JPH11322636A - シクロプロピルアセチレン誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロプロピルアセチレン誘導体の製造方法

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JPH11322636A
JPH11322636A JP11026034A JP2603499A JPH11322636A JP H11322636 A JPH11322636 A JP H11322636A JP 11026034 A JP11026034 A JP 11026034A JP 2603499 A JP2603499 A JP 2603499A JP H11322636 A JPH11322636 A JP H11322636A
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JP11026034A
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Goro Asanuma
五朗 浅沼
Kazuya Takagi
和也 高木
Shigeo Osono
重雄 大園
Manzo Shiono
万蔵 塩野
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬中間体として有用なシクロプロピルアセ
チレン誘導体を収率よく、工業的に有利に製造する方法
を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 で示されるプロピノール誘導体と一般式(VI) 【化2】 で示されるプロパン誘導体を、プロピノール誘導体に対
して2当量以上の塩基の存在下に反応させることにより
一般式(III) 【化3】 で示されるシクロプロパン誘導体を得、得られたシクロ
プロパン誘導体から水酸基の保護基を脱保護することに
より一般式(IV) 【化4】 で示されるシクロプロピルプロピノール誘導体を得、得
られたシクロプロピルプロピノール誘導体を逆エチニル
化反応させることを特徴とする一般式(V) 【化5】 で示されるシクロプロピルアセチレン誘導体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロプロピルア
セチレン誘導体の製造方法、ならびにその合成中間体お
よびその製造方法に関する。本発明により製造されるシ
クロプロピルアセチレン誘導体は、例えば抗HIV活性
を有するベンゾキサジノン誘導体(L−743726)
[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、
36巻、8937頁(1995年)参照]などのシクロ
プロパン骨格を分子内にもつ化合物の合成中間体として
有用である。
【0002】
【従来の技術】最近、シクロプロパン骨格を有する生理
活性物質が数多く発見されてきている。これらの化合物
の合成中間体として有用なシクロプロピルアセチレンの
製造方法としては、(1)5−クロロペンチンをn−ブチ
ルリチウムと反応させる方法[テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Letters)、36巻、8937頁(19
95年)参照]、(2)シクロプロピルメチルケトンを四
塩化炭素中、五塩化リンと反応させ、次いでカリウムte
rt−ブトキシドを用いて脱塩化水素させる方法[シンセ
シス(Synthesis)、703頁(1972年)参照]など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は原料となる5-クロロペンチンの合成収率が
57%と低いこと[ジャーナル オブ アメリカン ケミ
カル ソサイティー(Journal of American Chemical So
ciety)、67巻、484頁(1945年)参照]、上
記(2)の方法は副生成物が多く、目的物の収率が低いこ
となどの問題点を有しており、シクロプロピルアセチレ
ンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。一方、プロ
ピノール誘導体とアルキル(ジ)ハライドを液体アンモ
ニア中でリチウムアミド共存下に反応させてアセチレン
誘導体を製造する方法が知られているが[Bulletin de
la Societe Chimique de France、201−204頁
(1968年)参照]、得られたアセチレン誘導体から
シクロプロパン骨格を持つ化合物へ誘導する方法につい
ては開示も示唆もなされていない。また、シクロプロピ
ルアセチレンとアセトンまたはシクロプロピルメチルケ
トンとのエチニル化反応により2−メチル−4−シクロ
プロピル−3−ブチン−2−オールや2,4−ジシクロ
プロピル−3−ブチン−2−オールなどを製造する方法
が知られているが[Izvetiya Akademii Nark SSSR, Ser
iya Khimicheskaya、1339−1344頁(1978
年)参照]、その逆反応については記載されていない。
しかして、本発明の目的は、シクロプロピルアセチレン
誘導体を収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を提
供することにある。本発明の他の目的は、かかる製造方
法において有用な中間体およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0004】本発明によれば、上記の目的は、 一般式(IV)
【0005】
【化20】
【0006】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
それぞれ水素原子または置換基を有していてもよいアル
キル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル
基を表し、R6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を
有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール
基もしくはアラルキル基を表すか、またはR6とR7が一
緒になって環を形成していてもよい。)で示されるシク
ロプロピルプロピノール誘導体[以下、シクロプロピル
プロピノール誘導体(IV)と略記する]を逆エチニル化
