JPH061791A - カルバペネム誘導体 - Google Patents

カルバペネム誘導体

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JPH061791A
JPH061791A JP4155240A JP15524092A JPH061791A JP H061791 A JPH061791 A JP H061791A JP 4155240 A JP4155240 A JP 4155240A JP 15524092 A JP15524092 A JP 15524092A JP H061791 A JPH061791 A JP H061791A
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hydroxyl
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敬 佐々木
Toshiyuki Nishi
敏之 西
Takeshi Hayano
健 早野
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (Zは−CH2−、−O−、−S−、−NHCO−また
は−CONH−、mおよびnは各々0〜4の整数を意味
する。)で表わされるカルバペネム誘導体またはその
塩。 【効果】 大腸菌、緑膿菌等に対し、優れた抗菌力を有
し、各種感染症に有効で、しかもDHP等の分解酵素に
対し安定である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルバペネム誘導体に関
し、さらに詳しくはカルバペネム骨格を有する新規な抗
生物質に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カルバ
ペネム骨格を有するチエナマイシンは、グラム陽性菌、
グラム陰性菌等に、また特にセフェム耐性菌に対しても
有効な抗菌スペクトラムを示すものであり、新しい抗生
物質として注目されている。
【0003】しかし、チエナマイシンその他のこれまで
に見出されているカルバペネム誘導体は、腎臓中のデヒ
ドロペプチダーゼ(以下DHPという)により、分解さ
れて活性を失ない、そのため腎毒性等の副作用をもたら
すことから、現状ではDHP阻害剤との合剤としてのみ
使用されるにすぎない。また、β−ラクタマーゼ産生菌
に安定で、かつ強い抗菌活性を示す1−β−メチルカル
バペネム化合物が見出されている(特開昭60−233
076号公報)が、これらの化合物のDHPに対する安
定性もまたいまだ満足のいくものではない。
【0004】そこで、各種の病原菌に対し有効で、かつ
安全性に優れ、しかもDHP等の分解酵素にも安定な化
合物の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実
情に鑑み鋭意検討した結果、後述する特定のカルバペネ
ム誘導体が各種病原菌に対し有効で、かつ安全性に優
れ、しかもDHP等にも安定であることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(R1 は低級アルキル基、ヒドロキシル低
級アルキル基または保護されたヒドロキシル低級アルキ
ル基を意味する。R2 は水素原子または低級アルキル基
を意味する。R3 はカルボキシル基の保護基または水素
原子を意味する。R4 は水素原子、低級アルキル基また
は保護基を意味する。R5 は水素原子、低級アルキル
基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル低級アルキル基、ハ
ロゲン原子、保護されたヒドロキシル基または保護され
たヒドロキシル低級アルキル基を意味する。R6 は水素
原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル
低級アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、保護
されたヒドロキシル基、保護されたヒドロキシル低級ア
ルキル基または保護されたカルボキシル基を意味する。
7 およびR8 は同一または異なって、水素原子、低級
アルキル基または保護基を意味する。Zは−CH2−、
−O−、−S−、−NHCO−または−CONH−を意
味し、mおよびnは各々0〜4の整数を意味する。)で
表わされるカルバペネム誘導体またはその塩を提供する
ものである。
【0009】本明細書において「カルバペネム」とは、
次に示す骨格を有する化合物を意味し、本発明はこの骨
格に種々の置換基を付与してなるカルバペネム誘導体ま
たはその塩に関する。
【0010】
【化3】
【0011】一般式(1)におけるR1 、R2 、R3
4 、R5 、R6 、R7 、R8 、Z、mおよびnについ
て以下に具体的に説明する。なお、「低級」なる語は特
に限定しない限り1〜6個の炭素原子を有することを意
味する。
【0012】R1 としてはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等の低級アル
キル基が挙げられ、これらは、ヒドロキシル基あるいは
保護されたヒドロキシル基を有していてもよい。本明細
書ではこれらのものをヒドロキシル低級アルキル基ある
いは保護されたヒドロキシル低級アルキル基と称する。
