JP2021139650A - 照り評価装置および該方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は新たな評価指標で照りを評価する照り評価装置および該方法を提供する。【解決手段】被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める照り評価装置Dは、前記被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における第1受光角での光強度分布データである第1データ、第2受光角での光強度分布データである第2データおよび拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得するデータ取得部1と、前記第1データに基づいて第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理部23とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の被測定面における照りを評価する照り評価装置および照り評価方法に関する。
被測定面の見え方は、従来、例えば特許文献1等に開示される、輝度計、分光計および測色計等の光学特性測定装置によって、輝度、分光特性、および、例えばXYZ表色系やL表色系等の色座標(色度図)の色で表され、評価される。
特開2018−4421号公報
しかしながら、いわゆる照りの評価では、光学特性測定装置の測定結果と、人の感じる見え方とは必ずしも一致しないという事情がある。特に、木目や本杢目等の色やテクスチャを備える表面を被測定面とする場合、表面の光り方だけで無く、素材の有する色やテクスチャも前記見え方に影響するため、光学特性測定装置の測定結果と、人の感じる見え方とは一致し難い。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、新たな評価指標で照りを評価する照り評価装置および照り評価方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる照り評価装置は、測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める装置であって、前記被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得するデータ取得部と、前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比または所定の第1閾値より明るい第1面積と前記第1閾値以下の暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比または所定の第2閾値より明るい第3面積と前記第2閾値以下の暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理部とを備える。好ましくは、上述の照り評価装置において、前記データ取得部は、前記測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における光強度を所定の受光角で受光して測定する測定部と、前記入射角および前記第1受光角で前記測定部によって測定した光強度分布データである第1データを前記測定部から取得し、前記入射角および前記第2受光角で前記測定部によって測定した光強度分布データである第2データを前記測定部から取得し、前記入射角および前記第3受光角で前記測定部によって測定した光強度である拡散反射データを前記測定部から取得する取得処理部とを備える。好ましくは、前記測定部は、反射光の光強度分布を測定する第1測定部と、反射光の光強度を測定する第2測定部とを備える。好ましくは、上述の照り評価装置において、前記データ取得部は、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを入力する入力部である。好ましくは、上述の照り評価装置において、前記データ取得部は、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを記録した記録媒体(例えばCD−ROMおよびDVD−ROM等)から前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを読み込む読取部(例えばCDドライブ装置およびDVDドライブ装置等)である。好ましくは、上述の照り評価装置において、前記データ取得部は、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを記憶した記憶媒体(例えばUSBメモリ等)から前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを読み込むインターフェース部(例えばUSBインターフェース装置等)である。好ましくは、上述の照り評価装置において、前記データ取得部は、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを蓄積したサーバ装置から通信網を介して前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを受信する通信インターフェース部である。
本発明の他の一態様にかかる照り評価方法は、測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める方法であって、前記被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得するデータ取得工程と、前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比または所定の第1閾値より明るい第1面積と前記第1閾値以下の暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比または所定の第2閾値より明るい第3面積と前記第2閾値以下の暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理工程とを備える。
