JPH1163789A

JPH1163789A - 冷蔵庫

Info

Publication number: JPH1163789A
Application number: JP22333797A
Authority: JP
Inventors: Jun Tozaki; 準戸崎; Kazuhisa Ichimoto; 和久市本; Seiichi Abe; 誠一阿部; Hirokatsu Kosokabe; 弘勝香曽我部
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1997-08-20
Filing date: 1997-08-20
Publication date: 1999-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】騒音振動が小さく、消費電力量の少ない冷蔵庫
を提供する。【解決手段】シリンダ内を旋回運動して吸込、圧縮を行
なう容積形流体圧縮機を搭載した冷蔵庫に於いて、圧縮
機、凝縮器、およびこれ等を冷却するための冷却ファン
を冷蔵庫背面底部の機械室空間に据付あるいは懸架して
配設し、更に前記冷却ファンと機械室内に設けられた仕
切板、機械室底面ベースにあけられた複数個の穴により
通風路を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はピストンを旋回運動
させることにより、シリンダとピストンの間に複数の空
間が形成される容積形流体圧縮機を搭載した冷蔵庫に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来冷蔵庫に使用する圧縮機としては、
レシプロ式、あるいはロータリ式の圧縮機が主流であっ
た。

【０００３】しかし、レシプロ式圧縮機はピストン往復
運転に起因する振動増大や圧縮工程が軸回転角度１８０
°と短いため、圧縮機内での圧力損失が大きくなる等の
問題が知られていた。

【０００４】一方ロータリ式圧縮機については、軸回転
１回毎に圧縮−吐出を繰り返すため、圧縮トルクの変動
が大きく、モータの出力アップが必要となり、モータ効
率の低下や騒音、振動の増加という問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】これらの問題に対処す
べく、近年スクロール式圧縮機が提案されているが、該
圧縮機は圧縮トルクの変動が小さく、騒音、振動が小さ
く出来るという利点がある反面、形状が複雑で固定スク
ロールと旋回スクロールの間のクリアランスを適正な数
値に確保するために加工費の増大を生じ、特に冷蔵庫用
圧縮機のように圧縮比の高い状態で使用されるものに
は、圧縮機を介して冷蔵庫への振動の伝幡、騒音の増
大、消費電力量の増加などの問題があり、必ずしも最適
な使用状態とは言えない。

【０００６】一方冷蔵庫については、地球環境保護の観
点から冷凍サイクルに使用する冷媒がＣＦＣ（クロロフ
ルオロカーボン）−１２等が規制され、オゾン層破壊能
力のないＨＦＣ（ハイドロフルオロカーボン）−１３４
ａが使用されている。

【０００７】しかし現状では、ＨＦＣ−１３４ａについ
ても地球温暖化係数が高く、更なる改善冷媒の候補とし
てＨＣ（ハイドロカーボン）系の冷媒の採用が考えられ
ている。

【０００８】ここで、前記冷媒ＨＦＣ−１３４ａを使用
した場合、ＣＦＣ−１２を用いた冷凍サイクルに対し
て、冷媒物性の影響で圧縮機の１回転当たりの押除け量
を大きくする必要がある。

【０００９】また、ＨＣ系冷媒を用いた冷凍サイクルに
於いて、例えばイソブタンを使用した場合はＣＦＣ−１
２使用の冷凍サイクルと同等の冷却性能を得るために
は、圧縮機のシリンダ容積を約２倍に大きくする必要が
あり、必然的に騒音振動の増大、消費電力量の増加とい
う問題点が生じてくる。

【００１０】本発明の目的は、高効率で高い信頼性を有
する旋回ピストン使用の容積形流体圧縮機を冷蔵庫に搭
載し、圧縮機および凝縮器を冷却するための冷却ファン
および前記凝縮器の配列、配置を適切に行うことによ
り、騒音振動が小さく、消費電力量の少ない冷蔵庫を提
供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、シリンダ
内のピストンを自転することなく旋回運動させることに
より、複数個の空間で吸込、圧縮を繰り返す容積形流体
圧縮機を搭載した冷蔵庫に於いて、前記圧縮機、凝縮
器、およびこれ等を冷却するための冷却ファンを冷蔵庫
背面底部の機械室空間に据付あるいは懸架して配設し、
更に前記冷却ファンと機械室内に設けられた仕切板、機
械室底面ベースにあけられた複数個の穴により形成され
た通風路内に配設された圧縮機および凝縮器を効率よく
冷却することにより達成される。

