JPH07228581A - ジハロゲン化プロスタサイクリン類中間体およびその製造方法 - Google Patents

ジハロゲン化プロスタサイクリン類中間体およびその製造方法

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JPH07228581A
JPH07228581A JP6020450A JP2045094A JPH07228581A JP H07228581 A JPH07228581 A JP H07228581A JP 6020450 A JP6020450 A JP 6020450A JP 2045094 A JP2045094 A JP 2045094A JP H07228581 A JPH07228581 A JP H07228581A
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carbon atoms
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JP6020450A
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Yasushi Matsumura
靖 松村
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】7位にハロゲン原子を2個有するジハロゲン化
プロスタサイクリン類の合成中間体として有用な化合
物、その製造方法、およびその化合物を用いるジハロゲ
ン化プロスタサイクリン類の製造方法を提供する。 【構成】一般式(1)で表される化合物(ただし、X
1 、X2 はフッ素原子等のハロゲン原子、R4 、R5
水酸基の保護基等、Qはプロスタサイクリン類のα鎖に
対応する有機基等を表す)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジハロゲン化プロスタ
サイクリン類の製造に有用な新規な化合物、その製造方
法、およびその化合物を用いたジハロゲン化プロスタサ
イクリン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然型のプロスタサイクリン(PGI
2 )は、生体内において強力な生理活性、例えば血小板
凝集抑制活性、血管拡張活性、細胞保護作用などを有す
る局所ホルモンであり、生体内において様々な細胞機能
を調節する重要な因子である。
【0003】しかし、天然型PGI2 は、分子内に非常
に分解されやすいビニルエーテル結合を有するため、中
性または酸性条件下では容易に失活する性質がある。例
えば、pH7.48の水溶液中での半減期は、わずかに
10.5分である。このため、プロスタサイクリン化合
物を医薬品として用いようとする場合、化合物が化学的
に不安定性であるために、応用範囲が限定される問題が
ある。そこで天然型と同様の生理活性を有し、かつ、化
学的に安定なプロスタサイクリン誘導体の開発が鋭意検
討されている。
【0004】現在までに、化学的に安定なプロスタサイ
クリン誘導体を合成するため、プロスタサイクリンの構
造中にハロゲン原子を導入する試みがなされている。こ
のようなプロスタサイクリン誘導体としては、7位にハ
ロゲン原子を有するプロスタサイクリン類の製造方法が
報告されている(特表昭56−501319号公報、特
開昭57−165382号公報、特開昭57−1719
88号公報、特開昭61−91136号公報、特開昭6
2−482号公報、特開平5−9184号公報、特公平
3−14030号公報、特公平3−47272号公報、
特公平1−24147号公報)。しかし、これらの製造
方法は、いずれも厳しい反応条件を用いるために、反応
の制御が困難であり、また、一般性のない方法である欠
点を有していた。このため、プロスタサイクリン骨格の
7位にハロゲン原子を有するプロスタサイクリン誘導体
の実用的な製造法の開発が強く望まれていた。
【0005】また、USP4,317,906号明細
書、および特表昭56−501319号公報には、ジフ
ルオロプロスタサイクリン類の製造方法が記載されてい
る。これらの方法は、いずれも、対応するジフルオロプ
ロスタグランジンF2 類を原料として用い、環化反応に
よってジフルオロプロスタサイクリン類を製造してい
る。しかし、原料のジフルオロプロスタグランジンF2
類の合成は、多段階を要し、非常に困難で、かつ繁雑で
ある欠点がある。特に、電子吸引性のフッ素原子を2個
有するプロスタグランジンF2 類の環化反応は、天然型
のプロスタグランジンF2 類の環化反応と異なり、著し
く反応性が低く、反応に長時間を要したり、反応収率が
低いなどの問題があり、実際上困難な製造方法である等
の問題点を有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の欠点や問
題点を解決するためになされたものである。本発明者ら
は、ジハロゲン化プロスタサイクリン類の重要な中間
体、およびそれを効率的に製造する実用的な製造方法を
見出した。本発明は、プロスタサイクリン骨格の7位に
ハロゲン原子2個を有する7,7−ジハロゲン化プロス
タサイクリン類の製造に有用な化合物2種、それら化合
物の製造方法、およびこの7,7−ジハロゲン化プロス
タサイクリン類の製造方法に関する下記の発明である。
【0007】一般式(1)で表される化合物。一般式
(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類。一般式
(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類に、一般式
(3)で表される有機金属化合物を付加反応せしめ、脱
水することによる、一般式(1)で表される化合物の製
造方法。
【0008】一般式(4)で表されるモノハロゲン化ラ
クトン類をハロゲン化反応せしめることによる一般式
(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類の製造方法。
一般式(1)で表される化合物を一般式(5)で表され
る化合物に変換し、一般式(6)で表される化合物と反
応せしめた後、還元することによる一般式(7)で表さ
れるジハロゲン化プロスタサイクリン類の製造方法。
【0009】
【化12】
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】
【化15】
【0013】
【化16】
【0014】
【化17】
【0015】
【化18】
【0016】(ただし、一般式(1)〜(7)におい
て、A:エチレン基、ビニレン基、またはエチニレン
基、Q:置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル
基、置換または非置換の炭素数1〜10のアルケニル
基、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキニル
基、置換または非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル
基、置換または非置換のアルアルキル基、あるいは置換
または非置換のアリール基、R1 :置換または非置換の
炭素数1〜10のアルキル基、置換または非置換の炭素
数1〜10のアルケニル基、置換または非置換の炭素数
1〜10のアルキニル基、置換または非置換の炭素数3
〜8のシクロアルキル基、置換または非置換のアルアル
キル基、あるいは、置換または非置換のアリールオキシ
基、
【0017】R2 、R4 、R5 :それぞれ独立に、水素
原子または保護基、R6 :低級アルキル基、X1 、X
2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、M:金属原子、
L:金属配位子、m:1〜8の整数、n:0〜10の整
数、を表す。)
【0018】本明細書の以下の説明において、有機基が
「低級」とは炭素原子1〜6個を意味する。より好まし
い低級の有機基は炭素数1〜4の有機基である。「アル
キル基」は直鎖状または分岐状のいずれでもよく、特に
言及しない限り低級アルキル基が好ましい。その適当な
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、「アルケ
ニル基」としては、特に言及しない限り低級アルケニル
基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6、不飽和
基1個の直鎖状あるいは分岐状のアルケニル基であり、
その適当な例としては、ビニル基、アリル基、1−プロ
ペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、3−ペ
ンテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。「アル
キニル基」としては、特に言及しない限り低級アルキニ
ル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜6、不飽
和基1個の直鎖状あるいは分岐状のアルキニル基であ
り、その適当な例としては、1−プロピニル基、2−プ
ロピニル基、イソプロピニル基、3−ブチニル基、3−
ペンチニル基、4−ヘキシニル基等が挙げられる。
【0019】「アルコキシル基」としては、低級アルコ
キシル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4の
直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基であり、その適
当な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などが挙げられる。「アルコキシアルキ
ル基」としては、そのアルコキシル基部分が低級アルコ
キシル基である低級アルキル基が好ましく、その適当な
例としては、メトキシエチル基、3−メトキシプロピル
基、2−エトキシエチル基などが挙げられる。
【0020】さらに、「ハロゲン原子」とは、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。「ア
リール基」とは1価の芳香族炭化水素基をいい、置換基
(例えば、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコ
キシル基、低級アルキルアミノ基など)を有していても
よく、好ましくはフェニル基やその誘導体であり、例え
ば、フェニル基、トリル基、p−ハロフェニル基(例え
ばp−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基な
ど)、アルコキシフェニル基(例えば、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基など)などが挙げられる。ま
た「アルアルキル基」とはアリール基置換アルキル基を
いい、置換基としてのアリール基としては上記のものが
挙げられ、またアルキル基の炭素数は1〜4が好まし
い。その適当な例としては、ベンジル基、ベンズヒドリ
ル基、トリチル基、フェネチル基などが挙げられる。
【0021】「保護基」とは、水酸基、カルボキシル
基、ホルミル基などの反応性のある官能基を一時的に保
護するための基であり、一般式(1)、(2)、
(4)、(5)などの最終目的物を製造するための中間
体においては、次に反応を行う官能基を除き、多くの場
合官能基は保護されていることが必要である。例えば水
酸基の保護基としては、トリオルガノシリル基、アシル
基、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルアルキル
基などがある。
【0022】本発明におけるAは、エチレン基、ビニレ
ン基、またはエチニレン基であり、ビニレン基またはエ
チニレン基が好ましく、特に天然型PGI2 のAに対応
するものと同様のビニレン基が最も好ましい。
【0023】本発明におけるQとしては、天然型PGI
2 のα鎖に対応する有機基や種々のPGI2 類のα鎖に
対応する有機基が好ましい。このような有機基としては
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケ
ニル基、炭素数1〜10のアルキニル基、環の炭素数3
〜8のシクロアルキル基、フェニル基などのアリール
基、および種々の置換基を有するこれらの基がある。こ
の置換基としてはシクロアルキル基やアリール基であっ
てもよく、例えば、シクロアルキル基置換アルキル基、
シクロアルキル基置換アルケニル基、アリール基置換ア
ルケニル基などであってもよい。また鎖状有機基の炭素
原子が酸素原子や硫黄原子に置換された有機基、あるい
は鎖状有機基の間にシクロアルキレン基やアリーレン基
などの環を有する有機基であってもよい。
【0024】Qにおける置換基としては上記の置換基の
ほかハロゲン原子、酸素原子含有置換基、硫黄原子含有
置換基、窒素原子含有置換基、その他のものがある。好
ましいQは、末端にカルボキシル基その他の極性置換基
や極性置換基に変換し得る有機基である。極性置換基と
しては、酸素原子含有極性置換基(カルボキシル基、ホ
ルミル基、および水酸基が好ましい)、およびそれらの
基に変換し得る基が好ましく、特にカルボキシル基とカ
ルボキシル基に変換し得る基が好ましい。特に好ましい
Qは、後述の−B−Zで表される極性置換基や極性置換
基に変換し得る基であるZを有する有機基である。
【0025】本発明におけるR1 としては、天然型PG
2 のω鎖部分に対応する有機基や種々のPGI2 類の
ω鎖部分に対応する有機基が好ましい。このような有機
基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基、環
の炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基などの
アリールを有するアリールオキシ基、および種々の置換
基を有するこれらの基がある。この置換基としてはシク
ロアルキル基やアリール基であってもよく、例えば、シ
クロアルキル基置換アルキル基、シクロアルキル基置換
アルケニル基、アリール基置換アルケニル基などであっ
てもよい。また鎖状有機基の炭素原子が酸素原子や硫黄
原子に置換された有機基、あるいは鎖状有機基の間にシ
クロアルキレン基やアリーレン基などの環を有する有機
基であってもよい。R1 における置換基としては上記の
置換基のほかハロゲン原子、酸素原子含有置換基、硫黄
原子含有置換基、窒素原子含有置換基、その他のものが
ある。
【0026】鎖状のR1 としては炭素数3〜8のアルキ
ル基、炭素数3〜8のアルケニル基、および炭素数3〜
8のアルキニル基であり、特に5〜6の直鎖状のこれら
の基およびそのモノメチルあるいはジメチル置換体であ
る。具体的なこれらの基としては、n−プロピル、n−
ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、
n−オクチル、n−デシル、1−メチルペンチル、1,
1−ジメチルペンチル、1−メチルヘキシル、2−メチ
ルペンチル、2−メチルヘキシル、3−ペンテニル、1
−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−3−ヘキセニ
ル、1,1−ジメチル−3−ペンテニル、1,1−ジメ
チル−3−ヘキセニル、2−メチル−3−ペンテニル、
2−メチル−3−ヘキセニル、3−ペンチニル、1−メ
チル−3−ペンチニル、1−メチル−3−ヘキシニル、
2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−3−ヘキシ
ニル、1,1−ジメチル−3−ペンチニル、1,1−ジ
メチル−3−ヘキシニル等が挙げられる。これらのう
ち、n−ペンチル、2−メチルヘキシル、1−メチル−
3−ペンチニル、1−メチル−3−ヘキシニル、1,1
−ジメチル−3−ヘキシニル基が好ましい。
【0027】置換または非置換のシクロアルキル基であ