好適には、1−ヒドロキシルエチル基、保護された1−
ヒドロキシルエチル基、特に(1R)−1−ヒドロキシ
ルエチル基、保護された(1R)−1−ヒドロキシルエ
チル基(この場合の1位は一般にカルバペネムの8位と
いわれる)が挙げられる。ヒドロキシル基の保護基とし
ては、特に限定されず通常知られたものを用いることが
できるが、好適にはトリメチルシリル基、t−ブチルジ
メチルシリル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基、アリルオキシカルボニル基などが挙げられる。
【0013】R2 としてはメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等の低級アル
キル基または水素原子が挙げられ、特にメチル基が好適
である。この際、1位の不整炭素の配置はR配置のもの
が適当である。
【0014】R3 としてはカルボキシル基の保護基また
は水素原子が挙げられる。保護基としては、特に限定さ
れるものではなく、β−ラクタム系抗生物質で通常用い
られているカルボキシル基の保護基が挙げられる。例え
ば、メチル基、エチル基、イソブチル基、t−ブチル基
等の直鎖状もしくは分岐鎖状の低級アルキル基、メトキ
シメチル、メトキシエチル等の低級アルコキシ低級アル
キル基、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチ
ル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、
1−アセトキシエチル、1−プロピオニルオキシエチ
ル、2−プロピオニルオキシメチル等の低級脂肪族アシ
ルオキシ低級アルキル基、ベンジル、ジフェニルメチ
ル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル等のアラ
ルキル基、アリル、2−クロロアリル、2−メチルアリ
ル等のアルケニル基、2,2,2−トリクロロエチル等
のハロゲン化アルキル基が適当である。
【0015】R4 としてはメチル、エチル、プロピル等
の直鎖状もしくは分岐鎖状低級アルキル基あるいはβ−
ラクタム系抗生物質で通常用いられているアミノ基の保
護基、または水素原子が挙げられ、なかでも例えばp−
ニトロベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカル
ボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が適当である。
【0016】R5 としてはメチル、エチル、プロピル等
の直鎖状もしくは分岐鎖状低級アルキル基、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、保護され
たヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、保護され
たヒドロキシルアルキル基、または水素原子が挙げられ
る。ヒドロキシル基あるいはヒドロキシルアルキル基の
保護基としては特に限定されないが、例えばトリメチル
シリル基、t−ブチルジメチルシリル基、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基
などが適当である。
【0017】R6 としてはメチル、エチル、プロピル等
の直鎖状もしくは分岐鎖状低級アルキル基、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、保護され
たヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、保護され
たヒドロキシルアルキル基、カルボキシル基、保護され
たカルボキシル基、または水素原子が挙げられる。ヒド
ロキシル基あるいはヒドロキシルアルキル基の保護基と
しては特に限定されないが、例えばトリメチルシリル
基、t−ブチルジメチルシリル基、p−ニトロベンジル
オキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基などが
適当である。カルボキシル基の保護基としては特に限定
されないが、β−ラクタム系抗生物質で通常用いられて
いるカルボキシル基の保護基が挙げられ、例えばp−ニ
トロベンジル基、アリル基、t−ブチル基等が適当であ
る。
【0018】R7 としてはメチル、エチル、プロピル等
の直鎖状もしくは分岐鎖状低級アルキル基あるいはβ−
ラクタム系抗生物質で通常用いられているアミノ基の保
護基、または水素原子が挙げられ、例えばp−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基等が適当である。
【0019】R8 としてはメチル、エチル、プロピル等
の直鎖状もしくは分岐鎖状低級アルキル基あるいはβ−
ラクタム系抗生物質で通常用いられているアミノ基の保
護基、または水素原子が挙げられ、例えばp−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基等が適当である。
【0020】Zとしてはメチレン基、酸素原子、硫黄原
子、−NHCO−または−CONH−が挙げられる。m
およびnはそれぞれ0〜4の数を示す。
【0021】一般式(1)で表わされる化合物には不整
