JPH07227650A - 高炭素含有ステンレス鋼薄板の製造方法 - Google Patents

高炭素含有ステンレス鋼薄板の製造方法

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JPH07227650A
JPH07227650A JP6044743A JP4474394A JPH07227650A JP H07227650 A JPH07227650 A JP H07227650A JP 6044743 A JP6044743 A JP 6044743A JP 4474394 A JP4474394 A JP 4474394A JP H07227650 A JPH07227650 A JP H07227650A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高炭素含有ステンレス鋼を双ロール法によっ
て連続鋳造することにより,熱圧延工程を省略し,工程
とコスト低減を図り,2枚割れ欠陥がなく,高内部品質
の薄板を製造できる方法を提供する。 【構成】 C:0.60〜1.20mass%,Cr:16.0
〜18.0mass%,Si:0〜1.0mass%,Mn:0〜
1.0mass%,Mo:0〜0.75mass%を含有し,残部
がFe及び不可避的不純物からなる組成の高炭素含有ス
テンレス鋼の薄板を連続鋳造する双ロール法において,
ロール対により加えられる圧着負荷を, 2.36×10-4・r1/2・b ≦ P ≦ 3.54×
10-3・r1/2・b。 の範囲とする。ただし、P:圧着負荷kN、r:初期ロー
ル半径mm、b:板幅mm。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,JIS規格のSUS4
40に規定されるような,C:0.60〜1.20mass
%,Cr:16.0〜18.0mass%,Si:0〜1.0mas
s%,Mn:0〜1.0mass%,Mo:0〜0.75mass%
を含有し,残部がFe及び不可避的不純物からなる組成
の高炭素含有ステンレス鋼薄板を双ロール法により製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C:0.60〜1.20mass%,Cr:1
6.0〜18.0mass%,Si:0〜1.0mass%,Mn:
0〜1.0mass%,Mo:0〜0.75mass%を含有し,
残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の高炭素含
有マルテンサイト系ステンレス鋼(以下「本合金」とい
う)は,JIS規格に規定されるSUS440として従
来より周知である。本合金は焼き入れ硬さが高く,ステ
ンレス鋼中で最高の硬さを有し,耐摩耗性に極めて優れ
ていることから,高級なカミソリ替え刃材や刃物用材,
医療用メス材として広く利用されている。
【0003】従来,本合金の製造方法として上記組成の
合金を溶解,鋳造し,凝固させて得たインゴットを所望
の厚さの熱延板となるまで熱間圧延を繰り返し行い,更
に,焼鈍,冷延を繰り返して最終製品としての冷延板を
得る方法が行われている。熱間圧延が行われる前のイン
ゴットの断面は104mm2以上の面積をもっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,本合金のよう
な高いC量を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼を
従来のように断面サイズが104mm2以上のインゴットを
一旦得て,それを鋳造法あるいは連鋳法によって鋳造す
る方法によると,凝固過程においてCrの共晶炭化物が
初晶粒界に多量に晶出することによって,網目状炭化物
(network carbide)が生成される。このような粗大な
炭化物が最終製品に残存すると,製品の特性が著しく阻