るR1 としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基およ
び低級アルキル置換のそのシクロアルキル基が好まし
く、特に非置換シクロペンチル基、非置換シクロヘキシ
ル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシクロペ
ンチル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシク
ロヘキシル基が好ましい。
【0028】置換または非置換のアルアルキル基である
1 としては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、
アルコキシ基、水酸基等で置換されたベンゼン環、フラ
ン環、チオフェン環、ナフタレン環等を含むアルアルキ
ル基が好ましい。アルアルキル基のアルキル部分(即
ち、アルキレン基)の炭素数は1〜4が好ましい。特に
好ましいアルアルキル基は、フェニル基を有する炭素数
1〜2のアルキル基である。
【0029】置換または非置換のアリールオキシ基であ
るR1 としては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル
基、アルコキシ基、水酸基等で置換されたベンゼン環、
フラン環、チオフェン環、ナフタレン環等を含むアリー
ルオキシ基が好ましい。特に好ましいアリールオキシ基
はフェノキシ基である。
【0030】上記以外のR1 としては、置換アルキル基
の1種である前記シクロアルキル基で置換された炭素数
1〜4のアルキル基が好ましい。このシクロアルキル基
としてはシクロペンチル基とシクロヘキシル基が好まし
く、このアルキル基としては炭素数1〜2のアルキル基
が好ましい。
【0031】R2 、R4 、R5 は、それぞれ独立に、水
素原子または保護基であり、一般式(7)で表わされる
化合物が最終的な目的化合物(即ち、生理活性を有する
ジハロゲン化プロスタサイクリン類)である場合を除
き、いずれも保護基であることが好ましい。一般式
(7)で表わされる化合物においても、それを合成した
当初はR2 、R4 は通常保護基であり、その後脱保護し
て最終的な目的化合物を得る。またある合成法において
は、R2 が水素原子である一般式(7)で表される化合
物が得られる(後述の合成法参照)。
【0032】R2 、R4 、R5 がそれぞれ保護基(水酸
基の保護基)である場合、保護基としては、特に限定さ
れず、水酸基の保護基として用いられる公知ないしは周
知の保護基が採用できる。これら保護基は同一であって
も異なっていてもよい。保護基としては、例えば、トリ
オルガノシリル基、アシル基、アルキル基、アルアルキ
ル基、環状エーテル基などがある。これらの保護基は目
的に応じて採用される。例えば、2個の保護基を有する
化合物の一方の保護基のみを選択的に脱保護する必要が
ある場合には反応性の異なる保護基を用いることが好ま
しいからである。具体的には例えば、R2 やR5 はトリ
オルガノシリル基やアシル基が好ましく、R4 は環状エ
ーテル基やトリオルガノシリル基(他の保護基がトリオ
ルガノシリル基の場合、それとは異なる反応性を有する
もの)が好ましい。
【0033】トリオルガノシリル基は、アルキル基、ア
リール基、アルアルキル基、アルコキシル基などの有機
基がケイ素原子に3個結合した基であり、特に低級アル
キル基あるいはアリール基から選ばれる少なくとも1種
の基を3個有するトリオルガノシリル基が好ましい。具
体的には例えば、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基などが好ま
しい。
【0034】アシル基としては、アセチル基やベンゾイ
ル基が好ましく、環状エーテル基としてはテトラヒドロ
ピラニル基やテトラヒドロフラニル基が好ましい。ま
た、置換を有していてもよいアルキル基やアルアルキル
基としては、メトキシメチル基、1−エトキシエチル
基、2−メトキシエトキシメチル基などのアルコキシア
ルキル基、およびベンジル基、メトキシベンジル基、ト
リチル基などがある。
【0035】上記のような水酸基の保護基、常法により
水酸基へ変換できる。例えば、「新実験化学講座14有
機化合物の合成と反応(I)、(II)、(V)」(丸
善)、「プロテクティブ グループス イン オーガニ
ック シンセシス」(T.W.Greene著、J.W
iley&Sons)等の成書に記載の方法により、容
易に水酸基へ変換できる。
【0036】R6 は低級アルキル基であり、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基などがあり、特にメ
チル基やエチル基が好ましい。
【0037】本発明におけるX1 とX2 は、それぞれ独
立に、ハロゲン原子であり、フッ素原子あるいは塩素原
子が好ましく、特にいずれもフッ素原子が好ましい。Y
も同様にフッ素原子あるいは塩素原子が好ましく、特に
フッ素原子が好ましい。
【0038】一般式(3)で表される有機金属化合物に
おいて、Mは金属原子を表し、Lは金属配位子を表す。
m、nは金属原子の種類や金属配位子の種類によって決
定される整数であり、mは1〜8の整数であり、nは0
〜10の整数である。mは1〜4、特に1〜2が好まし
く、nは0〜4、特に0〜2が好ましく、m+nは1〜
3が好ましい。Qは前記したQであり、特に後述の−B
−Zであることが好ましい。
【0039】金属原子Mとしては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ホウ素、ア
ルミニウム、ケイ素等の金属、および亜鉛、銅、鉄、チ
タン、ジルコニウム、マンガン、スズ、コバルト、ニッ
ケル、セリウム、サマリウム等の遷移金属が挙げられ
る。これらのうち、リチウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、ホウ素、アルミニウム、亜鉛、銅が好ましい。特
に、好ましいMはリチウム、マグネシウム、アルミニウ
ム、および亜鉛である。
【0040】金属配位子Lとしては特に限定されず種々
の金属配位子が用いられるが、塩素、臭素、ヨウ素、フ
ッ素等のハロゲン原子、硫黄やリンなどのヘテロ元素を
含んだ配位子、アルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基などの有機配位子等が好ましい。特に
好ましいLは、塩素、臭素、低級アルキル基(特に炭素
数1〜4のアルキル基)、およびフェニル基である。
【0041】一般式(6)で表される化合物は、一般式
(1)で表される本発明の化合物に(一般式(5)で表
される化合物を経て)いわゆるω鎖を導入するための化
合物である。この一般式(6)で表される化合物は前記
1 とR6 とを有する。
【0042】前記のように、Qとしては−B−Zで表さ
れる1価の有機基が好ましい。Zは極性基または極性基
に変換し得る基(例えば保護された極性基)であり、B
は2価の有機基である。Zとしては、カルボキシル基、
カルボキシル基に変換し得る基(以下、カルボキシル基
の類縁基という)、ホルミル基、保護されたホルミル
基、水酸基、保護された水酸基等が好ましい。特に、一
般式(7)で表される化合物中の最終的な目的化合物
(即ち、生理活性を有するジハロゲン化プロスタサイク
リン類)である場合を除き、Zとしてはカルボキシル基
の類縁基であることが好ましい。最終的な目的化合物に
おいては、Zはカルボキシル基あるいはその塩の基であ
ることが最も好ましく、通常Zがカルボキシル基の類縁
基である一般式(7)で表される化合物を合成後Zをカ
ルボキシル基に変換し、必要によりその後カルボキシル
基の塩に変換する。またZがホルミル基、保護されたホ
ルミル基、水酸基、保護された水酸基等の場合も最終的
にはそのZはカルボキシル基に変換されることが好まし
い。
【0043】Zが保護されたホルミル基の場合、その保
護基としては種々の保護基を用い得るが、アセタール
類、チオアセタール類等の保護基が好ましい。また、Z
が保護された水酸基の場合、その保護基としては種々の
保護基を用い得るが、前記したような水酸基の保護基が
適当である。
【0044】Zがカルボキシル基の類縁基の場合、その
カルボキシル基の類縁基としては、塩基で中和されたカ
ルボキシル基、エステル化されたカルボキシル基、オル
トエステル化されたカルボキシル基、アミド化されたカ
ルボキシル基、テトラゾール類やニトリル類等で保護さ
れたカルボキシル基等が挙げられる。好ましいカルボキ
シル基の類縁基はエステル化されたカルボキシル基、オ
ルトエステル化されたカルボキシル基、およびテトラゾ
ール類で保護されたカルボキシル基である。エステル化
されたカルボキシル基としては、低級アルカノールでエ
ステル化されたカルボキシル基、特にアルキル部分が炭
素数1〜4のアルキル基であるアルコキシカルボニル基
が好ましい。オルトエステル化されたカルボキシル基と
しては低級アルカノールとのオルトエステルやアルカン
トリオールとのオルトエステルが好ましい。アルカント
リオールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン等がある。テトラゾール類と
しては1H−テトラゾールや2H−テトラゾールが好ま
しい。
【0045】カルボキシル基やその塩以外の上記のよう
なZは、一般的な官能基変換反応、例えば、脱保護、加
水分解、酸化反応等によりカルボキシル基へ変換でき
る。これらの変換は前記のように「新実験科学講座、1
4、有機化合物の合成と反応(I)、(II)、(V)、
丸善」、「プロテクティブ グループス イン オーガ
ニック、シンセシス、T.W.Green著、J.Wi
ley&Sons」等の成書に記載の方法により実施で
きる。
【0046】Bは前記Qから上記Zを除いた残基であ
り、低級アルキレン基、低級シクロアルキレン基、低級
シクロアルキレン基を含む低級アルキレン基(アルキレ
ン基はシクロアルキレン基の両側に存在していてもよ
い)、エーテル結合またはチオエーテル結合を含む低級
アルキレン基、またはフェニレン基が好ましい。特に、
炭素数3〜5のアルキレン基、炭素数3〜6のシクロア
ルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基を含む
炭素数1〜4のアルキレン基、エーテル結合またはチオ
エーテル結合を1個中間に含む炭素数2〜4のアルキレ
ン基、およびm−フェニレン基が好ましい。最も好まし
いBは炭素数3〜5の直鎖状アルキレン基である。
【0047】具体的なBとしては、例えば以下のものが
挙げられる。トリメチレン基、テトラメチレン基、ペン
タメチレン基、シクロプロピレン基、1,2−シクロブ
チレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロ
ペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,3−
シクロヘキシレン基、これらのシクロアルキレン基の一
方の結合手にメチレン基が結合したもの、−CH2 OC
2 −、−CH2 SCH2 −、−(CH23 OCH2
−、−(CH23 SCH2 −、m−フェニレン基。
【0048】一般式(1)で表される化合物は化学的に
安定な化合物である。この一般式(1)表される化合物
の具体例としては、下記の化合物を挙げることができる
が、これらに限定されない。そのうちでも特に、Qが−
B−Zで表される化合物が好ましい。なお下記の化合物
は、それらの各種立体異性体、光学異性体、およびそれ
らの混合物を含むものとする。
【0049】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−3−{4−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビ
シクロ[2.2.2]オクタニル)ブチリデン}−4,
4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメ
チル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシ
クロ[3.3.0]オクタン、(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−3−{6−(4−メチル−2,6,
7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)ヘ
キシリデン}−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチル
ジメチルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピ
ラニルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン、(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−3−{3−(4
−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.
2]オクタニル)シクロブチル}メチリデン−4,4−
ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチ
ル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ[3.3.0]オクタン、
【0050】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−3−{2−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビ
シクロ[2.2.2]オクタニル)シクロプロピル}エ
チリデン−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメ
チルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン、(1S,
5R,6R,7R)−2−オキサ−3−{3−(4−メ
チル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]
オクタニル)シクロペンチル}メチリデン−4,4−ジ
フルオロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)
−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
[3.3.0]オクタン、(1S,5R,6R,7R)
−2−オキサ−3−{3−(4−メチル−2,6,7−
トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロ
ヘキシル}メチリデン−4,4−ジフルオロ−6−(t
−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン、
【0051】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−3−{3−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビ
シクロ[2.2.2]オクタニル)フェニル}メチリデ
ン−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチルシ
ロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ[3.3.0]オクタン、(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−3−(4−ペンタジエニリ
デン)−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメ
チル−ビシクロ[3.3.0]オクタン、(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−3−(5−トリエチル
