JP3069376B2 - 鋳片をガイドするための方法および鋳片ガイド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、向き合う鋳片ガイドロールのロール間隔を
液圧サーボユニットが無段調整するようになったソフト
リダクション帯を有する連続鋳造機内で鋳片を案内する
ための方法およびこれに対応した鋳片ガイドに関する。

連続鋳造機、特に鋼用連続鋳造機は、鋳片を案内する
ためにロールを使用しており、これらのロールは、まだ
完全には凝固していない鋳片の厚さを限定し、かつ溶綱
静圧の結果として鋳片殻がバルジング（Ausbauchung）
するのを防止する。

通常は、少なくとも４ロール対の群がセグメントにま
とめられる。鋳片の上方に配置される鋳片ガイドロール
はセグメント上部にもしくは自由部分に固着され、鋳片
の下方にある鋳片ガイドロールはセグメント下部にもし
くはセグメントの固定部分内に配置されている。個々の
セグメントの固定部分と自由部分は４つの引張シリンダ
を介して互いに結合されている。これらのいわゆる締付
シリンダがセグメント上部を間座（スペーサ）上に引き
寄せ、向き合うロール間に希望するロール間隔が生じ
る。このような１セグメントのこのロール間隔は鋳片厚
に一致する。

こうした鋳片ガイドがドイツ特許（DE）4022871C2に
より公知であり、そこでは、相向き合う鋳片ガイドロー
ルを担持する架台部分は、その支持機構が相手支持機構
に当接するまで摺動機構によって相互に緊締可能であ
り、これらの支持機構はさまざまな高さ位置にある支持
面、相手支持面を備えており、その個々の支持円板は回
転によって調整可能である。

このような機構では１つの固定ロール間隔を調整する
ことができるだけであり、鋳造中にロール間隔を再調整
することはできない。

しかし、製品品質を向上するための最新のプロセス技
術は、鋳造プロセス中にロール間隔を変更することを必
要とする。特に「ソフトリダクション」は鋳片の鈍端の
領域において当該セグメントの楔形調整とロール間隔の
可変変更とを必要とする。

４つの締付シリンダでセグメント用にロール間隔を変
更することは、位置制御式シリンダをサーボ液圧軸とし
て構成することによって達成することができる。このよ
うな解決策によると、いわゆるスペーサを省くことがで
きる。セグメントのロール間隔は４つの位置制御式ピス
トンシリンダユニット用の適宜な目標値の設定によって
設定される。セグメント入口のサーボユニットとセグメ
ント出口のサーボユニットは、その都度同期的に制御さ
れる。合計４つのサーボユニットを利用することによっ
てこのシステムは静的にみて過剰である。

ソフトリダクション帯を有する連続鋳造機内でスラブ
またはインゴットを連続鋳造するための方法がドイツ特
許出願（DE）4138740A1により公知であり、そこでは、
ソフトリダクション帯が個々にまたはセグメントとして
液圧シリンダによって相互に、かつスピンドルによって
それらのロール間隔を相互に無段調整可能なロールを有
し、スピンドルは負荷を低減して希望するロール間隔寸
法に移動可能である。４つの液圧シリンダを介してその
位置で保持されたこのセグメント自由部分も静的に超定
されている。

最後にドイツ特許（DE−Ｃ）−3822939からは液圧調
整可能な、かつ制御されたロール対を有する鋳片ガイド
が公知であり、これらのロール対は各ロール対に付属し
た制御器と上位の制御器とによって制御される。個々の
制御器が弁を有する。

そこで本発明の目的は、鋳片セグメントの４点支承に
よって引き起こされる静的多重性を防止し、その静的多
重性によって引き起こされるセグメント自由部分の捩れ
が低減される、連続鋳造機の鋳片をガイドするための方
法およびそれに適した装置を示すことである。

本発明は、方法請求の範囲１および装置請求の範囲４
の特徴部分の特徴によってこの目的を達成する。

従属請求の範囲は本発明の有利な諸展開を示す。

１つの鋳片ガイドセグメントが４つのサーボユニット
を有する場合には、本発明によれば２つの隣接したサー
ボユニットが互いに液圧的に接続され、残りのサーボユ
ニットは独自に調整可能なままとされる。２つのシリン
ダを１つのユニットへと並列に接続することによって適
宜に１つの位置制御器のみと連通された管では、４つの
シリンダで保持された平面が静定されて３点支承に変換
される。

