JPH11255687A - 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール - Google Patents

1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール

Info

Publication number
JPH11255687A
JPH11255687A JP6256498A JP6256498A JPH11255687A JP H11255687 A JPH11255687 A JP H11255687A JP 6256498 A JP6256498 A JP 6256498A JP 6256498 A JP6256498 A JP 6256498A JP H11255687 A JPH11255687 A JP H11255687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
reaction
naphthoxy
bromo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6256498A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sugimura
高志 杉村
Akira Tai
晰 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP6256498A priority Critical patent/JPH11255687A/ja
Publication of JPH11255687A publication Critical patent/JPH11255687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】不斉配位子として、還元反応やディールス−ア
ルダー反応等において高い不斉収率を達成するのに有用
な光学活性化合物の提供。 【解決手段】1,1′,5′,1″−テルナフタレン−
2,2′,6′,2″−テトラオール。該化合物は下記
の反応により合成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性な1,
1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,
2″−テトラオール(以下、TERNOLと略称するこ
とがある)に関する。
【0002】本発明のTERNOLは新規な不斉配位子
として、還元反応やディールス−アルダー反応をはじめ
とする多くの有機合成反応において高い不斉収率を達成
するのに有用である。
【0003】
【従来の技術】光学活性なビナフトールおよびその誘導
体の光学活性体はキラルな2座配位子として広く用いら
れ、さまざまな反応において高い不斉収率を与えてい
る。一方、本発明者らは、下記反応式
【0004】
【化2】
【0005】に示すように、光学活性な各種1,3−ジ
オール、例えば光学活性な2,4−ペンタンジオール及
びその誘導体とブロモナフトール化合物との縮合反応が
完全な立体反転により進行すること、ナフトール環の酸
化的なラジカルカップリング反応は80℃においても9
9%以上の立体区別性で進行して単一の異性体を与え、
さらに光学活性な2,4−ペンタンジオールの脱離反応
における条件下でもその光学純度が低下しないことを見
出している(テトラヘドロン アシンメトリー、199
7年、8巻、649−655頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、新規な
不斉配位子を探索した結果、上記反応式に示される光学
活性な各種1,3−ジオールと縮合したブロモナフトー
ル環の立体区別性酸化的カップリング反応の手法を利用
することにより、新規なTERNOLの合成に成功し、
出発物質となる光学活性な各種1,3−ジオールにより
反応の立体化学を制御することで、極めて高い光学純度
を持つTERNOLが得られ、かかるTERNOLが不
斉配位子として有用であることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は下記
の化学式(I)
【0008】
【化3】 で示されるTERNOLに関する。TERNOLは
(R,R)型、(S,S)型、meso型の3種の立体
異性体を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のTERNOLは新規化合
物であり、公知化合物である光学活性な各種1,3−ジオ
ール、好適には光学活性な2,4−ペンタンジオールを
出発物質に用いて下記の式で示されるスキームにしたが
って製造することができる。
【0010】
【化4】
【0011】前記スキームで示されている(R,R)−
TERNOLの製造を例に、各工程について、以下に詳
しく説明する。
【0012】第1工程 (R,R)−2,4−ペンタンジオールと1−ブロモ−
2−ナフトールをジエチルアゾカルボキシレートとトリ
ブチルホスフィン存在下で縮合することにより(2S,
4R)−2−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)−4−ペ
ンタノール(化合物1)を容易に製造することができ
る。化合物1の反応混合物からの単離・精製は、一般に
有機化合物を反応混合物から単離・精製する際に用いら
れている方法と同様の方法によって行うことができる。
例えば、反応混合物を濃縮することにより粗生成物を
得、得られた粗生成物を必要に応じて再結晶、クロマト
グラフィー等に付すことによって行うことができる。な
お、この反応で生成したエーテル部位の立体化学は完全
に反転する。
【0013】第2工程 1,5−ジブロモ−2,6−ナフトジオールを出発原料
とし、公知の反応の組み合わせにより、例えば水酸基の
