JPH05115946A - 双ロール式連鋳機の運転制御法 - Google Patents

双ロール式連鋳機の運転制御法

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JPH05115946A
JPH05115946A JP19371291A JP19371291A JPH05115946A JP H05115946 A JPH05115946 A JP H05115946A JP 19371291 A JP19371291 A JP 19371291A JP 19371291 A JP19371291 A JP 19371291A JP H05115946 A JPH05115946 A JP H05115946A
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rolls
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chock
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広 森川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 双ロール法でステンレス鋼等の薄板を製造す
る際,鋳造板の冷却むら模様に起因した冷延板表面の光
沢むらを,鋳造中の板にかかる圧着負荷を所定の範囲内
に制御することにより安定して防止する。 【構成】 双ロール式連鋳機において,一方のロール
(可動ロール)の軸を他方のロール(固定ロール)の側
に油圧シリンダーで平行移動可能となるように両ロール
のチョックをフレームガイドで支持し,鋳造中において
該油圧シリンダーによって可動ロールを固定ロールの側
に所定の押圧力で押圧しているときに可動ロールから固
定ロールに加わる荷重を検出する第一荷重検出器と固定
ロールの背後に加わる全体の荷重を検出する第二荷重検
出器とを設置し,両荷重検出器で検出される荷重差が所
定範囲に収まるように両ロールの回転速度を制御したう
え,且つ両ロール移動に伴う摩擦力を所定の範囲内に小
さくすると共に,回転動力伝達軸側と遊転軸側の板にか
かる圧着負荷の差を所定の範囲内に小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,双ロール式連鋳機によ
って溶湯から直接的にステンレス鋼薄板を連続鋳造する
方法に係わり,より詳しくは,双ロール表面で形成され
た両凝固シエルが双ロールの最狭隙部で圧着される際の
圧着負荷を正確に検知し,冷却むらが生じない小さな圧
着負荷で鋳造するように改善したステンレス鋼薄板の連
続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに反対方向に回転する一対の内部冷
却ロールを適当な間隙をあけて平行に対向配置し,この
間隙(ロールギャップ)上部のロール円周面上に湯溜り
を形成させ,この湯溜り中の湯を回転するロール円周面
で冷却しながら,両ロール円周面で形成する凝固シエル
を両ロールの最狭隙部で圧着しつつ薄板に連続鋳造する
双ロール式連鋳機が知られている。このような双ロール
式連鋳機を鋼の連鋳に適用して,溶鋼から薄鋼板を直接
製造しようとする提案がなされ,各種の改善提案が多数
報告されている。
【0003】例えば,特開平1-317660号公報は,双ロー
ルのうち一方を可動ロール, 他方を実質上固定ロールと
し,可動ロールを固定ロール側に相対移動させることに
よってロールギャップを調整し,固定ロールの背面側に
加わる両ロール全体の荷重を検出し,この荷重検出信号
によって板にかかる圧着負荷を制御する発明を開示して
いる。
【0004】板にかかる圧着負荷をさらに正確にすべ
く,本発明者らは先に特願平2-214041号および特願平2-
214042号等において,可動ロールから固定ロールに加わ
る荷重を検出する第1荷重検出器と,固定ロールの背後
に加わる全体の荷重を検出する第2荷重検出器とを設置
し,両荷重検出器で検出される荷重差, すなわち板に加
わる圧着負荷が所定の範囲に収まるように両ロールの回
転速度を制御する方法を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ロール最狭隙部を通過
する際に板に加わる圧着負荷が大きいほど,冷却ロール
への抜熱量が増大して板表面における冷却むらが著しく