１つのみのサーボ弁で接続されたシリンダ対がシリン
ダごとに１つの位置検出器を有する。互いに接続された
サーボピストンシリンダユニットの個々の位置検出器の
信号から平均値が形成され、両方のシリンダに作用する
共通の位置制御器にこの平均値が位置設定値として送ら
れる。

有利な構成では、鋳片ガイドセグメントの入口または
出口のサーボピストンシリンダユニットが互いに接続さ
れる。好ましくは鋳片ガイドセグメントが同様に接続さ
れ、例えばすべての入口が位置制御器に接続され、すべ
ての出口が独自に制御される。

定義された変位値を超えると、例えば平均値を求める
ときの設定可能な距離またはその他の連鋳技術上のデー
タを超えると、他の対のサーボピストンシリンダユニッ
トを互いに接続することができる。

本発明の実施例を添付図面に示す。

図１は、任意に接続可能なサーボユニットを有する鋳
片ガイドの図式を示す。図２は、鋳片入口もしくは鋳片
出口に接続されたサーボユニットを有する鋳片ガイドの
図式を示す。

図１、図２において、81は、鋳片ガイドロール82〜8
5、もしくは87を有する鋳片ガイドセグメントを示す。
鋳片の案内方向を矢印で示す。

鋳片ガイド架台81の図示しない上部と下部は、４つの
サーボピストンシリンダユニット11、15、21、25によっ
て互いに接続されている。

サーボピストンシリンダユニット11、15、21、25は位
置検出器12、16、22、26を有し、これらの位置検出器が
測定線75〜78を介して位置制御器71〜74に接続されてい
る。

図１において、サーボピストンシリンダユニット11、
15、21、25のピストン面が液圧導管31,32,33,37を介し
て接続され、環状面が液圧導管41,42,43,47を介して接
続されている。ピストン面用液圧導管31,32,33,37は遮
断部材51,52,54,55によって、また環状面用液圧導管41,
42,43,47は遮断部材61,62,64,65によって遮断可能であ
る。

この略示された回路において、サーボピストンシリン
ダユニット11はサーボ弁13によって、サーボピストンシ
リンダユニット15はサーボ弁17によってそれぞれ個々に
制御可能である。出口領域ではサーボピストンシリンダ
ユニット21、25がサーボ弁27に一緒に接続されている。
23はサーボ弁、53,56,56,58,63,66,67,68は適宜使用さ
れる遮断部材である。

図２において、専ら、入口のサーボピストンシリンダ
ユニット11、15もしくは出口のサーボピストンシリンダ
ユニット21、25が液圧導管31、41もしくは32、42を介し
て接続されている。

入口領域ではサーボ弁13、17が１つのサーボピストン
シリンダユニット11もしくは15に、またはそれぞれ両方
に接続可能である。サーボ弁13または17をサーボピスト
ンシリンダユニット11、15に接続するために遮断部材5
3、63は開くことができ、その都度作動していないサー
ボ弁は好適な液圧ユニットによって遮断することができ
る。

サーボ弁13または17を両方のサーボピストンシリンダ
ユニット11、15に接続するためにこのサーボ弁は位置制
御器73または74に接続されており、一緒に接続する場合
には、個々の位置制御器73または74は測定ライン75もし
くは76を介して両方の位置検出器12、16に測定技術を使
用できるように接続されている。

図２では鋳片ガイド架台81の出口領域には、サーボピ
ストンシリンダユニット21、25用に単一のサーボ弁24が
設けられているだけである。このサーボ弁24は位置制御
器72に接続されており、この位置制御器は測定ライン7
7、78を介して位置検出器22、26に測定技術を使用でき
るように接続されている。

＜符号の説明＞ 入口側鋳片ガイドセグメント 11 左側サーボピストンシリンダユニット 12 位置検出器（11） 13 サーボ弁（11） 15 右側サーボピストンシリンダユニット 16 位置検出器（15） 17 サーボ弁（15） 出口側鋳片ガイドセグメント 21 左側サーボピストンシリンダユニット 22 位置検出器（21） 23 サーボ弁（21） 24 サーボ弁（21、25） 25 右側サーボピストンシリンダユニット 26 位置検出器（25） 27 サーボ弁（25） 31〜38 ピストン面用液圧導管 41〜48 環状面用液圧導管 51〜58 ピストン面用液圧導管の遮断部材 61〜68 環状面用液圧導管 位置（ロール間隔） 71〜74 位置制御器 75〜78 （原文77） 測定線 鋳片ガイド 81 鋳片ガイドセグメント 82〜87 鋳片ガイドロール