ジアセトキシ化、半加溶媒分解、メトキシメチル化、加
水分解の4段階の反応により、1,5−ジブロモ−6−
メトキシメトキシ−2−ナフトール(化合物2)を容易
に製造することができる。
【0014】この化合物2を前記化合物1とジエチルア
ゾカルボキシレートとトリブチルホスフィン存在下で縮
合することにより、(2S,4S)−2−(1,5−ジ
ブロモ−6−メトキシメトキシ−2−ナフトキシ)−4
−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン(化合物
3)が得られる。化合物3は、第1工程と同様の方法に
よって単離・精製することができる。なお、この反応で
生成したエーテル部位の立体化学は完全に反転する。
【0015】第3工程 第2工程で得られた化合物3を、精製後、または粗生成
物のまま脱メトキシメチル化反応に付すことにより、
(2S,4S)−2−(1,5−ジブロモ−6−ヒドロ
キシ−2−ナフトキシ)−4−(1−ブロモ−2−ナフ
トキシ)ペンタン(化合物4)を製造することができ
る。なお、本工程において生成物の立体化学は保たれ
る。
【0016】第4工程 第3工程で得られた化合物4と第1工程で得られた化合
物1とを、ジエチルアゾカルボキシレートとトリブチル
ホスフィンの存在下で縮合することにより、(S,S,
S,S)−2,6−ビス[2−(1−ブロモ−2−ナフ
トキシ−4−ペントキシ]−1,5−ジブロモナフタレ
ン(化合物5)を製造することができる。化合物5は、
第1工程と同様の方法によって単離・精製することがで
きる。なお、この反応で生成するエーテル部位の立体化
学は完全に反転する。
【0017】第5工程 第4工程で得られた化合物5をブチルリチウムによりテ
トラリチオ化後、シアン化銅の存在下に空気酸化してカ
ップリング反応を行うことにより、(R,R)−TER
NOL前駆体(化合物6)を単一の立体異性体として製
造することができる。なお、本工程の反応は立体区別的
に進行する。
【0018】第6工程 第5工程で得られた化合物6を三臭化ホウ素と反応させ
ることにより(R,R)−TERNOLを単一の立体異
性体として製造することができる。なお、本工程におい
て生成物の立体化学は保たれ、(meso)−TERN
OLおよび(S,S)−TERNOLは全く生成しな
い。
【0019】また、(S,S)−TERNOLは、第1
工程において(R,R)−2,4−ペンタンジオールの
代わりに、(S,S)−2,4−ペンタンジオールを用
いて同様にして第2工程から第6工程の反応を行うこと
により製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0021】製造例1 [1,5−ジブロモ−6−メト
キシメトキシ−2−ナフトール(化合物2)の製造] 乾燥したナスフラスコ(容量100ml)に窒素気流
下、1,5−ジブロモ−2,6−ナフトジオール2.0
28g(6.38mmol)、ピリジン2.61ml
(31.9mmol)、テトラヒドロフラン20mlを
加え、無水酢酸3.01ml(31.9mmol)を室
温で5分かけて滴下し、室温で2時間攪拌した。その
後、2N塩酸で酸性(pH4)にし、塩化メチレン20
mlで5回抽出し、有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去して、2,6−
ジアセトキシ−1,5−ジブロモナフタレン(ジアセテ
ート体)を得た(収量2.5197g、収率98.2
%)。なお、得られたジアセテート体の物性は以下のと
おりであった。
【0022】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:2.41(s、
6H)、7.36(d、J=8.79Hz、2H)、
8.29(d、J=9.28Hz、2H)
【0023】次に、乾燥したナスフラスコ(容量300
ml)に窒素気流下、前記反応を繰り返して得られたジ
アセテート体10.0159g(24.9mmol)、
炭酸カリウム17.2308g(125mmol)、テ
トラヒドロフラン250mlを加え、室温でメタノール
を5ml滴下した。室温で2時間攪拌後、反応液を2N
塩酸で酸性(pH4)にし、ジエチルエーテル100m
lで5回抽出した。有機層を水で1回洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去して、6−
アセトキシ−1,5−ジブロモ−2−ナフトール(モノ
アセテート体)を得た(収量8.4942g、収率9
4.8%)。なお、得られたモノアセテート体の物性は
以下のとおりであった。
【0024】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:2.40(s、
3H)、7.30(d、J=8.79Hz、1H)、
7.33(d、J=9.28Hz、1H)、8.04
(d、J=8.79Hz、1H)、8.17(d、J=
9.28Hz、1H)
【0025】次いで、乾燥したナスフラスコ(容量20
0ml)に窒素気流下、モノアセテート体2.0533
g(5.70mmol)、炭酸カリウム2.3640g
(17.1mmol)、テトラヒドロフラン80mlを
加え、室温でクロロメチルメチルエーテル0.682m
l(7.98mmol)を滴下した。室温で3時間攪拌
後、水酸化ナトリウム約1gを加え、さらにメタノール
5mlを滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌後、
2N塩酸で中和し(pH7)、ジエチルエーテル80m
lで5回抽出した。有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を
ショートカラムにより精製し、下記の物性を有する1,
5−ジブロモ−6−メトキシメトキシ−2−ナフトール
(化合物2)を得た(収量1.9942g、収率96.
