JPH07229491A - ロータリコンプレッサならびにこのロータリコンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置および空気調和機 - Google Patents

ロータリコンプレッサならびにこのロータリコンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置および空気調和機

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JPH07229491A
JPH07229491A JP6022790A JP2279094A JPH07229491A JP H07229491 A JPH07229491 A JP H07229491A JP 6022790 A JP6022790 A JP 6022790A JP 2279094 A JP2279094 A JP 2279094A JP H07229491 A JPH07229491 A JP H07229491A
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compressor
rotary
refrigerant
rotary compressor
compression machine
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Yutaka Sasahara
豊 笹原
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ロータリ式圧縮機械の固定フレームへの締結部
分のフレーム剛性を向上させ、ロータリ式圧縮機械を密
閉ケースに安定的に保持できるロータリコンプレッサな
らびにこのコンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置およ
び空気調和機を提供するにある。 【構成】密閉ケース20内に電動機21と、この電動機
21によって駆動されるロータリ式圧縮機械22を収容
したロータリコンプレッサ11において、前記密閉ケー
ス20の内側に固定フレーム30を設け、この固定フレ
ーム30にロータリ式圧縮機械33のメインベアリング
31のフランジ部31bとシリンダ33を、周方向に間
隔をおいた複数箇所で共締めにより固定したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロータリ式圧縮機械を密
閉ケースに固定したロータリコンプレッサならびにこの
コンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置および空気調和
機に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍ショーケース等の冷凍装置や冷蔵
庫,空気調和機にはコンプレッサ,コンデンサ,キャピ
ラリチューブ等の減圧装置およびエバポレータを順次備
えた冷凍サイクルが組み込まれている。
【0003】この冷凍サイクルに組み込まれるコンプレ
ッサとして、例えば実開昭51−50307号公報に開
示されるロータリコンプレッサがある。このロータリコ
ンプレッサは密閉ケース内に電動機とこの電動機により
駆動されるロータリ式圧縮機械とを収容している。
【0004】ロータリ式圧縮機械は、図18に示すよう
に密閉ケースa内に固定される。具体的には、図18お
よび図19(A),(B),(C)に示すように密閉ケ
ースaの内側に固定フレームbを挿入して溶接で固定
し、この固定フレームbの内周フランジcにシリンダd
をボルト締めした上で、上記シリンダdにメインベアリ
ングeのフランジ部fをボルト締めで固定している。メ
インベアリングeはシリンダdを介して固定フレームb
に固定されるようになっている。
【0005】従来のコンプレッサにおけるロータリ式圧
縮機械gの密閉ケースaへの固定は、密閉ケースaに固
定された固定フレームbにシリンダdをボルト締めで直
接固定した後、この固定箇所より内側でシリンダdにメ
インベアリングeのフランジ部fを固定する固定方式を
採用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のロータリコンプ
レッサにおいて採用されるロータリ式圧縮機械の固定方
式では、シリンダdと固定フレームbの締結部は、密閉
ケースaの内径とメインベアリングdのフランジ部f間
の環状部分に形成される。ロータリコンプレッサを小型
・コンパクト化しようとすると、メインベアリングeの
フランジ部f外径と密閉ケースaの内径の環状部分の間
隔が狭くなってしまい、固定フレームbの締結幅(内周
フランジ幅)を充分に確保することができず、固定フレ
ームbの強度不足が生じたり、また、メインベアリング
eは固定フレームbにシリンダdを介して固定されるた
め、メインベアリングeを固定フレームbに固定させる
パス(経路)が長くなり、メインベアリングeを安定的
に保持する上で支障が生じるおそれがあり、振動発生源
となったり、さらには、電動機の固定子と回転子との間
のモータギャップにアンバランスを生じさせ、コンプレ
ッサ性能を充分に維持できない問題があった。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、ロータリ式圧縮機械の固定フレームへの締結
部分のフレーム剛性を向上させ、ロータリ式圧縮機械を
密閉ケースに安定的に保持できるロータリコンプレッサ
ならびにこのコンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置お
よび空気調和機を提供するにある。
【0008】本発明の他の目的は、ロータリ式圧縮機械
の固定フレームへの締結部分のフレーム剛性を向上さ
せ、ロータリ式圧縮機械と電動機とを密閉ケース内に安
定的に保持してコンプレッサ性能を向上させ、信頼性を
高めたロータリコンプレッサならびにこのコンプレッサ
を用いた冷蔵庫,冷凍装置および空気調和機を提供する
にある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、ロータリ式圧
縮機械を密閉ケース内に安定的に固定してコンプレッサ
騒音や振動を低減させたロータリコンプレッサならびに
このコンプレッサを用いた冷蔵庫,冷凍装置および空気
調和機を提供するにある。
【0010】本発明の別の目的は、小型・コンパクト化
を図ることができ、低騒音タイプのロータリコンプレッ
サを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロータリコ
ンプレッサは、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、密閉ケース内に電動機と、この電
動機によって駆動されるロータリ式圧縮機械を収容した
ロータリコンプレッサにおいて、前記密閉ケースの内側
に固定フレームを設け、この固定フレームにロータリ式
圧縮機械のメインベアリングのフランジ部とシリンダ
を、周方向に間隔をおいた複数箇所で共締めにより固定
したものである。
【0012】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るロータリコンプレッサは、請求項2に記載し
たように、メインベアリングのフランジ部は半径方向に
突出する複数のリブ部を有し、上記リブ部に共締め用固
定孔を穿設したものである。
【0013】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係るロータリコンプレッサは、請求項3に記載
したように、メインベアリングはフランジ部外径を密閉
ケースの内径とほぼ同一に形成したものである。
【0014】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係るロータリコンプレッサは、請求項4に
記載したように、ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑す
る潤滑油にエステル系油を含む冷凍機油を用いたもので
ある。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るロータリコンプレッサは、請求項5に記載し