フロントページの続き (72)発明者 シュヴェートマン，ヨハネス ドイツ連邦共和国、デー 47057 デュ イスブルク、シュテルンブッシュヴェー ク 191 (72)発明者 ブラスク，リュディガー ドイツ連邦共和国、デー 47239 デュ イスブルク、フランツ―リスト―シュト ラーセ １ (56)参考文献 特開 昭60−24255（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−220654（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−71397（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−218756（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−286260（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−52159（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−87252（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭52−19168（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B22D 11/128 310

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】向き合う鋳片ガイドロールのロール間隔を
   液圧サーボユニットが無段調整するようになったソフト
   リダクション帯を有する連続鋳造機内で鋳片をガイドす
   る方法において、 １つの鋳片ガイドセグメントが４つのサーボピストンシ
   リンダユニットを有する場合に、隣接する２つのサーボ
   ピストンシリンダユニットが互いに液圧的に接続されて
   鋳片を調整し、残りのサーボピストンシリンダユニット
   が独自に調整されることを特徴とする鋳片ガイド方法。
2. 【請求項２】互いに接続される両方のサーボピストンシ
   リンダユニットの位置を検出し、目標値と比較し、設定
   可能なデータに合わせて平均値に従って制御することを
   特徴とする請求の範囲１記載の方法。
3. 【請求項３】定義された隅値を超えると他の対のサーボ
   ピストンシリンダユニットが互いに接続されることを特
   徴とする、請求の範囲２記載の方法。
4. 【請求項４】向き合う鋳片ガイドロールのロール間隔を
   無段調整するための４つのサーボピストンシリンダユニ
   ットをセグメントごとに有するソフトリダクション帯で
   鋼を連続鋳造するための連続鋳造機の鋳片ガイドであっ
   て、サーボピストンシリンダユニットが位置検出器に制
   御技術上互いに接続されており、請求の範囲１に記載さ
   れた方法を実施するための連続鋳造機の鋳片ガイドにお
   いて、 隣接する２つのサーボピストンシリンダユニット（11、
   15、21、25）の環状面およびピストン面を共通のサーボ
   弁（13、17、23、27、24）に接続する液圧導管（31〜3
   7、41〜47）が設けられており、 隣接する２つのサーボピストンシリンダユニット（11、
   15または21、25）が液圧式に互いに接続されて鋳片に調
   整され、かつ残りのシリンダユニット（21、25または1
   1、15）が独自に調整可能であるように、共通のサーボ
   弁（13、17、23、27、24）に接続されたサーボピストン
   シリンダユニット（11、15、21、25）の少なくとも位置
   検出器（12、16、22、26）が制御技術を使用できるよう
   に互いに接続可能であることを特徴とする、鋳片ガイ
   ド。
5. 【請求項５】隣接する２つのサーボピストンシリンダユ
   ニットが液圧式におよび制御にしたがって互いに接続可
   能、かつ残り２つのサーボピストンシリンダユニットが
   独自に作動可能となるように、液圧導管（31〜37、41〜
   47）が遮断部材（51〜58、61〜68）によって遮断可能で
   あることを特徴とする請求の範囲４記載の鋳片ガイド。
6. 【請求項６】入口のサーボピストンシリンダユニット
   （11、15）および／または出口のサーボピストンシリン
   ダユニット（21、25）の、環状面およびピストン面に接
   続された液圧導管が、互いに接続可能であることを特徴
   とする請求の範囲５記載の鋳片ガイド。
7. 【請求項７】それぞれ個々に遮断可能なサーボ弁（13、
   17、23、27）に液圧導管（31〜37、41〜47）が接続され
   ていることを特徴とする請求の範囲６記載の鋳片ガイ
   ド。
8. 【請求項８】入口の液圧導管（31、41）または出口の液
   圧導管（32、42）が単一のサーボ弁（24）に接続されて
   いることを特徴とする請求の範囲６記載の鋳片ガイド。