反応させることを特徴とする一般式(V)
【0007】
【化21】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロピル
アセチレン誘導体[以下、シクロプロピルアセチレン誘
導体(V)と略記する]の製造方法、 一般式(I)
【0009】
【化22】
【0010】(式中、R6およびR7は前記定義のとおり
であり、R8は水酸基の保護基を表す。)で示されるプ
ロピノール誘導体[以下、プロピノール誘導体(I)と
略記する]と一般式(VI)
【0011】
【化23】
【0012】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
前記定義のとおりであり、XおよびYは脱離基を表
す。)で示されるプロパン誘導体[以下、プロパン誘導
体(VI)と略記する]を、プロピノール誘導体(I)に
対して2当量未満の塩基の存在下に0℃以下の温度で反
応させることにより一般式(II)
【0013】
【化24】
【0014】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8およびXは前記定義のとおりである。)で示さ
れるアセチレン誘導体[以下、アセチレン誘導体(II)
と略記する]を得、得られたアセチレン誘導体(II)を
塩基と作用させることにより一般式(III)
【0015】
【化25】
【0016】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7およびR8は前記定義のとおりである。)で示される
シクロプロパン誘導体[以下、シクロプロパン誘導体
(III)と略記する]を得、得られたシクロプロパン誘
導体(III)から水酸基の保護基を脱保護することによ
りシクロプロピルプロピノール誘導体(IV)を得、得ら
れたシクロプロピルプロピノール誘導体(IV)を逆エチ
ニル化反応させることを特徴とするシクロプロピルアセ
チレン誘導体(V)の製造方法、 プロピノール誘導体(I)とプロパン誘導体(VI)
を、プロピノール誘導体(I)に対して2当量以上の塩
基の存在下に反応させることによりシクロプロパン誘導
体(III)を得、得られたシクロプロパン誘導体(III)
から水酸基の保護基を脱保護することによりシクロプロ
ピルプロピノール誘導体(IV)を得、得られたシクロプ
ロピルプロピノール誘導体(IV)を逆エチニル化反応さ
せることを特徴とするシクロプロピルアセチレン誘導体
(V)の製造方法、 アセチレン誘導体(II)を塩基と作用させることを特
徴とするシクロプロパン誘導体(III)の製造方法、 プロピノール誘導体(I)とプロパン誘導体(VI)
を、プロピノール誘導体(I)に対して2当量以上の塩
基の存在下に反応させることを特徴とするシクロプロパ
ン誘導体(III)の製造方法、および 一般式(III−1)
【0017】
【化26】
【0018】(式中、R61はアルキル基を表し、R71
61がメチル基を表す場合、炭素原子数が2以上のアル
キル基を表し、R61が炭素原子数が2以上のアルキル基
を表す場合、アルキル基を表し、R81は水素原子または
水酸基の保護基を表す。)で示されるシクロプロパン誘
導体を提供することにより達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1、R2、R3
4、R5、R6およびR7がそれぞれ表すアルキル基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、
4−メチルペンチル基などが挙げられる。これらのアル
キル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基とし
ては、例えば水酸基;メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシ
リルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル
基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基な
どのアリール基などが挙げられる。
【0020】R61およびR71がそれぞれ表すアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
【0021】R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7
がそれぞれ表すアルケニル基としては、例えばビニル
基、プロペニル基、ブテニル基などが挙げられ、アリー
ル基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙
げられ、アラルキル基としては、例えばベンジル基など
が挙げられる。これらのアルケニル基、アリール基およ
びアラルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置
換基としては、例えば水酸基;メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ
ル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブ
チルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキ
シ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロ
ロフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0022】また、R6およびR7が一緒になって形成す
る環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサ
ン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などが挙げ
られる。
【0023】R8およびR81がそれぞれ表す水酸基の保
護基としては、例えばトリメチルシリル基、tert−ブチ
ルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基
などの三置換シリル基;1−エトキシ−1−エチル基、
テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基など
のアセタール基などが挙げられる。
【0024】XおよびYがそれぞれ表す脱離基として