シロキシペンチリデン)−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−t−ブチル
ジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オク
タン、
【0052】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]ペンタン酸メチル、7−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブ
チルジメチルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−イリデン]ヘプタン酸メチル、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−(2
−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]−2,4−メチレンペン
タン酸メチル、5−[(1S,5R,6R,7R)−2
−オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメ
チルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリ
デン]−2,4−エチレンペンタン酸メチル、
【0053】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]−2,4−プロピレンペンタン酸メチル、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチ
ル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]−2,3−
メチレンペンタン酸メチル、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−6−
(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−イリデン]−2,3−エチレンペンタン酸
メチル、
【0054】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−3−(3−メトキシカルボニルフェニルメチリデン)
−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメチル−
ビシクロ[3.3.0]オクタン、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−(2
−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸、7−[(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7
−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−イリデン]ヘプタン酸、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチ
ル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]−2,4−
メチレンペンタン酸、
【0055】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]−2,4−エチレンペンタン酸、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−(2
−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]−2,4−プロピレンペ
ンタン酸、5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オ
キサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチル
シロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]−2,3−メチレンペンタン酸、
【0056】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル)−7−(2−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]−2,3−エチレンペンタン酸、(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−3−(3−ヒドロキシカルボ
ニルフェニルメチリデン)−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−t−ブチル
ジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オク
タン。
【0057】上記の一般式(1)で表される化合物は、
一般式(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類より効
率的に合成することができる。本発明はまた一般式
(1)で表される化合物の合成中間体として有用である
この新規なジハロゲン化ラクトン類である。
【0058】一般式(2)で表される化合物の具体例と
しては、下記の化合物を挙げることができるが、これら
に限定されない。なお下記の化合物は、それらの各種立
体異性体、光学異性体、およびそれらの混合物を含むも
のである。(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−ヒドロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジ
クロロ−7−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−ビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジブロモ−7
−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジヨード−7−ヒドロキシ
−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オク
タン−3−オン。
【0059】上記のジハロゲン化ラクトン類の水酸基が
保護された誘導体としては、例えば、ジハロゲン化ラク
トン類が(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−ヒドロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オンで
ある場合を例に挙げると、下記のような化合物を挙げる
ことができる。
【0060】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−(t−ブチルジフェニルシロキシ)メ
チル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジ
フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
6−(トリエチルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テ
トラヒドロピラニルオキシ)−6−(トリフェニルシロ
キシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−(トリイソプロピルシロキシ)メチル−ビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(4−
フェニルベンゾイルオキシ)メチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン、
【0061】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−(テトラヒドロピラニルオキシ)メチ
ル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−
ベンジルオキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキ
サ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)−6−(メトキシベンジルオキシ)メチル
−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−
トリチルオキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキ
サ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)−6−(メトキシメトキシ)メチル−ビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
【0062】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−(2−メトキシエトキシメトキシ)メ
チル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジ
フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
6−アセトキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキ
サ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−t−ブ
チルジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2
−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメチ
ル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
【0063】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(t−ブチルジフェニルシ
ロキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメチル−ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−(トリエチルシロキシ)−6−t−ブチルジメチル
シロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−(トリフェニルシロキシ)−
6−t−ブチルジメチルシロキシメチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(トリイソプロピルシロキシ)−6−t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−(アセトキシ)−6−t−ブ
チルジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オン、
【0064】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(ベンゾイルオキシ)−6
−t−ブチルジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(4−フ
ェニルベンゾイルオキシ)−6−t−ブチルジメチルシ
ロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−(テトラヒドロフラニルオキシ)
−6−t−ブチルジメチルシロキシメチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(ベンジルオキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
【0065】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(メトキシベンジルオキ
シ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメチル−ビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(トリチルオキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジ
フルオロ−7−(メトキシメトキシ)−6−t−ブチル
ジメチルシロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オク
タン−3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オ
キサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−メトキシエトキ
シメトキシ)−6−t−ブチルジメチルシロキシメチル
−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−7−(アセトキシ)−6−アセトキシメチル−ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オン、
【0066】(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−(アセトキシ)−6−ヒド
ロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−(アセトキシ)−6−トリエチル
シロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−(アセトキシ)−6−ベンゾ
イルオキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−オン、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−
4,4−ジフルオロ−7−(ベンゾイルオキシ)−6−
ベンゾイルオキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オク
タン−3−オン。
【0067】一般式(1)で表される化合物は、上記一
般式(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類に、一般
式(3)で示される有機金属化合物を付加反応せしめ、
脱水することにより製造できる。
【0068】一般式(3)で表される化合物の具体例と
しては、つぎの化合物が挙げられるがこれらに限定され
ない。
【0069】4−(4−メチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ[2.2.2]オクタニル)ブチルリチウ
ム、4−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシク
ロ[2.2.2]オクタニル)ブチルマグネシウムブロ
ミド、4−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)ブチルマグネシウムク
ロリド、4−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビ
シクロ[2.2.2]オクタニル)ブチルジエチルアル
ミニウム、ジ{4−(4−メチル−2,6,7−トリオ
キサビシクロ[2.2.2]オクタニル)ブチル}亜
鉛、6−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシク
ロ[2.2.2]オクタニル)ヘキシルリチウム、6−
(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.
