JP2002003483A - 5−置換−2(5h)−フラノンの製造方法 - Google Patents

5−置換−2(5h)−フラノンの製造方法

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JP2002003483A
JP2002003483A JP2001112143A JP2001112143A JP2002003483A JP 2002003483 A JP2002003483 A JP 2002003483A JP 2001112143 A JP2001112143 A JP 2001112143A JP 2001112143 A JP2001112143 A JP 2001112143A JP 2002003483 A JP2002003483 A JP 2002003483A
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Kuniaki Tatsuta
邦明 竜田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 5−アルコキシ−2(5H)−フラノンのよ
うな5−置換−2(5H)−フラノンを、安価に、効率
よく、工業的に有利に製造し得る方法を提供する。 【解決手段】 一般式(IV)で示される化合物にハロ
ゲン化剤を作用させて一般式(II)で示される化合物
を得、得られた一般式(II)で示される化合物を非水
条件下、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムからな
る群より選ばれる塩基の存在下に、一般式(III)で
示されるアルコールと反応させることを特徴とする一般
式(I)で示される5−置換−2(5H)−フラノンの
製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5位がアルコキシ
ル基などで置換された2(5H)−フラノンの製造方法
に関する。本発明により得られる5−置換−2(5H)
−フラノン、例えば5−エトキシ−2(5H)−フラノ
ンは、抗炎症剤などの医薬の合成中間体として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】5−アルコキシ−2(5H)−フラノン
などの5位がアルコキシル基などで置換された2(5
H)−フラノンの製造方法としては、(1)フルフラー
ルを光照射条件で酸化することにより5−ヒドロキシ−
2(5H)−フラノンを得、これをアルコールと反応さ
せる方法[テトラヘドロン(Tetrahedro
n)、44巻、7213頁(1988年)参照]、
(2)アセチルフランまたはフラン−2−カルボン酸エ
ステルをアルコールまたはアセトン溶媒中で光照射条件
で酸化する方法[ケミストリー エクスプレス(Che
mistry Express)、1巻、475頁(1
986年)参照]、(3)2−シリルオキシフラン誘導
体をヨードソベンゼンにより酸化する方法[テトラヘド
ロン レターズ(Tetrahedron Let
t.)、30巻、3019頁(1989年)参照]、
(4)グリオキシル酸とアルデヒドとのマンニッヒ反応
により、4位に置換基を有する5−アルコキシ−2(5
H)−フラノンを製造する方法[ジャーナルオブ オー
ガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)、
46巻、4889頁(1981年)参照]、(5)3−
ホルミルメタクリル酸を塩酸中で加熱して5−ヒドロキ
シ−3−メチル−2(5H)−フラノンを得、これをア
ルコールと反応させる方法[ジャーナル オブ ザ ケ
ミカル ソサイエティー (c)(J.Chem.So
c.,(c))、1984頁(1968年)参照]、
(6)5−ブロモ−4−メトキシ−2(5H)−フラノ
ンにアルコールを作用させる方法[ジャーナル オブ
ザ ケミカル ソサイエティー、パーキン トランザク
ション I(J.Chem.Soc.,Perkin
Trans.I)、717頁(1987年)参照]、
(7)2(5H)−フラノン誘導体を四塩化炭素中、N
−ブロモスクシンイミドにより臭素化して5−ブロモ−
2(5H)−フラノン誘導体を得、これを炭酸カリウム
水溶液の存在下にフェノールと反応させる方法[シンセ
シス(Synthesis)、760頁(1988年)
参照]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)および
(2)の方法を工業的なスケールで実施する場合、光照
射のための反応設備およびエネルギーが過大となる。上
記(3)の方法で使用する2−シリルオキシフラン誘導
体およびヨードソベンゼンは高価である。上記(4)の
方法は、原料が高価なうえ、得られる生成物はすべて4
位に置換基を有する5−アルコキシ−2(5H)−フラ
ノン誘導体であり、汎用性に欠ける。上記(5)の方法
は原料が高価なうえ、収率が35%と低い。上記(6)
の方法では、強酸である臭化水素が副生し、かつその臭
化水素が生成物に作用して、生成物の開環反応を引起こ
す。また、n−ブチルリチウムの存在下にアルコールを
作用させる反応が行われているが、本発明における4位
に置換基を有さない5−ハロゲノ−2(5H)−フラノ
ンにn−ブチルリチウムの存在下にアルコールを作用さ
せた場合には、選択性が悪く、目的とする5−アルコキ
シ−2(5H)−フラノンは低収率でしか得られない。
上記(7)の方法は、四塩化炭素を溶媒として使用して
おり、人体および環境に与える影響が大きいという問題
を有している。また、炭酸カリウム水溶液を使用してお
り、水に対して不安定な5−ブロモ−2(5H)−フラ
ノン誘導体の分解を併発するため、その反応条件は効率
的ではない。したがって、これらの方法はいずれも5位
がアルコキシル基などで置換された2(5H)−フラノ
ンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。
【0004】本発明の目的は、5−アルコキシ−2(5
H)−フラノンのような5−置換−2(5H)−フラノ
ンを、安価に、効率よく、工業的に有利に製造し得る方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(II)
【0006】
【化8】
【0007】(式中、R1は水素原子、置換基を有して
いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリ
ール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を
表し、Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物
[以下、これをハロラクトン(II)と略称する]を、
非水条件下、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カル
シウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムか
らなる群より選ばれる塩基の存在下に、一般式(II
I)
【0008】
【化9】
【0009】(式中、R2は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基ま
たは置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるアルコール[以下、これをアルコール(II
I)と略称する]と反応させることを特徴とする一般式
(I)
【0010】
【化10】
【0011】(式中、R1およびR2は前記定義のとおり
である。)で示される5−置換−2(5H)−フラノン
[以下、これを5−オキシラクトン(I)と略称する]
の製造方法、および 一般式(IV)
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R1は前記定義のとおりであ
る。)で示される化合物[以下、これをラクトン(I
V)と略称する]にハロゲン化剤を作用させてハロラク
トン(II)を得、得られたハロラクトン(II)を、
非水条件下、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カル
シウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムか
らなる群より選ばれる塩基の存在下に、アルコール(I
II)と反応させることを特徴とする5−オキシラクト
ン(I)の製造方法を提供することによって達成され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】上記一般式中、R1およびR2が表
すアルキル基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分
岐鎖状のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基
などが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有し
ていてもよく、かかる置換基としては、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアル
コキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの
三置換シリルオキシ基;ニトロ基などが挙げられる。
【0015】R1およびR2が表すアラルキル基として
は、アルキル部分として炭素数1〜8のアルキル基を有
し、アリール部分として炭素数6〜10のアリール基を
有するアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、1
−ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
これらのアラルキル基は置換基を有していてもよく、か
かる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基などのアルキル基;トリフルオロメチ
ル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基などのアルコキシル基;tert−ブチルジメチル
シリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオ
キシ基などの三置換シリルオキシ基;ニトロ基;フェニ
ル基、p−メトキシフェニル基などのアリール基などが
挙げられる。
【0016】R1が表すアリール基としては、炭素数6
〜10のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナ
フチル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換
基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基などのアル
キル基;トリフルオロメチル基;メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;
tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−
ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオ
キシ基;ニトロ基;フェニル基、p−メトキシフェニル
基などのアリール基などが挙げられる。
【0017】R2が表すアルケニル基としては、炭素数
2〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が好まし
く、例えばビニル基、プロペニル基、メタリル基、ブテ
ニル基、プレニル基、オクテニル基などが挙げられる。
これらのアルケニル基は置換基を有していてもよく、か
かる置換基としては、例えばトリフルオロメチル基;メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など
のアルコキシル基;tert−ブチルジメチルシリルオ
キシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基な
どの三置換シリルオキシ基;ニトロ基;フェニル基、p
−メトキシフェニル基などのアリール基などが挙げられ
る。
【0018】Xが表すハロゲン原子としては、例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げ
られる。
【0019】まず、ラクトン(IV)にハロゲン化剤を
作用させてハロラクトン(II)を製造する工程につい
て説明する。
