JPH06189942A - 皮膚表面解析システム及び皮膚表面解析方法 - Google Patents

皮膚表面解析システム及び皮膚表面解析方法

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JPH06189942A
JPH06189942A JP4358394A JP35839492A JPH06189942A JP H06189942 A JPH06189942 A JP H06189942A JP 4358394 A JP4358394 A JP 4358394A JP 35839492 A JP35839492 A JP 35839492A JP H06189942 A JPH06189942 A JP H06189942A
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skin surface
light
dark
dimensional
skin
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JP4358394A
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Koji Matsue
浩二 松江
Teruji Hayashi
照次 林
Mitsumasa Mitani
光正 三谷
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚表面におけるしわやキメの視覚的粗さ、
及び皮膚化粧料が持つしわ・キメの隠蔽効果を客観的に
数値化可能とする。 【構成】 皮膚表面解析システムは明暗強調撮像装置1
を備えており、サンプル皮膚2表面の微細明暗分布が強
調された二次元サンプル画像を撮像する。イメージプロ
セッサ8は、二次元サンプル画像を加工し、一次元明暗
プロフィルを抽出する。ホストコンピュータ9は、一次
元明暗プロフィルに含まれる明暗ピークデータを演算処
理し、サンプル皮膚2表面の凹凸に相関する特性値を算
出する。この特性値としては、例えば明暗ピーク間隔や
明暗ピーク粗さが挙げられる。さらにこれらの特性値に
基いてしわやキメの尺度となる「皮膚の凹凸の視覚的粗
さ」を算出する。又、化粧料塗布後と塗布前の「視覚的
粗さ」の比からしわ・キメの隠蔽効果を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚表面解析システム及
び皮膚表面解析方法に関する。より詳しくは、皮膚表面
形状の特徴を検出し、皮膚表面の凹凸を分析検査する事
のできる解析システム及び解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】美容や化粧等の観点から、しわやキメ等
の皮膚性状や肌質等を評価し、定量化する事は極めて重
要である。従来、皮膚表面形状を検知する方法として
は、適当な材料を用いて皮膚表面を転写するレプリカ法
や、皮膚表面を直接カメラ等で拡大実写する方法が行な
われていた。これらの方法によって得られた像を視覚的
に観察し評価していた。これらの手法は簡便且つ手軽で
ある為多用されているが、複雑な皮膚表面形状を微細な
点まで捕え、客観的に識別し定量化する事は困難であっ
た。
【0003】そこで、近年皮膚表面形状のより一層の特
徴抽出を図る為、コンピュータ等を用いて皮膚表面情報
を処理し、数値化やパタン化する技術が開発されてい
る。皮膚表面やそのレプリカを適当な光電変換手段で撮
像して得られた画像情報を、パタン処理プログラムを用
いて解析し、皮膚表面形状等を客観的且つ定量的に評価
する事が行なわれている。例えば、特開昭60−531
21号公報及び特開昭61−64232号公報には、皮
膚レプリカを複数の光源で照明し皮溝のパタンを抽出し
て皮溝間隔や皮溝方向等を解析する装置が開示されてい
る。特開昭64−59145号公報にはレプレカを用い
ず皮膚表面から直接画像を取り込み二値化処理してパタ
ン解析を行なう方式が開示されている。特開平2−46
833号公報にはレプリカ撮影画像を階調処理した後画
像処理して皮溝深さに関するデータを得る方式が開示さ
れている。特開昭60−63030号公報には皮膚画像
に対して閾値レベルを変えながら二値化画像をモニタし
皮溝又はしわ深さを測定する方式が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】皮膚の形態としてはし
わやキメ(皮溝及び皮丘と呼ばれる微細な凹凸)があ