たように、ロータリ式圧縮機械で圧縮されるコンプレッ
サ用冷媒にR134a等のHFC単独冷媒あるいはHF
C混合冷媒またはR22等のHCFC冷媒を用いたもの
である。
【0016】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係るロータリコンプレッサは、請求項6に記載
したように、ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑する潤
滑油にエステル系油を含む冷凍機油を、上記圧縮機械で
圧縮されるコンプレッサ用冷媒にR134a等のHFC
単独冷媒あるいはHFC混合冷媒またはR22等のHC
FC冷媒をそれぞれ用いたものである。
【0017】一方、本発明に係る冷蔵庫は、上述した課
題を解決するために、請求項7に記載したように、コン
プレッサ,コンデンサ,減圧装置およびエバポレータを
順次接続して構成される冷凍サイクルを備えた冷蔵庫に
おいて、前記冷凍サイクルのコンプレッサに請求項1な
いし6のいずれかに記載のロータリコンプレッサを用い
たものである。
【0018】また、本発明に係る冷凍装置は、上述した
課題を解決するために、請求項8に記載したように、コ
ンプレッサ,コンデンサ,減圧装置およびエバポレータ
を順次接続して構成される冷凍サイクルを備えた冷凍装
置において、前記冷凍サイクルのコンプレッサに請求項
1ないし6のいずれかに記載のロータリコンプレッサを
用いたものである。
【0019】他方、本発明に係る空気調和機は、上述し
た課題を解決するために、請求項9に記載したように、
コンプレッサ,室外側熱交換器,減圧装置および室内側
熱交換器からなる冷凍サイクルを備えた空気調和機にお
いて、前記冷凍サイクルのコンプレッサに請求項1ない
し6のいずれかに記載のロータリコンプレッサを用いた
ものである。
【0020】
【作用】請求項1に係るロータリコンプレッサは、密閉
ケースの内側に固定フレームを設け、この固定フレーム
にロータリ式圧縮機械のメインベアリングフランジ部と
シリンダを周方向に間隔をおいた複数箇所で共締めによ
り固定したから、メインベアリングとシリンダを固定フ
レームに直接共締めして固定することができ、作業能率
の向上が図れる一方、固定フレームは充分なフレーム幅
を確保でき、フレーム強度を向上させてフレーム剛性を
高めることができる。フレーム剛性の高い固定フレーム
にメインベアリングとシリンダを安定的に固定保持させ
ることができるので、ロータリ式圧縮機械や電動機の振
動を低減でき、コンプレッサ騒音や振動の低減を図るこ
とができる。
【0021】また、このロータリコンプレッサはメイン
ベアリングのフランジ部を固定フレームに直接固定でき
るので、ロータリコンプレッサの小型・コンパクト化を
図ることができ、小型・コンパクト化しても固定フレー
ムのフレーム幅を充分に確保してフレーム強度を高める
ことができるので、フレーム剛性を充分に保持してメイ
ンベアリングひいてはロータリ式圧縮機械を安定的に固
定保持でき、電動機の固定子と回転子のモータギャップ
をバランスさせ、コンプレッサ性能を向上させ、ロータ
リコンプレッサの信頼性を向上させることができる。
【0022】請求項2に係るロータリコンプレッサにお
いては、メインベアリングのフランジ部は半径方向外方
に突出する複数のリブ部を有し、上記リブ部に共締め用
固定孔を穿設したので、メインベアリング無駄肉を取り
除いて材料の節約を図り、コストの低減を図ることがで
きる一方、メインベアリングおよびシリンダを固定フレ
ームに直接固定したのでフレーム幅を確保してフレーム
強度を高めることができ、ロータリ式圧縮機械の振動を
低減して、コンプレッサ騒音や振動の低減を図ることが
できる。
【0023】また、メインベアリングは密閉ケースの固
定フレームに直接かつ安定的に固定保持されるので、メ
インベアリングに支持される回転軸の保持が安定し、電
動機のモータギャップをバランスさせてコンプレッサ性
能を向上させ、信頼性を向上させることができる。
【0024】請求項3に係るロータリコンプレッサにお
いては、メインベアリングのフランジ部外径を密閉ケー
スの内径とほぼ同一に形成したので、メインベアリング
を密閉ケースの固定フレームに安定的かつ強固に固定し
てロータリ式圧縮機械の振動を低減し、コンプレッサ騒
音や振動の低減を図ることができる。
【0025】また、メインベアリングが安定的に固定さ
れることにより、メインベアリングに支持さる回転軸の
保持が安定し、電動機のモータギャップをバランスさせ
てコンプレッサ性能が向上し、信頼性を向上させること
ができる。
【0026】請求項4に係るロータリコンプレッサにお
いては、ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑する潤滑油
とエステル系油を含む冷凍機油を用いたので、耐熱性に
優れる一方、エステル系油等は従来用いられてる鉱油に
較べ騒音伝達率が高く、全周波数帯域で騒音レベルが上
昇するが、密閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的
に固定保持し、電動機のモータギャップをバランスさせ
得ることで、エステル系油を含む冷凍機油を用いても実
用上問題のない静音特性が得られる。
【0027】請求項5に係るロータリコンプレッサにお
いては、コンプレッサ用冷媒にR134a等のHFC
(ハイドロフルオロカーボン)単独冷媒あるいはHFC
混合冷媒またはR22等のHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)冷媒を用いてもよい。例えば、HFC
冷媒は従来のCFC(クロロフルオロカーボン)冷媒よ
り騒音伝達率が高いが、本発明のロータリコンプレッサ
では密閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定
保持し、電動機のモータギャップをバランスさせ得るこ
とで、HFC冷媒等を用いても実用上問題のない静音特
性が得られる。
【0028】請求項6に係るロータリコンプレッサにお
いては、従来の鉱油やCFC冷媒に較べ騒音伝達率の高
いエステル系油を含む冷凍機油およびHFC冷媒(HF
C単独冷媒またはHFC混合冷媒)を用いても、騒音レ
ベルを向上させることがなく、実用上問題のない静音特
性が得られる。HCFC冷媒を用いた場合には、より低
い騒音レベルの静音特性が得られる。
【0029】請求項7に係る冷蔵庫においては、密閉ケ
ース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持し、電
動機のモータギャップをバランスさせることができるか
ら、ロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低減さ
せてコンプレッサ騒音や振動の低減を図り、信頼性を向
上させることができる。
【0030】請求項8に係る冷凍装置においては、密閉
ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持し、
電動機のモータギャップをバランスさせることができる
から、ロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低減
させてコンプレッサ騒音や振動の低減を図り、信頼性を
向上させることができる。
【0031】請求項9に係る空気調和機においては、密
閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持
し、電動機のモータギャップをバランスさせることがで
きるからロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低
減させてコンプレッサ騒音や振動の低減を図ることがで
きる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0033】図1は本発明に係るロータリコンプレッサ
を空気調和機の冷凍サイクルに適用した一例を示すもの
で、この冷凍サイクル10は、ロータリコンプレッサ1
1,四方弁切換弁12,室外側熱交換器13,膨脹弁や
キャピラリチューブ等の減圧装置14および室内側熱交
換器15を順次接続し、四方弁切換弁12からアキュム