【００１２】さらには、冷蔵庫背面上部に略Ｌ字形空間
を設けて、前記圧縮機を設置し、該圧縮機のカバーとし
て構成された箱体の側面および背面に切口先端が斜め下
向きに延在する複数個のスリットと、該箱体の冷蔵庫上
面前側先端を上向きに折り曲げることにより達成され
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図１から
図９に従い順次説明する。図１は本発明に係る冷蔵庫に
使用する圧縮機のポンプ部横断面図であり、圧縮機１の
外殻容器（図示せず）内に固着配設されたシリンダ２
と、該シリンダ内に収納配置されるピストン３で構成さ
れ、該ピストン中心が電動器と接続された回転軸（図示
せず）の回転中心４に対し偏心量との距離を保った状態
でシリンダ内を自転することなく旋回運動を行い、回転
軸の回転により圧縮機空間７が規則的に変化し吸込圧縮
を繰返し、吸込ポート５から吸込まれた冷媒ガスを吐出
ポート６に吐出させるように構成されている。

【００１４】このような構成の容積形圧縮機において
は、圧縮機ポンプ部分が軸心とほぼ垂直な同一の断面部
分に複数個の作動流体の圧縮室を形成しているため、同
一の容積で駆動される他の圧縮機と比べて圧縮室の高さ
を小さくできる。また、複数個の圧縮室において圧縮−
吸込を繰り返すため、ピストンが旋回する際に発生する
圧縮機のトルクの変動を小さくなるので、この圧縮トル
クを打ち消すために必要な電動器のトルクを小さくする
ことができるのでトルクの小さなより小型の電動器が適
用できる。このために、本発明に係る容積形圧縮機は、
ポンプ部、電動器部とも従来技術による圧縮機より小さ
く、結果として圧縮機の外形寸法を小さくできる。

【００１５】かかる構成を持った圧縮機を用いた冷凍サ
イクルの構成を図２に示す。即ち、前記圧縮機１、凝縮
器８、ドライヤ９、キャピラリチュープ１０および蒸発
器１１を直列閉回路に形成し、圧縮機１および凝縮器８
を冷やすための冷却ファン１２を適宜配置している。

【００１６】図３から図９は本発明の実施例を示す。図
３は冷蔵庫背面底部のベース１３上に前記冷却ファン１
２、圧縮機１、凝縮器８を直列に配置し、その周囲を前
側に仕切板１４、背面側を背面カバー１７で覆い通風路
を形成する。更に、冷却ファン１２のファン本体部にマ
ウスリング１５、ベース１３の底面に通気穴１６を設
け、圧縮機１、凝縮器８への冷却を効率よく行うように
した。なお、凝縮器８の高さ寸法は圧縮機１の高さ以
上、即ちベース１３の上面から冷蔵庫本体底面（図示せ
ず）の空間部の範囲で自由に設定出来る。また、ベース
１３の圧縮機モータ側外壁面から離れた位置に設けられ
た通気穴１６は２０ｍｍ〜５０ｍｍ程度の複数の穴であ
る。

【００１７】図４は図３に示した配置において、凝縮器
８を略コの字形３面体に形成し、該凝縮器８の上面部８
ａ，前面部および背面部８ｂで前記圧縮機１を覆うよう
に構成したものである。ここで凝縮器８ａ，８ｂの下端
部を図の如く延長した延在部８ｃを設け、ベース１７に
機械的に固定する本発明に係る容積形圧縮機では、従来
の圧縮機より小型化することができるため、上記のよう
な構造の機械室を構成でき、この場合には冷蔵庫の幅方
向の寸法が大巾に削除可能となる。

【００１８】図５および図６は別の一実施例である。即
ち、圧縮機１を冷蔵庫背面底部機械室内の側面側にその
軸芯を冷蔵庫前後方向と略平行に配設し、機械室中央部
に凝縮器８、圧縮機と反対側の側面に冷却ファン１２を
配置し、仕切板１４及び背面カバー１７により通風路を
形成する。