は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロ
ゲン原子;メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニ
ルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエ
ンスルホニルオキシ基などの有機スルホニルオキシ基な
どが挙げられる。
【0025】次に、本発明の製造方法を各工程ごとに詳
細に説明する。
【0026】工程1:プロピノール誘導体(I)とプロ
パン誘導体(VI)を塩基の存在下に反応させてアセチレ
ン誘導体(II)またはシクロプロパン誘導体(III)を
得る工程
【0027】プロパン誘導体(VI)の1位および3位の
脱離基は、同種であっても異なっていてもよい。過剰反
応を起こすのを避けるためには、脱離性の異なる脱離基
を有する場合がより好ましい。このような性質を有する
プロパン誘導体(VI)としては、1−ブロモ−3−クロ
ロプロパン、1−ヨード−3−クロロプロパン、1−ヨ
ード−3−ブロモプロパン、1−メタンスルホニルオキ
シ−3−クロロプロパン、1−p−トルエンスルホニル
オキシ−3−クロロプロパンなどが使用でき、入手の容
易な点から1−ブロモ−3−クロロプロパンが好まし
い。
【0028】塩基としては、メチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウムなどの
アリールリチウム;メチルマグネシウムクロライド、エ
チルマグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウ
ムハライド;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリ
ウムアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソ
プロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミ
ド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウム
ビストリメチルシリルアミド、ブロモマグネシウムジイ
ソプロピルアミドなどの金属アミド;リチウムメトキシ
ド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムte
rt−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属
アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムなど
のアルカリ金属水素化物などが挙げられる。塩基の使用
量が、プロピノール誘導体(I)に対し2当量以上、好
ましくは2〜10当量の範囲の場合には、主としてシク
ロプロパン誘導体(III)が得られ、またプロピノール
誘導体(I)に対し2当量未満、好ましくは1当量以上
〜2当量未満の範囲の場合で、反応温度が0℃以下、好
ましくは−40℃以下の場合には、アセチレン誘導体
(II)が得られる。
【0029】かかる反応は通常、反応に悪影響を与えな
い溶媒中で行われる。溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどの
エーテル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどのアミド;ジ
メチルスルホキシド;アンモニア;メチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルア
ミン、エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメ
チルエチレンジアミンなどのアミン;またはこれらの混
合溶媒が使用される。溶媒の使用量は、プロピノール誘
導体(I)に対し、通常1〜200重量倍の範囲が好ま
しい。
【0030】反応は不活性ガス雰囲気下、プロピノール
誘導体(I)と溶媒の混合物中に塩基を作用させたの
ち、混合物にプロパン誘導体(VI)を添加することによ
り行う。シクロプロパン誘導体(III)を得る目的の場
合には、反応温度は−100℃〜100℃の範囲が好ま
しく、−50℃〜30℃の範囲がより好ましい。
【0031】このようにして得られたアセチレン誘導体
(II)またはシクロプロパン誘導体(III)は、通常の
有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・
精製することができる。例えば、反応混合物を水や塩化
アンモニウム水などにあけ、ジエチルエーテル、酢酸エ
チル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出し、必要に応
じて抽出液を重曹水、水、食塩水などで洗浄することに
より酸性物質、水溶性物質を除去し、無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸マグネシウムなどで乾燥したのちに濃縮
し、得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、クロマトグ
ラフィー、再結晶などにより精製する。また、精製する
ことなく、粗生成物をそのまま次の反応に供してもよ
い。
【0032】工程2:アセチレン誘導体(II)を塩基と
作用させて、シクロプロパン誘導体(III)を得る工程
【0033】塩基としては、メチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウムなどの
アリールリチウム;メチルマグネシウムクロライド、エ
チルマグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウ
ムハライド;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリ
ウムアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソ
プロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミ
ド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウム
ビストリメチルシリルアミド、ブロモマグネシウムジイ