なるという現象がある。特にSUS304等のステンレス鋼で
は,この冷却むらは最終製品の光沢むらの原因となり,
表面の美麗さが要求される製品の価値を著しく低下させ
る。
【0006】特願平2-214041号および特願平2-214042号
に提案した荷重検出方法によれば特開平1-317660号公報
の場合よりも板にかかる圧着負荷を正確に検出できる。
しかし,これら方法においても,ロールチョックがフレ
ームガイドに沿って移動する際に発生する摩擦力が大き
いと,この摩擦抵抗分が,検出される圧着負荷値を不正
確にするという問題があった。このため,光沢むらが生
じないような小さな圧着負荷レベルでの圧着負荷の精密
制御を困難にした。
【0007】また,すべり案内方式のようにガイドとチ
ョックとの間に隙間が発生しやすい場合, こじり荷重が
発生し,この結果回転伝達軸側と遊転軸側にかかる圧着
負荷に差が生じた。この圧着負荷の差に起因して, 鋳造
中,板の著しい蛇行が生じると共に, 板表面には光沢む
ら等の品質上の欠陥が発生した。本発明は上記の課題を
解決しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,軸を平行にし
て対向配置された互いに反対方向に回転する一対の内部
冷却ロールの間隙上部に金属溶湯を注入し,該ロール対
の円周面上で形成される該金属の凝固シエルをロール間
の最狭隙部で圧着して薄板に連続鋳造する双ロール式連
鋳機において,一方のロール(可動ロール)の軸を他方
のロール(固定ロール)の側に油圧シリンダーで平行移
動可能となるように両ロールのチョックをフレームガイ
ドで支持し,鋳造中において該油圧シリンダーによって
可動ロールを固定ロールの側に所定の押圧力で押圧して
いるときに可動ロールから固定ロールに加わる荷重を検
出する第一荷重検出器と固定ロールの背後に加わる全体
の荷重を検出する第二荷重検出器とを設置し,両荷重検
出器で検出される荷重差が所定範囲に収まるように両ロ
ールの回転速度を制御し,且つ両ロール移動に伴う摩擦
力を下記の(1)式および(2)式を満たす範囲に小さくする
ことを特徴とする双ロール式連鋳機の運転制御法を提供
するものである。 w・f<P・L ・・・(1) |FD−Fw|<P・L ・・・(2) ここで, P:単位板幅当りの圧着負荷値(N/mmW), L:板幅(mm), f:フレームガイドとロールチョック間の最大摩擦係
数, w:一つのロールのチョックを介してフレームガイドに
よる力(N), FD:回転動力伝達軸側の油圧シリンダー内の摩擦抵抗
力および可動ロールチョックとフレームガイド面との摩
擦力および固定ロールチヨックとフレームガイド面との
摩擦力の和, Fw:遊転軸側の油圧シリンダー内の摩擦抵抗力および
可動ロールチョックとフレームガイド面との摩擦力およ
び固定ロールチョックとフレームガイド面との摩擦力の
和。
【0009】表面美麗さが重視されるステンレス鋼の薄
板の鋳造時にさいしては,前記の単位板幅当りの圧着負
荷値Pを2.0(N/mmW)以上,9.8(N/mmW)以下としたうえ
で,前記の制御を行う。
【0010】〔発明の詳述〕図1に本発明を適用する双
ロール式連鋳機を平面的に示した。図1において,1と
2は内部冷却ロールであり,これらロール1と2は軸を
水平にして互いに平行に対向配置され互いに反対方向に
回転する。3と4はこれらロール対の側部に設けたサイ
ドダムであり,このサイドダム3と4で囲われるロール
円周面上に形成される湯溜り5内の金属溶湯はロール円
周面上で凝固シエルを形成しつつ,両凝固シエルがロー
ル間の最狭隙部を経て薄板に鋳造される。6はこの最狭
隙部に対応する薄板の断面を示している。
【0011】かような双ロール式連鋳機において,ロー
ル間の最狭隙部(ロールギヤップと呼ぶ)の間隙幅を調
整する機構として,一方のロール1の軸7を他方のロー
ル2の方向に相対移動させるために,軸7をチョック8
a,8bで支持し,このチョック8a,8bをピストン9a,9bで他
方のロール2の方向に移動させる。ピストン9a,9bは油
圧シリンダー10a,10bの油圧制御によって,その押圧力
が調節される。油圧シリンダー10a,10bは一方のフレー
ム11に固定される。この押圧力を直接的に受けるロール
1を「可動ロール」と呼ぶ。
【0012】他方,ロール2の軸もチョック12a,12bで
支持し,このチョック12a,12bと前者のチョック8a,8bと