本発明によれば、第1データに基づく第1面積比と第2データに基づく第2面積比との差分である差分データ、および、拡散反射データを新たな艶の評価指標値とした照り評価装置および照り評価方法が提供できる。被測定面に対する見る角度によって部分的な光り方が変化する。特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面とする場合、このような傾向が強い。このため、本発明では、互いに異なる第1および第2受光角での相対的に明るい部分と相対的に暗い部分の面積比の変化、すなわち、前記差分データを1つの評価指標値とした。そして、正反射角で被測定面を見ると鏡面のように光の帯に見えるため、被測定面の表面が見え難い一方、拡散反射角で被測定面を見ると、被測定面の表面が見え易い。特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面とする場合、このような傾向が強い。このため、本発明では、拡散反射角での光強度、すなわち、前記拡散反射データを他の1つの評価指標値とした。上記照り評価装置および照り評価方法は、このような観点から、評価指標値を設定したので、照りを定量化でき、特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面とする場合、より好適に評価できる。
他の一態様では、上述の照り評価装置は、表示を行う表示部と、前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、前記評価処理部で求めた前記評価指標値を表す座標点を前記表示部に表示する表示処理部とをさらに備える。他の一態様では、上述の照り評価方法は、前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、前記評価処理部で求めた前記評価指標値を表す座標点を表示する表示工程をさらに備える。
このような照り評価装置および照り評価方法は、座標系に評価指標値の座標点をプロットするので、視覚的に照りの評価指標値を把握できる。特に、測定対象が複数の場合に、複数の測定対象における各評価指標値が一目で把握でき、傾向や相互比較もし易い。
他の一態様では、これら上述の照り評価装置および照り評価方法において、前記第1受光角は、拡散反射角であり、前記第2受光角は、正反射角である。
これによれば、第1受光角が拡散反射角であって、第2受光角が正反射角である照り評価装置および照り評価方法が提供できる。
他の一態様では、これら上述の照り評価装置および照り評価方法において、前記入射角は、45°であり、前記第1受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度であり、前記第2受光角は、45°である。
これによれば、入射角が45°であって、第1受光角が15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度であって、第2受光角が45°である照り評価装置および照り評価方法が提供できる。
他の一態様では、上述の照り評価装置および照り評価方法において、前記第3受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度である。
これによれば、第3受光角が15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度である照り評価装置および照り評価方法が提供できる。
他の一態様では、これら上述の照り評価装置および照り評価方法において、前記被測定面は、木目および本杢目のうちの少なくとも一方を備える。
このような照り評価装置および照り評価方法は、上述のように、色やテクスチャが評価指標に与える影響を反映できるので、木目および本杢目のうちの少なくとも一方を備える表面を、より好適に評価できる。
本発明によれば、新たな評価指標で照りを評価する照り評価装置および照り評価方法が提供できる。
実施形態における照り評価装置の構成を示すブロック図である。 前記照り評価装置におけるデータ取得部の一例である測定部の構成を示すブロック図である。 第1および第2面積比の演算手法を説明するための図である。 拡散反射データの一例を示す図である。 前記照り評価装置の動作を示すフローチャートである。 被測定面の一例を示す図である。 一例として、座標系の座標値で評価指標値を示す図である。 一例として、照りに対する主観的な目視評価の結果を示す図である。 受光角5°〜20°における、光強度および差分データの積と目視評価との関係を示す図である。 受光角25°〜40°における、光強度および差分データの積と目視評価との関係を示す図である。 受光角と相関係数との関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における照り評価装置の構成を示すブロック図である。図2は、前記照り評価装置におけるデータ取得部の一例である測定部の構成を示すブロック図である。図3は、第1および第2面積比の演算手法を説明するための図である。図3Aは、トチノキ#1000を入射角45°および受光角30°(第1受光角の一例)で測定した2次元の光強度分布データの一例を示し、図3Bは、図3Aに示す2次元の光強度分布データを所定の第1閾値で2値化した結果を示す。図3Cは、前記トチノキ#1000を入射角45°および受光角45°(第2受光角の一例)で測定した2次元の光強度分布データの一例を示し、図3Dは、図3Cに示す2次元の光強度分布データを所定の第1閾値で2値化した結果を示す。図4は、拡散反射データの一例を示す図である。図4の横軸は、受光角(第3受光角)を表し、その縦軸は、拡散反射光の光強度を表す。
