JP2752489B2 - 新規な大環状化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規な大環状化合物及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式 (式中、Aは−CH2=CH2−又は を表し、ここでR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基を表
すか、又は一緒になって置換もしくは非置換のメチレン
基を表す) で示される大環状化合物及びその製造方法に関する。
本発明により提供される一般式(I)で示される大環
状化合物は、種々の生理活性を有するステロイド化合物
の合成中間体として有用である。
〔従来の技術〕
本発明の大環状化合物は文献未記載の新規化合物であ
り、無論この化合物の性質ならびに合成法はこれまで知
られていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は産業上有用な大環状化合物及びその製
造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の課題は、 (1)前記一般式(I)で示される大環状化合物、及び (2)一般式 X−CH2−A−CH2−X (II) (式中、Aは−CH2=CH2−又は を表し、ここでR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基を表
すか、又は一緒になって置換もしくは非置換のメチレン
基を表し、Xはハロゲン原子、アリールスルホニル基又
はアルキルスルホニル基を表す) で示される化合物と一般式 (式中、R3は置換もしくは非置換のアルコキシメチル基
を表す) で示される化合物とを反応させ、生成する一般式 (式中、A及びR3は前記定義のとおりである) で示される化合物を加水分解することを特徴とする一般
式(I)で示される大環状化合物の製造方法を提供する
ことによって達成される。
本発明の大環状化合物はムスク様の香気を有するため
香料として使用できるほか、ステロイド化合物へと導く
ことができる。
上記一般式におけるR1、R2、R3及びXを詳しく説明す
る。R1及びR2はそれぞれ低級アルキル基を表すか、又は
一緒になって置換もしくは非置換のメチレン基を表す。
低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プ
ロピル基、n−プロピル基等が例示される。また、置換
されているメチレン基としては、エチリデン基、i−プ
ロピリデン基、ベンジリデン基等の低級アルキル基又は
フェニル基で置換されているメチレン基が例示される。
次に、R3は置換もしくは非置換のアルコキシメチル基を
表し、例えばメトキシメチル基、1−エトキシエチル
基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。Xは塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子又はパラトルエンス
ルホニル基、メタンスルホニル基等の有機スルホニル基
を表す。
本発明に従う化合物(II)と化合物(III)との反応
による化合物(IV)の合成方法について説明する。化合
物(II)及び化合物(III)は2対1〜1対2、好まし
くは1対1程度のモル比で使用される。かかる反応は、
通常塩基の存在下に行われる。ここで塩基としては、リ
チウムテトラメチルジシラザン、カリウムテトラメチル
ジシラザン、リチウムジイソプロピルアミド等の金属ア
ミド;水素化カリウム、水素化ナトリウム等の金属ハイ
ドライド等が使用される。反応は有機溶媒中で行われ、
有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、ヘキサ
ン等の炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類が使用さ
れる。その使用量は化合物(II)あるいは化合物(II
I)の濃度が約0.05〜0.2モル/lとなる程度が好ましい。
反応は約20〜100℃の温度範囲で行うのが適当である。
上記反応により得られた化合物(IV)の分離は通常の
方法により行うことができる。例えば、反応液に弱酸性
水溶液を加えて、有機溶媒で抽出し、次いで有機層を水
洗し、減圧下低沸物を留去する。得られた残渣は、その
まま次の加水分解によって化合物(I)に変換すること
もできるし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
すことにより化合物(IV)を単離することもできる。
化合物(IV)から化合物(I)への加水分解は、通常
の酸加水分解、アルカリ加水分解の条件により行うこと
ができる。即ち、化合物(IV)を触媒量のパラトルエン
スルホン酸等の有機酸あるいは塩酸、硫酸等の鉱酸の存
在下、メタノール等のアルコール系溶媒中で反応させ、
ジシアノヒドリン体を得る。これを常法により分離後、
ジエチルエーテル等の有機溶媒中塩基、例えば2%水酸
化ナトリウム水溶液で処理することにより化合物(I)
を合成することができる。
原料として使用する化合物(III)は、ファルネソー
ルから容易に合成できる3,7−ジメチル−2,6−デカジエ
ン−1,10−ジアールを、通常の方法によりシアノヒドリ
ン化したのち、アルコール部分を保護することにより容
易に得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例により限定されるものではない。
実施例1 50ml容なす型フラスコに3,7−ジメチル−2,6−デカジ
エン−1,10−ジアール0.997g(5.1mmol)、トリメチル
シリルシアニド1.50g(11.3mmol)、及びジシクロヘキ
シル−18−クラウン−6・KCN10mgを入れ、この混合物
を室温で15分間撹拌した。反応混合物をテトロヒドロフ
ラン20mlで希釈し、0℃に冷却後、1N塩酸水5mlを加え
てさらに0℃で10分間撹拌した。反応液にジエチルエー
テル及び飽和食塩水を加えて分液した。エーテル層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテル溶液から溶媒を留去し黄色の油状物1.438gを得
た。
50ml容なす型フラスコにi)で得られた黄色の油状物
1.438g及びベンゼン30mlを入れ、0℃で撹拌した。そこ
へ触媒量のp−トルエンスルホン酸5mgを入れ、さらに
エチルビニルエーテル1.10g(10.8mmol)を入れて、こ
の混合物を0℃で30分間撹拌した。反応混合物に飽和重
炭酸ナトリウム水溶液を加えて分液した。水層をジエチ
ルエーテルで抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、得られた残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフィー(溶出液:ヘキサンとジエチルエーテルとの
容積比10対1〜5対1の混合液)により精製し、淡黄色
油状物1.850gを得た。このものは下記の機器分析データ
により、1,10−ジシアノ−1,10−ジ(1−エトキシエト
キシ)−3,7−ジメチルデカ−2,6−ジエンであることを
確認した。i)及びii)を通じた収率は92%であった。1 H−NMR(δ in CDCl3) 1.1〜1.5(m,12H),1.63(s,3H),1.75(d,3H), 1.7〜2.4(m,8H),3.3〜3.8(m,4H), 4.1〜4.6(m,1H),4.6〜5.5(m,5H) ジムロート冷却管、滴下ロート、セプタム付導入管を
装着した200ml容三つ口反応容器にヘキサメチルジシラ
ザン13.0g(15.5mmol)及びテトラヒドロフラン75mlを
入れ、0℃に冷却後、セプタムを通じてn−ブチルリチ
ウムのテトラヒドロフラン溶液(1.65N)8.4ml(7.6mmo
l)を注入した。この混合液を0℃で1時間撹拌した後6
0℃に加熱した。そこへii)で得られた油状物1.014g
(2.6mmol)とジブロマイド(1,8−ジブロモ−4,5−o
−イソプロピリデン−2,6−オクタジエン)0.799g(2.6
mmol)をテトラヒドロフラン75mlに溶かした溶液を5時
間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を0℃に冷却
し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いでジエチ
ルエーテルで抽出した。この抽出液を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル溶液か
ら溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルを用いたカラム
クロマトグラフィー(溶出液:ヘキサンとジエチルエー
テルの容量比2対1の混合液)により精製し、油状物0.