【００１９】かかる構造に於いては、機械室中央に配置
される凝縮器８の収納部が広く、大形の凝縮器の設置が
可能である。現在の典型的な冷蔵庫では、図３に示すご
とく冷蔵庫の背面側の底部に圧縮機１、凝縮器８等を配
設しているが、冷蔵庫を十分に冷却するに必要な圧縮機
の容積を確保する上で、凝縮器の冷媒通路の一部をベー
ス１３や冷蔵庫の外箱に接触させて配設して、凝縮器で
の凝縮不足を補っている。このため配管が冷蔵庫の外箱
と内箱との間の発泡断熱材の中に配設されることにな
り、この配管のため廃棄された冷蔵庫の分解やリサイク
ルに大きな困難が生じていた。本発明では圧縮機を小型
化することにより、凝縮器を大きくして集約化すること
が可能となり、このため冷蔵庫の省電力化と同時に、廃
家電に有利な構造にすることができる。

【００２０】図７は冷蔵庫本体１８の前側に扉１９、背
面側底面に機械室を形成する空間部を設けた冷蔵庫に於
いて、圧縮機１を包み込むように断面中央部が略円形で
一方の端部を上方に延在させた保持部材２０により、該
保持部材の円形断面部に前記圧縮機１を収納し、上方に
伸びた延材部２０ａを冷蔵庫本体背面部に機械的に密着
固定させて圧縮機１を機械室内に懸架保持させる。

【００２１】かかる構造に於いては、圧縮機１と保持部
材２０間の接触面、および冷蔵庫本体背面と前記延材部
の接触面間における熱授受により、圧縮機１の冷却を可
能ならしめ、また圧縮機１を機械室空間に懸架保持する
ことにより、圧縮機１からの振動伝幡の低減、および機
械室内残金の空間への凝縮器の配置が可能となる。

【００２２】図８および図９は本発明の第４の実施例で
ある。即ち、冷蔵庫本体１８の背面上部に断面が略Ｌ字
形の空間部２１を設け、その空間部に圧縮機１を配置す
る。更に、前記圧縮機を覆うために設けられた４面体か
らなる箱形のカバー２２を配置する。ここで前記箱形カ
バー２２の冷蔵庫背面部および左右側面部に複数のスリ
ット２３を設け、該スリット２３の切起し先端部２３ａ
を縮め下方向に向けて延在させる。また、カバー２２の
上面部の前方先端部２４を斜め上方に折り曲げて、冷蔵
庫本体天井面との間に隙間を作り、冷蔵庫背面および両
側面に設けられたスリット２３から空気をダクト効果で
カバー内に吸い込み、圧縮機１を冷却した後、前記先端
部２４を冷蔵庫本体天井面の隙間から前方に吐出させる
構成とした。この際にカバー２２内に進入した空気は圧
縮機を冷却することで温度が上昇し、カバー２２内部を
前記先端部２４の方向へ上昇しつつ移動して、冷蔵庫本
体天井面と先端部２４との隙間から外部へ排出される。
こうして空気が常にスリット２３から進入して圧縮機１
周囲を流れて冷蔵庫天井面と先端部２４との隙間から出
て行くようにすることができ、圧縮機１を冷蔵庫本体１
８の背面上部に配置した場合でも確実に冷却できる。

【００２３】また、近年冷蔵庫の大形化に伴い、冷蔵庫
本体高さが高くなり、冷蔵庫上段奥側については食品の
出し入れする際に使用者から最も遠い位置にあるため、
貯蔵物の出し入れに不都合があったが、上記の構造によ
れば、圧縮機１を冷蔵庫本体上部背面に配置することに
より、前記デットスペースの有効活用が図れるととも
に、従来の冷蔵庫に設けられた冷蔵庫背面底部の機械室
が不要となり、内容積の増加に寄与できる。

【００２４】更に、前記圧縮機をインバータ駆動方式と
し、該圧縮機の運転回転数範囲を低速側，高速側ともに
拡大する、すわなち運転回転数領域を、５０Ｈｚより低
回転側、および６０Ｈｚよりも高回転側に拡大すること
により、圧縮機低速運転に於ける低騒音と省電力化、高
速運転による冷蔵庫の急冷却、急冷凍等の機能向上に寄
与出来る。

【００２５】一方、本発明の諸形態の冷蔵庫に於いて、
冷凍サイクルに使用する冷媒としてＨＣ系冷媒を使用す
ることにより、冷蔵庫廃棄時に於ける冷媒放出による地
球環境破壊の防止に対しても寄与出来る冷蔵庫となり得
る。