レータ16を経てロータリコンプレッサ11へ戻る冷媒
循環回路を構成している。
【0034】この冷媒循環回路にロータリコンプレッサ
11で圧縮された高圧高温の冷媒を吐出し、四方弁切換
弁12を切り換えることにより室内側熱交換器15で室
内の冷暖房を行ない得るようになっている。冷房運転は
実線矢印で、暖房運転は破線矢印でそれぞれ示す。
【0035】一方、空気調和機の冷凍サイクル10に組
み込まれるロータリコンプレッサ11は図2に示すよう
に構成され、このロータリコンプレッサ11は例えば縦
置型ロータリコンプレッサであり、密閉ケース20内上
部に電動機21が、下部に電動機21により駆動される
ロータリ式圧縮機械22が収容される。
【0036】ロータリコンプレッサ11の密閉ケース2
0は有底円筒状の本体ケース部20aとこの本体ケース
部20aの上部開口を覆うカバーケース部20bとの2
ピース構造に形成され、本体ケース部20aとカバーケ
ース部20bとを全周溶接により密閉構造に一体に組み
立てて構成される。
【0037】密閉ケース20の上部に収容される電動機
21は本体ケース部20aに圧入や焼ばめ等で固定され
る固定子(ステータ)23とこの固定子23に回転自在
に設けられる回転子(ロータ)24とを有し、回転子2
4に回転軸25が軸装される。固定子23に設けられる
固定子巻線26の両側のコイルエンド部27は束ねら
れ、一方のコイルエンド部27から口出線28を介して
電源端子29に接続される。この電源端子29は密閉ケ
ース20のカバーケース部20bに取り付けられる。
【0038】また、電動機21の回転子24を支持した
回転軸25はロータリ式圧縮機械22のメインベアリン
グ31およびサブベアリング32により回転自在に支持
される。ロータリ式圧縮機械22は密閉ケース20に固
定された固定フレーム30に取り付けられる一方、メイ
ンベアリング31とシリンダとしてのシリンダブロック
33とサブベアリング32により内部にシリンダ室35
が形成され、このシリンダ室35にピストンローラ36
が収容される。メインベアリング31は、図2および図
3に示すように、軸受を構成するボス部31aとシリン
ダ室35を画成するフランジ部31bが一体に構成され
る。サブベアリング32もメインベアリング31と同
様、ボス部32aとフランジ部32bから構成される。
【0039】ピストンローラ36は回転軸25のクラン
ク部25aに装着され、回転軸25の回転に伴なってシ
リンダ室35内で偏心回転せしめられる。このピストン
ローラ36のローラ面にはスプリングで押圧されたブレ
ード(図示せず)が押圧接触し、シリンダ室35内を吸
込側と吐出側とに区画している。
【0040】ピストンローラ36の偏心回転に伴い、サ
クションパイプ38を通ってシリンダ室35に吸い込ま
れた冷媒は圧縮されて高温・高圧化し、吐出側から吐出
ポート39を経て上下の吐出室40,41に吐出され
る。
【0041】下部の吐出室41に吐出された冷媒は連絡
ポート42を経て上部の吐出室40に導かれ、ここで合
流して密閉ケース20内に送られ、吐出配管43から冷
凍サイクル10内に吐出される。
【0042】ロータリ式圧縮機械22で圧縮されるコン
プレッサ用冷媒には、オゾン層を破壊することがないH
FC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒である1,1,
1,2テトラフルオロエタン(以下、R134a冷媒と
いう。)が用いられる。R134a冷媒はHCFC(ハ
イドロクロロフルオロカーボン)冷媒のR22冷媒に近
い冷媒特性を有する。
【0043】また、密閉ケース20内底部にはロータリ
式圧縮機械22の摺動部を潤滑する冷凍機油44が貯溜
されている。貯溜された冷凍機油44は回転軸25の下
部に形成されるオイルポンプ45により回転軸25内を
上昇してロータリ式圧縮機械22の摺動部に供給され、
この摺動部を潤滑している。冷凍機油44には、例えば
耐熱性に優れたエステル系油が用いられる。
【0044】一方、ロータリ式圧縮機械22を密閉ケー
ス20内に固定される固定フレーム30は、本体ケース
部20a内に焼ばめ等で挿入され、溶接により固定され
る。図2および図3に示すように、固定フレーム30は
密閉ケース20の内周壁に固定される円筒状の固定部3
0aと取付部を形成する内周フランジ部30bとを有
し、断面L字状に形成される。
【0045】固定フレーム30の内周フランジ部30b
にメインベアリング31のフランジ部31bとシリンダ
を構成するシリンダブロック33が締付ボルトあるいは
ねじ等の固定手段46により図4(A),(B)および
(C)に示すように、周方向に間隔をおいた複数箇所、
例えば3箇所で共締めされる。メインベアリング31の
フランジ部31bは半径方向外方に突出する複数のリブ
部47を備えており、このリブ部47に固定手段46を
挿通させる共締め用固定孔48が形成される。この固定
孔48は締付ボルト等のボルト外径より大きく、締付ボ
ルトを挿通させるようになっている。締付ボルトはシリ
ンダブロック33の固定孔49にねじ結合して固定され
る。
【0046】メイベアリング31のフランジ部31bに
リブ部47を形成することにより、メインベアリング3
1の無駄肉を取り除いて材料の節約を図り、コストの低
減が図れる。
【0047】メインベアリング31とシリンダブロック
33は密閉ケース20に固定された固定フレーム30
に、図3に示すように、共締めにより固定されるが、こ
の共締めは、固定フレーム30の内周フランジ30bを
中にしてメインベアリング31のリブ部47とシリンダ
ブロック33を上下方向からサンドイッチ構造に共締め
してもよい。この場合、メインベアリング31とシリン
ダブロック33を結合させるために、固定フレーム30
の内周フランジ30bに係合するメインベアリング31
のリブ部47あるいはシリンダブロック33の外周側を
凹ませて係合段部を形成する必要がある。
【0048】図4(C)に示すよシリンダブロック33
において、符号50はブレードを収容するブレード溝で
あり、符号51はサブベアリングを取り付けるための複
数の取付孔である。
【0049】次に、ロータリコンプレッサ11の組立手
順について説明する。
【0050】このロータリコンプレッサ11を組み立て
る場合、有底筒状の本体ケース部20a内にロータリ式
圧縮機械22を組み立てた状態で収容する。その際、ロ
ータリ式圧縮機械22に固定フレーム30を共締めによ
り予め固定した状態で収容させても、また、組み立てら
れたロータリ式圧縮機械22を収容した後、固定フレー
ム30を密閉ケース20の本体ケース部20aに固定さ
せ、固定された固定フレーム30にロータリ式圧縮機械
22のメインベアリング31とシリンダブロック33を
共締めしてもよい。
【0051】固定フレーム30の密閉ケース20への取
付けは、固定フレーム30を密閉ケース20に焼ばめ等
により挿入し、所要位置に挿入後、固定フレーム30の
固定部30aを本体ケース部20aの内周壁に溶接によ
り固定する。
【0052】このようにして、密閉ケース20の本体ケ
ース部20a内に固定フレーム30が固定され、この固
定フレーム30にロータリ式圧縮機械22が取り付けら
れる。その際、ロータリ式圧縮機械22のメインベアリ
ング31のフランジ部31bとシリンダを構成するシリ
ンダブロック33は、固定フレーム30の内周フランジ
部30bに直接共締めにより安定的に固定保持される。
【0053】メインベアリング31はフランジ部31b
を固定フレーム30の内周フランジ部30bに直接取り
付けたから、ロータリコンプレッサ11を小型・コンパ
クト化することができ、小型・コンパクト化しても固定
フレーム30の内周フランジ部30bのフランジ幅(フ
レーム幅)を充分に確保することが可能となってフレー
ム強度を向上させ、フレーム剛性を高めることができ
る。しかも、メインベアリング31は固定フレーム30
に直接取り付けられるから、従来のようにシリンダを介
して固定フレームに取り付けた場合に較べ、取付のため
の経路(パス)が短かくなり、その分、より安定的にメ
インベアリング31を保持できる。
【0054】メインベアリング31やシリンダブロック
33を固定フレーム30の内周フランジ部30bに共締
めで直接固定することにより、ロータリ式圧縮機械22
が安定的に保持される一方、メインベアリング31の取
付精度が向上する。サブベアリング32は締付ねじ等の