実施形態における照り評価装置Dは、測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める装置であり、例えば、図1に示すように、データ取得部1と、制御処理部2と、入力部3と、表示部4と、インターフェース部(IF部)5と、記憶部6とを備える。
データ取得部1は、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度部分布である第2データ、および、拡散反射の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得する装置である。
データ取得部1は、本実施形態では、例えば、測定部Sと、後述のように制御処理部2に機能的に備えられる取得処理部22とを備える。取得処理部22については、後述する。測定部Sは、例えば、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における光強度を所定の受光角で受光して測定する装置である。1個の装置で光強度分布と光強度とを測定しても良いが、本実施形態では、測定部Sは、前記反射光の光強度分布を測定する第1測定部Saと、反射光の光強度を測定する第2測定部Sbとを備える。第1測定部Saは、照明部71と、受光部72aと、本体部73aとを備え、第2測定部Sbは、照明部71と、受光部72bと、本体部73bとを備える。なお、受光部72aおよび本体部73aと、受光部72bおよび本体部73bとは、その機能が異なるが、第1および第2測定部Sa、Sbは、基本的に、照明部、受光部および本体部を備えるので、簡略化のため、1つの図2で図示されている。
より具体的には、第1測定部Saは、例えば、図2に示すように、照明部71と、受光部72aと、本体部73aとを備える。照明部71は、本体部73aに接続され、測定対象Obの被測定面OSが配置される仮想的な測定面HSに所定の入射角θ1で所定の照明光を本体部73aの制御に従って照射する装置である。照明部71は、例えば、本体部73aに接続され本体部73aの制御に従って所定の照明光を放射する光源と、前記光源から放射された照明光を平行化(コリメート)して測定面HSに導光する照明光学系とを備え、この照明部71は、前記照明光学系の光軸(入射光軸)AX1が測定面HSの法線NLに対し所定の入射角θ1となるように配置される。前記照明光は、例えば、CIE(国際照明委員会)の標準光であるD65等である。受光部72aは、測定面HSからの前記照明光の反射光を所定の受光角θ2で受光して光電変換し、前記照明光の反射光における光強度に応じた信号を本体部73aへ出力する装置である。受光部72aは、例えば、受光光学系と、受光ユニットとを備え、前記受光光学系は、測定面HSからの前記照明光の反射光を前記受光ユニットに導光する光学系であり、前記受光ユニットは、本体部73aに接続され、本体部73aの制御に従って、前記受光光学系で導光された前記照明光の反射光を光電変換し、この光電変換した結果の信号を本体部73aへ出力する。より詳しくは、前記受光ユニットは、本実施形態では、いわゆるイメージ分光計(例えばJFEテクノリサーチ株式会社製、ImSpector V8E型等)であり、例えば、スリット状の開口を形成したスリット部材と、例えばホログラフィックグレーティングを用いた回折格子等の分光素子と、例えばCCD型等の2次元イメージセンサとを備え、前記受光光学系で導光された前記照明光の反射光は、前記スリット部材の開口で測定視野1水平ライン分のスリット光とされ、この1水平ライン分のスリット光は、前記分光素子で垂直方向に分光され、前記2次元イメージセンサで水平空間データとその分光データとが検出され、この検出された水平空間データとその分光データは、本体部73aへ出力される。この受光部72aは、前記受光光学系の光軸(受光光軸)AX2が測定面HSの法線NLに対し所定の受光角θ2となるように配置される。本体部73aは、制御処理部2に接続され、受光部72aから入力された信号に基づいて前記照明光の反射光における光強度分布データを求め、この求めた前記照明光の反射光における光強度分布データを制御処理部2に出力する装置である。本実施形態では、前記受光ユニットから前記信号として水平空間データおよびその分光データが入力されるので、本体部73aは、分光データから公知の常套手法により輝度を光強度として求めることで、前記照明光の反射光における光強度分布データを求める。このような第1測定部Saにおいて、被測定面の測定では、図2に示すように、被測定面OSが測定面HSに沿うように測定対象Obが配置され、前記被測定面OSを垂直方向に走査することで、測定対象Obの被測定面OSに対する2次元の分光データが生成でき、測定対象Obの被測定面OSに対する2次元の光強度分布データが生成できる。
なお、上述では、前記受光ユニットは、イメージ分光計を備えて構成されたが、光強度分布データを測定できればよいので、これに限定されず、例えば、一方向に並置された複数の光電変換素子を備えたリニアイメージセンサを備えて構成されてもよい。
一方、第2測定部Sbは、例えば、図2に示すように、照明部71と、受光部72bと、本体部73bとを備える。第2測定部Sbの照明部71は、第1測定部Saの照明部71と同様であるので、その説明を省略する。受光部72bは、測定面HSからの前記照明光の反射光を所定の受光角θ2で受光して光電変換し、前記照明光の反射光における光強度に応じた信号を本体部73bへ出力する装置である。受光部72bは、例えば、受光光学系と、受光素子とを備え、前記受光光学系は、測定面HSからの前記照明光の反射光を前記受光素子に導光する光学系であり、前記受光素子は、本体部73bに接続され、本体部73bの制御に従って、前記受光光学系で導光された前記照明光の反射光を光電変換し、この光電変換した結果の信号を本体部73bへ出力する。この受光部72bは、前記受光光学系の光軸(受光光軸)AX2が測定面HSの法線NLに対し所定の受光角θ2となるように配置される。本体部73bは、制御処理部2に接続され、受光部72bから入力された信号に基づいて前記照明光の反射光における光強度を求め、この求めた前記照明光の反射光における光強度を制御処理部2に出力する装置である。このような第2測定部Sbにおいて、被測定面の測定では、図2に示すように、被測定面OSが測定面HSに沿うように測定対象Obが配置される。このような第2測定部Sbとして、例えば、村上色彩技術研究所製、GPS−2B等の3次元変角光度計等が利用できる。
