JPH07228570A - 4−メルカプトピロリジン誘導体 - Google Patents

4−メルカプトピロリジン誘導体

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JPH07228570A
JPH07228570A JP6314425A JP31442594A JPH07228570A JP H07228570 A JPH07228570 A JP H07228570A JP 6314425 A JP6314425 A JP 6314425A JP 31442594 A JP31442594 A JP 31442594A JP H07228570 A JPH07228570 A JP H07228570A
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JP
Japan
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compound
group
ylcarbonyl
pyrrolidine
reaction
Prior art date
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Pending
Application number
JP6314425A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Kawamoto
勲 川本
Rokuro Endo
六郎 遠藤
Katsuya Ishikawa
勝也 石川
Katsuhiko Watanabe
克彦 渡邉
Toyonori Takebayashi
▲とよ▼矩 竹林
Hiroshi Fukuhara
浩 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP6314425A priority Critical patent/JPH07228570A/ja
Publication of JPH07228570A publication Critical patent/JPH07228570A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌活性を有するカルバペネム誘導体の合成
中間体。 【構成】 式 【化1】 を有する4−メルカプトピロリジン誘導体。式中R1
アシル基を示し、R2 はH、保護基、アルキル基を示
し、Aはピペリジル基などを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌活性を有するカルバ
ペネム系抗菌剤の2位側鎖を構築するための有用な原料
である4−メルカプトピロリジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】EP−518558−A1公報(ヨーロ
ッパ特許出願公開公報)において、優れた抗菌活性を有
するカルバペネム化合物の2位側鎖の原料となる4−
(4−メトキシベンジルチオ)ピロリジン誘導体が開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メルカプト基
の保護基である4−メトキシベンジル基は、必ずしも温
和な条件下、効率的に除去できるわけでなく、カルバぺ
ネム系抗菌剤の製造において好ましい中間体とは言えな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、式(1)
【0005】
【化4】
【0006】〔式中、R1 はアシル基を示し、R2 はア
ミノ基の保護基、水素原子または低級アルキル基を示
す。Aは次の一般式またはで示されるいずれかの基
を示す。
【0007】一般式
【0008】
【化5】
【0009】(式中、nは2または3のいずれかを示
し、R3 は置換基を有するか若しくは有しない低級アル
キル基または−C(=NR4 )R5 基(式中、R4 はイ
ミノ基の保護基を示し、R5 は水素原子または低級アル
キル基を示す)を示す。) 一般式
【0010】
【化6】
【0011】(式中、mは1または2を示し、lは0ま
たは1を示し、R6 は水素原子または低級アルキル基を
示し、R7 はアミノ基の保護基または−C(=NR8
9 基(式中、R8 はイミノ基の保護基を示し、R9
水素原子または低級アルキル基を示す)を示す。)〕を
有する4−メルカプトピロリジン誘導体が、カルバペネ
ム系抗菌剤の優れた中間体であることを見い出し、本発
明を完成した。
【0012】式(1)の説明において、R1 のアシル基
は、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリルのような
低級アルカノイル基、ベンゾイル、トルオイル、クロロ
ベンゾイルのような芳香族アシル基があげられる。
【0013】R2 ,R5 ,R6 およびR9 の低級アルキ
ル基ならびにR3 の置換基を有してもよいアルキルのア
ルキル基は、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
があげられる。
【0014】R2 、R4 、R7 およびR8 のアミノ基お
よびイミノ基の保護基は、例えばメトキシカルボニル、
t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチ
ルオキシカルボニルのような置換基を有するか若しくは
有しない低級アルコキシカルボニル基、アリルオキシカ
ルボニル、2−クロロアリルオキシカルボニル、ビニル
オキシカルボニルのような置換基を有するか若しくは有
しない低級アルケニルオキシカルボニル基、ベンジルオ
キシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−クロ
ロベンジルオキシカルボニル、トリメチルベンジルオキ
シカルボニルのような置換基を有するか若しくは有しな
いベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0015】R3 の低級アルキル基上の置換基としては
保護されているか若しくはされていないヒドロキシ、シ
アノ、オキソ、カルバモイル、カルバモイルオキシ、保
護されているか若しくはされていないカルボキシル、保
護されているか若しくはされていないアミノ基があげら
れる。ヒドロキシおよびカルボキシル基の保護基として
は4−ニトロベンジルオキシカルボニル、アルリオキシ
カルボニル基があげられ、アミノ基の保護基としては前
述の保護基があげられる。
【0016】式(1)における好適なR1 はアセチル、
プロピオニル、ベンゾイル基であり、特に好適にはアセ
チル基である。
【0017】R2 、R3 、R5 、R6 、R9 の好適な低
級アルキル基はメチル、エチル基であり、R2 、R5
6 、R9 における特に好適な低級アルキル基はメチル
基である。
【0018】R2 、R4 、R7 、R8 のアミノ基および
イミノ基の好適な保護基は4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル、t−ブトキシカルボニル、アリルオキシカル
ボニル基であり特に好適には4−ニトロベンジルオキシ
カルボニルおよびアリルオキシカルボニル基である。
【0019】R3 の低級アルキル基上の好適な置換基と
してはヒドロキシ、4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルオキシ基、カルバモイル基、4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノ基があげられ、特に好適には、ヒドロキシ、4−
ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ基、カルバモイ
ル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基である。
【0020】Aが一般式で示される基を有する好適な
化合物(1)としてはnは2を示し、R1 がアセチル基
またはベンゾイル基であり、R2 が4−ニトロベンジル
オキシカルボニル基またはメチル基であり、R3 が2−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)エチル
基、2−ヒドロキシエチル基、N−4−ニトロベンジル
オキシカルボニルホルムイミドイル基、N−4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニルアセトイミドイル基である化
合物;nは3を示し、R1 がアセチル基またはベンゾイ
ル基であり、R2 が4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル基またはメチル基であり、R3 がカルバモイルメチル
基、4−ニトロベンジルオキシカルボニルメチル基、2
−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、N−4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニルホルムイミドイル基、N−4−ニト
ロベンジルオキシカルボニルアセトイミドイル基である
化合物。
【0021】特に好適な化合物(1)としてはnは2を
示し、R1 がアセチル基であり、R2 が4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル基またはメチル基であり、R3
2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)エ
チル基、2−ヒドロキシエチル基、N−4−ニトロベン
ジルオキシカルボニルアセトイミドイル基である化合物
であり、nは3を示し、R1 がアセチル基であり、R2
が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基またはメチル
基であり、R3 がカルバモイルメチル基、4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニルメチル基、N−4−ニトロベン
ジルオキシカルボニルアセトイミドイル基である化合
物。
【0022】Aが一般式で示される基を有する好適な
化合物(1)としては、mは1または2を示し、lが0
または1を示し、R1 がアセチル基またはベンゾイル基
であり、R2 が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基
またはメチル基であり、R6が水素原子、メチル基であ
り、R7 が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、N
−4−ニトロベンジルオキシカルボニルホルムイミドイ
ル基、N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセト
イミドイル基である化合物。
【0023】特に好適な(1)としてはmは2を示し、
lが0を示し、R1 がアセチルチオまたはベンゾイル基
であり、R2 が4−ニトロベンジルオキシカルボニル基
またはメチル基であり、R6 が水素原子であり、R7
4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、N−4−ニト
ロベンジルオキシカルボニルアセトイミドイル基である
化合物;mは1を示し、lが0を示し、R1 がアセチル
またはベンゾイル基であり、R2 が4−ニトロベンジル
オキシカルボニル基またはメチル基であり、R6 が水素
原子またはメチル基であり、R7 が4−ニトロベンジル
オキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、N−
4−ニトロベンジルオキシカルボニルホルムイミドイル
基、N−アリルオキシカルボニルホルムイミドイル基、
N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイミド
イル基、N−アリルオキシカルボニルアセトイミド基で
ある化合物である。
【0024】式(1)で示される4−メルカプトピロリ
ジン誘導体には2位および4位の不斉炭素に基づく立体
異性体が存在し、これら異性体が便宜上すべて単一の式
で示されているが、本発明はこれら異性体を含むもので
ある。しかしながら、カルバペネム系抗菌剤の中間体と
して好適なものとしては2位および4位の配位が〔2
S,4S)配位の化合物をあげることができる。
【0025】好適な化合物の例を具体的に以下に示す。
【0026】1.(2S,4S)−4−アセチルチオ−
2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−
イルカルボニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)ピロリジン 2.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
〔2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)
エチル〕ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 3.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイミ
ドイル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 4.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルホルムイミ
ドイル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 5.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルホルムイミ
ドイル)ホモピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 6.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイミ
ドイル)ホモピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 7.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−カ
ルバモイルメチルホモピペラジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピ
ロリジン 8.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
〔2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)オキシ
エチル〕ホモピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 9.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニルメチル)ホモピ
ペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)ピロリジン 10.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 11.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−(4
−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 12.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−メチル−N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピ
ロリジン 13.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−メチル−N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノピロリジン−1−イルカルボニル〕
−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリ
ジン 14.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アセトイミドイルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
ピロリジン 15.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アセトイミドイルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
ピロリジン 16.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
ホルムイミドイルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
ピロリジン 17.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
ホルムイミドイルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
ピロリジン 18.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノメチル)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1
−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 19.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニル
アミノメチル)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1
−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 20.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔4−
(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイミ
ドイルアミノ)ピペリジン−1−イルカルボニル〕−1
−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 21.(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−2−〔4
−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイ
ミドイルアミノ)ピペリジン−1−イルカルボニル〕−
1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジ
ン 22.(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−2−〔4
−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルカル
ボニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)ピロリジン 23.(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−2−〔4
−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセトイ
ミドイル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン 24.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔4−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアセトイミドイル)ピペラジン−1−イルカルボニ
ル〕ピロリジン 25.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔4−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアセトイミドイル)ホモピペラジン−1−イルカルボ
ニル〕ピロリジン 26.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピ
ロリジン 27.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−アリルオキシカルボニルアミノピロリジン−
1−イルカルボニル〕−1−メチルピロリジン 28.(2S,4S)−1−メチル−2−〔(3S)−
3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕−4−ベンゾイルチオ
ピロリジン 29.(2S,4S)−2−〔(3S)−アリルオキシ
カルボニルアミノピロリジン−1−イルカルボニル〕−
1−メチル−4−ベンゾイルチオピロリジン 30.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3R)−3−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピ
ロリジン 31.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−アリルオキシカルボニルアミノピロリジン−
1−イルカルボニル〕−1−メチルピロリジン 32.(2S,4S)−1−メチル−2−〔(3R)−
3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕−4−ベンゾイルチオ
ピロリジン 33.(2S,4S)−2−〔(3R)−3−(アリル
オキシカルボニルアミノピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−メチル−4−ベンゾイルピロリジン 34.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアセトイミドイルアミノ)ピロリジン−1
−イルカルボニル〕ピロリジン 35.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルホルムイミドイルアミノ)ピロリジン−1
−イルカルボニル〕ピロリジン 36.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−アリルオキシカルボニルアセトイミド
イルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−
メチルピロリジン 37.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−アリルオキシカルボニルホルムイミド
イルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−
メチルピロリジン 38.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアセトイミドイルアミノ)ピロリジン−1
−イルカルボニル〕ピロリジン 39.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルホルムイミドイルアミノ)ピロリジン−1
−イルカルボニル〕ピロリジン 40.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−アリルオキシカルボニルアセトイミド
イルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−
メチルピロリジン 41.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−アリルオキシカルボニルホルムイミド
イルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−
メチルピロリジン 42.(2R,4R)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピ
ロリジン 43.(2R,4R)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−アリルオキシカルボニルアミノピロリジン−
1−イルカルボニル〕−1−メチルピロリジン 44.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イ
ルカルボニル〕ピロリジン 45.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メチル
アミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−メチ
ルピロリジン 46.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアセトイミドイル−N−メチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン 47.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルホルムイミドイル−N−メチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン 48.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−アリルオキシカルボニルアセトイミド
イル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕ピロリジン 49.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(N−アリルオキシカルボニルホルムイミド
イル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕ピロリジン 50.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イ
ルカルボニル〕ピロリジン 51.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−アリルオキシカルボニル−N−メチル
アミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕−1−メチ
ルピロリジン 52.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアセトイミドイル−N−メチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン 53.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3R)−3−(N−4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルホルムイミドイル−N−メチルアミノ)ピ
ロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン 54.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−アリルオキシカルボニルアセトイミド