6%)。
【0026】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:3.56(s、
3H)、5.32(s、2H)、7.31(d、J=
9.28Hz、1H)、7.47(d、J=9.28H
z、1H)、7.98(d、J=9.28Hz、1
H)、8.17(d、J=9.28Hz、1H) IR(KBr、cm-1):3410、3070、175
0、1620、1600、1490、1380、136
0、1330、1310、1270、1250、123
0、1210、1020、980、890、710、6
50、610
【0027】製造例2 [(2S,4R)−2−(1−
ブロモ−2−ナフトキシ)−4−ペンタノール(化合物
1)の製造(第1工程)] 乾燥したナスフラスコ(容量100ml)に窒素気流
下、(R,R)−2,4−ペンタンジオール0.24g
(2.3mmol)、1−ブロモ−2−ナフトール0.
5410g(2.3mmol)、トリブチルホスフィン
0.56ml(2.76mmol)およびテトラヒドロ
フラン20mlを加え、室温でジエチルアゾジカルボキ
シレート(以下、DEADと略称する)0.48ml
(2.76mmol)を滴下した。室温で1時間攪拌し
た後、反応液から溶媒を減圧下に留去し、得られた残留
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製するこ
とにより、下記の物性を有する(2S,4R)−2−
(1−ブロモ−2−ナフトキシ)−4−ペンタノール
(化合物1)を得た(収量0.5182g、収率72.
9%)。
【0028】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:1.24(d、
J=6.84Hz、3H)、1.36(d、J=5.8
6Hz、3H)、1.79−1.82(m、1H)、
2.05−2.08(m、1H)、4.07−4.12
(m、1H)、4.76(m、1H)、7.25(d、
J=9.77Hz、1H)、7.39(t、J=7.3
2Hz、1H)、7.55(t、J=7.33Hz、1
H)、7.77(dd、J=9.28、5.86Hz、
2H)、8.19(d、J=8.79Hz、1H) IR(neat、cm-1):3400、3060、29
70、2930、1620、1590、1500、14
60、1350、1270、1240、1110、80
【0029】製造例3 [(2S,4S)−2−(1,
5−ジブロモ−6−メトキシメトキシ−2−ナフトキ
シ)−4−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン
(化合物3)の製造] 乾燥したナスフラスコ(容量100ml)に窒素気流
下、製造例1で得られた1,5−ジブロモ−6−メトキ
シメトキシ−2−ナフトール(化合物2)1.9942
g(5.51mmol)、製造例2で得られた(2S,
4R)−2−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)−4−ペ
ンタノール(化合物1)2.044g(6.61mmo
l)、トリブチルホスフィン1.73ml(6.61m
mol)およびテトラヒドロフラン100mlを加え、
室温でDEAD1.34ml(7.72mmol)を滴
下した。室温で2時間攪拌後、反応液から溶媒を減圧下
に留去し、下記の物性を有する(2S,4S)−2−
(1,5−ジブロモ−6−メトキシメトキシ−2−ナフ
トキシ)−4−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタ
ン(化合物3)を含む粗生成物を得た(収量8.056
8g)。
【0030】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:1.42(d、
J=5.86Hz、3H)、1.44(d、J=6.3
5Hz、3H)、2.12−2.20(m、2H)、
3.56(s、3H)、4.92−5.02(m、2
H)、5.30(s、2H)、7.00(d、J=8.