り、これらの形態学上での評価法については、上述した
様に多数の従来技術が知られている。しかしながら、上
述した従来技術はしわや皮溝及び皮丘の形態を直接計測
対象あるいは解析対象としたものである。我々が肉眼で
しわやキメとして認識している特性は、皮膚の凹凸に光
が当たってできる明るい部分と影の部分の明暗の差であ
り、微細な形態そのものを捕らえているのではない。従
来の皮膚表面解析は、この感覚的なしわやキメの粗さの
見え方を数値化するものではなく、化粧料のしわ・キメ
隠蔽効果を定量的に評価する方法として必ずしも実用的
な手段とはなり得ないという課題がある。図11に、皮
膚の凹凸の見え方を模式的に表わす。皮膚101の表面
凹凸に、ある一定方向からの光102が当たると、光が
当たる部分103と当たらない部分104とができる。
この光が当たった部分と当たらない影の部分の視覚的な
差、つまり明度の差を人間は凹凸として認識すると考え
られている。
【0005】一般に、美しく且つ健康的な肌に見せる為
には、しわやキメを細かく目立たなくする事が重要なポ
イントとされている。しかしその一方で、肌色を整えた
り、しみやそばかす等をカバーするファンデーション
も、その配合される原料によってはしわやキメを目立た
せてしまう事が知られている。正反射率の大きい顔料を
多量に用いたファンデーションでは、一方向から光が当
たった場合に明るい部分と影の部分とがはっきりと分か
れてしまう。逆に乱反射の大きい顔料を多量に用いたフ
ァンデーションでは、影の部分も乱反射によって明るく
なり、明暗の差が小さくなる為しわやキメを目立たなく
する事ができる。しわやキメを目立たなくするファンデ
ーションの開発の為には、各原料の特性の正確な把握に
加え、ファンデーションの新しい評価法の開発が必要と
なる。この為には、皮膚の凹凸の視覚的粗さを客観的且
つ定量的に数値化する皮膚表面解析システム及び皮膚表
面解析方法が必要とされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為、以下の手段を講じた。即ち、本発明に
かかる皮膚表面解析システムは、サンプル皮膚表面の微
細明暗分布が強調された二次元サンプル画像を撮像する
明暗強調撮像装置と、該二次元サンプル画像を加工処理
し、一次元明暗プロファイルを抽出する為の画像処理装
置と、該一次元明暗プロファイルに含まれる明暗ピーク
データを演算処理しサンプル皮膚表面の凹凸に相関する
特性値を算出する演算装置とから構成されている。前記
演算装置は、皮膚表面の凹凸に単相関する特性値として
例えば明暗ピーク間隔や、明暗ピーク粗さを算出する。
さらには、計測された明暗ピーク間隔及び明暗ピーク粗
さ等の特性値に基いて、しわやキメの客観的尺度となる
「皮膚の凹凸の視覚的粗さ」を算出する。又、本発明に
かかる皮膚表面解析方法は、サンプル皮膚表面の微細明
暗分布が強調された二次元サンプル画像を撮像する手順
と、該二次元サンプル画像を加工処理した後一次元明暗
プロファイルを抽出する手順と、該一次元明暗プロファ
イルに含まれる明暗ピークデータを演算処理しサンプル
皮膚表面の凹凸に相関する特性値を計測する手順とから
なる。
【0007】
【作用】本発明によれば、明暗強調撮像装置を用いて、
肉眼では捕える事のできない僅かなコントラストの違い
も強調した二次元サンプル画像を撮像する。この明暗強
調撮像装置を用いる事によって、肌の微細な凹凸によっ
て作られる明るい部分と暗い部分の違い、つまりしわや
キメの見えを強調したサンプル画像を得る事ができる。
この二次元サンプル画像を加工処理し一次元明暗プロフ
ァイルを抽出する。このプロファイルに含まれる明暗ピ
ークデータを演算処理してサンプル皮膚表面のしわやキ
メに相関する特性値を算出する様にしている。この様に
して得られた特性値は、皮膚の凹凸の感覚的評価と非常
に高い相関性を有し、しわやキメの視覚的粗さを客観的
に数値化する事が可能になる。
【0008】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる皮膚表面解析シ
ステムの基本的な構成を示すブロック図である。明暗強
調撮像装置1を備えており、サンプル皮膚2表面の微細
明暗分布が強調された二次元サンプル画像を撮像する。
この明暗強調撮像装置1はカメラヘッド3とコントロー
ラ4とからなり、例えば浜松フォトニクス社製の製品
「スーパーアイC2847」を利用する事ができる。カ
メラヘッド3はダイナミックレンジの広いCCD撮像管
からなる。コントローラ4は、カメラヘッド3から出力
