JP2006213617A - アセチレンアルデヒドおよびその製造方法、アセチレンアルデヒドアセタールおよびその製造方法 - Google Patents

アセチレンアルデヒドおよびその製造方法、アセチレンアルデヒドアセタールおよびその製造方法 Download PDF

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郁三 西口
Yujiro Hioki
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Abstract

【課題】 生産性が高い上に、環境への負荷が小さく、しかも低コストであるアセチレンアルデヒドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のアセチレンアルデヒドは、RSi−C≡C−CHO(1)で表されることを特徴とする[式(1)中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]。また、本発明のアセチレンアルデヒドの製造方法は、RSi−C≡C−CHOH(2)で表されるアセチレンアルコールを、酸化剤存在下で電解酸化することを特徴とする[式(2)中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なアセチレンアルデヒドならびにアセチレンアルデヒドアセタール、およびそれらの製造方法に関する。
アセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールは、医薬品の中間体として利用できるほか、新しい機能性材料として期待されているポリアセチレンの重要な原料としても利用できる。
従来、アセチレンアルデヒドは、アセチレンアルコールを、クロム酸やジメチルスルホキシド/シュウ酸クロリドなどの酸化剤により酸化することにより製造されていた(例えば、非特許文献1,2参照)。また、アセチレンアルデヒドアセタールは、アセチレンアルデヒドのアセタール化により製造されていた。
ジェイ・シー・シュアー(J.C.Suer)著、「オーガニック シンセシス(Organic Synthesis)」、第4巻、1963年、p.813 ウルフ(Wolff著)、「ケミッシュベリヒテ(Chemische Berichte)」、第87巻、1954年、p.668
しかし、従来のアセチレンアルデヒドの製造方法では反応速度が遅い上に、アセチレンアルコールの一部がカルボン酸にまで酸化されてしまうなど反応選択性が低かった。また、従来得られていたアセチレンアルデヒドやアセチレンアルデヒドアセタールは、水への溶解性が高く、また、沸点が低いために分離が困難であり、製造時の収率を高くすることが困難であった。したがって、従来では、アセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールを製造する際の生産性が低く、工業的ではなかった。
また、従来使用されていた酸化剤は環境への負荷が大きい上に、高価であるため、アセチレンアルデヒドまたはアセチレンアルデヒドアセタールの製造についても環境への負荷が大きく、しかも高コストであるという問題を有していた。
本発明は、高い生産性で製造可能なアセチレンアルデヒドならびにアセチレンアルデヒドアセタールを提供することを目的とする。また、生産性が高い上に、環境への負荷が小さく、しかも低コストであるアセチレンアルデヒドならびにアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のアセチレンアルデヒドは、下記化学式(1)で表されることを特徴とする。
Si−C≡C−CHO (1)
[式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]
本発明のアセチレンアルデヒドの製造方法は、下記化学式(2)で表されるアセチレンアルコールを、酸化剤存在下で電解酸化することを特徴とする。
Si−C≡C−CHOH (2)
[式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]
本発明のアセチレンアルデヒドアセタールは、下記化学式(3)で表されることを特徴とする。
Si−C≡C−CH(OR (3)
[式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。Rは有機基である。]
本発明のアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法は、上述したアセチレンアルデヒドにアルコールを反応させることを特徴とする。
本発明のアセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールは、高い生産性で製造可能である。
本発明のアセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法は、生産性が高い上に、環境への負荷が小さく、しかも低コストである。
本発明のアセチレンアルデヒドについて説明する。
本発明のアセチレンアルデヒドは、上記化学式(1)で表されるものである。