2.2]オクタニル)ヘキシルマグネシウムブロミド、
6−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2.2.2]オクタニル)ヘキシルマグネシウムクロ
リド、6−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)ヘキシルジエチルアル
ミニウム、ジ{6−(4−メチル−2,6,7−トリオ
キサビシクロ[2.2.2]オクタニル)ヘキシル}亜
鉛、{3−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)シクロブチル}メチル
リチウム、
【0070】{3−(4−メチル−2,6,7−トリオ
キサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロブチ
ル}メチルマグネシウムブロミド、{3−(4−メチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オク
タニル)シクロブチル}メチルジエチルアルミニウム、
ジ[{3−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)シクロブチル}メチ
ル]亜鉛、2−{2−(4−メチル−2,6,7−トリ
オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロブチ
ル}エチルリチウム、2−{2−(4−メチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニ
ル)シクロブチル}エチルマグネシウムブロミド、2−
{2−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2.2.2]オクタニル)シクロブチル}エチルジエ
チルアルミニウム、ジ[2−{2−(4−メチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニ
ル)シクロブチル}エチル]亜鉛、
【0071】2−{2−(4−メチル−2,6,7−ト
リオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロプ
ロピル}エチルリチウム、2−{2−(4−メチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタ
ニル)シクロプロピル}エチルマグネシウムブロミド、
2−{2−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)シクロプロピル}エチ
ルジエチルアルミニウム、ジ[2−{2−(4−メチル
−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オク
タニル)シクロプロピル}エチル]亜鉛、{3−(4−
メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.
2]オクタニル)シクロペンチル}メチルマグネシウム
ブロミド、{3−(4−メチル−2,6,7−トリオキ
サビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロペンチ
ル}メチルジエチルアルミニウム、ジ[{3−(4−メ
チル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]
オクタニル)シクロペンチル}メチル]亜鉛、
【0072】{3−(4−メチル−2,6,7−トリオ
キサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロヘキシ
ル}メチルリチウム、{3−(4−メチル−2,6,7
−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シク
ロヘキシル}メチルマグネシウムブロミド、{3−(4
−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.
2]オクタニル)シクロヘキシル}メチルジエチルアル
ミニウム、ジ[{3−(4−メチル−2,6,7−トリ
オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)シクロヘキ
シル}メチル]亜鉛、{3−(4−メチル−2,6,7
−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)フェ
ニル}メチルリチウム、{3−(4−メチル−2,6,
7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニル)フ
ェニル}メチルマグネシウムブロミド、{3−(4−メ
チル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]
オクタニル)フェニル}メチルジエチルアルミニウム、
ジ[{3−(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシ
クロ[2.2.2]オクタニル)フェニル}メチル]亜
鉛、
【0073】4−ペンテニルマグネシウムブロミド、4
−ペンテニルマグネシウムクロリド、4−ペンテニルリ
チウム、5−(トリエチルシロキシ)ペンチルリチウ
ム、5−(トリエチルシロキシ)ペンチルマグネシウム
ブロミド、5−(t−ブチルジメチルシロキシ)ペンチ
ルリチウム、5−(t−ブチルジメチルシロキシ)ペン
チルマグネシウムブロミド、5−(トリメチルシロキ
シ)ペンチルリチウム、5−(トリメチルシロキシ)ペ
ンチルマグネシウムブロミド、5−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)ペンチルリチウム、5−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ペンチルマグネシウムブロミ
ド、
【0074】3−(トリエチルシロキシ)プロピルリチ
ウム、3−(トリエチルシロキシ)プロピルマグネシウ
ムブロミド、4−(1,3−ジオキサン−2−イル)ブ
チルリチウム、4−(1,3−ジオキサン−2−イル)
ブチルマグネシウムブロミド、n−ブチルリチウム、n
−ブチルマグネシウムブロミド、3−ブチニルリチウ
ム、3−ブチニルマグネシウムブロミド、4−クロロブ
チルマグネシウムブロミド。
【0075】一般式(2)で表されるジハロゲン化ラク
トン類と、一般式(3)で表される有機金属化合物との
付加反応において、上記一般式(3)で表される有機金
属化合物の使用量は、上記一般式(2)のジハロゲン化
ラクトン類に対して、通常、0.1〜10当量である
が、0.5〜3当量が好ましい。反応温度は、−150
〜+100℃程度が好ましく、特に−100〜+40℃
がよい。
【0076】上記の付加反応は、通常の場合、溶媒の存
在下に実施できる。反応溶媒としては、エーテル系溶
媒、炭化水素系溶媒、極性溶媒またはこれらの混合溶媒
が好ましい。エーテル系溶媒としてはジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメト
キシエタン、ジグライム、t−ブチルメチルエーテル等
が、炭化水素系溶媒としてはヘキサン、トルエン、ベン
ゼン、ペンタン、キシレン、石油エーテル等が、極性溶
媒としてはジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド(HMPA)、1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(D
MPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
(DMI)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレ
ンジアミン(TMEDA)等が挙げられる。
【0077】さらに一般式(2)のジハロゲン化ラクト
ン類に一般式(3)の有機金属化合物を付加反応せしめ
た後、脱水することにより、一般式(1)で表される化
合物を合成することができる。
【0078】脱水反応においては、種々の脱水剤が用い
られる。脱水剤としては、「新実験化学講座、14、有
機化合物の合成と反応(I)」(丸善)等の成書に記載
のものが用いられる。例えば、酸触媒、塩基触媒、ハロ
ゲン化試剤、スルホン化試剤、エステル化試剤、酸無水
物、アルミナ、シリカ、イオン交換樹脂等が挙げられ
る。具体的には、塩化メタンスルホニル、塩化トルエン
スルホニル等のスルホン化試剤、塩化ホスホリル、塩化
チオニル、塩化オキザリル、塩化アセチル、臭化アセチ
ル、無水酢酸、無水フタル酸、三臭化リン、N−ブロモ
コハク酸イミド、ヨウ素、二酸化イオウ、五酸化リン、
ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤、p−トル
エンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホナ
ート、硫酸等の酸触媒等が好ましい。
【0079】この脱水反応において、脱水剤の量は、通
常の場合一般式(2)の1当量に対して0.1〜10当
量、好ましくは1〜5当量がよい。塩基を併用する場合
の塩基の量は、通常の場合、脱水剤の1当量に対して、
0.1〜10当量程度が好ましい。脱水反応の反応温度
は、通常の場合、−80〜+100℃程度が、反応時間
は10分〜10時間程度がよい。
【0080】これらの脱水剤は、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、コリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン類や、酢酸
ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド等の
塩基と併用してもよい。特に好ましくは、脱水剤として
塩化メタンスルホニル、塩化トルエンスルホニル等のス
ルホン化試剤、およびトリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、コリジ
ン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.