害される。例えば, カミソリ替え刃のように微妙な切れ
味が要求されるものは,巨大炭化物が刃先に発現すると
刃こぼれを生じ, 切れ味が損なわれる。
【0005】従って,従来の製造方法によって本合金の
薄板を得ようとすると,凝固時において共晶炭化物が粗
大化するのを極力抑制するために,小型のインゴットを
利用しなければならず,極めて生産性が低くなる。ま
た,共晶炭化物を固溶,消失処理するために高温かつ長
時間の熱間圧延や焼鈍工程が必要となる。ところが,C
r炭化物は高温加熱されてもその一部が未固溶のまま残
留し,それらは熱間圧延及び球状化処理を行っても微細
化されることがなく,逆に凝集粗大化する場合もある。
このように,従来の製造方法は著しく多い工程と多大の
エネルギーを必要とし,しかも,生産性が極めて低く,
製造コスト高を招き,また,品質面での問題点も抱えて
いた。
【0006】ここで,溶湯から直接薄板を製造する手段
として双ロール法が知られている。双ロール法は通常の
造塊法に比べて凝固速度が極めて大きく,双ロール法に
よって本合金の薄板を製造すれば,通常の連鋳法などに
おいて凝固時に問題となっていた共晶炭化物を極めて微
細化させて材質の向上を図ることができ,また,熱間圧
延工程も不要であるから省工程化も同時に達成される。
しかし,本合金のように液相線温度と固相線温度の幅が
非常に広い高炭素ステンレス鋼について,従来の双ロー
ル法をそのまま適用して薄板を連続鋳造すると,得られ
た薄板の厚み中心部に2枚割れが発生しやすく,健全な
薄板が製造できないという問題点がある。
【0007】本発明の目的は,JIS規格のSUS44
0系として規定されるような高炭素含有ステンレス鋼を
双ロール法によって溶湯から薄板を直接的に連続鋳造す
ることにより,熱圧延工程を省略し,大幅な省工程とコ
スト低減を図り,特に,2枚割れ欠陥がなく,健全な内
部品質を有する薄板を製造できる方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,C:
0.60〜1.20mass%,Cr:16.0〜18.0mass
%,Si:0〜1.0mass%,Mn:0〜1.0mass%,M
o:0〜0.75mass%を含有し,残部がFe及び不可避
的不純物からなる組成の高炭素含有ステンレス鋼の溶湯
を溶製し,該溶湯を互いに反対方向に回転する一対の内
部水冷された銅製もしくは銅合金製のロールの上部より
供給し,ロール対により圧着負荷を加えることによりロ
ール対の両円周面上で形成された溶鋼の凝固シェル同志
を圧着させて薄板を連続鋳造する双ロール法において,
ロール対により加えられる圧着負荷Pを, 2.36×10-4・r1/2・b ≦ P ≦ 3.54×
10-3・r1/2・b P:圧着負荷(kN) r:初期ロール半径(mm) b:板幅(mm) の範囲としたことを特徴とする高炭素含有ステンレス鋼
薄板の製造方法が提供される。
【0009】
【作用】本発明者らは,先ず,本出願人が先に特願平2
−214041号や特願平2−214042号等におい
て提案した,圧着負荷の大きさを制御可能な双ロール連
鋳機を用いて種々の高炭素ステンレス鋼を溶製,鋳造
し,得られた薄板の品質を調査した。その結果,同一の
鋳造条件のもとでも2枚割れが発生する場合と発生しな
い場合があることが分かった。2枚割れが発生した薄板
の表面を観察すると,図1に示されるように,強冷却部
に対応する薄板幅方向の筋状の模様1と,緩冷却部に対
応する薄板幅方向の筋状の模様2がある周期性をもって
交互に見られた。また,強冷却部に対応する模様1を生
じた箇所の表面には膨らみが生じていた。そして,その
膨らんだ位置において薄板の断面を調べると,板厚の中
心部において上面側シェルと下面側シェルが接合してい
ない,いわゆる2枚割れが観察された。一方,2枚割れ
が発生しなかった薄板においては,このような強冷却部
に対応する筋状の模様1と緩冷却部に対応する筋状の模