された影像信号の微分処理を行なう。即ち、高域周波数
成分のみを増幅して、通常肉視観察できない細かなもの
まで鮮明に表示可能とするものである。微分時定数は多
段階に可変調整でき、被写体の空間周波数に応じて最適
なモードを選択する。明暗強調撮像装置1にはスティル
ビデオレコーダ等の画像記録装置5が接続されており、
二次元サンプル画像データを記録保存する。画像記録装
置5には信号変換装置6が接続されており、ビデオ信号
として記録されていた二次元サンプル画像データを、コ
ンピュータのグラフィックディスプレイに適したRGB
信号に変換する。この信号変換装置6には画像処理装置
/演算装置7が接続されている。この装置はRGB信号
の形で入力された二次元サンプル画像を加工処理し、一
次元明暗プロファイルを抽出する。さらに、該一次元明
暗プロファイルに含まれる明暗ピークデータを演算処理
してサンプル皮膚2表面の凹凸に相関する特性値を算出
する。この特性値としては、明暗ピーク間隔や明暗ピー
ク粗さが含まれる。さらには、これら特性値に基いてし
わやキメの尺度となる「皮膚の凹凸の視覚的粗さ」を算
出する。具体的には、この画像処理装置/演算装置7
は、イメージプロセッサ8とホストコンピュータ9との
組み合わせからなる。イメージプロセッサ8は、例えば
NEXUS社製のイメージアナライザNEXUS680
0を主体として構成されている。イメージプロセッサ8
は入力された画像の照明むらを補正する為のシェーディ
ング補正処理や、画像のノイズ低減の為のスムージング
処理等を行なう。さらに、水平方向の輝度データにより
輝度変化を示す一次元明暗プロファイルを作成する。ホ
ストコンピュータ9はシステム全体の制御を行なうとと
もに、一次元明暗プロファイルの演算処理やデータ集計
等を行なう。
【0009】図2の(A)は、明暗強調撮像装置によっ
て得られた二次元サンプル画像の一例を示す模式図であ
る。又(B)は(A)に示した二次元サンプル画像から
切り出された一次元明暗プロファイルを示すグラフであ
る。図から明らかな様に、カメラヘッドから得られた映
像信号に対して微分処理を施す事により、肉眼では捕え
る事のできない微妙なコントラストの違いまでも強調し
て撮影する事が可能になる。この装置を利用する事によ
り、しわやキメの見えを強調した画像を得る事ができ
る。なお、(B)に示した一次元明暗プロファイルで
は、水平方向スパンは450ドットからなり、垂直方向
の階調は0〜255に設定されている。
【0010】参考の為、図3の(A)にサンプル皮膚表
面の通常に撮影された画像の例を示し、(B)にその一
次元輝度プロファイルを示す。図2と比較すれば明らか
な様に、皮膚表面の微細なコントラストを認識する事が
できず、しわやキメの見えに関し有効な情報を得る事が
できない。
【0011】次に図4を参照して、図1に示した皮膚表
面解析システムの動作及び使用方法を詳細に説明する。
先ず、ステップS1において、サンプル皮膚表面の明暗
強調画像を撮影する。この際、照明光の照度や入射角
が、撮影画像の輝度に大きく影響する。従って、各サン
プル皮膚表面について照明条件を最適化した上で撮影を
行なう事が好ましい。次に、ステップS2において、微
細明暗分布が強調された二次元サンプル画像を必要に応
じて一旦記録保存する。ステップS3において元のビデ
オ信号を、グラフィックディスプレイに適したRGB信
号に変換した後、ステップS4で二次元サンプル画像を
イメージプロセッサに入力する。次に、ステップS5に
おいて入力された画像の加工処理を行ない、画像の照明
むらを補正する為のシェーディング補正や、画像のノイ
ズ低減の為のスムージング補正を施す。引き続きステッ
プS6において、補正された二次元サンプル画像から一
次元明暗プロファイルを抽出するとともに、このプロフ
ァイルに含まれる明暗ピークデータを演算処理しサンプ
ル皮膚表面の凹凸に相関する特性値を算出する。具体的
には、明暗ピーク間隔計測と明暗ピーク粗さ計測を行な
う。最後に、ステップS7において、明暗ピーク間隔及
び明暗ピーク粗さに基きしわやキメの尺度となる「皮膚
の凹凸の視覚的粗さ」や「化粧料のしわ・キメ隠蔽効
果」を算出する。
【0012】図5を参照して、明暗ピーク間隔の算出ア
ルゴリズムについて説明する。先ず得られた一次元明暗
プロファイルに、二次の回帰線を引く。図5のグラフで
は、この二次回帰線はレベル0の直線で表わされてい
る。個々のピーク間の距離S1,S2 ,…,Sn は、こ
の回帰線とプロファイルの交点の距離として表わされ
る。そして、明暗ピーク間隔は、個々のピーク間距離の