3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン等のアミン類を併用するのがよ
い。
【0081】上記の付加反応および脱水反応により得ら
れた一般式(1)で表される化合物は、所望により、脱
保護または酸化によるカルボン酸類への変換反応、水酸
基の脱保護、エステルの加水分解、あるいは、カルボン
酸の塩生成反応に付すことによりQの構造の異なる他の
化合物へ変換できる。例えば、Qがカルボキシル基の類
縁基、ホルミル基、保護されたホルミル基、水酸基、ま
たは保護された水酸基を有する場合、一般的な官能基変
換反応、例えば、脱保護、加水分解、または酸化反応等
により、カルボキシル基を有するQへ変換できる。しか
し通常は、この段階ではカルボキシル基の類縁基を有す
るQまで変換することはあってもカルボキシル基を有す
るQまでは変換しない。
【0082】上記の一般式(3)で表される化合物の合
成方法としては、直接合成法、間接的合成法、水素化物
とオレフィン、アセチレンの反応、挿入反応を用いる合
成法、活性水素化物との反応等の方法が挙げられる。こ
れらの合成法については、例えば、山本明夫「有機金属
化学」(裳華房)、山本嘉則、成田吉徳「有機金属化
学」(丸善)、佐藤史衛、山本経二、今本恒雄 編「合
成化学者のための実験有機金属化学」(講談社サイエン
ティフィック)、「第4版実験化学講座、25、有機合
成VII」等の成書に記載の方法を用いることができ
る。これらの有機金属化合物は市販のものをそのまま用
いてもよいが、通常は、反応の際に調製しそのまま用い
ることが好ましい。特に、対応するハロゲン化合物から
直接合成する方法、金属交換により間接的に合成する方
法、または金属水素化物のオレフィンやアセチレンへの
付加反応により合成方法を採用するのが好ましい。
【0083】上記の一般式(2)で表されるジハロゲン
化ラクトン類は、公知の化合物である一般式(4)で表
されるモノハロゲン化ラクトン類をハロゲン化反応せし
めることにより製造できる。一般式(4)で表される化
合物の具体例としては、対応する一般式(2)で表され
るジハロゲン化ラクトン類のモノハロゲン化体が挙げら
れる。一般式(4)で表される化合物をハロゲン化せし
めて一般式(2)で表されるジハロゲン化ラクトン類を
製造する方法としては、特に限定されないが、本発明に
おいては、金属触媒の存在下に求電子性ハロゲン化剤と
反応せしめる方法が好ましい。
【0084】金属触媒としては、有機金属触媒、あるい
はハロゲンと金属との塩等が挙げられる。金属としては
ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ケ
イ素等の金属、亜鉛、チタン、ジルコニウム、マンガ
ン、鉄、銅、コバルト、ニッケル、セリウム、サマリウ
ム等の遷移金属等が挙げられる。具体的な金属触媒とし
ては、ボロントリフルオリドエーテラート、塩化アルミ
ニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキル
アルミニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化チタン、ハ
ロゲン化ジルコニウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロ
ゲン化鉄等が好ましい。金属触媒の量としては、通常の
場合、一般式(4)で表される化合物の1重量部に対し
て0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜3重
量部程度がよい。
【0085】求電子性ハロゲン化剤としては、各種の求
電子性フッ素化剤、求電子性塩素化剤、求電子性臭素化
剤、求電子性ヨウ素化剤等が用いられる。求電子性フッ
素化剤としては、例えば、フルオロキシトリフルオロメ
タン、フッ化ペルクロリル、アセチルハイポフルオライ
ト、N−フルオロスルホンアミド類、N−フルオロスル
ホンイミド類、キセノンフルオリド、フッ素ガス等が挙
げられる。求電子性塩素化剤としては、四塩化炭素、N
−クロロコハク酸イミド、塩素等を、求電子性臭素化剤
としては、四臭化炭素、N−ブロモコハク酸イミド、臭
素等、求電子性ヨウ素化剤としてはN−ヨードコハク酸
イミド、ヨウ素等が挙げられる。これらのうち、好まし
くは、フッ化ペルクロリル、アセチルハイポフルオライ
ト、N−フルオロスルホンアミド類、N−フルオロスル
ホンイミド類等の求電子性フッ素化剤が用いられる。求
電子ハロゲン化剤の量としては、通常の場合、一般式
(4)で表される化合物の1重量部に対して0.5〜1
0重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度がよい。
【0086】上記のハロゲン化反応は、塩基性条件で、
不活性溶媒中で実施するのが好ましい。塩基としてはリ
チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アン
モニアと第二級アミンのアミド、アルカリ金属の水素化
物、またはアルカリ金属の有機化物等が用いられる。具
体的にはリチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウム
アミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエ
チルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウ
ムイソプロピルシクロヘキシルアミド、リチウム−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、リチウムヘキサ
メチルジシラジド、ナトリウムジエチルアミド、ナトリ
ウムヘキサメチルジシラジド、カリウム−3−アミノプ
ロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラジド、水素
化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−
ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチ
ウム等が挙げられる。塩基の量としては、通常の場合一
般式(4)で表される化合物の1重量部に対して0.5
〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部がよい。
【0087】不活性溶媒としてはエーテル系溶媒、炭化
水素系溶媒、極性溶媒、またはこれらの混合溶媒が好ま
しい。これらの溶媒の具体例としては前記したエーテル
系溶媒、炭化水素系溶媒、極性溶媒が挙げられる。不活
性溶媒の量としては、通常の場合、一般式(4)で表さ
れる化合物の1重量部に対して5〜1000重量部程
度、好ましくは10〜100重量部がよい。上記のハロ
ゲン化反応の反応温度は、通常の場合、−150〜+5
0℃程度であり、−80〜+30℃が好ましい。
【0088】一般式(7)で表されるジハロゲン化プロ
スタサイクリン類は、一般式(1)で表される化合物を
一般式(5)で表される化合物に変換し、一般式(6)
で表される化合物と反応せしめた後、還元することによ
り製造できる。
【0089】一般式(6)で表される化合物の具体例と
しては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。(4S)−4−メチル−2−オキソ
オクタニルホスホン酸ジメチル、(4S)−4−メチル
−2−オキソオクタニルホスホン酸ジエチル、2−オキ
ソヘプタニルホスホン酸ジメチル、2−オキソヘプタニ
ルホスホン酸ジエチル、2−オキソ−2−シクロペンチ
ルエチルホスホン酸ジメチル、2−オキソ−2−シクロ
ペンチルエチルホスホン酸ジエチル、3−メチル−2−
オキソ−5−オクチニルホスホン酸ジメチル、3−メチ
ル−2−オキソ−5−オクチニルホスホン酸ジエチル、
【0090】(3S)−3−メチル−2−オキソ−5−
オクチニルホスホン酸ジメチル、(3S)−3−メチル
−2−オキソ−5−オクチニルホスホン酸ジエチル、3
−メチル−2−オキソ−5−ヘプチニルホスホン酸ジメ
チル、3−メチル−2−オキソ−5−ヘプチニルホスホ
ン酸ジエチル、(3S)−3−メチル−2−オキソ−5
−ヘプチニルホスホン酸ジメチル、(3S)−3−メチ
ル−2−オキソ−5−ヘプチニルホスホン酸ジエチル、
3,3−ジメチル−2−オキソ−5−オクチニルホスホ
ン酸ジメチル、3,3−ジメチル−2−オキソ−5−オ
クチニルホスホン酸ジエチル、2−オキソ−2−シクロ
ヘキシルエチルホスホン酸ジメチル、2−オキソ−2−
シクロヘキシルエチルホスホン酸ジエチル。
【0091】一般式(1)で表される化合物から一般式
(7)で表されるジハロゲン化プロスタサイクリン類へ
の変換反応は、公知の反応であるWittig−Hor
ner−Emmons反応に従って実施できる。即ち、
5 が水素原子である場合にはそのまま酸化することに
より、一般式(5)で表される化合物に変換し、次に一
般式(6)で表される化合物と反応せしめてω鎖を導入
し、生じた不飽和ケトンを還元することにより一般式
(7)のAがビニレン基である場合のジハロゲン化プロ
スタサイクリン類が合成できる。一方、R5 が保護基で
ある場合には、R5 を選択的に脱保護して水素原子へ変
換することにより、同様に実施できる。
【0092】R5 の脱保護反応は、R5 の構造により異
なり、公知の脱保護反応の方法および条件が適用でき
る。例えば、R4 がテトラヒドロピラニル基またはアセ
チル基であり、かつR5 がt−ブチルジメチルシリル基
である場合、テトラブチルアンモニウムフルオリドまた
はHF−ピリジン等を用いることにより、R5 のみを選
択的に脱保護する方法が適用できる。
【0093】さらに、R5 を酸化して一般式(5)で表
される化合物を合成する反応は、通常の場合、ジメチル
スルホキシド、トリフルオロ酢酸、ピリジン、およびジ
シクロヘキシルカルボジイミド等の存在下、−50〜+
50℃、好ましくは、0〜+25℃で撹拌するのがよ
い。一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表
される化合物との反応は、通常の場合、水素化ナトリウ
ムとジメトキシエタンの存在下で実施するのが好まし
い。反応温度は通常の場合、−50〜+50℃、好まし
くは、0〜+50℃がよい。
【0094】さらに、一般式(5)で表される化合物と
一般式(6)で表される化合物との反応で生じた不飽和
ケトンを還元して一般式(7)で表されるジハロゲン化
プロスタサイクリン類を合成する反応は、通常の場合、
水素化ホウ素ナトリウムおよび三塩化セリウムの存在
下、メタノール中で実施するのが好ましい。反応温度は
−100〜+50℃、好ましくは、−80〜+10℃が
よい。
【0095】また、一般式(7)のAがエチレン基であ
る場合のジハロゲン化プロスタサイクリン類は、一般式
(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合
物との反応で生じた不飽和ケトンを、水素化リチウムア
ルミニウム等の金属水素化物を用いて還元する方法、水
素添加する方法、または、銅ヒドリド反応剤、例えば水
素化(トリブチルスズ)銅リチウム、または水素化銅ト
リフェニルホスフィン錯体等を用いて1,4−還元反応
する方法を用いて飽和ケトンとした後、還元することに
より、合成できる。
【0096】さらに、一般式(7)のAがエチニレン基
である場合のジハロゲン化プロスタサイクリン類は、一
般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される
化合物の反応において、N−ブロモコハク酸イミド、N
−クロロコハク酸イミド等のハロゲン化剤を存在させ、
かつ、さらにカリウム−t−ブトキシド等の強塩基で処
理することにより合成できる。
【0097】さらに、一般式(7)のQがエステル基を
有する場合(特に、Qが−B−ZでありかつZがエステ
ル基やオルトエステル基を有するカルボキシル基の類縁
基である場合)、加水分解反応を行うことにより、Qが
カルボキシル基を有するジハロゲン化プロスタサイクリ
ン類が得られる。加水分解反応は通常の場合、塩基とし
て、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム等を用いて、水溶液、またはエタノール、メタノー
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン等の溶媒中、あるいは、これらの混合溶媒中で、アル
カリ加水分解することにより実施できる。また、エステ
ラーゼ、リパーゼ等の酵素を用いて加水分解することも
できる。遊離のカルボン酸であるジハロゲン化プロスタ
サイクリン類は、中和ののち、エーテル、クロロホル
ム、ジクロロメタン、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出す
ることにより得られる。
【0098】さらに、一般式(7)のQがカルボキシル
基を有する場合は、カルボン酸の塩とすることができ
る。カルボン酸の塩は、上記のエステル加水分解溶液を
そのまま濃縮するか、遊離のカルボン酸の溶液に所望の
塩基を加えることにより容易に得られる。
【0099】カルボキシル基の対イオンである陽イオン
としては、例えばNH4 +、テトラメチルアンモニウム、
モノメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリ
メチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、フェネチ
ルアンモニウム、モルホリウムカチオン、モノエタノー
ルアンモニウム、トリスカチオン、ピペリジニウムカチ
オン等のアンモニウムカチオン、Na+ 、K+ などのア
ルカリ金属カチオン、1/2Ca2+、1/2Mg2+、1
/2Zn2+、1/3Al3+等を挙げることができる。こ
れらのうち特に、ナトリウムイオン、カリウムイオンが
好ましい。
【0100】通常高い生理活性を有するPGI2 類は、
α鎖の末端に遊離のカルボキシル基を有する化合物かそ
のカルボキシル基が中和された塩となっている化合物で
ある。本発明における一般式(7)で表される化合物に
おいても最終的な目的化合物はこのような遊離のカルボ
キシル基を有する化合物かそのカルボキシル基が中和さ
れた塩となっている化合物であることが好ましい。しか
し生理活性を有する化合物である限り、本発明における
最終的な目的化合物はこれらの化合物に限定されるもの
ではない。また、本発明における最終的な目的化合物
は、プロドラッグと呼ばれるような、それ自身では生理
活性を有しない(あるいは低い)化合物であって、かつ
生体内で生理活性を有する化合物に変化する化合物であ
ってもよい。このような化合物としては例えばα鎖の末
端のカルボキシル基がエステル化されている化合物があ
る。
【0101】一般式(7)で表される化合物の具体例を
以下に挙げるが、これらに限定されない。特に、Qが−
B−Zである化合物が好ましい。
【0102】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−E−
1−ノネニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
イリデン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒ
ドロキシ−6−{(3S)−3−ヒドロキシ−4,4−
ジメチル−E−1−オクテニル}ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−ヒ
ドロキシ−E−1−オクテニル}ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−シ
