JP4159784B2 - 2,3−二置換チオフェン誘導体の製造方法 - Google Patents

2,3−二置換チオフェン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体の製造方法に関する。本発明により製造される2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体は、医薬、農薬などの合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸の製造方法として、3−シアノチオフェンを−60℃以下の温度でn−ブチルリチウムにより2位をリチオ化した後、同温度でパラホルムアルデヒドを作用させ、得られた3−シアノ−2−テニルアルコールを加水分解する方法が知られている(特開昭61−126085号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来法は、原料となる3−シアノチオフェンおよびアルキルリチウムが高価であり、かつ極低温条件を要するため、2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸の効率的な製造方法とは言えない。
【0004】
本発明の目的は、2位にヒドロキシメチル基を有するチオフェン−3−カルボン酸誘導体を温和な条件下で収率よく、工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、2位にヒドロキシメチル基を有するチオフェン−3−カルボン酸誘導体の工業的に有利な製造方法を与える合成中間体およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体と2(5H)−フラノン誘導体との環化反応、それに続く5位の水酸基のスルホニル化、脱スルホニル化、酸化、次いでラクトン環のアルコール分解または加水分解を行う方法が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を一般式(I)
【0007】
【化24】
Figure 0004159784
【0008】
(式中、R およびR は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2(5H)−フラノン誘導体[以下、これを2(5H)−フラノン誘導体(I)という]と反応させることにより、一般式(II)
【0009】
【化25】
Figure 0004159784
【0010】
(式中、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示されるテトラヒドロチオフェン誘導体[以下、これをテトラヒドロチオフェン誘導体(II)ということがある]を得、得られたテトラヒドロチオフェン誘導体(II)を塩基の存在下に一般式(III)
【0011】
【化26】
Figure 0004159784
【0012】
(式中、R は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で示されるハロゲノスルホニル誘導体[以下、これをハロゲノスルホニル誘導体(III)という]と反応させることにより、一般式(IV)
【0013】
【化27】
Figure 0004159784
【0014】
(式中、R 、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体[以下、これをスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)ということがある]を得、得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)に塩基を作用させることにより、一般式(V)
【0015】
【化28】
Figure 0004159784
【0016】
(式中、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示されるジヒドロチオフェン誘導体[以下、これをジヒドロチオフェン誘導体(V)ということがある]を得、得られたジヒドロチオフェン誘導体(V)を酸化することを特徴とする一般式(VI)
【0017】
【化29】
Figure 0004159784
【0018】
(式中、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示されるチオフェン誘導体[以下、これをチオフェン誘導体(VI)という]の製造方法である。
【0019】
本発明は、上記のチオフェン誘導体(VI)を酸性条件下に一般式(VII)
【0020】
【化30】
Figure 0004159784
【0021】
(式中、R は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるアルコール[以下、これをアルコール(VII)という]と反応させることを特徴とする一般式(VIII)
【0022】
【化31】
Figure 0004159784
【0023】
(式中、R 、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示される2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体[以下、これを2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体(VIII)という]の製造方法である。
【0024】
また、本発明は、上記のチオフェン誘導体(VI)を加水分解することを特徴とする一般式(IX)
【0025】
【化32】
Figure 0004159784
【0026】
(式中、R およびR は前記定義のとおりである。)
で示される2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体[以下、これを2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体(IX)という]の製造方法である。
【0027】
さらに、本発明は、α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を2(5H)−フラノン誘導体(I)と反応させることを特徴とするテトラヒドロチオフェン誘導体(II)の製造方法、テトラヒドロチオフェン誘導体(II)を塩基の存在下にハロゲノスルホニル誘導体(III)と反応させることを特徴とするスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)の製造方法、スルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)に塩基を作用させることを特徴とするジヒドロチオフェン誘導体(V)の製造方法、およびジヒドロチオフェン誘導体(V)を酸化することを特徴とするチオフェン誘導体(VI)の製造方法を含む。
【0028】
本発明は、テトラヒドロチオフェン誘導体(II)、すなわち、前記一般式(II)で示される2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体、スルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)、すなわち、前記一般式(IV)で示される2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−スルホニルオキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体、およびジヒドロチオフェン誘導体(V)、すなわち、前記一般式(V)で示される2,2a,4,6−テトラヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体をも含む。
【0029】
【発明の実施の形態】
上記の一般式中、R 、R 、R およびR が表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基などが挙げられる。
【0030】
、R 、R およびR が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらのシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0031】