平均値(S1 +S2 +…+Sn )/nとして算出され
る。なお、同時にピーク間距離の標準偏差と変動係数に
ついても参考の為算出した。
【0013】次に図6を参照して、レベルを変更した場
合の明暗ピーク間隔算出アルゴリズムを説明する。前述
した様に、一次元明暗プロファイルは微分処理によりコ
ントラストが強調されたものである。従って、比較的小
さなピークについては肉視で検出できない可能性があ
る。この点に鑑み、一定レベル以上の強度を有するピー
クについての間隔を計測する事が有効である。この為、
図6の例では二次回帰線に一致するレベル0を、所定階
調分だけ上げたレベルXに変更して、ピーク間隔計測を
行なっている。例えば、明度のレンジが0〜255に設
定されている時、レベル0に対して、スケール4,6,
8分だけ上昇したレベルを用いて明暗ピーク間隔を夫々
算出している。
【0014】次に、図7を参照して明暗ピーク粗さの算
出アルゴリズムを説明する。本例では、中心線平均粗さ
方式を採用している。この方式では、一次元明暗プロフ
ァイルとその回帰線とによって囲まれる部分の面積合計
を、計測部分のスパンLで除算し平均化する事で算出し
ている。即ち、中心線平均粗さは以下の数式1によって
表わされる。
【数1】
【0015】本実施例では、上述した中心線平均粗さに
加えて、10点平均粗さも算出しており、図8を参照し
てこれを説明する。先ず、一次元明暗プロファイルを計
測スパンに沿って5等分し、分割された夫々のブロック
でピーク最大値とピーク最小値の差d1 ,d2 ,d3
4 ,d5 を求める。このピーク差のブロック間平均値
が10点平均粗さであり、(d1 +d2 +d3 +d4
5 )/5で表わされる。
【0016】最後に、本発明にかかる皮膚表面解析シス
テム及び皮膚表面解析方法の評価を行なう為、実際に計
測データと肉視によるキメの判断結果との間の相関を調
べた。先ず、女性被検者の前腕屈側部に10種類の粉体
原料を均一に塗布し、一定照明条件下で明暗強調画像の
撮影を行なった。サンプリング撮影された皮膚部分の面
積は21mm×16mmである。レンズは、ニコンのマイク
ロニッコール55mm,f2.8を使用した。照明光とし
ては色検査比較用蛍光灯D65を用いた。この時の撮影
部位の照度は1150ルクスである。
【0017】次に、撮影した微分強調画像を肉視で観察
し、キメの見えの粗さが最も目立つサンプルのスコアを
10とし、最も目立たないサンプルのスコアを1とし
て、ランク付けを行なった。なおこのランク付けを行な
うに当たり、観察者の主観を排除する為、同一粉体原料
サンプルにつき複数の観察者によるスコアの平均を求め
た。
【0018】予め、肉視によりスコア評価された微分強
調画像につき、前述した諸特性値を計測し両者の相関を
求めた。その結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0019】表1の左側に計測項目を示し、右側に相関
係数を示す。キメの密度に関しては、明暗ピーク間隔の
相関係数は−0.4956と比較的低く、又ピーク間隔
の標準偏差及び変動係数についても相関係数は同様に低
い。しかしながら、一定のレベル以上の強度を持つピー
クの間隔については、このレベルを高く設定するにつれ
相関係数が高くなる傾向にある。例えば、レベル8以上
の強度のピーク間隔については、その相関係数が−0.
8065である。この事から、肉視ではある程度大きな
明暗差しか認識できないものと考察される。又、明暗ピ
ーク粗さについては、中心線平均粗さと10点平均粗さ
の何れについても、0.9以上の高い相関を示した。
【0020】次に、より高い相関を求めて、明暗ピーク
粗さと一定レベル以上の強度を持つピーク間隔の両特性
値を変数として、肉視観察によるスコア評価との重相関
分析を行なった。その結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0021】この表2は、明暗ピーク粗さを第1変数と
し、一定レベル以上の強度を持つピーク間隔を第2変数
として、スコア評価との重相関係数を示したものであ
る。この結果、中心線平均粗さ及び10点平均粗さの何
れであっても、ピーク間隔算出におけるレベルを高く設
定するにつれて重相関係数が高くなる傾向を示した。こ
の中で、最も重相関係数が高かった中心線平均粗さとレ
ベル8以上の強度を持つピーク間隔を特性値として用い
た重回帰式により、キメの尺度となる「皮膚の凹凸の視
覚的粗さ」を計算した。その演算式は1.289+0.