697gを得た。このものは下記の機器分析データにより、
1,10−ジシアノ−1,10−ジ(1−エトキシエトキシ)−
5,6−o−イソプロピリデン−12,16−ジメチルシクロオ
クタデカ−3,7,11,15−テトラエンであることを確認し
た。収率52%。1 H−NMR(δ in CDCl3) 1.0〜1.5(m,12H),1.43(s,6H),1.65(d,3H), 1.90(s,3H),2.0〜2.9(m,12H), 3.3〜3.8(m,4H),3.9〜4.2(m,2H), 4.8〜5.2(m,5H),5.4〜5.9(m,3H) 50ml容なす型フラスコにiii)で得られた油状物0.584
g、メタノール40ml及びp−トルエンスルホン酸10mgを
入れ、この混合物を40℃で1.5時間撹拌した。室温まで
冷却後、塩化メチレン及び飽和食塩水を入れ分液した。
塩化メチレン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を留去した。得られた残渣を200ml容なす型フラスコに
入れ、ジエチルエーテル100mlで希釈し、その混合液を
0℃に冷却した。そこへ2%水酸化ナトリウム水溶液50
mlを加え、1分間撹拌後分液した。有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
した。得られた残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマ
トグラフィー(溶出液:ヘキサンとジエチルエーテルの
容量比2対1の混合液)により精製し、油状物0.241gを
得た。このものは下記の機器分析データにより、5.6−
o−イソプロピリデン−12,16−ジメチルシクロオクタ
デカ−3,7,11,15−テトラエン−1,10−ジオンであるこ
とを確認した。収率63%。1 H−NMR(δ in CDCl3) 1.42(s,6H),1.59(s,3H),2.10(d,3H), 2.2〜2.5(m,H),3.13(d,4H),4.10(dd,2H), 4.88(brs,1H),5.5〜5.9(m,4H),6.01(brs,1H) IR(neat,ν cm-1) 3400,2900,1710,1680,1600 実施例2 実施例1のiii)においてC8のジブロマイド(1,8−ジ
ブロモ−4,5−o−イソプロピリデン−2,6−オクタジエ
ン)の代わりにC4のジクロライド(1,4−ジクロロ−2
−ブテン)を用いた以外は同様にして反応及び分離操作
を行い、油状物を収率50%で得た。このものは下記の機
器分析データにより、1,6−ジシアノ−1,6−ジ(1−エ
トキシエトキシ)−8,12−ジメチルシクロテトラデカ−
3,7,11−トリエンであることを確認した。1 H−NMR(δ in CDCl3) 0.8〜1.5(m,17H),1.60(s,3H), 1.8〜2.4(m,6H),2.6〜2.8(m,4H), 3.4〜3.8(m,4H),4.8〜5.2(m,4H), 5.4〜5.8(m,2H) i)で得られた油状物を実施例1のiv)と同様に反
応、分離操作を行い油状物を得た。このものは、下記の
機器分析データにより、8,12−ジメチルシクロテトラデ
カ−3,7,11−トリエン−1,6−ジオンであることを確認
した。収率60%。1 H−NMR(δ in CDCl3) 1.60(s,3H),2.09(d,3H), 2.1〜2.4(m,6H),2.5〜2.7(m,2H), 3.02(d,2H),3.08(d,2H), 4.7〜5.0(m,1H),5.5〜5.8(m,2H), 5.96(s,1H) IR(neat,ν cm-1) 3410,2920,1710,1680,1620

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Aは−CH2=CH2−又は を表し、ここでR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基を表
    すか、又は一緒になって置換もしくは非置換のメチレン
    基を表す) で示される大環状化合物。
  2. 【請求項2】一般式 X−CH2−A−CH2−X (II) (式中、Aは−CH2=CH2−又は を表し、ここでR1及びR2はそれぞれ低級アルキル基を表
    すか、又は一緒になって置換もしくは非置換のメチレン
    基を表し、Xはハロゲン原子、アリールスルホニル基又
    はアルキルスルホニル基を表す) で示される化合物と一般式 (式中、R3は置換もしくは非置換のアルコキシメチル基
    を表す) で示される化合物とを反応させ、生成する一般式 (式中、A及びR3は前記定義のとおりである) で示される化合物を加水分解することを特徴とする一般
    (式中、Aは前記定義のとおりである) で示される大環状化合物の製造方法。
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