、R 、R およびR が表すアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0032】
、R およびR が表すアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。これらのアラルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;フェニル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられる。
【0033】
およびR が表すアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、Xが表すハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0034】
まず、α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を2(5H)−フラノン誘導体(I)と反応させてテトラヒドロチオフェン誘導体(II)とする環化反応工程について説明する。
【0035】
α−メルカプトアセトアルデヒドは、単量体としても使用できるが、市販されている安定な二量体である2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジチアンを使用するのが好ましい。
【0036】
2(5H)−フラノン誘導体(I)の使用量は、α−メルカプトアセトアルデヒドに対して0.5〜10倍モルの範囲であるのが好ましく、0.8〜3倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0037】
環化反応は溶媒の存在下で行うのが好ましい。かかる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。これらの中でも選択性、環境面の観点から芳香族炭化水素類、ニトリル類および水が好ましく、トルエン、アセトニトリルが特に好ましい。溶媒の使用量は、α−メルカプトアセトアルデヒド(換算)に対して、0.5〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、2〜50倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0038】
環化反応は塩基の存在下に行うのが好ましい。かかる塩基としては、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アニリン、ピリジン、キノリンなどのアミン化合物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩などが挙げられる。塩基の使用量は、α−メルカプトアセトアルデヒド(換算)に対して0.001〜2倍モルの範囲であるのが好ましく、0.01〜0.1倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0039】
環化反応の温度は、−20℃〜200℃の範囲であるのが好ましく、0〜100℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、原料、塩基および溶媒の種類、使用量、反応温度などにより異なるが、0.5〜30時間の範囲であるのが好ましい。
【0040】
このようにして得られたテトラヒドロチオフェン誘導体(II)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を濃縮して得られる粗生成物を、必要に応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどにより精製する。また、精製操作を行わずに次のスルホニル化反応に使用することもできる。
【0041】
テトラヒドロチオフェン誘導体(II)を塩基の存在下にハロゲノスルホニル誘導体(III)と反応させることによりスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)とするスルホニル化反応工程、引き続きスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)に塩基を作用させることによりジヒドロチオフェン誘導体(V)とする脱スルホニル化反応工程について説明する。
【0042】
ハロゲノスルホニル誘導体(III)としては、例えばメタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロミド、メタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド、ベンゼンスルホニルフルオリド、p−トルエンスルホニルクロリド、α−トルエンスルホニルクロリド、α−トルエンスルホニルフルオリドなどが使用される。その使用量は、テトラヒドロチオフェン誘導体(II)に対して0.5〜10倍モルの範囲であるのが好ましく、0.8〜2倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0043】
スルホニル化反応で使用する塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、キノリンなどの三級アミン化合物などの有機塩基が挙げられ、使用量を調節することによりそのまま次工程の脱スルホニル化反応を実施することも可能である。その使用量は、ハロゲノスルホニル誘導体(III)に対して0.8〜20倍モルの範囲であるのが好ましい。得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)を単離する場合、上記の使用量は0.8〜1.5倍モルの範囲であるのがより好ましく、またスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)を単離せずに引き続き脱スルホニル化反応を行う場合、該使用量は2.0〜5.0倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0044】
このようにして得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製するか、または単離・精製せずに次の脱スルホニル化反応に使用することができる。
【0045】
脱スルホニル化反応は、先に述べた有機塩基の存在下で実施する以外に、スルホニル化反応終了後の反応混合液に塩基性水溶液を添加して実施するのが好ましい。かかる塩基性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩などの無機塩基の水溶液が挙げられる。塩基の濃度は1重量%から飽和溶解度までの範囲であればよい。塩基性水溶液の使用量は、塩基の含有量に換算して、スルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体(IV)に対して1.0〜30倍モルの範囲であるのが好ましく、2.0〜10倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0046】
脱スルホニル化反応は溶媒の存在下で行うのが好ましい。かかる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも選択性、環境面の観点から、芳香族炭化水素類およびニトリル類が好ましく、トルエン、アセトニトリルが特に好ましい。溶媒の使用量は、テトラヒドロチオフェン誘導体(II)に対して0.5〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、2〜50倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0047】
脱スルホニル化反応の温度は、−30℃〜200℃の範囲であるのが好ましく、−10℃〜100℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、原料、塩基および溶媒の種類、使用量、反応温度などにより異なるが、0.1〜30時間の範囲であるのが好ましい。
【0048】
