JP3180702B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

Info

Publication number
JP3180702B2
JP3180702B2 JP03643697A JP3643697A JP3180702B2 JP 3180702 B2 JP3180702 B2 JP 3180702B2 JP 03643697 A JP03643697 A JP 03643697A JP 3643697 A JP3643697 A JP 3643697A JP 3180702 B2 JP3180702 B2 JP 3180702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
casting
mold
amount
cracks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03643697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10230350A (ja
Inventor
徹 加藤
誠治 熊倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP03643697A priority Critical patent/JP3180702B2/ja
Publication of JPH10230350A publication Critical patent/JPH10230350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3180702B2 publication Critical patent/JP3180702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重量%で0.1〜
2.0%のCu、0.01〜0.1%のSnを1種また
は2種を含有する溶鋼の連続鋳造時に発生する鋳片の表
面割れを低減する連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、資源リサイクルの観点より、製鉄
原料として鉄のスクラップが活用されている。しかし、
このスクラップの中にはCuやSnを含有するものがあ
る。
【0003】溶鋼中にCuやSnが含まれると、連続鋳
造時に鋳片の表面に著しい割れが発生することは例え
ば、Manfred M. Wolf:Trans. ISIJ,24(1984),351にも記
述されているように良く知られている。精錬段階でこれ
らの元素を除去するため種々の試みがなされているが、
実際の製造への適用可能な方法は未だ開発されていな
い。
【0004】この鋳片表面割れの発生機構については種
々の検討が行われており、以下のように発生するものと
推定されている。鋳型より引き抜かれた鋳片は、温度降
下に伴い大気中の酸素により酸化し、酸化鉄からなるス
ケールを生成する。このスケールは時間と共にその厚み
を増加させながら成長し鋳片の表面に残る。
【0005】母材のFe より酸素との親和力の低いC
u、Snはスケール中で酸化されずに溶融層(融点は、
Cu:約1080℃、Sn:約232℃)として濃化
し、やがて鋳片の表面近傍に蓄積してスケール下の鋳片
表面層に濃化溶融層を形成する。この鋳片がピンチロー
ルや矯正ロールにより、応力を受けるとCu、Snの濃
化溶融層が粒界に侵入し、鋳片表面割れが発生するもの
と考えられている。
【0006】一方、S L Wigman and M D Millet:Steel
Times,(1992) 516に記述されているように、Cu含有量
に相当する量のNiを添加し、Cuと同時にNiを鋳片
の表面に濃化させ、この濃化層の融点を上昇させて鋳片
表面割れを防止することが行われている。このNiを添
加する方法は良い結果が得られるものの、高価なNiを
使用するため製造コストが上昇し経済的でない。
【0007】特開平6−328211号公報では、表面
割れがオッシレーションマークの凹み部分に発生するこ
とから、鋳片が鋳型を出てから鋳片の曲げ矯正を開始す
る前で、ガイドロールの間隙を調整し、鋳片表面部を圧
下してオッシレーションマークを消滅させるとともに、
この圧下により、鋳片表面に対して垂直に成長した結晶
粒界から成る鋳片表層部の組織を、結晶粒の成長方向が