固定手段で安定的に固定されたシリンダブロック33に
固定されるので、メインベアリング31やサブベアリン
グ32の固定保持が安定化し、両ベアリング31,32
に回転自在に支持される回転軸25の支持精度が向上
し、回転軸25は両ベアリング31,32に支持されて
安定的にかつ軸振れすることなく回転する。
【0055】このため、回転軸25に支持される電動機
21の回転子24と固定子23との間に形成されるモー
タギャップをバランスさせることができる。
【0056】電動機21の固定子23は本体ケース部2
0aの開口部から圧入あるいは焼ばめ等により挿入し、
固定される。
【0057】しかして、本体ケース部20a内にロータ
リ式圧縮機械22と電動機21とを収容した後、カバー
ケース部20bを被せ、本体ケース部20aとカバーケ
ース部20bとを全周溶接により溶接して密閉構造に構
成される。
【0058】このロータリコンプレッサ11はメインベ
アリング31のフランジ部31bを固定フレーム30に
直接取り付けたから、ロータリコンプレッサ11を小型
・コンパクト化しても固定フレーム30の内周フランジ
部30bのフランジ幅を充分に確保できて、フレーム剛
性を高めることができ、フレーム剛性の高い固定フレー
ムにメインベアリング31とシリンダブロック33とを
直接取り付けたから、メインベアリング31とシリンダ
ブロック33を安定的に固定保持させることができ、ロ
ータリ式圧縮機械22や電動機21を安定的に保持して
それらの振動を低減させてコンプレッサ騒音や振動の低
減を図ることができる。
【0059】また、メインベアリング31は固定フレー
ム30に直接かつ安定的に保持されるので、このメイン
ベアリング31等に支持される回転軸25の保持が安定
し、結果的に電動機21のモータギャップをバランスさ
せてコンプレッサ性能を向上させ、コンプレッサの信頼
性を向上させることができる。
【0060】このロータリコンプレッサ11において
は、密閉ケース20内に固定されるフレーム剛性の高い
固定フレーム30にロータリ式圧縮機械22が安定的に
固定され、電動機21もモータギャップがバランスした
状態に収容されるから、ロータリコンプレッサ11を運
転させても、がたつきによるコンプレッサ騒音や振動を
低減させることができる。
【0061】このため、ロータリコンプレッサ11の冷
媒にR134aのHFC冷媒を、また、潤滑油にエステ
ル系油の合成油を用いても、このロータリコンプレッサ
11のコンプレッサ騒音は、図5の実線aで示すよう
に、従来使用の鎖線bで示すロータリコンプレッサ11
のコンプレッサ騒音より音圧レベルを低減させることが
できる。
【0062】このロータリコンプレッサ11ではほぼ全
周波数領域に亘ってコンプレッサ騒音を低減させること
ができ、きわめて優れた低騒音タイプのコンプレッサと
なる。また、密閉ケース20の本体ケース部20aの肉
厚を厚くすることで、コンプレッサの振動軽減をより一
層図ることができ、低振動タイプのコンプレッサとな
る。
【0063】また、このロータリコンプレッサ11にお
いては、コンプレッサ用冷媒にR134aのHFC冷媒
を、潤滑油にエステル系油を用いた例を示した。
【0064】HFC冷媒としてのR134a冷媒はCF
C冷媒であるR12冷媒より、騒音伝達効率が高く、従
来タイプのロータリコンプレッサにR134a冷媒を使
用すると、図6に示すように、R134a冷媒を用いた
コンプレッサのコンプレッサ騒音が高くなる。
【0065】しかし、このロータリコンプレッサ11で
は、密閉ケース20内に固定される固定フレーム30に
メインベアリング31とシリンダブロック33とを共締
めにより固定するロータリ式圧縮機械22の保持構造を
採用するこにより、他のコンプレッサ条件を同じに設定
すると、R134aのHFC冷媒を採用しても、コンプ
レッサ騒音をR12冷媒を採用した従来のロータリコン
プレッサより低減させることができる。
【0066】また、エステル系油は従来のロータリコン
プレッサに用いられた鉱油より騒音伝達効率が高く、従
来のロータリコンプレッサにエステル系油の潤滑油を使
用すると、図7に示すように、鉱油を用いたコンプレッ
サ騒音に較べ高くなる。
【0067】しかし、本発明のロータリコンプレッサ1
1では、エステル系油を用いても、コンプレッサ騒音を
従来のロータリコンプレッサより低減させることができ
る。他のコンプレッサ条件は同一である。
【0068】なお、本発明の一実施例では、コンプレッ
サ用冷媒にR134aのHFC冷媒を用いた例を示した
が、このR134a冷媒に代えて他のHFC冷媒やHC
FC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒を用いてもよ
い。
【0069】他のHFC冷媒としては、単独冷媒として
R22冷媒より吐出圧力の高いジフルオロメタン(R3
2),ペンタフルオロエタン(R125),1,1,
2,2−テトラフルオロエタン(R134),1,1,
2−トリフルオロエタン(R143),1,1,1−ト
リフルオロエタン(R143a),1,1−ジフルオロ
エタン(R152a),モノフルオロエタン(R16
1)が挙げられる。
【0070】これらの中では、R134,R143,R
143aが従来のCFC12(R12)冷媒に近い沸点
を有し、代替冷媒として好ましい。
【0071】また、HFC冷媒は単独冷媒として用いる
だけでなく、HFC冷媒を2種以上混合させた混合物で
あってもよい。HFC混合冷媒としては、R125/R
143a/R134aの混合冷媒,R32/R134a
の混合冷媒,R32/R125の混合冷媒,R32/R
125/R134aの混合冷媒が考えられる。
【0072】また、HFC冷媒に代えてHCFC(ハイ
ドロフルオロカーボン)冷媒を用いてもよい。このHC
FC冷媒の代表的なものにHCFC22(R22)冷媒
がある。
【0073】さらに、ロータリコンプレッサ11に用い
られる潤滑油としてエステル系油を用いた例を示した
が、アルキルベンゼン系油とエステル系油の混合油のよ
うにエステル系油を有する冷凍機油を用いてもよい。
【0074】なお、本発明のロータリコンプレッサの一
実施例では、ロータリ式圧縮機械22はメインベアリン
グ31のフランジ部31bにリブ部47を備えた例を示
したが、必ずしもリブ部を備える必要がなく、メインベ
アリング31は、図8に示すようにフランジ部31bを
ディスク状に形成してもよい。他の構成は、図3および
図4に示すものと同様である。このディスク状フランジ
部31bはその外径を密閉ケース20の内径とほぼ同一
することにより、メインベアリング31を密閉ケース2
0の固定フレーム30により安定的かつ強固に固定させ
ることができ、ロータリ式圧縮機械22の振動を低減
し、コンプレッサ騒音や振動の低減を図ることができ
る。
【0075】また、メインベアリング31が安定的かつ
強固に固定されることにより、メインベアリング31に
支持される回転軸25の保持が安定し、電動機21のモ
ータギャップをバランスさせてコンプレッサ性能を向上
させ、信頼性を向上させることができる。
【0076】さらに、空気調和機用のロータリコンプレ
ッサ11においては、電動機21やロータリ式圧縮機械
22を収容した密閉ケース20のケース外表面やアキュ
ムレータ16のケース外表面に図9に示すように発泡溶
液を塗布し、その後、発泡溶液を発泡させてケース外表
面を発泡体55で被覆し、低騒音化を図ったり、ロータ
リコンプレッサ11やアキュムレータ16全体を吸音材
や遮音材で形成された防音カバーで覆うようにするもの
があるが、本発明の構成を採用することにより、鉱油よ
り騒音伝達率の高いエステル系油およびR12より騒音
伝達率の高いHFC冷媒を用いても既存の発泡体、吸音
材、遮音材等を利用することができる。
【0077】図10および図11は、冷蔵庫の冷凍サイ
クル10Aに適用されるロータリコンプレッサ11Aの
他の実施例を示す。
【0078】冷蔵庫の冷凍サイクル10Aは、基本的に
は、ロータリコンプレッサ11A,コンデンサ60,減
圧装置61およびエバポレータ62を順次冷媒配管63
で接続して閉じた冷媒循環回路を構成している。
【0079】この冷凍サイクル10Aは具体的には、図
11に示すように、ロータリコンプレッサ11A,蒸発
パイプ66,サブコンデンサ67,オイルクーラ68を