様2は,実質上見られなかった。
【0010】そこで,筋状の模様を生じた薄板について
鋳造中の圧着負荷の変動と模様の発生周期間隔を詳細に
調査した結果,周期性をもって交互に現れる筋状の模様
は,双ロール連鋳機のロール対により加えられる圧着負
荷の変動に起因して生じていることが分かった。即ち,
ロール対により加えられる圧着負荷の変動が生じた板の
表面では,圧着負荷が大きくなったときに連鋳された領
域に相当する強冷却部と,圧着負荷が小さくなったとき
に連鋳された領域に相当する緩冷却部が交互に生じた。
そして,このような圧着負荷の変動に起因して,2枚割
れが強冷却部に生じた。
【0011】ここで,薄板連鋳における2枚割れと同様
の現象として,熱間圧延における鰐口割れが報告されて
いる[講座・現代の金属学 材料編11 金属加工:日
本金属学会(1986)p192]。この報告によれ
ば,熱間圧延における鰐口割れは,ロールで圧延される
際,変形抵抗の小さい板厚中心部が優先的に変形し,厚
み方向で引っ張り応力が働いた結果,発生すると説明さ
れている。薄板連鋳における2枚割れは,熱間圧延にお
ける鰐口割れのような開口は生じずに,板内部に点在し
て生じるが,その形態から鰐口割れと2枚割れは同様の
メカニズムによって生じるものと推察される。
【0012】高炭素ステンレス鋼を薄板連鋳した場合に
2枚割れが発生しやすいのは,通常のステンレス鋼に比
べて,高炭素ステンレス鋼は固液共存温度範囲が広く,
最終凝固部に成分偏析が生じて,ロールキス点近傍にお
いても板厚中心部に濃化溶湯がフィルム状に残留しやす
いため,上面側シェルと下面側シェルから成長してきた
それぞれの凝固シェルの接合面に延性がなく,かつ,接
合力が小さいことに起因していると考えられる。
【0013】一方,2枚割れが生じないように圧着負荷
を小さくすると,前述したような筋状の模様は無くなる
が,バルジングが生じやすくなる。即ち,圧着負荷が小
さい場合,両ロール面からの凝固シェルの成長が最も遅
いような領域では,板がロールから離脱された後も未凝
固の溶鋼が板厚中心部に多く存在し,復熱によりバルジ
ングが生じるものと推察される。このバルジングが極端
に顕在化すると,鋳造板の破断を招く恐れがある。
【0014】そこで,本発明者らは双ロール連鋳機を用
いて,鋳造時の圧着負荷を種々変化させて本合金を鋳造
し,2枚割れ及びバルジングの発生頻度の関係を詳細に
調査した。なお,調査するにあたって鋳造に用いたロー
ルの半径は幅方向の中央部で200mmであり,得られた
板幅は300mmである。
【0015】調査の末,図2に示す結果が得られた。即
ち,圧着負荷が大きいほど2枚割れの発生頻度が高く,
また,圧着負荷を過度に小さくするとバルジングが発生
するという先に説明した通りの結果が得られた。2枚割
れが発生したものは前述したように板表面に筋状の周期
的な模様と膨れが認められ,圧着負荷の強弱の変動が大
きく認められた。これに対して2枚割れが発生しない場
合は筋状の模様が認められず,鋳造中の圧着負荷の変動
も小さく,安定していた。このように2枚割れ発生の原
因となる圧着負荷の変動は,基本的には鋳造中の圧着負
荷が大きいほど発生しやすいことがわかった。結局,本
合金に対しては2枚割れがなく,かつ,バルジング欠陥
もない薄板を双ロール連鋳機を用いて安定して得るため
には,調査に用いたロールについては,鋳造中の圧着負
荷を1kN以上,15kN以下の範囲に制御すればよいこと
が分かった。
【0016】従って,ロール半径が200mmで板幅が3
00mmの場合であれば,ロール対により加えられる圧着
負荷を1kN以上,15kN以下の範囲に制御すればよい
が,この範囲はロール径と板幅によって変化する。
【0017】ここで,圧延における圧延荷重Pは,次の
(1)式で表される。なお,薄板連鋳における圧着負荷
は,基本的には圧延における圧延荷重と同義のものであ