イル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−メチルピロリジン 55.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
R)−3−(N−アリルオキシカルボニルホルムイミド
イル−N−メチルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−メチルピロリジン 56.(2S,4R)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピ
ロリジン 57.(2R,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピ
ロリジン 58.(2S,4S)−4−アセチルチオ−2−〔(3
S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン 59.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−ter
t−ブトキシカルボニル−2−〔(3S)−3−(4−
ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−
1−イルカルボニル〕ピロリジン 60.(2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メチル
〔3−(N−4−ニトロベンジルオキシカルボニルアセ
トイミドイル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕ピロ
リジン 式(1)で表わされる4−メルカプトピロリジン誘導体
は以下に示す反応経路IおよびIIによって製造すること
ができる。
【0027】
【化7】
【0028】上記式中(R1 ,R2 およびAは前述した
ものと同意義であり、R10はアミノ基の保護基を示し、
例えばt−ブトキシカルボニル、2,2−ジブロモエチ
ルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオ
キシカルボニルのような置換基を有するか若しくは有し
ない低級アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボ
ニル、2−クロロアリルオキシカルボニルのような置換
基を有するか若しくは有しない低級アルケニルオキシカ
ルボニル基、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、ト
リメチルベンジルオキシカルボニルのような置換基を有
するか若しくは有しないベンジルオキシカルボニル基が
挙げられる。R11はメチル、エチル、トリフロロメチル
のような置換基を有するか若しくは有しない低級アルキ
ル基、フェニル、トリルのようなアリール基があげられ
る。A′はAと同意義であるか若しくは一般式および
におけるR3 およびR7における保護基のない基を示
す。またMはナトリウム、カリウムのような塩を示す。
【0029】次に反応系路IおよびIIについて各工程毎
に説明する。
【0030】第1工程 化合物(2)に塩基の存在下酸ハライドを反応させ酸無
水物とした後に化合物(3)を反応させるかもしくは化
合物(2)を縮合剤の存在下、化合物(3)と反応させ
ると化合物(4)が得られる。
【0031】第2工程 化合物(4)を塩基の存在下、化合物(5)と反応させ
ると化合物(6)が得られる。
【0032】第3工程 化合物(2)に酸ハライドを反応させ酸無水物とした
後、塩基の存在下化合物(5)を反応させ、次いで化合
物(3)を反応させると化合物(6)が得られる。
【0033】第4工程 化合物(6)に化合物(7)を反応させると目的化合物
(1)が得られる。なお、必要に応じてA′に保護基が
必要な場合、この反応の前若しくは後に保護基を導入す
ることもできる。反応経路Iにおいて得られる化合物
(1)はR2 がアミノ基の保護基である化合物である。
【0034】第5工程 A′がAと同一である場合、化合物(4)に化合物
(8)を反応させることによっても化合物(1)が得ら
れる。
【0035】第6工程 化合物(9)をアミノ基の保護基R10の除去反応により
化合物(10)が得られる。
【0036】第7工程 化合物(10)をアルキル化反応することにより目的化
合物(1)が得られる。反応経路IIにおいて得られる化
合物(1)はR2 が水素原子である化合物若しくは低級
アルキル基である化合物である。
【0037】第1工程において使用される酸ハライドと
してはクロル炭酸エチル、クロル炭酸イソプロピル、ク
ロル炭酸イソブチル、ピバロイルクロリドなどをあげる
ことが出来るが、これらの試剤のうちでは特にピバロイ
ルクロリドが好適である。酸無水物法において使用する
塩基は第2工程で使用する塩基と同意義を示す。第一工
程で使用する縮合剤としては、1,3−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩のようなカルボジ
イミド類、ジエチルホスホロシアニデート、ジフェニル
ホスホリルアジドがあげられ、カルボジイミド類を用い
る場合1−ヒドロキシベンゾトリアゾールと併用しても
良く、これらの試剤のうちでは特に1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
塩、ジエチルホスホロシアニデートが好適である。第1
工程で使用される溶剤としては本反応に関与しなければ
特に限定はなく、例えばテトラヒドロフラン、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、水又はこれらの混合溶剤があげられる。
【0038】第1工程の酸無水物を作るための反応温度
は通常−40℃乃至室温であり、反応時間は数分乃至2
4時間である。ここに得られる酸無水物に(3)を加え
てからの反応および化合物(2)と(3)を縮合剤の存
在下の反応における反応温度には特に限定はないが、副
反応を抑えるため比較的低温で行うのが望ましく通常は
−40℃乃至40℃で行われる。反応時間は主に反応温
度、反応試薬の種類によって異なるが、通常15分間乃
至75時間である。反応終了後、本反応の目的化合物
(4)は、常法に従って反応混合物から採取することが
できる。たとえば反応混合液または反応混合液の溶剤を
留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加
え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得
られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、
再沈殿またはクロマトグラフィーなどによって更に精製
することが出来る。このようにして得られた化合物
(4)は第2工程において常法に従って、塩基の存在
下、スルホニル化される。第2工程で使用されるスルホ
ニル化試剤すなわち化合物(5)としてメタンスルホニ
ルクロリド、エタンスルホニルクロリド、トリフルオロ
メタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホニルクロリ
ド、p−トルエンスルホニルクロリドがあげられ、これ
らの試剤のうちではメタンスルホニルクロリド、p−ト
ルエンスルホニルクロリドが好適である。また使用され
る塩基としては化合物の他の部分に影響を与えないもの
であれば特に限定はないが、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、N−メチルピペリジン、4−メ
チルアミノピリジンのような有機塩基、炭酸カリウム、
重炭酸ナトリウム等の無機塩があげられる。第2工程で
使用される溶剤としては本反応に関与しなければ特に限
定はなく、たとえばテトラヒドロフラン、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、メチレンクロリド、クロロホル
ム、ジオキサン等およびこれらの混合溶剤があげられ
る。反応温度には特に限定はないが、副反応を抑えるた
めには比較的低温で行うのが望ましく、通常は−20℃
乃至40℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応
試剤の種類によって異なるが、通常15分間乃至75時
間である。反応終了後、本反応の目的化合物(6)は、
常法に従って反応混合物から採取することができる。た
とえば反応混合液または反応混合液の溶剤を留去して得
られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、
溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化
合物は必要ならば常法、例えば再結晶、再沈殿またはク
ロマトグラフィーなどによって更に精製することができ
る。
【0039】また、化合物(6)は第3工程に従って化
合物(2)に酸ハライドを反応させ、酸無水物として
後、塩基の存在下(5)を反応させ、次いで化合物
(3)を反応させても得られる。第3工程で使用される
酸ハライド、化合物(5)および塩基は第1工程および
第2工程で使用されるものと同意義である。第3工程で
使用される溶剤としては本反応に関与しなければ特に限
定はなく、たとえばテトラヒドロフラン、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、メチレンクロリド、クロロホル
ム、ジオキサン等およびこれらの混合溶剤があげられ
る。反応温度には特に限定はないが、副反応を抑えるた
めには比較的低温で行うのが望ましく、酸ハライドとの
反応は−40℃乃至40℃で、化合物(5)との反応は
−20℃乃至40℃で行われる。反応時間は主に反応温
度、反応試剤の種類によって異なるが、通常酸ハライド
との反応は15分間乃至75時間で、化合物(5)との
反応は15分間乃至75時間である。この反応液に化合
物(3)を加え、第1工程の酸無水物法の反応と同様に
行う。反応終了後、本反応の目的化合物(6)は、第2
工程で示された常法に従って反応混合物から採取するこ
とが出来る。このようにして得られた化合物(6)は
A′基にアミノ基がある場合、常法に従ってアミノ基の
保護基を導入することが出来る。
【0040】第4工程では化合物(6)は化合物(7)
のメルカプタン塩と反応させ、化合物(1)が得られ
る。第4工程で使用されるメルカプタン塩としてチオ酢
酸カリウム、チオ酢酸ナトリウム、チオプロピオン酸カ
リウム、チオプロピオン酸ナトリウム、チオ安息香酸カ
リウム、チオ安息香酸ナトリウムがあげられ、これらの
試剤のうちチオ酢酸カリウム、チオ酢酸ナトリウムが好
適である。第4工程で使用される溶剤としては本反応に
関与しなければ特に限定はなく、たとえばアセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トル
エン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドお
よびこれらの混合溶剤があげられる。反応温度は特に限
定はないが、副反応を抑えるため、通常40°乃至15
0℃で行われる。反応時間は反応温度、反応試剤の種類
によって異なるが、通常30分間乃至75時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(1)は、常法に従っ
て反応混合物から採取することができる。例えば、反応
液と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去す
ることによって得られる。得られた目的化合物は必要な
らば常法、たとえば再結晶、再沈殿またはクロマトグラ
フィーなどによって更に精製することができる。このよ
うにして得られた化合物(1)はA基にヒドロキシ基が
ある場合、常法に従って水酸基の保護基を導入すること
も出来る。
【0041】第5工程ではA′がAと同一の場合、化合
物(4)と化合物(8)を反応させて化合物(1)が得
られる。第5工程で使用される試剤としてトリフェニル
ホスフィンのようなホスフィン類、ジエチルアゾジカル
ボキシレートのようなアルキルアゾジカルボキシレート
類があげられ、使用される溶剤としては本反応に関与し
ないものであれば特に限定はないが、酢酸エチル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンが好適である。反応温度は
通常、−20℃乃至室温付近であり、反応時間は原料化
合物(4)の種類および化合物(8)の種類によって異
なるが通常5分間乃至12時間である。反応終了後、本
反応の目的化合物(1)は目的物が析出している場合に
は濾取することより又溶解している場合には第4工程で
前述した方法に従って反応混合物から採取することがで
きる。
【0042】第6工程では化合物(9)をアミノ基の保
護基R10の除去反応により化合物(10)が得られる。
【0043】第6工程での保護基R10の除去はその種類
によって異なるが、一般にこの分野の技術で知られてい
る方法によって除去される。R10がt−ブトキシカルボ
ニル基である場合は、トリフルオロ酢酸、塩化水素、臭
化水素、硫酸のような酸により除去される。R10が2,
2−ジブロモエチルオキシカルボニル、2,2,2−ト
リクロロエチルオキシカルボニル基のようなハロゲノア
ルキルオキシカルボニル基である場合には亜鉛および酢
酸により除去される。R10がアリルオキシカルボニル、
2−クロロアリルオキシカルボニル基である場合には触
媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ムの存在下に、2−エチルヘキサン酸カリ若しくは2−