不規則な粒状凝固組織に変えることにより、鋳片の表面
にCu、Snなどの濃化溶融層が存在していても表面割
れが低減できる方法が提示されている。
【0008】しかし、この方法は鋳片の表面組織を変化
させるために大きな歪を与える必要がある。したがっ
て、連続鋳造機に高い剛性が必要であるとともに、鋳片
引き抜き抵抗が増加するため大幅な設備改造が必要とな
る。さらに、未凝固溶鋼部が残る鋳片に圧下力を付与す
ることは、鋳片内部に割れを引き起こす危険性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、鋳片の表面割れの少ない連
続鋳造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Cu、S
nを含有する連続鋳造鋳片の表面割れを防止するため種
々検討した結果、下記の知見を得た。
【0011】Cu、Snを含有する溶鋼を鋳造した場
合に発生する鋳片の表面割れは、Cu、Snの濃化溶融
層の生成と酸化条件に関係している。 したがって、鋳造時の鋳片の酸化を抑制すれば、C
u、Snの濃化溶融層を抑制することができ、表面割れ
を防止することができる。
【0012】本発明は、このような知見に基ずきなされ
たもので、その要旨は、重量%で0.1〜2.0%のC
u、0.01〜0.1%のSnを1種または2種を含有
する溶鋼を連続鋳造する際、鋳造速度を1.5m/分以
上とし、鋳型からの鋳片引き抜き所要時間を8〜30秒
とし、その後直ちに鋳片重量当たりの2次冷却水量で表
した比水量W(l/kg)が下記式〜式を満たす条
件で2次冷却を行い、鋳片の矯正を鋳込み時から1〜6
分の間にて終了する連続鋳造方法にあるA<W<B ・・・ A=(1/3) ×Vc ・・・ B=(1/4.5) ×Vc+8/3 ・・・ ここで、Vc:鋳造速度(m/分)
【0013】こに、「鋳込み時から」とは、溶鋼を鋳
型に注入した時点からをいい、この時点から1〜6分経
過の間に鋳片の矯正が終了すれば良い。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法を実施する
のに用いられる連続鋳造装置の縦断面模式図である。
【0015】図1に示すように、取鍋1からタンデッシ
ュ3に取鍋内の溶鋼2を排出し、タンデッシュ3から浸
漬ノズル4を経由して鋳型5の中に溶鋼2を注入して鋳
造する。鋳造しながら鋳型5から鋳片9を引き抜く。こ
の引き抜き所要時間が鋳片の酸化に影響する。その後直
ちに鋳片9を2次冷却帯6にて冷却し、ピンチロール7
を通り矯正ロール10にて鋳片を真直に矯正する。鋳込
み時から鋳片9が2次冷却帯6を通過後矯正ロール10
に至るまでの時間が鋳片表面のCu、Snの濃化溶融層
の生成に影響する。さらに、鋳造速度と2次冷却水量
が、鋳片の表面割れに影響を及ぼす。本発明の溶鋼の化
学組成を、前記のように限定した理由を説明する。
【0016】Cu:0.1〜2.0% 0.1%未満では含有量が少ないためCuの鋳片表面部
への濃化溶融はほとんど生じないので問題にならない。
また、製鋼原料のスクラップの選別(目視によりCu
板、電線、Cuメッキ板等を判別して取り除く)によ
り、2.0%以下に抑制することが可能なため上限を
2.0%とした。
【0017】Sn:0.01〜0.1% 0.01%未満では含有量が少ないためSnの鋳片表面
部への濃化はほとんど生じないので問題にならない。ま
た、スクラップの選別(目視によりSnメッキ板、半田
溶接部材等を判別して取り除く)により、0.1%以下
に抑制することが可能なため上限を0.1%とした。
【0018】次に本発明の製造条件の限定理由を述べ
る。 鋳型からの鋳片引き抜き所要時間:8〜30秒 鋳片引き抜き所要時間が8秒未満では、ブレイクアウト
を防止しうる程度の凝固シェル厚さ(10mm厚程度)
が確保できないため、8秒以上とした。また30秒超で
は、鋳片と鋳型の隙間にエアーギャップが発生し、鋳型
内で鋳片の表面が酸化されるので上限を30秒とした。
好ましくは15〜25秒である。
【0019】この時間の範囲内であれば、鋳片の表面温
度は700℃〜1000℃となり鋳片の酸化を抑制する
ことができ、鋳片表層部のCu、Snの濃化溶融層の形
成を防止できる。
【0020】上記の見解を得たのは、以下の実験と検討
による。鋳片表面にCu、Snがどのように濃化溶融層
を生成するかを確認するため、0〜2.0%のCu、0
〜0.1%のSnを1種もしくは2種含有する各種鋼を