化学式(1)のRSi基(アルキルシリル基)におけるR,R,Rは、それぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。すなわち、R,R,Rはそれぞれ同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ターシャリーブチル基などが挙げられる。
このアセチレンアルデヒドはアルキルシリル基を有し、沸点が高くなっているため、溶媒から分離しやすく、製造時の収率を高くすることができ、高い生産性で得ることができる。
次に、本発明のアセチレンアルデヒドの製造方法について説明する。
本発明のアセチレンアルデヒドの製造方法は、上記化学式(2)で表されるアセチレンアルコールを、酸化剤存在下で電解酸化する方法である。
化学式(2)で表されるアセチレンアルコールにおけるR,R,Rは化学式(1)のR,R,Rと同様のものである。
化学式(2)で表されるアセチレンアルコールを製造する方法としては、例えば、プロパギルアルコールを原料とし、プロパギルアルコールの水酸基を、テトラヒドロピラノ基、トリメチルシリル基等で保護した後、グリニャール試薬やアルキルリチウム試薬等により塩基処理してアセチレン水素を引き抜き、トリアルキルシリルクロリド(RSiCl)を反応させる方法などが挙げられる。
電解酸化は、電解液が満たされた電解セル中で行われる。ここで、電解セルは、例えば、白金からなる陽極と陰極とが隔膜で隔離されたものである。陽極側のセル内部を陽極室、陰極側のセル内部を陰極室といい、化学式(2)で表されるアセチレンアルコールは陽極室に添加される。陽極室におけるアセチレンアルコールの濃度は、通常0.1〜0.5モル/リットル、好ましくは0.25〜0.35モル/リットルである。
電解酸化においては、通電量を2〜4F/molにすることが好ましい。この範囲で通電することでアセチレンアルコールからアセチレンアルデヒドをより高収率で得ることができる。
陽極酸化における電解液温度は、収率がより高くなることから、0〜40℃とすることが好ましく、10〜35℃とすることがより好ましく、15〜25℃とすることが特に好ましい。その温度が0℃未満では反応の進行が遅くなる傾向にあり、40℃を超えると副反応が生じるので、収率が低下する傾向にある。
電解液としては特に制限されず、例えば、ジクロロメタンやクロロホルム中に、臭化カリウム水溶液、臭化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、ヨウ化カリウム水溶液、ヨウ化ナトリウム水溶液を添加した混合液が挙げられる。
この電解酸化に使用する酸化剤としては特に制限されないが、テトラメチルピペリジンN−オキシド(以下、TEMPOという。)が好ましい。TEMPOを用いることにより、より高い収率でアセチレンアルデヒドを得ることができる。
TEMPOは酸化剤として電子を放出した後、電極から電子が供給されて再生されるので、その添加量は少なくてもよい。具体的なTEMPOの添加量としては、アセチレンアルコールに対して0.01〜0.5当量であることが好ましい。TEMPO添加量が0.01当量未満であると、アセチレンアルデヒドの収率が低くなる傾向にあり、0.5当量を超えると必要以上に添加されることになる。
以上説明したアセチレンアルデヒドの製造方法は、化学式(2)で表されるアセチレンアルコールを電解酸化する方法であり、反応速度が速く、アセチレンアルデヒドの選択性が高い。また、得られるアセチレンアルデヒドはアルキルシリル基を有するため、沸点が高く、溶媒から分離しやすい。したがって、このアセチレンアルデヒドの製造方法は、アセチレンアルデヒドの収率が高いため、生産性が低く、工業的である。しかも、この方法は、環境負荷が大きくかつ高価な酸化剤を使用しなくてもよい。すなわち、この製造方法は、環境への負荷が小さく、しかも低コストである。
本発明のアセチレンアルデヒドアセタールは、上記化学式(3)で表されるものである。化学式(3)で表されるアセチレンアルデヒドアセタールにおけるR,R,Rは化学式(1)のR,R,Rと同様のものである。Rは有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
このアセチレンアルデヒドアセタールはアルキルシリル基を有し、沸点が高くなっているため、溶媒から分離しやすく、高い生産性で得ることができる。
本発明のアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法は、上述したアセチレンアルデヒドにアルコール(ROH)を反応させる方法である。
その製造方法で使用するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられる。
アセチレンアルデヒドにアルコールを反応させる際の反応温度は10〜25℃であることが好ましい。また、その反応の際には、オルトギ酸プロピルエステル等のオルトギ酸エステル類とp−トルエンスルホン酸等の酸触媒とを添加することが好ましい。
本発明のアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法は、反応速度が速く、選択性が高いため、高い収率でアセチレンアルデヒドアセタールを得ることができる。