クロペンチル−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニル}
ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペン
タン酸メチル、5−[(1S,5R,6R,7R)−2
−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−E
−1−プロペニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−イリデン]ペンタン酸メチル、
【0103】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−(2−フェニルエチル)−3−ヒドロ
キシ−E−1−プロペニル}ビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル、5−[(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−ヒドロキ
シ−4−メチル−E−1−ノネン−6−イニル}ビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸
メチル、5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキ
サ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−(3−
ヒドロキシ−4−メチル−E−1−オクテン−6−イニ
ル)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸メチル、
【0104】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−1−
ノニニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリ
デン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロ
キシ−6−{(3S)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメ
チル−1−オクチニル}ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−イリデン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,
5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ
−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−シクロペンチ
ル−3−ヒドロキシ−1−プロピニル}ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル、
【0105】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−1
−プロピニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
イリデン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒ
ドロキシ−6−{(3S)−3−(2−フェニルエチ
ル)−3−ヒドロキシ−1−プロピニル}ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メ
チル、5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3
S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1,6−ノナンジ
イニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]ペンタン酸メチル、
【0106】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
(3−ヒドロキシ−4−メチル−1,6−オクタンジイ
ニル)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキ
シ−6−(3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−1,6
−オクタンジイニル)ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−イリデン]ペンタン酸メチル、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−ヒドロキシ−6−{(3S,5S)−3−ヒドロキ
シ−5−メチル−E−1−ノネニル}ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−ヒ
ドロキシ−4,4−ジメチル−E−1−オクテニル}ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタ
ン酸、
【0107】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−ヒドロキシ−E−1−オクテニル}ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタ
ン酸、5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3
S)−3−シクロペンチル−3−ヒドロキシ−E−1−
プロペニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イ
リデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキ
シ−6−{(3S)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロ
キシ−E−1−プロペニル}ビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−(2−フェニル
エチル)−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニル}ビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン
酸、
【0108】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−ノ
ネン−6−イニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒ
ドロキシ−6−(3−ヒドロキシ−4−メチル−E−1
−オクテン−6−イニル)ビシクロ[3.3.0]オク
タン−3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−ヒドロキシ−6−(3−ヒドロキシ−4,4−ジメ
チル−E−1−オクテン−6−イニル)ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸、5−
[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S,5S)−
3−ヒドロキシ−5−メチル−1−ノニニル}ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸、
【0109】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−1−
オクチニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イ
リデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキ
シ−6−{(3S)−3−シクロペンチル−3−ヒドロ
キシ−1−プロピニル}ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
ヒドロキシ−6−{(3S)−3−シクロヘキシル−3
−ヒドロキシ−1−プロピニル}ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1
S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフル
オロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−(2−フ
ェニルエチル)−3−ヒドロキシ−1−プロピニル}ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタ
ン酸、
【0110】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−1,6−ノ
ナンジイニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキ
シ−6−(3−ヒドロキシ−4−メチル−1,6−オク
タンジイニル)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6R,7
R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキ
シ−6−(3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−1,6
−オクタンジイニル)ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−イリデン]ペンタン酸、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒ
ドロキシ−6−{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−5
−メチル−E−1−ノネニル}ビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−イリデン]ペンタン酸ナトリウム、
【0111】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−E−
1−オクテニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−イリデン]ペンタン酸ナトリウム、5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−ヒドロキシ−E
−1−オクテニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−イリデン]ペンタン酸ナトリウム、5−[(1S,
5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ
−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−シクロペンチ
ル−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニル}ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸ナ
トリウム、
【0112】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
{(3S)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−E
−1−プロペニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−イリデン]ペンタン酸ナトリウム、5−[(1S,
5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ
−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−(2−フェニ
ルエチル)−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニル}ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタ
ン酸ナトリウム、5−[(1S,5R,6R,7R)−
2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6
−{(3S)−3−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−
ノネン−6−イニル}ビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−イリデン]ペンタン酸ナトリウム、
【0113】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−
(3−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−オクテン−6
−イニル)ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリ
デン]ペンタン酸ナトリウム、5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−ヒ
ドロキシ−6−(3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−
E−1−オクテン−6−イニル)ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸ナトリウム。
【0114】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、上記した一般式(7)で表されるジハロゲン化プロ
スタサイクリン類に限られず、様々なジハロゲン化プロ
スタサイクリン類へ誘導可能な重要中間体である。例え
ば、寺島孜郎ら「プロスタグランジンと関連生理活性物
質」(講談社サイエンティフィック)やS.M.Roberts ら
「New Synthetic Routes to Prostaglandins and Tromb
oxanes」(Academic Press) などの成書に記載の方法に
より種々のω鎖を導入したジハロゲン化プロスタサイク
リン類へと変換できる。
【0115】また、本発明の一般式(1)で表される化
合物は、いずれも、公知の化合物より短段階で効率よく
合成できる。しかも、本発明の化合物はいずれも公知の
ものよりも化学的に安定な化合物であり、取り扱いも容
易である。さらに、本発明の化合物の出発原料である化
合物も、入手容易な化合物である。合成方法は、いずれ
も厳しい反応条件や、長時間の反応を必要せず、かつ、
特別な反応試薬や反応装置も必要としない優れた方法で
ある。したがって、本発明の製造方法は汎用性があり、
数多くの誘導体の合成にも適用可能な極めて優れた方法
である。
【0116】以下本発明を実施例や参考例により具体的
に説明する。しかし本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0117】
【実施例】
[参考例1] 1−(4−ヨ−ドブチル)−4−メチル−2,6,7−
トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンの合成。
【0118】E.J.Corey ら、テトラヘドロン レター
ズ、24,5571(1983) に記載の方法と同様にして、以下の
ように合成した。3−メチル−3−ヒドロキシメチルオ
キセタン4.21gの塩化メチレン(20ml)溶液に
ピリジン5ml、5−ヨードペンタン酸クロリド12.