入力部3は、制御処理部2に接続され、例えば、評価指標値の演算を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば測定対象の名称等の照り評価装置Dを動作させる上で必要な各種データを照り評価装置Dに入力する機器であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチやキーボードやマウス等である。表示部4は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、入力部3から入力されたコマンドやデータ、および、当該照り評価装置Dで演算した評価指標値等を表示する機器であり、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ等の表示装置等である。
なお、入力部3および表示部4からいわゆるタッチパネルが構成されてもよい。このタッチパネルを構成する場合において、入力部3は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置である。このタッチパネルでは、前記表示装置の表示面上に前記位置入力装置が設けられ、前記表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、前記位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として照り評価装置Dに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い照り評価装置Dが提供される。
IF部5は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、外部機器との間でデータの入出力を行う回路であり、例えば、シリアル通信方式であるRS−232Cのインターフェース回路、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、IrDA(Infrared Data Asscoiation)規格等の赤外線通信を行うインターフェース回路、および、USB(Universal Serial Bus)規格を用いたインターフェース回路等である。また、IF部5は、外部機器との間で通信を行う回路であり、例えば、データ通信カードや、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路等であってもよい。
記憶部6は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、制御処理プログラムが含まれ、前記制御処理プログラムには、照り評価装置Dの各部1(S(Sa、Sb))、3〜6を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを取得する取得処理プログラムや、前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理プログラムや、前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、前記評価処理プログラムで求めた前記評価指標値を表す座標点を表示部4に表示する表示処理プログラム等が含まれる。前記各種の所定のデータには、データ取得部1で取得した第1および第2データならびに拡散反射データ等の、これら各プログラムを実行する上で必要なデータが含まれる。このような記憶部6は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部6は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部2のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部6は、比較的大容量となる学習データを記憶するために、大容量を記憶可能なハードディスク装置を備えても良い。
制御処理部2は、照り評価装置Dの各部1(S(Sa、Sb))、3〜6を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求めるための回路である。制御処理部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部2には、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部21、取得処理部22、評価処理部23および表示処理部24が機能的に構成される。
制御部21は、照り評価装置Dの各部1(S(Sa、Sb))、3〜6を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、照り評価装置D全体の制御を司るものである。