955×(中心線平均粗さ)−0.032×(レベル8
以上のピーク間隔)で与えられる。
【0022】この演算式を用いて上述した10種類の白
色粉体顔料について比較評価を行なった。その結果を図
9のグラフに示す。横軸に10種類の粉体顔料サンプル
を並べ、縦軸に「視覚的粗さの比」をとった。この視覚
的粗さの比は、各サンプルについて粉体顔料を塗布した
場合と塗布しない場合について微分強調画像を撮影し、
上記演算式に基き「皮膚の凹凸の視覚的粗さ」を算出し
た後、両者の比をとったものでありしわ・キメ隠蔽係数
とも呼ぶ。従って、粗さの比が丁度1の場合、粉体顔料
を塗布してもしわやキメの見えに変化がない事を示して
いる。粗さの比が1以下の場合、しわやキメの粗さが隠
された事を意味し、1以上の場合しわやキメの粗さが目
立つ様になった事を示している。
【0023】図9のグラフから明らかな様に、球状シリ
カ、微粒子酸化チタンA、シリコンパウダー等はしわや
キメを目立たなくする効果があり、酸化チタン、雲母チ
タン等はしわやキメを目立たせてしまう事が判明した。
これらの結果は従来感覚的に認識されていたものと一致
する。参考の為、顔料による皮膚の凹凸の見え方につい
て図10を参照して簡潔に説明する。(A)に示す様
に、拡散反射の顕著な顔料を皮膚に塗布した場合、直接
光が当たらない部分でも反射光によって照らし出され、
ぼんやりと明るくなり明暗の差が小さくなる。つまりし
わやキメが目立たない様に見える。一方、(B)に示す
様に、正反射の大きい顔料を皮膚に塗布した場合、光が
当たった部分と当たらない部分とがはっきりと分かれて
しまう為、非常にキメが目立つ様に見える。
【0024】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、サ
ンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調された二次元サン
プル画像を撮像し、これを加工処理した後一次元明暗プ
ロファイルを抽出している。さらにこのプロファイルに
含まれる明暗ピークデータを演算処理し所定の特性値を
計測する。しわやキメの視覚的粗さについて、微分強調
画像の解析結果と感覚的な評価との間には非常に高い相
関性が認められる。従って、本発明は、しわやキメの視
覚的粗さを客観的に数値化できる皮膚表面解析手段とし
て、又、化粧料が持つしわ・キメの隠蔽効果を客観的に
数値化できる手段として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる皮膚表面解析システムの基本的
な構成を示すブロック図である。
【図2】サンプル皮膚表面の明暗微細分布が強調された
二次元サンプル画像及びその一次元明暗プロファイルの
例を示す模式図である。
【図3】通常撮影されたサンプル皮膚表面の二次元画像
及びその一次元プロファイルを示す模式図である。
【図4】本発明にかかる皮膚表面解析方法を示すフロー
チャートである。
【図5】明暗ピーク間隔の算出アルゴリズムを示す説明
図である。
【図6】同じく明暗ピーク間隔の算出アルゴリズムを示
す説明図である。
【図7】中心線平均粗さの算出アルゴリズムを示す説明
図である。
【図8】10点平均粗さの算出アルゴリズムを示す説明
図である。
【図9】各種粉体顔料についてキメの粗さの比を算出し
た結果を示すグラフである。
【図10】キメの見えの状態を表わす模式図である。
【図11】キメの見え方を説明する為の模式図である。
【符号の説明】
1 明暗強調撮像装置 2 サンプル皮膚 3 カメラヘッド 4 コントローラ 5 画像記録装置 6 信号変換装置 7 画像処理装置/演算装置 8 イメージプロセッサ 9 ホストコンピュータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調
    された二次元サンプル画像を撮像する明暗強調撮像装置
    と、 該二次元サンプル画像を加工処理し、一次元明暗プロフ
    ァイルを抽出する為の画像処理装置と、 該一次元明暗プロファイルに含まれる明暗ピークデータ
    を演算処理しサンプル皮膚表面の凹凸に相関する特性値
    を算出する演算装置とからなる皮膚表面解析システム。
  2. 【請求項2】 前記演算装置は、皮膚表面の凹凸に単相
    関する特性値として明暗ピーク間隔を算出する請求項1
    記載の皮膚表面解析システム。
  3. 【請求項3】 前記演算装置は、皮膚表面の凹凸に単相
    関する特性値として明暗ピーク粗さを算出する請求項1
    記載の皮膚表面解析システム。
  4. 【請求項4】 前記演算装置は、皮膚表面の凹凸に重相
    関する特性値として明暗ピーク間隔及び明暗ピーク粗さ
    を計測し、さらにこれら特性値に基いてしわやキメの尺
    度となる「皮膚の凹凸の視覚的粗さ」を算出する請求項
    1記載の皮膚表面解析システム。
  5. 【請求項5】 サンプル皮膚表面の微細明暗分布が強調
    された二次元サンプル画像を撮像する手順と、 該二次元サンプル画像を加工処理した後、一次元明暗プ
    ロファイルを抽出する手順と、 該一次元明暗プロファイルに含まれる明暗ピークデータ
    を演算処理しサンプル皮膚表面の凹凸に相関する特性値
    を計測する手順とを含む皮膚表面解析方法。
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