る。 P = km・ld・b ・・・(1) ここで,km:平均変形抵抗,ld:接触長,b:板幅 そして,接触長ldは次の(2)式で示される。 ld = (r・Δh)1/2 ・・・(2) ここで,r:ロール半径,Δh:圧下量 従って,(1)式と(2)式より,次の(3)式が得ら
れる。 P = km・(r・Δh)1/2・b ・・・(3)
【0018】双ロール法では,km・(Δh)1/2は未知
であるが,上記調査の結果に示したように,半径rが2
00mmのロールを備えた双ロール実験装置を用いて板幅
bが300mmの薄板を鋳造した場合における適性圧着負
荷の下限値が1kNで,上限値が15kNであることから,
(3)式にそれぞれの値を代入すると, 下限値(1kN)の場合は, km・(Δh)1/2 = 2.36×10-4(kN/mm3/2) 上限値(15kN)の場合は, km・(Δh)1/2 = 3.54×10-3(kN/mm3/2) となる。
【0019】しかして,本発明においては,ロール半径
rの双ロール機で幅板bの高炭素含有ステンレス鋼を鋳
造する場合において,鋳造中の圧着負荷Pを以下の範囲
に制御することによって,2枚割れとバルジングの発生
防止を図ることとした。 2.36×10-4・r1/2・b ≦ P ≦ 3.54×10-3・r1/2・b ・・・(4)
【0020】
【実施例】以下,本発明の実施例を具体的に示す。表1
に実施例において用いた発明例(ヒートNo.1〜5)
と比較例(ヒートNo.6〜7)の各組成を示し,表2
に各鋳造条件及び測定結果を示す。なお,各鋼種には本
発明の対象とする高炭素含有ステンレス鋼の代表例であ
るSUS440AとSUS440C相当のものを用い
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】(本発明例:ヒートNo.1〜3)析出硬
化型の銅合金性の内部水冷された鋳造ロールを備えた双
ロール式連続鋳造機を用い,真空誘導炉で溶製した50
0kgの高炭素含有ステンレス鋼の溶湯を平均鋳造速度2
5m/minで連続的に鋳造した。ロール半径rは200m
m,有効胴長(板幅b)は300mmとした。かかる条件
のもとにおいて,鋳造中の圧着負荷Pが,上記(4)式
を満足すべく, 1kN ≦ P ≦ 15kN となるように鋳造中の圧着負荷を設定した。そして,ヒ
ートNo.1,2,3として,厚み2.4mm,2.2mm,
2.5mmの薄板(何れも板幅bは300mm)をそれぞれ
製造した。
【0024】以上の条件で製造したヒートNo.1〜3
(本発明例)の薄板について板表面の筋状模様の有無と
2枚割れの発生を調査した。2枚割れの発生は超音波探
傷機を用いた調査と,薄板を無作為に長手方向に切断し
て断面を観察する調査による。その結果,表2に示され
るように,何れの場合も鋳造初期の非定常域を除いて,
筋状模様と2枚割れが共に全く認められなかった。ま
た,何れもバルジングは発生していなかった。
【0025】(本発明例:ヒートNo.4)ヒートNo.
1〜3と同様に,析出硬化型の銅合金性の内部水冷され
た鋳造ロールを備えた双ロール式連続鋳造機を用い,真
空誘導炉で溶製した500kgの高炭素含有ステンレス鋼
の溶湯を平均鋳造速度48m/minで連続的に鋳造し
た。なお,ロール半径は400mm,有効胴長(板幅b)
は300mmとした。かかる条件のもとにおいて,鋳造中
の圧着負荷Pが,上記(4)式を満足すべく, 1.4kN ≦ P ≦ 21kN となるように鋳造中の圧着負荷を設定した。そして,厚
み2.6mm,板幅300mmの薄板を製造した。
【0026】以上の条件で製造したヒートNo.4(本
発明例)の薄板について,先と同様に板表面の筋状模様
の有無と2枚割れの発生を調査した。その結果,表2に
示されるように,鋳造初期の非定常域を除いて,筋状模
様と2枚割れが共に全く認められなかった。また,バル
ジングも発生していなかった。
【0027】(本発明例:ヒートNo.5)ヒートNo.