炭素原子に基づく種々の異性体が存在する。本明細書で
はこれらを一種類の構造式で表わすが、いずれの異性体
あるいはそれらの混合物も本発明の範囲内に包含される
ものである。(1R)−1−メチルカルバペネム誘導体
とした場合、カルバペネム骨格の5および6位がそれぞ
れSおよびS配置、6位置換基の1位がR配置、ピロリ
ジン環の2位および4位がSおよびS配置である化合物
が適当である。従って、本発明の化合物(1)は、6
S,8R−6−(1−ヒドロキシルエチル)カルバペネ
ム誘導体であることが好ましく、1R,5S,6S,8
R−6−(1−ヒドロキシルエチル)−1−メチルカル
バペネム誘導体であることがさらに好ましい。
【0022】本発明の化合物(1)は、薬理学的に許容
される塩として使用することができる。化合物(1)の
薬理学的に許容し得る塩としては、例えば次のようなも
のが挙げられる。すなわち、カルボン酸の無毒性塩、例
えばナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウ
ム等の金属塩、アンモニウム塩およびトリエチルアミ
ン、プロカイン、ベンジルアミン等との塩ならびにペニ
シリン類、セファロスポリン類等の塩形成に用いられる
他のアミン類との塩などが挙げられる。好適にはナトリ
ウム塩、カリウム塩等が挙げられる。本発明のカルバペ
ネム誘導体には塩基性基が存在するので、医薬として許
容される酸付加塩、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、
リン酸等の鉱酸との塩類および酢酸、クエン酸、コハク
酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸等の有機酸との塩類が挙げられる。好適な塩
としては塩酸塩および硫酸塩を挙げることができる。ま
た、鉄、銅などの金属あるいは塩化アンモニウムなどと
の錯体であってもよい。また、本発明化合物は種々の溶
媒和物でもよく、例えば、水和物として用いてもよい。
【0023】本発明の化合物(1)は、例えば下記反応
式に従って製造することができる。
【0024】
【化4】
【0025】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、mおよびnは前記と同義である。) 上記反応式に示されるように、まず化合物(2)とジフ
ェニルフォスフォリルクロリド(ClPO(OP
h)2 )とを、公知の方法(Heterocycle
s,21巻,29頁、1984年)またはそれに準ずる
方法に従い、反応せしめ活性な中間体(3)を得る。
【0026】この反応は、溶媒(アセトニトリル、ジク
ロルメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、ジメチル
ホルムアミド(DMF)等の原料及び生成物に悪影響を
及ぼさない溶媒)中で、塩基、例えばトリエチルアミ
ン、ジイソプロピルアミン等のアルキルアミン類、1,
8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン
(DBU)、N−メチルモルホリン、キヌクリジン、3
−キヌクリジノール等の環状アルキルアミン類、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等の無機塩基類、カリウム−t−ブトキサイド、
ナトリウムメトキサイド等の金属アルコラート等の存在
下、−40℃〜0℃で15分〜8時間行うことが好まし
い。
【0027】この活性な中間体(3)を単離し、または
単離することなくチオール化合物(4)と反応させ化合
物(1)へ導くことができる。
【0028】チオール化合物(4)は、単独で使用して
もよいが、とくに塩基を共存させた場合、反応性に富
み、良好に反応を進行させることができる。溶媒、塩基
等は前段階の反応において、例示したものが好ましく、
中間体(3)を単離しない場合は同一の溶媒で反応を続
けることができる。
【0029】チオール化合物(4)は中間体(3)に対
し1〜2当量反応させるのがよい。反応温度は−40℃
〜0℃で行うのが好ましく、反応時間は30分から1
日、特に1時間から16時間が好適である。反応成績体
(1)は通常の後処理によって単離することができ、必
要に応じてシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ
ーに付し、精製することができる。
【0030】上述の反応成績体(1)に保護基がある場
合は所望により保護基を脱離させることができる。脱離
法としては、水素添加による還元的分解法、化学的還元
法、酸、塩基または酵素を用いた加水分解法等が挙げら
れ、これらの方法に従って行うことができる。
【0031】保護基を除去した化合物は通常の後処理、
すなわち、抽出後濃縮し、さらに必要に応じて再結晶、
再沈澱、カラムクロマトグラフィーなどによって精製す
ることができる。とくに化合物(1)は結晶化すること
により高純度のものが得られるが、この目的のためには
酸付加塩とすることが好ましい。この塩は必ずしも無毒
性酸付加塩である必要はなく、毒性酸付加塩として結晶
化した後に無毒性酸付加塩に変換することにより目的物
を高純度で得ることができる。
【0032】本発明化合物(1)を体内で代謝されうる
エステル類とするには、ペニシリン類やセファロスポリ