ソプロピルアミドなどの金属アミド;リチウムメトキシ
ド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムte
rt−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属
アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムなど
のアルカリ金属水素化物などが挙げられる。塩基の使用
量は、アセチレン誘導体(II)に対し、1〜3当量の範
囲が好ましい。
【0034】反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒
中で行われる。溶媒としては、例えばジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエー
テル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油
エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水
素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキ
サメチルホスホリックトリアミドなどのアミド;ジメチ
ルスルホキシド;アンモニア;メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチ
ルエチレンジアミンなどのアミン;またはこれらの混合
溶媒が使用される。溶媒の使用量は、アセチレン誘導体
(II)に対し、通常1〜200重量倍の範囲が好まし
い。
【0035】反応は不活性ガス雰囲気下、アセチレン誘
導体(II)と溶媒の混合物中に塩基を作用させるか、塩
基と溶媒の混合物中にアセチレン誘導体(II)を添加す
ることにより行う。反応温度は−100℃〜100℃の
範囲が好ましく、−50℃〜30℃の範囲がより好まし
い。
【0036】このようにして得られたシクロプロパン誘
導体(III)は、通常の有機化合物の単離・精製に用い
られる方法により単離・精製することができる。例え
ば、反応混合物を水や塩化アンモニウム水などにあけ、
ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有
機溶媒で抽出し、必要に応じて抽出液を重曹水、水、食
塩水などで洗浄することにより酸性物質、水溶性物質を
除去し、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムな
どで乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に
応じて蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などにより精
製する。また、精製することなく、粗生成物をそのまま
次の反応に供してもよい。
【0037】工程3:シクロプロパン誘導体(III)の
水酸基の保護基を脱保護してシクロプロピルプロピノー
ル誘導体(IV)を得る工程
【0038】水酸基の保護基が三置換シリル基である場
合には、一般的な脱シリル化反応によりシクロプロピル
プロピノール誘導体(IV)を得ることができる。例え
ば、テトラヒドロフラン中でテトラブチルアンモニウム
フルオライドを作用させる方法、水中で弗化水素酸を作
用させる方法、水中またはテトラヒドロフラン−水混合
溶媒中で酢酸を作用させる方法、メタノール中で炭酸カ
リウムを作用させる方法などが用いられる。また、水酸
基の保護基がアセタール基である場合には、一般的な脱
アセタール化反応によりシクロプロピルプロピノール誘
導体(IV)を得ることができる。例えば、アルコール溶
媒中で酸を作用させる方法などが用いられる。
【0039】反応温度は−100℃〜100℃の範囲が
好ましく、−30℃〜70℃の範囲がより好ましい。
【0040】このようにして得られたシクロプロピルプ
ロピノール誘導体(IV)は、通常の有機化合物の単離・
精製に用いられる方法により単離・精製することができ
る。例えば、反応終了確認後、酸触媒をナトリウムメト
キシドなどの塩基で中和した後、反応混合物を水にあ
け、ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレンなど
の有機溶媒で抽出し、必要に応じて抽出液を重曹水、
水、食塩水などで洗浄することにより酸性物質、水溶性
物質を除去し、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシ
ウムなどで乾燥したのちに濃縮し、得られる粗生成物を
必要に応じて蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などに
より精製する。また、精製することなく、粗生成物をそ
のまま次の反応に供してもよい。
【0041】工程4:シクロプロピルプロピノール誘導
体(IV)を逆エチニル化反応させてシクロプロピルアセ
チレン誘導体(V)を得る工程
【0042】シクロプロピルプロピノール誘導体(IV)
の逆エチニル化方法としては、塩基を作用させる方法が
一般的に用いられる。塩基としては、例えば水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物;水酸化マグネシウムなどのアルカリ土
類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどの炭酸塩;メチルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム
などのアルキルリチウム;フェニルリチウムなどのアリ
ールリチウム;メチルマグネシウムクロライド、エチル
マグネシウムブロマイドなどのアルキルマグネシウムハ
ライド;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウム
アミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナ
トリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビスト
リメチルシリルアミド、ブロモマグネシウムジイソプロ
ピルアミドなどの金属アミド;リチウムメトキシド、ナ
トリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブ
トキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコ
キシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアル
カリ金属水素化物などを使用することができる。塩基の
使用量は、触媒量で十分であるが、シクロプロピルプロ
ピノール誘導体(IV)に対し、通常0.001〜5当量
の範囲が好ましい。
【0043】反応は通常、溶媒の存在下または不存在下
に行う。溶媒としては、反応に悪影響を与えない溶媒で
あれば特に制限されないが、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−オクタノー
ルなどのアルコール;ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタンなどのエーテル;ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリ
ックトリアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシド;
またはこれらの混合溶媒が使用される。溶媒の使用量
は、シクロプロピルプロピノール誘導体(IV)に対し、
通常1〜200重量倍の範囲が好ましい。
【0044】反応は不活性ガス雰囲気下に行うことが好
ましい。反応温度は−100℃〜150℃の範囲が好ま
しく、−30℃〜80℃の範囲がより好ましい。また反
応で生成したシクロプロピルアセチレン誘導体(V)を
留出させながら反応を行うことも可能である。
【0045】このようにして得られたシクロプロピルア
セチレン誘導体(V)は、通常の有機化合物の単離・精
製に用いられる方法により単離・精製することができ
る。例えば、反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテ
ル、酢酸エチル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出
し、必要に応じて抽出液を重曹水、水、食塩水などで洗
浄することにより酸性物質、水溶性物質を除去し、無水
硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどで乾燥した
のちに濃縮し、得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、
クロマトグラフィー、再結晶などにより精製する。
【0046】なお、上記の工程の出発原料であるプロピ
ノール誘導体(I)は、下記式
【0047】
【化27】
【0048】(式中、R6およびR7は前記定義のとおり
である。)で示されるプロピノール化合物に水酸基の保
護基を導入することにより得られる。かかるプロピノー
ル化合物としては、種々の入手可能な化合物が使用でき
るが、工業的に容易に入手できる点からは2−メチル−
2−ヒドロキシ−3−ブチン、3−メチル−3−ヒドロ
キシ−4−プロピン、2,6−ジメチル−6−ヒドロキ
シ−7−オクチン、2,6−ジメチル−6−ヒドロキシ
−オクタ−2−エン−7−インなどが好ましく使用され
る。
【0049】上記のプロピノール化合物に水酸基の保護
基を導入する反応は、次のようにして行うことができ
る。例えば、水酸基の保護基として三置換シリル基を導
入する場合には、トリエチルアミン、ピリジンなどの有
機塩基の存在下、トリメチルクロロシラン、tert−ブチ
ルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロ
ロシランなどの三置換シリルハライドを、プロピノール
化合物と反応させることにより行う。また、水酸基の保
護基としてアセタール基を導入する場合には、p−トル
エンスルホン酸・2水和物、ピリジニウムp−トルエン
スルホネート、濃硫酸、リン酸などの酸触媒の存在下、
エチルビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、3,
4−ジヒドロピランなどのビニルエーテル化合物を、プ
ロピノール化合物と反応させることにより行う。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0051】実施例1 乾燥および窒素置換した容量200mlのフラスコを−
50℃に冷却し、その中にアンモニアガスを導入して液
体アンモニア約100mlを凝縮させ、次いでリチウム
アミド4.60g(0.20モル)を加え、−50℃〜
−40℃で2−メチル−2−テトラヒドロフラノキシ−
3−ブチン7.70g(0.05モル)およびテトラヒ
ドロフラン20mlを加えて、同温度で30分攪拌し
た。次に、1−ブロモ−3−クロロプロパン9.45g
(0.06モル)およびテトラヒドロフラン10mlを
仕込んだ後、反応液を、液体アンモニアを留去しながら
0℃まで10時間かけて昇温し、さらに同温度で2時間
攪拌して反応を追い込んだ。反応終了確認後、氷冷下に
飽和塩化アンモニウム水溶液200mlへ反応混合物を
加え、ジイソプロピルエーテル100mlで2回抽出し
た。抽出液を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ロータリーエバポレータ
ーで溶媒を留去することにより、粗生成物11.8gを
得た。この粗生成物を減圧蒸留により精製し、下記の物
性を有する2−メチル−2−テトラヒドロフラノキシ−
4−シクロプロピル−3−ブチン9.10g(純度9
7.6%、収率91.6%)を得た。
【0052】沸点 64〜66℃/0.2〜0.3torr1 H-NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準、
ppm)δ:0.60〜0.80(m、4H)、1.4
0(s、3H)、1.47(s、3H)、1.20〜
1.30(m、1H)、1.70〜2.05(m、4
H)、3.75〜4.00(m、2H)、5.60〜
5.70(m、1H)
【0053】実施例2 乾燥および窒素置換した容量200mlのフラスコを−
50℃に冷却し、その中にアンモニアガスを導入して液
体アンモニア約100mlを凝縮させ、次いでリチウム
アミド4.60g(0.20モル)を加え、−50℃〜
−40℃で2,6−ジメチル−6−テトラヒドロフラノ
キシ−7−オクチン11.2g(0.05モル)および
テトラヒドロフラン20mlを加えて、同温度で30分
攪拌した。次に、1−ブロモ−3−クロロプロパン9.