溶解し、その鋼塊より200mm角の試験片を採取し酸
化試験を行った。試験片を大気雰囲気の電気炉中で13
00℃に加熱し、温度制御を行いながら900℃まで冷
却後炉外で放冷し、その酸化状況を調査した。その結果
を図2に示す。
【0021】図2は、Cu、Snが濃化溶融層を生成し
た時の鋳片表層部断面のSEM写真の模式図である。C
u、Snの濃化溶融層11は鋳片表面12の結晶粒界に
存在していた。なお符号13は酸化スケール、14は空
隙である。
【0022】次に、鋳片の酸化時間とCu、Snの濃化
溶融層の生成状況について検討した。鋳型内面における
鋳片の酸化状況について実操業(鋳造速度:0.85m
/min、鋳型からの鋳片引き抜き所要時間:42秒)
で連続鋳造後の鋳型内面と鋳片表面との間に、エアーギ
ャップがどの程度発生しているかを鋳込後の鋳型内面状
況(変色及びこすり跡)を観察し推定した。その結果を
図4の(a)〜(c)に示す。図4(a)は、鋳型内の
縦断面模式図であり、同図(b)は、同図(a)のX−
X線矢視断面図、同図(c)は、同図(a)のY−Y線
矢視断面図である。
【0023】図4(a)の鋳型内メニスカス部8から1
00mm下方の8aの部分では、図1(b)の8a部の
ようにエアーギャップは発生していない。しかし、図4
(a)の鋳型内面下端5aから100mm上方の8bの
部分では、図4(c)のようにエアーギャップ14aが
2mm程度発生していたと推定した。
【0024】すなわち鋳片引き抜き所要時間が42秒と
比較的長い上述の例によれば、鋳型内面上部では、鋳型
内面と鋳片表面がほとんど接触状況にあり、鋳片表面が
直接大気と触れないため鋳片の表面は酸化しない。しか
し鋳型内面下部では、鋳型内面下部と鋳片表面間にエア
ーギャップが生成し、鋳片表面が直接大気に触れ鋳片の
表面が酸化する。
【0025】エアーギャップが生成すると、この部分の
鋳片は抜熱量が低下するため復熱し、鋳片表面温度は1
100℃以上となるとともに、直接大気と触れることか
ら酸化量が増大して、Cu、Snの濃化した溶融層が鋳
片表層部に生成する。したがって、鋳片の引き抜き所要
時間は短い方が好ましい。
【0026】本発明方法では、鋳型からの鋳片引き抜き
所要時間は8〜30秒と短時間なので、鋳片の凝固シェ
ルが厚く成長する前に鋳片が鋳型内を通過し、エアーギ
ャップが生成しない。したがって、鋳片の表面は酸化さ
れない。
【0027】しかし、鋳型からの鋳片引き抜き所要時間
が短いと、鋳型下端付近の凝固シェル厚が薄いため、バ
ルジングまたは複熱によるブレークアウトの危険性があ
る。したがって、鋳型から鋳片を引き抜いた後、直ちに
2次冷却を行う必要がある。
【0028】鋳込み時から鋳片の矯正を終了するまで
の時間:1〜6分 鋳片の矯正を鋳込み時から1分未満にする高速引き抜き
は、設備上の問題から不可能なため、下限を1分とし
た。
【0029】鋳片の矯正が鋳込み時から6分を超える
と、鋳片の表面温度が900℃程度まで低くなっていて
も表面酸化が進行する。これに伴い、鋳片表面部にC
u、Sn等の低融点金属が徐々に蓄積され表面割れ発生
の原因となるため上限を6分とした。
【0030】上記の見解を得たのは、以下の検討によ
る。前述の実験結果をCu、Snの含有量(Cu%+1
0×Sn%)と鋳片表面が900℃になるまでの時間を
パラメータに整理した結果を図3に示す。図3より、鋳
片表面を900℃まで冷却する際の所要時間を6分以内
にすれば、鋳片表面にCu、Snの濃化した溶融相は生
成しないことが判明した。
【0031】この結果、高温酸化の条件により、鋳片表
面にCu、Snの濃化した溶融相が生成する場合と、生
成しない場合とがあるという知見を得た。このCu、S
nの濃化した溶融相が生成しなければ、鋳片の表面割れ
が抑制できる。
【0032】鋳造速度:1.5m/分以上 鋳造速度が1.5m/分未満で、鋳片引き抜き所要時間
を8〜30秒以内で、かつ鋳片が鋳込み時から6分以内
に矯正を終了させるような連続鋳造機様式とすることは
技術的に困難である。また、前述したように鋳片のオシ
レーションマークが深くなり割れの発生原因となるため
下限を1.5m/分とした。上限は特に制限しないが通
常の条件では6m/分である。
【0033】上記の見解を得たのは、下記の検討によ
る。鋳造速度と鋳片の幅方向中央部とエッジ部との温度
差の関係(他の鋳造条件、2次冷却比水量は一定)を図
5に示す。
【0034】図5に示すように、鋳造速度が速い方が鋳