79Hz、1H)、7.03(d、J=9.77Hz、
1H)、7.24(t、J=7.57Hz、1H)、
7.34(d、J=8.79Hz、1H)、7.38
(d、J=9.77Hz、1H)、7.41(d、J=
8.30Hz、1H)、7.48(t、J=8.30H
z、1H)、7.76(d、J=9.28Hz、1
H)、8.07(d、J=9.77Hz、1H)、8.
09(d、J=9.77Hz、1H)
【0031】製造例4 [(2S,4S)−2−(1,
5−ジブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフトキシ)−4
−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン(化合物
4)の製造] 乾燥したナスフラスコ(容量200ml)に窒素気流
下、製造例3で得られた(2S,4S)−2−(1,5
−ジブロモ−6−メトキシメトキシ−2−ナフトキシ)
−4−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン(化合
物3)を含む粗生成物8.0568gとテトラヒドロフ
ラン50mlを加え、47%臭化水素水溶液15mlを
室温で5分間で滴下した。反応液を室温で60分攪拌
後、ジエチルエーテル50mlで6回抽出し、有機層を
水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留
去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し、下記の物性を持つ(2S,4S)−2−(1,
5−ジブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフトキシ)−4
−(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン(化合物
4)を得た(収量2.8565g、収率85.1%)。
【0032】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:1.42(d、
J=5.86Hz、3H)、1.43(d、J=6.3
5Hz、3H)、1.71−1.76(m、1H)、
1.89−1.95(m、1H)、3.40−3.44
(m、1H)、4.92−4.98(m、1H)、5.
84(s、1H)、6.96(d、J=9.28Hz、
1H)、7.00(d、J=9.28Hz、1H)、
7.20(t、J=9.28Hz、1H)、7.22
(d、J=7.81Hz、1H)、7.30(d、J=
9.28Hz、1H)、7.39(d、J=8.30H
z、1H)、7.47(dt、J=7.69、9.28
Hz、2H)、7.99(d、J=9.28Hz、1
H)、8.07(d、J=8.30Hz、1H)13 C−NMRスペクトル(100MHz、CDCl3
TMS基準、ppm)δ:21.13、21.18、4
5.44、73.89、74.13、77.30、10
6.02、110.54、116.29、117.9
1、118.21、124.10、125.93、12
6.07、127.41、127.50、127.6
5、128.01、128.59、128.77、12
9.54、132.78、149.21、151.4
5、152.47 IR(neat、cm-1):3480、2970、29
20、1590、1370、1350、1270、12
40、1210、800、750 比旋光度:[α]D 20=+34.7(c=0.6、 C
2Cl2
【0033】製造例5 [(S,S,S,S)−2,6
−ビス[2−(1−ブロモ−2−ナフトキシ−4−ペン
トキシ]−1,5−ジブロモナフタレン(化合物5)の
製造] 乾燥したナスフラスコ(容量100ml)に窒素気流
下、製造例4で得られた(2S,4S)−2−(1,5
−ジブロモ−6−ヒドロキシ−2−ナフトキシ)−4−
(1−ブロモ−2−ナフトキシ)ペンタン(化合物4)
0.2446g(0.402mmol)、製造例2で得
られた(2S,4R)−2−(1−ブロモ−2−ナフト
キシ)−4−ペンタノール(化合物1)0.1545g
(0.483mmol)、トリブチルホスフィン0.1
27ml(0.483mmol)およびテトラヒドロフ
ラン15mlを加え、室温でDEAD0.084ml
(0.483mmol)を滴下した。室温で1.5時間
攪拌後、反応液から溶媒を減圧下に留去し、得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する
ことにより、下記の物性を有する(S,S,S,S)−
2,6−ビス[2−(1−ブロモ−2−ナフトキシ−4
−ペントキシ]−1,5−ジブロモナフタレン(化合物
5)を得た(収量0.2414g、収率66.7%)。
【0034】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:1.36(d、
J=5.86、6H)、1.45(d、J=5.86、
6H)、2.12−2.21(m、4H)、4.90−
5.02(m、4H)、7.00(d、J=9.78、
2H)、7.10(d、J=8.79Hz、2H)、