このようにして得られたジヒドロチオフェン誘導体(V)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどにより精製する。また、精製操作を行わずに次の酸化反応に使用することもできる。
【0049】
ジヒドロチオフェン誘導体(V)を酸化することによりチオフェン誘導体(VI)とする酸化反応工程について説明する。
【0050】
酸化反応はジヒドロチオフェン誘導体(V)に酸化剤を作用させることにより行う。酸化剤としては、例えば、塩素、臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸、N−ブロモコハク酸イミド、5,5−ジメチル−1,3−ジブロモヒダントインなどのハロゲン化剤;m−クロロ過安息香酸、過酸化水素、過塩素酸ナトリウムなどの過酸化合物などが挙げられ、中でも塩素、臭素、塩化スルフリルが好ましい。酸化剤の使用量は、ジヒドロチオフェン誘導体(V)に対して0.5〜10倍モルの範囲であるのが好ましく、0.8〜3.0倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0051】
酸化反応は溶媒の存在下で行うのが好ましい。かかる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも選択性、環境面の観点から、芳香族炭化水素類およびニトリル類が好ましく、トルエン、アセトニトリルが特に好ましい。溶媒の使用量は、ジヒドロチオフェン誘導体(V)に対して0.5〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、2〜50倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0052】
酸化反応の温度は、−80℃〜100℃の範囲であるのが好ましく、−30℃〜50℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、原料、塩基および溶媒の種類、使用量、反応温度などにより異なるが、0.1〜30時間の範囲であるのが好ましい。
【0053】
このようにして得られたチオフェン誘導体(VI)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどにより精製する。また、精製操作を行わずに次のアルコール分解反応または加水分解反応に使用することもできる。
【0054】
チオフェン誘導体(VI)を酸性条件下にアルコール(VII)と反応させることにより2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体(VIII)とするアルコール分解反応工程について説明する。
【0055】
アルコール(VII)としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、3−エトキシ−1−プロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂肪族飽和アルコール;アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−1−オール、2−ペンテン−1−オール、3−ペンテン−1−オール、4−ペンテン−1−オールなどの脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコール、1−フェニルエタノール、1−ナフタレンメタノール、2−ナフタレンメタノール、メチルベンジルアルコール、メトキシベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;フェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどのフェノール類が挙げられる。これらのアルコールは反応溶媒としても使用することができる。使用量は、チオフェン誘導体(VI)に対して1〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、1〜20倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0056】
アルコール分解反応を行う際の酸性条件は系内に酸を存在させることにより調整する。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸などが用いられる。酸の使用量は、チオフェン誘導体(VI)に対して0.001〜10倍モルの範囲であるのが好ましく、0.01〜0.3倍モルの範囲であるのがより好ましい。
【0057】
アルコール分解反応は溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、上記のアルコール(VII)以外に反応に悪影響を与えない限り特に限定されるものではなく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、チオフェン誘導体(VI)に対して1〜100倍重量の範囲であるのが好ましく、1〜20倍重量の範囲であるのがより好ましい。
【0058】
アルコール分解反応の温度は、−20℃〜200℃の範囲であるのが好ましく、0〜100℃の範囲であるのがより好ましい。反応時間は、原料、酸および溶媒の種類、使用量、反応温度などにより異なるが、0.1〜30時間の範囲であるのが好ましい。
【0059】
このようにして得られた2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体(VIII)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどにより精製する。
【0060】
チオフェン誘導体(VI)を加水分解することにより2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体(IX)とする加水分解反応工程について説明する。
【0061】
加水分解反応は、一般的なエステル化合物の加水分解反応条件下で行うことができる。例えば、加水分解反応を酸性条件下で行う場合には、系内に硫酸、塩酸などの鉱酸;三塩化アルミニウム、三塩化ホウ素などのルイス酸;トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を存在させて行う。また、塩基性条件下で行う場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液を用い、必要に応じて有機溶媒の存在下に行う。反応温度は条件により異なるが、0℃から溶媒の還流温度までの範囲であればよい。
【0062】
このようにして得られた2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体(IX)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応混合液を濃縮して得られる粗生成物を必要に応じて蒸留、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなどにより精製する。
【0063】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0064】
実施例1
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2(5H)−フラノン1.680g(20mmol)および2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジチアン1.521g(10mmol、α−メルカプトアセトアルデヒド換算で20mmol)を入れ、アセトニトリル20mlを加えて系内を窒素置換した。この溶液に、炭酸ナトリウム42mg(0.4mmol)を添加し、40℃で12時間攪拌した。得られた反応混合物を濾過し、濾液より減圧下に溶媒などの低沸成分を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いて精製することにより、下記の物性を有する2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン1.760gを得た(α−メルカプトアセトアルデヒド換算で収率55%)。