エチルヘキサン酸ナトリウムを反応させることにより除
去される。R10がベンジルオキシカルボニル、p−ニト
ロベンジルオキシのような置換基を有するか若しくは有
しないベンジルオキシカルボニル基である場合には水素
およびパラジウム−炭素のような接触還元により除去さ
れる。第6工程で使用される溶剤としては本反応に関与
しないものであれば特に限定はないが、酢酸エチル、メ
チレンクロリド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ア
セトニトリル、酢酸、水およびこれらの混合溶剤があげ
られる。反応温度には特に限定はないが、副反応を抑え
るため、通常−10℃乃至150℃で行われる。反応時
間は反応温度、反応試剤の種類によって異なるが、通常
15分乃至75時間である。反応終了後、本反応の目的
化合物(10)は、常法に従って、塩あるいはフリーの
形で反応混合物から採取することができる。たとえば、
塩の場合反応混合物より析出した目的化合物を濾取する
ことにより、フリーの形で得る場合、塩を中和後若しく
は中性条件での保護基の除去後、溶剤を留去することに
よって得ることができる。このようにして得られた目的
化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿また
はクロマトグラフィーなどによって更に精製することが
できる。このようにして得られた化合物(10)は第7
工程でアルキル化反応に付して目的化合物(1)に変換
する。第7工程で使用されるアルキル化試剤としては、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、ギ酸−ホルマリン、ホルマリン−シアノ水素化ほ
う素ナトリウム、ホルマリン−水素−パラジウム炭素触
媒、ホルマリン−水素−酸化白金があげられ、これらの
試剤のうち、ジメチル硫酸、ギ酸−ホルマリンが好適で
ある。化合物(10)が塩の形である場合には、塩基の
存在下にこれらの反応を行うのが好適である。使用され
る塩基としては化合物の他の部分に影響を与えないもの
であれば特に限定はないが、炭酸カリウム、重炭酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の無機塩、ジイソプロピルエチルアミン、トリ
エチルアミン、N−メチルピペリジンのような有機塩基
があげられるが、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウムが好適である。第7工程で使用される溶
剤としては、本反応に関与しなければ特に限定はなく、
たとえば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ン、アセトニトリル、メチレンクロリド、クロロホル
ム、1,2−ジクロルエタン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、水およびこれらの混合溶剤があ
げられる。反応温度には特に限定はないが、副反応を抑
えるため通常−10℃乃至100℃で行われる。反応時
間は反応温度、反応試剤の種類によって異なるが、通常
30分乃至48時間である。反応終了後、本反応の目的
化合物(1)は、常法に従って反応混合物から採取され
る。たとえば反応混合液または反応混合液の溶剤を留去
して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水
洗後、溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有
機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得
られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえ
ば再結晶、再沈殿またはクロマトグラフィーによって更
に精製することができる。
【0044】
【発明の効果】4−メルカプトピロリジン誘導体は、優
れた抗菌活性を有するカルバペネム化合物の2位側鎖部
分を構築する際、工業的に重要な中間体であることを見
い出した。
【0045】
【実施例】以下本発明の化合物を実施例および参考例を
あげてさらに具体的に説明する。尚、実施例および参考
例中の核磁気共鳴スペクトルについては特にことわりの
ない限りテトラメチルシランを内部標準に用いて測定し
た。
【0046】実施例1 (2S,4S)−4−アセチル
チオ−2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン
−1−イルカルボニル〕−1−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)ピロリジン
【0047】
【化8】
【0048】(1)トランス−4−ヒドロキシ−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−L−プロリ
ン(10g)を乾燥テトラヒドロフランに溶解し、−1
0〜−5℃でトリエチルアミン(4.0ml)及び塩基
ピバロイル(4.5ml)を滴下し、同温度で滴下後5
分間撹拌した。次いで、同温度で塩化メタンスルホニル
(2.7ml)及びトリエチルアミン(4.9ml)を
滴下によって加えた後、同温度で5分間撹拌した。反応
液に1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(5.0
g)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(50ml)を−1
0〜−5℃で滴下し、同温度で5分間、室温にもどし1
0分間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を濃縮し、残渣
を酢酸エチルで希釈し、重そう水、食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮すると(2S,4R)
−2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1
−イルカルボニル〕−4−メタンスルホニルオキシレー
ト(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン
(15.5g)を得た。
【0049】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1712, 1652, 1523, 1345, 1171 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :2.23-
2.80(9H,m), 3.06, 3.07(3H,s×2), 3.44-4.06(8H,m),
4.81-4.95(1H,m), 5.04-5.41(3H,m), 7.46,7.51(2H, d
×2,J=8.79Hz), 8.21,8.22(2H,d ×2,J=8.79Hz) 。
【0050】(2)(2S,4R)−2−〔4−(2−
ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕
−4−メタンスルホニルオキシ−1−(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)ピロリジン(2.00g)を乾
燥アセトニトリル(20ml)に溶解し、チオ酢酸カリ
ウム(685mg)を加え、80℃で5時間撹拌した。
反応液を濃縮後、酢酸エチル(200ml)で希釈し、
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
剤を留去し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマト
グラフィーに付し、酢酸エチル/メタノール=9/1〜
4/1で溶出した画分を合わせて濃縮し、粉末状の目的
化合物(1.35g)を得た。
【0051】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
3437,1710,1652,1522,1345,1113 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.82-
1.98(1H,m), 2.34(3H,s), 2.31-2.88(8H,m), 3.40-4.21
(9H,m), 4.65-4.78(1H,m), 5.03-5.36(2H,m), 7.45,7.5
1(2H,d ×2,J=8.79Hz), 8.17-8.24(2H,m)。
【0052】実施例2 (2S,4S)−4−アセチル
チオ−2−〔4−〔2−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルオキシ)エチル〕ピペラジン−1−イルカルボ
ニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)
ピロリジン
【0053】
【化9】
【0054】(1)トランス−4−ヒドロキシ−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)−L−プロリ
ン(47.8g)と、1−〔2−(4−ニトロベンジル
オキシカルボニルオキシ)エチル〕ピペラジン2塩酸塩
(64.8g)を、乾燥ジメチルホルムアミド(400
ml)に懸濁させ、氷冷下シアノホスホン酸ジエチル
(25.7ml)とトリエチルアミン(68.7ml)
を滴下し、同温で30分間撹拌する。反応液を酢酸エチ
ル(1.5リットル)で希釈し、水洗、有機層を硫酸マ
グネシウムで脱水、減圧濃縮することにより、粉末状の
(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−〔4−〔2−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)エチ
ル〕ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4−ニ
トロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン(87.6
g)を得た。
【0055】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1749, 1709, 1650, 1607, 1522, 1499, 1347, 1263 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.63(1
H,s), 1.92-2.38(8H,m), 3.41-3.83(6H,m), 4.24-4.32
(2H,m), 4.55-4.60(1H,m), 4.79-4.90(1H,m), 5.03-5.3
5(4H,m), 7.44-7.57(4H,m), 8.17-8.25(4H,m) (2) (1)で得た(2S,4R)−4−ヒドロキシ
−2−〔4−〔2−(4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルオキシ)エチル〕ピペラジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピ
ロリジン(105g)とトリフェニルフォスフィン(5
5g)をテトラヒドロフラン(700ml)に溶かし、
氷冷下にジエチルアゾジカルボキシレート(36.5
g)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を滴下
し、同温度にて10分間撹拌した。次いで、メルカプト
酢酸(15.9g)のテトラヒドロフラン(100m
l)溶液を滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応液を
濃縮し、酢酸エチル(1.5リットル)に溶かし、水、
食塩水にて洗浄したのち、硫酸ナトリウムで脱水し、減
圧濃縮した。残渣にイソプロピルエーテル(400m
l)を加え、可溶部を抽出除去した。この抽出操作を4
度くり返したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマト
(3kg)処理した。酢酸エチル−メタノール混合溶媒
(1:0→20:1)にて溶出し、所望の画分を集めて
濃縮した。無色粉末状の目的化合物(88.4g)を得
た。
【0056】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1749, 1711, 1655, 1522, 1347, 1262, 1110 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, 重クロロホルム) δpp
m :1.82-1.93(1H,m),2.34(3H,s), 2.35-2.82(7H,m),
3.37-3.70(5H,m), 3.91-4.05(1H,m), 4.07-4.17(1H,m),
4.23,4.36(2H,m), 4.64-4.77(1H,m), 5.02-5.35(4H,
m), 7.43-7.57(4H,m), 8.18-8.26(4H,m) (3)(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−〔4−
〔2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオキシ)
エチル〕ピペラジン−1−イル−カルボニル〕−1−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン
(321mg)を乾燥テトラヒドロフラン(3.2m
l)に溶解し、氷冷下トリエチルアミン(89μl)と
メタンスルホニルクロリド(50μl)を加え、0−5
℃で30分、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、