【0020】ハロゲン化剤としては、例えば塩素、臭
素、塩化スルフリル、N−クロロコハク酸イミド、N−
ブロモコハク酸イミド、5,5−ジメチル−1,3−ジ
ブロモヒダントイン、ピリジンジブロミドヒドロブロミ
ド、臭素−ジオキサン、ブロモトリクロロメタンなどが
使用される。ハロゲン化剤の使用量は、ラクトン(I
V)1モルに対して、0.1〜10モルの範囲であるの
が好ましく、0.5〜2モルの範囲であるのがより好ま
しい。
【0021】反応を円滑に進行させる観点から、ハロゲ
ン化剤はラジカル開始剤の共存下に用いるのが好まし
い。かかるラジカル開始剤としては、例えば過酸化ジベ
ンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ジtert−
ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過安息香
酸tert−ブチルなどが使用される。ラジカル開始剤
を共存させる場合、その使用量に特に制限はないが、ハ
ロゲン化剤1モルに対して、0.001〜1モルの範囲
であるのが好ましく、0.001〜0.01モルの範囲
であるのがより好ましい。
【0022】反応は溶媒の存在下に行うのが好ましい。
溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定さ
れるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、石油エーテル、ベンゼンなどの炭化水
素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプ
ロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジブ
チルエーテルなどのエーテル;アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;塩化メチ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ク
ロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;またはこれら
の混合物などが挙げられる。溶媒の使用量に特に制限は
ないが、ラクトン(IV)に対して0.5〜1000重
量倍の範囲であるのが好ましい。
【0023】反応温度は、0〜200℃の範囲であるの
が好ましく、50〜100℃の範囲であるのがより好ま
しい。反応時間は、ラクトン(IV)、ハロゲン化剤お
よび溶媒の種類、使用量比ならびに反応温度によっても
異なるが、0.5〜30時間の範囲であるのが好まし
い。
【0024】反応は、例えばハロゲン化剤、ラクトン
(IV)および必要に応じてラジカル開始剤を溶媒に溶
解または懸濁させ、所定温度で攪拌下に行うのが好まし
い。
【0025】このようにして得られたハロラクトン(I
I)は、有機化合物の単離・精製において通常行われる
方法により単離・精製することができる。例えば、反応
混合液に水を添加して有機層と水層を分離し、水層をジ
エチルエーテル、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタンなどの溶媒で抽出し、抽出
液および有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムなどで乾
燥後、濃縮する。ただし、ハロラクトン(II)は水に
対して不安定であり、分解する傾向があるため、抽出操
作は短時間で行うことが望ましい。また、必要に応じ
て、得られた粗生成物を再結晶、蒸留、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段に付すこと
により、その純度をさらに高めることもできる。
【0026】次に、ハロラクトン(II)を非水条件
下、塩基の存在下に、アルコール(III)と反応させ
て5−オキシラクトン(I)を製造する工程について説
明する。
【0027】塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸
水素カリウムを使用する必要がある。これらは単独で使
用してもよいし、2種類以上混合して使用してもよい。
塩基として炭酸リチウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カ
ルシウムを使用する場合には、その使用量は、ハロラク
トン(II)1モルに対して、0.5〜50モルの範囲
であるのが好ましく、0.5〜5モルの範囲であるのが
より好ましい。炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリ
ウムを使用する場合には、その使用量は、ハロラクトン
(II)1モルに対して、1〜50モルの範囲であるの
が好ましく、1〜5モルの範囲であるのがより好まし
い。
【0028】アルコール(III)としては、例えばメ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−
ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3
−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノー
ル、3−ヘキサノール、1−オクタノール、2−メトキ
シエタノール、2−エトキシエタノール、3−エトキシ
−1−プロパノールなどの脂肪族飽和アルコール;アリ
ルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−
1−オール、2−ペンテン−1−オール、3−ペンテン
−1−オール、4−ペンテン−1−オールなどの脂肪族
不飽和アルコール;ベンジルアルコール、1−フェニル
エタノール、1−ナフタレンメタノール、2−ナフタレ
ンメタノール、メチルベンジルアルコール、メトキシベ
ンジルアルコールなどの芳香族アルコールが挙げられ
る。これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1
−オクタノールなどが好ましく用いられる。アルコール
(III)の使用量は、ハロラクトン(II)1モルに
対して、1モル以上であるのが好ましく、1〜1000
モルの範囲であるのがより好ましい。
【0029】反応は、水が存在するとハロラクトン(I