上記方法により得られた化学式(3)のアセチレンアルデヒドアセタールに、フッ素アニオンを作用させて、アルキルシリル基を脱離させ、その後、その脱離した部分に水素原子を付加させて、下記化学式(4)のアセチレンアルデヒドアセタールを得ることもできる。さらに、化学式(4)のアセチレンアルデヒドアセタールに種々の化合物を反応させてアセチレン誘導体を得ることもできる。下記化学式(4)のアセチレンアルデヒドアセタールおよびその誘導体も高い収率で得ることができる。
H−C≡C−CH(OR (4)
上述したように、RSi基(アルキルシリル基)を有する本発明のアセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法は、生産性が高い上に、環境への負荷が小さく、しかも低コストである。
なお、RSi基のうちPhMeSi基(ジフェニルメチルシリル基)のアセチレンアルデヒド及びそのアセタールの製造については、既に本発明者らにより2004年日米電気化学会合同国際会議(2004年10月3〜8日、於:ホノルル(米国ハワイ州))にて公表されている。
しかし、以下の理由により、本発明におけるRSi基を有するアセチレンアルデヒドおよびそのアセタールの製造方法は、ジフェニルメチルシリル基を有するものより優れており、工業的な重要性が極めて大きい。
すなわち、ジフェニルメチルシリル基を有するアセチレンアルデヒドを得るためには、陽極酸化反応に用いられる出発物質としてジフェニルメチルシリル−2−プロピン−1−オール(アセチレンアルコール)を合成する。ところが、ジフェニルメチルシリル−2−プロピン−1−オールの合成に必要なジフェニルメチルシリルクロリド(PhMeSiCl)は、トリメチルシリルクロリド(MeSiCl)と比較して、単位質量当たりの価格が非常に高く(約4倍程度)、しかも、分子量が大きいために1モル当たりの価格も高い。これに対し、本発明のアセチレンアルデヒドおよびその製造方法は単位質量当たりおよび単位モル当たりの価格が安いため、経済性の面で有利である。
また、ジフェニルメチルシリル基をアセチレンアルコールに導入する反応、その後の脱シリル化反応の収率が低いのに対し、トリメチルシリル基などをアセチレンアルコールに導入する反応、その後の脱シリル化反応の収率は高い。したがって、本発明のアセチレンアルデヒドおよびその製造方法は生産性にも優れる。
以下、合成例および参考例を示す。なお、下記の例において、電解酸化(陽極酸化反応)は、白金からなる陽・陰極を備えた無隔膜付ビーカー型電解セルを用いた。そして、特に方法が記載されていない場合には、次のようにして電解酸化を行った。
まず、アセチレンアルコール(5〜10mmol)と25質量%の臭化カリウム水溶液(40ml)とジクロロメタン(20ml)とを仕込んだ。次いで、上記電解セルに、TEMPO(0.1当量)を仕込み、反応温度を5〜7℃に保ちながら、定電流条件下、2.5F/molの通電を行った。反応終了後、反応液をジクロロメタン(50ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。その後、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)又は蒸留操作によって単離した。
(合成例1)3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オールの合成
グリニャール試薬用Mg(6.36g,0.26mmol)を乾燥THF(70ml)に添加し、窒素雰囲気下で5℃まで冷却し、THF(30ml)と臭化エチル(30.2g,0.28mmol)の混合液を滴下した。滴下後、反応液を1時間加熱還流させた後、5℃まで冷却した。反応液にTHF(25ml)とプロパギルアルコール(5.72g,0.10mol)の混合液を滴下した。反応液を室温まで戻し、1昼夜撹拌した後、THF(20ml)とトリメチルシリルクロリド(27.3g,0.25mol)の混合液を反応液に滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱還流し、反応液を室温まで冷却した。1.4mol/リットルの硫酸水溶液(80ml)を反応液に滴下し、50℃で5分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、ジエチルエーテル(100ml×3)で抽出した。有機層を飽和重曹水(50ml)、水(50ml)、飽和食塩水(50ml)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣を蒸留し、3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オール(収量;10.8g、収率;82%)を得た。なお、収率はガスクロマトグラフィにて求めた(以下の例でも同様である。)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3 δ7.26) δ(ppm): 0.18 (9H, s), 1.75 (1H, brs), 4.26 (2H, d, J = 5.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -0.14, 51.65, 90.64, 103.78. MS m/z 128 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 3330, 2960, 2177, 1411, 1251, 1042, 984, 844, 761.