1〜4と同様に,析出硬化型の銅合金性の内部水冷され
た鋳造ロールを備えた双ロール式連続鋳造機を用い,真
空誘導炉で溶製した500kgの高炭素含有ステンレス鋼
の溶湯を平均鋳造速度48m/minで連続的に鋳造し
た。なお,ロール半径は400mm,有効胴長(板幅b)
は600mmとした。かかる条件のもとにおいて,鋳造中
の圧着負荷Pが,上記(4)式を満足すべく, 2.8kN ≦ P ≦ 42kN となるように鋳造中の圧着負荷を設定した。そして,厚
み2.3mm,板幅600mmの薄板を製造した。
【0028】以上の条件で製造したヒートNo.5(本
発明例)の薄板について,先と同様に板表面の筋模様の
有無と2枚割れの発生を調査した。その結果,表2に示
されるように,鋳造初期の非定常域を除いて,筋状模様
と2枚割れが共に全く認められなかった。また,バルジ
ングも発生していなかった。
【0029】(比較例:ヒートNo.6)本発明例のヒ
ートNo.1〜3で使用したロールと同じロール(板幅
b:300mm,ロール半径r:200mm)を用い,鋳造
中の圧着負荷を本発明の上限値である15kNを超える1
8kNに設定して鋳造を行い,厚み2.4mm,板幅300m
mの薄板を製造した。
【0030】以上の条件で製造したヒートNo.6(比
較例)の薄板について,先と同様に板表面の筋模様の有
無と2枚割れの発生を調査した。その結果,表2に示さ
れるように,明らかな筋状模様が認められるとともに,
強冷却部に相当する箇所に2枚割れが多数認められた。
しかし,バルジングは発生していなかった。
【0031】(比較例:ヒートNo.7)本発明例のヒ
ートNo.1〜3で使用したロールと同じロール(板幅
b:300mm,ロール半径r:200mm)を用い,鋳造
中の圧着負荷を本発明の下限値である1kNを下回る0.
6kNに設定して鋳造を行った。
【0032】以上の条件で製造したヒートNo.7(比
較例)の薄板について,先と同様に板表面の筋模様の有
無と2枚割れの発生を調査した。その結果,表2に示さ
れるように,筋状模様や2枚割れは認められないが,バ
ルジングがほぼ連続的に認められた。
【0033】(比較例:ヒートNo.8)本発明例のヒ
ートNo.1〜3で使用したロールと同じロール(板幅
b:300mm,ロール半径r:200mm)を用い,鋳造
中の圧着負荷を本発明の下限値である1kNを,ヒートN
o.7の場合よりも更に下回る0.2kNに設定して鋳造を
行った。
【0034】その結果,鋳造中の薄板に大きなバルジン
グが生じ,鋳造途中で板破断が発生し,製品を得ること
ができなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば,JIS規格のSUS4
40系として規定される高炭素含有ステンレス鋼を連続
鋳造して溶湯から薄板を直接的に製造でき,2枚割れや
バルジング欠陥のない薄板を得ることができる。従っ
て,本合金の製造において,格段の省工程化,省エネル
ギー化及び省力化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧着負荷の変動が生じて筋状の冷却模様が生じ
た薄板の表面状態を示す図面
【図2】鋳造時の圧着負荷と2枚割れ及びバルジングの
発生頻度の関係を示すグラフ図
【符号の説明】
1 強冷却部に対応する薄板幅方向の筋状の模様 2 緩冷却部に対応する薄板幅方向の筋状の模様

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :0.60〜1.20mass%,Cr:1
    6.0〜18.0mass%,Si:0〜1.0mass%,Mn:
    0〜1.0mass%,Mo:0〜0.75mass%を含有し,
    残部がFe及び不可避的不純物からなる組成の高炭素含
    有ステンレス鋼の溶湯を溶製し,該溶湯を互いに反対方
    向に回転する一対の内部水冷された銅製もしくは銅合金
    製のロールの上部より供給し,ロール対により圧着負荷
    を加えることによりロール対の両円周面上で形成された
    溶鋼の凝固シェル同志を圧着させて薄板を連続鋳造する
    双ロール法において,ロール対により加えられる圧着負
    荷Pを, 2.36×10-4・r1/2・b ≦ P ≦ 3.54×
    10-3・r1/2・b P:圧着負荷(kN) r:初期ロール半径(mm) b:板幅(mm) の範囲としたことを特徴とする高炭素含有ステンレス鋼
    薄板の製造方法。
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