残渣に炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出
し、食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶剤を留去し、粉末状の(2S,4R)−4−メタンス
ルホニルオキシ−2−〔4−〔2−(4−ニトロベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)エチル〕ピペラジン−1−
イルカルボニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニル)ピロリジン(345mg)を得た。
【0057】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1751, 1710, 1654, 1607, 1523, 1436, 1406 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :2.22-
3.01(8H,m), 3.06(3H,s), 3.40-4.03(6H,m), 4.25-4.47
(2H,m), 4.84,4.89(1H, t×2,J=7.33Hz), 5.04-5.37(5
H,m), 7.46,7.50(2H,d×2,J=8.79Hz), 7.56(2H,d,J=8.7
9Hz), 8.19-8.26(4H,m) (4)55%水素化ナトリウム(26mg)を乾燥N,
N−ジメチルホルムアミド(1.4ml)に懸濁させ、
氷冷下チオ酢酸(51μl)を加え、室温で30分撹拌
した。先の(3)で得られた化合物(340mg)の乾
燥N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加
え、80〜90℃で4時間撹拌した。反応液を室温にも
どし、食塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、水洗、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を留去し、残渣を
(2)と同様に精製すると目的化合物(166mg)を
得た。このものは(2)において得られたものと赤外線
吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルにおいて一致し
た。
【0058】(5)実施例1−(2)で得られた(2
S,4S)−4−アセトキシチオ−2−〔4−(2−ヒ
ドロキシエチル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−
1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジ
ン(7.69g)を塩化メチレン(80ml)に溶解
し、氷冷下、クロロぎ酸p−ニトロベンジル(5.18
g)を加え、室温にもどし1時間撹拌した。次いでN,
N−ジイソプロピルエチルアミン(0.28ml)を加
え、2時間撹拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチル(2
50ml)を加え、重そう水、水、食塩水の順に洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。残渣
を(2)と同様に精製すると目的化合物(9.33g)
が得られた。このものは(2)において得られたものと
赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルにおいて
一致した。
【0059】実施例3 (2S,4S)−4−アセチル
チオ−1−tert−ブトキシカルボニル−2−〔(3
S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミ
ノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン
【0060】
【化10】
【0061】(1)1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−トランス−4−ビドロキシ−L−プロリン(10
0mg)をジメチルホルムアミド(1.8ml)、水
(0.2ml)の混合溶媒に溶かし、ヒドロキシベンゾ
トリアゾール(58mg)、(3S)−3−(4−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)アミノピロリジン塩酸塩
(156mg)。ジイソプロピルエチルアミン(0.1
65ml)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド塩酸塩(99.3mg)を室温
で順次加え、室温で3.5時間撹拌した。
【0062】反応溶液に水10ml、酢酸エチル10m
lを加え分液し、有機層を水10ml、及び飽和食塩水
10mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル4.1g)に付し、酢酸エチル/メタノ
ール=14.1の混合液で溶出した画分より、アモルフ
ァス状の(2S,4R)−1−tert−ブトキシカル
ボニル−4−ヒドロキシ−2−〔(3S)−3−(4−
ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−
1−イルカルボニル〕ピロリジン(164mg)を得
た。
【0063】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
3401, 1701, 1643, 1523, 1347 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.25-
1.50(9H,m), 1.85-2.50(6H,m), 2.85-4.20(6H,m), 4.25
-4.35(1H,m), 4.45-4.65(2H,m), 5.15-5.32(2H,m), 7.2
5-7.55(2H,m), 8.00-8.25(2H,m) (2)1−(tert−ブトキシカルボニル)−トラン
ス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(0.23g)を乾
燥テトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、氷冷下、ト
リエチルアミン(0.14ml)及び塩化ピバロイル
(0.12ml)を滴下によって加え、3分間撹拌し
た。次いで、(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)アミノピロリジン塩酸塩(0.36g)
及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25m
l)の乾燥テトラヒドロフラン(15ml)溶液を同温
で滴下によって加え、1時間撹拌した。
【0064】反応混合物で減圧濃縮し、残渣を酢酸エチ
ルで希釈し、水、食塩水の順で洗浄した後、硫酸マグネ
シウムで脱水、減圧濃縮、乾燥して、アモルファス状の
(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−
4−ヒドロキシ−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベ
ンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−1−イル
カルボニル〕ピロリジン(0.48g)を得た。
【0065】本化合物は、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトルにおいて(1)で得た化合物と完全に
一致した。
【0066】(3)1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(50.0
g, 0.216mol)を乾燥DMF(500ml)に溶解し、
(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)アミノピロリジン塩酸塩(68.5g, 0.227mol)を添
加し懸濁させ、次いでジエチルリン酸シアニド(DEP
C)(35.3g, 0.216mol)を加えた。氷冷下、トリエチ
ルアミン(63.3ml, 0.454mol)をゆっくり滴下し、同温
で2時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル(750m
l)と10%食塩水(500ml)の混合溶液に注加
し、酢酸エチルで抽出後、10%食塩水、5%クエン酸
水、5%重炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水にて洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶剤を留去し、
泡沫状の(2S,4R)−1−tert−ブトキシカル
ボニル−4−ヒドロキシ−2−〔(3S)−3−(4−
ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリジン−
1−イルカルボニル〕ピロリジン(100.9 g, 97.6%)
を得た。
【0067】本化合物は赤外線吸収スペクトル、核磁気
共鳴スペクトルにおいて(1)で得た化合物と完全に一
致した。
【0068】(4)1−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(7
1.6g)を乾燥テトラヒドロフラン(700ml)に
溶解し、トリエチルアミン(43.0ml)及び塩化ピ
バロイル(38.2ml)を−20℃で滴下によって加
え、3分間撹拌した。次いで、同温で塩化メタンスルホ
ニル(26.4ml)及びトリエチルアミン(47.3
ml)を滴下によって加え30分間撹拌した。
【0069】反応混合物をろ過し、そのろ液を(3S)
−(−)−3−アミノピロリジン(40.0g)の乾燥
テトラヒドロフラン(600ml)溶液に−20℃で滴
下によって加え、同温で30分間撹拌した。次いで、
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(118.8m
l)及びクロロぎ酸p−ニトロベンジル(147.0
g)の乾燥テトラヒドロフラン(600ml)溶液を−
10℃で滴下によって加え、氷冷下30分間撹拌した。
【0070】この反応混合物をろ過し、そのろ液を減圧
濃縮した後、残渣を酢酸エチルで希釈し水、食塩水の順
で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メルク社製
シリカゲル60、1kg)に付し、酢酸エチル/メタ
ノール=9:1で溶出した画分より、アモルファス状の
(2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−
4−メタンスルホニルオキシ−2−〔(3S)−3−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリ
ジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン(120.0
g)を得た。
【0071】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1701, 1651, 1524, 1450, 1405, 1348, 1171 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.38-
1.47(9H,m), 1.90-2.58(3H,m), 3.06,3.07(3H,s×2),
3.30-4.59(7H,m), 5.00-6.07(4H,m), 7.48-7.53(2H,m),
8.19-8.24(2H,m) (5) (1)〜(3)で得た化合物(0.96g)を
乾燥テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、氷冷
下、塩化メタンスルホニル(0.19ml)及びトリエ
チルアミン(0.33ml)を滴下によって加え、同温
で1時間撹拌した後、(4)と同様に後処理、精製を行
い、アモルファス状の(2S,4R)−1−tert−
ブトキシカルボニル−4−メタンスルホニルオキシ−2
−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリ
ジン(0.91g)を得た。
【0072】本化合物は、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトルにおいて、(4)で得た化合物と完全
に一致した。
【0073】(6) (4)または(5)で得た化合物
(588mg)を乾燥アセトニトリル(8ml)に溶解
し、チオ酢酸カリウム(182mg)を加え、8時間加
熱還流した。
【0074】反応液にベンゼン(8ml)を加え、混合
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
40ml)に付し、アセトニトリル/ベンゼン=1:1
で溶出した画分より、粉末状の目的化合物(455m
g)を得た。
【0075】融点 184−186℃ 赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1:1699, 1652,
1523, 1347, 854 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, DMSO-d6)δppm :8.23
-8.26(2H,m), 7.71-7.82(1H,m), 7.60-7.66(2H,m), 5.1
4-5.22(2H,m), 4.37-4.36(1H,m), 3.00-4.20(7H,m), 2.