2gを0℃で加え2時間撹拌した。重曹水に注ぎ塩化メ
チレンで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して相当するエステル13.0gを得た。こ
のエステル6.24gの無水塩化メチレン(20ml)
溶液に、−15℃でボロントリフルオリドエーテラート
0.62mlを加え、−15℃で4時間、0℃で2時
間、室温で1時間撹拌した。トリエチルアミン2.79
mlを0℃で加えたのち反応液を濃縮し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製して標題化合物5.42
gを得た。
【0119】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.80(s,3H),1.5
-1.9(m,6H),3.17(t,J=7.2Hz,2H),3.89(s,6H)。
【0120】[参考例2] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4−フルオ
ロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−
(t−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0121】ヘキサメチルジシラザン(6.84ml)
のテトラヒドロフラン(以下THFと記す)(90m
l)溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(1.56M
のヘキサン溶液)19.1mlを加えた後30分間撹拌
してリチウムヘキサメチルジシラジド溶液を調製した。
この溶液に、(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ
−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t
−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン10gのTHF(20m
l)溶液を−78℃で滴下し、60分間撹拌した。次
に、N−フルオロベンゼンスルホンイミド9.37gの
THF(40ml)溶液を−78℃で加えた。−78℃
で60分撹拌したのち昇温し、室温で30分間撹拌した
後、飽和重曹水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:8〜1:4)で精製し、標題化合物9.46gを得
た。
【0122】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(m,6H),0.8
8(m,9H),1.4-1.8(m,6H),2.0-3.1(m,4H),3.4-5.3(m,8H)
19 F-NMR(CDCl3,ppm):-179(m) 。
【0123】[実施例1] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4−フルオ
ロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヒ
ドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オンの合成。
【0124】参考例2で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−4−フルオロ−7−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシ
ロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オン8.01gのTHF(100ml)溶液を氷冷
し、HF−ピリジン10mlを加え室温で1時間撹拌し
た。酢酸エチルで希釈した後飽和重曹水をゆっくりと加
え酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥濃縮後シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノー
ル=10:1)で精製し標題化合物4.92gを得た。
【0125】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.3-3.1(m,10
H),3.4-5.3(m,8H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-179(m) 。
【0126】[実施例2] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジ
フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−
6−(t−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オンの合成。
【0127】無水塩化亜鉛136mg(1mmol)に
参考例2で合成した(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4−フルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシ)メチ
ル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン194
mgのTHF(3ml)溶液を室温で加え、−78℃に
冷却した後、リチウムジイソプロピルアミド(1MのT
HF溶液)1mlを加え、20分間撹拌した。この溶液
に、N−フルオロベンゼンスルホンアミド236mg
(0.75mmol)を−78℃で加え、1.5時間撹
拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標
題化合物126mgを得た。標題化合物の構造式を下記
に示す。
【0128】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.06(m,6H),0.89
(m,9H),1.2-2.3(m,8H),2.6-2.7(m,1H),3.09(m,1H),3.4-
3.9(m,4H),4.23(m,1H),4.64(m,1H),5.12(m,1H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-94(m),-115(m) 。 マススペクトル:406(M+)。
【0129】
【化19】
【0130】[実施例3] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−3−(1,
4−ペンタジエニリデン)−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチ
ルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]
オクタンの合成。
【0131】実施例2で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−
テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン550mgのエーテル(10ml)溶液
に、5−ブロモ−1−ペンテン0.20mlとマグネシ
ウム48mgから無水エーテル中で調製したグリニャー
ル溶液を−78℃で加え、1時間撹拌した。反応液を飽
和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮後、塩
化メチレン10ml、トリエチルアミン0.70ml、
メタンスルホニルクロリド0.195mlを0℃で加え
た後、室温で1.5時間撹拌した。重曹水に注いで酢酸
エチルで抽出し、抽出液を減圧下濃縮して、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:30〜1:20)で精製し、標題化合物0.22g
を得た。
【0132】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.06-0.08(m,6
H),0.8-0.9(m,9H),1.1-2.9(m,14H),3.4-5.8(m,11H) 。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-83(m), -115(m) 。
【0133】[実施例4] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−3−{4−
(4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.
2.2]オクタニル)ブチリデン}−4,4−ジフルオ
ロ−6−(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ[3.
3.0]オクタンの合成。
【0134】参考例1で合成した1−(4−ヨードブチ
ル)−4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ
[2.2.2]オクタン195mgの無水エーテル(5
ml)溶液を−78℃に冷却し、t−ブチルリチウム
(1.48Mのペンタン溶液)0.87mlを加えて、
−78℃で2時間撹拌した。これに、実施例2で合成し
た(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−
ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)
−6−(t−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−オン209mgのエー
テル溶液(2ml)を−78℃で加えたのち、−78℃
で1時間、−60℃で1時間撹拌した。重曹水に注いで
酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した
後、減圧下濃縮した。
【0135】残渣に塩化メチレン2mlを加え、トリエ
チルアミン0.53ml、メタンスルホニルクロリド
0.14mlを0℃で加えた後、室温で1.5時間撹拌
した。重曹水に注いで酢酸エチルで抽出し、抽出液を減
圧下濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:30〜1:10)で精製
し、標題化合物263gを得た。標題化合物の構造式を
下記に示す。
【0136】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(m,6H),0.8
-2.9(m,28H),3.4-4.7(m,14H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-83(m), -115(m) 。
【0137】
【化20】
【0138】[実施例5] (1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−3−(5−
トリエチルシロキシペンチリデン)−4,4−ジフルオ
ロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−
(t−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタンの合成。
【0139】実施例2で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−
テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチルジメ
チルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オンと5−ヨードペンタノールトリエチルシリ
ルエーテルを用い、実施例4と同様の方法により、標題
化合物を合成した。
【0140】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(s,6H),0.5
-1.0(m,24H),1.1-2.9(m,16H),3.4-4.7(m.9H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-83(m), -115(m) 。
【0141】[実施例6] 5−(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,4
−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−(t−ブチルジメチルシロキシ)メチル−ビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタ
ン酸メチルの合成。
【0142】実施例4で合成した(1S,5R,6R,
7R)−2−オキサ−3−{4−(4−メチル−2,
6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタニ
ル)ブチリデン}−4,4−ジフルオロ−6−(t−ブ
チルジメチルシロキシ)メチル−7−(2−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ[3.3.0]オクタン2
63mgのジメトキシエタン(5ml)溶液に10%硫
酸水素ナトリウム水溶液0.5mlを0℃で加え、30
分間撹拌した。重曹水に注いで酢酸エチルで抽出し、抽
出液を減圧下濃縮して得た残渣に、メタノール5ml、
炭酸カリウム136mgを加えて室温で2時間撹拌し
た。重曹水に注いで酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で
抽出し、抽出液を減圧下濃縮して、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:30〜
1:10)で精製し、標題化合物191mgを得た。
【0143】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.05(m,6H),0.8
-2.9(m,25H),3.67(s,3H),3.4-4.7(m,8H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-83(m), -115(m) 。
【0144】[実施例7] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチルの合成。
【0145】実施例6で合成した5−(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−(t−ブチ
ルジメチルシロキシ)メチル−ビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル340mg
のTHF(10ml)溶液にテトラブチルアンモニウム
フルオリド780μl(1MのTHF溶液)を0℃で加
えた。室温で2時間撹拌した後溶媒を留去しシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール
=20:1)で精製し150mgの標題化合物を得た。
【0146】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.3-2.9(m,16
H),3.67(s,3H),3.4-4.7(m,8H) 。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-83(m), -115(m) 。
【0147】[実施例8] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S,5
S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−E−1−ノネニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸メチルの合成。
【0148】実施例7で合成した5−[(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヒドロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]ペンタン酸メチル150mgのベンゼン(3ml)
溶液にピリジン29μl、ジメチルスルホキシド30μ
l、トリフルオロ酢酸4μl、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド217mgを加え、室温で1時間撹拌した。不
溶物を濾過し、濾液を水洗、濃縮して対応するアルデヒ
ド粗製物を得た。
【0149】(4S)−4−メチル−2−オキソオクタ
ニルホスホン酸ジメチル235mgのジメトキシエタン
(5ml)溶液に水素化ナトリウム37mgを加えて1
0分間撹拌した。この溶液に上記のアルデヒド粗製物の
ジメトキシエタン(3ml)溶液を0℃で加え、室温で
30分間撹拌した後食塩水に注ぎ酢酸エチルで抽出し
た。乾燥濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:4〜1:1)で精製し対
応するエノン120mgを得た。このメタノール(5m
l)溶液に塩化セリウム7水和物102mgと水素化ホ
ウ素ナトリウム15mgを−40℃で加え−40℃で1
0分間、0℃で30分間撹拌した後飽和重曹水に注ぎ酢
酸エチルで抽出した。
【0150】濃縮後残渣をメタノール(5ml)に溶解
しp−トルエンスルホン酸1水和物5mgを0℃で加え
室温で1時間撹拌した。メタノールを留去した後飽和重
曹水と酢酸エチルを加え抽出した。抽出液を乾燥濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:アセトン=1:2)で精製し標題化合物39mgを
得た。標題化合物の構造式を下記に示す。
【0151】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-3.0(m,25