ン類に一般に用いられている方法に準じて、一般式
(1)のR3 として予め導入しておくか、あるいはカル
ボキシル基またはカルボキシレートアニオンを有する化
合物をエステル化すればよい。
【0033】本発明の化合物(1)は、慣用される製剤
用担体、安定化剤、溶解補助剤、賦形剤を用いて通常の
方法で製剤とすることができる。投与は錠剤、丸剤、カ
プセル剤、顆粒剤等の経口投与あるいは静注剤、筋注
剤、坐剤などの非経口投与のごとき種々の方法がある
が、通常は静脈注射が適当である。投与量は通常成人1
日250ないし300mgであり、数回に分割して投与す
るが、年齢、性別、症状により適宜増減することができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明のカルバペネム誘導体またはその
塩は、大腸菌、プロテウス菌、クレブシェラ菌、エンテ
ロバクター菌、サルモネラ菌、セラチア菌、ストレプト
コッカス菌、スタフィロコッカス菌等をはじめとして緑
膿菌に対しても優れた抗菌力を示し、抗菌剤として各種
感染症に有効であるとともに、安全性に優れ、しかもD
HP等の分解酵素にもきわめて安定なものである。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
ず、以下の参考例1〜6のそれぞれの表題に示す化合物
を逐次製造した。
【0036】参考例12−p−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノエタン
スルホン酸 ナトリウム塩 2−アミノエタンスルホン酸5.01gを水50mlに溶
解し、炭酸ナトリウム9.33gを加え、エチルエーテ
ル50mlを加えた。この反応液にp−ニトロベンジルオ
キシカルボニルクロライド8.62gを加え19時間室
温で反応した。析出した固体を濾取し、乾燥後、表題化
合物を5.54g得た。
【0037】NMR(D2O)δ:3.12(2H,t), 3.60(2
H,t), 5.30(3H,s), 7.66(2H,d), 8.31(2H,d)
【0038】参考例2(2S,4R)−1−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−2−((1−(p−メトキシベンジルオキシ
カルボニル)ピペラジン−4−イル)カルボニル)−4
−ヒドロキシピロリジン (2S,4R)−1−(p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル)−4−ヒドロキシプロリン14.9g、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド12.4g、N−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール6.75gをテトラヒドロフラン1
00ml中に加え室温で1時間反応させ、(2S,4R)
−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−
ヒドロキシプロリン N−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ルエステルを得た。このものに1−(p−メトキシベン
ジルオキシカルボニル)ピペラジン16.5gを加え、
さらに室温で2時間攪拌反応した。反応終了後、析出し
たジシクロヘキシル尿素を濾去し、濾液を留去、残渣を
クロロホルムに溶解し、10%クエン酸水、水で洗浄し
たのち、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去、油状残渣
を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルムおよびクロロホルム−メタノール混
液で展開し、表題化合物16.5gを得た。
【0039】NMR(CDCl3 )δ:0.90-1.40(2H,
m), 3.00-3.90(11H,m), 3.80(3H,s), 4.40-4.70(1H,m),
4.90-5.44(4H,m), 6.75-7.02(2H,m), 7.20-7.60(4H,m),
8.08-8.30(2H,m)
【0040】参考例3(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−1−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−2−((1−(p−メ
トキシベンジルオキシカルボニル)ピペラジン−4−イ
ル)カルボニル)ピロリジン トリフェニルホスフィン11.8gを200mlのテトラ
ヒドロフランに溶解し、ジエチルアゾジカルボキシレー
ト7.06mlを−20℃に冷却しつつ滴下した。40分
後、参考例2で得た(2S,4R)−1−(p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル)−2−((1−(p−メト
キシベンジルオキシカルボニル)ピペラジン−4−イ
ル)カルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン15.9
gおよびチオ安息香酸5.2mlのテトラヒドロフラン溶
液を徐々に滴下した。室温下、終夜攪拌反応後テトラヒ
ドロフランを留去し、残渣を酢酸エチルエステルに溶