経てコンデンサ60を構成するメインコンデンサ69,
クリーンパイプ70に順次接続された後、ドライヤ71
からキャピラリチューブ72等の減圧装置61を経てエ
バポレータ62に接続される。このエバポレータ62は
続いてアキュムレータ73およびマフラ74を経てサク
ションパイプ75によりロータリコンプレッサ11Aの
吸込側に接続され、閉じた冷媒循環回路が構成される。
【0080】ロータリコンプレッサ11Aは、図11に
示すように、冷蔵庫の本体ケーシング77の背側下部に
形成される機械室78に設置される。このコンプレッサ
11Aはコンプレッサ用冷媒を圧縮して高温高圧化し、
冷凍サイクル10Aに吐出するようになっている。この
コンプレッサ用冷媒にオゾン層を破壊することがないH
FC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒である1,1,
1,2テトラフルオロエタン(以下R134a冷媒とい
う。)が用いられる。
【0081】R134aのHFC冷媒を採用したロータ
リコンプレッサ11Aは図12に示すように構成され
る。
【0082】このロータリコンプレッサ11Aは例えば
横置型ロータリコンプレッサであり、密閉ケース20内
に電動機21とこの電動機21により駆動されるロータ
リ式圧縮機械22とが収容される。
【0083】密閉ケース20Aは円筒状の本体ケース部
20aとこの本体ケース部20aの両側に開口部を覆う
ように設けられるカバーケース部20b,20cとから
なる3ピース構造に形成され、本体ケース部20aとカ
バーケース部20b,20cを全周溶接により密閉構造
に一体に組み立てて構成される。
【0084】密閉ケース20Aの本体ケース部20aは
図13に示すように、矩形の板状鋼板を丸曲げ加工し、
合せ部80を溶接接合して継ぎ目に構成したものであ
る。本体ケース部20aは丸曲げ加工により成形加工さ
れるので、従来の深絞り加工が不要となり、容易にかつ
経済的に成形できる。本体ケース部20aの肉厚はカバ
ーケース部20b,20cの肉厚より厚く形成され、本
体ケース部20aのケース剛性を高めている。本体ケー
ス部20aは鋼管を所要長さに切断することにより、ま
た押出成形や引抜成形により形成された筒状部材を切断
することにより形成してもよい。
【0085】また、電動機21は密閉ケース20Aに圧
入される固定子(ステータ)23と、この固定子23に
回転自在に設けられる回転子(ロータ)24とを有し、
この回転子24に回転軸25が軸装される。固定子23
は密閉ケース20Aの本体ケース部20aに圧入された
り、焼ばめで挿入される一方、固定子23に設けられる
固定子巻線26のコイルエンド部27は束ねられ、口出
線28を介して電源端子29に接続される。この電源端
子29は密閉ケース20Aのカバーケース部20bに取
り付けられる。
【0086】また、電動機21の回転子24に軸装され
る回転軸25は水平方向に配置され、ロータリ式圧縮機
械22のメインベアリング31およびサブベアリング3
2により回転自在に支持される。メインベアリング31
は密閉ケース20A内に固定される固定フレーム30に
シリンダとしてのシリンダブロック33とともに共締め
により直接取り付けられる一方、このメインベアリング
31とシリンダブロック33およびサブベアリング32
により内部にシリンダ室35が形成され、このシリンダ
室35にピストンローラ36が収容される。
【0087】一方、固定フレーム30は円筒状の固定部
30aと内周フランジ部30bとを一体に成形してL字
状に形成し、内周フランジ部30bにメインベアリング
31のフランジ部31bとシリンダブロック33とを共
締め固定したから、メインベアリング31を固定フレー
ム30に直接締着させることができ、その分、固定フレ
ーム30の内周フランジ部30bのフランジ幅を充分に
確保し、固定フレーム30の強度を向上させ、フレーム
剛性を高めることができる。これにより、ロータリ式圧
縮機械22は固定フレーム30に安定的かつ強固に保持
される。
【0088】シリンダ室35内に収容されたピストンロ
ーラ36は回転軸25のクランク部25aに装着され、
回転軸25の回転に伴ってシリンダ室35内で偏心回転
せしめられる。このピストンローラ36にスプリング8
0で押圧されたブレード81が外側から押圧接触し、シ
リンダ室35内を吸込側と吐出側とに区画している。ピ
ストンローラ36の偏心回転に伴い、サクションパイプ
75を通ってシリンダ室35内に吸い込まれたHFC冷
媒は圧縮されて高温高圧化し、吐出側から吐出ポート3
9を経て吐出室40に吐出される。
【0089】吐出室40に吐出されたHFC冷媒は続い
て密閉ケース20A内に案内された後、冷媒配管である
吐出配管43を経てコンデンサ62側に送られる。
【0090】また、密閉ケース20A内のケース底部に
は、油溜り83が形成され、この油溜り83には圧縮機
械22の摺動部を潤滑する潤滑油(冷凍機油)44が貯
溜されている。貯溜された潤滑油44はオイルポンプ8
5によりオイル供給管86を経て回転軸25の軸受部等
の摺動部に供給され、摺動部をオイル潤滑している。オ
イルポンプ85はブレード81の進退作用に共同して貯
溜された潤滑油をオイル供給管86に吸い込んで摺動部
に供給するようになっている。
【0091】密閉ケース20A内に貯溜される潤滑油4
4はオイルクーラ68により冷却され、潤滑油44の潤
滑性能を維持するようになっている。オイルクーラ68
は潤滑油44を冷却する熱交換パイプ88を密閉ケース
20A内のデッドスペースを利用して配設することによ
り形成される。
【0092】ところで、ロータリコンプレッサ11Aの
コンプレッサ摺動部を潤滑する潤滑油44には、鉱油
(ナフテン系油)でもよいが、潤滑油の劣化や炭化を生
じさせないように耐熱性に優れたエステル系油を有する
冷凍機油が用いられる。
【0093】潤滑油44にエステル系油を用いることに
より耐熱性に優れたものとなり、オイルクーラ68の冷
却作用の助けを受けて潤滑油44の劣化や炭化を有効的
に防止でき、潤滑油44の潤滑性能の低下を有効的に防
止できる。
【0094】この潤滑油44により、ロータリ式圧縮機
械22の軸受面やピストンローラ36,ブレード81間
の摺動面を効率よく潤滑でき、ロータリコンプレッサ1
1Aのコンプレッサ性能を向上させ、コンプレッサの信
頼性を充分に維持できる。
【0095】次に、ロータリコンプレッサ11Aおよび
冷凍サイクル10Aの作用を説明する。
【0096】ロータリコンプレッサ11Aの電動機21
に通電することにより、電動機21が駆動され、回転子
24が回転駆動せしめられる。この回転子24の回転に
伴って回転軸25が一体に回転し、回転軸25のクラン
ク部25aに装着されたピストンローラ36がシリンダ
室35内を偏心回転せしめられる。これにより、ロータ
リ式圧縮機械22が駆動される。
【0097】ピストンローラ36の偏心回転により、サ
クションパイプ75を通ってシリンダ室35の吸込側に
案内されたHFC冷媒はシリンダ室35内で圧縮され、
高温高圧となってその吐出側から吐出室40を経て密閉
ケース20A内に吐出される。密閉ケース20A内に吐
出されたHFC冷媒は続いて吐出パイプ43を経て冷凍
サイクル10Aの蒸発パイプ66に送られ、この蒸発パ
イプ66で蒸発皿に貯溜されたドレン水を蒸発させてい
る。
【0098】蒸発パイプ66でドレン水を蒸発させたH
FCの吐出冷媒は続いてサブコンデンサ67に案内され
て放熱し、冷却された後、オイルクーラ68に案内さ
れ、ここで密閉ケース20A内に貯溜された潤滑油44
を冷却し、この劣化を防止し、潤滑性能を維持してい
る。オイルクーラ68により密閉ケース20A内が過熱
するのが防止される。
【0099】オイルクーラ68を出たHFC冷媒は、続
いてコンデンサ62に送られ、メインコンデンサ69や
クリーンパイプ70で放熱される。クリーンパイプ70
はコンデンサ69に直列接続されてコンデンサ機能を有
し、庫内と室温の温度差に起因して生じる本体前面への
結露を防止している。
【0100】クリーンパイプ70を経たHFC冷媒はド
ライヤ71で乾燥された後、減圧装置61であるキャピ
ラリチューブ72に案内されて減圧され、断熱膨脹せし
められる。減圧装置61はキャピラリチューブ72に代
えて膨脹弁であってもよい。
【0101】キャピラリチューブ72で減圧されたHF