取得処理部22は、前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを取得するものである。より具体的には、取得処理部22は、前記入射角および前記第1受光角で測定部Sによって測定した光強度分布データである第1データを前記測定部Sから取得し、前記入射角および前記第2受光角で前記測定部Sによって測定した光強度分布データである第2データを前記測定部Sから取得し、前記入射角および前記第3受光角で前記測定部Sによって測定した光強度である拡散反射データを前記測定部から取得する。より詳しくは、取得処理部22は、例えば、測定対象Obの被測定面OSに前記入射角で照明光を照射して前記被測定面OSで反射した前記照明光の反射光における前記第1受光角での光強度分布データを第1測定部Saに測定させ、前記光強度分布データを前記第1データとして前記第1測定部Saから取得し、測定対象Obの被測定面OSに前記入射角で照明光を照射して前記被測定面OSで反射した前記照明光の反射光における前記第2受光角での光強度分布データを第1測定部Saに測定させ、前記光強度分布データを前記第2データとして前記第1測定部Saから取得し、測定対象Obの被測定面OSに前記入射角で照明光を照射して前記被測定面OSで反射した前記照明光の反射光における前記第3受光角での光強度を第2測定部Sbに測定させ、前記光強度を前記拡散反射データとして前記第2測定部Sbから取得する。
第1測定部Saによって、表面仕上げ#1000のトチノキ(トチノキ#1000、Tochinoki#1000)における表面を第1受光角30°で測定した結果の2次元の光強度分布データ(前記第1データの一例)が図3Aに示され、このトチノキ#1000の表面を第2受光角45°で測定した結果の2次元の光強度分布データ(前記第2データの一例)が図3Cに示されている。図3Aおよび図3Cでは、入射角θ1は、45°であり、したがって、正反射角は、45°である(第2受光角=正反射角)。そして、第2測定部Sbによって、約−40°から約80°までの角度範囲における各角度で、表面仕上げ#1000のカリン(カリン#1000、Karin#1000)、トチノキ、マカバ(マカバ#1000、Makaba#1000)、黒檀(コクタン#1000、Kokutan#1000)、セン(セン#1000、Sen#1000)およびウォールナット(ウォールナット#1000、Walnut#1000)における各表面を測定した各結果の各光強度が図4に示されている。第1および第2測定部Sa、Sbは、いわゆる白色校正板を用いて校正された。したがって、これら測定結果は、白色校正板の反射光の光強度を基準としている。各表面での各反射光の各光強度は、正反射角の受光角でピーク(最大値)を持ち、受光角が前記正反射角から離れるに従って小さくなるプロファイルである。
評価処理部23は、前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とするものである。より具体的には、例えば、まず、前記第1データの各画素が第1閾値で2値化される。例えば、第1閾値以上の明るい画素が0(黒)とされ、第1閾値より暗い画素が1(白)とされる。そして、0の画素を合計することによって第1面積が求められ、1の画素を合計することによって第2面積が求められる。同様に、前記第2データの各画素が第2閾値で2値化され、0の画素を合計することによって第3面積が求められ、1の画素を合計することによって第4面積が求められる。なお、評価処理部23は、前記第1データに基づいて、所定の第1閾値より明るい第1面積と前記第1閾値以下の暗い第2面積との第1面積比を求め、所定の第2閾値より明るい第3面積と前記第2閾値以下の暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値としてもよい。前記第1および第2閾値は、それぞれ、図4から分かるように、測定対象Obの種類に応じて反射光の光強度が異なるので、測定対象Obの種類に応じて同一の手法で適宜に設定される。
図3および図4に示す例では、図3Aに示す第1データが、図3Bに示すように第1閾値で2値化され、0の画素および1の画素をそれぞれ合計することによって第1および第2面積が求められる。同様に、図3Cに示す第2データが、図3Dに示すように第2閾値で2値化され、0の画素および1の画素をそれぞれ合計することによって第3および第4面積が求められる。前記第1および第2閾値は、互いに同値であってよいが、この例では、互いに異なる値であり、例えば、第1データの第1受光角30°と同じ受光角30°での反射光の光強度、および、第2データの第2受光角45°と同じ受光角45°での反射光の光強度に基づいてそれぞれ設定された。そして、第1面積比(=第1面積/第2面積)が求められ、第2面積比(=第3面積/第4面積)が求められ、前記第1面積比から第2面積比を減算することによって前記差分データとして約80が求められる(図7参照)。さらに、第1データの第1受光角30°と同じ受光角(第3受光角)30°での反射光の光強度約68が前記拡散反射データとして求められる(図7参照)。ここでは、説明の都合上、約−40°から約80°までの角度範囲における各角度での各光強度を示す図4から、前記拡散反射データが求められたが、評価指標値における前記拡散反射データの測定では、第3受光角30°での反射光の光強度のみを測定すればよい。
表示処理部24は、前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、評価処理部23で求めた前記評価指標値を表す座標点を表示部4に表示するものである。より具体的には、前記拡散反射データを表すX軸とこのX軸に直交し前記差分データを表すY軸とを持つXY直交座標系が表示部4に表示され、評価処理部23で求めた前記評価指標値を表す座標点が前記XY直交座標系にプロットされ、前記座標点が表示部4に表示される。
これら制御処理部2、入力部3、表示部4、IF部5および記憶部6は、例えば、デスクトップ型やノート型等のコンピュータによって構成可能である。