H),3.4-5.2(m,6H),6.2-6.8(m,2H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-179(m) 。
【0152】
【化21】
【0153】[実施例9] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3
−シクロペンチル−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸メチルの合成。
【0154】5−[(1S,5R,6R,7R)−2−
オキサ−4,4−ジフルオロ−7−(2−テトラヒドロ
ピラニルオキシ)−6−ヒドロキシメチル−ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メ
チルと2−オキソ−2−シクロペンチルエチルホスホン
酸ジメチルを用いて、実施例8と同様の方法により、標
題化合物を合成した。
【0155】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.1-2.7(m,19
H),3.67(s,3H),3.8-4.3(m,2H),4.7-4.9(m,2H),5.4-5.7
(m,2H) 。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-84(dd,J=17,250Hz),-117(d,J=25
0Hz)。 マススペクトル 401(M++1) 。
【0156】[実施例10] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3
−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−ノネン−6−イニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸メチルの合成。
【0157】実施例9と同じ5−[(1S,5R,6
R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−6−ヒドロキシ
メチル−ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデ
ン]ペンタン酸メチルと3−メチル−2−オキソ−5−
オクチニルホスホン酸ジメチルを用いて、実施例8と同
様の方法により、標題化合物を合成した。
【0158】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-2.8(m,21
H),3.67(s,3H),3.9-4.3(m,2H),4.4-4.7(m,2H),5.4-5.7
(m,2H) 。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-84(m), -117(m) 。 マススペクトル 427(M++1) 。
【0159】[実施例11] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S,5
S)−3−ヒドロキシ−5−メチル−E−1−ノネニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸ナトリウムの合成。
【0160】実施例8で合成した5−[(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
ヒドロキシ−6−{(3S,5S)−3−ヒドロキシ−
5−メチル−E−1−ノネニル}ビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチル139
mgのエタノ−ル(8ml)溶液に0.1N水酸化ナト
リウム3.39mlを加え、室温で14時間撹拌した。
減圧下濃縮し標題化合物125mgを得た。
【0161】1H-NMR(D2O) δ(ppm) :0.8-2.9(m,25H),
3.7-4.3(m,2H),4.5-5.0(m,2H),5.5-5.7(m,2H)。19 F-NMR(D2O,ppm):-84(dd,J=17,250Hz),-117(d,J=250H
z)。
【0162】[実施例12] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3
−シクロペンチル−3−ヒドロキシ−E−1−プロペニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸ナトリウムの合成。
【0163】実施例9で合成した5−[(1S,5R,
6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−7−
ヒドロキシ−6−{(3S)−3−シクロペンチル−3
−ヒドロキシ−E−1−プロペニル}ビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メチルを
用いて、実施例11と同様の方法により、標題化合物を
合成した。
【0164】1H-NMR(D2O) δ(ppm) :1.0-2.9(m,19H),
3.7-4.3(m,2H),4.5-5.0(m,2H),5.4-5.7(m,2H)。19 F-NMR(D2O,ppm):-84(dd,J=17,250Hz),-117(d,J=250H
z)。
【0165】[実施例13] 5−[(1S,5R,6R,7R)−2−オキサ−4,
4−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3
−ヒドロキシ−4−メチル−E−1−ノネン−6−イニ
ル}ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−イリデン]
ペンタン酸ナトリウムの合成。
【0166】実施例10で合成した5−[(1S,5
R,6R,7R)−2−オキサ−4,4−ジフルオロ−
7−ヒドロキシ−6−{(3S)−3−ヒドロキシ−4
−メチル−E−1−ノネン−6−イニル}ビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−イリデン]ペンタン酸メ
チルを用い実施例11と同様の方法により、標題化合物
を合成した。
【0167】1H-NMR(D2O) δ(ppm) :0.7-2.8(m,21H),
3.7-4.3(m,2H),4.5-5.0(m,2H),5.3-5.7(m,2H)。19 F-NMR(D2O,ppm):-84(m), -117(m) 。
【0168】
【発明の効果】ジハロゲン化プロスタサイクリン類中間
体として有用な本発明の一般式(1)や(2)で表され
る化合物は、いずれも、従来の中間体よりも化学的安定
性に優れた化合物である。本発明の化合物や製造方法を
採用することにより、プロスタサイクリン骨格の7位に
2個のハロゲン原子を有するジハロゲン化プロスタサイ
クリン類を効率よく合成できる。
【0169】また、本発明の化合物は、いずれも、公知
の化合物より短段階で効率よく合成できる。合成方法
は、いずれも厳しい反応条件や、長時間の反応を必要せ
ず、かつ、特別な反応試薬や反応装置を必要としない優
れた方法である。さらに、原料となる化合物も、入手容
易な化合物である。したがって、本発明の化合物および
その製造方法は、汎用性の点においても優れ、他の数多
くの誘導体の合成にも適用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正内容】
【0151】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-2.7(m,25
H),3.67(s,3H),3.9-4.3(m,2H),4.7-4.9(m,2H) ,5.5-5.7
(m,2H)。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-84(dd,J=17,248Hz),-117(d,J=24
8Hz)マススペクトル 431(M ++1) 。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正内容】
【0158】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.8-2.8(m,21
H),3.67(s,3H),3.9-4.3(m,2H),4.7-4.9(m,2H),5.4-5.7
(m,2H) 。19 F-NMR(CDCl3,ppm):-84(m), -117(m) 。 マススペクトル 427(M++1) 。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される化合物。 【化1】 (ただし、一般式(1)において、 Q:置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、
    置換または非置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置
    換または非置換の炭素数1〜10のアルキニル基、置換
    または非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換
    または非置換のアルアルキル基、あるいは、置換または
    非置換のアリール基、 R4 、R5 :それぞれ独立に、水素原子または保護基、 X1 、X2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、を表
    す。)
  2. 【請求項2】Qが−B−Zで表される基である、請求項
    1の化合物。(ただし、 B:炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数3〜6のシク
    ロアルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基を
    含むアルキレン基、エーテル結合またはチオエーテル結
    合を含む炭素数2〜6のアルキレン基、またはフェニレ
    ン基、 Z:カルボキシル基、カルボキシル基の類縁基、ホルミ
    ル基、保護されたホルミル基、水酸基、または保護され
    た水酸基、を表す。)
  3. 【請求項3】Zがエステル化されたまたはオルトエステ
    ル化されたカルボキシル基であり、Bが炭素数3〜5の
    アルキレン基である、請求項2の化合物。
  4. 【請求項4】X1 、X2 がいずれもフッ素原子である、
    請求項1、2または3の化合物。
  5. 【請求項5】一般式(2)で表されるジハロゲン化ラク
    トン類。 【化2】 (ただし、一般式(2)において、 R4 、R5 :それぞれ独立に、水素原子または保護基、 X1 、X2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、を表
    す。)
  6. 【請求項6】X1 、X2 がいずれもフッ素原子である、
    請求項5のジハロゲン化ラクトン類。
  7. 【請求項7】一般式(2)で表されるジハロゲン化ラク
    トン類に、一般式(3)で表される有機金属化合物を付
    加反応せしめ、脱水することによる、一般式(1)で表
    される化合物の製造方法。 【化3】 【化4】 【化5】 (ただし、一般式(1)、(2)、(3)において、 Q:置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、
    置換または非置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置
    換または非置換の炭素数1〜10のアルキニル基、置換
    または非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換
    または非置換のアルアルキル基、あるいは置換または非
    置換のアリール基、 R4 、R5 :それぞれ独立に、水素原子または保護基、 X1 、X2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、 M:金属原子、 L:金属配位子、 m:1〜8の整数、 n:0〜10の整数、を表す。)
  8. 【請求項8】Qが−B−Zで表される基である、請求項
    7の製造方法。(ただし、 B:炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数3〜6のシク
    ロアルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基を
    含むアルキレン基、エーテル結合またはチオエーテル結
    合を含む炭素数2〜6のアルキレン基、またはフェニレ
    ン基、 Z:カルボキシル基、カルボキシル基の類縁基、ホルミ
    ル基、保護されたホルミル基、水酸基、または保護され
    た水酸基、を表す。)
  9. 【請求項9】Zがエステル化されたまたはオルトエステ
    ル化されたカルボキシル基であり、Bが炭素数3〜5の
    アルキレン基である、請求項8の製造方法。
  10. 【請求項10】X1 、X2 がいずれもフッ素原子であ
    る、請求項7、8または9の製造方法。
  11. 【請求項11】Mがリチウム、ナトリウム、マグネシウ
    ム、ホウ素、アルミニウム、亜鉛および銅から選ばれる
    少なくとも1種の金属原子であり、Lはハロゲン原子か
    らなる配位子、イオウまたはリンを含む配位子、および
    アルキル基またはアリール基からなる有機配位子から選
    ばれる少なくとも1種の金属配位子であり、mが1〜4
    の整数であり、nが0〜4の整数である、請求項7の製
    造方法。
  12. 【請求項12】一般式(4)で表されるモノハロゲン化
    ラクトン類をハロゲン化反応せしめることによる一般式
    (2)で表されるジハロゲン化ラクトン類の製造方法。 【化6】 【化7】 (ただし、一般式(2)、(4)において、 R4 、R5 :それぞれ独立に、水素原子または保護基、 X1 、X2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、 Y:X1 またはX2 であるハロゲン原子、を表す。)
  13. 【請求項13】X1 、X2 、Yがいずれもフッ素原子で
    ある、請求項12の製造方法。
  14. 【請求項14】一般式(1)で表される化合物を一般式
    (5)で表される化合物に変換し、一般式(6)で表さ
    れる化合物と反応せしめた後、還元することによる一般
    式(7)で表されるジハロゲン化プロスタサイクリン類
    の製造方法。 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 (ただし、一般式(1)、(5)、(6)、(7)にお
    いて、 A:エチレン基、ビニレン基、またはエチニレン基、 Q:置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基、
    置換または非置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置
    換または非置換の炭素数1〜10のアルキニル基、置換
    または非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換
    または非置換のアルアルキル基、あるいは置換または非
    置換のアリール基、 R1 :置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル
    基、置換または非置換の炭素数1〜10のアルケニル
    基、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキニル
    基、置換または非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、置換または非置換のアルアルキル基、あるいは、置
    換または非置換のアリールオキシ基、 R2 、R4 、R5 :それぞれ独立に、水素原子または保
    護基、 R6 :低級アルキル基、 X1 、X2 :それぞれ独立に、ハロゲン原子、を表
    す。)
  15. 【請求項15】Qが−B−Zで表される基である、請求
    項14の製造方法。(ただし、 B:炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数3〜6のシク
    ロアルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基を
    含むアルキレン基、エーテル結合またはチオエーテル結
    合を含む炭素数2〜6のアルキレン基、またはフェニレ
    ン基、 Z:カルボキシル基、カルボキシル基の類縁基、ホルミ
    ル基、保護されたホルミル基、水酸基、または保護され
    た水酸基、を表す。)
  16. 【請求項16】Zがエステル化されたまたはオルトエス
    テル化されたカルボキシル基であり、Bが炭素数3〜5
    のアルキレン基である、請求項15の製造方法。
  17. 【請求項17】X1 、X2 がいずれもフッ素原子であ
    る、請求項14、15または16の製造方法。
  18. 【請求項18】Aがビニレン基であり、R1 が、直鎖状
    あるいは分岐状の炭素数4〜8のアルキル基、直鎖状あ
    るいは分岐状の炭素数4〜8のアルケニル基、直鎖状あ
    るいは分岐状の炭素数4〜8ののアルキニル基、ハロゲ
    ン原子あるいは低級アルキル基で置換されていてもよい
    炭素数3〜8のシクロアルキル基、ハロゲン原子あるい
    は低級アルキル基で置換されていてもよい炭素数3〜8
    のシクロアルキル基が結合した炭素数1〜4のアルキル
    基であるアルアルキル基、または、ハロゲン原子あるい
    は低級アルキル基で置換されていてもよいフェノキシ基
    である、請求項14の製造方法。
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