45g(0.06モル)およびテトラヒドロフラン10
mlを仕込んだ後、反応液を、液体アンモニアを留去し
ながら0℃まで10時間かけて昇温し、さらに同温度で
2時間攪拌して反応を追い込んだ。反応終了確認後、氷
冷下に飽和塩化アンモニウム水溶液200mlへ反応混
合物を加え、ジイソプロピルエーテル100mlで2回
抽出した。抽出液を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ロータリーエバポ
レーターで溶媒を留去することにより、粗生成物14.
8gを得た。この粗生成物を減圧蒸留により精製し、下
記の物性を有する2,6−ジメチル−6−テトラヒドロ
フラノキシ−8−シクロプロピル−7−オクチン12.
17g(純度98.5%、収率90.8%)を得た。
【0054】沸点 84〜86℃/0.2〜0.3torr1 H-NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準、
ppm)δ:0.60〜0.80(m、4H)、0.8
7(d、6H、J=6.4Hz)、1.35(s)、
1.43(s、δ1.35のsと合わせて3H)、1.
10〜2.05(m、12H)、3.75〜4.00
(m、2H)、5.60〜5.70(m、1H).
【0055】実施例3 乾燥および窒素置換した容量500mlのフラスコに、
2−メチル−2−テトラヒドロフラノキシ−3−ブチン
15.4g(0.10モル)、テトラヒドロフラン15
0mlおよびヘキサメチルホスホリックトリアミド20
mlを加え、−70℃に冷却した。次いで、n−ブチル
リチウム(1.55モル/リットル、n−ヘキサン溶
液)65ml(0.10モル)を加え、同温度で30分
攪拌した。次に、1−ブロモ−3−クロロプロパン1
5.8g(0.10モル)を仕込んだ後、反応液を0℃
まで2時間かけて昇温し、さらに同温度で2時間攪拌し
て反応を追い込んだ。反応終了確認後、氷冷下に飽和塩
化アンモニウム水溶液500mlへ反応混合物を加え、
酢酸エチル200mlで2回抽出した。抽出液を飽和重
曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上
で乾燥し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去する
ことにより、粗生成物22.8gを得た。この粗生成物
を減圧蒸留により精製し、下記の物性を有する2−メチ
ル−2−テトラヒドロフラノキシ−7−クロロ−3−ヘ
プチン19.2g(純度97.0%、収率80.8%)
を得た。
【0056】沸点 75〜77℃/0.3torr1 H-NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準,
ppm)δ:1.43(s,3H),1.49(s,3
H),1.70〜2.05(m,6H),2.41
(t,J=6.9Hz,2H),3.65(t,J=
6.4Hz,2H),3.75〜4.00(m,2
H),5.60〜5.70(m,1H).
【0057】実施例4 乾燥および窒素置換した容量500mlのフラスコに、
ジイソプロピルアミン12.1g(0.12モル)およ
びテトラヒドロフラン150mlを加え、0℃に冷却し
た。次に、n−ブチルリチウム(1.55モル/リット
ル、n−ヘキサン溶液)77ml(0.12モル)を加
え、同温度で30分攪拌した。この後、この溶液を−7
0℃に冷却し、実施例3で得られた2−メチル−2−テ
トラヒドロフラノキシ−7−クロロ−3−ヘプチン1
9.0g(純度97.0%、0.08モル)を加えた。
滴下終了後、反応液を0℃まで2時間かけて昇温し、さ
らに同温度で2時間攪拌して反応を追い込んだ。反応終
了確認後、氷冷下に飽和塩化アンモニウム水溶液500
mlへ反応混合物を加え、酢酸エチル200mlで2回
抽出した。抽出液を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ロータリーエバポ
レーターで溶媒を留去することにより、粗生成物16.