C冷媒は、続いてエバポレータ62に案内され、このエ
バポレータ62で周囲から熱を奪って蒸発せしめられ
る。エバポレータ62で蒸発したHFC冷媒は、アキュ
ムレータ73にて気液分離され、ガス成分がサクション
パイプ75に案内される。HFC冷媒の液成分はこのア
キュムレータ73内に貯えられる。
【0102】サクションパイプ75に案内されたHFC
冷媒ガスは必要に応じて設けたマフラ74により消音さ
れた後、ロータリコンプレッサ11Aの吸込側に吸引さ
れて次のコンプレッサ11Aで再び圧縮され、次の冷凍
サイクル10Aに備えられる。
【0103】ところで、ロータリコンプレッサ11A
は、密閉ケース20Aが図12に示すように筒状の本体
ケース部20aとこの本体ケース部20aの両側開口部
を覆うカバーケース部20b,20cとの3ピース構造
に形成され、本体ケース部20aは矩形の板状鋼板を丸
曲げ加工することにより成形加工したので、本体ケース
部20aの肉厚(板厚)は板状鋼板の選択により容易に
変化させることができる。本体ケース部20aは丸曲げ
加工であるため、成形加工が容易かつ経済的であり、こ
の成形加工により円筒状の構造と容易にすることができ
る。したがって、本体ケース部20aは必要設計厚さの
肉厚を容易に確保することができる。
【0104】本体ケース部20aの肉厚は、カバーケー
ス部20b,20cの肉厚の1.25倍から1.4倍程
度とすることが望ましい。本体ケース部20aの肉厚
(ケース板厚)を厚くすることにより、ケース剛性がア
ップし、電動機21やロータリ式圧縮機械22からの騒
音の軽減が図れ、ロータリコンプレッサ11Aや冷蔵庫
等の機器自体の振動を低減させことができ、実用可能な
騒音レベルまでコンプレッサ騒音を全周波数帯に亘って
低減させることができる。
【0105】また、本体ケース部20aの肉厚を厚くし
てケース剛性を向上させるとともに、密閉ケース20A
に固定された固定フレーム30はフランジ幅を充分に確
保できるのでフレーム剛性を高め、この固定フレーム3
0にメインベアリング31およびシリンダブロック33
を直接共締め固定したから、ロータリ式圧縮機械22や
電動機21を安定的にかつ精度よく保持でき、がたつき
によるコンプレッサ振動の低減を図ることができる一
方、振動発生源である電動機21やロータリ式圧縮機械
22からの透過音を従来以上に遮蔽することができ、よ
り一層騒音の軽減を図ることができる。
【0106】本体ケース部20aの両側に全周溶接によ
り密閉状態に固定されるカバーケース部20b,20c
は、本体ケース部20aほど厚肉構造とする必要がな
い。これは、電動機21や圧縮機械22からの騒音の大
半は本体ケース部20aから放出され易く、本体ケース
部20aを厚肉構造とすれば、有効的な騒音防止対策を
施すことができるからである。
【0107】逆に、カバーケース部20b,20cを厚
肉構造としなくても、一方のカバーケース部20bには
吸込配管75や冷却配管90等の冷媒配管や支持装置9
1を構成するケース支持部材としての支持ピン(スタッ
ドピン)92が取り付けられ、充分なケース剛性が保た
れる一方、他方のカバーケース部20cにも吐出配管5
5等の冷媒配管や支持装置95を構成するケース支持部
材としての支持金具96が溶接にて取り付けられ、充分
な剛性が保たれる。
【0108】しかして、ロータリコンプレッサ11Aの
密閉ケース20Aは冷蔵庫の背側下部に形成される機械
室28に両側が図13ないし図15に示すように支持装
置91,95により防振構造に3点支持される。
【0109】一方の支持装置91は、機械室28のベー
ス97上に支持脚98が設置され、この支持脚98の上
部に防振体99を介装し、この防振体99に支持ピン9
2を支持させた1点支持構造である。
【0110】他方の支持装置95は2点支持構造でベー
ス97上の支持脚100の対をなす支持フランジ101
上に防振体102が載置され、この防振体102を上に
支持金具96が設置されて密閉ケース20Aはベース9
7上に支持される。両支持装置91,95の3つの支持
点により形成される平面内に回転軸25の軸線が含まれ
るようになっている。
【0111】また、密閉ケース20の本体ケース部20
aの合せ部80である継ぎ目部分80は図16に示すよ
うにケース底部に位置するようにセットされる。継ぎ目
の溶接部分80を本体ケース部20aの底部に形成する
ことにより、外部に露出せず、ロータリコンプレッサ1
1Aの美的外観を向上させることができる。また、継ぎ
目部分80以外の広い箇所に銘板等のプレートを取着あ
るいは貼着できるので、銘板等のプレート取付位置を広
く使用することができ、銘板等の取付や張付けが容易と
なり、取付自由度が向上する。
【0112】さらに、密閉ケース20Aに収容される電
動機21の固定子23は図16に示すように配置され、
固定子23の固定子鉄心の外径切欠部105を本体ケー
ス部20aの継ぎ目部分80に合せることで、丸曲げ加
工により成形される本体ケース部20aの内径精度が良
好でなくても、固定子鉄心の本体ケース部20aへの圧
入あるいは焼ばめを円滑かつスムーズに行なうことがで
き、圧入あるいは焼ばめの際に固定子鉄心が継ぎ目部分
80に接触して損傷させることがないので、本体ケース
部20aの継ぎ目部分80の破断を防止し、信頼性を向
上させることができる。
【0113】一方、このロータリコンプレッサにおいて
は、密閉ケース20A内に圧入あるいは焼ばめ等で固定
される固定子23の軸方向長さを固定子鉄心の半径寸法
以上に設定したので、耳障りな300Hz〜500Hz
程度の低周波数帯の騒音を軽減させることがでる。
【0114】電動機21の電磁騒音発生のメカニズム
は、固定子23と回転子24間のエアギャップ内の基本
波磁束と高調波磁束によって固定子鉄心と回転子鉄心が
相互に吸引し合い、この吸引力が交番磁界により周期的
に発生することに起因しており、この吸引力の変動によ
り固定子鉄心に多角形変形振動が生じ、電磁騒音が発生
するものである。
【0115】電磁騒音は300Hz〜500Hz程度の
低周波振動によるもので、この電磁騒音を低減させるた
めには、(1)エアギャップ間の吸引力自体を低減させ
ること、(2)多角形変形をできるだけ円形にするこ
と、(3)固定子鉄心の振動を小さくすること、が要求
される。
【0116】このうち、(1)と(2)は電動機21の
巻線(主巻線と補助巻線)仕様を適正にし、エアギャッ
プを均一にし、かつ拡げることで対応可能であるが、モ
ータ効率やトルクなどのモータ性能が犠牲になる。モー
タ性能を維持するためには、(1)と(2)は内容的に
ある程度妥協する必要がある。
【0117】このロータリコンプレッサ11Aにおいて
は、固定子鉄心の振動を小さくする(3)の内容に着目
し、固定子鉄心の積層長さ(固定子23の軸方向長さ)
Lを最小限確保することで、固定子鉄心の振動抑制を図
っている。
【0118】このロータリコンプレッサ11Aは、図1
2に示すように、電動機21の固定子23を構成する固
定子鉄心の積層厚さ(固定子23の軸方向長さ)Lを固
定子鉄心の外径寸法φDとの比で、積層厚さLを固定子
鉄心の半径寸法φD/2以上とすることで、固定子鉄心
の振動を抑制している。
【0119】図17は本発明に係る実線aのロータリコ
ンプレッサと従来仕様の鎖線bで示すロータリコンプレ
ッサとを比較したコンプレッサ騒音の周波数分析結果を
示す。
【0120】図17において、ハッチング領域Aは、電
動機21に関するコンプレッサ騒音低下領域であり、他
のハッチング領域Bは圧縮機械22に関するコンプレッ
サ騒音低下領域である。このロータリコンプレッサ11
においては、電動機21に起因する300Hz〜500
Hz程度の電磁波騒音や圧縮機械22に起因する2KH
z以上のコンプレッサ騒音を低減させ得ることがわかっ
た。
【0121】このロータリコンプレッサ11Aではほぼ
全周波数領域に亘ってコンプレッサ騒音を低減させるこ
とができ、きわめて優れた低騒音タイプのコンプレッサ
となる。また、密閉ケース20の本体ケース部20aの
肉厚を厚くすることで、コンプレッサの振動軽減が図
れ、低振動タイプのコンプレッサとなる。
【0122】電動機21の固定子23の外径φDと固定
子鉄心の積層厚さLと低周波数域300Hz〜500H
zにおける騒音(300Hz〜500Hzのピーク周波
数)との関係は下記の実験データが得られた。