片の幅方向中央部とエッジ部との温度差が小さくなり、
鋳片表面部の応力が減少して割れ発生要因が抑制され
る。したがって、鋳造速度は速い方が好ましい。
【0035】次に、鋳型オシレーションストロークを一
定にし、鋳造速度を変化した場合のオシレーションマー
ク深さとの関係を図6に示す。図6に示すように、鋳造
速度が1.5m/分未満ではオシレーションマーク深さ
が著しく増加する。オシレーションマークの谷部は、鋳
片の表面割れの起点となるので鋳造速度があまり遅いの
は好ましくない。
【0036】2次冷却水量:比水量W(l/kg)が
(1/3)×Vc<W<(1/4.5)×Vc+8/
3。 2次冷却水量が少ないと溶鋼静圧により鋳片にバルジン
グが生じ、長辺および短辺に大きな引張り応力が発生
し、表面割れ、内部割れの危険性がある。バルジング歪
量が0.25%以下であれば、表面割れおよび内部割れ
には影響を与えないことを通常の操業で確認している。
そこで、鋳片表面温度を高温脆化域外の800〜100
0℃となり、かつバルジング歪量が0.25%以下とな
る条件を検討した。
【0037】その結果を図7に示す。図7は、バルジン
グ歪量を0.25%以下で、かつ矯正時における鋳片表
面温度800℃以上を確保するための、鋳造速度と2次
冷却時の比水量との関係を示している。
【0038】図7から明らかなように矯正時における鋳
片温度を800℃以上とし、バルジング歪量を0.25
%以下にするには、比水量W(l/kg)を A=(1/3)×Vc・・・・・ の条件で表される比水量よりも大きくすれば良い。
【0039】さらに比水量W(l/kg)を Aa=(1/3)×Vc+0.5・・・・・a で表される条件より大きくすれば(図7のa波線より
上方)バルジング歪量を0.15%未満にできるので、
より好ましくなる。
【0040】矯正時における鋳片表面温度を800℃以
上にするためには、比水量W(l/kg)を B=(1/4.5)×Vc+8/3・・・・・ で表した比水量よりも小さくすれば良い。
【0041】従って、式および式の両方を満足する
には、 A<W<B・・・・・ の条件を満たせば良い。この結果により、本発明者等は
鋳片表面温度とバルジング歪量は、鋳造速度と2次冷却
時の比水量W(l/kg)により決定されることを見い
だした。
【0042】
【実施例】連続鋳造機は垂直部の長さ1.5m、湾曲半
径3.5m、および鋳片メニスカス部から矯正終了点ま
での距離8.5mの垂直曲げ型を用いて、鋳型寸法10
0mm厚×1000mm幅で、亜包晶鋼(C:0.11
%、Cu:0.4%、Sn:0.03%、Si:0.2
0%、P:0.02%、S:0.007%、残:Fe
%)の鋳造を行った。このときの製造条件と鋳片品質
(鋳片の表面手入れ量で表される)の調査結果を表1、
表2に示す。
【0043】鋳造後鋳片の表面割れ状況の調査は、全長
8mの鋳片表皮下1.5〜2mmまでスラブ表面をスカ
ーフィングした後、目視により表面割れ欠陥を観察し、
その後グラインダーにより手入れを行い、その量を評価
して、「無」、「軽」(従来法の1/4程度の量)、
「中」(従来法の1/2程度の量)、「重」(従来法と
同等量)の4段階で分類評価した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(実施例1)本発明で定める条件により製
造された本発明例1および2において本発明例1では、
鋳片に割れが発生しなかったため鋳片表面手入れ量は
「無」であった。本発明例2では、鋳片表面に1ヶ所割
れが発生し軽度の手入れをしたため、鋳片表面手入れ量
は「軽」であったがこの程度であれば許容範囲の手入れ
量である。
【0047】本発明で定める条件から外れる比較例1〜
4において比較例2では、50ケ所の割れが発生し、鋳
片手入れ量は「中」であった。比較例1、3、4は、1
00〜500ケ所の割れが発生し、鋳片表面手入れ量は
「重」であり従来法と同程度であった。
【0048】(実施例2)本発明で定める条件により製
造された本発明例1〜4において本発明例1と3では、
鋳片に割れが発生しなかったため鋳片表面手入れ量は
「無」であった。本発明例2は、2次冷却比水量が低下
したためか5ケ所の割れが発生し、鋳片表面手入れ量は
「軽」であったが、この程度であれば許容範囲内の手入
れ量である。
【0049】比水量が本発明で定める条件から外れる比
較例1〜4を以下に検討する。比較例1では、2次冷却