の間に間隙幅調整部材13a,13bを介装させると共に, 第
一荷重検出器14a,14bを挿入する。またチョック12a,12b
の反対側端は他方のフレーム15に対して第二荷重検出器
16a,16bを介して接続される。この第二荷重検出器16a,1
6bにおいて全体の押圧力が検出されるように,チョック
12a,12bもピストン9a,9bの軸方向に移動可能に支持され
るのであるが,ロール2は荷重を受ける側にあるので,
これを「固定ロール」と呼ぶ。
【0013】この構成により,油圧シリンダー10a,10b
によって可動ロール1を固定ロール2の側に制御圧で押
圧しながら鋳造しているときに,可動ロール1から固定
ロール2に加わる荷重を第一荷重検出器14a,14bが検出
でき,固定ロール2の背後に加わる全体の荷重は第二荷
重検出器16a,16bで検出できる。
【0014】なお,可動ロール1と固定ロール2の両方
の軸には両ロールの一方のサイド側に設けたモータ17か
ら回転動力が付与されるが,互いに反対方向の同期回転
が減速機18を介して伝達される。モータ17はモータ回転
速度制御装置19によってその回転速度が制御される。
【0015】かようなロールギヤップ制御可能な双ロー
ル式連鋳機において,図1の設備では,油圧シリンダー
10a,10bへの油圧配管20a,20bに通ずるメイン配管20にリ
リーフ弁21を取付け, このリリーフ弁21の開度設定によ
って一定の油圧が両シリンダー10a,10bに付与される。
図1の例では,油圧シリンダー10a,10bの各々に通ずる
油圧配管20a,20bにリリーフ弁21a,21bを介装し,各シリ
ンダーごとに油圧を制御できるようにしてある。
【0016】このリリーフ弁21a,21bとしては油圧弁開
度調整器24a,24bによって油圧開放量を自動制御する電
動弁が使用されている。この油圧弁開度調節器24a,24b
には,第二荷重検出器16a,16bからの検出信号が油圧開
放量の制御信号として入力される。油圧弁開度調節器24
a,24bは,ロール押圧力の目標値 1/2P0(各々のシリン
ダーでは全押圧力の目標値P0の半分の押圧力となる)
と第二荷重検出器16a,16bからの検出信号PD2,PW2とを
比較し,両者をPI演算し,差が無くなるように,リリ
ーフ弁21a,21bのモータに回転量指令を出力する。すな
わち,PD2,PW2が一定の狭い設定値内に収まるように
フイードバック制御がなされる。
【0017】図1において,25は演算処理装置を, 26は
比較演算処理装置を,そして27は速度パターン発生器を
示している。図1の装置における制御態様は次のとおり
である。まず鋳造前に所定幅の間隙幅調整部材13a,13b
を介装して間隙を設定したうえ,リリーフ弁21の開度設
定によって両シリンダー10a,10bに加わる油圧を設定す
る。鋳造中は,第一荷重検出器14a,14bで検出された荷
重値PD1,PW1と, 第二荷重検出器16a,16bで検出された
荷重値PD2,PW2とを演算処理装置25に入力し,これら
の値に基づき演算処理装置25は下式の演算を実行して,
圧着負荷の演算値P3を出力する。 P3=(PD2+PW2)−(PD1+PW1
【0018】すなわち, 第一荷重検出器と第二荷重検出
器の両者の検出値の差を求めるのであるが,図示の設備
では,第一荷重検出器14a,14bと第二荷重検出器16a,16b
, ロールサイドに二系列に, つまり,回転動力伝達側
(Drive側) の第一系列と,遊転軸受側(Work側) の第二
系列との二系列に配置されているので,第一荷重検出器
14a,14bの合計量と第二荷重検出器16a,16bの合計量の差
を上式によって求める。
【0019】この演算値P3は比較演算処理装置26に入
力され,ここで圧着負荷目標値PAと該P3との差の演算
(例えばPI演算)を行って,圧着負荷目標値PAと実
測値との差ΔPを求め,このΔPを回転速度指令用信号
として,モータ回転速度制御装置19に出力し,モータ17
の回転速度を操作する。すなわち圧着負荷が目標値より
も高ければロールの回転速度を速くし,逆に目標値より
も低ければロールの回転速度を遅くし, 圧着負荷が目標
値に近づくように鋳造中に制御を続行する。これによっ
てシリンダー10a,10bに加わる押圧力が何らかの原因に
よって変動しても,実際の押圧力が第二荷重検出器16a,
16bによって計測され, その実測値に基づいて圧着負荷
が一定となるように制御されるから,押圧力の変動が圧