【0065】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:5.01−4.90(m,2H)、7.11(d,1H)、7.05(m,1H)、3.65(s,3H)、2.53(d,1H,J=6.0Hz)
【0066】
実施例2
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン1.760g(11mmol)およびトリエチルアミン1.336g(13.2mmol)を入れ、トルエン10mlを加えて系内を窒素置換した後、内温を−30℃にまで冷却した。この溶液に塩化メタンスルホニル1.386g(12.1mmol)を内温が−20℃以下に保たれるようにして滴下した。滴下終了後、30分間、−20℃以下で撹拌し、ガスクロマトグラフィーにより原料が完全に消費されたことを確認した後、反応混合液に水10mlを添加し、有機層と水層を分液漏斗を用いて分離した。水層は5mlの酢酸エチルで再抽出して、先の有機層と合わせた。有機層より溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を用いて精製することにより、下記の物性を有する2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−メシルオキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン1.972g(収率75%)を得た。
【0067】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:5.46(dd,1H,J=5.0,6.0Hz)、4.61(dd,1H,J=6.9,9.9Hz)、4.36(dd,1H,J=4.0,5.0Hz)、4.25−4.17(m,1H)、3.58(dd,1H,J=3.0,6.0Hz)、3.35(dd,1H,J=2.0,5.0)、3.13(s,3H)
【0068】
実施例3
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−メシルオキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン1.972g(8.25mmol)、トルエン10mlおよび10重量%炭酸ナトリウム水溶液を入れ、内温50℃に加熱して6時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにより原料が完全に消費されたことを確認した後、有機層と水層を分液漏斗を用いて分離した。水層はトルエン5mlで再抽出して、先の有機層と合わせた。有機層より溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて精製することにより、下記の物性を有する純度99%以上の2,2a,4,6−テトラヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン0.820g(収率70%)を得た。
【0069】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:6.78(q,1H,J=3.0Hz)、5.02(m,1H)、4.65(t,1H,J=7.9Hz)、4.48−4.39(m,1H)、4.22−3.99(m,2H)
【0070】
実施例4
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2,2a,4,6−テトラヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン0.820g(5.78mmol)およびトルエン10mlを入れ、内温0℃以下に保ちながら塩化スルフリル0.858g(6.36mmol)を滴下した。ガスクロマトグラフィーにより原料が完全に消費されたことを確認した後、反応混合液に10mlの水を加え、有機層と水層を分液漏斗を用いて分離した。水層はトルエン5mlで再抽出して、先の有機層と合わせた。有機層より溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて精製することにより、下記の物性を有する純度99%以上の2,6−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン0.647g(収率80%)を得た。
【0071】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:7.46(t,1H,J=4.8Hz)、7.22(t,1H,J=4.8Hz)、5.33(s,2H)
【0072】
実施例5
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2,6−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン0.710g(5.0mmol )、p−トルエンスルホン酸一水和物10mg(0.05mmol)およびメタノール10mlを入れ、1時間加熱還流下した。ガスクロマトグラフィーにより原料が完全に消費されたことを確認した後、反応混合液にナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を加え、系内を塩基性とし、メタノールを減圧下に留去した。残留物にトルエン10mlおよび水10mlを加え、室温で30分攪拌した後、有機層と水層を分液漏斗を用いて分離した。水層はトルエン5mlで再抽出して、先の有機層と合わせた。有機層より溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて精製することにより、下記の物性を有する純度99%以上の2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸メチル0.8004g(収率92%)を得た。
【0073】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl 、TMS、ppm)δ:7.43(d,1H,J=5.5Hz)、7.13(d,1H,J=5.5Hz)、4.97(s,2H)、3.88(s,3H)
【0074】
実施例6
温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積50mlの3口フラスコに、2,6−ジヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン0.710g(5.0mmol)およびメタノール10mlを入れ、この混合液に内温を5℃以下に保ちながら3N水酸化ナトリウム水溶液10mlを滴下した。滴下終了後、さらに5℃にて1時間攪拌し、原料が完全に消費されたことを確認した後、反応液に濃塩酸3mlを加えて系内を酸性とした。メタノールを減圧下に留去し、残留物に酢酸エチル10mlおよび水10mlを加え、室温で30分攪拌した後、有機層と水層を分液漏斗を用いて分離した。水層は酢酸エチル5mlで再抽出して、先の有機層と合わせた。有機層より溶媒などの低沸成分を減圧下に留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)を用いて精製することにより、下記の物性を有する純度99%以上の2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸0.6873g(収率87%)を得た。
【0075】
1H−NMRスペクトル(270MHz、DMSO−d 、TMS、ppm)δ:
12.63(bs,1H)、7.34(d,1H,J=5.9Hz)、7.26(d,1H,J=5.9Hz)、5.79(bs,1H)、4.90(s,2H)
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体(VIII)または2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体(IX)を温和な条件下で収率よく、工業的に有利に製造することができる。また、本発明によれば、かかる工業的に有利な製造方法を与える合成中間体およびその製造方法が提供される。

Claims (10)