【0123】
【表1】
【0124】この表1より、電動機21の騒音は、固定
子の外径φDの増加に伴って大きくなり、固定子鉄心の
積層厚さ(固定子の軸方向長さ)Lの増大に伴って減少
することがわかる。したがって、固定子23の軸方向長
さLを所要の長さ以上、例えば固定子鉄心の半径φD/
2以上とすることにより、電動機21に起因する低周波
騒音を軽減させることができる。
【0125】また、このロータリコンプレッサ11Aに
おいては、コンプレッサ用冷媒にR134aのHFC冷
媒を、潤滑油にエステル系油を用いた例を示した。
【0126】HFC冷媒としてのR134a冷媒はCF
C冷媒であるR12冷媒より、騒音伝達効率が高く、2
ピース構造の従来タイプのロータリコンプレッサにR1
34a冷媒を使用すると、R134a冷媒を用いたコン
プレッサのコンプレッサ騒音が高くなる。
【0127】しかし、このロータリコンプレッサ11A
では、3ピース構造とし、密閉ケース20の本体ケース
部20aの肉厚をカバーケース部20b,20cの肉厚
より大きくし、密閉ケース20の固定フレーム30にロ
ータリ式圧縮機械22のメインベアリング31およびシ
リンダブロック33を共締め固定した密閉ケース構造を
採用することにより、ロータリ式圧縮機械22の電動機
21を密閉ケース20内に安定的に保持でき、他の条件
を同じに設定すると、R134aのHFC冷媒を採用し
ても、コンプレッサ騒音をR12冷媒を採用した従来の
ロータリコンプレッサより低減させることができる。
【0128】また、エステル系油は従来のロータリコン
プレッサに用いられた鉱油より騒音伝達効率が高く、従
来のロータリコンプレッサにエステル系油の潤滑油を使
用すると、鉱油を用いたコンプレッサ騒音に較べ高くな
る。
【0129】しかし、本発明のロータリコンプレッサ1
1Aでは、エステル系油を用いても、コンプレッサ騒音
を従来のロータリコンプレッサより低減させることがで
きる。
【0130】また、本発明では冷蔵庫機械室の遮音構造
を改良することなく、CFC冷媒や鉱油を用いるものと
同じ仕様の構造、材質のものを採用することができるの
で、機械室の放熱機構に影響を及ぼすことがなく、過熱
防止対策上有効である。
【0131】このロータリコンプレッサ11Aではコン
プレッサ用冷媒にR134aを使用し、潤滑油にエステ
ル系油を使用した例を示したが、コンプレッサ用冷媒
は、R134a冷媒に限定されず、他のHFC単独冷媒
やHFC混合冷媒またはHCFC冷媒を用いてもよい。
また、潤滑油にはエステル系油の他にエステル系油とア
ルキルベンゼン系油の合成油やエステル系油を主成分と
した混合油などのようにエステル系油を含む冷凍機油で
あってもよい。
【0132】また、本発明の実施例で説明したロータリ
コンプレッサは1つのシリンダを備えた例を説明した
が、ロータリコンプレッサは複数のシリンダを備えたロ
ータリコンプレッサにも適用できる。
【0133】さらに、このロータリコンプレッサを冷蔵
庫に適用した例では、オイルクーラを備えたコンプレッ
サを説明したが、オイルクーラを備えないタイプのロー
タリコンプレッサにも適用できる。
【0134】さらにまた、本発明の実施例では、ロータ
リコンプレッサを空気調和機や冷蔵庫に適用した例を示
したが、冷凍ショーケースや大型の冷凍設備等の冷凍装
置に適用することもできる。車両に搭載される冷凍装置
の冷凍サイクルにもこのロータリコンプレッサを適用す
ることができる。冷凍装置は、冷蔵庫と同様、ロータリ
コンプレッサとコンデンサ,減圧装置およびエバポレー
タとにより基本的な冷凍サイクルが構成される。
【0135】なお、冷凍装置においても、冷蔵庫と同様
に冷凍装置機械室の遮音構造を改良することなく、充分
な騒音低減が可能であり、機械室の放熱構造に影響を及
ぼさず、過熱防止対策上有効である。
【0136】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る請求項
1記載のロータリコンプレッサにおいては、密閉ケース
の内側に固定フレームを設け、この固定フレームにロー
タリ式圧縮機械のメインベアリングのフランジ部とシリ
ンダを周方向に間隔をおいた複数箇所で共締めにより固
定したから、メインベアリングとシリンダを固定フレー
ムに直接共締めして固定することができ、作業能率の向
上が図れる一方、固定フレームは充分なフレーム幅を確
保でき、フレーム強度を向上させてフレーム剛性を高め
ることができる。フレーム剛性の高い固定フレームにメ
インベアリングとシリンダを安定的に固定保持させるこ
とができるので、ロータリ式圧縮機械や電動機の振動を
低減でき、コンプレッサ騒音や振動の低減を図ることが
できる。
【0137】また、このロータリコンプレッサはメイン
ベアリングのフランジ部を固定フレームに直接固定でき
るので、ロータリコンプレッサの小型・コンパクト化を
図ることができ、小型・コンパクト化しても固定フレー
ムのフレーム幅を充分に確保してフレーム強度を高める
ことができるので、フレーム剛性を充分に保持してメイ
ンベアリングひいてはロータリ式圧縮機械を安定的に固
定保持でき、電動機の固定子と回転子のモータギャップ
をバランスさせることができる。したがって、コンプレ
ッサ性能を向上させ、ロータリコンプレッサの信頼性を
向上させることができる。
【0138】請求項2に係るロータリコンプレッサにお
いては、メインベアリングのフランジ部は半径方向外方
に突出する複数のリブ部を有し、上記リブ部に共締め用
固定孔を穿設したので、メインベアリング無駄肉を取り
除いて材料の節約を図り、コストの低減を図ることがで
きる一方、メインベアリングおよびシリンダを固定フレ
ームに直接固定したのでフレーム幅を確保してフレーム
強度を高めることができ、ロータリ式圧縮機械の振動を
低減して、コンプレッサ騒音や振動の低減を図ることが
できる。
【0139】また、メインベアリングは密閉ケースの固
定フレームに直接かつ安定的に固定保持されるので、メ
インベアリングに支持される回転軸の保持が安定し、電
動機のモータギャップをバランスさせてコンプレッサ性
能を向上させ、信頼性を向上させることができる。
【0140】請求項3に係るロータリコンプレッサにお
いては、メインベアリングのフランジ部外径を密閉ケー
スの内径とほぼ同一に形成したので、メインベアリング
を密閉ケースの固定フレームに安定的かつ強固に固定し
てロータリ式圧縮機械の振動を低減し、コンプレッサ騒
音や振動の低減を図ることができる。
【0141】また、メインベアリングが安定的に固定さ
れることにより、メインベアリングに支持さる回転軸の
保持が安定し、電動機のモータギャップをバランスさせ
てコンプレッサ性能が向上し、信頼性を向上させること
ができる。
【0142】請求項4に係るロータリコンプレッサにお
いては、ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑する潤滑油
とエステル系油を含む冷凍機油を用いたので、耐熱性に
優れる一方、エステル系油等は従来用いられてる鉱油に
較べ騒音伝達率が高く、全周波数帯域で騒音レベルが上
昇するが、密閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的
に固定保持し、電動機のモータギャップをバランスさせ
得ることで、エステル系油を含む冷凍機油を用いても実
用上問題のない静音特性が得られる。
【0143】請求項5に係るロータリコンプレッサにお
いては、コンプレッサ用冷媒にR134a等のHFC
(ハイドロフルオロカーボン)単独冷媒あるいはHFC
混合冷媒またはR22等のHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)冷媒を用いてもよい。例えば、HFC
冷媒は従来のCFC(クロロフルオロカーボン)冷媒よ
り騒音伝達率が高いが、本発明のロータリコンプレッサ
では密閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定
保持し、電動機のモータギャップをバランスさせ得るこ
とで、HFC冷媒等を用いても実用上問題のない静音特
性が得られる。
【0144】請求項6に係るロータリコンプレッサにお
いては、従来の鉱油やCFC冷媒に較べ騒音伝達率の高
いエステル系油を含む冷凍機油およびHFC冷媒(HF