(合成例2)3−(トリメチルシリル)−2−プロピンナールの合成
合成例1で得た3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オール(1.28g,10mmol)を飽和食塩水(40ml)とジクロロメタン(20ml)に加えた。TEMPO(0.1当量)添加し、反応温度を5〜7℃に保ちながら、定電流条件下、2.5F/molの通電を行った。反応終了後、反応液をジクロロメタン(50ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。その後、溶媒を留去し、収率88%で3−(トリメチルシリル)−2−プロピンナールを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3 δ7.26) δ(ppm): 0.26 (9H, s), 9.16 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -0.86, 102.11, 103.00, 176.59. MS m/z 125 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 2965, 2155, 1669, 1254, 1000, 849, 763.
(合成例3)3−(トリメチルシリル)−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンの合成
合成例2で得た3−(トリメチルシリル)−2−プロピンナール(88mg,0.7mmol)を乾燥1−プロパノール(2.5ml)に溶解させ、オルトギ酸プロピルエステル(0.18g,1.0mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.15g,0.8mmol)を加え、室温で一終夜撹拌した。薄層クロマトグラフィ(以下、TLCという。)により原料の消失を確認した後、飽和重曹水(5ml)を加えた。反応液を酢酸エチル(10ml×3)で抽出し、有機層を水(10ml)、飽和食塩水(10ml)の順でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−(トリメチルシリル)−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(収量;0.15g,収率;95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3 δ7.26) δ(ppm): 0.19 (9H, s), 0.94 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.63 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 3.47 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.8 Hz), 3.64 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.8 Hz), 5.23 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -0.21, 10.74, 67.04, 90.26, 91.45, 100.19. MS m/z 227 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 2962, 2878, 2184, 1464, 1355, 1329, 1252, 1113, 1034, 844, 761, 701, 648.
(合成例4)プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールの合成
3−(トリメチルシリル)−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(0.68g,3.0mmol)を乾燥THF(10ml)に溶解させ、5℃に保ちながら1mol/lのフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(3.6ml,3.6mmol)を滴下した。滴下終了後、5℃に保ちながら1時間撹拌した後、pH=6になるまで5%酢酸水溶液を加え、次いで、反応液に炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えてpH=8にした。反応液をジエチルエーテル(30ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、収率95%でプロピオールアルデヒドジプロピルアセタールを得た。
1H-NMR (400 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 0.95 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.63 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 2.55 (1H, d, J = 1.6 Hz), 3.49 (2H, dt, J = 9.6 Hz, J = 6.4 Hz), 3.65 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.8 Hz), 5.26 (1H, d, J = 1.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 10.71, 22.81, 67.08, 73.41, 79.04, 91.10. MS m/z 155 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 3292, 2964, 2126, 1743, 1465, 1332, 1112, 1036, 655.
(合成例5)3−(トリイソプロピルシリル)−2−プロピン−1−オールの合成
乾燥THF(120ml)にテトラヒドロ−2−(2−プロピニロキシ)−2H−ピラン(9.56g,68mmol)を添加し、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却し、2.64mol/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(39ml,0.1mol)を加えた。反応液を−78℃で1時間、室温で1時間撹拌した後、THF(30ml)とトリイソプロピルシリルクロリド(19.7g,0.1mol)の混合液を反応液に滴下し、反応液を1昼夜撹拌した。TLCにより原料消失を確認した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(200ml)に加え、ジエチルエーテル(200ml×3)で抽出した。有機層を飽和重曹水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をMeOH(150ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(0.23g,1.2mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水(10ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣に水(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−(トリイソプロピルシリル)−2−プロピン−1−オール(収量;10.52g、収率;73%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 1.09 (21H, s), 1.67 (1H, brs), 4.32 (2H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): 11.19, 18.60, 51.77, 86.78, 105.58. MS m/z 212 (M+). IR(neat)ν(cm-1):3313, 2943, 2866, 2173, 1464, 1385, 1238, 1041, 982, 920, 883, 677.