比水量が増加したため、矯正時の鋳片表面温度が770
℃と低下し、300ケ所の割れが発生し、鋳片表面手入
れ量は「重」であった。比較例2は、150ケ所の表面
割れが発生していたとともに、2次冷却比水量が低下し
ているため、バルジングの起因と考えられる内部割れが
発生していた。したがって、鋳片表面手入れ量は「中」
程度であった。比較例3、4は、180ケ所、30ケ所
の割れが発生し、鋳片表面手入れ量は「重」および
「中」であり、許容範囲を大きく超えた手入れ量であ
る。上記のように実施例1および2とも、本発明例は比
較例に対し鋳片の表面割れ、内部割れとも発生が抑制さ
れ品質の向上は著しい。
【0050】
【発明の効果】本発明により、従来表面割れが発生して
いた重量%で0.1〜2.0%のCu、0.01〜0.
1%のSnを1種または2種を含有した溶鋼を連続鋳造
しても、鋳片に割れを発生させない鋳造が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳造から鋳片が2次冷却帯をへて鋳片を矯正す
るまでの間の縦断面模式図である。
【図2】Cu、Snが濃化溶融層を生成したときの鋳片
表層部の断面SEM写真の模式図である。
【図3】Cu、Snの濃化溶融層生成の有無をCu、S
nの含有量(Cu%+10×Sn%)と鋳片表面が90
0℃になるまでの時間とをパラメータにして整理した図
である。
【図4】鋳型内面と鋳片表面との隙間のエアーギャップ
状況の縦断面模式図である。同図(a)は、鋳型内の縦
断面模式図、同図(b)は、同図(a)のX−X線矢視
断面図、同図(c)は、同図(a)のY−Y線矢視断面
図である。
【図5】2次冷却の比水量および他の鋳造条件をほぼ一
定とした時の鋳造速度と鋳片幅方向中央部とエッジ部と
の温度差との関係図である。
【図6】鋳型オシレーションストロークを一定にしたと
きの鋳造速度とオシレーションマーク深さとの関係を示
した図である。
【図7】バルジング歪量または矯正点の表面温度を鋳造
速度と比水量とをパラメータにして整理した図である。
【符号の説明】
1:取鍋、 2:溶鋼、 3:
タンデイシュ、4:浸漬ノズル、 5:鋳型
5a:鋳型下端、6:2次冷却帯、 7:
矯正ロール、 8:メニスカス部、8a:鋳型内
面メニスカス部から100mm下方の位置、8b:鋳型
内面下端から200mm上方の位置、9:鋳片、
10:矯正ロール、 11:濃化溶融層、1
2:鋳片表面、 13:酸化スケール、 14:
空隙、14a:エヤーギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−47854(JP,A) 特開 平8−90187(JP,A) 特開 昭63−115658(JP,A) 特開 平3−193254(JP,A) 特開 昭61−195761(JP,A) 特開 平8−332556(JP,A) 特開 平3−174962(JP,A) 特開 平7−265908(JP,A) 特開 昭61−195742(JP,A) 特開 昭51−66231(JP,A) 特開 昭52−106327(JP,A) 特開 平6−292949(JP,A) 特開 昭61−276747(JP,A) 特開 平6−328211(JP,A) 特開 平9−225607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/20 B22D 11/00 B22D 11/12 B22D 11/124 B22D 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で0.1〜2.0%のCu、0.0
    1〜0.1%のSnを1種または2種を含有する溶鋼を
    連続鋳造する際、鋳造速度を1.5m/分以上とし、
    型からの鋳片引き抜き所要時間を8〜30秒とし、その
    後直ちに鋳片重量当たりの2次冷却水量で表した比水量
    W(l/kg)が下記式〜式を満たす条件で2次冷
    却を行い、鋳片の矯正を鋳込み時から1〜6分の間にて
    終了することを特徴とする連続鋳造方法。A<W<B ・・・ A=(1/3) ×Vc ・・・ B=(1/4.5) ×Vc+8/3 ・・・ ここで、Vc:鋳造速度(m/分)