解、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄後、硫酸ナト
リウムで乾燥、溶媒を留去した。得られた表題化合物は
精製することなく次反応に付した。
【0041】参考例4(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−1−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−2−((ピペラジン−
1−イル)カルボニル)ピロリジン 参考例3で得られた粗生成物を氷冷下トリフロロ酢酸2
00ml、アニソール50mlに加え室温下1時間反応し
た。トリフロロ酢酸を留去後、残渣を酢酸エチルエステ
ルに溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和、洗浄後
水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロ
ホルム−メタノール混液の画分から表題化合物12gを
得た。
【0042】NMR(CDCl3 )δ:1.8-2.3(1H,m),
2.6-3.3(5H,m), 3.3-4.0(5H,m), 4.0-4.4(2H,m),4.6-
5.0(1H,m), 5.23(2H,s), 7.3-7.7(5H,m),7.8-8.0(2H,
m),8.23(2H,d)
【0043】参考例5(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−1−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−2−((1−(2−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノエタン
スルホニル)ピペラジン−4−イル)カルボニル)ピロ
リジン 参考例1で得られた2−p−ニトロベンジルオキシカル
ボニルアミノエタンスルホン酸ナトリウム塩0.98g
にチオニルクロライド5mlを加え室温で1時間、さらに
2時間加熱還流した。濃縮後テトラヒドロフラン3mlを
加えた溶液を参考例4で得た(2S,4S)−4−ベン
ゾイルチオ−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−2−((ピペラジン−1−イル)カルボニル)ピ
ロリジン1.50gとトリエチルアミン0.42mlのテ
トラヒドロフラン(10ml)溶液に加え、16時間攪拌
した。溶媒を留去後、酢酸エチルエステルを加え、水
洗、乾燥、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、表題化合物1.0gを得た。
【0044】NMR(CDCl3 )δ:1.8-2.3(1H,m),
2.6-4.5(16H,m), 4.6-5.0(1H,m), 5.19(2H,s),5.21(2
H,s), 7.4-7.6(7H,m), 7.7-8.4(6H,m)
【0045】参考例6(2S,4S)−4−メルカプト−1−(p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル)−2−((1−(2−(p−
ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノエタンスルホ
ニル)ピペラジン−4−イル)カルボニル)ピロリジン 参考例5で得た(2S,4S)−4−ベンゾイルチオ−
1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2−
((1−(2−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)アミノエタンスルホニル)ピペラジン−4−イル)
カルボニル)ピロリジン0.55gをメタノール3ml、
ジオキサン5mlに溶解し氷冷下、アルゴン気流下ナトリ
ウムメトキサイド0.057gを加え、1時間反応し
た。氷冷下、酢酸0.059mlで中和し、溶媒を濃縮
後、クロロホルムを加え水洗した後、硫酸ナトリウムで
乾燥、溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製し、表題化合物0.47gを得た。
【0046】NMR(CDCl3 )δ:1.8-2.3(1H,m),
2.6-4.5(16H,m), 4.6-5.0(1H,m), 5.19(2H,s), 5.21(2
H,s)7.4-7.6(5H,m), 8.20(4H,d)
【0047】以下に本発明化合物(1)の製造例を示
す。 実施例1p−ニトロベンジル(1R,5S,6S,8R,2′
S,4′S)−2−((1−(p−ニトロベンジルオキ
シカルボニル)−2−((2−(p−ニトロベンジルオ
キシカルボニル)アミノエタンスルホニル)ピペラジン
−4−イル)カルボニル)ピロリジン−4−イル)チ
オ)−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカル
バペネム−3−カルボキシレート 下記式に示すように、p−ニトロベンジル(1R,5
S,6S,8R)−6−(1−ヒドロキシエチル)−1
−メチル−2−オキソカルバペナム−3−カルボキシレ
ート(2)0.279gをアセトニトリル3mlに溶解
し、アルゴン気流下にジイソプロピルエチルアミン0.