(合成例6)3−トリイソプロピルシリル−2−プロピナールの合成
合成例5で得た3−トリイソプロピルシリル−2−プロピン−1−オール(1.06g,5mmol)を使用し、電解酸化を行った。TLCにより原料の消失を確認した後、抽出および精製して、3−トリイソプロピルシリル−2−プロピナールを得た(収量;0.89g、収率;85%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3δ7.26) δ(ppm): 1.11 (21H, s), 9.20 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): 11.01, 18.49, 100.77, 104.41, 176.48. MS m/z 210 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2945, 2868, 2149, 1670, 1463, 1385, 1206, 1072, 999, 920, 883, 702, 679.
(合成例7)3−トリイソプロピルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンの合成
合成例6で得た3−トリイソプロピルシリル−2−プロピナール(0.85g,4.0mmol)を、脱水した1−プロパノール(20ml)に溶解させ、オルトギ酸プロピルエステル(0.92g,4.9mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.77g,4.0mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。TLCにより反応の終了を確認後、飽和重曹水(40ml)を加えた。これにより得られた反応液を酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機層を水(20ml)、飽和食塩水(20ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−トリイソプロピルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンを得た(収量;1.13g、収率;90%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3 δ7.26) δ(ppm): 0.94 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.08 (21H, s), 1.62 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 3.49 (2H, dt, J = 9.6 Hz, J = 6.4 Hz), 3.66 (2H, dt, J = 9.6 Hz, J = 6.8 Hz), 5.27 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): 10.73, 11.20, 18.61, 22.90, 67.03, 86.50, 91.59, 102.41. MS m/z 312 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2943, 2867, 1464, 1329, 1112, 1034, 883, 678.
(合成例8)プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールの合成
合成例7で得た3−トリイソプロピルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(1.00g,3.2mmol)を、脱水したTHF(10ml)に溶解させ、5℃に保ちながら、1mol/lのフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(3.8ml,3.8mmol)を滴下した。滴下終了後、5℃に保ちながら1時間撹拌した後、pHが6になるまで5% 酢酸水溶液を加えた。反応液に炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えてpHを8に調整した。次いで、反応液をエーテル(30ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去してプロピオールアルデヒドジプロピルアセタールを得た(収率;98%)。
(合成例9)3−(tert−ブチルジメチルシリル)−2−プロピン−1−オールの合成
乾燥THF(120ml)にテトラヒドロ−2−(2−プロピニロキシ)−2H−ピラン(8.46g,60mmol)を添加し、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却し、2.64mol/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(34ml,90mmol)を加えた。反応液を−78℃で1時間、室温で1時間撹拌した後、THF(30ml)とtert−ブチルジメチルシリルクロリド(13.5g,90mmol)の混合液を反応液に滴下し、反応液を1昼夜撹拌した。TLCにより原料消失を確認した後、反応液に5%塩酸水溶液(400ml)に加え、ジエチルエーテル(200ml×3)で抽出した。有機層を飽和重曹水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をMeOH(150ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(0.25g,1.3mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水(10ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣に水(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、無色針状結晶の3−(tert−ブチルジメチルシリル)−2−プロピン−1−オール(収量;7.96g、収率;78%)を得た。
(合成例10)3−tert−ブチルジメチルシリル−2−プロピナールの合成
合成例9で得た3−tert−ブチルジメチルシリル−2−プロピン−1−オール(0.85g,5mmol)を使用して電解酸化を行った。TLCにより原料の消失を確認した後、抽出および精製して、3−tert−ブチルジメチルシリル−2−プロピナール(収率;89%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3 δ7.26), δ(ppm): 0.20 (6H, s), 0.98 (9H, s), 9.2 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -5.19, 16.60, 25.97, 101.92, 102.97, 176.49, 176.34. MS m/z 168 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2932, 2860, 2152, 1670, 1471, 1364, 1253, 1000, 826, 780, 671.