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、前記艶評価装置の動作を示すフローチャートである。図6は、被測定面の一例を示す図である。図6Aは、表面仕上げ#1000のセン(Sen#1000)における表面の画像の模式図であり、図6Bは、表面仕上げ#1000のトチノキ(Tochinoki#1000)における表面の画像の模式図であり、図6Cは、表面仕上げ#1000のウォールナット(Walnut#1000)における表面の画像の模式図であり、図6Dは、表面仕上げ#1000のカリン(Karin#1000)における表面の画像の模式図であり、図6Eは、表面仕上げ#1000のマカバ(Makaba#1000)における表面の画像の模式図であり、図6Fは、表面仕上げ#1000の黒檀(Kokutan#1000)における表面の画像の模式図である。図6Aないし図6Fの各前記画像は、イメージ分光計(JFEテクノリサーチ株式会社製、ImSpector V8E型)によって入射角45°および受光角30°で各表面を測定することで生成された。図7は、一例として、座標系の座標値で評価指標値を示す図である。図7の横軸(X軸)は、拡散反射データを表し、その縦軸(Y軸)は、差分データを表す。SC1ないしSC6は、それぞれ、互いに異なる車種の現行車に備えられた各本杢目の各評価指標値である。図8は、一例として、照りに対する主観的な目視評価の結果を示す図である。
このような構成の照り評価装置Dは、その電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。制御処理部2には、その制御処理プログラムの実行によって、制御部21、取得処理部22、評価処理部23および表示処理部24が機能的に構成される。
評価指標値を求める動作では、図5において、照り評価装置Dは、制御処理部によって、測定部Sを用いて前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを取得する(S1)。より具体的には、例えば、オペレータ(ユーザ)による評価指標値を求める指示が入力部3から入力されると、制御処理部2は、測定対象Obの被測定面OSを第1測定部Saにセットするように促すメッセージを表示部4に表示し、測定開始の指示の入力を待機する。オペレータによる測定開始の指示が入力部3から入力されると、制御処理部2は、取得処理部22によって前記第1および第2データを取得する。より詳しくは、取得処理部22は、前記第1受光角で第1測定部Saに測定させ、この測定結果の2次元の光強度分布データを前記第1データとして第1測定部Saから取得して記憶部6に記憶し、前記第2受光角で第1測定部Saに測定させ、この測定結果の2次元の光強度分布データを前記第2データとして第1測定部Saから取得して記憶部6に記憶する。続いて、制御処理部2は、測定対象Obの被測定面OSを第2測定部Sbにセットするように促すメッセージを表示部4に表示し、測定開始の指示の入力を待機する。オペレータによる測定開始の指示が入力部3から入力されると、制御処理部2は、取得処理部22によって前記拡散反射データを取得する。より詳しくは、取得処理部22は、前記第3受光角で第2測定部Sbに測定させ、この測定結果の光強度を前記拡散反射データとして第2測定部Sbから取得して記憶部6に記憶する。一例では、このように測定部S(Sa、Sb)で前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データが取得される。
次に、照り評価装置Dは、評価処理部23によって、評価指標値を求める(S2)。より具体的には、評価処理部23は、処理S1で取得した前記第1データに基づいて第1および第2面積を求めて第1面積比を求め、処理S1で取得した前記第2データに基づいて第3および第4面積を求めて第2面積比を求め、これら求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、この求めた差分データおよび前記処理S1で取得した前記拡散反射データを前記評価指標値とし、この評価指標値を記憶部6に記憶する。
そして、照り評価装置Dは、表示処理部24によって、この評価指標値を表示部4に表示し(S3)、本処理を終了する。表示部4には、例えば、図7に示すように、前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、評価処理部23で求めた前記評価指標値を表す座標点が表示される。
図7に示す各評価指標値の測定条件は、入射角θ1が45°であり、第1受光角が30°であり、第2受光角が正反射角の45°であり、第3受光角が第1受光角と同じ30°である。
照りは、主観的な目視評価であるが、図8に示すように、弱いと深みが弱くて印象が良くなく、強いと照りが強調され素材が見え難くて印象が良くなく、このため、中央より強めが印象が良い。なお、図7に示す目視評価は、被験者5名の目視評価を集計した結果である。
図7に示す結果と図8に示す結果とを対比すると、図7において、拡散反射データが約42から約78までであって、差分データが約48から約75までである破線の矩形で示す範囲内が照りの印象の良い範囲であることが理解できる。そして、図8に示す結果では、例えば、CS2とカリンとは、区別し難いが、図7に示すように、拡散反射データと差分データとの座標系では、区別し易い。
以上説明したように、上述によれば、第1データに基づく第1面積比と第2データに基づく第2面積比との差分である差分データ、および、拡散反射データを新たな照りの評価指標値とした照り評価装置Dおよび照り評価方法が提供できる。被測定面OSに対する見る角度によって部分的な光り方が変化する。特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面OSとする場合、このような傾向が強い。このため、互いに異なる第1および第2受光角での相対的に明るい部分と相対的に暗い部分の面積比の変化、すなわち、前記差分データを1つの評価指標値とした。そして、正反射角で被測定面OSを見ると鏡面のように光の帯に見えるため、被測定面OSの表面が見え難い一方、拡散反射角で被測定面OSを見ると、被測定面OSの表面が見え易い。特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面OSとする場合、このような傾向が強い。このため、拡散反射角での光強度、すなわち、前記拡散反射データを他の1つの評価指標値とした。上記照り評価装置Dおよび照り評価方法は、このような観点から、評価指標値を設定したので、照りを定量化でき、特に、色やテクスチャを備える表面を被測定面OSとする場合、より好適に評価できる。上記照り評価装置Dおよび照り評価方法は、色やテクスチャが評価指標に与える影響を反映できるので、図7に示すように、本杢目を備える表面を、より好適に評価できる。木目は、実質的に本杢目と同様であることから、上記照り評価装置Dおよび照り評価方法は、木目を備える表面も、より好適に評価できる。