  1. α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を一般式(I)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2(5H)−フラノン誘導体と反応させることにより、一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたテトラヒドロチオフェン誘導体を塩基の存在下に一般式(III)
    Figure 0004159784
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロゲノスルホニル誘導体と反応させることにより、一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、R、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体に塩基を作用させることにより、一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるジヒドロチオフェン誘導体を得、得られたジヒドロチオフェン誘導体を酸化することを特徴とする一般式(VI)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるチオフェン誘導体の製造方法。
  2. α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を一般式(I)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2(5H)−フラノン誘導体と反応させることにより、一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたテトラヒドロチオフェン誘導体を塩基の存在下に一般式(III)
    Figure 0004159784
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロゲノスルホニル誘導体と反応させることにより、一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、R、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体に塩基を作用させることにより、一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるジヒドロチオフェン誘導体を得、得られたジヒドロチオフェン誘導体を酸化することにより一般式(VI)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるチオフェン誘導体を得、得られたチオフェン誘導体を酸性条件下に一般式(VII)
    Figure 0004159784
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示されるアルコールと反応させることを特徴とする一般式(VIII)
    Figure 0004159784
    (式中、R、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示される2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸エステル誘導体の製造方法。
  3. α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を一般式(I)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2(5H)−フラノン誘導体と反応させることにより、一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたテトラヒドロチオフェン誘導体を塩基の存在下に一般式(III)
    Figure 0004159784
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロゲノスルホニル誘導体と反応させることにより、一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、R、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体を得、得られたスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体に塩基を作用させることにより、一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるジヒドロチオフェン誘導体を得、得られたジヒドロチオフェン誘導体を酸化することにより一般式(VI)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるチオフェン誘導体を得、得られたチオフェン誘導体を加水分解することを特徴とする一般式(IX)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示される2−ヒドロキシメチルチオフェン−3−カルボン酸誘導体の製造方法。
  4. α−メルカプトアセトアルデヒドまたはその二量体を一般式(I)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2(5H)−フラノン誘導体と反応させることを特徴とする一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるテトラヒドロチオフェン誘導体の製造方法。
  5. 一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で表されるテトラヒドロチオフェン誘導体を塩基の存在下に一般式(III)
    Figure 0004159784
    式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示されるハロゲノスルホニル誘導体と反応させることを特徴とする一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、R、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体の製造方法。
  6. 一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表し、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で示されるスルホニルオキシテトラヒドロチオフェン誘導体に塩基を作用させることを特徴とする一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるジヒドロチオフェン誘導体の製造方法。
  7. 一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示されるジヒドロチオフェン誘導体を酸化することを特徴とする一般式(VI)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは前記定義のとおりである。)で示されるチオフェン誘導体の製造方法。
  8. 一般式(II)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体。
  9. 一般式(IV)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表し、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で示される2,2a,4,5,5a,6−ヘキサヒドロ−5−スルホニルオキシチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体。
  10. 一般式(V)
    Figure 0004159784
    (式中、RおよびRは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基またはアルコキシル基を表す。)で示される2,2a,4,6−テトラヒドロチエノ[2,3−c]フラン−6−オン誘導体。
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