7.25(t、J=6.59Hz、2H)、7.43
(d、J=8.79Hz、2H)、7.44(d、J=
8.30Hz、2H)、7.50(t、J=7.27H
z、2H)、7.73(d、J=9.28Hz、2
H)、8.14(d、J=8.30Hz、2H)13 C−NMRスペクトル(100MHz、CDCl3
TMS基準、ppm)δ:20.89、21.16、4
5.33、73.75、74.06、77.30、11
0.63、116.77、118.04、124.3
4、126.11、126.99、127.53、12
7.72、128.76、129.05、129.7
7、132.98、151.27、152.66 IR(KBr、cm-1):3060、2970、292
0、1590、1500、1350、1270、124
0、1150、800 比旋光度:[α]D 20=+175.5(c=0.9、C
2Cl2
【0035】製造例6 [(R,R)−(2,2′),
(6′,2″)−ビス[(1S,3S)−1,3−ジメ
チル−1,3−プロパンジオキシ]−1,1′,5′,
1″−テルナフタレン(化合物6)の製造] 乾燥したナスフラスコ(容量100ml)に窒素気流
下、製造例5で得られた(S,S,S,S)−2,6−
ビス[2−(1−ブロモ−2−ナフトキシ−4−ペント
キシ]−1,5−ジブロモナフタレン(化合物5)0.
2062g(0.23mmol)とテトラヒドロフラン
30mlを加え、−78℃に冷却した。そこにsec-ブチ
ルリチウム(1.13Mシクロヘキサン溶液)1.63
ml(1.84mmol)を滴下した。−78℃で30
分攪拌後、シアン化第一銅0.1680g(1.84m
mol)のテトラヒドロフラン懸濁液15mlを10分
で滴下した。−78℃で30分攪拌後、反応器内に酸素
を約1000ml/hrの速度で1時間吹き込んだ。さ
らに2時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液5ml
を加えて室温まで昇温し、ジエチルエーテル60mlで
5回抽出し、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより、下記の物
性を持つ(R,R)−(2,2′),(6′,2″)−
ビス[(1S,3S)−1,3−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオキシ]−1,1′,5′,1″−テルナフタ
レン(化合物6)を得た(収量0.072g、収率55
%)。
【0036】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:1.20(d、
J=6.35Hz、6H)、1.30(d、J=6.3
5Hz、6H)、1.73−1.80(m、4H)、
4.50(m、2H)、4.62(m、2H)、7.0
9(d、J=9.28Hz、2H)、7.23(t、J
=8.30Hz、2H)、7.25(d、J=8.79
Hz、2H)、7.31(t、J=7.45Hz、2
H)、7.36(d、J=8.30Hz、2H)、7.
39(d、J=9.28Hz、2H)、7.82(d、
J=7.81Hz、2H)、7.87(d、J=8.7
9Hz、2H)13 C−NMRスペクトル(100MHz、CDCl3
TMS基準、ppm)δ:22.60、22.74、2
9.88、42.17、74.73、75.40、11
9.22、123.28、123.80、124.0
5、126.22、126.60、127.83、12
8.04、129.37、130.29、130.3
5、133.66、153.40、154.91 IR(neat、cm-1):3030、2970、29
30、1590、1500、1370、1320、12
50、1230、1110、1090、1050、97
0、750比旋光度:[α]D 20=−208.1(c=
1.0、CH2Cl2
【0037】製造例7 [(R,R)−1,1′,
5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−
テトラオール((R,R)−TERNOL)の製造] 乾燥したナスフラスコ(容量30ml)に窒素気流下、
製造例6で得られた(R,R)−(2,2′),
(6′,2″)−ビス[(1S,3S)−1,3−ジメ
チル−1,3−プロパンジオキシ]−1,1′,5′,
1″−テルナフタレン(化合物6)206.2mg
(0.230mmol)と塩化メチレン10mlを加
え、−78℃に冷却した。そこに三臭化ホウ素0.70
mlを滴下した。4時間攪拌後、2N塩酸5mlを加え
て室温まで昇温し、ジエチルエーテル20mlで4回抽
出し、有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製することにより、下記の物性を持つ
(R,R)−1,1′,5′,1″−テルナフタレン−
2,2′,6′,2″−テトラオール((R,R)−T
ERNOL)を得た。(収量155.0mg、収率8
9.2%)。なお、得られた(R,R)−TERNOL
の光学純度は高速液体クロマトグラフィー分析(カラ
ム:キラルセルAD((株)ダイセル製)、展開液:ヘキ
サン/エタノール/トリフルオロ酢酸=85/1/0.