148mlを0℃で加え、次いでジフェニルホスホリルク
ロライド0.176mlを加え2時間同温度で反応後、−
35℃に冷却し、参考例6で得た(2S,4S)−4−
メルカプト−1−(p−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル)−2−((1−(2−(p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル)アミノエタンスルホニル)ピペラジン−4
−イル)カルボニル)ピロリジン0.47g、ジイソプ
ロピルエチルアミン0.134mlを加え、さらに16時
間同温度で反応した。反応液を濃縮後、クロロホルムを
加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、クエン酸水溶液、水
で洗浄、乾燥、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、表題化合物(1)′0.
21gを得た。
【0048】
【化5】
【0049】NMR(CDCl3 )δ:1.19(3H,d), 1.
29(3H,d), 1.7-2.2(1H,m), 2.4-4.4(20H,m),4.5-4.9(1
H,m), 5.0-5.19(2H,s), 5.28(2H,q), 7.3-7.8(4H,m),8.
18(2H,d)
【0050】実施例2(1R,5S,6S,8R,2′S,4′S)−2−
((2−((1−(2−アミノエタンスルホニル)ピペ
ラジン−4−イル)カルボニル)ピロリジン−4−イ
ル)チオ)−6−(1−ヒドロキシエチル)−1−メチ
ルカルバペネム−3−カルボン酸 実施例1で得たp−ニトロベンジル(1R,5S,6
S,8R,2′S,4′S)−2−((1−(p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル)−2−((1−(2−
(p−ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノエタン
スルホニル)ピペラジン−4−イル)カルボニル)ピロ
リジン−4−イル)チオ)−6−(1−ヒドロキシエチ
ル)−1−メチルカルバペネム−3−カルボキシレート
210mgをテトラヒドロフラン15ml、リン酸緩衝液1
5mlに溶解し、酸化白金100mgを加えて、4気圧の水
素雰囲気下、2.5時間水素添加した。触媒を濾去し、
テトラヒドロフランを留去し、残渣の水溶液をダイヤイ
オンHP−20を用いたカラムクロマトグラフィーによ
り精製後、さらにHPLCで精製して表題化合物
(1)″9.0mgを得た。
【0051】
【化6】
【0052】NMR(D2O)δ:1.20(3H,d), 1.28(3
H,d), 1.5-1.7(1H,m), 2.6-2.8(1H,m),2.8-3.8(18H,m),
3.9-4.2(2H,m)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (R1 は低級アルキル基、ヒドロキシル低級アルキル基
    または保護されたヒドロキシル低級アルキル基を意味す
    る。R2 は水素原子または低級アルキル基を意味する。
    3 はカルボキシル基の保護基または水素原子を意味す
    る。R4 は水素原子、低級アルキル基または保護基を意
    味する。R5 は水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ
    ル基、ヒドロキシル低級アルキル基、ハロゲン原子、保
    護されたヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル
    低級アルキル基を意味する。R6 は水素原子、低級アル
    キル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル低級アルキル
    基、ハロゲン原子、カルボキシル基、保護されたヒドロ
    キシル基、保護されたヒドロキシル低級アルキル基また
    は保護されたカルボキシル基を意味する。R7 およびR
    8 は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基ま
    たは保護基を意味する。Zは−CH2−、−O−、−S
    −、−NHCO−または−CONH−を意味し、mおよ
    びnは各々0〜4の整数を意味する。)で表わされるカ
    ルバペネム誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(1)においてR1 が1−ヒドロ
    キシルエチル基である請求項1記載のカルバペネム誘導
    体またはその塩。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表わされる化合物が、6
    S,8R−6−(1−ヒドロキシルエチル)カルバペネ
    ム誘導体である請求項1または2記載のカルバペネム誘
    導体またはその塩。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表わされる化合物が、1
    R,5S,6S,8R−6−(1−ヒドロキシルエチ
    ル)−1−メチルカルバペネム誘導体である請求項1ま
    たは2記載のカルバペネム誘導体またはその塩。
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