(合成例11)3−tert−ブチルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンの合成
合成例10で得た3−tert−ブチルジメチルシリル−2−プロピナール(0.37g,2.2mmol)を、脱水した1−プロパノール(10ml)に溶解させ、オルトギ酸プロピルエステル(0.51g,2.7mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.42g,2.2mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。TLCにより、反応の終了を確認後、飽和重曹水(20ml)を加えた。反応液を酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機層を水(20ml)、飽和食塩水(20ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製し、3−tert−ブチルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンを得た(収量;0.47g,収率;80%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CHCl3δ7.26) δ(ppm): 0.13 (6H, s), 0.92-0.95 (15H, m), 1.62 (4H, sext, J = 6.9 Hz), 3.48 (2H, dt, J = 9.5 Hz, J = 6.7 Hz), 3.64 (2H, dt, J = 9.5 Hz, J = 6.7 Hz), 5.24 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -4.69,10.74, 16.55, 22.88, 26.09, 67.07, 88.52, 91.51, 101.01. MS m/z 270 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2959, 2879, 2187, 1716, 1464, 1329, 1251, 1112, 1034, 827, 777, 681.
(合成例12)プロピオールアルデヒドジプロピルアセタール
合成例11で得た3−tert−ブチルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(0.37g,1.4mmol)を、脱水したTHF(5ml)に溶解させ、5℃に保ちながら、1mol/lのフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(1.6ml,1.6mmol)を滴下した。滴下終了後、5℃に保ちながら1時間撹拌した後、pHが6になるまで5% 酢酸水溶液を加えた。反応液に炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えてpHを8に調整した。次いで、反応液をエーテル(10ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去してプロピオールアルデヒドジプロピルアセタールを得た(収率;96%)。
(合成例13)3−(フェニルジメチルシリル)−2−プロピン−1−オールの合成
乾燥THF(120ml)にテトラヒドロ−2−(2−プロピニロキシ)−2H−ピラン(8.47g,60mmol)を添加し、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却し、2.64mol/リットルのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(34ml,90mmol)を加えた。反応液を−78℃で1時間、室温で1時間撹拌した後、THF(30ml)とフェニルジメチルシリルクロリド(14.6g,85mmol)の混合液を反応液に滴下し、反応液を1昼夜撹拌した。TLCにより原料消失を確認した後、反応液に5%塩酸水溶液(400ml)に加え、ジエチルエーテル(200ml×3)で抽出した。有機層を飽和重曹水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をMeOH(150ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(0.25g,1.3mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水(10ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣に水(50ml)を加え、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−(フェニルジメチルシリル)−2−プロピン−1−オール(収量;8.44g、収率;74%)を得た。
(合成例14)3−フェニルジメチルシリル−2−プロピナールの合成
合成例13で得た3−フェニルジメチルシリル−2−プロピン−1−オール(0.95g,5mmol)を使用し、電解酸化を行った。TLCにより原料の消失を確認した後、抽出および精製して、3−フェニルジメチルシリル−2−プロピナールを得た(収率;86%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 0.55 (6H, s), 7.46-7.41 (3H, m), 7.65-7.62 (2H, m), 9.22 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -1.75, 100.87, 103.11, 128.11, 130.08, 133.61, 134.12, 176.41. MS m/z 188 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 3071, 2964, 2858, 2154, 1667, 1429, 1254, 1116, 1002, 821, 786, 735, 698, 650.
(合成例15)3−フェニルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンの合成
合成例14で得た3−フェニルジメチルシリル−2−プロピナール(0.21g,1.1mmol)を、脱水した1−プロパノール(5ml)に溶解させ、オルトギ酸プロピルエステル(0.25g,1.3mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.21g,1.1mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。TLCにより、反応の終了を確認後、飽和重曹水(10ml)を加えた。反応液を酢酸エチル(15ml×3)で抽出し、有機層を水(10ml)、飽和食塩水(10ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−フェニルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンを得た(収量;0.31g、収率;96%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 0.47 (6H, s), 0.98 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.66 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 3.55 (2H, dt, J = 13.6 Hz, J = 10.0 Hz), 3.20 (2H, dt, J = 13.6 Hz, J = 10.4 Hz), 4.85 (1H, s), 7.44-7.36 (3H, m), 7.64-7.67 (2H, m), 9.24 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ54.0) δ(ppm): -0.42, 11.32, 23.45, 67.74, 88.85, 92.11, 102.58, 128.37, 130.00, 134.19, 134.19, 136.83. MS m/z 290 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2962, 2187, 1429, 1330, 1251, 1113, 1035, 822, 782, 732, 700.