【００２６】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されているような効果が期待でき
る。

【００２７】（１）旋回ピストン式圧縮機の採用によ
り、高効率、高信頼性の圧縮機が得られ、冷蔵庫機械室
内に於ける通風構造の改良と相俟って消費電力量の少な
い冷蔵庫が提供出来る。

【００２８】（２）凝縮器を略コの字形に形成し、圧縮
機覆う構造に於いては、冷蔵庫の横幅方向寸法を縮小す
ることが出来、スリムタイプの冷蔵庫の提供ができる。

【００２９】（３）圧縮機を冷蔵庫側面側に寄せ、圧縮
機軸芯を冷蔵庫の前後方向に配設してなる構造に於いて
は、機械室中央に配置する凝縮器の大形化が図れ、高効
率で消費電力の少なく、且つ凝縮器の集約化により廃家
電対応に適した冷蔵庫が提供出来る。

【００３０】（４）圧縮機を機械室内に弾性的に懸架す
る構造を採用すれば、冷蔵庫の低振動化、凝縮器の増強
による省電力化が図れる。

【００３１】（５）圧縮機を冷蔵庫背面上部に設置する
ことにより、従来設けられていた底面機械室が不要とな
り、内容積の大きい冷蔵庫が提供出来る。

【００３２】（６）圧縮機をインバータ駆動方式にする
ことにより、低騒音，省電力化および急冷却，急冷凍等
機能アップが図れる。

【００３３】（７）冷凍サイクルに使用する冷媒とし
て、ＨＣ冷媒を使用することにより、地球環境保護対応
の冷蔵庫が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に使用する圧縮機のポンプ部分の横断面
図。

【図２】本発明冷蔵庫の冷凍サイクル構成図。

【図３】本発明の一実施例である。

【図４】本発明の他の実施例である。

【図５】本発明の他の実施例である。

【図６】本発明の他の実施例である。

【図７】本発明の他の実施例である。

【図８】本発明の他の実施例である。

【図９】本発明の他の実施例である。

【符号の説明】

１・・・圧縮機、２・・・シリンダ、３・・・ピスト
ン、４・・・シリンダ回転中心、４ａ・・ピストン回転
中心、５・・・吸込ポート、６・・・吐出ポート、７・
・・圧縮室空間、８・・・凝縮器、９・・・ドライヤ、
１０・・・キャピラリチューブ、１１・・・蒸発器、１
２・・・冷却ファン、１３・・・ベース、１４・・・仕
切板、１５・・・マウスリング、１６・・・通気穴、１
７・・・背面カバー、１８・・・冷蔵庫本体、１９・・
・扉、２０・・・保持部材、２１・・・Ｌ字形空間、２
２・・・カバー、２３・・・スリット、２４・・・前側
先端部である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者香曽我部弘勝茨城県土浦市神立町502番地株式会社日立製作所機械研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポンプ部品としてシリンダとピストンを配
置して、回転軸の回転中心に前記ピストン中心を合わせ
たときに、シリンダ内壁面をピストン外壁面によりひと
つの空間が形成され、前記ピストンがシリンダ内を旋回
運動させたときに、シリンダとピストン間に複数の空間
が形成される容積形流体圧縮機を用い、冷却用ファン、
該圧縮機、および冷蔵庫の冷凍サイクルを構成する凝縮
器を直列に配設したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項２】前記圧縮機を冷蔵庫背面底部の機械室内
に、その軸芯を冷蔵庫の扉面と略平行になるように配設
し、該圧縮機のポンプ部品側に冷却用ファンを、また凝
縮器を該圧縮機のモータ側に配設したことを特徴とする
請求項１記載の冷蔵庫。
【請求項３】前記圧縮機を冷蔵庫背面底部の機械室側面
に、その軸芯を冷蔵庫扉面と略直角になるように配設
し、機械室中央に凝縮器、圧縮機と反対側の側面に冷却
用ファンを配設したことを特徴とする請求項１記載の冷
蔵庫。
【請求項４】前記圧縮機を冷蔵庫背面上部に形成された
略Ｌ字形の空間部に、その軸芯が冷蔵庫扉面と略平行に
なるように設置し、該圧縮機を覆うために設けられた箱
形カバーの左右側面および背面側に複数のスリットを付
け、該スリットの切起し先端を斜め下方に向けて延在さ
せ、且つ、該カバー上面部在の冷蔵庫前面側端部を上方
に折り曲げて冷蔵庫箱体と前記カバー前側に隙間を設け
たことを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。