55-2.75(1H,m), 2.33,2.50(3H, s×2), 2.25-2.05(1H,
m), 1.70-2.05(2H,m), 1.58-1.70(1H,m), 1.28, 1.30,
1.38(3H,s×3) (7) (4)または(5)で得た化合物(1.0g)
を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10.0ml)
に溶解し、チオ酢酸カリウム(0.31g)を加え、6
5℃で3時間、更に75℃で3時間撹拌した。
【0076】反応混合物を酢酸エチルで希釈し、15%
食塩水、飽和食塩水の順に洗浄した後、硫酸マグネシウ
ムで脱水、減圧濃縮した。
【0077】その残渣を酢酸エチル(3ml)に50℃
で溶解し、冷蔵庫中で3日間放置した。そこに、酢酸エ
チル/ジイソプロピルエーテル=1:1(50ml)を
加え、室温で30分間撹拌後ろ過、減圧乾燥することに
より、粉末状の目的化合物(0.82g)を得た。
【0078】本化合物は、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトルにおいて、(6)で得た化合物と完全
に一致した。
【0079】(8) (1)または(2)で得た化合物
(90.8g, 0.190mol)を乾燥酢酸エチル(270ml)
に溶解し、トリフェニルフォスフィン(64.7g, 0.247m
ol)を添加後、氷冷下、ジエチルアゾジカルボキシレー
ト(DEAD)(43.0g, 0.247mol)の乾燥酢酸エチル
(90ml)溶液をゆっくり滴下し、同温で30分撹拌
した。次いで、チオ酢酸(18.8g,0.247mol)の乾燥酢
酸エチル(90ml)溶液を氷冷下滴下し、室温にて2
時間撹拌した。再度氷冷し、反応中に析出した粉末をろ
取、酢酸エチルにて洗浄し、室温にて真空乾燥すること
により、粉末状の目的化合物(66.0g, 64.8%)を得
た。
【0080】本化合物は、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトルにおいて、(6)で得た化合物と完全
に一致した。
【0081】実施例4 (2S,4S)−4−アセチル
チオ−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕ピロリジン塩酸塩
【0082】
【化11】
【0083】実施例3で得た化合物(114g)を酢酸
エチル(300ml)に溶解し、4規定塩化水素−酢酸
エチル(636ml)を室温で加え、室温で3時間撹拌
した後1時間加熱還流した。減圧下で溶媒を除去した
後、ジエチルエーテル1リットルを加えて粉末化し、更
にジエチルエーテルを加えデカンテーションにより洗
浄、減圧乾燥し、粉末状の目的化合物(100g)を得
た。
【0084】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1699,1652,1521,1347, 855, 739 核磁気共鳴スペクトル (400MHz, DMSO-d6)δppm :1.70
-1.95(2H,m), 2.00-2.10(1H,m), 2.10-2.25(1H,m), 2.3
5-2.71(3H,m), 2.75-2.95(2H,m), 2.95-3.85(5H,m), 4.
00-4.20(2H,m), 4.40-4.55(1H,m), 5.15-5.25(2H,m),
7.60-7.65(2H,m), 7.80-7.90(1H,m), 8.23-8.27(2H,m) 実施例5 (2S,4S)−4−アセチルチオ−1−メ
チル−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕ピロリジン
【0085】
【化12】
【0086】(1)実施例4で得られた化合物(82.
8g)をジオキサン830ml、5規定水酸化ナトリウ
ム水溶液(77ml)と混合し10℃で撹拌し、同温で
ジメチル硫酸(20.3ml)を加え、10℃で30
分、室温で30分撹拌した。
【0087】反応液に酢酸エチル1.6リットル、水8
00mlを入れ分液し、水層を酢酸エチルで2回抽出し
た。有機層は水で洗浄し、その水層も酢酸エチルで3回
抽出した。すべての有機層をまとめて飽和食塩水で洗浄
し硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。これをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1.4k
g)に付し、酢酸エチル/メタノール10:1で溶出し
た画分より、アモルファス状の目的化合物(33.5
g)を得た。
【0088】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1723,1688,1639,1522,1448,1347 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.81-
2.60(3H,m), 2.30,2.31(3H, s×2), 2.40,2.55(3H,s×
2), 2.65-3.26(4H,m), 3.47-4.35(6H,m), 5.10-5.54(1
H,m), 5.20(2H,s), 7.51-7.53(2H,m), 8.20-8.24(2H,m) (2)実施例4で得られた化合物(356mg)をジオ
キサン3ml、5規定水酸化ナトリウム水溶液(0.3
3ml)と混合し、室温でヨウ化メチル(0.103m
l)を加え、室温で1.2時間撹拌した。
【0089】反応液に酢酸エチル(40ml)、炭酸水
素ナトリウム水溶液(20ml)を入れ分液し、有機層
を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮した。
【0090】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル6g)に付し、酢酸エチル/メタノール
10:1で溶出した画分より、アモルファス状の目的化
合物(181mg)を得た。
【0091】本化合物は、赤外線吸収スペクトル、核磁
気共鳴スペクトルにおいて、(1)で得た化合物と完全
に一致した。
【0092】(3)実施例3で得た化合物(3.24
g)を乾燥塩化メチレン(30ml)に溶解し、4N−
塩化水素/ジオキサン(6.04ml)を室温で滴下に
よって加え、同温で1時間撹拌した後、ジエチルエーテ
ルを加えて粉末化し、更にジエチルエーテルを用いてデ
カンテーションにより洗浄、減圧乾燥した。これを乾燥
塩化メチレン(30ml)に溶解し、室温にてトリエチ
ルアミン(0.92ml)を加えた後、減圧濃縮、乾燥
した。
【0093】この残渣をぎ酸(0.92ml)及びホル
マリン(1.20ml)に溶解し、40℃で2時間撹拌
した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナト
リウム水溶液、食塩水の順に洗浄、硫酸マグネシウム脱
水後、減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ナカライテスク社製 シリカゲル60球
状、200ml)に付し、アセトニトリル/メタノール
=9:1で溶出した画分より、アモルファス状の目的化
合物(1.80g)を得た。
【0094】本化合物は赤外線吸収スペクトル、核磁気
共鳴スペクトルにおいて(1)で得た化合物と完全に一
致した。
【0095】参考例1 (2S,4S)−2−〔4−
(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニルカルボニ
ル〕−4−メルカプト−1−(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)ピロリジン
【0096】
【化13】
【0097】(1)実施例1で得た(2S,4S)−4
−アセチルチオ−2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)
ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−(4−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)ピロリジン(1.06g)
をメタノール(10ml)に溶解し、メタノール(2.