(合成例16)プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールの合成
合成例15で得た3−フェニルジメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(0.23g,0.9mmol)を、脱水したTHF(5ml)に溶解させ、5℃に保ちながら1mol/lのフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(1.0ml,1.0mmol)を滴下した。滴下終了後、5℃に保ちながら1時間撹拌した後、pHが6になるまで5%酢酸水溶液を加え、次いで、炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えてpHを8に調整した。これにより得られた反応液をエーテル(10ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去して、プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールを得た(収率;97%)。
(参考例1)フェニルプロパギルアルデヒドの合成
アセチレンアルコールとして、3−フェニル−2−プロピン−1−オール(1.32g,10mmol)を用い、電解酸化を行った。TLCにより原料アセチレンアルコールの消失を確認した後、抽出および精製して、収率66%でフェニルプロパギルアルデヒドを得た。
1H-NMR (400 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 7.45-7.35 (2H, m), 7.51-7.46 (1H, m), 7.64-7.58 (1H, m), 9.42 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 88.38, 95.07, 119.34, 128.64, 131.20, 133.18, 176.62. MS m/z 130 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 2856,2240, 2191, 1656, 1489, 1443, 1389, 1260, 1070, 1028, 1003, 979, 759, 688, 617.
(参考例2)2−オクチナールの合成
アセチレンアルコールとして、2−オクチン−1−オール(1.32g,10mmol)を用い、電解酸化を行った。TLCにより原料アセチレンアルコールの消失を確認した後、抽出および精製して、収率60%で2−オクチナールを得た。
1H-NMR (400 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 0.91 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.44-1.29 (4H, m), 1.64-1.59 (2H, m), 2.41 (2H, t, J = 7.2 Hz), 9.17 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 13.88, 19.13, 22.10, 27.25, 30.97, 81.64, 99.46, 177.17. MS m/z 123 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 2932, 2236, 1709, 1216, 1076, 758.
(参考例3)
グリニャール試薬用Mg(2.23g,92mmol)を乾燥THF(120ml)に添加し、窒素雰囲気下で5℃まで冷却し、THF(30ml)と臭化エチル(10.5g,97mmol)の混合液を滴下した。滴下後、反応液を1時間加熱還流させた後、5℃まで冷却した。反応液にTHF(25ml)とテトラヒドロ−2−(2−プロピニロキシ)−2H−ピラン(8.40g,60mmol)の混合液を滴下した。反応液を室温まで戻し、1昼夜撹拌した後、THF(25ml)とジフェニルメチルシリルクロリド(21.0g,90mmol)の混合液を反応液に滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱還流し、TLCにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(200ml)に添加し、ジエチルエーテル(200ml×3)で抽出した。有機層を飽和重曹水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順で洗浄し、乾燥剤である無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ過した。次いで、溶媒を留去し、残渣をMeOH(150ml)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸・一水和物(0.09g、0.5mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水(10ml)を加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣に水(50ml)を加え、酢酸エチル (50ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製し、3−ジフェニルメチルシリル−2−プロピン−1−オール(収量;8.94g、収率;59%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 0.76 (3H, s), 1.84 (1H, brs), 4.39 (2H, d, J = 4.4 Hz), 7.39-7.47 (6H, m), 7.67-7.69 (4H, m). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -2.12, 51.77, 87.04, 106.99, 127.88, 129.71, 134.37, 134.64. MS m/z 251 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1):3330, 3069, 3049, 3022, 2960, 2910, 2861, 2177, 1959, 1887, 1822, 1589, 1487, 1429, 1305, 1253, 1218, 1189, 1158, 1115, 1041, 998, 985, 794, 729, 699, 677, 406.
(参考例4)3−ジフェニルメチルシリル−2−プロピナールの合成
アセチレンアルコールとして、3−ジフェニルメチルシリル−2−プロピン−1−オール(1.22g、5mmol)を用い、電解酸化を行った。TLCにより原料アセチレンアルコールの消失を確認した後、抽出および精製して、3−ジフェニルメチルシリル−2−プロピナールを得た(収量;1.07g、収率;88%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 0.84 (3H, s), 7.51-7.42 (6H, m), 7.68-7.65 (4H, m), 9.28 (1H, s). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3) δ(ppm): -2.75, 99.03, 104.10, 128.16, 130.32, 132.51, 134.47, 176.34. MS m/z 250 (M+). IR(neat)ν(cm-1): 3070, 2154, 1667, 1429, 1384, 1255, 1117, 997, 796, 732, 698, 666.