上記照り評価装置Dおよび照り評価方法は、座標系に評価指標値の座標点をプロットするので、視覚的に照りの評価指標値を把握できる。特に、測定対象Obが複数の場合に、図7に示すように、複数の測定対象Obにおける各評価指標値が一目で把握でき、傾向や相互比較もし易い。
上述によれば、第1受光角が拡散反射角であって、第2受光角が正反射角である照り評価装置Dおよび照り評価方法や、入射角が45°であって、第1受光角が30°であって、第2受光角が45°である照り評価装置Dおよび照り評価方法、さらに第3受光角が30°である照り評価装置Dおよび照り評価方法が提供できる。
なお、上述の実施形態では、一般に、反射光の光強度が最も強いため、正反射角が第2受光角とされ、正反射角での第2面積比が差分データの基準(面積比変化の基準)とされたが、第2受光角は、正反射角に限定されるものではなく、他の角度であってよく、前記他の角度での第2面積比が差分データの基準(面積比変化の基準)とされてもよい。
また、上述の実施形態では、拡散反射角の第3受光角は、30°であるが、30°に限定されるものではなく、被測定面OSの表面が見え難い正反射角を除く、被測定面の表面が見る拡散反射角であれば、他の角度であってよい。
また、上述の実施形態では、第1受光角は、拡散反射角の1つの30°であったが、下記から、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度であることが好ましい。拡散反射角の第3受光角も同様に、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度であることが好ましい。
図9は、受光角5°〜20°における、光強度および差分データの積と目視評価との関係を示す図である。図10は、受光角25°〜40°における、光強度および差分データの積と目視評価との関係を示す図である。図9および図10の各横軸は、第3受光角θでの光強度と、第1受光角θおよび正反射角の第2受光角45°での差分データとの積を表し、それらの各縦軸は、目視評価を表す。図9Aは、θが5°である場合の結果を示し、図9Bは、θが10°である場合の結果を示し、図9Cは、θが15°である場合の結果を示し、図9Dは、θが20°である場合の結果を示す。図10Aは、θが25°である場合の結果を示し、図10Bは、θが30°である場合の結果を示し、図10Cは、θが35°である場合の結果を示し、図10Dは、θが40°である場合の結果を示す。図8において、弱い照りの目視評価点を0点とし、強い照りの目視評価点を5点とすることによって、図9および図10における各測定対象に対する照りの目視評価の点数が求められた。図11は、受光角と相関係数との関係を示す図である。図11の横軸は、受光角θを表し、その縦軸は、相関係数Rを表す。
上述の実施形態では、評価指標値は、拡散反射データおよび差分データで表されたが、目視評価との相関性を評価するため、ここでは、拡散反射データと差分データとの積と、目視評価との相関性を調べることで、受光角の範囲が調べられた。上述の実施形態における第1受光角30°と同様の場合において、図10Bおよび図11に示すように、拡散反射データと差分データとの積と、目視評価との相関性が高いことが示されていることから、拡散反射データと差分データとの積で第1受光角が評価可能であることが理解できる。
図11から分かるように、5°から40°までの角度範囲内において、40°の場合を除く他の角度では、一定の相関性が認められ、特に、25°〜35°の角度範囲内の受光角では、相関性が高い。この理由は、受光角が0°に近くなるに従って光強度が弱くなるため、照りが発生し難くなること、および、正反射角45°に近くなるに従って全面が強く光るため、照りが認識し難くなること、と推察される。実際の目視評価では、受光角15°から照りを認識し易くなるため、受光角の下限値が15°に設定され、この受光角15°の相関係数と同じ相関係数となる38°が受光角の上限値に設定される。以上より、第1受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度が好ましく、25°から35°までの角度範囲内のいずれかの角度がより好ましい。
また、上述の実施形態では、データ取得部1は、測定部S(Sa、Sb)と取得処理部22とを備えて構成されたが、これに限定されるものではない。例えば、データ取得部1は、一例としての上述の測定部S(Sa、Sb)のような測定装置によって測定した、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを入力する入力部であってもよい。なお、前記入力部は、上述の入力部3と兼用されてよい。
あるいは、例えば、データ取得部1は、一例としての上述の測定部S(Sa、Sb)のような測定装置によって測定した、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを記録した記録媒体(例えばCD−ROMおよびDVD−ROM等)から前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを読み込む読取部(例えばCDドライブ装置およびDVDドライブ装置等)であってもよい。