I)が分解するため、非水条件下で行う必要がある。反
応は溶媒の存在下または不存在下に行うことができる。
溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定さ
れるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クメンなどの炭化水素;ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサ
ン、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテ
ル;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル;塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメ
チルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒;または
これらの混合物などが挙げられる。溶媒を使用する場
合、その使用量に特に制限はないが、ハロラクトン(I
I)に対して0.5〜1000重量倍の範囲であるのが
好ましい。
【0030】反応温度は、20〜200℃の範囲である
のが好ましく、40〜100℃の範囲であるのがより好
ましい。反応時間は、ハロラクトン(II)、塩基およ
びアルコール(III)の種類、使用量比ならびに反応
温度によっても異なるが、0.5〜30時間の範囲であ
るのが好ましい。
【0031】反応は、例えば塩基をアルコール(II
I)および必要に応じて溶媒に懸濁させて所定温度と
し、この混合液にハロラクトン(II)を添加して攪拌
下に行うのが好ましい。
【0032】このようにして得られた5−オキシラクト
ン(I)は、有機化合物の単離・精製において通常行わ
れる方法により単離・精製することができる。例えば、
反応混合液を濾過して固形物を除去し、濾液に水を加え
て有機層と水層を分離し、水層をジエチルエーテル、酢
酸エチル、トルエン、塩化メチレン、1,2−ジクロロ
エタンなどの溶媒で抽出し、抽出液および有機層を合わ
せて無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮して得られ
た粗生成物を必要に応じて再結晶、蒸留、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーなどで精製する。
【0033】なお、本発明で用いるラクトン(IV)
は、例えばフルフラールを過酸化水素により酸化する方
法[ザ オーガニック プレパレーション アンド プ
ロセデュアーズ インターナショナル(The Org
anic Preparation and Proc
edures International)、28
巻、215頁(1996年)参照]、アセチレン誘導体
をロジウム触媒またはパラジウム触媒の存在下、一酸化
炭素と反応させて環化カルボニル化する方法[オルガノ
メタリックス(Organometallics)、1
0巻、2493頁(1991年);ジャーナル オブ
ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J.A
m.Chem.Soc.)、88巻、1289頁(19
66年)参照]などにより容易に製造することができ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例により何ら制限されるものではな
い。
【0035】実施例1 温度計およびマグネチックスターラを装備した内容積1
000mlの3口フラスコに、2(5H)−フラノン2
5.20g(300mmol)、5,5−ジメチル−
1,3−ジブロモヒダントイン42.89g(150m
mol)および過酸化ジベンゾイル0.73gを入れ、
溶媒としてアセトニトリル300mlを加えて系内を窒
素置換後、80℃に昇温して3時間加熱攪拌した。反応
液を40℃以下まで冷却し、同温度以下にて減圧下にア
セトニトリルが留出しなくなるまで濃縮した後、室温に
てトルエン300mlと水300mlを加えて30分間
攪拌した。有機層と水層を分離し、有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下に濃縮することにより、褐色
の液体として、下記の物性を有する5−ブロモ−2(5
H)−フラノン38.61g(純度95%、225mm
ol、収率75%)を得た。
【0036】1H−NMR(270MHz、CDCl3
TMS、ppm)δ:7.62(d,1H,J=4.9
Hz)、6.95(s,1H)、6.24(d,1H,
J=4.9Hz)
【0037】参考例1 実施例1において、有機層と水層を分離せずに25℃に
て攪拌を続け、5−ブロモ−2(5H)−フラノンの安
定性を観察するために、その残存率をガスクロマトグラ
フィーを用いて測定した。5−ブロモ−2(5H)−フ
ラノンは約3%/時間の割合で分解した。
【0038】実施例2 温度計、マグネチックスターラおよび滴下ロートを装備
した内容積500mlの3口フラスコに炭酸リチウム3
9.90g(540mmol)を入れ、エタノール27
0mlを加えて系内を窒素置換し、80℃に加熱した。
この溶液に、実施例1の方法で得られた5−ブロモ−2
(5H)−フラノン46.46g(純度95%、270
mmol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃
にて7時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、不溶物
を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した。得られ
た残留物に酢酸エチル250mlおよび水250mlを
加え、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチル10
0mlで2回抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られ
た粗生成物をさらに蒸留精製することにより、無色透明
の液体として、下記の物性を有する5−エトキシ−2
(5H)−フラノン27.65g(収率80%)を得
た。
【0039】1H−NMR(270MHz、CDCl3
TMS、ppm)δ:7.21(d,1H,J=10.