着負荷の変動に影響することが防止される。なお,減速
および増速のパターンの設定はスピードパターン発生器
27により行なう。
【0020】このような制御機構を採用することによっ
て,圧着負荷の変動が非常に少なくなるが,かような精
密制御を行う場合に,油圧シリンダー10a,10bで所定の
圧力でチョックを押したさい, 固定ロールのチョック12
a, 12bの摩擦抵抗が大きいほど, 第一荷重検出器14a,14
bと,第2荷重検出器16a, 16bのそれぞれの荷重値の間
に,摩擦抵抗分だけの差が生じることがある。一般に第
一荷重検出器14a, 14bの荷重値と比較し第二荷重検出器
16a, 16bの荷重値の方が摩擦抵抗分小さい値となる。ま
た各ロールのチョックの回転動力伝達軸側と遊転軸側と
の摩擦抵抗が異なると,こじり荷重が発生し易くなり,
回転動力伝達軸側と遊転軸側の圧着負荷が異なってく
る。
【0021】このような摩擦抵抗や差をゼロにすること
は実質的に不可能である。そこで本発明は,このような
摩擦抵抗分やその差がもたらす外乱の影響を防止する適
切な条件を見いだすべくなされたものであり,SUS304に
おける圧着負荷と冷却むら模様の程度との関係も同時に
調べ,表面性状の良好な製品を得る条件を検討した。
【0022】図2はSUS304における冷却むら模様の程度
(指数)と圧着負荷の関係を調べた結果を示したもので
ある。この結果は,圧着負荷が小さくなるにつれ冷却む
ら模様は軽減されることを示しており,最終製品(冷延
製品)において冷却むら模様が起因となる光沢むらの発
生を防止するためには,単位板幅当りにかかる圧着負荷
を約9.8N/mmW以下と非常に小さい値にする必要があるこ
とがわかった。他方,圧着負荷を約2.0N/mmW以下に小さ
くし過ぎると, 板厚中心部の未凝固域が厚くなり, 板が
ロールから離脱直後,復熱により板表面温度が著しく上
昇し,板表面に割れが発生し,著しい場合は破断するこ
とも明らかとなった。
【0023】したがって,復熱による板の割れや破断を
防止しつつ光沢むらの発生を抑制するためには,圧着負
荷を2.0〜9.8N/mmWの非常に微弱かつ狭い範囲に制御す
る必要がある。また可能な限りロールチョックとフレー
ムガイドとの摩擦抵抗を小さくし摩擦抵抗を零とするこ
とが理想であるが,摩擦力を零とすることは不可能であ
る。
【0024】上記の狭い範囲に圧着負荷の制御を可能と
するためには,一つのロールチョックを介してフレーム
ガイドにかかる力をw(N), フレームガイドとロールチ
ョック間の最大摩擦係数をf,鋳造して得られる薄板の
板幅をL(mm)とすると,ロールチョックとフレームガ
イドとの摺動面に作用する最大摩擦抵抗力f・wを,板
幅方向の全圧着負荷P・Lより小さくすることが必要で
ある。すなわち(1)式を満足しなければならない。 w・f<P・L ・・・(1) より実際的にはw・fは, 目的制御範囲の最小値である
P=2.0N/mmWを(1)式に代入した2.0・L未満を満足しな
ければならない。
【0025】このように, 圧着負荷を2.0〜9.8N/mmWの
範囲内に制御できたとしても,回転動力伝達軸側の摩擦
力と遊転軸側の摩擦力との差がP・Lより大きければ,
鋳造して得られる薄板の幅方向において冷却むら模様の
不均一が生じる。従って, 油圧シリンダー内の摩擦抵抗
力, 可動ロールチョックおよび固定ロールチョックのガ
イド面との摩擦力の和を, 回転動力伝達側ではFD, 遊
転軸側ではFWとすると,FDとFWとの絶対値の差が(2)
式を満足しなければならない。 |FD−Fw|<P・L ・・・(2)
【0026】なお, (1)式および(2)式の制約条件はあく
までも最低条件であり, 圧着負荷制御をさらに容易にす
るためには,(1)式および(2)式の左辺の値は可能な限り
小さい方が良い。
【0027】
【実施例】図1に示した双ロール式連鋳機の制御機構に
おいて,本実施例では図3に示したように,チョック8
a(8b)と12a(12b)を移動可能に支持するための下フレー
ム29a(29b)と上フレーム30a(30b)との間の案内方式をレ
ール循環式玉転がり案内方式を採用した。図3は遊転軸
側を示しており,カッコ内の参照数字は駆動軸側のもの
を表す。すなわち,フレーム29a(29b)と30a(30b)にはト
ラックレール31a(31b)と32a(32b)を取付け, このレール
に転動する玉転がり案内28a(28b)をチョック8a(8b)と
12a(12b)に取付けた。このレール循環式玉転がりを介し
て,チョック8a(8b),12a(12b)はそれぞれトラックレ
ール31a(31b),32a(32b)に沿って小さな摩擦抵抗力によ
って移動可能となり, またこじり荷重もほとんど発生す
ることもなくなる。
【0028】ロール径600mmφ, 幅300mmの銅合金スリー
ブ製ロールを用いた場合の一つのロールのチョックを介
してフレームガイド面にかかる力wを計測すると,9000
Nであった。また,前記玉転がり案内による最大摩擦係
数は0.025であった。したがって,最大摩擦抵抗力w・
fは9000N×0.025=225Nであり,板幅方向の全圧着負荷
P・L=2.0N/mmW×300mm=600N未満を満足した。
【0029】油圧シリンダーでD側, W側をそれぞれに
98kNの圧を加えたときのD側, W側それぞれ第一荷重検
出器と第二荷重検出器の指示値を表1に示した。油圧と
シリンダー内面積から計算される圧力(シリンダー圧)
より第一荷重検出器の指示値はシリンダー内の摩擦抵抗
力分だけ若干低い値を示すものの,第一荷重検出器と第
二荷重検出器の指示値との間の差は,大きい側でも200N
と小さかった。また,D側とW側との間の荷重検出器の
値の差 |FD−Fw|も100Nと小さく, D側とW側との
摩擦抵抗力の差の制約条件であるP・L未満すなわち60
0N未満を満足した。
【0030】かような双ロール式連鋳機において,18C
r-8Niステンレス鋼100kgを2mmt×300mmwの薄板に鋳
造した。その際, 表1に示したように,一つのロールの
ガイドとチョックとの最大摩擦抵抗力は,目標値の600N
(P・L=2.0×300)よりも充分に小さかったため,鋳
造中板にかかる単位板幅当りの圧着負荷の変化を2.0N/m
mWレベルで検知できた。その結果,鋳造の極初期を除い
て,圧着負荷を2.0〜9.8N/mmWの範囲内に容易に制御で
きた。またD側とW側との圧着負荷の差は, 鋳造中も10
0N以下であった。
【0031】本実施例にて得られた鋳造板の表面には割
れは無く,また冷却むら模様も極めて軽微であった。さ
らに得られた鋳造板を焼鈍後冷延した結果, 冷却むら模
様起因の光沢むらは生じなかった。
【0032】
【比較例】実施例と同じ荷重検出機構を有する装置にお
いて,固定および可動ロールのチョックとロールガイド
面との間の案内方式として,鋳鉄製すべり案内(潤滑油
有り)方式を採用した。また油圧シリンダーには通常仕
様の油圧シリンダーを用いた。この場合フレームガイド
にかかる力wは9000Nであった。
【0033】実施例と同様に, 油圧シリンダーでD側,
W側をそれぞれに98kNの圧を加えたときのD側, W側そ
れぞれ第1荷重検出器と第2荷重検出器の指示値を表1
に示した。この鋳鉄製すべりを案内(潤滑油有り)方式
では最大摩擦係数が0.21であった。従って, 最大摩擦抵
抗力w・fは9000N×0.21=1890Nであり,P・L=600N
未満を満足しない。また,D側とW側との間の荷重検出
器の値の差|FD−Fw|は低い方でも700Nもあり, P・
L=600N未満を満足せず,こじり荷重が発生した。
【0034】この双ロール式連鋳機において,前記実施
例と同じ18Cr-8Niステンレス鋼100kgを2mmt×300mm
Wの薄板に鋳造した。その結果, 鋳造中の圧着負荷を2.0
〜9.8N/mmWの範囲内に安定して制御できなかったため,
鋳造板の表面には未凝固に起因した割れが発生し,また
割れがない位置でも明瞭な冷却むら模様が認められた。
また,得られた鋳造板を焼鈍後冷延した結果, 冷却むら
模様が明瞭であった位置において光沢むらが観察され
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように,本発明のステンレ
ス鋼の薄板連鋳方法により, 鋳造中の非常に微小な圧着
負荷の変化が検出可能となり, 圧着負荷の制御精度が向
上し,その結果, 表面品質上欠陥のない薄板を安定して
製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を適用した双ロール式連続鋳造機
における圧着負荷検出機構を示す機器配置系統図であ
る。
【図2】 圧着負荷と冷却むら模様の関係を示した図で
ある。
【図3】 本発明方法を適用した双ロール式連続鋳造機
の側面図である。
【符号の説明】
1 可動ロール 2 固定ロール 3,4 サイドダム 5 湯溜り 6 ロールギャップ(鋳造される薄板断面) 7 ロール軸 8a,8b 可動ロールのチョック 9a,9b ピストン 10a,10b 油圧シリンダー 11,15, 縦フレーム 12a, 12b 固定ロールのチョック 13a, 13b 間隙設定部材 14a, 14b 第一荷重検出器 16a, 16b 第二荷重検出器 18 減速機 19 モータ回転速度制御装置 20a, 20b 油圧配管 21a, 21b 電動リリーフ弁 23 油圧ポンプ 24a, 24b 油圧弁開度設定器 25 演算処理装置 26 比較演算処理装置 27 速度パターン発生器 28 レール循環式玉転がり案内 29a,29b 下フレーム 30a,30b 上フレーム 31 トラックレール
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 双ロール式連鋳機の運転制御法

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸を平行にして対向配置された互いに反
    対方向に回転する一対の内部冷却ロールの間隙上部に金
    属溶湯を注入し,該ロール対の円周面上で形成される該
    金属の凝固シエルをロール間の最狭隙部で圧着して薄板
    に連続鋳造する双ロール式連鋳機において,一方のロー
    ル(可動ロール)の軸を他方のロール(固定ロール)の
    側に油圧シリンダーで平行移動可能となるように両ロー
    ルのチョックをフレームガイドで支持し,鋳造中におい
    て該油圧シリンダーによって可動ロールを固定ロールの
    側に所定の押圧力で押圧しているときに可動ロールから
    固定ロールに加わる荷重を検出する第一荷重検出器と固
    定ロールの背後に加わる全体の荷重を検出する第二荷重
    検出器とを設置し,両荷重検出器で検出される荷重差が
    所定範囲に収まるように両ロールの回転速度を制御し,
    且つ両ロール移動に伴う摩擦力を下記の(1)式および(2)
    式を満たす範囲に小さくすることを特徴とする双ロール
    式連鋳機の運転制御法, w・f<P・L ・・・(1) |FD−Fw|<P・L ・・・(2) ここで, P:単位板幅当りの圧着負荷値(N/mmW), L:板幅(mm), f:フレームガイドとロールチョック間の最大摩擦係
    数, w:一つのロールのチョックを介してフレームガイドに
    よる力(N), FD:回転動力伝達軸側の油圧シリンダー内の摩擦抵抗
    力および可動ロールチョックとフレームガイド面との摩
    擦力および固定ロールチヨックとフレームガイド面との
    摩擦力の和, Fw:遊転軸側の油圧シリンダー内の摩擦抵抗力および
    可動ロールチョックとフレームガイド面との摩擦力およ
    び固定ロールチョックとフレームガイド面との摩擦力の
    和。
  2. 【請求項2】 金属溶湯はステンレス溶鋼であり,単位
    板幅当りの圧着負荷値Pは2.0(N/mmW)以上,9.8(N/mmW)
    以下に維持される請求項1に記載の双ロール式連鋳機の
    運転制御法。
  3. 【請求項3】 両ロールのチョックはフレームガイドに
    玉転がり案内方式で支持される請求項1または2に記載
    の双ロール式連鋳機の運転制御法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227650A (ja) * 1994-02-21 1995-08-29 Nisshin Steel Co Ltd 高炭素含有ステンレス鋼薄板の製造方法
US5927375A (en) * 1996-11-07 1999-07-27 Usinor Of Puteaux Continuous casting process between rolls
CN103551532A (zh) * 2013-10-30 2014-02-05 宝山钢铁股份有限公司 一种薄带连铸铸机及其作业方法
EP2066466B2 (de) 2006-09-22 2014-08-27 Siemens VAI Metals Technologies GmbH Verfahren zur herstellung eines stahlbandes

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