あるいは、例えば、データ取得部1は、一例としての上述の測定部S(Sa、Sb)のような測定装置によって測定した、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを記憶した記憶媒体(例えばUSBメモリ等)から前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを読み込むインターフェース部(例えばUSBインターフェース装置等)であってもよい。なお、前記インターフェース部は、上述のIF部5と兼用されてよい。
あるいは、例えば、データ取得部1は、一例としての上述の測定部S(Sa、Sb)のような測定装置によって測定した、測定対象の被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを蓄積したサーバ装置から通信網を介して前記第1データ、前記第2データおよび前記拡散反射データを受信する通信インターフェース部であってもよい。なお、前記通信インターフェース部は、上述のIF部5と兼用されてよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D 照り評価装置
S 測定部
Sa 第1測定部
Sb 第2測定部
1 データ取得部
2 制御処理部
3 入力部
4 表示部
5 インターフェース部(IF部)
6 記憶部
21 制御部
22 取得処理部
23 評価処理部
24 表示処理部

Claims (12)

  1. 測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める照り評価装置であって、
    前記被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得するデータ取得部と、
    前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比または所定の第1閾値より明るい第1面積と前記第1閾値以下の暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比または所定の第2閾値より明るい第3面積と前記第2閾値以下の暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理部とを備える、
    照り評価装置。
  2. 表示を行う表示部と、
    前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、前記評価処理部で求めた前記評価指標値を表す座標点を前記表示部に表示する表示処理部とをさらに備える、
    請求項1に記載の照り評価装置。
  3. 前記第1受光角は、拡散反射角であり、
    前記第2受光角は、正反射角である、
    請求項1または請求項2に記載の照り評価装置。
  4. 前記入射角は、45°であり、
    前記第1受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度であり、
    前記第2受光角は、45°である、
    請求項1または請求項2に記載の照り評価装置。
  5. 前記第3受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度である、
    請求項4に記載の照り評価装置。
  6. 前記被測定面は、木目および本杢目のうちの少なくとも一方である、
    請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の照り評価装置。
  7. 測定対象の被測定面における照りの程度を表す評価指標値を求める照り評価方法であって、
    前記被測定面に所定の入射角で照明光を照射して前記被測定面で反射した前記照明光の反射光における、第1受光角での光強度分布データである第1データ、前記第1受光角とは異なる第2受光角での光強度分布データである第2データ、および、拡散反射角の第3受光角での光強度である拡散反射データを取得するデータ取得工程と、
    前記第1データに基づいて、所定の第1閾値以上の明るい第1面積と前記第1閾値より暗い第2面積との第1面積比または所定の第1閾値より明るい第1面積と前記第1閾値以下の暗い第2面積との第1面積比を求め、前記第2データに基づいて所定の第2閾値以上の明るい第3面積と前記第2閾値より暗い第4面積との第2面積比または所定の第2閾値より明るい第3面積と前記第2閾値以下の暗い第4面積との第2面積比を求め、前記求めた第1面積比と第2面積比との差分を差分データとして求め、前記求めた差分データおよび前記拡散反射データを前記評価指標値とする評価処理工程とを備える、
    照り評価方法。
  8. 前記拡散反射データを表すX軸と前記差分データを表すY軸とを持つ座標系、および、前記評価処理部で求めた前記評価指標値を表す座標点を表示する表示工程をさらに備える、
    請求項7に記載の照り評価方法。
  9. 前記第1受光角は、正反射角であり、
    前記第2受光角は、拡散反射角である、
    請求項7または請求項8に記載の照り評価方法。
  10. 前記入射角は、45°であり、
    前記第1受光角は、45°であり、
    前記第2受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度である、
    請求項7または請求項8に記載の照り評価方法。
  11. 前記第3受光角は、15°から38°までの角度範囲内のいずれかの角度である、
    請求項10に記載の照り評価方法。
  12. 前記被測定面は、木目および本杢目のうちの少なくとも一方である、
    請求項7ないし請求項11の何れか1項に記載の照り評価方法。
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