9Hz)、6.23(d,1H,J=6.9Hz)、
5.94(s,1H)、4.00−3.88(m,1
H)、3.82−3.70(m,1H)、1.29
(t,3H,J=6.9Hz) 沸点:76−78℃/667kPa
【0040】実施例3 実施例2において、炭酸リチウム39.90gの代わり
に炭酸カルシウム54.00g(540mmol)を用
いた以外は同様にして反応および後処理を行い、5−エ
トキシ−2(5H)−フラノン28.68g(単離収率
83%)を得た。
【0041】実施例4 実施例2において、エタノール270mlの代わりにメ
タノール270mlを用いた以外は同様にして反応を行
い、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1
(容量比))で精製することにより、下記の物性を有す
る5−メトキシ−2(5H)−フラノン26.16g
(単離収率85%)を得た。
【0042】1H−NMR(270MHz、CDCl3
TMS、ppm)δ:7.23(d,1H,J=5.9
Hz)、6.24(dd,1H,J=5.9,2.0H
z)、5.87(d,1H,J=2.0Hz)、3.5
9(s,3H)
【0043】実施例5 実施例2において、炭酸リチウム39.90gの代わり
に炭酸ナトリウム57.23g(540mmol)を用
いた以外は同様にして反応および後処理を行い、5−エ
トキシ−2(5H)−フラノン16.33g(単離収率
72%)を得た。
【0044】実施例6 実施例2において、炭酸リチウム39.90gの代わり
に炭酸水素ナトリウム45.37g(540mmol)
を用いた以外は同様にして反応および後処理を行い、5
−エトキシ−2(5H)−フラノン19.50g(単離
収率86%)を得た。
【0045】実施例7 実施例2において、炭酸リチウム39.90gの代わり
に炭酸水素カリウム54.06g(540mmol)を
用いた以外は同様にして反応および後処理を行い、5−
エトキシ−2(5H)−フラノン17.01g(単離収
率75%)を得た。
【0046】比較例1 実施例2において、炭酸リチウムを添加せずに、エタノ
ール還流下に3時間加熱攪拌した。この反応液をガスク
ロマトグラフィーにて分析したところ、5−エトキシ−
2(5H)−フラノンに相当するピークは検出されず
に、複雑な混合系となった。
【0047】比較例2 実施例2において、炭酸リチウム39.90gの代わり
に炭酸カリウム74.63g(540mmol)を用い
た以外は同様にして反応および後処理を行ったが、5−
エトキシ−2(5H)−フラノンに相当するピークは検
出されずに、複雑な混合系となった。
【0048】比較例3 温度計、マグネチックスターラおよび滴下ロートを装備
した内容積100mlの3口フラスコに無水エタノール
0.276g(6mmol)と無水テトラヒドロフラン
30mlを入れて系内を窒素置換し、0℃に冷却した。
この溶液に、n−ブチルリチウム(6mmol)のヘキ
サン溶液3.75ml(1.6mol/リットル)のを
5℃以下で滴下し、さらに5℃以下にて10分間攪拌し
た。この溶液に実施例1の方法で得られた5−ブロモ−
2(5H)−フラノン0.858g(純度95%、5m
mol)を5℃以下で15分間かけて滴下し、滴下終了
後、室温に戻して12時間攪拌した。この反応液を減圧
下に濃縮し、残留物に水30mlと酢酸エチル30ml
を加え、有機層と水層を分離した。水層を酢酸エチル1
5mlで2回抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1(容量比))に
て精製することにより、5−エトキシ−2(5H)−フ
ラノン0.096g(収率15%)を得た。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、5−アルコキシ−2
(5H)−フラノンに代表される5−オキシラクトン
(I)を安価に、効率よく、工業的に有利に製造するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II) 【化1】 (式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよいア
    ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または
    置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、Xはハ
    ロゲン原子を表す。)で示される化合物を、非水条件
    下、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、
    炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群
    より選ばれる塩基の存在下に、一般式(III) 【化2】 (式中、R2は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を
    有していてもよいアラルキル基を表す。)で示されるア
    ルコールと反応させることを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、R1およびR2は前記定義のとおりである。)で
    示される5−置換−2(5H)−フラノンの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(IV) 【化4】 (式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよいア
    ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または
    置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示
    される化合物にハロゲン化剤を作用させて一般式(I
    I) 【化5】 (式中、R1は前記定義のとおりであり、Xはハロゲン
    原子を表す。)で示される化合物を得、得られた一般式
    (II)で示される化合物を、非水条件下、炭酸リチウ
    ム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリ
    ウムおよび炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる塩
    基の存在下に、一般式(III) 【化6】 (式中、R2は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を
    有していてもよいアラルキル基を表す。)で示されるア
    ルコールと反応させることを特徴とする一般式(I) 【化7】 (式中、R1およびR2は前記定義のとおりである。)で
    示される5−置換−2(5H)−フラノンの製造方法。
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