視及び実感により化粧くずれの程度を感覚
的に評価した評価結果との相関を調べた。まず、市販品
と試作品との２種類のファンデーションを女性被験者５
名の顔面の左右に塗布し、塗布直後、塗布９０分後及び
塗布３時間後において、額部の明暗強調画像の撮影を行
った。レンズとしてはキャノンのマクロレンズＦＤ１０
０mm，ｆ４を使用し、照明光としては５７５Ｗのメタル
ハライドランプを光源とした写真用照明装置を用いた。
このときの撮影部位の照度は約５０００ルクスであっ
た。

【００２１】そして、上記明暗強調画像の撮影と同時
に、被験者に対して化粧くずれに関するアンケート調査
を行い、化粧くずれの程度のスコア化を行った。アンケ
ート調査に用いた項目は、化粧くずれの状態を表す４つ
の現象とし、それぞれの項目とその程度を表すスコアに
ついては、表１に示す通りとした。

【００２２】

【表１】

【００２３】撮影された額部の微分強調画像につき、前
述した諸特性値を計測し、上記感覚的な評価との相関を
求めた。その結果を表２に示す。

【００２４】

【表２】＊：危険率5%以下で有意

【００２５】この表２の左側にはアンケート項目が示さ
れ、右側には２つの特性値との相関係数が示されてい
る。この表を見てわかるように、計測された二つの特性
値は、「テカリ」及び「脂浮き」の項目と有意に高い相
関をもち、このことから顔料の光の反射に関連する項目
と相関が高いことが裏付けられた。「色沈み」について
は、「テカリ」や「脂浮き」よりも微小な変化であり、
被験者にも認識され難い項目であったため、また「よ
れ」は顔料の光の反射に関連する項目ではなかったため
に、相関が低かったものと考えられる。

【００２６】次に、上記の結果において特に相関の高か
った「テカリ」と「高輝度部面積比率」との相関式か
ら、「化粧くずれ」の尺度となる「皮膚表面の光学的美
しさ」を算出した。その相関式は２．４８７×（高輝度
部面積比率）−０．６７１８で与えられる。

【００２７】この相関式を用いて上述した２種類のファ
ンデーションについての比較評価を行った結果を図７の
グラフに示す。このグラフにおいて、横軸にはファンデ
ーションを塗布してからの経過時間をとり、縦軸には
「皮膚表面の光学的美しさの比」をとった。この光学的
美しさの比は、それぞれのファンデーションについて、
塗布直後及び経時における画像を撮影し、上記相関式に
基づき「皮膚表面の光学的美しさ」を算出した後、両者
の比をとったものである。従って、この値は、ファンデ
ーション塗布直後からの皮膚表面の光学的美しさの変化
量を表したものである。

【００２８】このグラフを見れば、塗布直後からの皮膚
表面の光学的美しさの変化量は市販品よりも試作品の方
が大きく、従って、試作品の方が市販品よりも「化粧く
ずれ」しやすい傾向を示していることがわかる。そし
て、この結果は、前述したアンケート調査の結果と一致
するものであった。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、サンプ
ル皮膚表面の微細明暗分布が強調された二次元サンプル
画像を撮像し、これを加工処理した後、高輝度部分を抽
出して粒子解析を行い、この粒子解析結果を演算処理し
て所定の特性値を算出するものである。しかして、「化
粧くずれ」における「テカリ」や「脂浮き」に関し、微
分強調画像の解析結果と感覚的な評価との間には有意な
相関が認められることから、本発明が、皮膚表面の光学
的美しさを客観的に数値化できる手段として、また、化
粧料がもつ「化粧くずれ」に対する効果を客観的に数値
化できる手段として極めて有用であることは明らかであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】皮膚表面のしわやキメの見え方の状態を説明す
る模式図である。

【図２】本発明に係る皮膚表面解析システムの基本的な
構成を示すブロック図である。

【図３】サンプル皮膚表面の明暗微細分布が強調された
二次元サンプル画像の例を示す写真である。

【図４】通常撮影されたサンプル皮膚表面の二次元サン
プル画像の例を示す写真である。

【図５】本発明に係る皮膚表面解析方法の手順を説明す
るフローチャートである。

【図６】サンプル皮膚表面の明暗微細分布が強調された
二次元サンプル画像の二値化処理前の画像及び二値化処
理後の画像の例を示す写真である。

【図７】２種類のファンデーションについて、塗布後の
皮膚表面の光学的美しさの変化を算出した結果を示すグ
ラフである。

【符号の説明】

１明暗強調撮像装置２サンプル皮膚３カメラヘッド４コントローラ５画像記録装置６信号変換装置７画像処理装置／演算装置８イメージプロセッサ９ホストコンピュータ

【手続補正書】

【提出日】平成６年７月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図６

【補正方法】変更

【補正内容】

【図６】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】サンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調
された二次元サンプル画像を撮像する明暗強調撮像装置
と、該二次元サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽出
して粒子解析を行う画像処理装置と、粒子解析結果を集計、演算処理し、サンプル皮膚表面の
光学的美しさに相関する特性値を算出する演算装置とか
らなる皮膚表面解析システム。
【請求項２】演算装置が、皮膚の光学的美しさに単相
関する特性値として高輝度部面積比率を算出する請求項
１記載の皮膚表面解析システム。
【請求項３】演算装置が、皮膚の光学的美しさに単相
関する特性値として粒子一個当たりの高輝度部面積比率
を算出する請求項１記載の皮膚表面解析システム。
【請求項４】サンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調
された二次元サンプル画像を撮像する手順と、該二次元サンプル画像を加工処理し、高輝度部分を抽出
して粒子解析を行う手順と、粒子解析結果を集計、演算処理し、サンプル皮膚表面の
光学的美しさに相関する特性値を計測する手順とを含む
皮膚表面解析方法。