JP03643697A 1997-02-20 1997-02-20 連続鋳造方法 Expired - Fee Related JP3180702B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03643697A JP3180702B2 (ja) 1997-02-20 1997-02-20 連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03643697A JP3180702B2 (ja) 1997-02-20 1997-02-20 連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10230350A JPH10230350A (ja) 1998-09-02
JP3180702B2 true JP3180702B2 (ja) 2001-06-25

Family

ID=12469771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03643697A Expired - Fee Related JP3180702B2 (ja) 1997-02-20 1997-02-20 連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3180702B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4887818B2 (ja) * 2006-02-15 2012-02-29 Jfeスチール株式会社 連続鋳造スラブの製造方法並びに高張力熱延鋼板、高張力冷延鋼板及び高張力亜鉛めっき鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10230350A (ja) 1998-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1995007780A1 (fr) Procede pour fabriquer un produit coule mince par coulee continue
US5419973A (en) Composite roll for rolling and process for producing the same
US20050205170A1 (en) High copper low alloy steel sheet
US20080264525A1 (en) High copper low alloy steel sheet
JP4323166B2 (ja) 特に亜鉛めっきを目的とした炭素鋼の冶金製品、およびその製造方法
JP3180702B2 (ja) 連続鋳造方法
JPH0565263B2 (ja)
JP3320547B2 (ja) 高炭素含有ステンレス鋼薄板の製造方法
JP5896067B1 (ja) 連続鋳造機を用いた鋳片の製造方法
JP2843665B2 (ja) 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法
JP3671868B2 (ja) 高Cr含有鋼の鋳造方法
JP3374761B2 (ja) 連続鋳造鋳片、その連続鋳造方法および厚鋼板の製造方法
JP4717357B2 (ja) 炭素鋼の高速連続鋳造方法
JP4081222B2 (ja) 微細な凝固組織を備えた鋳片及びそれを加工した鋼材
JP2838467B2 (ja) 表面疵の発生しないCr−Ni系ステンレス合金の製造方法
JP3358137B2 (ja) Cu,Sn含有薄スラブ鋳片およびCu,Sn含有鋼板の製造方法
JPS619554A (ja) 冷間圧延用鍛鋼ロ−ル
JPH0890182A (ja) 広幅薄鋳片の連続鋳造方法
JPH11179489A (ja) 鋼線材の製造方法
JP2944476B2 (ja) 鋳片の表面割れを防止した連続鍛圧法
JP4592974B2 (ja) 無方向性電磁鋼板用溶鋼の連続鋳造方法及び無方向性電磁鋼板用鋳片
WO2024053276A1 (ja) 鋼鋳片、連続鋳造方法及び、鋼鋳片の製造方法
JP2518618B2 (ja) 鋼の連続鋳造用鋳型
US20050205169A1 (en) High copper low alloy steel sheet
JPH04289136A (ja) 鋼製品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010321

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees