JP2909762B2 - 双ロール式連鋳機の圧着負荷制御方法 - Google Patents

双ロール式連鋳機の圧着負荷制御方法

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JP2909762B2 JP21404190A JP21404190A JP2909762B2 JP 2909762 B2 JP2909762 B2 JP 2909762B2 JP 21404190 A JP21404190 A JP 21404190A JP 21404190 A JP21404190 A JP 21404190A JP 2909762 B2 JP2909762 B2 JP 2909762B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,溶湯から直接的に薄板を連続鋳造するため
の双ロール式連鋳機の改善に係り,より詳しくは,双ロ
ールの表面で形成された両凝固シエルが双ロールの最狭
隙部で圧着されるさいの圧着負荷を一定に制御して冷却
むらのない薄板を鋳造するように改善した圧着負荷制御
方法に関する。
〔従来の技術〕
互いに反対方向に回転する一対の内部冷却ロールを適
当な間隙をあけて平行に対向配置し,この間隙(ロール
ギャップ)上部のロール円周面上に湯溜りを形成させ,
この湯溜り中の湯を回転するロール円周面で冷却しなが
ら,両ロール円周面で形成する凝固シエルを両ロールの
最狭隙部で圧着しつつ薄板に連続鋳造する双ロール式連
鋳機が知られている。このような双ロール式連鋳機を鋼
の連鋳に適用して,溶鋼から薄鋼板を直接製造しようと
する提案もなされて,各種の改善提案が報告されてい
る。
例えば特開平1−215442号公報には,双ロールのう
ち,一方を可動ロール,他方を実質上固定ロールとし,
可動ロールを固定ロールの側に相対移動させることによ
ってロールギヤップを調整する装置が開示されており,
可動ロールを支持するチヨックを,弾性手段を介して二
段に形成し,これによってロールギヤップの調節を安定
して行なえるようにしている。このような,可動ロール
を固定ロールの側に相対移動させることを原則とするロ
ールギヤップ調整方式は,簡単なロール支持構造でロー
ルギヤップ距離の制御が正確にできる利点がある。しか
し,該公報には,ロールの最狭隙部を通過するときの凝
固シエルに加わる圧着負荷の変動までを一定にする手段
については開示していない。
また特開平1−317660号公報は,前記公報と同様に可
動ロールを固定ロールの側に相対移動させるさいに,固
定ロール背面側に加わる両ロール全体の加重を検出し,
この加重検出信号によって移動ロールの付勢力を制御す
る装置を開示している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ロール最狭隙部を通過するさいに鋳片に加わる圧着負
荷が大きいほど,冷却ロールへの抜熱量が増大して鋳片
表面における冷却むらが著しくなるという現象がある。
特にSUS304等のステンレス鋼等では,この冷却むらは最
終製品の光沢むらの原因となり,表面美麗さが要求され
る製品の価値を著しく低下させる。
前記公報のように,移動ロールを固定ロールの側に制
御された押圧力で付勢して圧着負荷の変動をできるだけ
少なくしようとしても,押圧装置が油圧シリンダーから
なる場合には稼働中に油温が変化したり,また,異常荷
重が発生したさいの制御操作直後における調整誤差が生
じたりして,冷却むらの発生を完全に防止することは困
難であった。
本発明は,双ロール式連鋳機において,微妙な圧着負
荷の変動によっても発生する冷却むらをできるだけ少な
くする制御方式を提供しようとするものである。
〔問題点を解決する手段〕
本発明は,軸を平行にして対向配置された互いに反対
方向に回転する一対の内部冷却ロールの間隙上部に金属
溶湯を注入し,該ロール対の円周面上で形成される該金
属の凝固シエルをロール間の最狭隙部で圧着して薄板に
連続鋳造する双ロール式連鋳機において,一方のロール
(可動ロール)の軸を他方のロール(固定ロール)の側
に油圧シリンダーで平行移動可能に支持し,鋳造中にお
いて該油圧シリンダーによって可動ロールを固定ロール
の側に押圧しているときに,可動ロールから固定ロール
に加わる荷重を検出する第一荷重検出器並びに固定ロー
ルの背後に加わる全体の荷重を検出する第二荷重検出器
を備え,該第一荷重検出器の検出信号と油圧シリンダー
による押圧力を指示値として両ロールの回転速度を制御
し,同時に第二荷重検出器の検出信号が設定値範囲に収
まるように油圧シリンダーの油圧制御を行なうことを特
徴とする。
そのさい,油圧シリンダーの油圧制御は,油圧シリン
ダーに通ずる油圧配管にリリーフ弁を介装させ,このリ
リーフ弁の開度制御によって行なう。また,第一荷重検
出器,第二荷重検出器および油圧シリンダーをロールサ
イドに二系列に配置すると共に,各油圧シリンダーに通
ずる各々の油圧配管にリリーフ弁を配置し,各リリーフ
弁を系統毎に独立して開度制御する。
〔作用〕
本発明によれば,両ロール間の圧着負荷が変動したと
きにロールの回転速度を該圧着負荷が所定値に収まるよ
うに制御され,同時に,可動ロールへの押圧力が何らか
の原因で変化しても,この押圧力が一定となるように油
圧シリンダーの油圧制御がなされる。したがって,ロー
ルギヤップを通過する鋳片には等しい圧着負荷がかかり
ながら圧着されるので,冷却むらのない薄板製品が得ら
れる。
〔実施例〕
第1図において,1と2は内部冷却ロールであり,これ
らロール1と2は軸を水平にして互いに平行に対向配置
され互いに反対方向に回転する。3と4はこれらロール
対の側部に設けたサイドダムであり,このサイドダム3
と4で囲われるロール円周面上に形成される湯溜り5内
の金属溶湯はロール円周面上で凝固シエルを形成しつ
つ,両凝固シエルがロール間の最狭隙部を経て薄板に鋳
造される。6はこの最狭隙部に対応する薄板の断面を示
している。
かような双ロール式連鋳機において,ロール間の最狭
隙部(以後,ロールギヤップと呼ぶ)の間隙幅を調整す
る機構として,一方のロール1の軸7を他方のロール2
の方向に相対移動させるために,該軸7をチョック8a,8
bで支持し,このチョック8a,8bをピストン9a,9bで他方
のロール2の方向に移動させる。ピストン9a,9bは油圧
シリンダー10a,10bの油圧制御によって,その押圧力が
調節される。油圧シリンダー10a,10bは一方のフレーム1
1に固定される。この押圧力を直接的に受けるロール1
を可動ロールと呼ぶ。
他方,ロール2の軸もチョック12a,12bで支持し,こ
のチョック12a,12bと前者のチョック8a,8bとの間に間隙
幅調整部材13a,13bを介装させると共に,第一荷重検出
器14a,14bを挿入する。またチョック12a,12bの反対側端
は他方のフレーム15に対して第二荷重検出器16a,16bを
介して接続される。この第二荷重検出器16a,16bにおい
て全体の押圧力が検出されるように,チョック12a,12b
もピストン9a,9bの軸方向に移動可能に支持されるので
あるが,ロール2は荷重を受ける側にあるので,これを
固定ロールと呼ぶことにする。
この構成により,油圧シリンダー10a,10bによって可
動ロール1を固定ロール2の側に制御圧で押圧しながら
鋳造しているときに,可動ロール1から固定ロール2に
加わる荷重を第一荷重検出器14a,14bが検出でき,固定
ロール2の背後に加わる全体の荷重は第二荷重検出器16
a,16bで検出できる。
なお,可動ロール1と固定ロール2の両方の軸には両
ロールの一方のサイド側に設けたモータ17から回転動力
が付与されるが,互いに反対方向の同期回転が減速機18
を介して伝達される。モータ17はモータ回転速度制御装
置19によってその回転速度が制御される。
かようなロールギヤップ制御可能な双ロール式連鋳機
において,本発明では油圧シリンダー10a,10bへの各々
の油圧配管20a,20bにリリーフ弁21a,21bを取付ける。こ
のリリーフ弁21a,21bの開度調整は電動モータによって
行われ,この開度調整によって油圧ポンプ23の駆動によ
って油圧配管20a,20b内に維持されている油圧の開放量
を調整する。これによってピストン9a,9bに加わる押圧
力が制御される。リリーフ弁21a,21bのモータの回転量
は油圧弁開度調節器24a,24bからの指示値によって操作
される。なお,図において,25は演算処理装置を,26は圧
着負荷制御装置,27は速度パターン発生器を示してい
る。
第1図の装置における制御態様は次のとおりである。
鋳造前に所定幅の間隔幅調整部材13a,13bを介装して間
隙を設定したうえ,目標押圧力P0を設定する。すなわ
ち,目標押圧力P0の半分である1/2P0が付与れるように
リリーフ弁21a,21bの開度設定を行なう。鋳造中は,第
一荷重検出器14a,14bで検出された荷重値PD1,PW1とリリ
ーフ弁により設定したロール設定押圧力P0から鋳片6に
かかる圧着負荷P3を演算処理装置25において(1)式の
演算を実行して求める。
P3=P0−(PD1+PW1) ・・・(1) すなわち,ロール設定押圧力P0と第一荷重出器の検出
値の差を求めるのであるが,図示の設備では,第一荷重
検出器14a,14bはロールサイドに二系列に,つまり,回
転動力伝達側(Drive側)の第一系列と,遊転軸受側(W
ork側)の第二系列との二系列に配置されているので,
ロール設定押圧力P0と第一荷重検出器14a,14bの合計量
と差を(1)式によって求める。
この演算値P3は比較演算処理装置26に入力され,ここ
で,圧着負荷目標値PAと該P3との差の演算(例えばPI演
算)を行って,圧着負荷目標値PAと実測値との差ΔPを
求め,このΔPを回転速度指令用信号として,モータ回
転速度制御装置19に出力し,モータ17の回転速度を操作
する。すなわち圧着負荷が目標値よりも高ければロール
の回転速度を速くし,逆に目標値よりも低ければロール
の回転速度を遅くし,圧着負荷が目標値に近づくように
鋳造中に制御を続行する。なお,減速および増速のパタ
ーンの設定はスピードパターン発生器27により行なう。
同時に,第二荷重検出器16a,16bの検出信号を油圧弁
開度制御装置24a,24bに入力し,この検出値が目標押圧
力と比較して差が発生した場合にはその差が零に向かう
ようにリリーフ弁21a,21bの開度操作を行なう。すなわ
ち,油圧弁開度調節器24a,24bは,ロール押圧力の目標
値1/2P0と第二荷重検出器16a,16bからの検出信号と比較
し,両者をPI演算し,差が無くなるようにリリーフ弁21
a,21bのモータに回転量指令を出力するフイードバック
制御を行なう。第二荷重検出器16a,16b,リリーフ弁21a,
21b並びに油圧弁開度調節器24a,24bはドライブ側とワー
ク側に二系列に設けられ,各々独立した制御がなされ
る。リリーフ弁21a,21bとしては本実施例ではデジタル
リリーフ弁を用いた。
以上の制御を行なうことにより,押圧力の変動が防止
されるので,押圧力の変動による圧着負荷の変動が防止
される。しかも,各油圧シリンダー10aと10bを個別に制
御するので,一層精度が高くなる。
なお,比較例として,本発明者らは第1図の設備にお
いて,第二荷重検出器16a,16bを省略し,また油圧シリ
ンダー10a,10bへの各々の油圧配管20a,20bに制御用リリ
ーフ弁21a,21bを取付けるのではなく,油圧ポンプ23か
らのメイン配管29に一個のリリーフ弁を取付け,このリ
リーフ弁の開度を目標設定値に一定にしたうえで,第一
荷重検出器14a,14bだけで圧着負荷を検出して,同様の
回転数制御を行ったが,鋳片表面の冷却むらを完全に防
止することはできなかった。これは,何らかの原因(例
えば油圧の温度変化等)で,押圧力が設定値よりも変動
したことによると考えられる。すなわち,両シリンダー
10a,10bに設定した一定の油圧を作用させただけでは,
運転中において湯温変化あるいは異常荷重発生後のリリ
ーフ弁の開度調整誤差などの原因により押圧力P0は刻々
変化することから,実際の圧着負荷の算出値P3は正確な
値とならず,圧着負荷の制御に用いているΔP=PA−P3
も実際の値とは異なるものとなり,圧着負荷を小さくか
つ狭い範囲内に安定してコントロールできず,光沢むら
を発生させる原因となることがわかった。
これに対し,本実施例によれば,薄板連鋳装置の運転
中に油温の変化など,実際のロールの押し付け力がその
目標値からずれる要因が発生したとしても,ロールの押
し付け力の変化を抑止することができる。その結果,圧
着負荷の目標値と鋳片に作用している正確な圧着負荷と
の差に基づいてロールの回転速度を調整でき,鋳片へ作
用する圧着負荷を精度良く所定の値に制御できる。
したがって,本発明によれば,鋳片に作用する圧着負
荷を所定の値に正確に制御できるので,冷延板で光沢む
らとして問題となる冷却むらが発生しないレベルまで圧
着負荷を小さくしても,圧着負荷の変動範囲を狭く押さ
えることができるようになり,このため,圧着負荷を小
さくし過ぎた時に生じる鋳片の膨れや割れを防止しつ
つ,問題となるような冷却むらの無い良好な鋳片を安定
して得ることができる。
なお,前記の実施例ではチョック12a,12bとフレーム1
5との間に第二荷重検出器16a,16bを設置した例を示した
が,この第二荷重検出器16a,16bの設置位置は全体の荷
重を検出できる位置であればよく,チョック8a,8bとフ
レーム11との間,例えば油圧シリンダー10a,10bとフレ
ーム11との間に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明法を適用した双ロール式連続鋳造装置
の機器配置系統図である。 1……可動ロール,2……固定ロール, 3,4……サイドダム,5……湯溜り, 6……ロールギヤップ(鋳造される薄板断面), 8a,8b……可動ロールのチョック,a 9a,9b……ピストン, 10a.10b……油圧シリンダー 11,15……フレーム, 12a,12b……固定ロールのチョック, 13a,13b……間隙設定部材, 14a,14b……第一荷重検出器, 16a,16b……第二荷重検出器, 18……減速機, 19……モーター回転速度制御装置, 20a,20b……油圧配管, 21a,21b……リリーフ弁, 23……油圧ポンプ, 24……油圧弁開度制御装置, 25……演算処理装置, 26……比較演算処理装置, 27……速度パターン発生器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−254336(JP,A) 特開 平3−204146(JP,A) 特開 平3−66457(JP,A) 特開 平2−80160(JP,A) 特開 平1−317660(JP,A) 特開 昭63−290654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 330 B22D 11/16 104

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸を平行にして対向配置された互いに反対
    方向に回転する一対の内部冷却ロールの間隙上部に金属
    溶湯を注入し,該ロール対の円周面上で形成される該金
    属の凝固シエルをロール間の最狭隙部で圧着して薄板に
    連続鋳造する双ロール式連鋳機において,一方のロール
    (可動ロール)の軸を他方のロール(固定ロール)の側
    に油圧シリンダーで平行移動可能に支持し,鋳造中にお
    いて該油圧シリンダーによって可動ロールを固定ロール
    の側に押圧しているときに,可動ロールから固定ロール
    に加わる荷重を検出する第一荷重検出器並びに固定ロー
    ルの背後に加わる全体の荷重を検出する第二荷重検出器
    を備え,該第一荷重検出器の検出信号と油圧シリンダー
    による押圧力を指示値として両ロールの回転速度を制御
    し,同時に第二荷重検出器の検出信号が設定値範囲に収
    まるように油圧シリンダーの油圧制御を行なうことを特
    徴とする双ロール式連鋳機の圧着負荷制御方法。
  2. 【請求項2】油圧シリンダーの油圧制御は,油圧シリン
    ダーに通ずる油圧配管にリリーフ弁を介装させ,このリ
    リーフ弁の開度制御によって行なう請求項1に記載の圧
    着負荷制御方法。
  3. 【請求項3】第一荷重検出器,第二荷重検出器および油
    圧シリンダーはロールサイドに二系列に配置されると共
    に,各油圧シリンダーに通ずる各々の油圧配管にリリー
    フ弁が配置され,各リリーフ弁が系統毎に独立して開度
    制御される請求項2に記載の圧着負荷制御方法。
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KR100954798B1 (ko) * 2007-12-20 2010-04-28 주식회사 포스코 오스테나이트계 스테인리스강의 제조방법

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