(参考例5)3−ジフェニルメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピンの合成
参考例4で得た3−ジフェニルメチルシリル−2−プロピナール(1.07g,4.7mmol)を、脱水した1−プロパノール(20ml)に溶解させ、オルトギ酸プロピルエステル(1.02g,5.4mmol)とp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.92g,4.8mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。TLCにより反応の終了を確認し、飽和重曹水(40ml)を加えた後、得られた反応液を酢酸エチル(20ml×3回)で抽出した。次いで、有機層を水(20ml)、飽和食塩水(20ml)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤;SiO)によって精製して、3−ジフェニルメチルシリル−1,1−ジプロピオキシ−2−プロピン(収量;1.33g、収量;88%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ5.32) δ(ppm): 0.75 (3H, s), 0.99 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.67 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 3.55 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.4 Hz), 3.72 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.8 Hz), 5.37 (1H, s), 7.43-7.37 (6H, m), 7.68-7.65 (4H, m). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3, 内標 CH2Cl2 δ54.0) δ(ppm): -1.59, 11.29, 23.42, 67.78, 87.15, 92.12, 104.13, 128.40, 130.25, 134.99, 135.08. MS m/z 351 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 2963, 2877, 2187, 1429, 1329, 1253, 1114, 1035, 795, 734, 698.
(参考例6)プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールの合成
参考例5で得たプロピオールアルデヒドジプロピルアセタール(1.05g,3.0mmol)を、脱水したTHF(10ml)に溶解させ、5℃に保ちながら、1mol/lのフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(3.6ml,3.6mmol)を滴下した。滴下終了後、5℃に保ちながら1時間撹拌した後、pHが6になるまで5%酢酸水溶液を加え、これにより得られた反応液に炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えてpHを8に調整した。次いで、反応液をエーテル(30ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥し、乾燥剤をろ過した。そして、溶媒を留去して、プロピオールアルデヒドジプロピルアセタールを得た(収率;75%)。
1H-NMR (400 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 0.95 (6H, t, J = 7.2 Hz), 1.63 (4H, sext, J = 7.2 Hz), 2.55 (1H, d, J = 1.6 Hz), 3.49 (2H, dt, J = 9.6 Hz, J = 6.4 Hz), 3.65 (2H, dt, J = 9.2 Hz, J = 6.8 Hz), 5.26 (1H, d, J = 1.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, TMS, CDCl3) δ(ppm): 10.71, 22.81, 67.08, 73.41, 79.04, 91.10. MS m/z 155 (M+-1). IR(neat)ν(cm-1): 3292, 2964, 2126, 1743, 1465, 1332, 1112, 1036, 655.
上述した合成例では、化学式(2)で表されるアルキルシリル基を有するアセチレンアルコールを電解酸化したので、高い収率でアセチレンアルデヒドを得ることができた。
これに対し、参考例では、アルキルシリル基を有さないアセチレンアルコールを電解酸化したので、アセチレンアルデヒドの収率が低かった。
本発明のアセチレンアルデヒドおよびアセチレンアルデヒドアセタールは、医薬品の中間体、ポリアセチレンの原料として好適に利用できる。

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)で表されることを特徴とするアセチレンアルデヒド。
    Si−C≡C−CHO (1)
    [式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]
  2. 下記化学式(2)で表されるアセチレンアルコールを、酸化剤存在下で電解酸化することを特徴とするアセチレンアルデヒドの製造方法。
    Si−C≡C−CHOH (2)
    [式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。]
  3. 下記化学式(3)で表されることを特徴とするアセチレンアルデヒドアセタール。
    Si−C≡C−CH(OR (3)
    [式中、R,R,Rはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を示す。ただし、R〜Rのうち1つがメチル基で残りがフェニル基であることを除く。Rは有機基である。]
  4. 請求項1に記載のアセチレンアルデヒドにアルコールを反応させることを特徴とするアセチレンアルデヒドアセタールの製造方法。

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