C単独冷媒あるいはHFC混合冷媒)を用いても、騒音
レベルを向上させることがなく、実用上問題のない静音
特性が得られる。HCFC冷媒を用いた場合には、より
低い騒音レベルの静音特性が得られる。
【0145】請求項7に係る冷蔵庫においては、密閉ケ
ース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持し、電
動機のモータギャップをバランスさせることができるか
ら、ロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低減さ
せてコンプレッサ騒音や振動の低減を図り、信頼性を向
上させることができる。
【0146】請求項8に係る冷凍装置においては、密閉
ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持し、
電動機のモータギャップをバランスさせることができる
から、ロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低減
させてコンプレッサ騒音や振動の低減を図り、信頼性を
向上させることができる。
【0147】請求項9に係る空気調和機においては、密
閉ケース内にロータリ式圧縮機械を安定的に固定保持
し、電動機のモータギャップをバランスさせることがで
きるからロータリ式圧縮機械のがたつきによる振動を低
減させてコンプレッサ騒音や振動の低減を図ることがで
き、信頼性を向上させ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロータリコンプレッサを空気調和
機に適用した例を示す冷凍サイクル図。
【図2】本発明に係るロータリコンプレッサの一実施例
を示す縦断面図。
【図3】本発明に係るロータリコンプレッサにいてロー
タリ式圧縮機械を密閉ケースへ固定した取付構造を示す
部分断面図。
【図4】(A)は密閉ケースに固定される固定フレーム
の平面図、(B)および(C)は固定フレームに共締め
されるメインベアリングおよびシリンダ(シリンダブロ
ック)をそれぞれ示す平面図。
【図5】本発明に係るロータリコンプレッサの平均騒音
レベルを従来タイプのコンプレッサと比較して示す図。
【図6】本発明に係るロータリコンプレッサにR134
a冷媒を使用したときの平均騒音レベルを従来タイプの
コンプレッサにR22冷媒およびR134a冷媒を用い
た平均騒音レベルと比較して示す図。
【図7】本発明に係るロータリコンプレッサにエステル
系油を用いたときの平均騒音レベルを、鉱油およびエス
テル系油を用いた従来タイプのコンプレッサの平均騒音
レベルと比較して示す図。
【図8】本発明に係るロータリコンプレッサに組み込ま
れるロータリ式圧縮機械のメインベアリングの変形例を
示す図。
【図9】本発明に係るロータリコンプレッサにさらに低
騒音化対策を施したロータリコンプレッサを示す図。
【図10】本発明に係るロータリコンプレッサを搭載し
た冷蔵庫の冷凍サイクルを示す図。
【図11】図10に示す冷蔵庫の冷凍サイクルを概略的
に示す斜視図。
【図12】本発明に係るロータリコンプレッサの他の実
施例を示す縦断面図。
【図13】図12に示すロータリコンプレッサの据付支
持構造を簡略的に示す図。
【図14】図13を左側方から見た据付支持構造の側面
図。
【図15】図13を右側方から見た据付支持構造の側面
図。
【図16】図12のXVI −XVI 線に沿う断面図。
【図17】図12に示すロータリコンプレッサの平均音
圧レベルを従来タイプのコンプレッサの平均音圧レベル
と比較して示す図。
【図18】従来タイプのロータリコンプレッサにおける
ロータリ式圧縮機械の密閉ケースへの取付構造を示す
図。
【図19】(A)は図18に示すロータリコンプレッサ
の密閉ケースに固定される固定フレームを示す平面図、
(B)および(C)は上記固定フレームに固定されるシ
リンダとこのシリンダに固定されるメインベアリングを
それぞれ示す平面図。
【符号の説明】
10,10A 冷凍サイクル 11,11A ロータリコンプレッサ 12 四方切換弁 13 室外側熱交換器 14 減圧装置 15 室内側熱交換器 16 アキュムレータ 20 密閉ケース 20a 本体ケース部 20b,20c カバーケース部 21 電動機 22 ロータリ式圧縮機械 23 固定子(ステータ) 34 回転子(ロータ) 25 回転軸 26 固定子巻線 29 電源端子 30 固定フレーム 30a 固定部 30b 内周フランジ部 31 メインベアリング 31a ボス部 31b フランジ部 32 サブベアリング 32a ボス部 32b フランジ部 33 シリンダブロック(シリンダ) 35 シリンダ室 36 ピストンローラ 38 サクションパイプ 40,41 吐出室 42 連接ポート 44 潤滑油(冷凍機油) 45 オイルポンプ 47 リブ部 48 固定孔 50 ブレード溝 55 発泡体 60 コンデンサ 61 減圧装置 62 エバポレータ 63 サクションパイプ 66 蒸発パイプ 67 サブコンデンサ 68 オイルクーラ 69 メインコンデンサ 70 クリーンパイプ 72 キャピラリチューブ 77 本体ケーシング 78 機械室 85 オイルポンプ 91,95 支持装置
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケース内に電動機と、この電動機に
    よって駆動されるロータリ式圧縮機械を収容したロータ
    リコンプレッサにおいて、前記密閉ケースの内側に固定
    フレームを設け、この固定フレームにロータリ式圧縮機
    械のメインベアリングのフランジ部とシリンダを、周方
    向に間隔をおいた複数箇所で共締めにより固定したこと
    を特徴とするロータリコンプレッサ。
  2. 【請求項2】 メインベアリングのフランジ部は半径方
    向に突出する複数のリブ部を有し、上記リブ部に共締め
    用固定孔を穿設した請求項1記載のロータリコンプレッ
    サ。
  3. 【請求項3】 メインベアリングはフランジ部外径を密
    閉ケースの内径とほぼ同一に形成した請求項1記載のロ
    ータリコンプレッサ。
  4. 【請求項4】 ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑する
    潤滑油にエステル系油を含む冷凍機油を用いた請求項1
    ないし3のいずれかに記載のロータリコンプレッサ。
  5. 【請求項5】 ロータリ式圧縮機械で圧縮されるコンプ
    レッサ用冷媒にR134a等のHFC単独冷媒あるいは
    HFC混合冷媒またはR22等のHCFC冷媒を用いた
    請求項1ないし3のいずれかに記載のロータリコンプレ
    ッサ。
  6. 【請求項6】 ロータリ式圧縮機械の摺動部を潤滑する
    潤滑油にエステル系油を含む冷凍機油を、上記圧縮機械
    で圧縮されるコンプレッサ用冷媒にR134a等のHF
    C単独冷媒あるいはHFC混合冷媒またはR22等のH
    CFC冷媒をそれぞれ用いた請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のロータリコンプレッサ。
  7. 【請求項7】 コンプレッサ,コンデンサ,減圧装置お
    よびエバポレータを順次接続して構成される冷凍サイク
    ルを備えた冷蔵庫において、前記冷凍サイクルのコンプ
    レッサに請求項1ないし6のいずれかに記載のロータリ
    コンプレッサを用いたことを特徴とする冷蔵庫。
  8. 【請求項8】 コンプレッサ,コンデンサ,減圧装置お
    よびエバポレータを順次接続して構成される冷凍サイク
    ルを備えた冷凍装置において、前記冷凍サイクルのコン
    プレッサに請求項1ないし6のいずれかに記載のロータ
    リコンプレッサを用いたことを特徴とする冷凍装置。
  9. 【請求項9】 コンプレッサ,室外側熱交換器,減圧装
    置および室内側熱交換器からなる冷凍サイクルを備えた
    空気調和機において、前記冷凍サイクルのコンプレッサ
    に請求項1ないし6のいずれかに記載のロータリコンプ
    レッサを用いたことを特徴とする空気調和機。
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