8gを得た。この粗生成物を減圧蒸留により精製し、2
−メチル−2−テトラヒドロフラノキシ−4−シクロプ
ロピル−3−ブチン13.6g(純度97.5%、収率
85.4%)を得た。
【0058】実施例5 乾燥および窒素置換した容量300mlのフラスコに、
実施例2で得られた2,6−ジメチル−6−テトラヒド
ロフラノキシ−8−シクロプロピル−7−オクチン1
0.72g(純度98.5%、0.04モル)、エタノ
ール100mlおよびp−トルエンスルホン酸・ピリジ
ン塩5.4mgを加え、50℃〜60℃で2時間加熱し
て反応させた。反応終了確認後、室温まで冷却し、ナト
リウムメトキシド(25%メタノール溶液)10mgを
加え、ロータリーエバポレーターでエタノールを留去し
た。得られた濃縮物に水100mlを加え、酢酸エチル
100mlで2回抽出した。抽出液を飽和重曹水、飽和
食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ロ―
タリーエバポレーターで溶媒を留去することにより、粗
生成物10.1gを得た。この粗生成物を減圧蒸留し、
下記の物性を有する2,6−ジメチル−6−ヒドロキシ
−8−シクロプロピル−7−オクチン7.33g(純度
99.0%、収率93.5%)を得た。
【0059】沸点 75〜77℃/0.2〜0.3torr1 H-NMR(270MHz、CDCl3、TMS基準、
ppm)δ:0.60〜0.80(m、4H)、0.8
9(d、6H、J=6.4Hz)、1.43(s、3
H)、1.10〜1.70(m、8H)、2.03(b
rs、1H).
【0060】実施例6 乾燥および窒素置換した容量300mlのフラスコに、
実施例4で得られた2−メチル−2−テトラヒドロフラ
ノキシ−4−シクロプロピル−3−ブチン13.4g
(純度97.5%、67.3ミリモル)、エタノール1
20mlおよびp−トルエンスルホン酸・ピリジン塩
6.7mgを加え、50℃〜60℃で1時間加熱して反
応させた。反応終了確認後、室温まで冷却し、ナトリウ
ムメトキシド(25%メタノール溶液)10mgを加
え、ロータリーエバポレーターでエタノールを留去し
た。得られた濃縮物に水100mlを加えて酢酸エチル
100mlで2回抽出した。抽出液を飽和重曹水、飽和
食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、
ロータリーエバポレーターで溶媒を留去することによ
り、粗生成物10.8gを得た。この粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記の物
性を有する2−メチル−2−ヒドロキシ−4−シクロプ
ロピル−3−ブチン7.84g(純度98.6%、収率
92.6%)を得た。
【0061】1H-NMR(270MHz,CDCl3
TMS基準,ppm)δ:0.60〜0.80(m,4
H),1.15〜1.30(m,1H),1.48
(s,6H),2.00〜2.10(brs,1H).
【0062】実施例7 容量300mlのフラスコに、実施例6で得られた2−
メチル−2−ヒドロキシ−4−シクロプロピル−3−ブ
チン7.60g(純度98.6%、60.4ミリモ
ル)、オクタノール70mlおよび水酸化ナトリウム2
5mgを加え、内部温度100℃〜120℃で2時間加
熱して反応させた。この間に、反応で生成したシクロプ
ロピルアセチレンとアセトンの混合物7.20gを留出
させた。留出液にヘプタン50mlを加え、水洗するこ
とによりアセトンを除き、ヘプタン層を再度蒸留するこ
とにより、シクロプロピルアセチレン3.65g(純度
99.6%、収率91.2%)を得た。
【0063】実施例8 容量300mlのフラスコに、実施例5で得られた2,
6−ジメチル−6−ヒドロキシ−8−シクロプロピル−
7−オクチン7.20g(純度99.0%、36.7ミ
リモル)、トルエン70ml、及び水酸化ナトリウム2
9mgを加え、内部温度80℃〜120℃で2時間加熱
還流した。この間に、トルエンおよび反応で生成したシ
クロプロピルアセチレンとの混合物を25.0g留出さ
せた。この混合物を再度精密蒸留することにより、シク
ロプロピルアセチレン2.23g(純度99.7%、収
率91.7%)を得た。
【0064】
【発明の効果】シクロプロピルアセチレン誘導体を収率
よく、工業的に有利に製造する方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩野 万蔵 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(IV) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、R
    6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を有していても
    よいアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはア
    ラルキル基を表すか、またはR6とR7が一緒になって環
    を形成していてもよい。)で示されるシクロプロピルプ
    ロピノール誘導体を逆エチニル化反応させることを特徴
    とする一般式(V) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりである。)で示されるシクロプロピルアセチレン誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化3】 (式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を有
    していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基
    もしくはアラルキル基を表すか、またはR6とR7が一緒
    になって環を形成していてもよく、R8は水酸基の保護
    基を表す。)で示されるプロピノール誘導体と一般式
    (VI) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、X
    およびYは脱離基を表す。)で示されるプロパン誘導体
    を、プロピノール誘導体に対して2当量未満の塩基の存
    在下に0℃以下の温度で反応させることにより一般式
    (II) 【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およ
    びXは前記定義のとおりである。)で示されるアセチレ
    ン誘導体を得、得られたアセチレン誘導体を塩基と作用