4ml)に金属ナトリウム(56mg)を加えて調製し
たナトリウムメチラート溶液を−15℃で加え30分間
撹拌した。次いで4N−塩化水素酢酸エチル溶液(61
0μl)を同温度で加え、10分撹拌した。反応液を濃
縮し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付し、酢酸エチル/メタノール=4/1で溶出し
た画分を合わせて濃縮し、粉末状の標記化合物(710
mg)を得た。
【0098】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
3430, 2944, 1700, 1647, 1521, 1439,1350 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.81-
1.98(2H,m), 2.28-2.84(8H,m), 3.20-3.82(8H,m), 4.04
-4.20(1H,m), 4.60-4.77(1H,m), 5.01-5.38(2H,m), 7.4
5,7.51(2H,d×2,J=8.79MHz), 8.15-8.25(2H,m) 。
【0099】(2)(2S,4S)−4−アセチルチオ
−2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1
−イル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)ピロリジン(1.0g)を1,4−ジオキサン(1
0ml)に溶解し、10%塩酸メタノール溶液(40m
l)を加えて、50℃で1時間撹拌した。溶剤を留去し
残渣をテトラヒドロフラン(40ml)を加え、飽和炭
酸水素ナトリウム水(2ml)を加え、次いで無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶剤を留去し、残渣を(1)と
同様にシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで
精製して、粉末状の標記化合物(712mg)を得た。
このものは(1)で得たものと赤外線吸収スペクトルお
よび核磁気共鳴スペクトルにおいて一致した。
【0100】参考例2 (2S,4S)−4−メルカプ
ト−2−〔4−〔2−(4−ニトロベンジルオキシカル
ボニルオキシ)エチルピペラジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピ
ロリジン
【0101】
【化14】
【0102】実施例2で得た(2S,4S)−4−アセ
チルチオ−2−〔4−〔2−(4−ニトロベンジルオキ
シカルボニルオキシ)エチル〕ピペラジン−1−イルカ
ルボニル〕−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)ピロリジン(140g)を1,4−ジオキサン(1
50ml)に溶解し、10%−塩酸メタノール溶液(6
00ml)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を
濃縮後、酢酸エチル(1500ml)で希釈したのち、
飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、水(300m
l)、食塩水(300ml)で順次洗浄した。溶剤を留
去し、残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付し、酢酸エチル/メタノール=30/1〜20
/1で溶出した画分を合わせて濃縮し、無色粉末状の標
記化合物(96.44g)を得た。
【0103】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
2530,1748,1710,1653,1521,1347 核磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.83(1
H,m), 2.44-2.79(7H,m), 3.22-3.64(6H,m), 4.06-4.17
(1H,m), 4.26-4.36(2H,m), 4.60-4.71(1H,m), 5.02-5.3
3(4H,m), 7.42-7.58(4H,m), 8.17-8.26(4H,m)。
【0104】参考例3 (1R,5S,6S)−2−
〔(2S,4S)−2−〔4−(2−ヒドロオキシエチ
ル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン−4
−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチ
ル〕−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボン酸 塩酸塩
【0105】
【化15】
【0106】(1)(1R,5R,6S)−6−〔(1
R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチル−2−オキ
ソ−1−カルバペナム−3−カルボン酸 4−ニトロベ
ンジルエステル(3.0g)を乾燥アセトニトリル(3
8ml)に溶解し、氷冷下ジフェニルホスホリンクロリ
ド(1.82ml)とジイソプロピルエチルアミン
(1.54ml)を滴下し、同温度で1時間撹拌した。
次いで、氷冷下ジイソプロピルアミン(1.54ml)
と(2S,4S)−2−〔4−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−4−メルカプ
ト−1−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロ
リジン(3.63g)の乾燥アセトニトリル溶液(30
ml)を滴下し、同温度で3時間撹拌した後、冷蔵庫中
で一夜放置した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチ
ルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水、リン酸バッファ
ー(pH6.86)、水及び食塩水の順に洗浄した。酢
酸エチル層を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮し
た。この残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーに付し、酢酸エチル:メタノール=2:1で溶出
される部分から粉末状の(1R,5S,6S)−2−
〔(2S,4S)−2−〔4−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1−〔(4−
ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン−4−イ
ルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−
1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カルボン
酸 4−ニトロベンジルエステル(3.4g)が得られ
た。
【0107】紫外線吸収スペクトル (MeOH) λmax nm:
268, 315 赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1:1772, 1710,
1652, 1606, 1521, 1489, 1440, 1405, 1345, 1280, 12
07 磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.27,1.2
8(3H,d×2,J=7.33Hz),1.37(3H,d,J=6.35Hz), 1.82-2.00
(1H,m), 2.33-2.78(8H,m), 3.25-3.29(1H,m),3.32-3.82
(9H,m), 4.00-4.30(3H,m), 4.69,4.74(1H,t ×2,J=7.81
Hz), 5.05-5.52(5H,m), 7.44,7.52(2H, d ×2,J=8.79H
z), 7.64(2H,d,J=8.79Hz), 8.23(4H,d,J=8.79Hz) 。
【0108】(2) (1)で得られた化合物(1.3
8g)をテトラヒドロフラン:水(1:1,40ml)
に溶かし、10%パラジウム炭素(1.2g)を加え、
室温で2時間水素添加した。触媒を濾過して除き、濾液
をエーテルで抽出した。水層をとり、1N塩酸でpH4
としたのち濃縮した。残渣をローバーカラム(メルク社
製 リクロプレップRP−8 サイズB)に付し、3%
メタノール水にて溶出した。目的物を含む画分を集め、
濃縮し、凍結乾燥した。無色粉末状の目的化合物(31
4mg)を得た。
【0109】紫外線吸収スペクトル (H2O)λmax nm
(ε):297(8124) 赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1:1757,1659,15
95,1393,1376,1277 磁気共鳴スペクトル (270MHz, D2O,内部標準トリメチル
シリルプロピオン酸ナトリウム-d4)δppm :1.21(3H,d,
J=7.3Hz), 1.28(3H,d,J=6.4Hz), 1.97-2.07(1H,m), 3.0
2-3.13(1H,m), 3.32-3.70(10H,m), 3.70-4.00(6H,m),
4.00-4.16(1H,m), 4.18-4.29(2H,m), 4.86-4.92(1H,m) (3)(1R,5R,6S)−6−〔(1R)−1−ヒ
ドロキシエチル〕−1−メチル−2−オキソ−1−カル
バペナム−3−カルボン酸 4−ニトロベンジルエステ
ル(1.12g)を乾燥アセトニトリル(10ml)に
溶解し、氷冷下ジフェニルホスホリルクロリド(675
μl)とジイソプロピルエチルアミン(567μl)を
滴下し、同温度で1時間撹拌した。次いで氷冷下、(2
S,4S)−4−メルカプト−2−〔4−〔2−(4−
ニトロベンジルオキシカルボニル)オキシカルボニル〕
ピペラジン−1−カルボニル〕−1−(4−ニトロベン
ジルオキシカルボニル)ピロリジン(2.30g)の乾
燥アセトニトリル溶液(5ml)を滴下し、同温度で1
時間撹拌した後、溶剤を留去し、残渣に炭酸水素ナトリ
ウム水を加え酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶剤を留去し、残渣をシリカゲルを用いた
カラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル:メタノ
ール=18:1で溶出した画分を合わせて、濃縮し、粉
末状の(1R,5S,6S)−2−〔(2S,4S)−
〔4−〔2−(4−ニトロベンジルオキシカルボニルオ
キシ)エチル〕ピペラジン−1−イルカルボニル〕−1
−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン
−4−イルチオ〕−6−〔(1R)−1−ヒドロキシエ
チル〕−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−
カルボン酸 4−ニトロベンジルエステル(2.70
g)が得られた。
【0110】赤外線吸収スペクトル (KBr)νmax cm-1
1769, 1751, 1710, 1653, 1607, 1521, 1443, 1347 磁気共鳴スペクトル (270MHz, CDCl3)δppm :1.27,1.2
8(3H,d×2,J=7.33Hz),1.37(3H,d,J=6.35Hz), 1.78-1.98
(1H,m), 2.31-2.80(7H,m), 3.27(1H,dd,J=6.83,2.44H
z), 3.31-3.76(8H,m), 4.01-4.33(5H,m), 4.68,4.74(1
H, t×2,J=7.81Hz), 5.04-5.52(6H,m), 7.44,7.51(2H,
d ×2,J=8.79Hz), 7.55, 7.65(4H,d×2,J=8.79Hz), 8.1
7-8.25(6H,m)。
【0111】(4) (3)で得られた化合物(0.962
g)をテトラヒドロフラン−水(1:1,30ml)に
溶かし、1N−塩酸(1.2ml)を加え、10%パラ
ジウム炭素(1g)を加え、室温で2時間水素添加し
た。触媒を濾過して除き、濾液をエーテルで抽出した。
水層を減圧濃縮した後、残渣をローバーカラム(メルク
社製 リクロプレップRP−8 B−サイズ)に付し、
3%メタノール水にて溶出した。目的化合物を含む画分
を集め、濃縮し、凍結乾燥した。無色粉末状の目的化合
物(181mg)を得た。
【0112】このものは(2)で得られたものと赤外線
吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルにおいて一
致した。
【0113】参考例4 (2S,4S)−4−メルカプト−1−メチル−2−
〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)ピロリジン−1−イルカルボニル〕ピロリジ
【0114】
【化16】
【0115】(1)実施例5で得た(2S,4S)−4
−アセチルチオ−1−メチル−2−〔(3S)−3−
(4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノ)ピロリ
ジン−1−イルカルボニル〕ピロリジン(878mg)
をジオキサン1mlに溶解し、10%塩酸−メタノール
6mlを加え、50℃で2時間、60℃で3時間攪拌し
た。溶媒を減圧下で留去し、残渣を酢酸エチル50ml
で希釈し、溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液(20m
l)で洗浄した。水層は酢酸エチル20mlで2回抽出
した。すべての有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下で溶媒を留去し、アモルファス状の標記化合
物(753mg)を得た。
【0116】赤外線吸収スペクトル(KBr)νmax cm-1
1703,1655,1522,1347,854,737 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,DMSO-d6)δppm :1.65
-3.85(15H,m), 3.85-4.20(2H,m), 5.19(2H,s), 7.62(2
H,d,J=8.30Hz), 7.70-7.90(1H,m), 8.20-8.30(2H,m) (2) 実施例5で得た化合物(10.4g)をメタノール
(100ml)に溶解し、氷冷下4N−水酸化ナトリウ
ム水溶液(6.1ml)を滴下によって加え、同温で1
0分間攪拌した後、1N−塩酸(50ml)を氷冷下、
滴下によって加えた。
【0117】この反応液を酢酸エチルで希釈し、炭酸水
素ナトリウム水溶液、食塩水の順で洗浄した後、硫酸マ
グネシウムで脱水、減圧濃縮、乾燥することにより、ア
モルファス状の標記化合物(9.18g)を得た。
【0118】このものは、赤外線吸収スペクトルおよび
核磁気共鳴スペクトルにおいて(1)で得られたものと
一致した。
【0119】参考例5 (1R,5S,6S)−2−〔(2S,4S)−2−
〔(3S)−3−アミノピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−メチルピロリジン−4−イルチオ〕−6−
〔(1R)−1−ヒドロキシエチル〕−1−メチル−1
−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸 塩酸塩
【0120】
【化17】
【0121】参考例4で得た(2S,4S)−4−メル
カプト−2−〔(3S)−3−(4−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)アミノピロリジン−1−イルカルボニ
ル〕−1−メチルピロリジンを用い、特開平5−339
269の実施例45に記載された方法に従って標記化合
物を得た。
【0122】紫外線吸収スペクトル(H2O)λmax nm:29
7 赤外線吸収スペクトル(KBr)νmax cm-1:3390,1760,16
55,1599,1467,1374 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,D2O, 内部標準トリメ
チルシリルプロピオン酸ナトリウム−d4) δppm :1.
21(3H,d,J=7.32Hz), 1.29(3
H,d,J=6.35Hz), 1.95−2.30
(1H,m), 2.30−2.70(2H,m),
2.96(3H,d,J=2.93Hz), 3.15
−3.27(1H,m), 3.27−3.40(1
H,m), 3.46−3.49(1H,m), 3.
50−4.35(10H,m), 4.45−4.65
(1H,m)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 207:12 211:56) (C07D 401/06 207:12 211:26) (72)発明者 渡邉 克彦 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 竹林 ▲とよ▼矩 神奈川県平塚市中原上宿173 三共株式会 社内 (72)発明者 福原 浩 神奈川県平塚市中原上宿173 三共株式会 社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 を有する4−メルカプトピロリジン誘導体。式中、R1
    はアシル基を示し、R2 はアミノ基の保護基、水素原子
    または低級アルキル基を示す。Aは次の一般式または
    で示されるいずれかの基を示す。一般式 【化2】 (式中、nは2または3のいずれかを示し、R3 は置換
    基を有するか若しくは有しない低級アルキル基または−
    C(=NR4 )R5 基(式中、R4 はイミノ基の保護基
    を示し、R5 は水素原子または低級アルキル基を示す)
    を示す。) 一般式 【化3】 (式中、mは1または2を示し、lは0または1を示
    し、R6 は水素原子または低級アルキル基を示し、R7
    はアミノ基の保護基または−C(=NR8 )R9 基(式
    中、R8 はイミノ基の保護基を示し、R9 は水素原子ま
    たは低級アルキル基を示す)を示す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997041123A1 (fr) * 1996-04-26 1997-11-06 Sankyo Company, Limited Derives de 1-methylcarbapeneme
WO2007052517A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Sumitomo Chemical Company, Limited ヒドロキシ-2-ピロリジンカルボキシアミド化合物の製法

Cited By (3)

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WO1997041123A1 (fr) * 1996-04-26 1997-11-06 Sankyo Company, Limited Derives de 1-methylcarbapeneme
US5977097A (en) * 1996-04-26 1999-11-02 Sankyo Company Limited 1-methylcarbapenem derivatives
WO2007052517A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Sumitomo Chemical Company, Limited ヒドロキシ-2-ピロリジンカルボキシアミド化合物の製法

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