5(容積比))により99%以上であることが分かっ
た。
【0038】1H−NMRスペクトル(400MHz、
CDCl3、TMS基準、ppm)δ:4.85(s、
2H)、5.07(s、2H)、7.12(d、J=
9.28Hz、2H)、7.18−7.23(m、4
H)、7.31−7.36(m、6H)、7.86
(d、J=9.28Hz、2H)、7.94(d、J=
9.30Hz、2H)13 C−NMRスペクトル(100MHz、CDCl3
TMS基準、ppm)δ:110.92、117.8
3、119.10、119.14、124.16、12
4.23、124.28、127.60、128.4
9、129.49、131.57、133.43、15
1.31、151.37、152.71比旋光度:
[α]D 20=+21.3(c=1.4、THF)
【0039】
【発明の効果】本発明の光学活性な1,1′,5′,
1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラ
オール(TERNOL)は、3つのナフトール骨格を連
結し、同一分子内に金属に配位可能な2座配位子部分を
2ヶ所に有する化合物である。この特徴的な構造を有す
るTERNOLを用いることにより、位置選択性および
/または立体選択性が高度に制御された反応を行うこと
が可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(I) 【化1】 で示される1,1′,5′,1″−テルナフタレン−
    2,2′,6′,2″−テトラオール。
JP6256498A 1998-03-13 1998-03-13 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール Pending JPH11255687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6256498A JPH11255687A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6256498A JPH11255687A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11255687A true JPH11255687A (ja) 1999-09-21

Family

ID=13203919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6256498A Pending JPH11255687A (ja) 1998-03-13 1998-03-13 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11255687A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Massad et al. A series of (2S)-2-O-protected-2-hydroxypropanals (L-lactaldehydes) suitable for use as optically active intermediates
Sugimura et al. Diastereo-differentiating cyclopropanation of a chiral enol ether: a simple method for the preparation of optically pure cyclopropyl ethers
EP0331524B1 (en) Synthesis of trichostatins
JPH05331128A (ja) (R)−(−)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸t−ブチルエステル及びその製造方法
JPH11255687A (ja) 1,1′,5′,1″−テルナフタレン−2,2′,6′,2″−テトラオール
JP4399885B2 (ja) 4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール誘導体の製造法
JP3823339B2 (ja) パーフルオロ(2−メチル−1,2−エポキシプロピル)エーテル化合物およびその製造法
CN103183591B (zh) 4′-二烷氧基甲基双环己烷-4-基甲醇及其制造方法
KR100543172B1 (ko) 테레인 화합물의 제조방법
US4701536A (en) Novel 10-membered ring compound and process for preparing the same
JP3376886B2 (ja) スポロクノールaの製造法およびその合成中間体
JP2654835B2 (ja) 光学活性4―エン―6―オール化合物、その製造中間体及びそれらの製造方法
JP3634874B2 (ja) トリフルオロメチルアセチレン誘導体、その製造方法およびその中間体の製造方法
JPS6234025B2 (ja)
JPS6233136A (ja) 光学活性なβ―アルキル―γ―アシルオキシカルボン酸エステルの製造方法
JP2848937B2 (ja) 置換メチレンシクロペンタン類の製造法
JP2752489B2 (ja) 新規な大環状化合物及びその製造方法
JP2000063321A (ja) 光学純度の高い長鎖β−ヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP3266701B2 (ja) 2,3−ジヒドロポリプレノールの製造法
JP2002265412A (ja) 新規シクロペンテノン誘導体
JP3950492B2 (ja) 光学活性含フッ素アルコールの製造方法
JP3471067B2 (ja) 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法
JP2734646B2 (ja) 2,2―ジフルオロカルボン酸誘導体の新規合成法
CN111662318A (zh) 一种伊洛前列素关键中间体及其制备方法
JPH0366304B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060418