    させることにより一般式(III) 【化6】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロパ
    ン誘導体を得、得られたシクロプロパン誘導体から水酸
    基の保護基を脱保護することにより一般式(IV) 【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前
    記定義のとおりである。)で示されるシクロプロピルプ
    ロピノール誘導体を得、得られたシクロプロピルプロピ
    ノール誘導体を逆エチニル化反応させることを特徴とす
    る一般式(V) 【化8】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりである。)で示されるシクロプロピルアセチレン誘
    導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化9】 (式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を有
    していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基
    もしくはアラルキル基を表すか、またはR6とR7が一緒
    になって環を形成していてもよく、R8は水酸基の保護
    基を表す。)で示されるプロピノール誘導体と一般式
    (VI) 【化10】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、X
    およびYは脱離基を表す。)で示されるプロパン誘導体
    を、プロピノール誘導体に対して2当量以上の塩基の存
    在下に反応させることにより一般式(III) 【化11】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロパ
    ン誘導体を得、得られたシクロプロパン誘導体から水酸
    基の保護基を脱保護することにより一般式(IV) 【化12】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前
    記定義のとおりである。)で示されるシクロプロピルプ
    ロピノール誘導体を得、得られたシクロプロピルプロピ
    ノール誘導体を逆エチニル化反応させることを特徴とす
    る一般式(V) 【化13】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記定義のと
    おりである。)で示されるシクロプロピルアセチレン誘
    導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II) 【化14】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、R
    6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を有していても
    よいアルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはア
    ラルキル基を表すか、またはR6とR7が一緒になって環
    を形成していてもよく、R8は水酸基の保護基を表し、
    Xは脱離基を表す。)で示されるアセチレン誘導体を塩
    基と作用させることを特徴とする一般式(III) 【化15】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロパ
    ン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化16】 (式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、置換基を有
    していてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール基
    もしくはアラルキル基を表すか、またはR6とR7が一緒
    になって環を形成していてもよく、R8は水酸基の保護
    基を表す。)で示されるプロピノール誘導体と一般式
    (VI) 【化17】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ水素
    原子または置換基を有していてもよいアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表し、X
    およびYは脱離基を表す。)で示されるプロパン誘導体
    を、プロピノール誘導体に対して2当量以上の塩基の存
    在下に反応させることを特徴とする一般式(III) 【化18】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8
    は前記定義のとおりである。)で示されるシクロプロパ
    ン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(III−1) 【化19】 (式中、R61はアルキル基を表し、R71はR61がメチル
    基を表す場合、炭素原子数が2以上のアルキル基を表
    し、R61が炭素原子数が2以上のアルキル基を表す場
    合、アルキル基を表し、R81は水素原子または水酸基の
    保護基を表す。)で示されるシクロプロパン誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(III−1)において、R61がメ
    チル基であり、R71が4−メチルペンチル基であり、R
    81が水酸基の保護基である請求項6に記載のシクロプロ
    パン誘導体。
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JP2007246481A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Japan Science & Technology Agency 位置・立体選択的安定同位体標識セリン、シスチン並びにアラニンの合成方法
JP2009534432A (ja) * 2006-04-25 2009-09-24 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. エチン前駆体としてのα−アルキノールの形態でのエチンの輸送

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